JP2017051143A - 機能性ペプチドをコードするdnaの探索方法及び機能性ペプチドの調製方法 - Google Patents

機能性ペプチドをコードするdnaの探索方法及び機能性ペプチドの調製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ペプチドライブラリからのペプチドの絞り込みを、酵素活性等のタンパク質の機能に対する作用に基づいて行う方法を提供する。
【解決手段】機能性ペプチドをコードするDNA、又は前記DNAを含有するサブライブラリを、原料DNAライブラリから選択する方法。(a)〜(e)の工程を含む機能淘汰方法を実施する。
(a)複数のウェルを有するマイクロアレイ1のウェルに原料DNAライブラリを含有する溶液を分配し、
(b)前記マイクロアレイ1から、マイクロアレイ1と同じ溶液を分配したレプリカであるマイクロアレイ2を調製し、
(c)前記マイクロアレイ1中のDNAを鋳型としてペプチドを合成し、
(d)合成したペプチドの機能を検定し、機能性ペプチドを含むウェルを特定し、
(e)機能性ペプチドを含むウェルと特定されたウェルに相当するマイクロアレイ2のウェルに含まれる溶液を、機能性ペプチドをコードする1種類のDNAを含有する溶液、又は機能性ペプチドをコードする少なくとも1種類のDNAを含むDNAサブライブラリを含有する溶液として回収する。
【選択図】なし

Description

本発明は、機能性ペプチドをコードするDNAの探索方法及び機能性ペプチドの調製方法に関する。
創薬においては、膨大な数の薬剤候補となる化合物を合成あるいは抽出し、その中から特定の生理活性を持つ物質をスクリーニングして薬剤を見つけていく。生理活性を持つ物質がペプチドである場合も、多数の候補のなかから特定の生理活性を持つペプチドをスクリーニングする。
例えば、酵素活性制御のような機能性を有するペプチドをスクリーニングするには、従来は、酵素に対する親和性で濃縮した後に、それぞれのクローンの酵素活性に対する機能を個別に評価してきた。
現在知られているペプチドのスクリーニング方法を、下記表1にまとめて示す。
表1に示したペプチドのスクリーニング方法の中で、mRNAディスプレイおよびcDNAディスプレイ法は、ピューロマイシンを用いてmRNAもしくはcDNA(遺伝型)とタンパク質(表現型)の対応づけを行う技術である(非特許文献1及び2)。これらのディスプレイ法では、抗生物質の1種であるピューロマイシンが、リボソーム上で合成途中のポリペプチドの末端に結合し、タンパク質合成を停止する性質を利用してmRNAの末端にピューロマイシンを結合させて翻訳を行うと、合成された全長タンパク質の末端にピューロマイシンが結合し、結果としてタンパク質とmRNAが結合した対応づけ分子をつくることができる。そして、cDNAディスプレイではこのmRNAを鋳型にcDNA鎖を合成し、ヘテロ2本鎖として安定化することで完成する。この対応づけ分子の集団の中から、目的の分子に結合するものを釣り上げた後、DNA部分の増幅を行うことで、配列の解読することが可能になる(図1)。
mRNAディスプレイ法を始めとするin vitro系(表1参照)には様々な利点が存在する。細胞を介さずin vitroで行えるため、細胞毒性を持つペプチドやタンパク質でも扱える点、反応時間や温度などを自由に設定することで目的に応じて選択圧をかけられる点が有利である。また、リボソームディスプレイやmRNAディスプレイ法は1012〜1015という膨大な数の分子集団(ライブラリ)を評価することが可能な点である。
Tabuchi, I., Soramoto, S., Nemoto, N. & Husimi, Y. An in vitro DNA virus for in vitro protein evolution. FEBS Letters 508, 309-12 (2001). Mochizuki, Y. et al. One-Pot Preparation of mRNA / cDNA Display by a Novel and Versatile. ACS Combinatorial Science 13, 478-485 (2011).
mRNAディスプレイ法を始め、表1のディスプレイ法では、ターゲットとする酵素に対する親和性によって候補ペプチドが絞り込まれる。しかし、このようにして絞り込まれたペプチドが、必ずしもターゲットとする酵素の活性に対して、何らかの機能を持つとは限らないことが分かっている。また、これらのディスプレイ法では、親和性によって絞り込まれた候補ペプチドの多数のクローンを1つずつ単離して活性を調べる必要がある。しかし、この操作には、膨大な時間とコストがかかる。
そこで本発明は、ペプチドライブラリからのペプチドの絞り込みを、酵素等のタンパク質に対する親和性ではなく、酵素活性等のタンパク質の機能に対する作用に基づいて行う方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、タンパク質の機能に対する作用に基づいて、特定の1種類のペプチドへの絞り込みも可能な方法を提供することも目的とする。
本発明は、微量・多並列・多段階に閉鎖系および開放系で反応を行なうことのできるマイクロアレイMMVを用いた、新たなコンセプトに基づくペプチドスクリーニング技術(R123法)に関する。
本発明は、以下のとおりである。
[1]
所望の機能を有するペプチド(以下、機能性ペプチドと呼ぶ)をコードするDNA、又は前記DNAを含有するサブライブラリを、原料DNAライブラリから選択する方法であって、
以下の(a)〜(e)の工程を含む機能淘汰方法を実施する、方法。
(a)複数のウェルを有するマイクロアレイ1の少なくとも一部のウェルに前記原料DNAライブラリを含有する溶液を分配し、
(b)前記溶液を分配したマイクロアレイ1から、マイクロアレイ1と実質的に同じ溶液を分配したレプリカであるマイクロアレイ2を調製し、
(c)前記マイクロアレイ1中のDNAを鋳型としてペプチドを合成し、
(d)合成したペプチドの機能を検定し、機能性ペプチドを含むウェルを特定し、
(e)機能性ペプチドを含むウェルと特定されたウェルに相当するマイクロアレイ2のウェルに含まれる溶液を、機能性ペプチドをコードする1種類のDNAを含有する溶液として回収する、又は機能性ペプチドをコードする少なくとも1種類のDNAを含むDNAサブライブラリを含有する溶液として回収する、ことを含む、方法。
[2]
前記マイクロアレイ1と実質的に同じ溶液を分配したマイクロアレイ2の調製は、
マイクロアレイ1と同一のウェル配列を有するマイクロアレイ2を、マイクロアレイ1とマイクロアレイ2の各ウェルが対向する状態で、マイクロアレイ1のウェルから前記溶液をマイクロアレイ2のウェルに移送し、
その状態を維持しつつ、マイクロアレイ2のウェルから前記溶液をマイクロアレイ1のウェルに返送し、次いで、
前記溶液返送後のマイクロアレイ2のウェルにPCR反応溶液を添加し、
PCR法により前記溶液返送後のマイクロアレイ2のウェル内壁に残存するDNAを増幅して、マイクロアレイ1のレプリカとしてのマイクロアレイ2を得る、ことを含む、[1]に記載の方法。
[3]
マイクロアレイ1及び2は、ウェルの内容積が0.1〜2μLの範囲であり、マイクロアレイ1からマイクロアレイ2への溶液の移送及びマイクロアレイ2からマイクロアレイ1への溶液の返送は、マイクロアレイ1及びマイクロアレイ2をウェルが向かい合わせになるように配置して遠心力を付加することで行う、[2]に記載の方法。
[4]
マイクロアレイ1及び2は、2.5cm平方(=6.25cm2)当たり少なくとも1024個のウェルを有する[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
マイクロアレイ1及び2は、ポリカーボネート製であり、かつウェルの内壁の少なくとも一部はBSAの被覆層を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
前記(a)〜(e)の工程を少なくとも2回繰返して行い、機能性ペプチドをコードするDNAを得る、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
2回目以降の(a)の工程での原料DNAライブラリは、先行する機能淘汰方法の(e)の工程で回収される、機能性ペプチドをコードする少なくとも1種類のDNAを含むDNAサブライブラリを含有する溶液として回収されるサブライブラリである、[6]に記載の方法。
[8]
(b)の工程で得られるマイクロアレイ2の少なくとも一部のウェルに含まれるDNAの種類が1種類または0種類となるまで、機能淘汰方法を繰り返す、[6]又は[7]のいずれかに記載の方法。
[9]
前記原料DNAライブラリは、親和性淘汰方法により得られたDNAライブラリである[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]
親和性淘汰方法により得られたDNAライブラリのポピュレーションが10の4乗〜10の7乗であり、
1回目の機能淘汰方法により得られたDNAライブラリのポピュレーションが10の1乗〜10の4乗であり、
2回目の機能淘汰方法により得られたDNAライブラリのポピュレーションが10の0乗〜10の1乗である、
である[9]に記載の方法。
[11]
1回目又は2回目の機能淘汰方法により得られるDNAライブラリのポピュレーションが10の1乗〜10の3乗の範囲となるように、親和性淘汰方法により得られるDNAライブラリのポピュレーションを調整する、[10]に記載の方法。
[12]
[1]〜[11]のいずれかに記載の方法の(e)の工程において、機能性ペプチドをコードする1種類のDNAを含有する溶液として回収された溶液から、ペプチドを合成する、機能性ペプチドの調製方法。
[13]
[1]〜[11]のいずれかに記載の方法の(e)の工程において、機能性ペプチドをコードする少なくとも1種類のDNAを含むDNAサブライブラリを含有する溶液として回収された溶液から、ペプチドを合成する、機能性ペプチドの調製方法。
[14]
前記所望の機能は、酵素活性制御機能又は生理活性制御機能である、[1]〜[13]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、ペプチドライブラリからのペプチドの絞り込みを、酵素等のタンパク質に対する親和性ではなく、酵素活性等のタンパク質の機能に対する作用に基づいて行う方法を提供することができる。その結果、阻害活性機能等を有する機能性ペプチドを効率的かつより確実に探索することができる。種々の分野に有用である。
cDNAディスプレイ法の全体図(図中ではターゲット分子をMGMTとしている)。 A:マイクロアレイMMVの構造説明図(上図)および遠心力による溶液の格納の説明図(下図)。B:二枚のMMVを重ね合わせて溶液をピペットフリーで一斉輸送する説明図。 制限酵素Pst Iの認識配列。 MGMTのメチル転移活性測定の概略説明図。 MGMTのメチル転移活性を阻害するペプチドを得るための本発明の機能淘汰方法の説明図。 実施例1で、用いたDNAコンストラクトの塩基配列。 淘汰実験後のMMVの蛍光イメージ。 機能淘汰後の配列解析結果。(A:図中P1〜P5に対応するウェルから得られた配列、B:図中N1〜N5から得られた配列) 淘汰ペプチドの試験管内翻訳による簡便な阻害活性評価結果。 化学合成したペプチドによる定量的な阻害活性測定結果。 O6-BGによる定量的な阻害活性測定結果。
<機能淘汰方法を用いる方法>
本発明の方法は、所望の機能を有するペプチド(機能性ペプチド)をコードするDNA、又は前記DNAを含有するサブライブラリを、原料DNAライブラリから選択する方法であって、以下の(a)〜(e)の工程を含む機能淘汰方法を実施する、方法に関する。
(a)複数のウェルを有するマイクロアレイ1の少なくとも一部のウェルに前記原料DNAライブラリを含有する溶液を分配し、
(b)前記溶液を分配したマイクロアレイ1から、マイクロアレイ1と実質的に同じ溶液を分配したレプリカであるマイクロアレイ2を調製し、
(c)前記マイクロアレイ1中のDNAを鋳型としてペプチドを合成し、
(d)合成したペプチドの機能を検定し、機能性ペプチドを含むウェルを特定し、
(e)機能性ペプチドを含むウェルと特定されたウェルに相当するマイクロアレイ2のウェルに含まれる溶液を、機能性ペプチドをコードする1種類のDNAを含有する溶液として回収する、又は機能性ペプチドをコードする少なくとも1種類のDNAを含むDNAサブライブラリを含有する溶液として回収する。
工程(a)
前記原料DNAライブラリを含有する溶液を、複数のウェルを有するマイクロアレイ1の少なくとも一部のウェルに分配する。
マイクロアレイ1及び工程(b)で用いるマイクロアレイ2は、複数のウェルを有するマイクロアレイである。マイクロアレイ1及び2は、例えば、ウェルの内容積が0.1〜2μLの範囲であり、2.5cm平方当たり少なくとも1024個のウェルを有するマイクロアレイであることができる。さらに、マイクロアレイ1及び2は、例えば、ポリカーボネート製であることができ、かつウェルの内壁の少なくとも一部はBSA(牛血清アルブミン)の被覆層を有することができる。BSAの被覆層は、ウェルの内壁への物質の付着を抑制する効果がある。BSAの被覆層に代えて、同様の効果を有する材料の被覆層を用いることもできる。本発明の方法に用いることができるマイクロアレイとしては、例えば、特開2013−195370号公報、特開2006−224034号公報等に記載のマルチウェルプレートを挙げることができる。
原料DNAライブラリは、機能性ペプチドをコードするDNAを含むことが期待されるDNAのライブラリであれば、特に制限はない。原料DNAライブラリは、公知の親和性淘汰方法により得られたDNAライブラリであることもできる。
機能性ペプチドが有する所望の機能には、特に制限はないが、例えば、酵素活性制御機能であり、酵素活性制御機能を有する機能性ペプチドは、天然のペプチドであっても、人工のペプチドであっても良い。
機能性ペプチドが有する所望の機能としては、酵素活性制御機能及び生理活性制御機能を挙げることができる。生理活性制御機能を有するペプチドは、例えば、ガン細胞をアポトーシスに導くシグナルペプチドや免疫系細胞(T細胞やマクロファージなど)を増殖させるサイトカイン的作用を有するペプチドがある。あるいは、未分化神経細胞を分化誘導するペプチドなども挙げることができる。
機能性ペプチドをコードするDNAを含むことが期待されるDNAのライブラリは、天然に存在するDNAのライブラリであることも、人工のペプチドをコードするDNAのライブラリであることもできる。天然に存在するDNAのライブラリとしては、例えば、フグゲノムDNA(非遺伝子配列領域が少ない)の超音波破砕DNA断片やヒト細胞mRNA由来cDNAなどを挙げることができる。但し、これらに限定される意図ではない。また、人工のペプチドをコードするDNAのライブラリとしては、特開2007-332085号公報、特開2007-49911号公報、特開2009-149549号公報等に記載の方法で調製されるDNAのライブラリを挙げることができる。
但し、これらに限定される意図ではない。
原料DNAライブラリを含有する溶液を、複数のウェルを有するマイクロアレイ1の少なくとも一部のウェルに分配する。原料DNAライブラリを含有する溶液に含まれる原料DNAのポピュレーションおよびポピュレーションを構成する各DNAの濃度は、機能淘汰方法を実施することにより、機能性ペプチドをコードするDNAを選択するのか、あるいは機能性ペプチドをコードするDNAを含有するサブライブラリを選択するのかにより、かつ使用するマイクロアレイのウェルの数により適宜調整することができる。例えば、DNA分子種のポピュレーションが106個である原料DNAライブラリを含有する溶液を用い、かつウェルの数が103個(例えば、1024個)であるマイクロアレイを用いる場合、機能淘汰方法を実施することにより、DNA分子種のポピュレーションが103個であるサブライブラリがいずれかのウェルにおいて得られると想定され、DNA分子種のポピュレーションが103個である原料DNAライブラリを含有する溶液を用い、かつウェルの数が103個であるマイクロアレイを用いる場合、機能淘汰方法を実施することにより、機能性ペプチドを含有する溶液がいずれかのウェルにおいて得られると想定される。尚ここで、それぞれのウェル中のDNA分子の数は通常101011コピー存在する(同一分子種がPCRにより複数存在している)。
原料DNAライブラリを含有する溶液中のDNAの濃度は、ウェルの数が103個であるマイクロアレイを用い、機能淘汰方法を実施することにより、機能性ペプチドを含有する溶液を得る場合、DNA分子種のポピュレーションを構成する各DNAについて103個以上であることが適当である。マイクロアレイのウェルへの分配において、1個のウェルに少なくとも1個のDNAが格納され、効率的なスクリーニングが可能となるからである。ウェルの数が103個であるマイクロアレイを用い、機能淘汰方法を実施することにより、DNA分子種のポピュレーションが103個である機能性ペプチドのサブライブラリを得る溶液を用いる場合、DNA分子種のポピュレーションを構成する各DNAについて106個以上であることが適当である。マイクロアレイのウェルへの分配において、1個のウェルに少なくとも103個のDNAが格納され、効率的なサブライブラリのスクリーニングが可能となるからである。
原料DNAライブラリを含有する溶液の複数のウェルを有するマイクロアレイ1のウェルへの分配は、例えば、溶液をウェルを有するマイクロアレイの表面に外周にフレームを設けた上で、溶液を配置し、次いで、ウェルの開口から底方向に向けて、遠心力を付与することで、行うことができる。この方法では、開口の寸法が小さく単に溶液をウェルの開口付近に配置しただけでは、ウェル内に移動しない溶液を、スムーズに個々のウェル内に移動、格納することができる。
工程(b)
前記溶液を分配したマイクロアレイ1から、マイクロアレイ1と実質的に同じ溶液を分配したレプリカであるマイクロアレイ2を調製する。レプリカの調製は例えば、以下の方法で行うことができる。
(1)マイクロアレイ1と同一のウェル配列を有するマイクロアレイ2を、マイクロアレイ1とマイクロアレイ2の各ウェルが対向する状態で、マイクロアレイ1のウェルから前記溶液をマイクロアレイ2のウェルに移送し、
(2)その状態を維持しつつ、マイクロアレイ2のウェルから前記溶液をマイクロアレイ1のウェルに返送し、次いで、
(3)前記溶液返送後のマイクロアレイ2のウェルにPCR反応溶液を添加し、
(4)PCR法により前記溶液返送後のマイクロアレイ2のウェル内壁に残存するDNAを増幅して、マイクロアレイ1のレプリカとしてのマイクロアレイ2を得る、ことを含む、方法。
(1)のマイクロアレイ1からマイクロアレイ2への溶液の移送及び(2)マイクロアレイ2からマイクロアレイ1への溶液の返送は、マイクロアレイ1及びマイクロアレイ2をウェルが向かい合わせになるように配置して遠心力を付加することで行うことができる。この方法は、例えば、特開2013−195370号公報、特開2006−224034号公報等に記載の方法を適宜利用できる。(3)のPCR反応溶液は、原料DNAのPCR増幅に適したプライマーを含む、公知のPCR反応用の溶液であればよい。(4)のPCR法は、常法により実施できる。このPCRは、(2)における溶液返送後のマイクロアレイ2のウェル内壁に残存するDNAを鋳型として増幅するものであり、これにより、マイクロアレイ1のレプリカとしてのマイクロアレイ2を得ることができる。
工程(c)
レプリカ調製後のマイクロアレイ1中のDNAを鋳型としてペプチドを合成する。DNAを鋳型とするペプチド合成は、公知の方法で行うことができる。例えば、無細胞タンパク質合成方法を利用できる。
工程(d)
工程(c)で合成したペプチドの機能を検定する。検定すべき機能は、所望の機能ペプチドに応じて適宜選択できる。機能性ペプチドが有する所望の機能が酵素活性制御機能である場合、ペプチドの機能検定は、例えば、以下のように実施できる。酵素活性を測定する場合、それが基質(タンパク質、核酸、糖など)を分解するタイプならば、その基質を予めフルオロジャニック[切断前は光らないが、切断後は蛍光性になる基質]なものにしてMMVのウエル中で酵素反応させたとき蛍光の有無で判定することができる[文献:Kitamura et al., J. Pept. Science, 2012]
機能検定の結果、機能性ペプチドを含むウェルを特定する。機能性ペプチドを含むウェルの特定は、用いる機能検定の方法に応じて適宜選択することができる。例えば、機能検定の方法が蛍光プローブの消光または発光を用いる場合、機能性ペプチドが含まれることで生じる蛍光プローブの消光または発光により、機能性ペプチドを含むウェルを特定することができる。
機能性ペプチドの作用が細胞内に存在する特定のタンパク質をリン酸化すること(その結果、様々な二次的、三次的応答が生じる)である場合、そのリン酸化したタンパク質をELISA法で検出することができる。
具体的には、ペプチドによる刺激を受けた細胞をウエル中で破壊してタンパク質全体を抽出し、別のMMVウエル中に準備した特定タンパク質に対する固定化抗体に結合させる。その状態で二次抗体を作用させて、HRP(Horse radish peroxidase;西洋ワサビペルオキシダーゼ)により発色反応を行うような通常のELISA検出を行うことができる。
工程(e)
機能性ペプチドを含むウェルと特定されたウェルに相当するマイクロアレイ2のウェルに含まれる溶液を、機能性ペプチドをコードする1種類のDNAを含有する溶液として回収する。
工程(a)においてDNA分子種のポピュレーションが103個である原料DNAライブラリを含有する溶液を用い、かつウェルの数が103個であるマイクロアレイを用いて、機能淘汰方法を実施した場合、機能性ペプチドを含有する溶液がいずれかのウェルにおいて得られると想定され、機能性ペプチドをコードする1種類のDNAを含有する溶液をウェルから回収することができる。
あるいは、機能性ペプチドを含むウェルと特定されたウェルに相当するマイクロアレイ2のウェルに含まれる溶液を、機能性ペプチドをコードする少なくとも1種類のDNAを含むDNAサブライブラリを含有する溶液として回収する。この場合、工程(a)においてDNA分子種のポピュレーションが106個である原料DNAライブラリを含有する溶液を用い、かつウェルの数が103個であるマイクロアレイを用いて機能淘汰方法を実施する場合、DNA分子種のポピュレーションが103個であるサブライブラリがいずれかのウェルにおいて得られると想定され、機能性ペプチドをコードする少なくとも1種類のDNAを含有するサブライブラリを含有する溶液をウェルから回収することができる。
(a)〜(e)の工程を含む機能淘汰方法を少なくとも2回繰返して行い、機能性ペプチドをコードするDNAを得ることができる。
1回目の工程(a)においてDNA分子種のポピュレーションが106個である原料DNAライブラリを含有する溶液を用い、かつウェルの数が103個であるマイクロアレイを用いて機能淘汰方法を実施する場合、DNA分子種のポピュレーションが103個であるサブライブラリがいずれかのウェルにおいて得られると想定され、機能性ペプチドをコードする少なくとも1種類のDNAを含有する溶液をウェルから回収することができる。
2回目の工程(a)においてDNA分子種のポピュレーションが103個である原料DNAライブラリを含有する溶液(サブライブラリを含有する溶液)を用い、かつウェルの数が103個であるマイクロアレイを用いて、機能淘汰方法を実施した場合、機能性ペプチドを含有する溶液がいずれかのウェルにおいて得られると想定され、機能性ペプチドをコードする1種類のDNAを含有する溶液をウェルから回収することができる。
2回目以降の(a)の工程での原料DNAライブラリは、先行する機能淘汰方法の(e)の工程で回収される、機能性ペプチドをコードする少なくとも1種類のDNAを含むDNAサブライブラリを含有する溶液として回収されるサブライブラリである。
機能淘汰方法の繰返しは、(b)の工程で得られるマイクロアレイ2の少なくとも一部のウェルに含まれるDNAの種類が1種類または0種類となるまで、行うことができる。
前述のように本発明の方法で用いる原料DNAライブラリは、公知の親和性淘汰方法により得られたDNAライブラリであることができる。この場合、例えば、
親和性淘汰方法により得られたDNAライブラリのポピュレーションが10の4乗〜10の7乗であり、
1回目の機能淘汰方法により得られたDNAライブラリのポピュレーションが10の1乗〜10の4乗であり、
2回目の機能淘汰方法により得られたDNAライブラリのポピュレーションが10の0乗〜10の1乗である、
ことができる。
この例においては、1回目又は2回目の機能淘汰方法により得られるDNAライブラリの分子種としてのポピュレーションが10の1乗〜10の3乗の範囲となるように、親和性淘汰方法により得られるDNAライブラリのポピュレーションを調整することができる。
<機能性ペプチドの調製方法>
本発明は、上記本発明の方法の(e)の工程において、機能性ペプチドをコードする1種類のDNAを含有する溶液として回収された溶液から、ペプチドを合成することを含む、機能性ペプチドの調製方法を包含する。
機能性ペプチドをコードする1種類のDNAを含有する溶液からのペプチド合成は、工程(c)におけると同様に、公知の方法で実施できる。
<機能性ペプチドの調製方法>
本発明は、上記本発明の方法の(e)の工程において、機能性ペプチドをコードする少なくとも1種類のDNAを含むDNAサブライブラリを含有する溶液として回収された溶液から、ペプチドを合成することを含む、機能性ペプチドの調製方法も包含する。この場合、回収される溶液は、機能性ペプチドをコードする1種類のみのDNAを含有する溶液ではない場合がある。しかし、DNAサブライブラリにおける各ウェルに格納されたDNA分子種のポピュレーションは、低くすることができ、例えば、回収されたDNAサブライブラリのポピュレーションが1種を超え、103種未満、例えば、102種以下、あるいは10種以下の場合、1つのウェルに含まれるDNAの中で、機能性ペプチドをコードするDNAは、1種以下である可能性が高い。このような場合、回収されたサブライブラリを再度、機能淘汰方法に供することなく、ペプチド合成に供することができ、それにより、効率的に機能ペプチドを得ることもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。但し、実施例は本発明の例示であって、本発明は実施例に限定される意図ではない。
実験方法および材料
1-1 MMVについて
マイクロアレイMMV(Microarray with Manageable Volumes)は、一辺2.5cm四方に1024個の0.5μlのウェルが整列されたものである(図2A)。このMMVは、1ウェルが0.5 μlである。そのため扱う試料が微量で済むという特性を有する。多数のウェルを並列に反応させることができ、二枚のMMVを重ね合わせることで、溶液をピペットフリーに一斉輸送できる(図2B)。
参考文献
1) Kinoshita, Y. et al. Novel concept microarray enabling PCR and multistep reactions through pipette-free aperture-to-aperture parallel transfer. BMCBiotech, 10:71-86 (2010)
2) Sharma H, et al. Establishment of a reborn MMV-microarray technology: realization of microbiome analysis and other hitherto inaccessible technologies BMC Biotechnology 14: 78-90 (2014).
3) 特開2013−195370号公報
1-2 MGMTのメチル転移活性測定法
参考文献
4) Hongo, et al. A radioisotope-nondependent high-sensitivity method for measuring the activity of glioblastoma-related O6-methylguanine DNA methyltransferase. doi:10.1016/j.ab.2014.08.012 (2014)
本方法では酵素MGMTのメチル転移活性を測定する手段として、制限酵素Pst Iの認識配列中のグアニン塩基の一つがO6-メチルグアニンとなっている基質(図3)を利用する。この基質とPst Iを予め特定のペプチドと混合したMGMTに加える。このとき(図4)の原理でMGMTがペプチドにより阻害されずにメチル転移活性を保持しているかどうかを確認する。
1-3 機能による淘汰系について
MGMTのメチル転移活性を阻害するペプチドを得るべく、以下のような機能淘汰系を開発した(図5)。まずDNAライブラリをウェルあたり103分子程度になるようにMMV上に撒き(MMV-1)、レプリカ法によりMMV上でのDNAの要素位置情報を複製し、保存する(MMV-1')。次にMMV-1内で無細胞転写・翻訳系を用いてペプチドを発現させ、精製することでペプチドがMMV中に存在する状態を作成する(MMV-2)。これに別のMMV-3を対合してMGMTを移送し、両者を反応させる。その後同様に基質、制限酵素Pst Iを反応させて蛍光を検出する。図5のように、ペプチドがMGMTを阻害した場合、基質は消光したままで、逆に阻害しなかった場合、制限酵素Pst Iによって基質が切断され蛍光が生じる。蛍光強度の低いウェルに対応するレプリカ中からDNAを回収・配列決定することで、目的のペプチドの配列を同定できる。
実施例1
機能による淘汰法
1-1 用いたDNAコンストラクト
MMVでの機能淘汰においてはcDNAディスプレイで用いたものとは異なる翻訳試薬を用いる。つまり、DNAコンストラクト内に、ペプチドやタグをコードする配列の前後に専用の配列を組み込んである。そのDNAコンストラクトを図6及び配列表の配列番号6に示す。
・ハーフボリュームMMVチップの作成
多段階的に試薬を添加する目的で、フルボリューム(0.5μl/well)よりも容量の小さい、ハーフボリュームMMVチップ(約0.25μl/well)及び追加溶液添加用MMVチップ(約0.04μl/well)を用いた。
手順(ハーフボリュームMMVチップ)
1. PDMS CAT及びPDMSを1:9の体積比で良く混合する。
2. (1)のPDMS混合液とシクロヘキサンを4:5になるよう混合する。
3. これをコーティングと同様の操作でMMVウェル内へと充填する。
4. 余分な溶液を入念にふき取り一晩放置する。
5. さらに105℃乾熱棚で1時間焼き固める。
・MMVチップのBSAコーティング
分子の反応容器への吸着を抑える目的でMMVチップ表面へのBSAコーティングをした。
手順
1. MMVチップのウェル存在領域の外側にウレタンフレームを貼りつける。
2. フレーム内を1%BSA溶液で満たし、MMVチップをプラスチックケース内に収納した状態でBSAがMMVウェル内に落とし込まれる方向に遠心力がかかるように3600 rpm、1 min遠心する。
3. その状態で、37℃で3 hインキュベーションし、余分なBSA溶液を吸い取った後、最初と反対方向へ遠心力をかけ、ウェル内部のBSA溶液を排出する。
4. 残留した液滴は自然乾燥させる。
1-2 MMVでのセレクション
特に記述がない限り、遠心操作はスイング型遠心機(Tomy, MX-150)を用い(3600 rpm, 1 min)の条件とする。
・MMV中でのDNA増幅
1. 以下の溶液を調製する。
2. MMV(A)にウレタンフレームを装着する。
3. 1で調製した溶液をフレームのついたMMV(A)に注ぐ。
4. MMV(A)を遠心する。
5. MMV(A)の表面にシリコンテープを貼り付ける。(蒸発防止のため)
6. MMV(A)を以下の条件でPCRを行う。
・DNAのレプリカ作成
1. 増幅したDNAの入ったMMV(A)を遠心する。
2. MMV(A)のシリコンテープを剥がし、スペーサーを装着する。
3. 新しくMMV(B)を用意する。
4. MMV(A)をMMV(B)の上に重ね、遠心で移送する。
5. MMV(A)とMMV(B)を上下反対にし、遠心する。[MMV(A)はレプリカ]
6. ハーフボリュームMMV(C)にPCR溶液を入れ、遠心する。
7. MMV(B)の上にMMV(C)を重ね、遠心する。
8. MMV(B)にシリコンテープを貼り付ける。
9. MMV(B)を以下の条件でPCRする。
・転写・翻訳
1. MMV(B)のシリコンテープを剥がし、スペーサーを装着する。
2. クリーンベンチ内でMMV(B)中の溶液の重さが半分になるまで蒸発させる。
3. ハーフボリュームMMV(C)を用意する。
4. MMV(C)に以下の溶液を入れ、遠心する。
5. MMV(C)をMMV(B)の上に重ね、遠心する。
6. MMV(B)にシリコンテープを貼り付ける。
7. 37℃、4時間の条件でインキュベーションする。
・Streptavidin beadsによる精製
1. MMV(D)にフレームをつけた上でStreptavidin beads suspension 700μLの溶液を入れ、遠心して、ウエルに入れる。
2. MMV(D)の底に磁石を装着する。
3. MMV(D)のウェルを下向きにし、遠心して上澄み溶液を捨てる。(1500 rpm, 1 min)
4. MMV(B)のシリコンテープを剥がす。
5. MMV(B)をMMV(D)の上に重ね、遠心で移送する。
6. MMV(D)にシリコンテープを貼り付ける。
7. 1時間、室温でMMVの表裏を磁石で交互に重ね、ウェル中のビーズを動かし、混合させる。
8. 3,4と同様に、磁石で磁気ビーズを引き付けながら遠心で上澄み溶液を捨てる。
・不純物除去のための洗浄
1. MMV(D)にスペーサーを貼り付ける。
2. ウレタンフレームを装着し、洗浄バッファー(1 M NaCl, 0.1% Triton-Xを含んだPBS)を遠心で移送する。
3. MMV(D)にシリコンテープを貼り付ける。
4. MMV(D)の表裏を磁石で交互に重ねることで、ウェル中のビーズを動かし、溶液を混合させる。
5. MMV(D)のウェルを下向きにし、磁石で磁気ビーズを引き付けながら遠心して上澄み溶液を捨てる。(1500 rpm, 1 min)
6. 1〜5までを3回繰り返す。
・MGMT阻害ペプチドの検出
基質の準備
1. 以下の条件で試薬を混合する。
2. 以下の条件でハイブリダイゼーションを行う。
溶液の準備
所望の機能を有するペプチド(以下、機能性ペプチドと呼ぶ)をコードするDNA、又は前記DNAを含有するサブライブラリを、原料DNAライブラリから選択する方法であって、
以下の(a)〜(e)の工程を含む機能淘汰方法を実施する、方法。
(a)複数のウェルを有するマイクロアレイ1の少なくとも一部のウェルに前記原料DNAライブラリを含有する溶液を分配し、
(b)前記溶液を分配したマイクロアレイ1から、マイクロアレイ1と実質的に同じ溶液を分配したレプリカであるマイクロアレイ2を調製し、
(c)前記マイクロアレイ1中のDNAを鋳型としてペプチドを合成し、
(d)合成したペプチドの機能を検定し、機能性ペプチドを含むウェルを特定し、
(e)機能性ペプチドを含むウェルと特定されたウェルに相当するマイクロアレイ2のウェルに含まれる溶液を、機能性ペプチドをコードする1種類のDNAを含有する溶液として回収する、又は機能性ペプチドをコードする少なくとも1種類のDNAを含むDNAサブライブラリを含有する溶液として回収する、ことを含む、方法。
1. 以下の条件で試薬を混合する。
2. 新しくハーフボリュームMMV(E)を用意する。
3. MMV(E)にMGMT mixを600μl入れ、遠心する。
4. MMV(E)をMMV(D)の上に重ね、遠心する。
5. MMV(D)にシリコンテープを貼り付ける。
6. 10分間、37℃でインキュベーションする。
7. 新しくハーフボリュームMMV(F)を用意する。
8. MMV(F)にPst I mixを750μl入れ、遠心する。
9. MMV(F)をMMV(D)の上に重ね、遠心する。
10. 15分間、37℃でインキュベーションする。
11. 新しくMMV(G)を用意する。
12. MMV(G)をMMV(D)の下に重ね、MMV(D)に磁石を置き、磁気ビーズを引き付け遠心する。(1500 rpm, 1 min)
13. MMV(G)には基質を含む上澄み、MMV(D)にはビーズが残る。
14. MMV(G)をイメージャー(FITC filter)で測定する。
1-3 ペプチドの阻害活性評価法
(1) 試験管内翻訳産物による簡便活性評価
本項目では機能淘汰によって得られたペプチド配列を化学合成する前に、得られたペプチド配列の活性を簡便な方法(Kitamura, et al. Rapid In Vitro Synthesis of Pico-mole Quantities of Peptides. Chem. Lett. 37, (12) :1250-1251 (2008))で測定した。ここでは淘汰された6種類の配列と、比較用に阻害活性を示さないと考えられる配列を評価した。
基質の調製
1. 以下の条件で試薬を混合する。
2. 以下の条件でハイブリダイゼーションを行う。
・ペプチドの試験管内翻訳と阻害活性評価
1. 以下の条件で溶液を調製する。
2. 以下の条件でPCRを行う。
3. QIAquick DNA purification kitで精製。
4. 1.5 mlチューブを用意する。
5. クローンごとで1.5 mlチューブに以下の条件で溶液を調製する。
6. 37℃、4時間インキュベートする。
7. 6.の1.5 mlチューブにDynabeads MyOne Streptavidin C1を10μL加える。
8. 25℃、1時間振とうしながらインキュベートする。
9. 1.5 mlチューブを磁石に近づけながら、上澄みを除去する。
10. 1×Reaction buffer 100μLを加え、1分間静置。
11. 1.5 mlチューブを磁石に近づけながら、上澄みを除去。
12. 10〜11を3回繰り返し、不純物を除去する。
13. 新しい1.5 mlチューブを2本追加で用意し、1つはペプチドの入っていない状態のMGMTの活性を測定するコントロールA、もう1つを基質のバックグラウンドを測定するためのコントロールBとして使用する。
14. MGMTストック溶液(20 pmol/μL)をReaction bufferで5 pmol/μLに希釈する。
15. 12の工程が完了したチューブと13のAのチューブに14のMGMT 溶液を1μL、2×Reaction bufferを2μL、Milli Qを1μL加える。
16. 37℃、10分間、振とうさせながらインキュベーションする。
17. 16の工程が完了したチューブと13のBのチューブにReaction mixを8μL加える。13BのチューブのみMilli Qを4μL追加する。
18. 37℃、15分間、振とうさせながらインキュベーションする。
19. チューブを磁石に近づけながら、上澄みを384穴プレートの各ウェルに、気泡が混入しないように注意深く移す。
20. プレートリーダーで蛍光強度を測定する。
(2) 化学合成をしたペプチドを用いた定量的阻害活性測定ここでは、簡便な活性評価の結果を受け、特に強い阻害活性を示したペプチド(MGMT-Inh1、MGMT-Inh2)を合成して、活性を定量的に測定した。比較のために、親和性淘汰されたものの内、特徴的な配列MGMT-affinity1、O6-BGも測定を行った。結果から各サンプルのIC50の算出を行った。
1. MGMTのストック溶液を1× Reaction Bufferを用いて1 pmol/μLまで希釈する。
2. 以下の組成で必要に応じて試薬を混合する。
3. 10分間、37℃でインキュベーションする。
4. インキュベーションの終わった産物3.にReaction mixを8μL加える。
5. 15分間、37℃でインキュベーションする。
6. インキュベーションが終わった溶液を、384穴プレートの対応するウェルへ、気泡が混入しないよう注意深く移す。
7. プレートリーダーにて、蛍光強度を測定する。
実験結果
(1)MMVを用いた機能による淘汰
機能による淘汰実験後に検出用のMMVをイメージャーでスキャンした結果を図7に示す。MMVの各ウェルで蛍光強度の差異が見られ、ペプチドによってMGMTの活性が阻害されたウェル(=蛍光強度が低い)と、そうでないウェル(=蛍光強度が高い)が散らばっていることが分かる。目的のペプチドは蛍光強度が低いウェルに存在する可能性が高いため、図7中のP1〜P5に対応するレプリカ中のDNAを回収し、配列決定を行った。また、実験の信頼性を裏付けるためネガティブコントロールとして、蛍光強度の高いウェルで(図7中N1〜N5)に対しても同様に配列決定を行った。
(2)配列決定の結果
機能による淘汰後の配列決定の結果を図8(A:ポジティブ、B:ネガティブ)に示す。
ウェルあたり4〜9種類の配列を得た。親和性淘汰によって、ライブラリを106分子種にまで絞り込んだと考え、機能淘汰(R2)段階では1ウェルあたり103種類の分子が1コピーずつ入るようにMMVに撒いた。しかし、実際には親和性淘汰の段階で想定以上にライブラリが絞り込まれた(〜106分子種以下)ため、MMV中の複数のウェルに同一の分子が現れたと考えられる。
そこで、MMVでの機能淘汰をこの1ラウンドで完了させ、得られたクローンを個別に活性評価する段階への移行を決定した。
(3)MGMT阻害ペプチドの活性評価
1.淘汰されたペプチドの簡便な活性評価
機能淘汰によって得られた配列の内、コピー数が多い順にポジティブから4つ(候補配列)、ネガティブから3つ(比較用配列)を試験管内翻訳し、簡便な活性評価をした結果を図9に示す。候補配列4種類はすべてMGMT阻害活性を持ち、一方で、比較用配列はいずれも阻害活性を示さなかった。蛍光測定でポジティブな配列とネガティブな配列が、本実験においてそれぞれ期待通りの活性であったことから、先のMMV上での機能淘汰実験が予定通り進行し、さらに蛍光強度によるスクリーニング判定が適切であったことを示している。この結果を受け、強い活性を示しコピー数の多かった配列2種類(GIHIPPIT、KCPSSYYG)を化学合成し、定量的なMGMT阻害活性測定を行うこととした。
(4)定量的な活性測定
MGMT-Inh1とMGMT-Inh2の定量的な活性評価結果を図10に示す。結果を元に両ペプチドのIC50を求めたところ、Inh1が8.3μM、Inh2が60.7μMとなった。
また、比較のために既存のMGMT活性阻害剤として知られている、O6-BGについても阻害活性測定を行った。図11に示す。こちらについてもIC50を求めると303 nMとなった。この値は文献値(400 nM1, 300-620 nM 2 3 4,)と近い値となっており、本実験で得られたIC50の有効性が確かめられた。
1. Hongo, et al. A radioisotope-nondependent high-sensitivity method for measuring the activity of glioblastoma-related O6-methylguanine DNA methyltransferase. doi:10.1016/j.ab.2014.08.012 (2014)
2. U. Muhlhausen, et al. Synthesis of 131I-labeled glucose-conjugated inhibitors of O6-methylguanine-DNA methyltransferase (MGMT) and comparison with nonconjugated inhibitors as potential tools for in vivo MGMT imaging J. Med. Chem., 49, 263-272 (2006)
3. J. Reinhard, et al. Monosaccharide-linked inhibitors of O6-methylguanine-DNA methyltransferase (MGMT): synthesis, molecular modeling, and structure-activity relationships J. Med. Chem., 44, 4050-4061 (2001)
4. J. Reinhard, et al. Inactivation of O6-methylguanine-DNA methyltransferase by glucose-conjugated inhibitors Int. J. Cancer, 93, 373-379 (2001)
阻害活性機能等を有する機能性ペプチドの探索分野に有用である。
配列番号1: MGMT-Fプローブ配列
配列番号2: MGMT-Qプローブ配列
配列番号3: GMT-affinity1ペプチド配列
配列番号4: MGMT-Inh1ペプチド配列
配列番号5: MGMT-Inh2ペプチド配列
配列番号6: pureflex用コンストラクト完成系
配列番号7: T7-SBR-GGGSプライマー配列
配列番号8:Stop-reverse1プライマー配列

Claims (14)

  1. 所望の機能を有するペプチド(以下、機能性ペプチドと呼ぶ)をコードするDNA、又は前記DNAを含有するサブライブラリを、原料DNAライブラリから選択する方法であって、
    以下の(a)〜(e)の工程を含む機能淘汰方法を実施する、方法。
    (a)複数のウェルを有するマイクロアレイ1の少なくとも一部のウェルに前記原料DNAライブラリを含有する溶液を分配し、
    (b)前記溶液を分配したマイクロアレイ1から、マイクロアレイ1と実質的に同じ溶液を分配したレプリカであるマイクロアレイ2を調製し、
    (c)前記マイクロアレイ1中のDNAを鋳型としてペプチドを合成し、
    (d)合成したペプチドの機能を検定し、機能性ペプチドを含むウェルを特定し、
    (e)機能性ペプチドを含むウェルと特定されたウェルに相当するマイクロアレイ2のウェルに含まれる溶液を、機能性ペプチドをコードする1種類のDNAを含有する溶液として回収する、又は機能性ペプチドをコードする少なくとも1種類のDNAを含むDNAサブライブラリを含有する溶液として回収する、ことを含む、方法。
  2. 前記マイクロアレイ1と実質的に同じ溶液を分配したマイクロアレイ2の調製は、
    マイクロアレイ1と同一のウェル配列を有するマイクロアレイ2を、マイクロアレイ1とマイクロアレイ2の各ウェルが対向する状態で、マイクロアレイ1のウェルから前記溶液をマイクロアレイ2のウェルに移送し、
    その状態を維持しつつ、マイクロアレイ2のウェルから前記溶液をマイクロアレイ1のウェルに返送し、次いで、
    前記溶液返送後のマイクロアレイ2のウェルにPCR反応溶液を添加し、
    PCR法により前記溶液返送後のマイクロアレイ2のウェル内壁に残存するDNAを増幅して、マイクロアレイ1のレプリカとしてのマイクロアレイ2を得る、ことを含む、請求項1に記載の方法。
  3. マイクロアレイ1及び2は、ウェルの内容積が0.1〜2μLの範囲であり、マイクロアレイ1からマイクロアレイ2への溶液の移送及びマイクロアレイ2からマイクロアレイ1への溶液の返送は、マイクロアレイ1及びマイクロアレイ2をウェルが向かい合わせになるように配置して遠心力を付加することで行う、請求項2に記載の方法。
  4. マイクロアレイ1及び2は、2.5cm平方(=6.25cm2)当たり少なくとも1024個のウェルを有する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. マイクロアレイ1及び2は、ポリカーボネート製であり、かつウェルの内壁の少なくとも一部はBSAの被覆層を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記(a)〜(e)の工程を少なくとも2回繰返して行い、機能性ペプチドをコードするDNAを得る、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 2回目以降の(a)の工程での原料DNAライブラリは、先行する機能淘汰方法の(e)の工程で回収される、機能性ペプチドをコードする少なくとも1種類のDNAを含むDNAサブライブラリを含有する溶液として回収されるサブライブラリである、請求項6に記載の方法。
  8. (b)の工程で得られるマイクロアレイ2の少なくとも一部のウェルに含まれるDNAの種類が1種類または0種類となるまで、機能淘汰方法を繰り返す、請求項6又は7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記原料DNAライブラリは、親和性淘汰方法により得られたDNAライブラリである請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 親和性淘汰方法により得られたDNAライブラリのポピュレーションが10の4乗〜10の7乗であり、
    1回目の機能淘汰方法により得られたDNAライブラリのポピュレーションが10の1乗〜10の4乗であり、
    2回目の機能淘汰方法により得られたDNAライブラリのポピュレーションが10の0乗〜10の1乗である、
    である請求項9に記載の方法。
  11. 1回目又は2回目の機能淘汰方法により得られるDNAライブラリのポピュレーションが10の1乗〜10の3乗の範囲となるように、親和性淘汰方法により得られるDNAライブラリのポピュレーションを調整する、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の方法の(e)の工程において、機能性ペプチドをコードする1種類のDNAを含有する溶液として回収された溶液から、ペプチドを合成する、機能性ペプチドの調製方法。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の方法の(e)の工程において、機能性ペプチドをコードする少なくとも1種類のDNAを含むDNAサブライブラリを含有する溶液として回収された溶液から、ペプチドを合成する、機能性ペプチドの調製方法。
  14. 前記所望の機能は、酵素活性制御機能又は生理活性制御機能である、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
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