JP2017048757A - 液化ガス昇圧装置、液化ガスの昇圧方法および燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液化ガスを昇圧する往復動式の昇圧ポンプと、昇圧ポンプを駆動させるクランク軸と、クランク軸を回転させる油圧モータと、油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプと、油圧モータの下流に設けられる制御弁と、クランク軸の回転速度を計測する回転速度計と、回転速度計により計測される回転速度に基づき、制御弁の開度を調節することで油圧モータからの作動油の排出量を制御する流量制御部と、を備える、液化ガス昇圧装置である。
【選択図】図1
Description
危険区域に配置することができる昇圧ポンプとして、往復式ポンプを用いることができる。昇圧ポンプとして往復式ポンプを用いる場合、油圧モータの回転運動は、例えばクランク軸を用いて往復式ポンプのピストンの往復運動に変換される。
クランク軸の回転位置が最大負荷の位置よりも手前にあるとき、クランク軸の回転に伴って負荷が上昇する。負荷の上昇に伴い油圧モータの回転速度が低下する。また、クランク軸の負荷を油圧モータのトルクが超えるように、油圧モータの上流側と下流側の作動油の圧力差が上昇する。油圧モータの下流側の作動油の圧力が一定である場合、油圧モータの上流側の作動油の圧力が上昇し、作動油が圧縮される。
液化ガスを昇圧する往復動式の昇圧ポンプと、
前記昇圧ポンプを駆動させるクランク軸と、
前記クランク軸を回転させる油圧モータと、
前記油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプと、
前記油圧モータの下流側に配置される制御弁と、
前記クランク軸の回転速度を計測する回転速度計と、
前記回転速度計により計測される回転速度に基づき、前記制御弁の開度を調節することで前記油圧モータからの作動油の排出量を制御する流量制御部と、
を備えることを特徴とする。
前記油圧モータと前記制御弁とを接続し、前記油圧モータから前記制御弁へ作動油を排出する第2の配管と、
をさらに備え、
前記第2の配管内の作動油の容積が、前記第1の配管内の作動油の容積よりも小さい、ことが好ましい。
前記流量制御部は前記制御弁と離して非危険区域に配置される、ことが好ましい。
前記回転速度計により計測される回転速度に基づき、前記油圧ポンプによる作動油の吐出量を調節するポンプ制御部をさらに備えることが好ましい。
前記液化ガス昇圧装置と、
前記液化ガス昇圧装置により昇圧された液化ガスを加熱する加熱装置と、
を備えることを特徴とする。
前記クランク軸の回転速度を計測し、計測された回転速度に基づき、前記油圧モータの下流側に配置される制御弁の開度を調節することで前記油圧モータからの作動油の排出量を制御する、ことを特徴とする。
本実施形態の燃料供給装置10は、液体燃料を用いる推進用エンジンで航行する船舶、例えば、バラ積み貨物船、コンテナ船、液体燃料の運搬船(液化天然ガスを運搬するLNG運搬船等)において、液体燃料を昇圧して推進用エンジン(内燃機関2)で利用するのに用いられる。
本実施形態の燃料供給装置10は、図1に示すように、液体燃料タンク11と、低圧燃料供給管12と、昇圧部20と、油圧ユニット30と、高圧燃料供給管13と、加熱装置14と、高温燃料供給管15と、調圧弁16と、圧力計17と、等を備える。燃料供給装置10のこれらの構成要素は全て船舶に搭載される。
液体燃料タンク11内には、低圧燃料供給管12の一端が挿入されている。低圧燃料供給管12の液体燃料タンク11内の端部には、ブースターポンプ12aが設けられている。ブースターポンプ12aは低圧燃料供給管12を介して液体燃料タンク11内の液体燃料を昇圧部20に搬送する。
昇圧部20は、低圧燃料供給管12から搬送された液体燃料を昇圧して高圧燃料供給管13へ吐出する。昇圧部20の詳細については後述する。
エンジン制御部6には、回転数計5から計測信号が入力されるとともに操作部7から出力指令信号が入力される。エンジン制御部6は、出力指令信号と計測信号とに基づき、調圧弁16の開度を調整する。出力指令信号は、プロペラ4の推進力を所定の値とするのに必要な内燃機関2の出力を指定する信号であり、例えば、船舶の操作卓を介して入力される。例えば、エンジン制御部6は、出力指令信号により指定される主軸3の回転数(指令値)よりも、回転数計5による計測値が高ければ調圧弁16の開度を下げ、指令値よりも計測値が低ければ調圧弁16の開度を上げる。
また、高温燃料供給管15には、圧力計17が設けられている。圧力計17は高温燃料供給管15内の圧力を計測し、計測信号を後述する油圧ユニット30の燃料圧力制御部41に出力する。
次に、昇圧部20について説明する。昇圧部20は、油圧ユニット30とともに液化ガス昇圧装置を構成する。昇圧部20は、それぞれ、昇圧ポンプ21A、21B、21Cと、クランク軸28と、等を備える。
昇圧ポンプ21A、21B、21Cは、低圧燃料供給管12と高圧燃料供給管13との間に並列に設けられており、低圧燃料供給管12から供給される液体燃料を昇圧し、高圧燃料供給管13を介して加熱装置14に供給する。昇圧ポンプ21A、21B、21Cは、往復式ポンプである。昇圧ポンプ21Aは、昇圧用シリンダ22A、昇圧用ピストン23A、連接棒24Aを有する。昇圧ポンプ21Bは、昇圧用シリンダ22B、昇圧用ピストン23B、連接棒24Bを有する。昇圧ポンプ21Cは、昇圧用シリンダ22C、昇圧用ピストン23C、連接棒24Cを有する。
昇圧用ピストン23A、23B、23Cは、それぞれ昇圧用シリンダ22A、22B、22C内で往復動することにより、低圧燃料供給管12から昇圧用シリンダ22A、22B、22C内に液体燃料を吸入し、吸入した液体燃料を昇圧して高圧燃料供給管13へ吐出する。
連接棒24A、24B、24Cはそれぞれ昇圧用ピストン23A、23B、23Cとクランク軸28とを接続し、クランク軸28の回転運動を昇圧用ピストン23A、23B、23Cの直線運動に変換する。
なお、クランク軸28の負荷は、昇圧用ピストン23A、23B、23Cのそれぞれを昇圧用シリンダ22A、22B、22C内に押し込むことで昇圧用シリンダ22A、22B、22Cの液化ガスの吐出を開始するときに最も大きくなる。昇圧用ピストン23A、23B、23Cの往復運動の位相が120°ずつずれているため、クランク軸28を回転させるための負荷は、クランク軸28が1回転する間に3回、最大となる。このため、クランク軸28の回転速度(角速度)はクランク軸28の回転周波数の3倍の周波数で変動しうることとなる。同様に、n個の昇圧用ピストンをクランク軸で駆動する場合、クランク軸28を回転させるための負荷は、クランク軸28が1回転する間にn回、最大となり、クランク軸28の回転速度(角速度)はクランク軸28の回転周期のn倍の周波数で変動しうることとなる。
なお、回転速度計29によるサンプリング周波数を所定の値(fとする)とし、f/2よりも大きい周波数での負荷の変動を無視してもよい。この場合でも、動作が不安定となる低速回転時に、後述するように、クランク軸28の回転速度(角速度)の変動を抑制することができる。運用が想定される低速回転時に前記条件を満たすため、クランク軸28が一回転する間に回転速度(角速度)を複数回計測できる回転速度計29を設置する。
油圧ユニット30は、配管31〜35と、圧力計39と、作動油タンク40と、燃料圧力制御部41と、流量制御部42と、回転数圧力計算部43と、ポンプ制御部44と、油圧ポンプ51と、駆動モータ52と、油圧モータ53と、制御弁54と、圧力調整弁55と、等を備える。
配管32は油圧ポンプ51と油圧モータ53とを接続する。油圧ポンプ51から吐出される作動油は配管32を通じて油圧モータ53に供給される。
配管33は油圧モータ53と制御弁54とを接続する。配管34は制御弁54と圧力調整弁55とを接続する。配管35は圧力調整弁55と作動油タンク40とを接続する。油圧モータ53の駆動に用いられた作動油は、配管33〜35を通じて作動油タンク40に戻される。
作動油タンク40には、配管31〜35を循環する作動油が貯留される。油圧ポンプ51は、配管32を通じて油圧モータ53に作動油を搬送する。油圧ポンプ51は可変容量形のポンプであり、例えば、斜板式の可変容量形ポンプを油圧ポンプ51として用いることができる。
駆動モータ52は、油圧ポンプ51を駆動するモータである。油圧ポンプ51として斜板式の可変容量形ポンプを用いる場合には、斜板により作動油の吐出量を調整することができるため、駆動モータ52を一定速度で回転させればよい。
制御弁54は油圧モータ53よりも下流側に設けられ、配管31〜35を流れる作動油の流量を調整する。制御弁54の開度は流量制御部42から開度信号が入力されることにより、調整される。
圧力調整弁55は、配管34内の圧力を低圧(例えば、0.5MPa以下)に調整する。
例えば、燃料圧力制御部41は、燃料圧力指令信号により指定される高温燃料供給管15内の燃料の圧力よりも、圧力計17による計測値が高ければ、クランク軸28の回転数が下がるように、回転数指令信号を出力する。一方、燃料圧力指令信号により指定される高温燃料供給管15内の燃料の圧力よりも、圧力計17による計測値が低ければ、燃料圧力制御部41は、クランク軸28の回転数が上がるように、回転数指令信号を出力する。
例えば、流量制御部42は、回転数指令信号により指定されるクランク軸28の回転数に対応する回転速度(指令値)よりも、回転速度計29による回転速度の計測値が高ければ、制御弁54の開度を下げる。すると、油圧モータ53と制御弁54との間の配管33内の作動油の圧力が上昇し、油圧ポンプ51と油圧モータ53との間の配管32内の作動油の圧力との差が小さくなるため、油圧モータ53のトルクが小さくなり、クランク軸28の回転速度が低下する。
一方、流量制御部42は、回転数指令信号により指定されるクランク軸28の回転数に対応する回転速度(指令値)よりも、回転速度計29による回転速度の計測値が低ければ、制御弁54の開度を上げる。すると、油圧モータ53と制御弁54との間の配管33内の作動油の圧力が低下し、油圧ポンプ51と油圧モータ53との間の配管32内の作動油の圧力との差が大きくなるため、油圧モータ53のトルクが大きくなり、クランク軸28の回転速度が上昇する。
上述したように、クランク軸28の回転速度(角速度)はクランク軸28の回転周波数の3倍の周波数で変動する。本実施形態においては、クランク軸28の回転速度の変動を回転速度計29によって計測することでクランク軸28の負荷の変動を検出し、負荷の変動に応じて油圧モータ53のトルクを変動させることで、クランク軸28の回転速度の変動を抑制することができる。
また、油圧モータ53の下流側の配管33内の圧力を変動させることで油圧モータ53のトルクを調整するため、油圧モータ53の上流側の配管32の作動油の圧力が変動することで作動油の容積が変動することを抑制することができる。このため、作動油の圧力の周期的な変動によって定在波が生じることを抑制し、作動油の配管に大きな圧力変動が生じることを防ぎ、油圧モータ53の動作を安定させることができる。
ポンプ制御部44には、回転数圧力計算部43から作動油圧指令信号が入力されるとともに、圧力計39から計測信号が入力される。ポンプ制御部44は、作動油圧指令信号と計測信号とに基づき、油圧ポンプ51の吐出量を調整する。例えば、ポンプ制御部44は、作動油圧指令信号により指定される作動油の圧力(指令値)よりも、圧力計39による計測値が高ければ油圧ポンプ51の吐出量を下げ、指令値よりも計測値が低ければ油圧ポンプ51の吐出量を上げる。
ここで、油圧ポンプ51と油圧モータ53とが危険区域と非危険区域とに離れて配置されることで、油圧ポンプ51と油圧モータ53との間の配管32内の作動油の容積が大きくなる。このため、油圧ポンプ51の吐出量を変動させてから、配管32内の作動油の圧力が変化して油圧モータ53の回転数が変化するまでの時間が長くなるという問題がある。
上記説明における温度、圧力は一例であり、本発明はこれに限られるものではない。
28 クランク軸
29 回転速度計
31〜35 配管
42 流量制御部
44 ポンプ制御部
51 油圧ポンプ
53 油圧モータ
54 制御弁
Claims (9)
- 液化ガスを昇圧する往復動式の昇圧ポンプと、
前記昇圧ポンプを駆動させるクランク軸と、
前記クランク軸を回転させる油圧モータと、
前記油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプと、
前記油圧モータの下流側に配置される制御弁と、
前記クランク軸の回転速度を計測する回転速度計と、
前記回転速度計により計測される回転速度に基づき、前記制御弁の開度を調節することで前記油圧モータからの作動油の排出量を制御する流量制御部と、
を備える、液化ガス昇圧装置。 - 前記油圧ポンプと前記油圧モータとを接続し、前記油圧ポンプから前記油圧モータへ作動油を供給する第1の配管と、
前記油圧モータと前記制御弁とを接続し、前記油圧モータから前記制御弁へ作動油を排出する第2の配管と、
をさらに備え、
前記第2の配管内の作動油の容積が、前記第1の配管内の作動油の容積よりも小さい、請求項1に記載の液化ガス昇圧装置。 - 前記油圧モータおよび前記制御弁は危険区域に配置され、
前記流量制御部は前記制御弁と離して非危険区域に配置される、請求項1又は2に記載の液化ガス昇圧装置。 - 前記制御弁の開度は作動油によって調整される、請求項3に記載の液化ガス昇圧装置。
- 前記油圧ポンプは可変容量形であり、
前記回転速度計により計測される回転速度に基づき、前記油圧ポンプによる作動油の吐出量を調節するポンプ制御部をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液化ガス昇圧装置。 - 前記流量制御部は、前記クランク軸の回転周波数よりも大きい周波数での回転速度の変動を抑制するように、前記制御弁の開度を調節する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液化ガス昇圧装置。
- 前記回転速度計は、前記クランク軸が一回転する間に角速度を複数回計測する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液化ガス昇圧装置。
- 内燃機関に液化ガスを燃料として供給する燃料供給装置であって、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の液化ガス昇圧装置と、
前記液化ガス昇圧装置により昇圧された液化ガスを加熱する加熱装置と、
を備える、燃料供給装置。 - 油圧ポンプによって作動油を油圧モータに供給し、前記油圧モータによってクランク軸を回転させ、前記クランク軸によって駆動される往復動式の昇圧ポンプによって液化ガスを昇圧させる液化ガスの昇圧方法であって、
前記クランク軸の回転速度を計測し、計測された回転速度に基づき、前記油圧モータの下流側に配置される制御弁の開度を調節することで前記油圧モータからの作動油の排出量を制御することで、前記クランク軸の回転速度の変動を抑制する、液化ガスの昇圧方法。
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