JP2017050414A - 高周波半導体装置および高周波半導体装置の製造方法 - Google Patents

高周波半導体装置および高周波半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】歩留まりを向上させることができる高周波半導体装置を提供する。【解決手段】実施形態に係る高周波半導体装置は、第1の貫通孔を有する第1の絶縁基板と、側面の全周が前記第1の絶縁基板に囲まれるように、前記第1の貫通孔に挿入された第1の導体と、前記第1の絶縁基板に、前記第1の導体と電気的に絶縁されるように設けられた端子部と、前記第1の導体の上面上に配置された高周波半導体素子と、前記高周波半導体素子と前記端子部とを電気的に接続するワイヤと、を備える。【選択図】図1B

Description

本発明の実施形態は、高周波半導体装置および高周波半導体装置の製造方法に関する。
高周波半導体装置を低コストで製造する方法として、MAP(Multi Array Mold)と称する製造方法が一般に知られている。この方法の概要は、以下の通りである。
まず、金属製のリードフレームを用意する。リードフレームは、各々に高周波半導体素子が配置される複数の放熱板、および各放熱体の周囲に配置され、高周波信号の入出力や電流、電圧の入力等に使用される複数の端子部が、フレームに接続されることによって一体化された金属体である。そして、このようなリードフレームのそれぞれの放熱板上に、高周波半導体素子を配置する。
次に、各高周波半導体素子と、各高周波半導体素子が配置される放熱体の周囲の複数の端子部とを、ワイヤを用いて電気的に接続する。
次に、リードフレームの下面のみが露出するように、複数の高周波半導体素子、複数のワイヤ、およびリードフレームを、樹脂等のモールド剤で覆う。これにより、一つのリードフレームに複数個の高周波半導体装置が一括して形成される。
最後に、高周波半導体素子間のモールド剤を切断するとともに、放熱体および複数の端子部をフレームから切り離す。これによって、複数個の高周波半導体装置は個片化される。
しかしながら、MAPによれば、最終工程において複数個の高周波半導体装置が個片化されるまで、各高周波半導体装置内において放熱板と複数の端子部とはフレームによって電気的に接続された状態となっているとともに、複数の高周波半導体装置も、フレームによって電気的に接続された状態となっている。したがって、高周波半導体素子と複数の端子部とを接続するワイヤの長さを決定するための電気的試験を行うことができない、という課題がある。高周波半導体素子のばらつきに合わせてワイヤのインダクタンスを調整することはできない。このように、MAPによる高周波半導体装置の製造方法の歩留まりは悪い、という課題がある。
特開2002−36270号公報
実施形態は、歩留まりを向上させることができる高周波半導体装置および高周波半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
実施形態に係る高周波半導体装置は、第1の貫通孔を有する第1の絶縁基板と、側面の全周が前記第1の絶縁基板に囲まれるように、前記第1の貫通孔に挿入された第1の導体と、前記第1の絶縁基板に、前記第1の導体と電気的に絶縁されるように設けられた端子部と、前記第1の導体の上面上に配置された高周波半導体素子と、前記高周波半導体素子と前記端子部とを電気的に接続するワイヤと、を備える。
また、実施形態に係る高周波半導体装置は、第1の貫通孔を有する第1の絶縁基板と、側面の全周が前記第1の絶縁基板に囲まれるように、前記第1の貫通孔に挿入された第1の導体と、前記第1の絶縁基板の上面上に設けられた第2の絶縁基板と、前記第2の絶縁基板の上面上に設けられた配線パターンを含む端子部と、前記第1の導体の上面上に配置された高周波半導体素子と、前記高周波半導体素子と前記配線パターンとを電気的に接続するワイヤと、を備える。
また、実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法は、絶縁基板に複数の第1の貫通孔を形成し、前記複数の第1の貫通孔の各々に、側面の全周が前記絶縁基板に囲まれるように第1の導体を挿入し、複数の前記第1の導体の上面上に複数の高周波半導体素子を配置し、前記複数の高周波半導体素子と、前記絶縁基板に設けられた複数の端子部と、を複数のワイヤによって接続し、前記複数の第1の導体の間の前記絶縁基板を切断する方法である。
また、実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法は、絶縁性の絶縁基板に複数の第1の貫通孔を形成し、前記複数の第1の貫通孔の各々に、側面の全周が前記絶縁基板に囲まれるように第1の導体を挿入し、それぞれが上面上に配線パターンを有する複数の絶縁基板を、前記絶縁基板の上面上に配置し、複数の前記第1の導体の上面上に複数の高周波半導体素子を配置し、前記複数の高周波半導体素子と、前記複数の絶縁基板に形成された複数の前記配線パターンと、を複数のワイヤによって接続し、前記複数の第1の導体の間の前記絶縁基板を切断する方法である。
第1の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。 図1Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。 第1の実施形態に係る高周波半導体装置を製造する際に用いられる絶縁基板を示す上面図である。 第1の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。 第1の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。 第1の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。 第1の実施形態に係る高周波半導体装置の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図である。 図6Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。 第2の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。 図7Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。 第2の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。 第2の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。 第2の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。 第2の実施形態に係る高周波半導体装置の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図である。 図11Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。 第3の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。 図12Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。 第3の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図3に対応する絶縁基板の断面図である。 第3の実施形態に係る高周波半導体装置の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図である。 図14Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。 第4の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。 図15Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。 第4の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。 第4の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。 第4の実施形態に係る高周波半導体装置の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図である。 図18Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。 第5の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。 図19Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。 第5の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。 第5の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。 第5の実施形態に係る高周波半導体装置の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図である。 図22Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。 第6の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。 図23Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。 第6の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図3に対応する絶縁基板の断面図である。 第6の実施形態に係る高周波半導体装置の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図である。 図24Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。 第7の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。 図26Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。 第7の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。 第7の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。 第7の実施形態に係る高周波半導体装置の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図である。 図29Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。 第8の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。 図30Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。 第8の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。 第8の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。 第8の実施形態に係る高周波半導体装置の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図である。 図33Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。 第9の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。 図34Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。 第9の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図3に対応する絶縁基板の断面図である。 第9の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図3に対応する絶縁基板の断面図である。 第9の実施形態に係る高周波半導体装置の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図である。 図37Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。
以下に、実施形態に係る高周波半導体装置および高周波半導体装置の製造方法を、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1Aは、第1の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。また、図1Bは、図1Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。なお、説明の都合上、図1Aにおいては、保護層を省略している。
図1Aおよび図1Bに示す高周波半導体装置10において、四角形の板状の第1の絶縁基板11には、この絶縁基板11を貫通する四角形状の第1の貫通孔12が設けられている。また、第1の絶縁基板11において、第1の貫通孔12の周囲には、各々がこの絶縁基板11を貫通する四角形状の複数の第2の貫通孔13が設けられている。全ての第2の貫通孔13は、第1の貫通孔12から離間した位置に設けられている。
第1の絶縁基板11は、例えばFR4(Flame Retrardant Type 4)、PCB(Printed Circuit Board)等である。
第1の貫通孔12には、柱状の第1の導体14が挿入されている。この第1の導体14の上面および下面は第1の絶縁基板11から露出されているが、第1の導体14の側面の全周は、第1の絶縁基板11に囲まれている。
第1の導体14は、後に説明する高周波半導体素子16(高周波半導体増幅素子16a)から発生する熱を放熱するための放熱板であるとともに、高周波半導体素子16を接地するための接地用導体である。したがって、第1の導体14は、良好な熱伝導率を有するとともに導電性を有する金属材料(例えば銅(Cu))によって構成されている。
第1の導体14は、第1の絶縁基板11に接着剤を介して固定されていない。また、第1の導体14は、第1の貫通孔12を有する第1の絶縁基板11に対して、通常の半導体製造プロセスを用いて製造された導体でもない。第1の導体14は、第1の貫通孔12より僅かに大きいサイズとなるように金属体を加工して柱状に製造された金属部品であって、このような第1の導体14を第1の貫通孔12に挿入することによって、第1の絶縁基板11に固定されている。なお、挿入された第1の導体14が第1の貫通孔12から抜け落ちることを抑制するために、挿入された第1の導体14の側面の全周は、第1の貫通孔12内において第1の絶縁基板11に接触していることが理想的である。しかし、容易に抜け落ちることがなければ、第1の導体14の側面の一部は、第1の貫通孔12内において第1の絶縁基板11から離間していてもよい。
同様に、各々の第2の貫通孔13には、柱状の第2の導体15が挿入されている。第1の導体14と同様に、第2の導体15の上面および下面は第1の絶縁基板11から露出されているが、第2の導体15の側面の全周は、第1の絶縁基板11に囲まれている。
これらの第2の導体15は、高周波半導体素子16に対して高周波信号を入出力する、または高周波半導体素子16を駆動させる駆動用電源を供給するための端子部である。図1Aおよび図1Bにおいては、高周波信号を入力する入力側端子部15in、および高周波信号を出力する出力側端子部15out、を示している。したがって、第2の導体15は、導電性を有する金属材料(例えば銅(Cu))によって構成されている。そして、第2の導体15は、第1の絶縁基板11によって第1の導体14と電気的に絶縁されるように設けられている。なお、第2の導体15は、必ずしも第1の導体14と同一材料によって構成された金属である必要はない。
第1の導体14と同様に、第2の導体15も、第1の絶縁基板11に接着剤を介して固定されていないし、第2の貫通孔13を有する第1の絶縁基板11に対して、通常の半導体製造プロセスを用いて製造された導体でもない。第2の導体15は、第2の貫通孔13より僅かに大きいサイズとなるように金属体を加工して柱状に製造された金属部品であって、このような第2の導体15を第2の貫通孔13に挿入することによって、第1の絶縁基板11に固定されている。なお、挿入された第2の導体15が第2の貫通孔13から抜け落ちることを抑制するために、挿入された第2の導体15の側面の全周は、第2の貫通孔13内において第1の絶縁基板11に接触していることが理想的である。しかし、容易に抜け落ちることがなければ、第2の導体15の側面の一部は、第2の貫通孔13内において第1の絶縁基板11から離間していてもよい。
第1の導体14の上面上には、例えばFETによって構成される高周波半導体増幅素子16aが配置されている。また、第1の導体14の上面上には、2個の並列キャパシタ16b、16c、分岐回路16d、および合成回路16eも配置されている。そして、分岐回路16dと一方の並列キャパシタ16bとは、複数の素子形成用ワイヤ17aによって接続されており、一方のキャパシタ16bと高周波半導体増幅素子16aとは、複数の素子形成用ワイヤ17bによって接続されている。同様に、高周波半導体増幅素子16aと他方の並列キャパシタ16cとは、複数の素子形成用ワイヤ17cによって接続されており、他方のキャパシタ16cと合成回路16eとは、複数の素子形成用ワイヤ17dによって接続されている。
なお、本願において、「高周波半導体素子16」は、高周波半導体増幅素子16a等の能動素子のみによって構成されてもよいし、高周波半導体増幅素子16a、2個の並列キャパシタ16b、16c、分岐回路16d、および合成回路16eを全て含む高周波回路によって構成されてもよい。
このよう高周波半導体素子16は、複数の回路形成用ワイヤ18a、18bによって、複数の第2の導体15(入力側端子部15inおよび出力側端子部15out)に接続されている。すなわち、分岐回路16dの入力部分と入力側端子部15inとが回路形成用ワイヤ18aによって接続されており、合成回路16eの出力部分と出力側端子部15outとが回路形成用ワイヤ18bによって接続されている。
なお、上記の素子形成用ワイヤ17a、17b、17c、17dおよび回路形成用ワイヤ18a、18bはそれぞれ、例えば金(Au)等の導体によって構成されている。
そして、図1Aにおいては省略されているが、第1の絶縁基板11の上面上の全面には、複数の素子形成用ワイヤ17a、17b、17c、17dを含む高周波半導体素子16、および複数の回路形成用ワイヤ18a、18b、の全体を覆うように、例えばモールド樹脂によって構成される保護層19が設けられている。
次に、図1Aおよび図1Bに示される高周波半導体装置の製造方法について説明する。この製造方法は、図2に示される絶縁性の絶縁基板11´に複数の高周波半導体装置10を一括形成し、最後に複数の高周波半導体装置10を個片化する方法である。なお、図2の点線は、いわゆるダイシングラインDLを示している。
以下に、この製造方法について、図3〜図5を参照して説明する。図3〜図5はそれぞれ、第1の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。
まず、絶縁性の絶縁基板11´に複数の第1の貫通孔12を形成する。また、第1の貫通孔12を形成すると同時に、絶縁基板11´に複数の第2の貫通孔13を形成する(図3(a))。複数の第1の貫通孔12は、ダイシングラインDLによって区切られる各領域内に一つずつ形成される。複数の第2の貫通孔13は、ダイシングラインDLによって区切られる各領域内において、第1の貫通孔12から離間した位置に形成される。
次に、第1の貫通孔12のサイズより僅かに大きい柱状の複数の第1の導体14、および第2の貫通孔13のサイズより僅かに大きい柱状の複数の第2の導体15を、例えば所望の金属によって構成される金属体を加工することによって形成する。なお、「貫通孔のサイズ」とは、絶縁基板11´の上面に平行な平面(以下、水平面と称する。)によって切断される貫通孔の開口面積を意味する。したがって、形成された第1の導体14の水平面における断面積は、第1の貫通孔12の水平面における開口面積より大きく、形成された第2の導体15の水平面における断面積は、第2の貫通孔13の水平面におけるより開口面積より大きくなっている。しかしながら、形成される第1の導体14および第2の導体15の高さは、絶縁基板11´の厚さに実質的に等しくなっている。
そして、このように形成した複数の第1の導体14を複数の第1の貫通孔12に挿入するとともに、複数の第2の導体15を複数の第2の貫通孔13に挿入する(図3(b))。このようにして、複数の第1の導体14および複数の第2の導体15をそれぞれ、接着剤を用いずに絶縁基板11´に固定する。挿入された複数の第1の導体14および複数の第2の導体15のそれぞれの上面および下面は絶縁基板11´の両面から露出しているが、挿入された複数の第1の導体14および複数の第2の導体15の側面の全周は、絶縁基板11´に囲まれている。したたって、挿入された複数の第1の導体14および複数の第2の導体15のそれぞれは、絶縁基板11´によって互いに絶縁されている。ここで、挿入された複数の第1の導体14および複数の第2の導体15の側面の全周はそれぞれ、第1、第2の貫通孔12、13内において絶縁基板11´に接触していることが好ましい。
次に、各第1の導体14の上面上に、高周波半導体素子16(高周波半導体増幅素子16a、並列キャパシタ16b、16c、分岐回路16d、および合成回路16e)を配置する(図4(c))。
次に、ダイシングラインDL(図2)で区切られた全ての領域を、いくつかの試験領域に区分する。そして、試験領域毎に、ダイシングラインDLで区切られた一領域をピックアップし、ピックアップした領域内において、高周波半導体素子16を構成する各部を素子形成用ワイヤ17a、17b、17c、17dによって電気的に接続するとともに、高周波半導体素子16と複数の第2の導体15とをそれぞれ、所望の長さの回路形成用ワイヤ18a、18bによって接続する(図4(d))。
この後、各ワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bが形成された領域において、高周波半導体装置10の電気的試験を行う。第1の導体14と第2の導体15とが電気的に絶縁されているため、モールド樹脂によって構成された保護層19を形成し、切断する(図5(f))前に、電気的試験を高精度に行うことができる。電気的試験によって、高周波半導体装置10に要求される特性を満足するように、素子形成用ワイヤ17a、17b、17c、17dおよび回路形成用ワイヤ18a、18b、の長さを調整することができる。
なお、ダイシングラインDL(図2)で区切られた全ての領域をピックアップし、全ての領域について電気的試験を行ってもよい。
他方、従来のリードフレームを用いたMAPによる製造方法によれば、第1の導体と第2の導体とが電気的に接続されているため、電気的試験を行うことができない。したがって、高周波半導体素子と第2の導体とを接続する回路形成用ワイヤの長さを調整することもできない。
ピックアップした領域において電気的試験を行い、素子形成用ワイヤ17a、17b、17c、17d、および回路形成用ワイヤ18a、18bの長さを求めた後、求められた長さの各ワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bを用意し、電気的試験が行われない各領域に、用意された各ワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bを形成する(図4(e))。これによって、絶縁基板11´には、要求される特性を満足する複数の高周波半導体装置10が形成される。
次に、全ての高周波半導体素子16および全てのワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bを覆うように、絶縁基板11´の上面上の全面に、例えばモールド樹脂によって構成された保護層19を形成する(図5(f))。
最後に、ダイシングラインDL(図2)に沿って、第1の導体14間の絶縁基板11´および保護層19を切断し、複数の高周波半導体装置10を個片化する(図5(g))。本工程においては、金属等の硬い材料を切断することがないため、切断が容易となり、複数の高周波半導体装置10を高速に個片化することができる。なお、切断後に個片化された絶縁基板11´が、第1の絶縁基板11となる。
このようにして、図1Aおよび図1Bに示される高周波半導体装置10を製造することができる。
図6Aは、以上に説明した製造方法によって製造された第1の実施形態に係る高周波半導体装置10の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図であり、図6Bは、図6Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。図6Aおよび図6Bに示すように、第1の実施形態に係る高周波半導体装置10が実装される、実装側のプリント配線基板101には、この基板101を貫通する貫通孔102が設けられており、貫通孔102内には、熱伝導性に優れた導電性の金属によって構成される放熱体103が配置されている。また、プリント配線基板101の上面上には、配線パターン104が設けられている。
このようなプリント配線基板101は、放熱体103の下面がヒートシンク105の上面に接触するように、ヒートシンク105上に配置されている。
このようにヒートシンク105上に配置されたプリント配線基板101上に、第1の実施形態に係る高周波半導体装置10が実装される。高周波半導体装置10は、第1の導体14の下面がプリント配線基板101の放熱体103の上面に接触し、第2の導体15の下面がプリント配線基板101の配線パターン104に接触するように、プリント配線基板101上に実装される。なお、第1の導体14と放熱体103との間には、例えば半田、銀ナノ粒子等の導電性接着剤が介在されてもよい。同様に、第2の導体15と配線パターン104との間には、例えば半田等の導電性接着剤が介在されてもよい。
以上に説明した第1の実施形態に係る高周波半導体装置10および第1の実施形態に係る高周波半導体装置10の製造方法によれば、絶縁基板11´の切断前に、第1の導体14と第2の導体15とが互いに電気的に絶縁されている。したがって、複数の高周波半導体装置10が個片化される前に、高周波半導体装置10の電気的試験を行うことが可能となる。その結果、高周波半導体装置10の要求される特性を満足するために必要な、各ワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bの長さを、例えば試験領域毎に求めることができる。ゆえに、歩留まりを向上させることができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る高周波半導体装置は、第1の実施形態に係る高周波半導体装置10と比較して、端子部(入力側端子部および出力側端子部)の構造が異なる。以下に、図7Aおよび図7Bを参照して、第2の実施形態に係る高周波半導体装置について説明する。なお、以下の第2の実施形態に係る高周波半導体装置の説明において、第1の実施形態に係る高周波半導体装置10と同一部分については、第1の実施形態に係る高周波半導体装置10と同一符号を付し、その説明を省略している。
図7Aは、第2の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。また、図7Bは、図7Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。なお、説明の都合上、図7Aにおいては、保護層22を省略している。
図7Aおよび図7Bに示す高周波半導体装置20において、四角形の板状の第1の絶縁基板11の上面上には、高周波半導体素子16に対して高周波信号を入出力する、または高周波半導体素子16を駆動させる駆動用電源を供給するための端子部として、例えば金(Au)等によって構成される配線パターン21が設けられている。配線パターン21は、第1の絶縁基板11の上面上において、少なくとも第1の導体14と絶縁される位置に設けられる。なお、図7Aおよび図7Bに示すように、本実施形態において、配線パターン21は、高周波信号を入力する入力側配線パターン21in、および高周波信号を出力する出力側配線パターン21outである。
なお、端子部が第1の絶縁基板11の上面上の配線パターン21(入力側配線パターン21inおよび出力側配線パターン21out)であるため、保護層22は、各配線パターン21の一部を露出するように設けられている。
また、端子部が第1の絶縁基板11の上面上の配線パターン21(入力側配線パターン21inおよび出力側配線パターン21out)であるため、回路形成用ワイヤ18aは、高周波半導体素子16の分岐回路16dの入力部分と入力側配線パターン21inとを接続する。また、回路形成用ワイヤ18bは、高周波半導体素子16の合成回路16eの出力部分と出力側配線パターン21outとを接続する。
このように、本実施形態において、端子部は、第1の絶縁基板11の上面上に設けられた配線パターン21である。したがって、第1の絶縁基板11に第2の貫通孔は設けられていない。
以下に、この高周波半導体装置20の製造方法について、図8〜図10を参照して説明する。図8〜図10はそれぞれ、第2の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。
まず、絶縁性の絶縁基板11´の上面上の所定位置に配線パターン21を形成する(図8(a))。この後、絶縁基板11´に複数の第1の貫通孔12を形成する(図8(b))。続いて、柱状の複数の第1の導体14を形成し、これらの第1の導体14を複数の第1の貫通孔12に挿入して、第1の導体14を絶縁基板11´に固定する(図8(c))。
なお、図8(a)に示される配線パターン21の形成工程は、図8(c)に示される第1の導体の固定工程の後であってもよい。
次に、各第1の導体14の上面上に、高周波半導体素子16(高周波半導体増幅素子16a、並列キャパシタ16b、16c、分岐回路16d、および合成回路16e)を配置する(図9(d))。
次に、試験領域毎に、ダイシングラインDLで区切られた一領域をピックアップし、ピックアップした領域内において、高周波半導体素子16を構成する各部を素子形成用ワイヤ17a、17b、17c、17dによって電気的に接続するとともに、高周波半導体素子16と複数の配線パターン21とをそれぞれ、所望の長さの回路形成用ワイヤ18a、18bによって接続する(図9(e))。
この後、各ワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bが形成された領域において、高周波半導体装置20の電気的試験を行う。第1の導体14と配線パターン21とが電気的に絶縁されているため、電気的試験を高精度に行うことができる。電気的試験によって、高周波半導体装置20に要求される特性を満足するために必要な、素子形成用ワイヤ17a、17b、17c、17dおよび回路形成用ワイヤ18a、18b、の長さを求めることができる。
ピックアップした領域において電気的試験を行い、素子形成用ワイヤ17a、17b、17c、17d、および回路形成用ワイヤ18a、18bの長さを求めた後、求められた長さの各ワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bを用意し、電気的試験が行われない各領域に、用意された各ワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bを形成する(図9(f))。これによって、絶縁基板11´には、要求される特性を満足する複数の高周波半導体装置20が形成される。
次に、全ての高周波半導体素子16および全てのワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bを覆い、かつ配線パターン21の一部が露出するように、絶縁基板11´の上面上の所定領域に、例えばモールド樹脂によって構成された保護層22を形成する(図10(g))。
最後に、ダイシングラインDL(図2)に沿って、第1の導体14間の絶縁基板11´を切断し、複数の高周波半導体装置20を個片化する(図10(h))。本工程においては、金属等の硬い材料を切断することがないため、切断が容易となり、複数の高周波半導体装置20を高速に個片化することができる。
このようにして、図7Aおよび図7Bに示される高周波半導体装置20を製造することができる。
図11Aは、以上に説明した製造方法によって製造された第2の実施形態に係る高周波半導体装置20の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図であり、図11Bは、図11Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。図11Aおよび図11Bに示すように、第2の実施形態に係る高周波半導体装置20が実装される、実装側のプリント配線基板201は、高周波半導体装置20の絶縁基板11と実質的に等しい厚さとなっている。プリント配線基板201には第2の実施形態に係る高周波半導体装置20を配置するための開口部202が設けられている。また、プリント配線基板201の上面上には、配線パターン205が設けられている。プリント配線基板201と絶縁基板11とに同じ材質を用いると配線パターン幅が等しくなり、より好ましい。
このようなプリント配線基板201は、ヒートシンク105上に配置されている。
このようにヒートシンク105上に配置されたプリント配線基板201の開口部202に、高周波半導体装置20は、ヒートシンク105の上面に接触するように実装される。なお、高周波半導体装置20の配線パターン21は、プリント配線基板201の配線パターン205と、例えば金(Au)等によって構成される接続導体206によって電気的に接続される。
以上に説明した第2の実施形態に係る高周波半導体装置20および第2の実施形態に係る高周波半導体装置20の製造方法においても、第1の実施形態と同様に、絶縁基板11´の切断前に、第1の導体14と配線パターン21とが互いに電気的に絶縁されている。したがって、複数の高周波半導体装置20が個片化される前に、高周波半導体装置20の電気的試験を行うことが可能となる。その結果、高周波半導体装置20の要求される特性を満足するために必要な、各ワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bの長さを、例えば試験領域毎に求めることができる。ゆえに、歩留まりを向上させることができる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る高周波半導体装置は、第1の実施形態に係る高周波半導体装置10と比較して、第1の絶縁基板の構造、および第1、第2の導体の構造が異なる。以下に、図12Aおよび図12Bを参照して、第3の実施形態に係る高周波半導体装置について説明する。なお、以下の第3の実施形態に係る高周波半導体装置の説明において、第1の実施形態に係る高周波半導体装置10と同一部分については、第1の実施形態に係る高周波半導体装置10と同一符号を付し、その説明を省略している。
図12Aは、第3の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。また、図12Bは、図12Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。なお、説明の都合上、図12Aにおいては、保護層19を省略している。
図12Aおよび図12Bに示す高周波半導体装置30において、第1の絶縁基板31は、複数枚の絶縁基板を重ねることによって構成されている。本実施形態において、第1の絶縁基板31は、例えば下部絶縁基板31a、およびこの基板31aの上面上に設けられた上部絶縁基板31b、によって構成されている。
このような第1の絶縁基板31には、この絶縁基板31を貫通する第1の貫通孔32が設けられている。また、第1の絶縁基板31において、第1の貫通孔32の周囲には、各々がこの絶縁基板31を貫通する複数の第2の貫通孔33が設けられている。全ての第2の貫通孔33は、第1の貫通孔32から離間した位置に設けられている。
ここで、第1の貫通孔32および第2の貫通孔33の水平面(第1の絶縁基板31の上面に平行な平面)における形状は四角形状となっている。しかしながら、第1の貫通孔32および第2の貫通孔33の深さ方向(第1の絶縁基板31の上面から下面に向かう方向)における形状は、広い開口面積を有する下部と、下部より小さい開口面積を有する上部と、を互いに連通するように積み重ねた形状となっている。
このような第1の貫通孔32には、凸状の第1の導体34が、第1の実施形態に係る高周波半導体装置10の第1の導体14と同様に挿入されている。また、第2の貫通孔33には、凸状の第2の導体35(入力側端子部35inおよび出力側端子部35out)が、第1の実施形態に係る高周波半導体装置10の第2の導体15と同様に挿入されている。
次に、図12Aおよび図12Bに示される高周波半導体装置30の製造方法について説明する。この製造方法は、複数枚の絶縁性の絶縁基板を重ねることによって、図2に示される絶縁性の絶縁基板11´と同様の絶縁性の絶縁基板31´を形成し、この絶縁性の絶縁基板31´に複数の高周波半導体装置30を一括形成し、最後に複数の高周波半導体装置30を個片化する方法である。
以下に、この製造方法について、図13を参照して説明する。図13は、第3の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図3に対応する絶縁基板の断面図である。
まず、最終的に下部絶縁基板31aとなる絶縁性の下部絶縁基板31a´に複数の貫通孔32a、33aを形成する(図13(a))。同様に、最終的に上部絶縁基板31bとなる絶縁性の上部絶縁基板31b´に複数の貫通孔32b、33bを形成する(図13(a))。ただし、上部絶縁基板31b´の貫通孔32bは、下部絶縁基板31a´の貫通孔32aより小さい開口面積となるように形成され、上部絶縁基板31b´の貫通孔33bは、下部絶縁基板31a´の貫通孔33aより小さい開口面積となるように形成される。貫通孔32a、32bは、後に第1の貫通孔32となる貫通孔であって、ダイシングラインDLによって区切られる各領域内に一つずつ形成される。また、貫通孔33a、33bは、後に第2の貫通孔33となる貫通孔であって、ダイシングラインDLによって区切られる各領域内において、第1の貫通孔32から離間した位置に形成される。
次に、下部絶縁基板31a´と上部絶縁基板31b´とをはりあわせることにより、絶縁性の絶縁基板31´を形成する(図13(b))。形成された絶縁基板31´には、貫通孔32aと貫通孔32bとが連通した第1の貫通孔32が設けられ、貫通孔33aと貫通孔33bとが連通した第2の貫通孔33が設けられる。
次に、第1の貫通孔32のサイズより僅かに大きくかつ絶縁基板31´と実質的に等しい高さの凸状の複数の第1の導体34、および第2の貫通孔33のサイズより僅かに大きくかつ絶縁基板31´と実質的に等しい高さの凸状の複数の第2の導体35を、例えば所望の金属によって構成される金属体を加工することによって形成する。そして、このように形成した複数の第1の導体34を複数の第1の貫通孔32に挿入するとともに、複数の第2の導体35を複数の第2の貫通孔33に挿入する(図13(c))。このようにして、複数の第1の導体34および複数の第2の導体35をそれぞれ、接着剤を用いずに絶縁基板31´に固定する。挿入された複数の第1の導体34および複数の第2の導体35のそれぞれの上面および下面は絶縁基板31´の両面から露出しているが、挿入された複数の第1の導体34および複数の第2の導体35の側面の全周は、絶縁基板31´に囲まれている。したがって、挿入された複数の第1の導体34および複数の第2の導体35のそれぞれは、絶縁基板31´によって互いに絶縁されている。ここで、挿入された複数の第1の導体34および複数の第2の導体35の側面の全周はそれぞれ、第1、第2の貫通孔32、33内において絶縁基板31´に接触していることが好ましい。
この後の工程は、図4(c)〜図5(g)に示される、第1の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法と同様である。したがって、詳細な説明は省略する。
このようにして、図12Aおよび図12Bに示される高周波半導体装置30を製造することができる。
図14Aは、以上に説明した製造方法によって製造された第3の実施形態に係る高周波半導体装置30の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図であり、図14Bは、図14Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。図14Aおよび図14Bに示すように、第3の実施形態に係る高周波半導体装置30が実装される、実装側のプリント配線基板101には、この基板101を貫通する貫通孔102が設けられており、貫通孔102内には、熱伝導性に優れた導電性の金属によって構成される放熱体103が配置されている。また、プリント配線基板101の上面上には、配線パターン104が設けられている。
このようなプリント配線基板101は、放熱体103の下面がヒートシンク105の上面に接触するように、ヒートシンク105上に配置されている。
このようにヒートシンク105上に配置されたプリント配線基板101上に、第3の実施形態に係る高周波半導体装置30が実装される。高周波半導体装置30は、第1の導体34の下面がプリント配線基板101の放熱体103の上面に接触し、第2の導体35の下面がプリント配線基板101の配線パターン104に接触するように、プリント配線基板101上に実装される。なお、第1の導体34と放熱体103との間には、導電性接着剤が介在されてもよい。同様に、第2の導体35と配線パターン104との間には、導電性接着剤が介在されてもよい。
以上に説明した第3の実施形態に係る高周波半導体装置30および第3の実施形態に係る高周波半導体装置30の製造方法においても、第1の実施形態と同様に、絶縁基板31´の切断前に、第1の導体34と第2の導体35とが互いに電気的に絶縁されている。したがって、複数の高周波半導体装置30が個片化される前に、高周波半導体装置30の電気的試験を行うことが可能となる。その結果、高周波半導体装置30の要求される特性を満足するために必要な、各ワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bの長さを、例えば試験領域毎に求めることができる。ゆえに、歩留まりを向上させることができる。
また、以上に説明した第3の実施形態に係る高周波半導体装置30および第3の実施形態に係る高周波半導体装置30の製造方法によれば、第1の導体34および第2の導体35が凸状である。したがって、少なくとも実装後において、第1の導体34および第2の導体35が、第1の貫通孔32および第2の貫通孔33から抜け落ちることが抑制される。
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る高周波半導体装置は、第1の実施形態に係る高周波半導体装置10と比較して、第1の絶縁基板11の上面上に絶縁性の枠体および蓋体が設けられている点が異なる。以下に、図15Aおよび図15Bを参照して、第4の実施形態に係る高周波半導体装置について説明する。なお、以下の第4の実施形態に係る高周波半導体装置の説明において、第1の実施形態に係る高周波半導体装置10と同一部分については、第1の実施形態に係る高周波半導体装置10と同一符号を付し、その説明を省略している。
図15Aは、第4の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。また、図15Bは、図15Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。なお、説明の都合上、図15Aにおいては、蓋体42を省略している。
図15Aおよび図15Bに示す高周波半導体装置40において、第1の絶縁基板11の上面上には、例えば第1の絶縁基板11と同じ材料によって構成される絶縁性の枠体41が設けられている。枠体41は、第1の絶縁基板11の上面上において、この上面から露出する第1の導体14および第2の導体15を囲う位置に設けられている。
また、枠体41のリング状の上面上には、例えば第1の絶縁基板11と同じ材料によって構成される、四角形の絶縁性の蓋体42が設けられている。
このような枠体41および蓋体42は、第1の絶縁基板11上に密閉空間Sを形成する。そして、高周波半導体素子16は、密閉空間S内に配置される。
なお、本実施形態において、密閉空間S内には、モールド樹脂等によって構成される保護層が設けられていないが、必要に応じて密閉空間S内に、保護層を設けてもよい。
枠体41にビアホール、蓋体42にメタライズを施し、電磁シールドを形成してもよい。電磁シールドを形成してもよい、ということについては、以下の各実施形態においても同様である。
以下に、この高周波半導体装置40の製造方法について、図16および図17を参照して説明する。図16および図17はそれぞれ、第4の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。
まず、絶縁性の絶縁基板11´に複数の第1の貫通孔12および複数の第2の貫通孔13を形成する(図16(a))。次に、柱状の複数の第1の導体14および柱状の複数の第2の導体15を形成し、これらを複数の第1の貫通孔12および
複数の第2の貫通孔13に挿入する(図16(b))。このようにして、複数の第1の導体14および複数の第2の導体15をそれぞれ、接着剤を用いずに絶縁基板11´に固定する。
次に、絶縁基板11´の上面上に、後に枠体41となる絶縁体41´を、ダイシングラインDL(図2)に沿って網目状に形成する(図16(c))。形成された絶縁体41´は、絶縁基板11´の上面上において露出する第1の導体14および第2の導体15を囲うように形成される。
なお、絶縁体41´は、図16(a)に示す工程の前に形成してもよいし、図16(a)に示す工程と図16(b)に示す工程との間に形成してもよい。また、後に説明する図17(d)に示す工程の後に形成してもよい。
この後、図4(c)〜図4(e)に示される各工程と同様に、第1の導体14の上面上に高周波半導体素子16を配置し、電気的試験を経て各ワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bを形成する(図17(d))。
次に、絶縁体41´の上面上に、各高周波半導体素子16を覆うように、後に蓋体42となる板体42´を形成する(図17(e))。
最後に、ダイシングラインDL(図2)に沿って、第1の導体14間の絶縁基板11´および絶縁体41´、板体42´を切断し、複数の高周波半導体装置40を個片化する(図17(f))。本工程においては、金属等の硬い材料を切断することがないため、容易な切断が可能となり、複数の高周波半導体装置40を容易に個片化することができる。なお、切断後に個片化された絶縁基板11´が、第1の絶縁基板11となり、切断後の各絶縁体41´が枠体41となる。また、切断後の板体42´が蓋体42となる。
このようにして、図15Aおよび図15Bに示される高周波半導体装置40を製造することができる。
図18Aは、以上に説明した製造方法によって製造された第4の実施形態に係る高周波半導体装置40の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図であり、図18Bは、図18Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。図18Aおよび図18Bに示すように、第4の実施形態に係る高周波半導体装置40は、第1の実施形態に係る高周波半導体装置10と同様に、実装側のプリント配線基板101に実装される。
以上に説明した第4の実施形態に係る高周波半導体装置40および第4の実施形態に係る高周波半導体装置40の製造方法においても、第1の実施形態と同様に、絶縁基板11´の切断前に、第1の導体14と第2の導体15とが互いに電気的に絶縁されている。したがって、複数の高周波半導体装置40が個片化される前に、高周波半導体装置40の電気的試験を行うことが可能となる。その結果、高周波半導体装置40の要求される特性を満足するために必要な、各ワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bの長さを、例えば試験領域毎に求めることができる。ゆえに、歩留まりを向上させることができる。
また、以上に説明した第4の実施形態に係る高周波半導体装置40および第4の実施形態に係る高周波半導体装置40の製造方法によれば、枠体41および蓋体42によって密閉空間Sを形成し、この密閉空間S内に高周波半導体素子16が配置されている。したがって、高周波半導体素子16が保護層19で覆われた第1の実施形態に係る高周波半導体装置10と比較して、高周波半導体装置40を高性能化することができる。
<第5の実施形態>
第5の実施形態に係る高周波半導体装置は、第2の実施形態に係る高周波半導体装置20と比較して、第1の絶縁基板11の上面上に絶縁性の枠体および蓋体が設けられている点が異なる。以下に、図19Aおよび図19Bを参照して、第5の実施形態に係る高周波半導体装置について説明する。なお、以下の第5の実施形態に係る高周波半導体装置の説明において、第2の実施形態に係る高周波半導体装置20と同一部分については、第2の実施形態に係る高周波半導体装置20と同一符号を付し、その説明を省略している。
図19Aは、第5の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。また、図19Bは、図19Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。なお、説明の都合上、図19Aにおいては、蓋体52を省略している。
図19Aおよび図19Bに示す高周波半導体装置50において、第1の絶縁基板11の上面上には、例えば第1の絶縁基板11と同じ材料によって構成される絶縁性の枠体51が設けられている。枠体51は、第1の絶縁基板11の上面上において、この上面から露出する第1の導体14を囲うとともに、配線パターン21(入力側配線パターン21inおよび出力側配線パターン21out)の一部が枠体51の外部において露出する位置に設けられている。
また、枠体51のリング状の上面上には、例えば第1の絶縁基板11と同じ材料によって構成される、四角形の絶縁性の蓋体52が設けられている。
このような枠体51および蓋体52は、第1の絶縁基板11上に密閉空間Sを形成する。そして、高周波半導体素子16は、密閉空間S内に配置される。
なお、本実施形態において、密閉空間S内には、モールド樹脂等によって構成される保護層が設けられていないが、必要に応じて密閉空間S内に、保護層を設けてもよい。
以下に、この高周波半導体装置50の製造方法について、図20および図21を参照して説明する。図20および図21はそれぞれ、第5の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。
まず、第2の実施形態に係る高周波半導体装置20の製造方法と同様に、絶縁性の絶縁基板11´の上面上の所定位置に配線パターン21を形成する(図20(a))。この後、絶縁基板11´に複数の第1の貫通孔12を形成して(図20(b))、柱状の複数の第1の導体14を形成し、これらの第1の導体14を複数の第1の貫通孔12に挿入して、第1の導体14を絶縁基板11´に固定する(図20(c))。
この後、絶縁基板11´の上面上に複数の枠体51をリング状に形成する(図20(d))。形成された枠体51は、絶縁基板11´の上面上において露出する第1の導体14を囲い、かつ配線パターン21の一部が枠体51外部において露出されるように形成される。
なお、枠体51は、絶縁基板11´の上面上に配線パターン21を形成した後であれば、いつ形成されてもよい。
この後、図9(d)〜図9(f)に示される各工程と同様に、第1の導体14の上面上に高周波半導体素子16を配置し、電気的試験を経て各ワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bを形成する(図21(e))。
次に、枠体51の上面上に、各高周波半導体素子16を覆うように、後に蓋体52となる板体52´を形成する(図21(f))。
最後に、板体52´を幅広にダイシングし(図21(g))、ダイシングラインDL(図2)に沿って、第1の導体14間の絶縁基板11´を切断する(図21(h))。このようにして複数の高周波半導体装置50を個片化する。なお、板体52´と絶縁基板11´を一括でダイシングしてもよいが、そのようにすると、形成される蓋体52が庇状に残る場合がある。このようは高周波半導体装置では、実装時の接続が困難になる。そのため、上述したように2段階のダイシングを経て、複数の高周波半導体装置50を個片化することが好ましい。
本工程においては、金属等の硬い材料を切断することがないため、切断が容易となり、複数の高周波半導体装置50を高速に個片化することができる。なお、切断後に個片化された絶縁基板11´が、第1の絶縁基板11となる。また、切断後の板体52´が蓋体52となる。
このようにして、図19Aおよび図19Bに示される高周波半導体装置50を製造することができる。
図22Aは、以上に説明した製造方法によって製造された第5の実施形態に係る高周波半導体装置50の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図であり、図22Bは、図22Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。図22Aおよび図22Bに示すように、第5の実施形態に係る高周波半導体装置50は、第2の実施形態に係る高周波半導体装置20と同様に、実装側のプリント配線基板201に実装される。
以上に説明した第5の実施形態に係る高周波半導体装置50および第5の実施形態に係る高周波半導体装置50の製造方法においても、第2の実施形態と同様に、絶縁基板11´の切断前に、第1の導体14と配線パターン21とが互いに電気的に絶縁されている。したがって、複数の高周波半導体装置50が個片化される前に、高周波半導体装置50の電気的試験を行うことが可能となる。その結果、高周波半導体装置50の要求される特性を満足するために必要な、各ワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bの長さを、例えば試験領域毎に求めることができる。ゆえに、歩留まりを向上させることができる。
また、以上に説明した第5の実施形態に係る高周波半導体装置50および第5の実施形態に係る高周波半導体装置50の製造方法によれば、枠体51および蓋体52によって密閉空間Sを形成し、この密閉空間S内に高周波半導体素子16が配置されている。したがって、高周波半導体素子16が保護層22で覆われた第2の実施形態に係る高周波半導体装置20と比較して、高周波半導体装置50を高性能化することができる。
<第6の実施形態>
第6の実施形態に係る高周波半導体装置は、第3の実施形態に係る高周波半導体装置30と比較して、第1の絶縁基板31の上面上に絶縁性の枠体および蓋体が設けられている点が異なる。以下に、図23Aおよび図23Bを参照して、第6の実施形態に係る高周波半導体装置について説明する。なお、以下の第6の実施形態に係る高周波半導体装置の説明において、第3の実施形態に係る高周波半導体装置30と同一部分については、第3の実施形態に係る高周波半導体装置30と同一符号を付し、その説明を省略している。
図23Aは、第6の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。また、図23Bは、図23Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。なお、説明の都合上、図23Aにおいては、蓋体42を省略している。
図23Aおよび図23Bに示す高周波半導体装置60において、複数枚の絶縁基板(例えば下部絶縁基板31aおよび上部絶縁基板31b)を積み重ねることによって形成される第1の絶縁基板31の上面上において、第4の実施形態に係る高周波半導体装置40と同様に、この上面から露出する第1の導体34、および第2の導体35(入力側端子部35inおよび出力側端子部35out)、を囲う位置に枠体41が設けられている。また、枠体41のリング状の上面上に蓋体42が設けられている。
このような枠体41および蓋体42は、第1の絶縁基板31上に密閉空間Sを形成する。そして、高周波半導体素子16は、密閉空間S内に配置される。
なお、本実施形態において、密閉空間S内には、モールド樹脂等によって構成される保護層が設けられていないが、必要に応じて密閉空間S内に、保護層を設けてもよい。
以下に、この高周波半導体装置60の製造方法について説明する。この製造方法は、複数枚の絶縁性の絶縁基板を重ねることによって、図2に示される絶縁性の絶縁基板11´と同様の絶縁性の絶縁基板31´を形成し、この絶縁性の絶縁基板31´に複数の高周波半導体装置60を一括形成し、最後に複数の高周波半導体装置60を個片化する方法である。
以下に、この製造方法について、図24を参照して説明する。図24は、第6の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図3に対応する絶縁基板の断面図である。
まず、絶縁性の下部絶縁基板31a´に複数の貫通孔32a、33aを形成するし、絶縁性の上部絶縁基板31b´に複数の貫通孔32b、33bを形成する(図24(a))。続いて、下部絶縁基板31a´と上部絶縁基板31b´とをはりあわせることにより、絶縁性の絶縁基板31´を形成する(図24(b))。形成された絶縁基板31´には、貫通孔32aと貫通孔32bとが連通した第1の貫通孔32が設けられ、貫通孔33aと貫通孔33bとが連通した第2の貫通孔33が設けられる。
次に、凸状の複数の第1の導体34および凸状の複数の第2の導体35を形成し、複数の第1の導体34を複数の第1の貫通孔32に挿入するとともに、複数の第2の導体35を複数の第2の貫通孔33に挿入する(図24(c))。このようにして、複数の第1の導体34および複数の第2の導体35をそれぞれ、接着剤を用いずに絶縁基板31´に固定する。
この後、絶縁基板31´の上面上に、後に枠体41となる絶縁体41´を、ダイシングラインDL(図2)に沿って網目状に形成する(図24(d))。形成された絶縁体41´は、絶縁基板31´の上面上において露出する第1の導体34および第2の導体35を囲うように形成される。
なお、絶縁体41´は、図24(a)または図24(b)に示す工程の前に形成してもよいし、図24(b)に示す工程と図24(c)に示す工程との間に形成してもよい。また、第1の導体34上に高周波半導体素子16を配置した後に形成してもよい。
この後の工程は、第4の実施形態に係る高周波半導体装置40の製造方法と同様である。したがって、詳細な説明は省略する。
このようにして、図23Aおよび図23Bに示される高周波半導体装置60を製造することができる。
図25Aは、以上に説明した製造方法によって製造された第6の実施形態に係る高周波半導体装置60の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図であり、図25Bは、図25Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。図25Aおよび図25Bに示すように、第6の実施形態に係る高周波半導体装置60は、第3の実施形態に係る高周波半導体装置30と同様に、実装側のプリント配線基板101に実装される。
以上に説明した第6の実施形態に係る高周波半導体装置60および第3の実施形態に係る高周波半導体装置60の製造方法においても、第1の実施形態と同様に、絶縁基板31´の切断前に、第1の導体34と第2の導体35とが互いに電気的に絶縁されている。したがって、複数の高周波半導体装置60が個片化される前に、高周波半導体装置60の電気的試験を行うことが可能となる。その結果、高周波半導体装置60の要求される特性を満足するために必要な、各ワイヤ17a、17b、17c、17d、18a、18bの長さを、例えば試験領域毎に求めることができる。ゆえに、歩留まりを向上させることができる。
また、以上に説明した第6の実施形態に係る高周波半導体装置60および第6の実施形態に係る高周波半導体装置60の製造方法においても、第3の実施形態と同様に、第1の導体34および第2の導体35が凸状である。したがって、少なくとも実装後において、第1の導体34および第2の導体35が、第1の貫通孔32および第2の貫通孔33から抜け落ちることが抑制される。
さらに、以上に説明した第6の実施形態に係る高周波半導体装置60および第6の実施形態に係る高周波半導体装置60の製造方法においても、枠体41および蓋体42によって密閉空間Sを形成し、この密閉空間S内に高周波半導体素子16が配置されている。したがって、高周波半導体素子16が保護層19で覆われた第3の実施形態に係る高周波半導体装置30と比較して、高周波半導体装置60を高性能化することができる。
<第7の実施形態>
第7の実施形態に係る高周波半導体装置は、第4の実施形態に係る高周波半導体装置40と比較して、枠体41内の第1の絶縁基板11の上面上に、第2の絶縁基板が設けられている点、および端子部(入力側端子部および出力側端子部)の構造、が異なる。以下に、図26Aおよび図26Bを参照して、第7の実施形態に係る高周波半導体装置について説明する。なお、以下の第7の実施形態に係る高周波半導体装置の説明において、第4の実施形態に係る高周波半導体装置40と同一部分については、第4の実施形態に係る高周波半導体装置40と同一符号を付し、その説明を省略している。
図26Aは、第7の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。また、図26Bは、図26Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。なお、説明の都合上、図26Aにおいては、蓋体42を省略している。
図26Aおよび図26Bに示す高周波半導体装置70において、枠体41内の第1の絶縁基板11の上面上には、複数の第2の絶縁基板71が設けられている。
各々の第2の絶縁基板71には、この基板71を貫通するように設けられた第3の導体72が設けられている。また、各々の第2の絶縁基板71の上面上には、配線パターン73が、第3の導体72の上面に接触するように設けられている。
各々の第2の絶縁基板71は、第1の絶縁基板11と同一材料によって構成された基板であってもよいが、絶縁性を有する基板であれば、第1の絶縁基板11と異なる材料によって構成された基板であってもよい。また、第3の導体72は、例えば銅(Cu)等の導電性材料によって構成されており、配線パターン73は、例えば金(Au)等の導電性材料によって構成されている。
このような第2の絶縁基板71は、第3の導体72の下面が第1の絶縁基板11に設けられた第2の導体15の上面に接触するように、第1の絶縁基板11の上面上に設けられている。
各々の第2の導体15、これに接触する第3の導体72、および第3の導体72に接触する配線パターン73は、高周波半導体素子16に対して高周波信号を入出力する、または高周波半導体素子16を駆動させる駆動用電源を供給するための端子部を構成する。図26Aおよび図26Bにおいては、高周波信号を入力する入力側端子部74in、および高周波信号を出力する出力側端子部74out、を構成している。
このような端子部(例えば入力側端子部74inおよび出力側端子部74out)が、第1の絶縁基板11および第2の絶縁基板71によって、第1の導体14と電気的に絶縁されるように設けられている。
そして、高周波半導体素子16は、複数の回路形成用ワイヤ75a、75bによって、第2の絶縁基板71上の配線パターン73(入力側端子部74inおよび出力側端子部74out)に接続されている。すなわち、分岐回路16dの入力部分と入力側端子部74inとが回路形成用ワイヤ75aによって接続されており、合成回路16eの出力部分と出力側端子部74outとが回路形成用ワイヤ75bによって接続されている。なお、回路形成用ワイヤ75a、75bは、例えば金(Au)等の導体によって構成されている。
ここで、第2の絶縁基板71は、端子部の高さを調節する高さ調整基板である。第2の絶縁基板71を設けることにより、端子部の上端の位置(配線パターン73の高さ方向における位置)を、高周波半導体素子16の入力側端部および出力側端部の位置(分岐回路16dの入力部分および合成回路16eの出力部分の高さ方向における位置)に近づけることができる。したがって、回路形成用ワイヤ75a、75bの長さを短くすることができ、回路形成用ワイヤ75a、75bのインダクタンスを小さくすることができる。
特に、第2の絶縁基板71の厚さを、高周波半導体素子16の入力側端部および出力側端部の厚さ(分岐回路16dの入力部分および合成回路16eの出力部分の厚さ)と実質的に等しくすることにより、回路形成用ワイヤ75a、75bの長さを最少にすることができ、回路形成用ワイヤ75a、75bのインダクタンスを最少にすることができる。
以下に、この高周波半導体装置70の製造方法について、図27および図28を参照して説明する。図27および図28はそれぞれ、第7の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。
まず、第4の実施形態に係る高周波半導体装置40の製造方法と同様に、絶縁性の絶縁基板11´に複数の第1の貫通孔12および複数の第2の貫通孔13を形成する(図27(a))。次に、柱状の複数の第1の導体14および柱状の複数の第2の導体15を形成し、これらを複数の第1の貫通孔12および複数の第2の貫通孔13に挿入する(図27(b))。このようにして、複数の第1の導体14および複数の第2の導体15をそれぞれ、接着剤を用いずに絶縁基板11´に固定する。
次に、予め第3の導体72および配線パターン73を設けた第2の絶縁基板71を複数枚用意し、これらを絶縁基板11´の上面上に固定する(図27(c))。各第2の絶縁基板71は、第3の導体72が、絶縁基板11´の上面において露出する第2の導体15に接触するように、絶縁基板11´の上面上に固定する。これにより、端子部(入力側端子部74inおよび出力側端子部74out)が形成される。
この後、後に枠体41となる絶縁体41´を、ダイシングラインDL(図2)に沿って網目状に形成する(図27(d))。形成された絶縁体41´は、絶縁基板11´の上面上において露出する第1の導体14、および第2の絶縁基板71を囲うように形成される。
なお、第1、第2の導体14、15の埋め込み工程(図27(b))、第2の絶縁基板71の固定工程(図27(c))、および絶縁体41´の形成工程(図27(d))は、必ずしもこの順である必要はない。これらの形成順序は、適宜変更可能である。
この後、図4(c)〜図4(e)に示される各工程と同様に、第1の導体14の上面上に高周波半導体素子16を配置し、電気的試験を経て各ワイヤ17a、17b、17c、17d、75a、75bを形成する(図28(e))。
次に、絶縁体41´の上面上に、各高周波半導体素子16を覆うように、後に蓋体42となる板体42´を形成する(図28(f))。
最後に、ダイシングラインDL(図2)に沿って、第1の導体14間の絶縁基板11´および絶縁体41´、蓋体42´を切断し、複数の高周波半導体装置70を個片化する(図28(g))。本工程においては、金属等の硬い材料を切断することがないため、切断が容易となり、複数の高周波半導体装置70を高速に個片化することができる。なお、切断後に個片化された絶縁基板11´が、第1の絶縁基板11となり、切断後の各絶縁体41´が枠体41となる。また、切断後の板体42´が蓋体42となる。
このようにして、図26Aおよび図26Bに示される高周波半導体装置70を製造することができる。
図29Aは、以上に説明した製造方法によって製造された第7の実施形態に係る高周波半導体装置70の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図であり、図29Bは、図29Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。図29Aおよび図29Bに示すように、第7の実施形態に係る高周波半導体装置70は、第4の実施形態に係る高周波半導体装置40と同様に、実装側のプリント配線基板101に実装される。
以上に説明した第7の実施形態に係る高周波半導体装置70および第7の実施形態に係る高周波半導体装置70の製造方法においても、第4の実施形態と同様に、絶縁基板11´の切断前に、第1の導体14と、端子部(入力側端子部74inおよび出力側端子部74out)とが、互いに電気的に絶縁されている。したがって、複数の高周波半導体装置70が個片化される前に、高周波半導体装置70の電気的試験を行うことが可能となる。その結果、高周波半導体装置70の要求される特性を満足するために必要な、各ワイヤ17a、17b、17c、17d、75a、75bの長さを、例えば試験領域毎に求めることができる。ゆえに、歩留まりを向上させることができる。
また、第7の実施形態に係る高周波半導体装置70および第7の実施形態に係る高周波半導体装置70の製造方法においても、枠体41および蓋体42によって密閉空間Sを形成し、この密閉空間S内に高周波半導体素子16が配置されている。したがって、高周波半導体素子16が保護層19で覆われた第1の実施形態に係る高周波半導体装置10と比較して、高周波半導体装置40を高性能化することができる。
さらに、第7の実施形態に係る高周波半導体装置70および第7の実施形態に係る高周波半導体装置70の製造方法によれば、第1の絶縁基板11の上面上に、高さ調整基板である第2の絶縁基板71が設けられている。この基板71は、密閉空間S内において露出される端子部(入力側端子部74inおよび出力側端子部74out)の位置を、高周波半導体素子16の入力側端部および出力側端部(分岐回路16dの入力部分および合成回路16eの出力部分)に近づけることができる。ゆえに、回路形成用ワイヤ75a、75bの長さを短くすることができ、回路形成用ワイヤ75a、75bのインダクタンスを小さくすることができる。この結果、第4の実施形態に係る高周波半導体装置40と比較して、高周波半導体装置70をさらに高性能化することができる。
<第8の実施形態>
第8の実施形態に係る高周波半導体装置は、第5の実施形態に係る高周波半導体装置50と比較して、第1の絶縁基板11の上面上に、第2の絶縁基板が設けられている点、および端子部(入力側端子部および出力側端子部)の位置、が異なる。以下に、図30Aおよび図30Bを参照して、第8の実施形態に係る高周波半導体装置について説明する。なお、以下の第8の実施形態に係る高周波半導体装置の説明において、第5の実施形態に係る高周波半導体装置50と同一部分については、第5の実施形態に係る高周波半導体装置50と同一符号を付し、その説明を省略している。
図30Aは、第8の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。また、図30Bは、図30Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。なお、説明の都合上、図30Aにおいては、蓋体85を省略している。
図30Aおよび図30Bに示す高周波半導体装置80において、第1の絶縁基板11の上面上には、第2の絶縁基板81が設けられている。第2の絶縁基板81は、略中央に開口部82を有するリング形状であり、開口部82が第1の絶縁基板11の第1の貫通孔12に連通するように、第1の絶縁基板11の上面上に設けられている。
この第2の絶縁基板81の上面上には、高周波半導体素子16に対して高周波信号を入出力する、または高周波半導体素子16を駆動させる駆動用電源を供給するための端子部として、例えば金(Au)等によって構成される配線パターン83が設けられている。したがって、配線パターン83は、第1の絶縁基板11に設けられた第1の導体14と絶縁されている。なお、図30Aおよび図30Bに示すように、本実施形態において、配線パターン83は、高周波信号を入力する入力側配線パターン83in、および高周波信号を出力する出力側配線パターン83outである。
そして、高周波半導体素子16は、複数の回路形成用ワイヤ75a、75bによって、第2の絶縁基板71上の配線パターン83(入力側配線パターン83inおよび出力側配線パターン83out)に接続されている。すなわち、分岐回路16dの入力部分と入力側配線パターン83inとが回路形成用ワイヤ75aによって接続されており、合成回路16eの出力部分と出力側配線パターン83outとが回路形成用ワイヤ75bによって接続されている。
ここで、第7の実施形態に係る高周波半導体装置70の第2の絶縁基板71と同様に、第2の絶縁基板81は、端子部の高さを調節する高さ調整基板である。第2の絶縁基板81を設けることにより、端子部の上端の位置(配線パターン83の高さ方向における位置)を、高周波半導体素子16の入力側端部および出力側端部の位置(分岐回路16dの入力部分および合成回路16eの出力部分の高さ方向における位置)に近づけることができる。したがって、回路形成用ワイヤ75a、75bの長さを短くすることができ、回路形成用ワイヤ75a、75bのインダクタンスを小さくすることができる。
特に、第2の絶縁基板81の厚さを、高周波半導体素子16の入力側端部および出力側端部の厚さ(分岐回路16dの入力部分および合成回路16eの出力部分の厚さ)と実質的に等しくすることにより、回路形成用ワイヤ75a、75bの長さを最少にすることができ、回路形成用ワイヤ75a、75bのインダクタンスを最少にすることができる。
第2の絶縁基板81の上面上には、例えば第1の絶縁基板と同じ材料によって構成される絶縁性の枠体84が設けられている。枠体84は、第2の絶縁基板81の上面上において、開口部82を囲うとともに、配線パターン83(入力側配線パターン83inおよび出力側配線パターン83out)の一部が枠体84の外部において露出する位置に設けられている。
また、枠体84のリング状の上面上には、例えば第1の絶縁基板と同じ材料によって構成される、四角形の絶縁性の蓋体85が設けられている。
このような枠体84および蓋体85は、第2の絶縁基板81上に密閉空間Sを形成する。そして、高周波半導体素子16は、密閉空間S内に配置される。
なお、本実施形態において、密閉空間S内には、モールド樹脂等によって構成される保護層が設けられていないが、必要に応じて密閉空間S内に、保護層を設けてもよい。
以下に、この高周波半導体装置80の製造方法について、図31および図32を参照して説明する。図31および図32はそれぞれ、第8の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図2の一点鎖線Y−Y´に沿った絶縁基板の断面の一部を拡大した図である。
まず、絶縁性の絶縁基板11´に複数の第1の貫通孔12を形成して(図31(a))、柱状の複数の第1の導体14を形成し、これらの第1の導体14を複数の第1の貫通孔12に挿入して、第1の導体14を絶縁基板11´に固定する(図31(b))。
また、絶縁性の他の絶縁基板81´に複数の開口部82を形成し、絶縁基板81´の上面上の所定位置に配線パターン83を形成する(図31(c))。
次に、絶縁基板11´の上面上に、絶縁基板81´を固定する(図31(d))。絶縁基板81´は、開口部82が絶縁基板11´の第1の貫通孔12に連通するようにアライメントして、絶縁基板11´の上面上に固定する。
この後、絶縁基板81´の上面上に複数の枠体84をリング状に形成する(図31(e))。形成された枠体84は、絶縁基板81´の上面上において開口部82を囲い、かつ配線パターン83の一部が枠体84外部において露出されるように形成される。
なお、枠体84は、絶縁基板11´の上面上に、配線パターン83を有する絶縁基板81´を固定した後であれば、いつ形成されてもよい。
この後、図9(d)〜図9(f)に示される各工程と同様に、第1の導体14の上面上に高周波半導体素子16を配置し、電気的試験を経て各ワイヤ17a、17b、17c、17d、75a、75bを形成する(図32(f))。
次に、枠体84の上面上に、各高周波半導体素子16を覆うように、後に蓋体85となる板体85´を形成する(図32(g))。
最後に、板体85´を幅広にダイシングし(図32(h))、ダイシングラインDL(図2)に沿って、第1の導体14間の絶縁基板11´および絶縁基板81´を切断する(図32(i))。このようにして複数の高周波半導体装置80を個片化する。なお、板体85´と絶縁基板11´、81´を一括でダイシングしてもよいが、そのようにすると、形成される蓋体85が庇状に残る場合がある。このようは高周波半導体装置では、実装時の接続が困難になる。そのため、上述したように2段階のダイシングを経て、複数の高周波半導体装置80を個片化することが好ましい。
本工程においては、金属等の硬い材料を切断することがないため、切断が容易となり、複数の高周波半導体装置80を高速に個片化することができる。なお、切断後に個片化された絶縁基板11´が、第1の絶縁基板11となり、切断後に個片化された絶縁基板81´が、第2の絶縁基板81となる。また、切断後の板体85´が蓋体85となる。
このようにして、図30Aおよび図30Bに示される高周波半導体装置80を製造することができる。
図33Aは、以上に説明した製造方法によって製造された第8の実施形態に係る高周波半導体装置80の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図であり、図33Bは、図33Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。図33Aおよび図33Bに示すように、第8の実施形態に係る高周波半導体装置80は、第5の実施形態に係る高周波半導体装置50と同様に、実装側のプリント配線基板201に実装される。
すなわち、高周波半導体装置80は、ヒートシンク105上に配置されたプリント配線基板201の開口部202に、ヒートシンク105の上面に接触するように実装される。なお、高周波半導体装置80の配線パターン83は、プリント配線基板201の配線パターン205と、例えば金(Au)等によって構成される接続導体207によって電気的に接続される。
以上に説明した第8の実施形態に係る高周波半導体装置80および第8の実施形態に係る高周波半導体装置80の製造方法においても、第5の実施形態と同様に、絶縁基板11´および絶縁基板81´の切断前に、第1の導体14と配線パターン83とが互いに電気的に絶縁されている。したがって、複数の高周波半導体装置80が個片化される前に、高周波半導体装置80の電気的試験を行うことが可能となる。その結果、高周波半導体装置80の要求される特性を満足するために必要な、各ワイヤ17a、17b、17c、17d、75a、75bの長さを、例えば試験領域毎に求めることができる。ゆえに、歩留まりを向上させることができる。
また、以上に説明した第8の実施形態に係る高周波半導体装置80および第8の実施形態に係る高周波半導体装置80の製造方法においても、枠体84および蓋体85によって密閉空間Sを形成し、この密閉空間S内に高周波半導体素子16が配置されている。したがって、高周波半導体素子16が保護層22で覆われた第2の実施形態に係る高周波半導体装置20と比較して、高周波半導体装置80を高性能化することができる。
さらに、第8の実施形態に係る高周波半導体装置80および第8の実施形態に係る高周波半導体装置80の製造方法によれば、第1の絶縁基板11の上面上に、高さ調整基板である第2の絶縁基板81が設けられている。この基板81は、密閉空間S内において露出される端子部(入力側配線パターン83inおよび出力側配線パターン83out)の位置を、高周波半導体素子16の入力側端部および出力側端部(分岐回路16dの入力部分および合成回路16eの出力部分)に近づけることができる。ゆえに、回路形成用ワイヤ75a、75bの長さを短くすることができ、回路形成用ワイヤ75a、75bのインダクタンスを小さくすることができる。この結果、第5の実施形態に係る高周波半導体装置50と比較して、高周波半導体装置80をさらに高性能化することができる。
<第9の実施形態>
第9の実施形態に係る高周波半導体装置は、第6の実施形態に係る高周波半導体装置60と比較して、枠体41内の第1の絶縁基板31の上面上に、第2の絶縁基板が設けられている点、および端子部(入力側端子部および出力側端子部)の構造、が異なる。以下に、図34Aおよび図34Bを参照して、第9の実施形態に係る高周波半導体装置について説明する。なお、以下の第9の実施形態に係る高周波半導体装置の説明において、第6の実施形態に係る高周波半導体装置60と同一部分については、第6の実施形態に係る高周波半導体装置60と同一符号を付し、その説明を省略している。
図34Aは、第9の実施形態に係る高周波半導体装置を模式的に示す斜視図である。また、図34Bは、図34Aの一点鎖線X−X´に沿った高周波半導体装置の断面図である。なお、説明の都合上、図34Aにおいては、蓋体42を省略している。
図34Aおよび図34Bに示す高周波半導体装置90において、枠体41内の第1の絶縁基板31の上面上には、複数の第2の絶縁基板71が設けられている。各々の第2の絶縁基板71は、第7の実施形態に係る高周波半導体装置70の第2の絶縁基板71と同様の高さ調整基板であり、第3の導体72および配線パターン73を備えている。
この第2の絶縁基板71は、第3の導体72の下面が第1の絶縁基板31に設けられた第2の導体35の上面に接触するように、第1の絶縁基板31の上面上に設けられている。
各々の第2の導体35、これに接触する第3の導体72、および配線パターン73は、高周波半導体素子16に対して高周波信号を入出力する、または高周波半導体素子16を駆動させる駆動用電源を供給するための端子部を構成する。図34Aおよび図34Bにおいては、高周波信号を入力する入力側端子部91in、および高周波信号を出力する出力側端子部91out、を構成している。
このような端子部(例えば入力側端子部91inおよび出力側端子部91out)が、第1の絶縁基板11および第2の絶縁基板71によって、第1の導体14と電気的に絶縁されるように設けられている。
そして、高周波半導体素子16は、複数の回路形成用ワイヤ75a、75bによって、第2の絶縁基板71上の配線パターン73(入力側端子部91inおよび出力側端子部91out)に接続されている。すなわち、分岐回路16dの入力部分と入力側端子部91inとが回路形成用ワイヤ75aによって接続されており、合成回路16eの出力部分と出力側端子部91outとが回路形成用ワイヤ75bによって接続されている。
以下に、この高周波半導体装置90の製造方法について説明する。この製造方法は、複数枚の絶縁性の絶縁基板を重ねることによって、図2に示される絶縁性の絶縁基板11´と同様の絶縁性の絶縁基板31´を形成し、この絶縁性の絶縁基板31´に複数の高周波半導体装置90を一括形成し、最後に複数の高周波半導体装置90を個片化する方法である。
以下に、この製造方法について、図35および図36を参照して説明する。図35および図36はそれぞれ、第9の実施形態に係る高周波半導体装置の製造方法を説明するための図であって、図3に対応する絶縁基板の断面図である。
まず、第6の実施形態に係る高周波半導体装置60の製造方法と同様に、絶縁性の下部絶縁基板31a´に複数の貫通孔32a、33aを形成し、絶縁性の上部絶縁基板31b´に複数の貫通孔32b、33bを形成する(図35(a))。続いて、下部絶縁基板31a´と上部絶縁基板31b´とをはりあわせることにより、絶縁性の絶縁基板31´を形成する(図35(b))。形成された絶縁基板31´には、貫通孔32aと貫通孔32bとが連通した第1の貫通孔32が設けられ、貫通孔33aと貫通孔33bとが連通した第2の貫通孔33が設けられる。
次に、凸状の複数の第1の導体34および凸状の複数の第2の導体35を形成し、複数の第1の導体34を複数の第1の貫通孔32に挿入するとともに、複数の第2の導体35を複数の第2の貫通孔33に挿入する(図35(c))。このようにして、複数の第1の導体34および複数の第2の導体35をそれぞれ、接着剤を用いずに絶縁基板31´に固定する。
また、第7の実施形態に係る高周波半導体装置70の製造方法と同様に、予め第3の導体72および配線パターン73を設けた第2の絶縁基板71を複数枚用意する。そして、複数の第2の絶縁基板71を絶縁基板31´の上面上に固定する(図36(d))。各第2の絶縁基板71は、第3の導体72が、絶縁基板31´の上面において露出する第2の導体35に接触するように、絶縁基板31´の上面上に固定する。これにより、端子部(入力側端子部91inおよび出力側端子部91out)が形成される。
次に、絶縁基板31´の上面上に、後に枠体41となる絶縁体41´を、ダイシングラインDL(図2)に沿って網目状に形成する(図36(e))。形成された絶縁体41´は、絶縁基板31´の上面上において露出する第1の導体34および第2の絶縁基板71を囲うように形成される。
なお、第1、第2の導体34、35の埋め込み工程(図35(c))と、第2の絶縁基板71の固定工程(図36(d))とは、必ずしもこの順である必要はない。これらの形成順序は、適宜変更可能である。
この後の工程は、第7の実施形態に係る高周波半導体装置70の製造方法と同様である。したがって、詳細な説明は省略する。
このようにして、図34Aおよび図34Bに示される高周波半導体装置90を製造することができる。
図37Aは、以上に説明した製造方法によって製造された第9の実施形態に係る高周波半導体装置90の実装後の一形態を説明するための模式的な斜視図であり、図37Bは、図37Aの一点鎖線X−X´に沿って示す、実装後の一形態の断面図である。図37Aおよび図37Bに示すように、第9の実施形態に係る高周波半導体装置90は、第6の実施形態に係る高周波半導体装置60と同様に、実装側のプリント配線基板101に実装される。
以上に説明した第9の実施形態に係る高周波半導体装置90および第9の実施形態に係る高周波半導体装置90の製造方法においても、第6の実施形態と同様に、絶縁基板31´の切断前に、第1の導体34と端子部(入力側端子部91inおよび出力側端子部91out)とが、互いに電気的に絶縁されている。したがって、複数の高周波半導体装置90が個片化される前に、高周波半導体装置90の電気的試験を行うことが可能となる。その結果、高周波半導体装置90の要求される特性を満足するために必要な、各ワイヤ17a、17b、17c、17d、75a、75bの長さを、例えば試験領域毎に求めることができる。ゆえに、歩留まりを向上させることができる。
また、以上に説明した第9の実施形態に係る高周波半導体装置90および第9の実施形態に係る高周波半導体装置90の製造方法においても、第6の実施形態と同様に、第1の導体34および第2の導体35が凸状である。したがって、少なくとも実装後において、第1の導体34および第2の導体35が、第1の貫通孔32および第2の貫通孔33から抜け落ちることが抑制される。
また、以上に説明した第9の実施形態に係る高周波半導体装置90および第9の実施形態に係る高周波半導体装置90の製造方法においても、枠体41および蓋体42によって密閉空間Sを形成し、この密閉空間S内に高周波半導体素子16が配置されている。したがって、高周波半導体素子16が保護層19で覆われた第3の実施形態に係る高周波半導体装置30と比較して、高周波半導体装置90を高性能化することができる。
さらに、第9の実施形態に係る高周波半導体装置90および第9の実施形態に係る高周波半導体装置90の製造方法によれば、第1の絶縁基板31の上面上に、高さ調整基板である第2の絶縁基板71が設けられている。この基板71は、密閉空間S内において露出される端子部(入力側端子部91inおよび出力側端子部91out)の位置を、高周波半導体素子16の入力側端部および出力側端部(分岐回路16dの入力部分および合成回路16eの出力部分)に近づけることができる。ゆえに、回路形成用ワイヤ75a、75bの長さを短くすることができ、回路形成用ワイヤ75a、75bのインダクタンスを小さくすることができる。この結果、第6の実施形態に係る高周波半導体装置60と比較して、高周波半導体装置90をさらに高性能化することができる。
以上に、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10、20、30、40、50、60、70、80、90・・・高周波半導体装置
11、31・・・第1の絶縁基板
11´、31´、81´・・・絶縁基板
12、32・・・第1の貫通孔
13、33・・・第2の貫通孔
14、34・・・第1の導体
15、35・・・第2の導体
15in、35in、74in、91in・・・入力側端子部
15out、35out、74out、91out・・・出力側端子部
16・・・高周波半導体素子
16a・・・高周波半導体増幅素子
16b、16c・・・キャパシタ
16d・・・分岐回路
16e・・・合成回路
17a、17b、17c、17d・・・素子形成用ワイヤ
18a、18b、75a、75b・・・回路形成用ワイヤ
19、22・・・保護層
21、83・・・配線パターン
21in、83in・・・入力側配線パターン
21out、83out・・・出力側配線パターン
31a・・・下部絶縁基板
31b・・・上部絶縁基板
31a´・・・下部絶縁基板
31b´・・・上部絶縁基板
32a、32b、33a、33b・・・貫通孔
41、51、84・・・枠体
41´・・・絶縁体
42、52、85・・・蓋体
42´、52´、85´・・・板体
71、81・・・第2の絶縁基板
72・・・第3の導体
73・・・配線パターン
82・・・開口部
101、201・・・プリント配線基板
102・・・貫通孔
103・・・放熱体
104、205・・・配線パターン
105・・・ヒートシンク
202・・・開口部
206、207・・・接続導体

Claims (22)

  1. 第1の貫通孔を有する第1の絶縁基板と、
    側面の全周が前記第1の絶縁基板に囲まれるように、前記第1の貫通孔に挿入された第1の導体と、
    前記第1の絶縁基板に、前記第1の導体と電気的に絶縁されるように設けられた端子部と、
    前記第1の導体の上面上に配置された高周波半導体素子と、
    前記高周波半導体素子と前記端子部とを電気的に接続するワイヤと、
    を備える高周波半導体装置。
  2. 前記第1の導体は凸形状である、請求項1に記載の高周波半導体装置。
  3. 前記端子部は、前記第1の絶縁基板の上面上に設けられた配線パターンである、請求項1または2に記載の高周波半導体装置。
  4. 前記第1の絶縁基板は、さらに第2の貫通孔を有し、
    前記端子部は、前記第2の貫通孔に挿入された第2の導体である、請求項1または2に記載の高周波半導体装置。
  5. 前記第2の導体は凸形状である、請求項4に記載の高周波半導体装置。
  6. 前記第1の絶縁基板の上面上に設けられた枠体をさらに具備する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の高周波半導体装置。
  7. 第1の貫通孔を有する第1の絶縁基板と、
    側面の全周が前記第1の絶縁基板に囲まれるように、前記第1の貫通孔に挿入された第1の導体と、
    前記第1の絶縁基板の上面上に設けられた第2の絶縁基板と、
    前記第2の絶縁基板の上面上に設けられた配線パターンを含む端子部と、
    前記第1の導体の上面上に配置された高周波半導体素子と、
    前記高周波半導体素子と前記配線パターンとを電気的に接続するワイヤと、
    を備える高周波半導体装置。
  8. 前記第1の導体は凸形状である、請求項7に記載の高周波半導体装置。
  9. 前記端子部は、前記第1の絶縁基板の第2の貫通孔に挿入された第2の導体と、
    前記第2の絶縁基板を貫通するように設けられ、前記第2の導体と前記配線パターンとを接続する第3の導体と、
    をさらに具備する請求項7または8に記載の高周波半導体装置。
  10. 前記第2の導体は凸形状である、請求項9に記載の高周波半導体装置。
  11. 前記第1の絶縁基板の上面上または上方に設けられた枠体、をさらに具備する請求項7乃至10のいずれか1項に記載の高周波半導体装置。
  12. 絶縁性の絶縁基板に複数の第1の貫通孔を形成し、
    前記複数の第1の貫通孔の各々に、側面の全周が前記絶縁基板に囲まれるように第1の導体を挿入し、
    複数の前記第1の導体の上面上に複数の高周波半導体素子を配置し、
    前記複数の高周波半導体素子と、前記絶縁基板に設けられた複数の端子部と、を複数のワイヤによって接続し、
    前記複数の第1の導体の間の前記絶縁基板を切断する、
    高周波半導体装置の製造方法。
  13. 前記複数の第1の導体の各々は凸形状である、請求項12に記載の高周波半導体装置の製造方法。
  14. 前記複数の端子部は、前記絶縁基板の上面上に設けられた複数の配線パターンである、請求項12または13に記載の高周波半導体装置の製造方法。
  15. 前記絶縁基板は、さらに複数の第2の貫通孔を有し、
    前記複数の端子部は、前記複数の第2の貫通孔に挿入された複数の第2の導体である、請求項12または13に記載の高周波半導体装置の製造方法。
  16. 前記複数の第2の導体の各々は凸形状である、請求項15に記載の高周波半導体装置の製造方法。
  17. 少なくとも前記絶縁基板の切断前に、前記絶縁基板の上面上に枠体を形成する、請求項12乃至16のいずれか1項に記載の高周波半導体装置の製造方法。
  18. 絶縁性の絶縁基板に複数の第1の貫通孔を形成し、
    前記複数の第1の貫通孔の各々に、側面の全周が前記絶縁基板に囲まれるように第1の導体を挿入し、
    それぞれが上面上に配線パターンを有する複数の絶縁基板を、前記絶縁基板の上面上に配置し、
    複数の前記第1の導体の上面上に複数の高周波半導体素子を配置し、
    前記複数の高周波半導体素子と、前記複数の絶縁基板に形成された複数の前記配線パターンと、を複数のワイヤによって接続し、
    前記複数の第1の導体の間の前記絶縁基板を切断する、
    高周波半導体装置の製造方法。
  19. 前記複数の第1の導体の各々は凸形状である、請求項18に記載の高周波半導体装置の製造方法。
  20. 前記絶縁基板に前記複数の第1の貫通孔を形成すると同時に、前記絶縁基板に、複数の第2の貫通孔を形成し、
    前記複数の第1の貫通孔の各々に前記第1の導体を挿入すると同時に、前記複数の第2の貫通孔の各々に、側面の全周が前記絶縁基板に囲まれるように第2の導体を挿入し、
    それぞれが、上面上に前記配線パターンを有するとともに前記配線パターンに接続される第3の導体を有する複数の絶縁基板を、複数の前記第3の導体が複数の前記第2の導体に接触するように、前記絶縁基板の上面上に配置する、
    請求項18または19に記載の高周波半導体装置の製造方法。
  21. 前記複数の第2の導体の各々は凸形状である、請求項20に記載の高周波半導体装置の製造方法。
  22. 少なくとも前記絶縁基板の切断前に、前記絶縁基板の上面上または上方に枠体を形成する、請求項18乃至21のいずれか1項に記載の高周波半導体装置の製造方法。
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