JP2014113226A - X線撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気ノイズに起因して患者のX線被曝線量が大きいにも関わらず、X線エネルギを低くせざるを得ない状況を改善するとともに、X線マンモグラフィにおいて特徴的な事項である、線吸収係数が相対的に秀でて高い石灰化と線吸収係数が低い腫瘤とのイメージングの最適化を図る。
【解決手段】X線撮像装置は、10〜23keVのエネルギ領域の実効エネルギより高く、かつ、少なくとも下限のエネルギが20keVであり、この20keVから37keVまでのエネルギ範囲に渡って連続的に分布し且つ特性X線のピーク波形を持たないエネルギースペクトラムのX線を発生するX線発生系と、前記X線を粒子とみなし、画素毎に、その粒子の入射に呼応して当該粒子の持つエネルギに応じた電気信号を出力するX線検出器と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、X線を用いて対象の内部組織を撮像するX線撮像装置に係り、とくに、X線を用いて人体の乳房を画像化し、乳癌の診断を行うX線マンモグラフィ装置(又は乳房X線撮影装置とも呼ばれる)のほか、従来概ね15〜25keVのネルギー範囲のX線を用いて映像化していた非破壊検査装置、小動物のX線装置などの、被検体の軟組織をX線で撮像するX線撮像装置に関する。
女性を中心とした乳房に発生するガンは、日本では女性の部位別罹患率の第1位(2007年)で、ガンでの死亡数の第4位(2010年)であり、その数は年々増加している。また欧米では日本と比べて乳癌の発生確率が高く、更に重要な位置付けとされている。乳癌は発見が早ければ予後は比較的良く、早期発見は重要な課題である。そのため、検診の必要性が強く求められているが、我が国では検診率が欧米に比べて低く12.1%(2010年)であり、検出に有効であると言われているマンモグラフィを用いた健診はわずか10.1%(2010年)である。
乳癌の診断は主に触診とマンモグラフィを用いているが、そのほか超音波装置も有効である。また、さらに詳細な診断法としてはMRIやCT、生検(バイオプシー)などを用いる。これらの中で、最も簡便で早期発見に有効な手法がX線マンモグラフィであるとされている(非特許文献1,2を参照)。
このX線マンモグラフィは後述するように、微小な石灰化物や低コントラストの腫瘍を検出するために、高鮮鋭高コントラストの増感紙フィルム系を用いていた。しかし、近年のX線マンモグラフィでは、ディジタル技術の進歩により、CR(computed radiography)やFPD(flat panel
detector)を用いたディジタル画像系が主流になっている。
ディジタルX線マンモグラフィであっても、従来のマンモグラフィと同様に、石灰化(Micro Calcification)を検出するためには、100μm以下の分解能が要求される。これと同時に、腫瘤の検出のためには、わずかなX線吸収の差をコントラスト良く画像化することが要求される。
前者の要求に係る分解能の改善については、検出画素サイズを小さくする方法がとられる。後者の要求については、検出器のノイズ特性や検出感度の制約と乳房が軟組織を中心に構成されていることから、X線発生系からの発生エネルギを、10〜20keVの領域に抑えるように工夫することで対処している。この工夫とは17.5keVと19.6keVに特性X線を有するモリブデン(Mo)をX線管のターゲット(陽極)材に使用し、皮膚被曝に大きな影響を与える10keV前後の低エネルギ成分と、コントラストの低下をもたらす20keV以上の成分とを抑えるためのモリブデン製のフィルタを用いることである。このフィルタのスペクトラムが持つ20keVのK吸収端に依る20keV以上のエネルギ成分のX線を抑制する効果と、そのフィルタの厚さに依存した低エネルギ成分のX線を抑制する効果とを利用し、所望のエネルギ領域(すなわち、10〜20keVのエネルギ領域)のX線スペクトラムを得ている。
また、乳房が大きい場合、更に高いエネルギを用いないと良好な画像が得られない。このため、乳房が大きい場合、K吸収端が23.2keVとわずかに高いロジューム(Rh)をフィルタとして用いる。いずれにせよ、現状のX線マンモグラフィでは、モリブデンの特性X線である17.5keVと19.6keVの特性に重み付けされたイメージング手法と言える。
一方、非破壊検査の分野では、比較的軽い物質や、小さな魚や昆虫などの小動物などもX線撮影される。この場合も同様に、15keV〜25keVぐらいのX線を用いるが、X線管電流を上げるか、撮像時間をある程度確保しないと十分な画質が得られない、という状況にある。
Optimization of aDual-Energy Contrast-Enhanced Technique for a Photon Counting Digital BreastTomosynthesus System University of Pennsylvania, Dept. Radiology 9th InternationalWorkshop, IWDM 2008 Tucson, AZ, USA, July 2008 Proceedings Royal Philips Healthcareのニュース http://medcitynews.com/2011/06/philips-secures-sectras-mammography-technology/
通常、乳房が乳腺(20keVにおける線吸収係数が0.8cm-1)、脂肪(同0.45cm-1)、皮膚(同0.8cm-1)などから構成されている。いま、病巣部である腫瘤の20keVにおける線吸収係数が0.85cm-1)、石灰化のそれが12.5cm-1であるとする。ここで、15keVの中間エネルギのX線を想定し、5cm程度の50%脂肪50%乳腺(同1.23cm-1)を想定する。この想定の場合、約99.8%のX線が体内に吸収され、その分のX線はイメージングには寄与しない。このため、十分に診断可能な画像を得るためには、X線管電流を上げるか、X線照射時間を上げねばならない。そのようにすると、乳房へのX線被曝線量が増加する。つまり、精細な画像とX線被曝線量はトレードオフの関係である。
女性の乳房検診に対してX線被曝への注意がなされるのはそのような理由に基づいている。
前述した現状の検出器系のノイズ特性について説明する。現状のディジタル型の検出器が直接変換方式であれ、間接変換方式であれ、X線量を一定時間積分することで、検出器からの出力を得る方式がほとんどである。このような積分型の信号検出方式では、検出器の出力を電気信号に変換する際に発生する電気ノイズも含めて積分してしまう。この電気ノイズは一般的には、入射するX線量には依存せずに発生する。このため、信号の量(X線の量)が少ないと、電気ノイズの成分のウエイトが上がり、X線透過情報がノイズに埋もれて見えなくなる傾向にある。マンモグラフィにおいては、特に取り扱うX線エネルギが低いため、この傾向が顕著である。
本発明は上述した従来のX線マンモグラフィの問題点を改善することを目的とする。特に、本発明は、従来の積分型のX線検出器が直面している、電気ノイズに起因してSN比が悪いこと、回路のダイナミックレングが狭いために高線量部や低線量部でコントラスト識別能が不足するため、患者のX線被曝線量が大きいにも関わらず、X線エネルギを低くしてコントラストを確保せざるを得ない状況を改善するとともに、X線マンモグラフィにおいて特徴的な事項である、線吸収係数が相対的に秀でて高い石灰化と線吸収係数が低い腫瘤とのイメージングの最適化を図ることが可能なX線マンモグラフィを提供することを、その目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係るX線撮像装置は、その基本的な構成として、10〜23keVのエネルギ領域の実効エネルギより高く、かつ、少なくとも下限のエネルギが20keVであり、この20keVから37keVまでのエネルギ範囲に渡って連続的に分布し且つ特性X線のピーク波形を持たないエネルギースペクトラムのX線を発生するX線発生系と、前記X線を粒子とみなし、画素毎に、その粒子の入射に呼応して当該粒子の持つエネルギに応じた電気信号を出力するX線検出器と、を備えている。
この基本的な構成におけるポイントは、少なくとも従来のX線マンモグラフィのエネルギ領域(概略10keV〜23keV)よりも平均X線エネルギが高く、その従来のエネルギ領域とのオーバーラップを20%以下に設定したエネルギ帯域のX線を使用することである。このことから、少なくとも下限のエネルギが20keVが規定されている。
上述した基本構成のうち、前記X線発生系は、例えば、陽極を有するX線管と、前記X線管のX線照射側に配置され且つ前記陽極から発生する前記X線が通過する位置に配置されたフィルタと、を有し、前記フィルタは、前記エネルギースペクトラムよりも高域側のエネルギを有するX線粒子の通過を抑制する第1のフィルタと、前記エネルギースペクトラムよりも低域側のエネルギを有するX線粒子の通過を抑制する第2のフィルタと、を有する。
前記陽極は例えばタングステンであり、前記X線管は、例えば、前記陽極から発生するX線のエネルギ分布領域が37〜50keVであり、かつ、その領域に前記特性X線のピーク波形を持たないように設定されている。
さらに、前記第1のフィルタは、例えば、その組成にバリウムを含むバリウムフィルタ、又は、その組成にランタンを含むランタンフィルタであり、前記第2のフィルタは、例えば、アルミニウムから成るアルミニウムフィルタである。
本発明に係るX線撮像装置によれば、従来の積分型のX線検出器が直面している、電気ノイズに起因してSN比が悪いこと、回路のダイナミックレングが狭いために高線量部や低線量部でコントラスト識別能が不足するため、患者のX線被曝線量が大きいにも関わらず、X線エネルギを低くしてコントラストを確保せざるを得ない状況を改善することができる。これと共に、X線マンモグラフィにおいて特徴的な事項である、線吸収係数が相対的に秀でて高い石灰化と線吸収係数が低い腫瘤とのイメージングの最適化を図ることが可能なX線マンモグラフィを提供することができる。
また、本発明に係るX線撮像装置によれば、非破壊検査装置においては、検査時間を短縮したり、管電流を低減したりすることで、装置を小型化して装置のコストを下げたり、小焦点のX線管を用いて高解像度を得たりすることができる。
添付図面において、
本発明の1つの実施形態に係る、X線撮像装置のとしてのX線マンモグラフィ装置の構成の概要を説明する図。 X線マンモグラフィ装置におけるX線発生系とX線を検出する系の構成の概要を説明する図。 X線管から曝射されるX線のエネルギースペクトラムを例示するグラフ。 X線のエネルギースペクトラムとアルミニウムフィルタ及びバリウムフィルタの帯域特性の関係を説明するグラフ。 フィルタによりX線の帯域成分が抑制又はカットされた後のX線のエネルギースペクトラムを例示するグラフ。 図5に示すX線のエネルギースペクトラムと従来のX線マンモグラフィに使用されているX線のエネルギースペクトラムを対比して説明するグラフ。 実施形態で採用した検出器の概略構成を示す斜視図。 フォトンカウンティング方式でX線検出を行う検出器の電気的な構成の概要を説明するブロック図。 X線パルスとエネルギ弁別のための閾値との関係を説明する図。 実施形態に係るX線マンモグラフィ装置で採用しているフォトンカウンティング方式のX線検出のためのエネルギ閾値を説明するグラフ。 実施形態に係るX線マンモグラフィ装置の電気的な構成を説明するブロック図。 実施形態の変形例に係るX線マンモグラフィ装置で採用しているフォトンカウンティング方式のX線検出のためのエネルギ閾値を説明するグラフ。 変形例に係るフォトンカウンティング方式でX線検出を行う検出器の電気的な構成の概要を説明するブロック図。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るX線撮像装置としての軟組織用のX線撮像装置の実施形態を説明する。撮像対象は被検体の軟組織であり、例えば女性の乳房であり、主に乳癌の早期発見のためである。このため、この軟組織用のX線撮像装置は、X線マンモグラフィ装置又は乳房X線撮影装置とも呼ばれる。以下、この実施形態では、X線マンモグラフィ装置と呼ぶことにする。
図1〜図11を参照して、1つの実施形態に係るX線マンモグラフィ装置を説明する。
このX線マンモグラフィ装置は、被検体の乳房を撮像対象とするもので、X線の検出をフォトンカウンティング(光子計数)と呼ばれる方式で行い、その検出値をトモシンセシス法(tomosynthesis)法で処理して乳房の画像を得る例である。勿論、この画像を得るための処理は、スキャノグラムと呼ばれる透過像を得るものであってもよいし、CT(Computed Tomography)画像を得るものであってもよい。
本実施形態に係るX線マンモグラフィ装置1は、図1に示すように、直立したガントリ11と、そのガントリ11にその横方向に向けられて回動可能に保持されたアーム部12とを備える。なお、このガントリ11の長手方向をZ軸とする直交座標系を図1に示すように設定する。
アーム部12は略コ字状の側面形状を有し、上下2本の横方向に伸びる梁部12A,12Bと、これらの梁部12A,12Bの夫々の一端部を縦方向(Z軸方向)に繋ぐピラー部12Cとを有する。このうち、一方の梁部12Aには、X線を発生させるX線発生系21を備える。もう一方の梁部12Bは、平面状のX線検出装置31がその横方向の位置を前後左右に(つまりXY面に沿って)調整可能に有する。また、ピラー部12Cには、被検体Pの乳房MをX線検出装置31との間で圧迫する圧迫板32がその高さ方向(つまりZ軸方向)の位置を調整可能に備えられている。
なお、このX線マンモグラフィ装置1には、後述するX線管に駆動用の高電圧を供給する高電圧発生装置3、コンソール4、入力器5、及び表示器6を備える。高電圧発生装置3は、上側の梁部12Aの内部に設置されている。コンソール4は、ガントリ11、アーム部12、X線検出装置31、及び圧迫板32の駆動部(図示せず)を制御するとともに、ガントリ11内の電気的要素及び高電圧発生装置3の駆動を電気的に制御する。
図2に、上述したX線発生系21、圧迫板32、乳房M、及びX線検出装置31の位置関係を詳細に示す。
このうち、X線発生系21は X線管22と、そのX線管22のX線照射側に順に配設された第1及び第2のフィルタ23,24とを備える。第1のフィルタ23はアルミニウム(Al)材を所望厚さの板状に成形したフィルタであり、以下、アルミニウムフィルタと呼ぶ。第2のフィルタ24は、その組成の1つとしてバリウム(Ba)を含む所望厚さの板状に成形したフィルタであり、以下、バリウムフィルタと呼ぶ。このバリウムフィルタのK吸収端は、37.4keVである。
X線管22には、インバータ制御で高電圧を発生させる高電圧装置24から高電圧が供給される。このX線管22は、その陽極材22Aとしてタングステン(W)が使用されている。
なお、第2のフィルタ24には、バリウムフィルタの代わりに、K吸収端が38.92keVのランタン(La)材を所望厚さの板状に形成した、ランタンフィルタであってもよい。
上述のX線管22から例えばパルス状のX線が曝射される。そのX線はアルミニウムフィルタ23,バリウムフィルタ24及びコリメータ(図示せず)を介して被検体Pの乳房Mに向けてコリメートされたパルス状X線または連続X線として照射される(図2の仮想線M1参照)。
このとき、X線管22から発生するX線のエネルギは、図3に示すようなスペクトラムを持つ。このスペクトラムの分布では、横軸にエネルギ[keV]を採り、縦軸にX線のフォトン(光子)の数を採っている。本実施形態は、フォトンカウンティング方式でX線検出を行っているので、かかる分布の縦軸の量をフォトン数(計測数)に割り当てている。この図3の例の場合、管電圧を50kVに設定しているので、50keVをエネルギの上限値とし、その途中の35keV付近にスペクトラムのピークを有し、且つ、それよりも低いエネルギ帯域まで分布が伸びている。つまり、殆ど0に近い低域側のエネルギから50keVまで連続的にブロードであって、35keV付近にピークを有する分布を成している。管電圧を上下させると、その分、発生するX線の強度もエネルギも上下する。つまり、管電圧の上下に応じて、エネルギースペクトラムの高さ(フォトン数)も幅(エネルギ値)も大きく(広く)なる。なお、図3に示すスペクトラムは特性X線のピーク波形を有していない。それは、陽極材22Aとして使用したタングステンの特性X線は50keVよりも上のエネルギ値(57〜59keV付近)で現れるもので、管電圧を50kVに設定した場合には図3に示すように特性X線のないブロードなエネルギースペクトラムになる。なお、管電圧は必ずしも50kVでなくてもよく、特性X線が出ない範疇の値であればよく、例えば40〜50kVの間の任意の値に設定してもよい。
図3に示すエネルギースペクトラムの分布は、このままではX線マンモグラフィに適さない。
そこで、このX線管22から曝射された生のX線は、アルミニウムフィルタ23及びバリウムフィルタ24により、そのエネルギースペクトラムの分布が補正される。図4にその帯域特性を示す。このうち、アルミニウムフィルタ23は、低域側のエネルギースペクトラム、すなわち、この例では、約17keV以下のエネルギ成分をカット又は抑制する。アルミニウムフィルタ23は、そのようなエネルギ成分のカット又は抑制が可能なように、その板厚が選択されている。反対に、バリウムフィルタ24は、低域側のエネルギースペクトラム、すなわち、この例では、約37keV以上のエネルギ成分をカット又は抑制する。バリウムフィルタ24は、そのようなエネルギ成分のカット又は抑制が可能なように、その板厚が選択されている。
この結果、X線管22から曝射されたX線は、アルミニウムフィルタ23及びバリウムフィルタ24を透過することで、図5に示すようなエネルギースペクトラムを有する。同図によれば、両フィルタ23,24で低域側及び高域側のスペクトラム分布がカットされ、およそ、17keV〜37keVまでの狭い帯域で連続した分布を有する。高域側のスペクトラム分布は、約37keVで急激に低下している。この結果、X線マンモグラフィで必要な20keV〜37keV付近の帯域を中心に、X線のエネルギースペクトラムの分布を確保できている。
図6には、両フィルタ23、24を透過してスペクトラム補正されたX線、すなわち、X線発生系21から被検体Pの乳房Mに向けて曝射されるX線のエネルギースペクトラムと、従来のX線マンモグラフィで主流となっているそれとを比較して示す。図6において、本実施形態に係るX線のエネルギースペクトラムは、(1):W/Al/Ba1と(2):W/Al/Ba2に対する2つのスペクトラムとが示されている。この図示は、図5においても同様である。なお、W/Al/Ba1とW/Al/Ba2は、共に、アルミニウムフィルタ及びバリウムフィルタを有し、かつ陽極材にタングステンを用いたX線発生系であることを示している。Ba1及びBa2の添え字「1」、「2」はバリウムフィルタの厚さが違っていることを示している。
また、図6において、従来のX線マンモグラフィ用のエネルギースペクトラムは、X線管の陽極にモリブデン(Mo)を、また上記第1のフィルタとしてロジウム(Rh)によるフィルタを用いた例である。このエネルギースペクトラムは、Mo/Rhとして図示されている。
図6に示す両スペクトラム、すなわち本実施形態に係る2つのスペクトラム(1):W/Al/Ba及び(2):W/Al/Baと、従来例に係るスペクトラムMo/Rhとを比較してみれば、その違いは一目瞭然である。本実施形態に係る2つのスペクトラムは共に、従来例に係るそれよりも高域側のエネルギ帯域を有し(主に、20〜37keV)を有し、かつ、特性X線がない連続的な分布になっている。このエネルギースペクトラムは、従来のものよりも、高いX線エネルギを有し、X線マンモグラフィに適したものである。
このように、そのエネルギの帯域が補正(制限)されたX線がX線発生系21から被検体Pの乳房Mに入射する。
なお、本実施形態において、使用するX線帯域としての20keV〜37keVの中心帯域をずらしたり、その下限値を20keVから上下させたり、その上限値を37keVから上下させたりして、所望のX線スペクトラムを作成してもよい。この所望のX線スペクトラムを作成する上でのポイントは、本発明でマンモグラフィに使用するエネルギ帯域が従来のマンモグラフィで使用されているエネルギ帯域(概略10keV〜23keV)よりも十分に高いことである。そのための一つの指標として、本発明者等は、本実施形態において、少なくとも従来のマンモグラフィ装置が使用されているエネルギ帯域よりも平均X線エネルギが高く、且つ、従来のエネルギ領域とのオーバーラップが20%以下のエネルギ帯域を使用することを提案する。
図2に戻って説明する。圧迫板32は、X線検出装置31の上面との間で被検体Pの乳房Mを挟み込み、乳房Mを圧迫するように構成されている。これは、乳房Mを極力薄い状態に変形させた状態で撮像することで病変部の描出をより精細に行うためである。
また、X線検出装置31は、薄い略箱状のケーシング31Aを有する。このケーシング31Aの内部に、X線の散乱線を防止するためのグリッド41と、X線を検出するX線検出器(以下、単に検出器と呼ぶ)42と、この検出器42に高圧のバイアス電圧を供給するバイアス電源43とが備えられる。ケーシング31Aの少なくともZ軸方向(使用状態におけるZ軸方向)の部分はX線を透過する樹脂で形成されている。ケーシング31Aの内部では、検出器42のX線入射面42F(図7参照)にグリッド41が載置され、そのグリッド41がケーシング31Aの上壁の下面に当接している。
この検出器42は、図7に示すように、X線撮像素子を2次元に配列した複数の検出モジュールB1〜Bnを有し、この複数の検出モジュールB1〜Bnの全体で検出部分が構成される。複数の検出モジュールB1〜Bmは互いに独立したブロックとして作成され、それらを基板(図示せず)上に所定形状(例えば矩形状)に実装して検出器42の全体が作成される。個々の検出モジュールB1(〜Bm)はX線を直接、電気パルス信号に変換する半導体材料で作成される。このため、検出器42は、半導体による直接変換方式のフォトンカウンティング型X線検出器である。
この検出器42は、上述したように、複数の検出モジュールB1〜Bmの集合体として形成され、その全体として、2次元に配列された収集画素S(n=1〜N:画素数Nは例えば50x1450画素)を有する。各収集画素Sのサイズは、例えば200μm×200μmである。また、検出器22のX線検出面のサイズは、例えば横6.4mm×縦150mm)である。
このため、検出器42は、入射X線に応じた光子(フォトン)を、検出器42の入射面42Fを構成する画素(収集画素)S(n=1〜N)毎に計数して、その計数値を反映させた電気量のデータを例えば300fpsの高いフレームレートで出力する。このデータはフレームデータとも呼ばれる。
この複数の収集画素Sそれぞれは、テルル化カドミウム半導体(CdTe半導体)、カドミウムジンクテルライド半導体(CdZnTe半導体)、シリコン半導体(Si半導体)、CsIなどのシンチレータに、光電変換器をC−MOSなどの半導体セル(センサ)Cにより構成される。この半導体セルCは、それぞれ、入射するX線を検出して、そのエネルギ値に応じたパルス電気信号を出力する。つまり、検出器42は、半導体セルCの複数が2次元に配列されたセル群を備え、その半導体セルCのそれぞれ、すなわち、2次元配列の複数の収集画素Sそれぞれの出力側にデータ収集回路51(n=1〜N)が備えられている(図8参照)。ここで、収集画素Sのそれぞれ、すなわち半導体セルCのそれぞれから各データ収集回路51(〜51)に至る経路を必要に応じて、収集チャンネルCNn(n=1〜N)と呼ぶ。
なお、収集画素Sのそれぞれを形成するX線検出素材は、Pr:LuAG(プラセオジム添加ルテチウム・アルミニウム・ガーネット)あるいはCe:GAGG(ガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット)などの結晶を用いた減衰時間の早いシンチレータとSiPM(シリコンフォトマルティプライヤー)を組み合わせた要素であってもよい。
なお、この半導体セルSの群の構造は、特開2000−69369号公報、特開2004−325183号公報、特開2006−101926号公報によっても知られている。
ところで、前述した各収集画素Sのサイズ(200μm×200μm)は、X線を光子(粒子)として検出することが可能な十分小さい値になっている。本実施形態において、X線をその粒子として検出可能なサイズとは、「放射線(例えばX線)粒子が同一位置又はその近傍に複数個連続して入射したときの各入射に応答した電気パルス信号間の重畳現象(パイルアップとも呼ばれる)の発生を実質的に無視可能な又はその量が予測可能なサイズ」であると定義される。この重畳現象が発生すると、X線粒子の「入射数対実際の計測数」の特性にX線粒子の数え落とし(パイルアップカウントロスとも呼ばれる)が発生する。このため、検出器42の収集画素Sのサイズは、この数え落としが発生しない又は実質的に発生しないと見做せる大きさに、又は、数え落し量が推定できる程度に設定されている。この検出器42の特徴は、X線パルスの数が正確に計測できることである。
続いて、図8を用いて、検出器42の電気的なデータ収集回路を説明する。複数のデータ収集回路51(n=1〜N)のそれぞれは、各半導体セルCから出力されたアナログ量の電気信号を受けるチャージアンプ52を有し、このチャージアンプ52の後段に、波形整形回路53、多段の比較器54〜54(ここではi=2)、エネルギ領域振分け回路55、多段のカウンタ56〜56(ここではi=2)、多段のD/A変換器57〜57(ここではi=2)、ラッチ回路58、及びシリアル変換器59を備える。
各チャージアンプ52は、各半導体セルSの各集電電極に接続され、X線粒子の入射に応答して集電される電荷をチャージアップして電気量のパルス信号として出力する。このチャージアンプ52の出力端は、ゲイン及びオフセットが調整可能な波形整形回路53に接続されており、検知したパルス信号の波形を、予め調整されているゲイン及びオフセットで処理して波形整形する。この波形整形回路53のゲイン及びオフセットは、半導体セルCから成る収集画素S毎の電荷チャージ特性に対する不均一性と各回路特性のバラツキを考慮して、キャリブレーションされる。これにより、不均一性を排除した波形整形信号の出力とそれに対する相対的な閾値の設定精度とを上げることができる。この結果、各収集画素Sに対応した、即ち、各収集チャンネルCNの波形整形回路53から出力された波形整形済みのパルス信号は実質的に入射するX線粒子のエネルギ値を反映した特性を有する。したがって、収集チャンネルCN間のばらつきは大幅に改善される。
この波形整形回路53の出力端は、複数の比較器54〜54の比較入力端にそれぞれ接続されている。この複数の比較器54〜54それぞれの基準入力端には、図9に示す如くそれぞれ値が異なるアナログ量の閾値th(ここではi=1〜2)が印加されている。これにより、1つのパルス信号を異なるアナログ量閾値th〜thに各別に比較することができる。この比較の理由は、入射したX線粒子のエネルギ値が、事前に複数に分けて設定したエネルギ領域ER〜ER(図10参照)のうちのどの領域に入るのか(弁別)について調べるためである。パルス信号の波高値(つまり、入射するX線粒子のエネルギ値を表す)がアナログ量閾値th〜thのどの値を超えているかについて判断される。これにより、弁別されるエネルギ領域ER〜ERが異なる。
なお、最も低いアナログ量閾値thは、通常、外乱や、半導体セルS、チャージアンプ42などの回路に起因するノイズ、或いは、画像化に必要のない低エネルギの放射線を検出しないようにするための閾値として設定される。このため、最も低いアナログ量閾値thよりもエネルギが低い帯域は、ノイズや外乱に左右される情報が多いとして、「計測しない(非計測)エネルギ帯域」として扱われる。
また、閾値の数、すなわち比較器の数は、必ずしも2個に限定されず、上記アナログ量閾値th1の分を含めて1個であってもよいし、後述するように3個以上であってもよい。
上述したアナログ量閾値th〜thは、具体的には、コンソール4からディジタル値で収集画素S毎、即ち収集チャンネル毎に与えられる。このため、比較器54〜54それぞれの基準入力端は2つのD/A変換器57〜57の出力端にそれぞれ接続されている。このD/A変換器57〜57はラッチ回路58を介して閾値受信端T(〜T)に接続され、この閾値受信端T(〜T)がコンソール4に接続されている。
ラッチ回路58の出力は、撮像時に、後述する閾値受信端T(〜T)を介して与えられたディジタル量の閾値th´〜th´をラッチし、対応するD/A変換器D/A変換器57〜57にそれぞれ出力される。このため、D/A変換器57〜57は指令されたアナログ量の閾値th〜thを電圧量として比較器54〜54それぞれに与えることができる。各収集チャンネルCNは、D/A変換器57(i=1〜2)から比較器54(i=1〜2)を介してカウンタ55(i=1〜2)に至る1つ又は複数の回路系につながっている。この回路系を「弁別回路」DS(i=1〜2)と呼ぶ。
図10に、このアナログ量閾値th(i=1〜3)に相当するエネルギ閾値TH(i=1〜2)の設定例を示す。
アナログ量閾値thは、各弁別回路DSにおいて比較器54に与えるアナログ電圧であり、エネルギ閾値THはエネルギースペクトラムのX線エネルギ(keV)を弁別するアナログ値である。図10に示すエネルギースペクトラムは、前述したように、X線発生系21から曝射されるX線のエネルギの連続スペクトラムの一例を示す。なお、縦軸の計数値(カウント)は横軸のエネルギ値に相当するフォトンの発生頻度に比例する量であり、横軸のエネルギ値はX線管22の管電圧に依存する量である。このスペクトラムに対して、第1のアナログ量閾値thを、X線粒子数を計数不要領域(計測に意味のあるX線情報がなくかつ回路ノイズが混在する領域)と低目のエネルギ領域ERとを弁別可能なエネルギ閾値THに対応して設定する。この第1のエネルギ閾値THは一例として20keVに設定されている。
また、第2のアナログ量閾値thを、第1のエネルギ閾値THより高い値THであって、Xマンモグラフィとして有意なX線透過情報とそうでない情報とを弁別可能な値に設定されている。この第2のエネルギ閾値THは一例として37keVに設定されている。この第2のエネルギ閾値THは35〜39keV程度の範囲から選択的に設定される。
勿論、上述の第1及び第2のエネルギ閾値TH,THは被検体Pの乳房Mの大きさ、年齢などに応じて適宜、変更可能になっている。この変更は、例えば検査医師が手動で入力器5から指令できるようになっている。
このため、比較器54〜54の出力端は、図8に示すように、エネルギ領域振分け回路55に接続されている。このエネルギ領域振分け回路55は、複数の比較器54〜54の出力、すなわち、検出したX線粒子のエネルギ値に相当するパルス電圧とアナログ量閾値th(〜th)との比較結果を解読し、そのエネルギ値がどのエネルギ領域ER〜ERに分類されるかという振分けを行う。エネルギ領域振分け回路55は、カウンタ56〜56の何れかに弁別結果に応じたパルス信号を送る。例えば、エネルギ領域ERに弁別される事象があれば、1段目のカウンタ56にパルス信号を送る。エネルギ領域ERに弁別される事象があれば、2段目のカウンタ56にパルス信号を送る。エネルギ領域ERに弁別される事象については、どのカウンタ56、56にも入力がない。つまり、そのようなノイズの影響を強く受けていると思われるエネルギを持つ光子はカウントされない。
このため、カウンタ56〜56のそれぞれは、エネルギ領域振分け回路55からパルス信号が入力される度にカウントアップする。これにより、担当するエネルギ領域に弁別されるエネルギ値のX線粒子数を一定時間毎の累積値として計測することができる。なお、カウンタ56〜56にはコンソール4からスタート・ストップ端子T2を介して起動及び停止の信号が与えられる。一定時間の計測は、カウンタ自身が有するリセット回路を使って外部から管理される。
このようにして、リセットされるまでの一定時間の間に、複数のカウンタ56〜56により、検出器42に入射したX線の粒子数が、収集画素S毎に且つエネルギ領域毎に計測される。このX線粒子数の計数値は、カウンタ56〜56のそれぞれからディジタル量の計数データとして並列に出力された後、シリアル変換器59によりシリアルフォーマットに変換される。このシリアル変換器59は残り全ての収集チャンネルのシリアル変換器59〜59とシリアルに接続されている。このため、全てのディジタル量の計数データは、最後のチャンネルのシリアル変換器59からシリアルに出力され、送信端T3を介してコンソール4に送られる。
コンソール4は、図11に示すように、信号の入出力を担うインターフェース(I/F)61を備え、このインターフェース61にバス62を介して通信可能に接続されたコントローラ63、第1の記憶部64、画像プロセッサ65、キャリブレーション演算器68、第2の記憶部69、ROM70、及び閾値付与器71を備えている。また、インターフェース61は入力器5及び表示器6に接続され、コントローラ63と通信可能になっている。
コントローラ63は、ROM70に予め与えられたプログラムに沿ってガントリ11の駆動を制御する。この制御には、高電圧発生装置3への指令値の送出、及び、キャリブレーション演算器68への駆動指令も含まれる。第1の記憶部64は、ガントリ11からインターフェース61を介して送られてきたフレームデータを保管する。
画像プロセッサ65は、コントローラ63の管理の下に、ROM70に予め与えられたプログラムに基づいて、各種の処理を実行する。この処理には、フレームデータに公知のシフト・アンド・アッド(shift and add)と呼ばれる演算法に基づくトモシンセシス法を実行する処理が含まれる。
この処理により、検出器42から出力されるエネルギ領域別に収集したX線フォトン数のカウント値に基づくフレームデータを使って、被験者Pの乳房Mの所望断面のパノラマ画像が断層像として作成される。
本実施形態にあっては、このパノラマ画像はWO2011013771号公報に開示されている、所望の擬似3次元断面又は所望の2次元断面に沿ったパノラマ画像を自動的に最適焦点化する、所謂、オートフォーカスの手法により再構成される。疑似3次元断面とは、断面自体は2次元であるが、その断面が3次元空間に3次元的に位置していることを言う。この3次元及び2次元の所望断面の採り方は様々である。
表示器6は、トモシンセシス法により作成されるパノラマ画像を表示する。また表示器6は、ガントリ11の動作状況を示す情報及び入力器5を介して与えられるオペレータの操作情報の表示も担う。入力器5は、オペレータが撮像に必要な情報をシステムに与えるために使用される。
また、キャリブレーション演算器68は、データ収集回路で収集画素S毎のエネルギ弁別回路毎に与える、エネルギ弁別のためのディジタル量の閾値をキャリブレーションする。第2の記憶部69は、キャリブレーションにより収集画素毎、及び、エネルギ弁別回路毎に生成された閾値の値を記憶する。
閾値付与器71は、撮像時に第2の記憶部69に格納されているディジタル量の閾値を収集画素毎に且つ弁別回路毎に呼び出して、その閾値を指令値としてインターフェース61を介して検出器42に送信する。
コントローラ63、画像プロセッサ65、キャリブレーション演算器68、及び閾値付与器61は、夫々、与えられたプログラムで稼動するCPU(中央処理装置)を備えている。それらのプログラムは、ROM70に事前に格納されている。
この構成されたX線マンモグラフィ装置1では、コントローラ63の制御の下に、ガントリ11のアーム部12を被検体Pの乳房Mの周りに回転させる。この回転中に、X線発生系21からX線が撮像対象である乳房Mに向けて照射される。
このX線は、前述したように、アルミニウムフィルタ23及びバリウムフィルタ24により、そのエネルギースペクトラムが補正される。つまり、図6に示すようにスペクトラムが補正される。この補正されたスペクトラムによれば、約20〜37keVの帯域に特性X線を持たないブロードなエネルギを有し、約37keVよりも高い帯域ではバリウムフィルタ24によりエネルギが抑制されている。また、約20keVよりも低い帯域ではアルミニウムフィルタ23によりエネルギがほとんどカットされている。この約20〜37keVの帯域に主要なエネルギを有するX線が軟組織である乳房Mを通過する。
このX線のフォトンの一部は乳房Mの組織で吸収されるが、従来よりも多い、残りのフォトンが乳房Mを透過して検出器42により検出される。これにより、X線からディジタル電気量に直接変換されたデータが前述したフレームデータが検出器42から出力される。このフレームデータは、各収集画素Sにおけるエネルギ帯域ER毎のX線フォトン数の積算値を反映したデータである。
このフレームデータは、アーム12の回転している間に、一定のフレームレートでフレーム毎に収集される。このフレームデータは順次、コンソール4に送られ、第1の記憶部64に保存される。
そこで、撮像、つまりデータ収集が終わると、画像プロセッサ65は、入力器5からの操作者の指令に応じて、第1の記憶部64に格納されているフレームデータを読み出し、このフレームデータを用いて画像、例えば乳房Mのある断面のX線透過画像を例えばトモシンセシス法の元で再構成する。各収集画素Sから2つのエネルギ領域ER、ERのフレームデータが得られる。
このため、この画像の再構成において、画像プロセッサ65は、例えば、高いエネルギ帯域ERのフレームデータに低い又は零の重み付けを施し、低いエネルギ帯域ERのフレームデータにより高い重み付けを施し、それらを収集画素S毎に相互に加算する。これにより、収集画素S毎に、収集されたデータが作成される。これにより、全収集画素Sから収集したX線スキャンに伴うデータが揃うので、これらの収集データをトモシンセシス法で処理してパノラマ画像を再構成する。このパノラマ画像は例えば表示器36で表示される。勿論、重み付けを施さずに画像を再構成してもよい。
ここで、前述したX線の検出回路の電気ノイズについて述べる。この電気ノイズの影響を無くすという視点で、最近、フォトンカウンティング型の検出器を搭載した装置が歯科パノラマ装置として製品化されている。フォトンカウンティング検出技術はX線を粒子とみなし、その粒子のエネルギをパルスの高さと見なせる、パルス信号に整形して、エネルギ閾値を設けることで、その閾値を越えたパルスのみカウンタで計測する技術で、200μmx200μm程度の画素で独立して計測し、しかも複数のエネルギ閾値(これをエネルギBINと呼び、BINの数は3〜4)を識別可能なシステムが製品化されている。この技術では少なくとも電気ノイズよりも高いエネルギに閾値設定をするために、電気ノイズが乗らないのが大きな特徴である。
また複数のエネルギに分割した収集が可能なので、X線エネルギに応じて物質の線吸収係数が異なるために、線吸収係数が高い物質においては、高いエネルギでコントラストが得やすく、線吸収係数が低い物質では、低いエネルギでコントラストが得やすい傾向にある。このことからBIN毎の画像を適宜に重み付け加算することで、腫瘤と石灰化の両者を最適に表示したり、どちらかに最大限コントラストが得られるような処理方法を行ったりすることも可能になる。
次に、図12及び図13を参照して、上述した実施形態の変形例に係るX線マンモグラフィ装置を示す。この装置では、フォトンカウンティングに係るエネルギ閾値を図12に示すように、TH,TH,およびTH(TH<TH<TH)の3個にし、エネルギ領域をER,ER,ER,およびERの4個に分けている。3つのエネルギ閾値を図10のそれと比較すると、第1及び第3のエネルギ閾値TH,THは、図10の第1及び第2のエネルギ閾値TH,THと同じであり、第2のエネルギ閾値THが両値TH,THの間の所望値に設定れている。つまり、計数しないエネルギ領域ERを除くと、前述した20〜37keVのエネルギ領域が更に2つの領域に分けられ、37keV以上のエネルギ領域と合わせて、3つのエネルギ領域ER,ER、ERが画素毎に作られている。
この計数用の3つのエネルギ領域ER,ER、ERを得るために、図13に示すように、検出器42の各データ収集回路51(n=1〜N)に、もう一段の弁別回路DSが併設されている。この弁別回路DSは、各収集チャンネルCNにおいて、D/A変換器57、比較器54及びカウンタ55を前述した実施形態と同様に備えている。図13において、比較器54,54,54に与えられるアナログ量閾値th、th、thが、図12に示す第1、第2、第3のエネルギ閾値TH,TH,THに相当する値に設定されている。
その他の構成及び動作は、前述した実施形態のものと同様であるので、同様の作用効果が得られる。特に、データ収集に係るエネルギ領域、例えば20〜37keVの範囲においてエネルギ領域を複数にしたので、収集データに対する再構成処理、例えばエネルギウエイト法をよりきめ細かく適用できる。例えば、20〜37keVの範囲であっても、よりエネルギの低い成分を強調したり、その反対に、よりエネルギの高い成分を強調したりして、データ処理の多様化を図ることができる。
勿論、例えば20〜37keVの範囲を更に細かく、例えば3つのエネルギ領域に分けたフォトンカウンティングを行うことができる。それにより、データ処理の多様化を一層推し進めることができる。
以上を総括すると、上述した実施形態及びその変形例では、
・フォトンカウンティング型の検出器をX線マンモグラフィに適用すること、
・X線管電圧を40kV〜50kVに設定すること、
・X線管のターゲットにタングステンを使用すること、
・所望のエネルギ領域では、特性X線を有さずブロードなX線スペクトラムを形成すること、
・25keV以下のX線を極力抑えるため、2.3mmAleqの固有ろ過を持つX線管とコリメータを用いること、
・37keV以上のX線成分を抑えるため、バリウムフィルタを挿入する、
という基本構造を有する。
バリウムフィルタのK吸収端は37.4keVであるため、ほぼ25keV〜37keVのフォトンカウンティング方式で最適なメージングのX線帯域を実現するとともに、37keV以上の成分も補完的に有効使用することもできる。
具体的には25keV〜37keVのエネルギ領域を2〜3分割したエネルギBINを設定し、37keV以上に1エネルギBINを設定したX線マンモグラフィを行う。
このように本実施例では、少なくとも従来のX線マンモグラフィのエネルギ領域よりも平均X線エネルギが高く、従来のエネルギ領域とのオーバーラップが20%以下の帯域すべてを含む。つまり、使用するX線エネルギが従来のものに比較して高いことが特徴である。例えば平均エネルギが30keVだとすると50%脂肪50%乳腺の30keVにおける線吸収係数は0.319cm-1であるので約80%のX線が体内で吸収され、他は画像化に寄与する。前述した15keVのX線においては約99.8%が体内で吸収されることと比較すると、本発明において画像化に寄与するX線の量は(100-20)/(100-99.8)=100倍多いことになる。逆の見方をすれば、コントラストの要求が従来と同様であるとするならば、X線量を1/100に減らしても50%脂肪、50%乳腺のコントラスの表現は可能ということになる。つまり、X線マンモグラフィにおいてX線被曝線量を画期的に減らすことができる。
実際には、想定した乳房厚より薄い場合や厚い場合もあり、組織による線吸収係数の差もあるので、X線線量の低減量は必ずしも一定割合に決まらないが、少なくとも1/10以上の線量低減は期待できるものと想定される。
また、所望のエネルギ領域でブロードなX線スペクトラムを有するために、エネルギBIN毎の画像の作成と、腫瘤と石灰化の両者に最適な画像表示方法を各BIN画像の重み付け加算で得ることが可能である。
以上、一部上記と重複するが、本実施形態に係るX線マンモグラフィ装置の効果をまとめると、以下のことが挙げられる。
・患者のX線被曝線量が1/10と画期的に低減可能であるので、より若年層の患者にマンモグラフィを実施でき、検診受診率の向上が期待できる、
・上記メリットは特に乳房サイズがより大きい患者にも最適にマンモグラフィを実施できる、
・X線のエネルギ領域に分けた画像収集により、腫瘤と石灰化の描出が収集後の画像処理を介して最適なコントラストで表示することができる、
・使用するX線管が歯科用途と類似で、安価なアルミニウムフィルタやバリウムフィルタが使えるためにシステム構成の製造コスト費用を抑えることができる、
・照射するX線量を減らすことができるため、収集時間を短縮する効果も得られる、
・X線検出器はモジュール構造を有する検出モジュールを組合せて構成している。このため、検出器の形状を、様々な収集方法(フラットパネル、トモシンセシス、単純なスキャノグラムなど)に合わせて設定できる、
・さらに、X線管の選択肢が歯科領域で使用されるX線管とダブルために、低価格のX線管が選択できるのもメリットである。
なお、本発明に係るX線撮像装置は、処理の対象を乳房とするものに限定されず、例えば顎部など、他の部位であってもよい。
また、本発明に係るX線撮像装置としては、上述したほかには、概ね15〜25keVのネルギー範囲のX線を用いて映像化していた非破壊検査装置や小動物のX線検査装置などがある。これらのX線装置に、本発明に係るX線発生系の構成を適用することもできる。この場合にも、
・撮影時間の短縮が図れるため、検査のピッチタイムの大幅に短縮できる、
・X線管電流を小さく出来るため、X線装置の小型化や低コスト化を実現することができる、
・X線管電流を小さく出来ることから、X線管焦点に掛かる負荷を軽減することでき、これにより、焦点サイズの小型化が可能になり、高解像度の画像を得ることが可能になる、という効果が得られる。
1 X線マンモグラフィ装置
4 コントローラ
5 入力器
6 表示器
21 X線発生系
22 X線管
22A 陽極
23 アルミニウムフィルタ(第1のフィルタ)
24 バリウムフィルタ(第2のフィルタ)
42 検出器
53 コントローラ
64 第1の記憶部
65 画像プロセッサ
70 ROM

Claims (16)

  1. 10〜23keVのエネルギ領域の実効エネルギより高く、かつ、少なくとも下限のエネルギが20keVであり、この20keVから37keVまでのエネルギ範囲に渡って連続的に分布し且つ特性X線のピーク波形を持たないエネルギースペクトラムのX線を発生するX線発生系と、
    前記X線を粒子とみなし、画素毎に、その粒子の入射に呼応して当該粒子の持つエネルギに応じた電気信号を出力するX線検出器と、
    を備えたX線撮像装置。
  2. 前記X線発生系は、
    陽極を有するX線管と、
    前記X線管のX線照射側に配置され且つ前記陽極から発生する前記X線が通過する位置に配置されたフィルタと、を有し、
    前記フィルタは、
    前記エネルギースペクトラムよりも高域側のエネルギを有するX線粒子の通過を抑制する第1のフィルタと、
    前記エネルギースペクトラムよりも低域側のエネルギを有するX線粒子の通過を抑制する第2のフィルタと、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線撮像装置。
  3. 前記陽極はタングステンであり、
    前記X線管は、前記陽極から発生するX線のエネルギ分布領域が37〜50keVであり、かつ、その領域に前記特性X線のピーク波形を持たないように設定されていることを特徴とする請求項2に記載のX線撮像装置。
  4. 前記第1のフィルタは、その組成にバリウムを含むバリウムフィルタ、又は、その組成にランタンを含むランタンフィルタであり、
    前記第2のフィルタは、アルミニウムから成るアルミニウムフィルタである、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のX線撮像装置。
  5. 前記X線管は、前記アルミニウムフィルタを内蔵したX線管である、請求項2〜4の何れか一項に記載のX線撮像装置。
  6. 前記X線検出器は、前記X線の粒子の入射に応じた電気パルス信号を出力する半導体材料をX線検出素材として有し、
    前記X線検出素材は、概略25〜37keVのエネルギ範囲においてシリコン(Si)を用いたX線検出器よりもX線検出感度が2倍以上の素材である、
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のX線撮像装置。
  7. 前記X線検出素材は、CdTe(カドミウムテルライド)、CZT(カドミウムジンクテルライド)、HgI2(ヨウ化水銀)、または、TlBr(臭化タリウム)であることを特徴とする請求項6に記載のX線撮像装置。
  8. 前記X線検出素材は、Pr:LuAG(プラセオジム添加ルテチウム・アルミニウム・ガーネット)あるいはCe:GAGG(ガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット)などの結晶を用いた減衰時間の早いシンチレータとSiPM(シリコンフォトマルティプライヤー)を組み合わせた要素であることを特徴とする請求項6に記載のX線撮像装置。
  9. 前記検出器は、前記X線検出素材をほぼ正方形の2次元的に配列したフラットパネル型又は細長い矩形状の2次元的に配列したライン状の検出器であることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のX線撮像装置。
  10. 前記X線検出器から出力される電気信号を前記粒子の持つエネルギの複数の帯域別に分けて加算し、当該加算した値を画素単位で出力するフォトンカウンティング型の信号処理回路を有することを特徴とする請求項1〜9に記載のX線撮像装置。
  11. 前記信号処理回路は、ASICで作成された層状の回路であり、
    前記X線検出器は、前記信号処理回路を前記X線検出素材の層と一体に積層した構造を有する、
    ことを特徴とする請求項10に記載のX線撮像装置。
  12. 前記複数のエネルギ領域として2つ以上のエネルギが設定されており、
    前記電気信号からその帯域別に画像を生成する画像生成手段と、
    前記画像生成手段により生成される領域別の画像の画素値を重み付けして互いに加減算して当該画像に写り込んでいる物質のコントラストを最適化する画像最適化手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項10に記載のX線撮像装置。
  13. 前記複数のエネルギ領域は3つ以上のエネルギ領域であり、当該3つ以上のエネルギ領域を弁別するためのエネルギ閾値の少なくとも1つは37keVの近傍に設定されており、
    前記画像生成手段により、前記37keVの近傍に設定されたエネルギ閾値よりも上のエネルギ領域から生成された画像の情報を、前記画像最適化手段による最適化処理から除外する除外手段を備えたことを特徴とする請求項11又は12に記載のX線撮像装置。
  14. 前記X線発生系と前記X線検出器との間に、撮像対象としての乳房を配置させ、当該X線撮像装置をX線マンモグラフィ装置として使用することを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載のX線撮像装置。
  15. 実効エネルギが10〜23keVのエネルギ領域の実効エネルギより高く、かつ、少なくとも下限のエネルギが25keVであり、この25keVから37keVまでのエネルギ範囲に渡って連続的に分布するエネルギースペクトラムを有するX線を発生させ、
    撮像対象である乳房を透過してきた前記X線を、当該X線を粒子とみなし且つ画素毎にその粒子の持つエネルギに応じた電気信号として検出し、
    この電気信号を前記粒子の持つエネルギの複数の帯域別に分けて加算し、当該加算した値を画素単位で出力する、
    ことを特徴とするX線撮像方法。
  16. 前記電気信号からその帯域別に画像を生成し、
    前記生成される帯域別の画像の画素値を重み付けして互いに加減算して当該画像に写り込んでいる物質のコントラストを最適化する、
    ことを特徴とする請求項15に記載のX線撮像方法。
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