JP6707869B2 - ボールねじ用シール、ボールねじ - Google Patents

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Description

この発明は、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道の間に配置されたボールとを有するボールねじに使用されるシールに関する。
ボールねじは、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝とで形成される軌道の間に配置されたボールとを備え、軌道内をボールが転動することでナットがねじ軸に対して相対移動する装置であり、ナット内への異物の侵入やナット内からの潤滑剤の流出等を防ぐために、ナットの軸方向両端または一端にリング状のシールが配置されている。
ボールねじにおけるシールのナットへの取付構造としては、特許文献1〜3に記載されたものが挙げられる。
特許文献1には、ナットの内側に潤滑グリースを封入すると共に、この潤滑グリースの基油と同種または相互作用により潤滑性低下を生じない潤滑油を成分として含有する固形状の潤滑組成物で、内周がねじ軸のねじ溝面に摺接するリング状のシール部材を形成することが記載されている。また、周方向に四分割されたシール部材を、各分割体の外周面に設けた溝にガータスプリングを嵌めて、ナットの軸方向両端部に形成されたシール装着溝に配置した後、シール部材の各分割部分に対応する4つの押圧部を備えたシール押えで固定することが記載されている。
特許文献2には、外周部をナットに取り付けて内周部をねじ軸に摺接させる略環状の接触シールが記載されている。このシールは、周方向の一箇所で切断されて断面形状略C字状と、切断により形成されたスリットが開閉可能な弾性を有し、シールが径方向に変位可能なように、シールの外周部とナットの内周面との間に隙間を設けてナットに取り付けることが記載されている。
特許文献3には、ねじ軸の外周を囲み且つ内側にねじ軸のねじ溝に入り込むシール山を有し、ナットの端部に取り付けられてナットの軸方向外側に露出する筒状部を有するシールが記載されている。このシールは、筒状部の軸方向一端に形成された外向きフランジが、ナットの軸方向端面に形成された凹部に配置されている。ナットへの取り付け状態でシールの外向きフランジの外周面の全体がナットの内周面に接触している。
特開平11−166608号公報 特開2012−159121号公報 特開2013−249887号公報
特許文献1〜3に記載されたシールには、ナットに対して簡単な方法で確実に取り付けるという点で改善の余地がある。
この発明の課題は、ナットの軸方向端部に固定され、ねじ軸の外周面と対向する内周面を有する円筒体を備えたシールを、簡単な方法で確実にナットに取り付けできるようにすることである。
上記課題を解決するために、この発明の第一態様は、下記の構成(a) 〜(c) を有するボールねじを提供する。
(a) 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、前記ねじ軸の前記螺旋溝と前記ナットの前記螺旋溝とで形成される軌道の間に配置された複数のボールと、前記ナットの軸方向端部に固定され、前記ねじ軸の外周面と対向する内周面を有する円筒体を備えたシールと、を備えている。
(b) 前記ナットの軸方向端部の内周面に周溝(周方向全体に形成されている溝)が形成されている。前記シールは、前記円筒体の外周面から径方向に突出する突起を有し、前記突起が前記周溝に嵌合されている。
(c) 前記円筒体の前記突起が形成されている部分の内周面に止め輪が配置され、前記止め輪が前記円筒体を径方向外側に押圧している。
この発明の第二態様は、上記構成(a) 〜(c) と下記の構成(d) 〜(f) を有するボールねじである。
(d) 前記円筒体は、前記ナットの内側に配置される第一円筒部と、前記第一円筒部と一体に形成されて前記ナットの軸方向外側に配置され、前記ねじ軸の前記螺旋溝に入るリップ部を有し、外径が前記第一円筒部より小さい第二円筒部と、前記第一円筒部と前記第二円筒部との境界をなすフランジ部と、を有する。前記突起は前記第一円筒部に形成されている。
(e) 前記フランジ部に軸方向に延びる貫通穴が形成されている。
(f) 前記第一円筒部が前記ナットの内側に配置され、前記第二円筒部が前記ナットの軸方向外側に配置され、前記リップ部が前記ねじ軸の前記螺旋溝に入っている。
この発明の第三態様は、上記第二態様のボールねじを構成するボールねじ用シールであって、下記の構成(g) 〜(j) を有する。
(g) 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、前記ねじ軸の前記螺旋溝と前記ナットの前記螺旋溝とで形成される軌道の間に配置された複数のボールと、を有するボールねじの、前記ナットの軸方向端部に固定され、前記ねじ軸の外周面と対向する内周面を有する円筒体を備えたシールである。
(h) 前記円筒体は、前記ナットの内側に配置される第一円筒部と、前記第一円筒部と一体に形成されて前記ナットの軸方向外側に配置され、前記ねじ軸の前記螺旋溝に入るリップ部を有し、外径が前記第一円筒部より小さい第二円筒部と、前記第一円筒部と前記第二円筒部との境界をなすフランジ部と、を有する。
(i) 前記第一円筒部の外周面から径方向に突出する突起を有する。前記突起は、前記ナットの内周面に形成された周溝に嵌まる形状を有する。
(j) 前記フランジ部に軸方向に延びる貫通穴が形成されている。
この発明のボールねじによれば、ナットの軸方向端部に固定され、ねじ軸の外周面と対向する内周面を有する円筒体を備えたシールが、簡単な方法で確実にナットに取り付けられた状態にすることができる。
第一実施形態のボールねじを示す部分断面側面図である。 第一実施形態のボールねじにおけるシールとナットとの関係を説明する断面図である。 第一実施形態のシールを示す断面図である。 第一実施形態のボールねじが有する止め輪を示す正面図である。 図2のナットに円板状のシールが止め輪で取り付けるできることを説明する断面図である。 第一実施形態のシールが取り付け可能な図2とは異なるナットを示す断面図である。 第二実施形態のシールを示す断面図である。 第二実施形態のボールねじが有する止め輪を示す正面図である。 第三実施形態のシールの正面図(a)とそのA−A断面図(b)である。 第四実施形態のシールの正面図(a)とそのA−A断面図(b)である。 不連続な突起を等間隔で有するシールの例を示す正面図である。 第五実施形態のシールを有するボールねじを示す正面図である。 図12のボールねじを示す部分断面側面図である。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
[第一実施形態]
図1に示すボールねじ10は、ねじ軸1とナット2と複数のボール3とシール4と止め輪5を備えている。ねじ軸1の外周面に螺旋溝11が形成されている。ナット2の内周面に螺旋溝21が形成されている。ナット2は円筒体2Aの軸方向一端にフランジ2Bを有する。ねじ軸1の螺旋溝11とナット2の螺旋溝21とで形成される軌道の間に、ボール3が配置されている。
ナット2は、ボール3を軌道の終点から始点に戻すボール戻し路を有する。このボール戻し路にもボール3が配置されている。軌道内をボール3が負荷状態で転動することでナット2がねじ軸1に対して相対移動し、ボール3はボール戻しと軌道で構成される循環路を循環する。
図2に示すように、ナット2の軸方向両端部の内周面22は、螺旋溝21が形成されている軸方向中央部よりも直径が大きく形成されている。内周面22に周溝23が形成されている。周溝23は、ナット2の軸方向端部側に、内周面22に向けて縮径するテーパ面(傾斜面)23aを有する。テーパ面23aのナット2の径方向に対する傾斜角度θ23は30°である。
図2および図3に示すように、第一実施形態のシール4は、ナット2の内側に配置される第一円筒部41と、ナット2の軸方向外側に配置される第二円筒部42を有する。第一円筒部41の外径D41は、ナット2の内周面22の直径D22より僅かに小さい。第二円筒部42の外径D42は、第一円筒部41の外径D41より小さく、ねじ軸1の外径より少し大きい。第一円筒部41と第二円筒部42は中心軸を合わせて一体に形成されている。
第一円筒部41の軸方向で第二円筒部42から離れる側の端部に、第一円筒部41の外周面から径方向に突出する突起43が形成されている。突起43は第一円筒部41の全周に渡って連続的に形成されている。突起43の第一円筒部41の軸方向に沿った寸法J43は、周溝のナット2の軸方向寸法J23より僅かに大きい。シール4を第一円筒部41の直径に沿って切断した突起43の断面形状は山形であり、突起43は第二円筒部42側の第一斜面43aと、第一円筒部41の開口側の第二斜面43bを有する。
つまり、突起43の第一円筒部41の軸方向で第二円筒部42側の面は、第一円筒部41の径方向に対して傾いた第一斜面43aである。第一円筒部41の径方向と第一斜面43aとの角度θ1は、ナット2のテーパ面23aの傾斜角度θ23と同じ30°である。角度θ1は8°以上であることが好ましい。第一円筒部41の径方向と第二斜面43bとの角度θ2は34°である。角度θ2は、ナット2へのシール4の挿入し易さの点から45°以上であることが好ましい。
図3に示すように、第一円筒部41の軸方向で、突起43が形成されている部分の内径d411は、突起43が形成されていない部分の内径d41より僅かに大きい。また、第一円筒部41の内径d41,d411は第二円筒部42の内径d42より大きい。第一円筒部41の軸方向で突起43が形成されている部分の内周面(突起位置の内周面)41aに、止め輪5が配置される。つまり、第一円筒部41の内径は、止め輪5の設置面となる突起位置で他の部分より大きく形成されている。
第二円筒部42の内周面に、ねじ軸1の螺旋溝11に入るリップ部42aが形成されている。リップ部42aは、ねじ軸1の軸直角断面形状と相似の内周縁形状を有する。
第一円筒部41と第二円筒部42との境界をなすフランジ部44に、第一円筒部41の外周面より外側まで突出する突起44aが形成されている。フランジ部44の突起44aも第一円筒部41および第二円筒部42の全周に渡って連続的に形成されている。フランジ部44の突起44aの外径は第一円筒部41の突起43の外径と同じである。
シール4は、合成樹脂製であり、射出成形で製造されたものであることが好ましい。使用できる合成樹脂としてはポリオキシメチレン(POM)などが挙げられる。
止め輪5は、図4に示すようなC形止め輪であって、図1および図2に示すように、長方形の断面形状を有する。止め輪5の材質は金属である。
ボールねじ10は、以下のようにして組み立てられる。
先ず、ねじ軸1をナット2の内側に挿入した後、ボール戻し路から軌道内にボールを挿入する。次に、ねじ軸1とナット2を治具で固定した状態で、第一円筒部41の突起位置の内周面41aに止め輪5を嵌めたシール4を、第一円筒部41側からねじ軸1に嵌める。次に、第一円筒部41をナット2の軸方向端部の開口に押し入れる。
ナット2の開口にシール4の第一円筒部41を押し入れると、突起43は、弾性変形して縮みながら内周面22を通過した後に、周溝23内に入って、ナット2の軸方向に僅かに縮んだ状態となり、突起43の第一斜面43aが周溝23のテーパ面23aに押し当たる。また、止め輪5は、突起43の変形に追従して変形した後、第一円筒部41の突起位置の内周面41aを径方向外側に押圧する。
また、第一円筒部41は、第二円筒部42との境界部を除いてナット2の内周面22内に配置され、内周面22と第一円筒部41との間には、隙間が無いか僅かな隙間が存在する。第二円筒部42と第一円筒部41の第二円筒部42との境界をなすフランジ部44は、ナット2の外側に配置される。フランジ部44の突起44aはナット2の軸方向端面と対向する。第二円筒部42のリップ部42aはねじ軸1の螺旋溝11に入る。
以上のように、第一実施形態のシール4によれば、ナット2を治具などで固定した状態で、第一円筒部41をナット2の軸方向端部に押し入れることで、簡単にナット2に取り付けることができる。また、突起43の第一斜面43aが周溝23のテーパ面23aに押し当たるため、このような面接触ができないシールと比較して、ナットの周溝に対する取付状態が安定する。
ところで、駆動時の発熱によりボールねじの温度は大きく上昇し、設置環境の温度変化によってボールねじの温度は変化する。合成樹脂製のシール4は金属製のナット2と比較して線膨張係数が大きいことから、ボールねじの温度が高くなると、シール4がナット2より大きく膨張するため、シール4のナット2に対する押し付け力が大きくなる。
この状態でシール4がクリープ変形すると、温度が低くなった時に、ナット2だけが元の寸法に戻るため、シール4の第一円筒部41および突起43とナット2の内周面22および周溝23との間に緩みが生じる。この状態でボールねじの駆動が続いて、シール4がナット2に対して回転すると、ねじ軸1の螺旋溝11に二つのシール4のリップ部42aが締め込まれるような現象が生じて、シール4がねじ軸1に強く接触するという問題点がある。
これに対して、第一実施形態のボールねじ10では、止め輪5がシール4の突起43を押圧しているため、シール4にクリープ変形が生じた場合でもシール4の突起43とナット2の周溝23との間に緩みが生じることが防止される。その結果、第一実施形態のボールねじ10では、上述の問題点が解決されて、シール4が確実に取り付けられた状態になる。
また、第一円筒部41の突起位置の内周面41aを他の部分より大きな直径にして、この位置に止め輪5を設置しているため、止め輪5がシール4の突起位置からずれることが防止される。これにより、止め輪5による突起43の押圧作用が確実に発揮される。
なお、ナット2の周溝23には、図5に示すように、円板状シール6を止め輪50を用いて固定することもできる。つまり、第一実施形態のシール4は、円板状シール6が止め輪50を用いて固定されるナットにも取り付けることができる。よって、周溝23を有するナット2には、ボールねじの用途に合わせて、第一実施形態のシール4および円板状シール6のいずれかを選択して取り付けることができる。
また、取り付け時に、シール4をねじ軸1に対して相対的に回転することで、シール4の位相調整を行うことができる。
第一実施形態のシール4は、図6に示すように、周溝23が傾斜面を有さないナット20に対して取り付けることもできる。
[第二実施形態]
図7に示すように、第二実施形態のシール4Aには、第一実施形態のシール4とは異なる断面形状の突起43Aが形成されている。突起43Aの第一円筒部41の直径に沿って切断した断面形状は円弧状である。つまり、突起43Aは円弧状の突出面を有する。突起43Aの形成位置は、第一円筒部41の軸方向で第二円筒部42から離れる側の端部であるが、端面より少し第二円筒部42側となる位置である。
また、第一円筒部41の突起43Aが形成されている部分の内周面には、周溝41bが形成されている。周溝41bの断面形状は突起43Aをなす円弧と同心の円弧である。これら以外の点は第一実施形態のシール4と同じである。シール4Aの取り付け時には、第一円筒部41の周溝41bに図8に示す止め輪5Aが嵌合される。止め輪5Aは円形の断面形状を有する。
第二実施形態のシール4Aによれば、第一実施形態のシール4が有する効果と同じ効果に加えて、突起43Aが円弧状の突出面を有することで第一実施形態のシール4よりも形状が単純になる分だけ、製造コストが低減できる効果も得られる。
[第三実施形態]
図9に示すように、第三実施形態のシール4Bは、第一円筒部41に軸方向に延びるスリット46を有する。その結果、第三実施形態のシール4Bにおいて、突起43は、スリット46の無い部分だけに存在する。つまり、突起43は、第一円筒部41の周方向に不連続に形成されている。これ以外の点は第一実施形態のシール4と同じである。
スリット46は、第一円筒部41の軸方向で、第二円筒部42と反対側の端面から突起43の終点位置Lよりフランジ部44に近い側まで延びている。スリット46の第一円筒部41の軸方向寸法は、止め輪5の幅(軸方向寸法)の1.5倍以上であることが好ましい。
スリット46は、第一円筒部41の周方向の四箇所(複数箇所)に形成されている。四つのスリット46は、第一円筒部41の断面円で、二個ずつ、互いに180°となる位置に形成されている。その結果、シール4Bは、第一円筒部41の周方向に不連続に形成された四つの(複数の)突起431〜434を有する。
突起431と突起433は、第一円筒部41の断面円で互いに180°となる位置に存在する。突起432と突起434は、第一円筒部41の断面円で互いに180°となる位置に存在する。つまり、シール4Bの突起43は、第一円筒部41の断面円で互いに180°となる位置に形成された部分を含む。また、突起43がない部分の第一円筒部41の断面円での中心角γが180°未満である。
第三実施形態のシール4Bによれば、第一実施形態のシール4が有する効果と同じ効果に加えて、スリット46を有することで突起43が第一円筒部41の内側に変形し易くなる分だけ、第一実施形態のシール4よりもナット2へ挿入し易くなる効果も得られる。
また、第一円筒部41の断面円で各突起431〜434の中心角β1〜β4は、突起のない部分の中心角γより大きい。つまり、第一円筒部41の周方向で四個の突起431〜434が不連続に形成されている範囲の合計は、突起431〜434が形成されていない範囲の合計より大きい。ナット2への挿入し易さの点から、第一円筒部(円筒体)41の周方向で不連続に形成されている複数の突起431〜434の周方向長さの合計は、全周長の2/3以下であることが好ましい。
なお、突起43が第一円筒部(円筒体)41の周方向に不連続に形成されている場合、シールは複数の突起を有するが、第一円筒部41の断面円における突起がない部分(隣り合う突起の間隔)の中心角γは、全て180°未満となっている必要がある。180°以上になっている中心角γが存在すると、突起43によるシールのナット2の周溝23に対する固定機能が発揮できない。また、突起がない部分の中心角γが180°未満であれば、複数の突起の周方向寸法は異なっていてもよい。
[第四実施形態]
図10に示す第四実施形態のシール4Cは、第三実施形態のシール4Bと同様に、第一円筒部41に軸方向に延びるスリット46を三個有するが、そのうちの一つのスリット46Aは、第一円筒部41の軸方向全体に延びてフランジ部44を貫通している。つまり、第四実施形態のシール4Cは、フランジ部44を軸方向に貫通する貫通穴44bをスリット46Aの一部として有する。すなわち、第四実施形態のシール4Cでは、フランジ部44を軸方向に貫通する貫通穴44bがスリットと連続している。
ボールねじ10の組立時に、第一円筒部41の突起位置の内周面41aに止め輪5を嵌める際に、止め輪5の開口51を貫通穴44bの無い位置に配置すれば、組立後のボールねじ10にシール4Cの貫通穴44bから止め輪5が見える。
これら以外の点は第三実施形態のシール4Bと同じである。
第四実施形態のシール4Cによれば、第三実施形態のシール4Bが有する効果と同じ効果に加えて、以下の効果も得られる。
つまり、フランジ部44に貫通穴44bを有することで、止め輪5がシール4Cに取り付けられているかどうかを、シール4Cをナット2に取り付けた後に確認することができる。また、貫通穴44bがスリット46と連続していることで、貫通穴44bがスリット46と連続していない場合と比較して、シール4Cの金型構造が簡単になる分だけ製造コストが低減できる効果も有する。
なお、止め輪5をシール4Cに取り付ける際に止め輪5の開口51とシール4Cの貫通穴44bが重なると、シール4Cをナット2に取り付けた後に止め輪5が取り付けられているかどうかが確認できない。そのため、第一円筒部41の内周面41aの軸方向で止め輪5が配置される位置(径方向外側に突出する突起433が形成されている位置)の周方向で貫通穴44bが無い位置に、内周面41aから径方向内側に突出する突起7を設けることで、止め輪5の開口51を貫通穴44bの無い位置に容易に配置できるようにすることが好ましい。
また、スリット46を有するシールの場合、スリット46の数および形成位置は図9および図10の例に限定されず、例えば図11に示すように、第一円筒部41の周方向の三箇所に、第一円筒部41の断面円で互いに120°となる位置に形成されていてもよい。その結果、図11のシール4Dは、第一円筒部41の周方向に不連続に形成された三個の突起431〜433を有する。
[第五実施形態]
図12および図13に示すように、第五実施形態のシール4Eは、第二円筒部42が軸方向に対して所定角度αで傾斜するスリット48を六本(複数本)有する。また、第一円筒部41の第二円筒部42との境界をなすフランジ部44が他の部分より厚く形成されている。フランジ部44に軸方向に延びる貫通穴44bが形成されている。
また、ボールねじ10の組立時に、第一円筒部41の突起位置の内周面41aに止め輪5を嵌める際に、止め輪5の開口を貫通穴44bの無い位置に配置すれば、組立後のボールねじ10にシール4Eの貫通穴44bから止め輪5が見える。
これら以外の点は第一実施形態のシール4と同じである。
各スリット48は、第二円筒部42の第一円筒部41とは反対側の端面42bから、第一円筒部41との境界部の手前まで延びている。ボールねじ100のねじ軸1は右ねじであり、第二円筒部42の端面42bから見たときの各スリット48の傾斜方向は、反時計回りの方向である。シール4Eは、このようなスリット48を有することで、次のような作用を発揮することができる。
すなわち、ナット2の内側にあるグリースがねじ軸1に付着したまま外部に出されようとする際に、そのグリースは、シール4Eのスリット48のエッジ部(スリットが延びる方向に存在する角部)により掻き取られ、スリット48に沿って第二円筒部42の端面42bに掻き出される。これにより、ナット2の内側の余分なグリースが、ねじ軸1の遠心力が作用しにくい位置で外部に取り出されるため、周囲に飛散することが防止される。
また、フランジ部44に貫通穴44bを有することで、止め輪5がシール4に取り付けられているかどうかを、シール4をナット2に取り付けた後に確認することができる。
つまり、第五実施形態のシール4Eによれば、第一実施形態のシール4が有する効果と同じ効果に加えて、スリット48を有することによる上述の効果と、フランジ部44に貫通穴44bを有することによる上述の効果も得られる。
1 ねじ軸
11 ねじ軸の螺旋溝
2 ナット
21 ナットの螺旋溝
2A ナットの円筒体
2B ナットのフランジ
22 ナットの軸方向両端部の内周面
23 周溝
23a 周溝のテーパ面(傾斜面)
3 ボール
4 シール
4A シール
4B シール
4C シール
4D シール
4E シール
41 第一円筒部(円筒体)
41a 第一円筒部の突起位置の内周面
41b 断面が円弧状の周溝
42 第二円筒部
42a リップ部
42b 第二円筒部の端面
43 突起
43A 突起
43a 突起の第一斜面
43b 突起の第二斜面
431〜434 突起
44 フランジ部
44a フランジ部の突起
44b フランジ部の貫通穴
46 スリット
46A 貫通穴に連続しているスリット
48 スリット
5 止め輪
50 止め輪
51 止め輪の開口
6 円板状シール
7 突起
10 ボールねじ
100 ボールねじ
γ 突起がない部分の円筒体の断面円での中心角

Claims (9)

  1. 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、
    内周面に螺旋溝が形成されたナットと、
    前記ねじ軸の前記螺旋溝と前記ナットの前記螺旋溝とで形成される軌道の間に配置された複数のボールと、
    前記ナットの軸方向端部に固定され、前記ねじ軸の外周面と対向する内周面を有する円筒体を備えたシールと、
    を備え、
    前記ナットの軸方向端部の内周面に周溝が形成され、
    前記シールは、前記円筒体の外周面から径方向に突出する突起を有し、
    前記突起が前記周溝に嵌合され、
    前記円筒体の前記ナットの内側に配置されている部分において、前記突起が形成された部分の内径は、前記突起が形成されていない部分の内径よりも大きく、
    前記円筒体の前記突起が形成されている部分の内周面に止め輪が配置され、前記止め輪が前記円筒体を径方向外側に押圧しているボールねじ。
  2. 前記円筒体は、前記ナットの内側に配置される第一円筒部と、前記第一円筒部と一体に形成されて前記ナットの軸方向外側に配置され、前記ねじ軸の前記螺旋溝に入るリップ部を有し、外径が前記第一円筒部より小さい第二円筒部と、前記第一円筒部と前記第二円筒部との境界をなすフランジ部と、を有し、
    前記突起は前記第一円筒部に形成され、
    前記フランジ部に軸方向と平行に延びる貫通穴が形成され、
    前記第一円筒部が前記ナットの内側に配置され、前記第二円筒部が前記ナットの軸方向外側に配置され、前記リップ部が前記ねじ軸の前記螺旋溝に入っている請求項1記載のボールねじ。
  3. 前記突起は、前記第一円筒部の前記第二円筒部とは反対側の端面から軸方向に延びるスリットにより、前記第一円筒部の周方向に不連続に形成され、前記突起がない部分の前記第一円筒部の断面円での中心角が180°未満であり、
    前記貫通穴は前記スリットと連続している請求項2記載のボールねじ。
  4. 前記突起は、前記円筒体の径方向に対して傾いた斜面を有し、
    前記周溝は、前記ナットの軸方向端部側に前記斜面と同じ傾斜の傾斜面を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のボールねじ。
  5. 前記突起は円弧状の突出面を有し、前記円筒体の前記突起が形成されている部分の内周面に断面が円弧状の周溝を有し、前記止め輪は前記周溝に嵌まる円形の断面形状を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のボールねじ。
  6. 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、前記ねじ軸の前記螺旋溝と前記ナットの前記螺旋溝とで形成される軌道の間に配置された複数のボールと、を有するボールねじの、前記ナットの軸方向端部に固定され、前記ねじ軸の外周面と対向する内周面を有する円筒体を備えたシールであって、
    前記円筒体は、前記ナットの内側に配置される第一円筒部と、前記第一円筒部と一体に形成されて前記ナットの軸方向外側に配置され、前記ねじ軸の前記螺旋溝に入るリップ部を有し、外径が前記第一円筒部より小さい第二円筒部と、前記第一円筒部と前記第二円筒部との境界をなすフランジ部と、を有し、
    前記第一円筒部の外周面から径方向に突出する突起を有し、
    前記突起は、前記ナットの内周面に形成された周溝に嵌まる形状を有し、
    前記第一円筒部の前記突起が形成された部分の内径は、前記第一円筒部の前記突起が形成されていない部分の内径よりも大きく、
    前記フランジ部に軸方向と平行に延びる貫通穴が形成されているボールねじ用シール。
  7. 前記突起は、前記第一円筒部の前記第二円筒部とは反対側の端面から軸方向に延びるスリットにより、前記第一円筒部の周方向に不連続に形成され、前記突起がない部分の前記第一円筒部の断面円での中心角が180°未満であり、
    前記貫通穴は前記スリットと連続している請求項6記載のボールねじ用シール。
  8. 前記突起は、前記第一円筒部の径方向に対して傾いた斜面を有する請求項6または7記載のボールねじ用シール。
  9. 前記突起は円弧状の突出面を有し、前記第一円筒部の前記突起が形成されている部分の内周面に断面が円弧状の周溝を有する請求項6または7記載のボールねじ用シール。
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