JP6582767B2 - ボールねじ用シール、ボールねじ - Google Patents

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Description

この発明は、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道の間に配置されたボールとを有するボールねじに使用されるシールに関する。
ボールねじは、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝とで形成される軌道の間に配置されたボールとを備え、軌道内をボールが転動することでナットがねじ軸に対して相対移動する装置であり、ナット内への異物の侵入やナット内からの潤滑剤の流出等を防ぐために、ナットの軸方向両端または一端にリング状のシールが配置されている。
ボールねじにおけるシールのナットへの取付構造としては、特許文献1〜3に記載されたものが挙げられる。
特許文献1には、ナットの内側に潤滑グリースを封入すると共に、この潤滑グリースの基油と同種または相互作用により潤滑性低下を生じない潤滑油を成分として含有する固形状の潤滑組成物で、内周がねじ軸のねじ溝面に摺接するリング状のシール部材を形成することが記載されている。また、周方向に四分割されたシール部材を、各分割体の外周面に設けた溝にガータスプリングを嵌めて、ナットの軸方向両端部に形成されたシール装着溝に配置した後、シール部材の各分割部分に対応する4つの押圧部を備えたシール押えで固定することが記載されている。
特許文献2には、外周部をナットに取り付けて内周部をねじ軸に摺接させる略環状の接触シールが記載されている。このシールは、周方向の一箇所で切断されて断面形状略C字状と、切断により形成されたスリットが開閉可能な弾性を有し、シールが径方向に変位可能なように、シールの外周部とナットの内周面との間に隙間を設けてナットに取り付けることが記載されている。
特許文献3には、ねじ軸の外周を囲み且つ内側にねじ軸のねじ溝に入り込むシール山を有し、ナットの端部に取り付けられてナットの軸方向外側に露出する筒状部を有するシールが記載されている。このシールは、筒状部の軸方向一端に形成された外向きフランジが、ナットの軸方向端面に形成された凹部に配置されている。ナットへの取り付け状態でシールの外向きフランジの外周面の全体がナットの内周面に接触している。
特開平11−166608号公報 特開2012−159121号公報 特開2013−249887号公報
特許文献1〜3に記載されたシールには、ナットに対して簡単に取り付けるという点で改善の余地がある。
この発明の課題は、ナットの軸方向端部に固定され、ねじ軸の外周面と対向する内周縁部を有する円筒体を備えたシールを、簡単な方法でナットに取り付けできるようにすることである。
上記課題を解決するために、この発明の第一態様は、下記の構成(a) および(b) を有するボールねじ用シールを提供する。
(a) 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、前記ねじ軸の前記螺旋溝と前記ナットの前記螺旋溝とで形成される軌道の間に配置された複数のボールと、を有するボールねじの、前記ナットの軸方向端部に固定され、前記ねじ軸の外周面と対向する内周縁部を有する円筒体を備えたシールである。
(b) 前記円筒体の外周面から径方向に突出する突起を有し、前記突起は、前記ナットの内周面に形成された周溝に対する固定機能が発揮できるように形成されている。
第一態様のボールねじ用シールは、上記構成(a) (b) に加えて下記の構成(c) 〜(g) のいずれかを有することができる。なお、下記の構成(c) 〜(g) はこの発明の必須要件ではない。
(c) 前記突起は、前記円筒体の径方向に対して傾いた斜面を有する。
(d) 前記突起は円弧状の突出面を有する。
(e) 前記突起は、前記円筒体の周方向に不連続に形成されている。前記突起がない部分の前記円筒体の断面円での中心角が180°未満である。
(f) 前記構成(e) を有する。前記円筒体が軸方向に延びるスリットを有することで、前記突起が不連続に形成されている。
(g) 前記円筒体は、前記ナットの内側に配置される第一円筒部と、前記第一円筒部と一体に形成されて前記ナットの軸方向外側に配置され、前記ねじ軸の前記螺旋溝に入るリップ部を有する第二円筒部と、を有し、前記突起は前記第一円筒部に形成されている。
上記課題を解決するために、この発明の第二態様は、下記の構成(h) および(i) を有するボールねじを提供する。
(h) 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、前記ねじ軸の前記螺旋溝と前記ナットの前記螺旋溝とで形成される軌道の間に配置された複数のボールと、前記ナットの軸方向端部に固定され、前記ねじ軸の外周面と対向する内周縁部を有する円筒体を備えたシールと、を備えている。
(i) 前記ナットの軸方向端部の内周面に周溝(周方向全体に形成されている溝)が形成されている。前記シールは、前記円筒体の外周面から径方向に突出する突起を有し、前記突起が前記周溝に嵌合されることで、前記シールが前記周溝に固定され、前記内周縁部が前記ねじ軸の外周面と対向している。
第二態様のボールねじは、上記構成(h) および(i) に加えて下記の構成(j) 〜(n) のいずれかを有することができる。なお、下記の構成(j) 〜(n) はこの発明の必須要件ではない。
(j) 前記突起は、前記円筒体の径方向に対して傾いた斜面を有し、前記周溝は、前記ナットの軸方向端部側に前記斜面と同じ傾斜の傾斜面を有する。
(k) 前記突起は、 前記円筒体の外周面から円弧状に突出している円弧状突起である。
(l) 前記突起は、前記円筒体の周方向に不連続に形成され、前記突起がない部分の前記円筒体の断面円での中心角が180°未満である。
(m) 前記構成(l) を有する。前記円筒体が軸方向に延びるスリットを有することで、前記突起が不連続に形成されている。
(n) 前記円筒体は、前記ナットの内側に配置される第一円筒部と、前記第一円筒部と一体に形成されて前記ナットの軸方向外側に配置され、前記ねじ軸の前記螺旋溝に入るリップ部を有する第二円筒部と、を有する。前記突起は前記第一円筒部に形成され、前記第一円筒部が前記ナットの内側に配置され、前記第二円筒部が前記ナットの軸方向外側に配置され、前記リップ部が前記ねじ軸の前記螺旋溝に入っている。
この発明によれば、ナットの軸方向端部に固定され、ねじ軸の外周面と対向する内周縁部を有する円筒体を備えたシールを、簡単な方法でボールねじのナットに取り付けることができる。
第一実施形態のシールを有するボールねじを示す部分断面側面図である。 第一実施形態のシールとナットとの関係を説明する断面図である。 第一実施形態のシールを示す断面図である。 図2のナットに円板状のシールが止め輪で取り付けるできることを説明する断面図である。 第一実施形態のシールが取り付け可能な図2とは異なるナットを示す断面図である。 第二実施形態のシールの正面図(a)とそのA−A断面図(b)である。 第二実施形態のシールの変形例を示す正面図である。 第三実施形態のシールを示す断面図である。 第四実施形態のシールを有するボールねじを示す正面図である。 図9のボールねじを示す部分断面側面図である。 突起が不連続に形成されているシールの実施形態であって、図6および図7に示すシールとは異なるシールの正面図(a)とそのA−A断面図(b)である。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
[第一実施形態]
図1に示すボールねじ10は、ねじ軸1とナット2と複数のボール3とシール4を備えている。ねじ軸1の外周面に螺旋溝11が形成されている。ナット2の内周面に螺旋溝21が形成されている。ナット2は円筒体2Aの軸方向一端にフランジ2Bを有する。ねじ軸1の螺旋溝11とナット2の螺旋溝21とで形成される軌道の間に、ボール3が配置されている。
ナット2は、ボール3を軌道の終点から始点に戻すボール戻し路を有する。このボール戻し路にもボール3が配置されている。軌道内をボール3が負荷状態で転動することでナット2がねじ軸1に対して相対移動し、ボール3はボール戻しと軌道で構成される循環路を循環する。
図2に示すように、ナット2の軸方向両端部の内周面22は、螺旋溝21が形成されている軸方向中央部よりも直径が大きく形成されている。内周面22に周溝23が形成されている。周溝23は、ナット2の軸方向端部側に、内周面22に向けて縮径するテーパ面(傾斜面)23aを有する。テーパ面23aのナット2の径方向に対する傾斜角度θ23は30°である。
図2および図3に示すように、第一実施形態のシール4は、ナット2の内側に配置される第一円筒部41と、ナット2の軸方向外側に配置される第二円筒部42を有する。第一円筒部41の外径D41はナット2の内周面22の直径D22より僅かに小さい。第二円筒部42の外径D42は第一円筒部41の外径D41より小さく、ねじ軸1の外径より少し大きい。第一円筒部41と第二円筒部42は中心軸を合わせて一体に形成されている。第一円筒部41の内径d41は第二円筒部42の内径d42より大きい。
第一円筒部41の軸方向で第二円筒部42から離れる側の端部に、第一円筒部41の外周面から径方向に突出する突起43が形成されている。突起43は第一円筒部41の全周に渡って連続的に形成されている。突起43の第一円筒部41の軸方向に沿った寸法J43は、周溝のナット2の軸方向寸法J23より僅かに大きい。シール4を第一円筒部41の直径に沿って切断した突起43の断面形状は山形であり、突起43は第二円筒部42側の第一斜面43aと、第一円筒部41の開口側の第二斜面43bを有する。
つまり、突起43の第一円筒部41の軸方向で第二円筒部42側の面は、第一円筒部41の径方向に対して傾いた第一斜面43aである。第一円筒部41の径方向と第一斜面43aとの角度θ1は、ナット2のテーパ面23aの傾斜角度θ23と同じ30°である。角度θ1は8°以上であることが好ましい。第一円筒部41の径方向と第二斜面43bとの角度θ2は34°である。角度θ2は、ナット2へのシール4の挿入し易さの点から45°以上であることが好ましい。
第二円筒部42の内周縁部に、ねじ軸1の螺旋溝11に入るリップ部45が形成されている。リップ部45は、ねじ軸1の軸直角断面形状と相似の内周縁形状を有する。
第一円筒部41と第二円筒部42との境界部に、第一円筒部41の外周面より外側まで突出する突起44が形成されている。境界部の突起44も第一円筒体41および第二円筒部42の全周に渡って連続的に形成されている。境界部の突起44の外径は第一円筒部41の突起43の外径と同じである。
シール4は、合成樹脂の射出成形により製造されたものであることが好ましい。使用できる合成樹脂としてはポリオキシメチレン(POM)などが挙げられる。
ボールねじ10は、以下のようにして組み立てられる。
先ず、ねじ軸1をナット2の内側に挿入した後、ボール戻し路から軌道内にボールを挿入する。次に、ねじ軸1とナット2を治具で固定した状態で、ねじ軸1に嵌めたシール4の第一円筒部41を、ナット2の軸方向端部の開口に押し入れる。ナット2の開口にシール4の第一円筒部41を押し入れると、突起43は、弾性変形して縮みながら内周面22を通過した後に、周溝23内に入って、ナット2の軸方向に僅かに縮んだ状態となり、突起43の第一斜面43aが周溝23のテーパ面23aに押し当たる。
また、第一円筒部41は、第二円筒部42との境界部を除いてナット2の内周面22内に配置され、内周面22と第一円筒部41との間には、隙間が無いか僅かな隙間が存在する。第二円筒部42と第一円筒部41の第二円筒部42との境界部は、ナット2の外側に配置される。境界部の突起44はナット2の軸方向端面と対向する。また、シール4のリップ部45はねじ軸1の螺旋溝11に入る。
以上のように、第一実施形態のシール4によれば、ナット2を治具などで固定した状態で、第一円筒部41をナット2の軸方向端部に押し入れることで、簡単にナット2に取り付けることができる。また、突起43の第一斜面43aが周溝23のテーパ面23aに押し当たるため、このような面接触ができないシールと比較して、ナットの周溝に対する取付状態が安定する。
また、ナット2の周溝23には、図4に示すように、円板状シール5を止め輪6を用いて固定することができる。つまり、第一実施形態のシール4は、円板状シール5が止め輪6を用いて固定されるナットにも取り付けることができる。よって、周溝23を有するナット2には、ボールねじの用途に合わせて、第一実施形態のシール4および円板状シール5のいずれかを選択して取り付けることができる。
また、取り付け時に、シール4をねじ軸1に対して相対的に回転することで、シール4の位相調整を行うことができる。
第一実施形態のシール4は、図5に示すように、周溝23が傾斜面を有さないナット20に対して取り付けることもできる。
[第二実施形態]
図6に示すように、第二実施形態のシール4Aは、第一円筒部41に軸方向に延びるスリット46を有する。その結果、第二実施形態のシール4Aにおいて、突起43は、スリット46の無い部分だけに存在する。つまり、突起43は、第一円筒部41の周方向に不連続に形成されている。これ以外の点は第一実施形態のシール4と同じである。
スリット46は、第一円筒部41の軸方向で、第二円筒部42と反対側の端面から突起43の終点位置Lまで延びている。スリット46は、第一円筒部41の周方向の四箇所(複数箇所)に形成されている。四つのスリット46は、第一円筒部41の断面円で、二個ずつ、互いに180°となる位置に形成されている。その結果、シール4Aは、第一円筒部41の周方向に不連続に形成された四つの(複数の)突起431〜434を有する。
突起431と突起433は、第一円筒部41の断面円で互いに180°となる位置に存在する。突起432と突起434は、第一円筒部41の断面円で互いに180°となる位置に存在する。つまり、シール4Aの突起43は、第一円筒部41の断面円で互いに180°となる位置に形成された部分を含む。また、突起43がない部分の第一円筒部41の断面円での中心角が180°未満である。
第二実施形態のシール4Aによれば、第一実施形態のシール4が有する効果と同じ効果に加えて、スリット46を有することで突起43が第一円筒部41の内側に変形し易くなる分だけ、第一実施形態のシール4よりもナット2へ挿入し易くなる効果も得られる。
なお、スリット46を有するシール4Aの場合、スリット46の数および形成位置は図6の例に限定されず、例えば図7に示すように、第一円筒部41の周方向の三箇所に、第一円筒部41の断面円で互いに120°となる位置に形成されていてもよい。その結果、図7のシール4Aは、第一円筒部41の周方向に不連続に形成された三個の突起431〜433を有する。
[第三実施形態]
図8に示すように、第三実施形態のシール4Bには、第一円筒部41の直径に沿って切断した断面形状が円弧状である突起47が形成されている。つまり、突起47は円弧状の突出面を有する。また、突起47の形成位置は、第一円筒部41の軸方向で、第二円筒部42から離れる側の端部より少し内側までである。これ以外の点は第一実施形態のシール4と同じである。
第三実施形態のシール4Bによれば、第一実施形態のシール4が有する効果と同じ効果に加えて、突起47が円弧状の突出面を有することで第一実施形態のシール4よりも形状が単純になる分だけ、製造コストが低減できる効果も得られる。
[第四実施形態]
図9および図10に示すように、第四実施形態のシール4Cは、第二円筒部42が軸方向に対して所定角度αで傾斜するスリット48を六本(複数本)有する。また、第一円筒部41の第二円筒部42との境界側の部分41aが他の部分より厚く形成されている。これ以外の点は第一実施形態のシール4と同じである。
各スリット48は、第二円筒部42の第一円筒部41とは反対側の端面42aから、第一円筒部41との境界部の手前まで延びている。ボールねじ100のねじ軸1は右ねじであり、第二円筒部42の端面42aから見たときの各スリット48の傾斜方向は、反時計回りの方向である。シール4Cは、このようなスリット48を有することで、次のような作用を発揮することができる。
すなわち、ナット2の内側にあるグリースがねじ軸1に付着したまま外部に出されようとする際に、そのグリースは、シール4Cのスリット48のエッジ部(スリットが延びる方向に存在する角部)により掻き取られ、スリット48に沿って第二円筒部42の端面42aに掻き出される。これにより、ナット2の内側の余分なグリースが、ねじ軸1の遠心力が作用しにくい位置で外部に取り出されるため、周囲に飛散することが防止される。
第四実施形態のシール4Cによれば、第一実施形態のシール4が有する効果と同じ効果に加えて、スリット48を有することによる上述の効果も得られる。
[その他]
本発明のボールねじ用シールにおいて、突起43は、第一実施形態、第三実施形態、および第四実施形態のシールのように、第一円筒部(円筒体)41の全周に渡って連続的に形成されていてもよいし、第二実施形態のシール4Aのように、不連続に形成されていてもよい。
突起43が第一円筒部(円筒体)41に不連続に形成されているシールは、連続的に形成されているシールよりも、ナット2へ挿入する際の力が低減できるため、ナット2へ挿入し易いという効果がある。
図11に示すシール4Dは、三個の突起431〜433が、第一円筒部(円筒体)41の周方向に不連続に形成されている例である。シール4Dはスリット46を有さない。三個の突起431〜433は、周方向の中心位置431a〜433aが、第一円筒部41の断面円の中心角で120°に等配されている。また、三個の突起431〜433の周方向寸法は同じである。
また、第一円筒部41の断面円で各突起431〜433の中心角βは、突起のない部分の中心角γより小さい。つまり、第一円筒部41の周方向で三個の突起431〜433が不連続に形成されている範囲の合計は、突起431〜433が形成されていない範囲の合計より小さい。シールのナット2への挿入し易さの点から、第一円筒部(円筒体)41の周方向で不連続に形成されている複数の突起43の周方向長さの合計は、全周長の2/3以下であることが好ましい。
なお、突起43が第一円筒部(円筒体)41の周方向に不連続に形成されている場合、シールは複数の突起を有するが、第一円筒部41の断面円における突起がない部分(隣り合う突起の間隔)の中心角γ(図11)は、全て180°未満となっている必要がある。180°以上になっている中心角γが存在すると、突起43によるシールのナット2の周溝23に対する固定機能が発揮できない。また、突起がない部分の中心角γが180°未満であれば、複数の突起の周方向寸法は異なっていてもよい。
また、本発明のボールねじ用シールは、上記各実施形態のシールのように、ナットの内側に配置される第一円筒部と、ナットの軸方向外側に配置される第二円筒部とからなるシールに限定されず、全体がナットの内部に配置されるシールにも適用できる。 また、リップ部がねじ軸の螺旋溝に入るシール以外のシールにも適用できる。
[この発明の別の態様について]
(1) 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、前記ねじ軸の前記螺旋溝と前記ナットの前記螺旋溝とで形成される軌道の間に配置された複数のボールと、前記ナットの軸方向端部に固定され、前記ねじ軸の螺旋溝に入るリップ部を内周縁部に有する円筒状のシールと、を備え、
前記ナットの軸方向端部の内周面に周溝が形成され、
前記シールは、前記ナットの内側に配置される第一円筒部と、前記第一円筒部と一体に形成されて前記ナットの軸方向外側に配置され、前記リップ部を有する第二円筒部と、前記第一円筒部の外周面から径方向に突出する突起と、を有し、前記突起が前記周溝に嵌合されることで、前記シールが前記周溝に固定され、
前記第一円筒部が前記ナットの内側に配置され、前記突起が前記周溝に嵌合され、前記第二円筒部が前記ナットの軸方向外側に配置され、前記リップ部が前記ねじ軸の前記螺旋溝に入っているボールねじ。
(2) 前記突起の前記第一円筒部の軸方向で前記第二円筒部側の面は、前記第一円筒部の径方向に対して傾いた斜面であり、前記周溝は、前記ナットの軸方向端部側に前記斜面と同じ傾斜の傾斜面を有する(1) 記載のボールねじ。
(3) 前記突起は円弧状の突出面を有する(1) 記載のボールねじ。
(4) 前記突起は、前記第一円筒部の周方向に不連続に形成され、前記突起がない部分の前記第一円筒部の断面円での中心角が180°未満である(1) 〜(3) のいずれか1項に記載のボールねじ。
(5) 前記第一円筒部が軸方向に延びるスリットを有することで、前記突起が不連続に形成されている(4) 記載のボールねじ。
(6) 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、前記ねじ軸の前記螺旋溝と前記ナットの前記螺旋溝とで形成される軌道の間に配置された複数のボールと、を備えたボールねじの、前記ナットの軸方向端部に固定され、前記ねじ軸の螺旋溝に入るリップ部を内周縁部に有する円筒状のシールであって、
前記ナットの内側に配置される第一円筒部と、前記第一円筒部と一体に形成されて前記ナットの軸方向外側に配置され、前記リップ部を有する第二円筒部と、前記第一円筒部の外周面から径方向に突出する突起と、を有し、前記突起は、前記ナットの内周面に形成された周溝に対する固定機能が発揮できるように形成されているボールねじ用シール。
(7) 前記突起の前記第一円筒部の軸方向で前記第二円筒部側の面は、前記第一円筒部の径方向に対して傾いた斜面である(6) 記載のボールねじ用シール。
(8) 前記突起は円弧状の突出面を有する(6) 記載のボールねじ用シール。
(9) 前記突起は、前記第一円筒部の周方向に不連続に形成され、前記突起がない部分の前記第一円筒部の断面円での中心角が180°未満である(6) 〜(8) のいずれか1項に記載のボールねじ用シール。
(10)前記第一円筒部が軸方向に延びるスリットを有することで、前記突起が不連続に形成されている(9) 記載のボールねじ用シール。
1 ねじ軸
11 ねじ軸の螺旋溝
2 ナット
21 ナットの螺旋溝
2A ナットの円筒体
2B ナットのフランジ
22 ナットの軸方向両端部の内周面
23 周溝
23a 周溝のテーパ面(傾斜面)
3 ボール
4 シール
4A シール
4B シール
4C シール
4D シール
41 第一円筒部(円筒体)
42 第二円筒部
42a 第二円筒部の端面
43 突起
43a 突起の第一斜面
43b 突起の第二斜面
431〜434 突起
44 境界部の突起
45 リップ部
46 スリット
47 突起
48 スリット
5 円板状シール
6 止め輪
10 ボールねじ
100 ボールねじ
γ 突起がない部分の円筒体の断面円での中心角

Claims (8)

  1. 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、前記ねじ軸の前記螺旋溝と前記ナットの前記螺旋溝とで形成される軌道の間に配置された複数のボールと、を有するボールねじの、前記ナットの軸方向端部の内周面に形成された周溝に固定され、前記ねじ軸の外周面と対向する内周縁部を有する円筒体を備えたシールであって、
    前記円筒体の外周面から径方向に突出する突起を有し、
    前記突起は、前記円筒体の径方向に対して傾いた斜面を有し、
    前記突起は、前記斜面として、前記ナットの軸方向端部側に配置される第一斜面と、前記第一斜面よりも前記ナットの軸方向中央部側に配置される第二斜面とを有し、
    前記突起の軸方向長さは前記ナットの周溝の軸方向長さよりも長く、
    前記第一斜面が、前記周溝に設けた傾斜面であって前記第一斜面と同じ傾斜の傾斜面に押し当てられ、前記突起が前記周溝内で軸方向に弾性変形した状態となることで、前記突起が前記周溝に対する固定機能を発揮するボールねじ用シール。
  2. 前記突起は、前記円筒体の周方向に不連続に形成され、前記突起がない部分の前記円筒体の断面円での中心角が180°未満である請求項1記載のボールねじ用シール。
  3. 前記円筒体が軸方向に延びるスリットを有することで、前記突起が不連続に形成されている請求項記載のボールねじ用シール。
  4. 前記円筒体は、前記ナットの内側に配置される第一円筒部と、前記第一円筒部と一体に形成されて前記ナットの軸方向外側に配置され、前記ねじ軸の前記螺旋溝に入るリップ部を有する第二円筒部と、を有し、
    前記突起は前記第一円筒部に形成されている請求項1〜のいずれか1項に記載のボールねじ用シール。
  5. 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、
    内周面に螺旋溝が形成されたナットと、
    前記ねじ軸の前記螺旋溝と前記ナットの前記螺旋溝とで形成される軌道の間に配置された複数のボールと、
    前記ナットの軸方向端部に固定され、前記ねじ軸の外周面と対向する内周縁部を有する円筒体を備えたシールと、
    を備え、
    前記ナットの軸方向端部の内周面に周溝が形成され、
    前記シールは、前記円筒体の外周面から径方向に突出する突起を有し、
    前記突起は、前記円筒体の径方向に対して傾いた斜面を有し、
    前記突起は、前記斜面として、前記ナットの軸方向端部側に配置される第一斜面と、前記第一斜面よりも前記ナットの軸方向中央部側に配置される第二斜面とを有し、
    前記突起の軸方向長さは前記ナットの周溝の軸方向長さよりも長く、
    前記周溝は、前記ナットの軸方向端部側に前記第一斜面と同じ傾斜の傾斜面を有し、
    前記突起が前記周溝内で軸方向に弾性変形した状態となり、前記第一斜面が前記傾斜面に押し当たることで、前記シールが前記周溝に固定され、
    前記内周縁部が前記ねじ軸の外周面と対向しているボールねじ。
  6. 前記突起は、前記円筒体の周方向に不連続に形成され、前記突起がない部分の前記円筒体の断面円での中心角が180°未満である請求項記載のボールねじ。
  7. 前記円筒体が軸方向に延びるスリットを有することで、前記突起が不連続に形成されている請求項記載のボールねじ。
  8. 前記円筒体は、前記ナットの内側に配置される第一円筒部と、前記第一円筒部と一体に形成されて前記ナットの軸方向外側に配置され、前記ねじ軸の前記螺旋溝に入るリップ部を有する第二円筒部と、を有し、
    前記突起は前記第一円筒部に形成され、
    前記第一円筒部が前記ナットの内側に配置され、前記第二円筒部が前記ナットの軸方向外側に配置され、前記リップ部が前記ねじ軸の前記螺旋溝に入っている請求項5〜7のいずれか1項に記載のボールねじ。
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