JP2017048886A - 直動案内装置用キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】直動案内装置の案内レールを固定するボルトが配置された取付穴の座ぐり部を塞ぐキャップであって、形状が単純で、キャップ上面が案内レールの上面より下がることを長期に渡って防止できるキャップを提供する。【解決手段】キャップ1は、座ぐり部の内周面に対して締まり嵌めで嵌合される外周部を有し、座ぐり部の開口側に配置される第一部品2と、座ぐり部の内周面との間に所定の隙間を介し、ボルトの上面に接触して配置される第二部品3と、からなる。第一部品2および第二部品3は、座ぐり部の直径方向で互いに締まり嵌めとなる結合部23,31により結合されている。【選択図】図1

Description

この発明は、直動案内装置の案内レールを固定するボルトが配置された取付穴(案内レールの上面から下面まで貫通する穴)の座ぐり部を塞ぐキャップに関する。
直動案内装置の一例を図19に示す。図19に示すように、直動案内装置100は、案内レール110とスライダ120と複数個の転動体130とを備えている。案内レール110およびスライダ120は、互いに対向配置されて転動体130の転動通路を形成する転動面113,121を有する。スライダ120は、転動体130の戻し通路122と、この戻し通路122と転動通路とを連通させる方向転換路を有する。
転動通路、戻し通路、および方向転換路で転動体130の循環経路が構成され、この循環経路内を循環する転動体130を介して、案内レール110およびスライダ120の一方が他方に対して相対的に直線運動する。
直動案内装置100の案内レール110には、基台等の被取付部にボルトを用いて取り付けるための取付穴140が形成されている。
図4に示すように、取付穴140は、案内レール110の上面111から下面112まで貫通する穴であり、ボルトの頭部を収める座ぐり部141と、ボルトの軸部を収める軸収納部142とからなる。また、座ぐり部141の上端に面取り部143が形成されている。案内レール110を基台等にボルトで固定した後、取付穴140にゴミが入ることを防止する目的で、座ぐり部141の上部をキャップで塞いでいる。
図19に示すように、スライダ120の移動方向両端に案内レール110の面を摺動するサイドシール150が固定されているが、取付穴140をキャップで塞いだ状態で案内レール110の上面111とキャップの上面が同じになれば、サイドシール150が案内レール110の上面111を均一にシールできる。
直動案内装置の案内レールの取付穴を塞ぐ技術に関しては、例えば特許文献1〜3に記載されている。
特許文献1には、円板部の一面の中心から軸が延びているシーリングプラグと、シーリングプラグの軸で拡径されるワッシャー状部品と、からなる案内レール穴の閉塞装置が記載されている。実施形態のシーリングプラグは、軸の先端にテーパ部を有する。
この閉塞装置によれば、ワッシャー状部品を座ぐり部に入れてボルトの上面に置いた後に、シーリングプラグの軸の先端部をワッシャー状部品の穴に押し込んでワッシャー状部品を拡径することにより、シーリングプラグとワッシャー状部品とが結合された状態で、ワッシャー状部品が座ぐり部に締まり嵌めで固定される。シーリングプラグの先端部はボルトの六角穴に入る。シーリングプラグの押し込みは、円板部の上面が案内レールの上面に沿うまで行う。
特許文献2には、キャップの取付の際に、案内レールの上面に凹部または凸部が生じないようにするために、キャップの外周面に気体排出用溝を設けることが記載されている。このキャップは、取付時に使用するハンマーに対する受部となる円板部の下面から円筒状の嵌合部が延びている形状を有し、嵌合部が座ぐり部に対して締まり嵌めとなる外径を有する。
また、このキャップは、嵌合部と円板部との間の外周面に異物収容溝を有するとともに、嵌合部の外周面に気体排出用溝(座ぐり部と嵌合部とがなす空間内の気体を異物収容溝側に排出する溝)を有する。
このキャップによれば、気体排出用溝を有することで、座ぐり部にキャップを叩き入れる際に座ぐり部と嵌合部とがなす空間内の気体が排出されることで、前記空間内の圧力上昇が小さくなり、取付時にキャップが案内レールの上面から浮き上がることを防止することができる。
特許文献3には、案内レールの上面と同じ面に設置可能な上面を有するキャップ頭部と、キャップ頭部の下面から下方に延びる脚部と、脚部の周方向全周にわたって形成される切欠部と、を有するキャップが記載されている。このキャップは、案内レールの取付穴に配置されたボルトの上に自立可能であり、キャップ頭部の上面に荷重が加えられたときに、脚部が切欠部を起点として変形可能である。
独国特許出願公開第19615708号明細書 国際公開2015/033486号パンフレット 特開2006−242339号公報
特許文献1に記載された閉塞装置では、シーリングプラグの円板部が座ぐり部に対して締まり嵌めでなく、ワッシャー状部品に対する軸部の結合力を介して座ぐり部に固定されているため、長期の使用によって円板部の上面が案内レールの上面より下がる可能性が高い。
特許文献2に記載されたキャップは、上述のように、取付時にキャップの浮き上がりを防止する効果は期待できるが、嵌合部の座ぐり部に対する締まり嵌めのみで固定されるため、取付後に長期の使用でキャップ上面が案内レールの上面より下がる可能性が高い。
特許文献3に記載されたキャップは、長期の使用でキャップ上面が案内レールの上面より下がることを防止できるものであるが、形状が複雑なため、製造コストが高い。
この発明の課題は、直動案内装置の案内レールを固定するボルトが配置された取付穴の座ぐり部を塞ぐキャップであって、形状が単純で、キャップ上面が案内レールの上面より下がることを長期に渡って防止できるキャップを提供することである。
上記課題を解決するために、この発明の一態様の直動案内装置用キャップは、直動案内装置の案内レールを固定するボルトが配置された取付穴の座ぐり部を塞ぐキャップであって、下記の構成(1)(2)を有することを特徴とする。
(1) 前記座ぐり部の内周面に対して締まり嵌めで嵌合される外周部を有し、前記座ぐり部の開口側に配置される第一部品と、前記ボルトの上面に接触し、前記座ぐり部の内周面に対して隙間を介して配置される第二部品と、からなる。
(2) 前記第一部品および前記第二部品は、前記座ぐり部の直径方向で互いに締まり嵌めとなる結合部により結合されている。
この発明の直動案内装置用キャップによれば、形状が単純で、キャップ上面が案内レールの上面より下がることを長期に渡って防止する効果が期待できる。
第一実施形態の直動案内装置用キャップを示す断面図である。 図1のキャップを構成する第一部品の断面図(a)と第二部品の断面図(b)である。 図1のキャップを構成する第一部品と第二部品の斜視図である。 案内レールの取付穴を説明する図である。 図1のキャップの取り付け方法を説明する図である。 図1のキャップの取り付け方法を説明する図である。 図1のキャップの取り付け方法を説明する図である。 第二実施形態のキャップを構成する第一部品の断面図(a)と第二部品の断面図(b)である。 第三実施形態のキャップを構成する第一部品の断面図(a)と第二部品の断面図(b)である。 第四実施形態のキャップを構成する第一部品の断面図(a)と第二部品の断面図(b)である。 第五実施形態の直動案内装置用キャップを示す平面図(a)と、(a)のA−A断面図(b)である。 図11のキャップを構成する第一部品の断面図(a)と第二部品の断面図(b)である。 図11のキャップの取り付け方法を説明する図である。 図11のキャップの取り付け方法を説明する図である。 第六実施形態の直動案内装置用キャップを示す断面図である。 図15のキャップを構成する第一部品の断面図(a)と第二部品の断面図(b)である。 図15のキャップの取り付け方法を説明する図である。 図15のキャップの取り付け方法を説明する図である。 直動案内装置の従来例を示す部分断面斜視図である。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
[第一実施形態]
図1〜3に示すように、第一実施形態のキャップ1は、金属製の第一部品2と合成樹脂製の第二部品3とからなる。
図2および図3に示すように、キャップ1の第一部品2は、円板部21と、円板部21の軸方向一面から突出する円筒部22と、円板部21の中心から円筒部22と同じ方向に延びる円柱状の棒状部23と、を有する。円筒部22の先端はテーパ部22aになっている。棒状部23の先端は面取り部23aになっている。棒状部23の軸方向寸法L23は円筒部22の軸方向寸法L22よりも長い。
図4に示すように、直動案内装置の案内レール110には、上面111から下面112に貫通する取付穴140が形成されている。取付穴140は、ボルトの頭部を収める座ぐり部141と、ボルトの軸部を収める軸収納部142とからなり、座ぐり部141の上端に面取り部143が形成されている。
第一部品2の最大直径(円板部21の外径および円筒部22の最大外径)D2は、取付穴140の面取り部143の最大直径M(図4)とほぼ同じで、座ぐり部141の直径Z(図4)より少し(例えば、0.02〜0.3mm程度)大きい。
図2および図3に示すように、キャップ1の第二部品3は中心穴31を有する円板状部品であり、第二部品3の外径D3は第一部品2の円筒部22の内径D22より小さい。中心穴31は、円板面の中心を軸方向に貫通する貫通穴であり、軸方向の両端が面取り部31aになっている。第二部品3の厚さL3は、第一部品2の円筒部22の軸方向寸法L22より大きく、棒状部23の軸方向寸法L23より小さい。中心穴31の直径D31は、第一部品2の棒状部23の直径D23より僅かに(例えば、0.02mm〜0.1mm程度)小さい。
第一部品2と第二部品3は、第一部品2の棒状部23の先端を第二部品3の中心穴31に嵌め入れることで、締まり嵌めにより結合されてキャップ1となる。図1はこの状態を示す。図1に示すように、キャップ1の取付前は、第一部品2の棒状部23の先端を第二部品3の中心穴31から外に出さないでおく。
この状態で、第一部品2と第二部品3は容易に分離できず、一体の部品として扱うことができる。また、この状態での円筒部22の下面と第二部品3の下面との軸方向寸法L1は、座ぐり部141に配置されたボルト7の頭部71の上面と案内レール110の上面111との距離L14(図5)より少し大きい。
キャップ1は、図5に示すように、ボルト7で案内レール110を基台160に固定した後に使用される。案内レール110を基台160に固定する際には、先ず、基台160の上に案内レール110を置き、基台160の取り付け穴の雌ねじ部161と、案内レール110の取り付け穴140の軸収納部142を合わせる。この状態で、案内レール110の取り付け穴140からボルト7を入れて、軸部72の雄ねじを、基台160の雌ねじ部161に螺合し、頭部を座ぐり部141の面141aに当てて締めつける。
このようにして、案内レール110が基台160にボルト7で固定された後に、キャップ1を、第二部品3側から座ぐり部141に進入する。これにより、 図6に示すように、第二部品3が座ぐり部141に入ってボルト7の頭部71の上面に接触し、第一部品2は座ぐり部141の上方に存在する。
次に、第一部品2の円板部21の上に当て板を載せ、円板部21の上面が案内レール110の上面111に沿うまで、当て板をハンマーで叩くことで、第一部品2の全体を座ぐり部141内に入れる。その際に、第一部品2の円筒部22および円板部21が弾性変形しながら座ぐり部141内に入り、座ぐり部141に対して円筒部22および円板部21の外周部が締まり嵌めで嵌合される。
これと同時に、第一部品2の棒状部23が第二部品3の中心穴31内を移動し、棒状部23の先端部がボルト7の頭部71の六角穴71aに入る。 また、第二部品3の上部は第一部品2の円筒部22内に入る。図7はこの状態を示す。
第一実施形態のキャップ1によれば、座ぐり部141に対して円筒部22および円板部21の外周部が締まり嵌めになっているだけでなく、第一部品2と第二部品3が、棒状部23と中心穴31とにより座ぐり部141の直径方向で互いに締まり嵌めとなっているため、キャップ1の上面が案内レール110の上面111より下がることを長期に渡って防止できる。また、キャップ1は、特許文献3のキャップと比較して形状が単純である。
さらに、第一部品2は金属製であるが、形状が単純であるため容易に加工できる。そして、第一部品2が金属製であることから、機械的強度が高く、耐摩耗性も良好なため、第一実施形態のキャップ1は長期に渡る耐久性に優れている。
[第二実施形態]
第二実施形態のキャップは、図8(a)に示す第一部品2Aと、図8(b)に示す第二部品3とからなる。第二部品3は第一実施形態の第二部品3と同じである。第一部品2Aは、以下の点を除いて第一実施形態の第一部品2と同じである。
図8(a)に示すように、第一部品2Aの棒状部23Aが、先端に向けて直径が小さくなるテーパ状に形成されている。棒状部23Aの直径は、先端の面取り部23bを除いて、第二部品3の中心穴31の直径より大きい。
第二実施形態のキャップは、第一部品2Aを第二部品3に対して軸方向に相対移動させる量が増えるほど、棒状部23Aと中心穴31とによる座ぐり部141の直径方向での締まり嵌め量が大きくなるため、第一実施形態のキャップと比較して、キャップ1の上面が案内レール110の上面111より下がることを長期に渡って防止できる効果が高い。
[第三実施形態]
第三実施形態のキャップは、図9(a)に示す第一部品2と、図9(b)に示す第二部品3Aとからなる。第一部品2は第一実施形態の第一部品2と同じである。第二部品3Aは、以下の点を除いて第一実施形態の第二部品3と同じである。
図9(b)に示すように、第二部品3Aの中心穴31Aが、第一部品2側の端面から反対側の端面に向かうにつれて直径が小さくなるテーパ状に形成されている。中心穴31Aの最大直径は、第一部品2の棒状部23の直径より小さい。中心穴31Aの軸方向の両端が面取り部31bになっている。
第三実施形態のキャップは、第一部品2を第二部品3Aに対して軸方向に相対移動させる量が増えるほど、棒状部23と中心穴31Aとによる座ぐり部141の直径方向での締まり嵌め量が大きくなるため、第一実施形態のキャップと比較して、キャップ1の上面が案内レール110の上面111より下がることを長期に渡って防止できる効果が高い。
[第四実施形態]
第四実施形態のキャップは、図10(a)に示す第一部品2Bと、図10(b)に示す第二部品3とからなる。第二部品3は第一実施形態の第二部品3と同じである。第一部品2Bは、以下の点を除いて第一実施形態の第一部品2と同じである。
図10(a)に示すように、第一部品2Bの棒状部23Bがスリット24を有する。棒状部23Bは、第一実施形態の第一部品2が有する円柱状の棒状部23の軸方向全体に、棒状部23の底面円を二分割するスリット24が形成されたものである。この第一部品2Bは、金属製としてもよいが、合成樹脂の射出成形で作製することにより、スリット24の加工が容易に行える。
第四実施形態のキャップは、棒状部23Bがスリット24を有することで、第一実施形態のキャップと比較して、棒状部23Bと中心穴31の嵌め合い寸法精度が緩くできるとともに、棒状部23Bと中心穴31との軸方向での相対移動が容易に行える。
[第五実施形態]
図11および図12に示すように、第五実施形態のキャップ1Cは、合成樹脂製の第一部品2Cと合成樹脂製の第二部品3Cとからなる。
キャップ1Cの第一部品2Cは、円板部21と、円板部21の軸方向一面から突出する円筒部22と、円板部21の底面から円筒部22と同じ方向に延びる二個の円柱状の棒状部25と、を有する。円筒部22の先端はテーパ部22aになっている。
二個の棒状部25は、円板部21の直径に沿って中心から等間隔で離れた位置に配置されている。二個の棒状部25の先端は面取り部25aとなっている。二個の棒状部25の軸方向寸法L25は、円筒部22の軸方向寸法L22よりも少しだけ長い。
第一部品2Cの最大直径(円板部21の外径および円筒部22の最大外径)D2Cは、取付穴140の面取り部143の最大直径M(図4)とほぼ同じで、座ぐり部141の直径Z(図4)より少し(例えば、0.02〜0.3mm程度)大きい。
キャップ1Cの第二部品3Cは、二個の貫通穴32を有する円板状部品であり、第二部品3Cの外径D3Cは第一部品2Cの円筒部22の内径D22Cより小さい。貫通穴32の軸方向両端は面取り部32aとなっている。第二部品3Cの厚さL3Cは、第一部品2Cの円筒部22の軸方向寸法L22Cより大きく、棒状部25の軸方向寸法L25と同じである。貫通穴32の直径D32は、第一部品2の棒状部25の直径D25より僅かに(例えば、0.02mm〜0.1mm程度)小さい。
第一部品2Cと第二部品3Cは、第一部品2Cの二個の棒状部25の先端を第二部品3の二個の貫通穴32にそれぞれ嵌め入れることで、締まり嵌めにより結合されてキャップ1Cとなる。図11はこの状態を示す。この状態での第一部品2Cの上面と第二部品3Cの下面との軸方向寸法L1Cは、座ぐり部141に配置されたボルト7の頭部71の上面と案内レール110の上面111との距離L14(図5)より少し大きい。
キャップ1Cを座ぐり部141に取り付ける際には、先ず、図13に示すように、第一実施形態での説明の通りに、ボルト7で案内レール110を基台160に固定した後に、キャップ1Cの第二部品3C側を座ぐり部141内に入れる。この状態で、 第一部品2Cは、円筒部22のテーパ部22aが面取り部143に入り、円板部21と円筒部22のテーパ部22a以外の部分が座ぐり部141の上方に存在する。
次に、第一部品2Cの円板部21の上に当て板を載せ、円板部21の上面が案内レール110の上面111に沿うまで、当て板をハンマーで叩くことで、第一部品2Cの全体を座ぐり部141内に入れる。その際に、第一部品2Cの円筒部22および円板部21が弾性変形しながら座ぐり部141内に入り、座ぐり部141に対して円筒部22および円板部21の外周部が締まり嵌めで嵌合される。
これと同時に、第一部品2Cの棒状部25が第二部品3の貫通穴32内を移動し、キャップ1Cの軸方向寸法がLC1から小さくなって、距離L14と同じになる。図14はこの状態を示す。
第五実施形態のキャップ1Cによれば、座ぐり部141に対して円筒部22および円板部21の外周部が締まり嵌めになっているだけでなく、第一部品2Cと第二部品3Cが、棒状部25と貫通穴32とにより座ぐり部141の直径方向で互いに締まり嵌めとなっているため、キャップ1Cの上面が案内レール110の上面111より下がることを長期に渡って防止できる。また、キャップ1Cは、特許文献3のキャップと比較して形状が単純である。
さらに、第一部品2Cと第二部品3Cの両方が合成樹脂製であり、両方を熱可塑性樹脂(硬質プラスチック)や熱可塑性エラストマーの射出成形により得ることで、一方が金属製の場合よりも容易に製造できる。
また、第一部品2Cと第二部品3Cが、二対の棒状部25と貫通穴32とにより座ぐり部141の直径方向で互いに締まり嵌めとなっているため、第一実施形態のキャップ1よりも、キャップ1Cの上面が案内レール110の上面111より下がることを長期に渡って防止できる効果が高い。
[第六実施形態]
図15および図16に示すように、第六実施形態のキャップ4は、合成樹脂製の第一部品5と合成樹脂製の第二部品6とからなる。
第一部品5は、円板部51と、円板部51の軸方向一面から突出する円筒部52と、円板部51の中心から円筒部52と同じ方向に延びる棒状部53と、円筒部52に形成された周溝54を有する。棒状部53の軸方向寸法L53は、円筒部52の軸方向寸法L52よりも長い。
円筒部52は、円板部51側から、小径部52a、大径部52b、およびテーパ部52cからなる。小径部52aの直径D52aは円板部51の直径D51より小さく、大径部52bの直径D52bは円板部51の直径D51より大きい。テーパ部52cは、円板部51の反対側に向けて縮径し、テーパ部52cの最小直径D52cが円板部51の外径D51と同じである。小径部52aの外周面が周溝54の底面となっている。
第一部品5の最小外径(円板部51の直径)D51は、座ぐり部141の直径Z(図4)より小さい。第一部品5の最大直径(円筒部52の最大外径)D52bは、取付穴140の面取り部143の最大直径M(図4)とほぼ同じで、座ぐり部141の直径Z(図4)より少し(例えば、0.02〜0.3mm程度)大きい。
第二部品6は中心穴61を有する円板状部品であり、第二部品6の外径D6は第一部品5の円筒部52の内径D52より小さい。中心穴61は円板面の中心を軸方向に貫通する貫通穴であり、軸方向の両端が面取り部61aとなっている。第二部品6の厚さL6は、第一部品5の円筒部52の軸方向寸法L52より大きく、棒状部53の軸方向寸法L53より小さい。中心穴61の直径D61は、第一部品5の棒状部53の直径D53より僅かに(例えば、0.02mm〜0.1mm程度)小さい。
第一部品5と第二部品6は、第一部品5の棒状部53の先端を第二部品6の中心穴61に嵌め入れることで、締まり嵌めにより結合されてキャップ4となる。図15はこの状態を示す。図15に示すように、キャップ4の取付前は、第一部品5の棒状部53の先端を第二部品6の中心穴61から外に出さないでおく。
この状態で、第一部品5と第二部品6は容易に分離できず、一体の部品として扱うことができる。また、この状態での第一部品5のテーパ部52cの下面と第二部品6の下面との軸方向寸法L56は、座ぐり部141に配置されたボルト7の頭部71の上面と案内レール110の上面111との距離L14(図5)より小さい。また、この状態でのキャップ4としての軸方向寸法(第一部品5の上面と第二部品6の下面との軸方向寸法)L4は、距離L14(図5)より大きい。
キャップ4を座ぐり部141に取り付ける際には、先ず、図17に示すように、第一実施形態での説明の通りに、ボルト7で案内レール110を基台160に固定した後に、キャップ4の第二部品6側を座ぐり部141内に入れる。この状態で、 第一部品5は、円筒部52のテーパ部52cが面取り部143に入り、円板部51と円筒部52のテーパ部22c以外の部分が座ぐり部141の上方に存在する。
次に、第一部品5の円板部51の上に当て板を載せ、円板部51の上面が案内レール110の上面111に沿うまで、当て板をハンマーで叩くことで、第一部品5の全体を座ぐり部141内に入れる。その際に、第一部品5の円板部51は弾性変形せず、円筒部52の大径部52bが弾性変形しながら座ぐり部141内に入り、座ぐり部141に対して円筒部52の大径部52bの外周部が締まり嵌めで嵌合される。
また、その途中で第二部品6はボルト7の頭部71の上に接触するが、その後は、第一部品5の棒状部53が第二部品6の中心穴61内を移動し、棒状部53の先端部がボルト7の頭部71の六角穴71aに入る。 また、第二部品6の上部は第一部品5の円筒部52内に入る。図18はこの状態を示す。
第六実施形態のキャップ4によれば、座ぐり部141に対して円筒部52の外周部が締まり嵌めになっているだけでなく、第一部品5と第二部品6が、棒状部53と中心穴61とにより座ぐり部141の直径方向で互いに締まり嵌めとなっているため、キャップ4の上面が案内レール110の上面111より下がることを長期に渡って防止できる。また、キャップ1は、特許文献3のキャップと比較して形状が単純である。
さらに、このキャップ4は、周溝54を有することで、座ぐり部141に対して円筒部22の大径部52bの外周部が締まり嵌めで嵌合される際に、大径部52bの外周部の一部が削り取られた場合に、その削りカスが座ぐり部141と周溝54とで形成された空間内に収容される。これにより、削りカスが外部に飛び散ることが防止できるという効果も得られる。
上記各実施形態のキャップ1,1A〜1C,4において、第一部品2,2A〜2C,5および第二部品3,3A〜3C,6を構成する材料としては、鉄鋼、真鍮、アルミニウム合金などの金属材料、ポリアセタールやポリアミドなどの熱可塑性樹脂(硬質プラスチック)や熱可塑性エラストマーが挙げられる。
第一部品2,2A〜2C,5は、例えば、鉄鋼、真鍮、アルミニウム合金などの金属材料からなる円柱状素材の切削加工で製造することが好ましい。これにより、使用環境が高温の場合や硬質の異物に対する耐久性が高くなる。第二部品3,3A〜3C,6は、例えば、ポリアセタールやポリアミドなどの熱可塑性樹脂(硬質プラスチック)や熱可塑性エラストマーの射出成形で製造することが好ましい。このように弾性変形しやすい材料からなる第二部品を使用することで、第一部品との結合状態が良好になる。
なお、上記各実施形態のキャップ1は、第一部品2の結合部が、座ぐり部の軸方向に延びる突出部に相当する棒状部23であり、第二部品3の結合部が、棒状部23が嵌まる中心穴31であるが、第一部品の結合部が穴で第二部品の結合部がこの穴に嵌まる突出部であってもよい。
1 キャップ
1A〜1C キャップ
2 第一部品
2A〜2C 第一部品
21 円板部
22 円筒部
22a テーパ部
23 棒状部(突出部、結合部)
3 第二部品
3A〜3C 第二部品
31 中心穴(穴、結合部)
32 貫通穴(穴、結合部)
4 キャップ
5 第一部品
51 円板部
52 円筒部
52a 小径部
52b 大径部
52c テーパ部
53 棒状部(突出部、結合部)
6 第二部品
61 中心穴(穴、結合部)
7 ボルト
100 直動案内装置
110 案内レール
111 案内レールの上面
112 案内レールの下面
113 案内レールの転動面
120 スライダ
121 スライダの転動面
122 戻し通路
130 転動体
140 案内レールの取付穴
141 座ぐり部
142 軸収納部
143 面取り部
150 サイドシール
160 基台

Claims (3)

  1. 直動案内装置の案内レールを固定するボルトが配置された取付穴の座ぐり部を塞ぐキャップであって、
    前記座ぐり部の内周面に対して締まり嵌めで嵌合される外周部を有し、前記座ぐり部の開口側に配置される第一部品と、
    前記ボルトの上面に接触し、前記座ぐり部の内周面に対して隙間を介して配置される第二部品と、
    からなり、
    前記第一部品および前記第二部品は、前記座ぐり部の直径方向で互いに締まり嵌めとなる結合部により結合されている直動案内装置用キャップ。
  2. 前記第一部品および前記第二部品の前記結合部の一方は、前記座ぐり部の軸方向に延びる突出部であり、他方は前記突出部が嵌まる穴である請求項1記載の直動案内装置用キャップ。
  3. 前記第一部品の前記結合部は、前記座ぐり部の軸方向に沿い前記第二部品側に向けて突出する突出部であり、前記第二部品の前記結合部は、前記突出部が嵌まる穴である請求項1記載の直動案内装置用キャップ。
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