JP6450956B1 - 燃料供給装置及び燃料供給方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の負荷が変化して複数の往復式ポンプによる燃料の吐出量を変化させるときでも、往復式ポンプに起因する燃料の圧力の脈動を抑制して吐出量を変更する。【解決手段】複数の往復式ポンプそれぞれの燃料の吐出及び吸入を繰り返す動作は同じであるが、前記吐出及び前記吸入の動作タイミングはお互いに異なり、前記吸入と前記吐出の1サイクルの時間を往復式ポンプの数で割った時間だけ、往復式ポンプのいずれか1つに対して動作タイミングがずれるように、昇圧用ピストンの前進及び後退を制御し、しかも、複数の往復式ポンプの吐出量の合計量が時間によらず一定量となるように複数の往復式ポンプそれぞれの動作は制御される。内燃機関の負荷が変化するとき、1回の吐出における前記燃料の吐出量を一定に維持しつつ、前記内燃機関の負荷の変化に応じて、吐出期間の長さ吸入の期間の長さを同じ比率で増加あるいは減少させるように前記往復式ポンプを制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関に燃料を供給する燃料供給装置及び燃料供給方法に関する。
従来の船舶においては、低速での出力が可能であり、プロペラに直結して駆動することができる、2ストロークサイクルの低速ディーゼルエンジンが用いられている。
近年、低速ディーゼルエンジンの燃料として、NO、SO排出量の少ない天然ガスが注目されている。低速ディーゼルエンジンの燃焼室に高圧の天然ガスを燃料として噴射して燃焼させることで、高熱効率で出力が得られる。
例えばクランク軸を用いて回転運動を往復運動に変えることで、往復式ポンプを駆動することが行われている。クランク軸を用いて往復式ポンプのピストンを駆動する場合、ピストンストロークがクランク軸によって定まるため、ピストンストロークを自由に調整することができない。また、複数の往復式ポンプを同一のクランク軸によって駆動する場合、往復式ポンプのそれぞれを独立して制御することができなかった。
一方、特許文献1には、内燃機関の燃焼室内へ燃料を供給する燃料供給装置において、複数の往復式ポンプを用いて燃料を吸入し、昇圧して吐出する際に生じる往復式ポンプに起因する燃料の圧力の脈動を低減するために、複数の往復式ポンプの動作を制御する技術が知られている(特許文献1)。
この技術では、具体的に、複数の往復式ポンプそれぞれの昇圧用ピストンが同一の周期で往復する。さらに、少なくとも1つの往復式ポンプにおいて昇圧用ピストンの第2の方向への移動速度が加速することで燃料の単位時間当たりの吐出量が増加する間に、他の往復式ポンプにおいて昇圧用ピストンの第2の方向への移動速度が減速することで燃料の単位時間当たりの吐出量が減少する。これにより、往復式ポンプから吐出される燃料の単位時間当たりの吐出量の和が一定値となるように、昇圧用ピストンの動作は制御されている。さらに、1つの往復式ポンプにおいて昇圧用ピストンの第2の方向への移動速度が減速することで燃料の単位時間当たりの吐出量が減少する間に、他の往復式ポンプにおいて昇圧用ピストンの第2の方向への移動速度が加速することで燃料の単位時間当たりの吐出量が増加することで、複数の往復式ポンプから吐出される燃料の単位時間当たりの吐出量の和が一定値となるように、昇圧用ピストンの動作は制御されている。例えば、往復式ポンプの昇圧用ピストンが前進する移動速度が低下を開始する前進速度低下開始点と、別の往復式ポンプの昇圧用ピストンが前進を開始する前進速度増加開示点とを合わせることにより、昇圧用ピストンの動作タイミング及び昇圧用ピストンの先端位置を往復式ポンプ間で合わせる制御が行われる。
特許第5934409号公報
内燃機関の負荷が変化して、必要とする燃料の吐出量が変化する場合、上記技術における吐出量の調整では、往復式ポンプの昇圧用ピストンの移動速度をそれぞれ個別に調整するため、吐出量の和が一定値となるように、異なる昇圧用ピストンの動作タイミングを正確に調整する必要がある。例えば、昇圧用ピストンの移動速度の調整に伴って、往復式ポンプの昇圧用ピストンが前進する移動速度が低下を開始する前進速度低下開始点と、別の往復式ポンプの昇圧用ピストンが前進を開始する前進速度増加開示点とを、正確に合わせる必要がある。しかし、この動作タイミングを正確に合わせることは難しく、脈動が発生しやすい。また、動作タイミングの調整が可能であるとしても調整の時間を要し、調整の効果が生じるまでの期間、脈動が生じやすい。
そこで、本発明は、内燃機関の負荷が変化して複数の往復式ポンプによる燃料の吐出量を変化させるときでも、往復式ポンプに起因する燃料の圧力の脈動を抑制して吐出量を変更することができる燃料供給装置及び燃料供給方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、内燃機関の燃焼室内へ燃料を供給する燃料供給装置である。当該燃料供給装置は、
昇圧用ピストン及び前記昇圧用ピストンが軸方向に前進及び後退するシリンダ内空間を有するシリンダを有し、前記昇圧用ピストンの後退により前記燃料を前記シリンダ内空間に吸入し、前記昇圧用ピストンの前進により前記燃料を昇圧して前記シリンダ内空間から吐出する複数の往復式ポンプと、
前記往復式ポンプそれぞれの前記昇圧用ピストンに接続し、前記昇圧用ピストンを前進及び後退させる、前記往復式ポンプそれぞれに対応して設けられた複数のリニアアクチュエータと、
予め時間軸上で移動速度を規定した前記昇圧用ピストンの移動速度データに基づいて、前記リニアアクチュエータを介して前記複数の往復式ポンプの動作の制御をする制御部と、を備える。
前記制御部は、
前記内燃機関の負荷が一定のとき、
前記複数の往復式ポンプの動作の制御において、前記往復式ポンプそれぞれによる1回の燃料の吐出と1回の燃料の吸入を1サイクルと
して前記1サイクルの時間を互いに同じにして、サイクルを繰り返すように前記往復式ポンプを制御し、
前記往復式ポンプそれぞれの前記燃料の吐出及び吸入の動作タイミングはお互いに異なり、前記1サイクルの時間を前記往復式ポンプの数で割った時間だけ、前記往復式ポンプのいずれか1つに対して前記動作タイミングがずれるように、前記昇圧用ピストンの前進及び後退を制御し、
前記往復式ポンプそれぞれの前記燃料の吐出期間は、前記燃料の単位時間当たりの吐出量が前記往復式ポンプの間で同じ一定量を維持する一定量吐出期間と、前記吐出量がゼロから前記一定量に増加する吐出量増加期間と、前記吐出量が前記一定量からゼロに低下する吐出量低下期間と、を含み、
前記往復式ポンプいずれの前記吐出量増加期間は、前記往復式ポンプの別の1つにおける前記吐出量低下期間と一致し、前記往復式ポンプいずれの前記吐出量低下期間は、前記往復式ポンプの別の1つにおける前記吐出量増加期間と一致し、かつ、一致する前記吐出量増加期間と前記吐出量低下期間の各時間における前記吐出量の合計量は、前記一定量となるように、前記制御部は前記往復式ポンプの前記動作タイミングを制御し、さらに、前記往復式ポンプの前記一定量吐出期間は、互いに重なることがないように、前記制御部は前記往復式ポンプの前記動作タイミングを制御する。
前記制御部は、
前記内燃機関の負荷が変化するとき、
前記複数の往復式ポンプの動作の前記制御において、前記移動速度データの時間軸を、前記負荷の変化に応じた比率で拡縮し、かつ、前記移動速度データの移動速度を、前記比率の逆数倍した拡縮移動速度データに基づいて、前記昇圧用ピストンの動作を制御することにより、前記燃料の吐出量を変更する。
前記往復式ポンプによる1回の前記吸入の時間長さは、1回の前記吐出の時間長さに比べて長い、ことが好ましい。
前記吸入期間における前記昇圧用ピストンの後退時の移動速度の絶対値の最大値は、前記吐出期間における前記昇圧用ピストンの前進時の移動速度の絶対値の最大値に比べて小さい、ことが好ましい。
前記1サイクルの期間中、前記昇圧用ピストンが連続して停止しない、ことが好ましい。
前記往復式ポンプは、奇数個設けられている、ことが好ましい。
前記吐出量増加期間の長さ及び前記吐出量低下期間の長さは、前記一定量吐出期間の長さの10%〜30%である、ことが好ましい。
前記吐出量増加期間の開始点と前記吐出量増加期間の終了点との間の、前記吐出量増加期間の終了点を含む一期間における前記昇圧用ピストンの前進時の加速度の絶対値が、前記吐出量増加期間の終了点に向かうにつれて小さくなり、前記吐出量低下期間の開始点と前記吐出量低下期間の終了点との間の、前記吐出量低下期間の終了点を含む一期間における前記昇圧用ピストンの前進時の加速度の絶対値が、前記吐出量低下期間の終了点に向かうにつれて小さくなるように、前記昇圧用ピストンを制御する、ことが好ましい。
前記往復式ポンプの数をNとし、前記一定量吐出期間の長さをT1とし、前記吐出量増加期間及び前記吐出量低下期間の長さをT2として、前記吸入の期間の長さは、(N−1)×T1+(N−2)×T2である、ことが好ましい。
本発明の他の一態様は、内燃機関の燃焼室内へ複数の往復式ポンプを用いて燃料を供給する燃料供給方法である。当該燃料供給方法は、
前記内燃機関の負荷が一定のとき、
前記往復式ポンプそれぞれの昇圧用ピストンは、予め時間軸上で移動速度を規定した前記昇圧用ピストンの移動速度データに基づいて軸方向に往復するように、リニアアクチュエータを介して駆動されることにより前記往復式ポンプそれぞれは、シリンダから1回の燃料の吸入と1回の燃料の吐出を1サイクルとしてサイクルを繰り返し、前記往復式ポンプそれぞれの前記燃料の吐出及び吸入の動作タイミングはお互いに異なり、前記1サイクルの時間を前記往復式ポンプの数で割った時間だけ、前記往復式ポンプのいずれか1つに対して前記動作タイミングがずれるように、前記昇圧用ピストンは前進及び後退し、
前記往復式ポンプそれぞれの前記燃料の吐出期間は、前記燃料の単位時間当たりの吐出量が前記往復式ポンプの間で同じ一定量である一定量吐出期間と、前記吐出量がゼロから前記一定量に増加する吐出量増加期間と、前記吐出量が前記一定量からゼロに低下する吐出量低下期間と、を含み、
前記往復式ポンプそれぞれの前記吐出量増加期間は、前記往復式ポンプのうち別の1つの往復式ポンプの前記吐出量低下期間と一致し、前記往復式ポンプそれぞれの前記吐出量低下期間は、前記往復式ポンプのうち別の1つの往復式ポンプの前記吐出量増加期間と一致し、かつ、一致する前記吐出量増加期間と前記吐出量低下期間の各時間における前記吐出量の合計量は、前記一定量となり、前記往復式ポンプの前記一定量吐出期間は、互いに重なることがないように、前記昇圧用ピストンは前進及び後退する。
前記内燃機関の負荷が変化するとき、
前記移動速度データの時間軸を、前記負荷の変化に応じた比率で拡縮し、かつ、前記移動速度データの移動速度を、前記比率の逆数倍した拡縮移動速度データに基づいて、前記昇圧用ピストンの動作を制御することにより前記燃料の吐出量を変更する。
上述の燃料供給装置及び燃料供給方法によれば、内燃機関の負荷が変化して複数の往復式ポンプによる燃料の吐出量が変化させるときでも、往復式ポンプに起因する燃料の圧力の脈動を抑制して吐出量を変更することができる。
(a)〜(c)は、一実施形態の燃料供給装置が備える3つの往復式ポンプの昇圧用ピストンの前進及び後退する移動速度の時間履歴を示す図である。 一実施形態の燃料ガス供給装置の概略の構成図である。 一実施形態の燃料供給装置で用いるリニアアクチュエータおよび往復式ポンプの一例を説明する図である。 一実施形態の燃料供給装置で用いるリニアアクチュエータおよび往復式ポンプの一例を説明する図である。 一実施形態の燃料供給装置において、内燃機関の負荷が変化して燃料の吐出量を変化させるときの、昇圧用ピストンの移動速度の変化の一例を示す図である。 一実施形態の燃料供給装置に用いる往復式ポンプの燃料の吐出期間Teにおける昇圧用ピストンの移動速度の時間変化の一例を示す図である。 (a)は、一実施形態における3つの昇圧用ピストンの移動速度の時間波形の一例を重ねて表示したグラフ図であり、(b)は、3つの昇圧用ピストンの位置の時間波形の一例を重ねて表示したグラフ図である。
以下、一実施形態に係る燃料供給装置及び燃料供給方法を図面に基づいて説明する。
(燃料供給装置が行う燃料供給方法の概略説明)
図1(a)〜(c)は、一実施形態の燃料供給装置が備える3つの往復式ポンプの昇圧用ピストンの前進及び後退する移動速度の時間履歴を示す図である。図1(a)〜(c)では、時間軸線上が移動速度0であり、時間軸線より上方が前進を示し、時間軸線より下方が後退を示す。
昇圧用ピストンは、後退することにより燃料を往復式ポンプのシリンダ内空間に吸入し、前進することにより燃料を昇圧してシリンダ内空間から吐出する。
図1(a)〜(c)では、吐出期間Te中昇圧用ピストンは前進して、吸入期間Ts中、昇圧用ピストンは後退する。図1(a)〜(c)に示すように、吐出期間Teと吸入期間Tsは交互に繰り返される。
内燃機関の負荷が一定のとき、3つの往復式ポンプそれぞれによる1回の吐出と1回の吸入を1サイクルとして1サイクルの時間を互いに同じにして、サイクルを繰り返すように往復式ポンプは制御されている。
図1(a)〜(c)に示す昇圧用ピストンによる燃料の吸入及び吐出の動作に関して、往復式ポンプそれぞれの燃料の吐出及び吸入の動作タイミングはお互いに異なるが、吐出期間Te+吸入期間Tsを1サイクルの周期として、1サイクルの時間(周期)を往復式ポンプの数である3で割った時間だけ、往復式ポンプのいずれか1つに対して動作タイミングがずれるが、同じ動作をするように、昇圧用ピストンの前進及び後退が制御されている。したがって、図1(b)に示す吐出期間Teは、図1(a)に示す吐出期間Teに対して3分の1周期ずれている。図1(c)に示す吐出期間Teは、図1(a)に示す吐出期間Teに対して3分の2周期ずれ、図1(b)に示す吐出期間Teに対して3分の1周期ずれている。
往復式ポンプそれぞれの燃料の吐出吐出期間Teは、燃料の単位時間当たりの吐出量が往復式ポンプの間で同じ一定量を維持する一定量吐出期間Te1(図1(a)〜(c)に示す吐出期間Teのうち、移動速度が一定速度である期間)と、吐出量がゼロから一定量に増加する吐出量増加期間Te2(図1(a)〜(c)に示す吐出期間Teのうち、移動速度がゼロから一定速度に上昇する期間)と、吐出量が一定量からゼロに低下する吐出量低下期間Te3(図1(a)〜(c)に示す吐出期間Teのうち、移動速度が一定速度からゼロに低下する期間)と、を含む。
3つの往復式ポンプいずれの吐出量増加期間Te2も、往復式ポンプの別の1つにおける吐出量低下期間Te3と一致し、往復式ポンプいずれの吐出量低下期間Te3も、往復式ポンプの別の1つにおける吐出量増加期間Te2と一致し、かつ、一致する吐出量増加期間Te2と吐出量低下期間Te3の各時間における吐出量の合計量は、一定量吐出期間Te1における一定量となるように、往復式ポンプの動作タイミングは制御され、さらに、往復式ポンプの一定量吐出期間Te1は、互いに重なることがないように往復式ポンプの動作タイミングは制御される。
一方、内燃機関の負荷が変化するとき内燃機関が必要とする燃料も変化し、それに合わせて燃料供給装置が内燃機関に供給する燃料も変化する。このため、1サイクルの燃料の吐出総量(吐出期間Teにおける燃料の吐出量)を維持しつつ、往復式ポンプそれぞれの燃料の吐出期間Te及び吸入期間Tsの動作を時間的に同じ比率で拡縮して燃料の吐出量を変更する。具体的には、内燃機関の負荷の変化に応じて、3つの往復式ポンプの動作タイミングを崩すことなく、一定量吐出期間Te1の長さ、吐出量増加期間Te2の長さ、吐出量低下期間Te3の長さ、及び吸入期間Tsの長さを同じ比率で増加あるいは減少させるように往復式ポンプは制御される。一方、一定量吐出期間Te1における一定量の値が変更される。これにより、燃料の吐出量が変更される。
このように、各往復式ポンプの吸入期間Tsの間に、他の2つの往復式ポンプの吐出期間が来るように、動作タイミングが制御され、吐出量増加期間と吐出量低下期間を一致させて燃料の吐出量を一定量に維持するので、3つの往復式ポンプによる燃料の供給量は一定量とすることができる。このとき、内燃機関に供給する必要な燃料の供給量が変化しても、3つの往復式ポンプの動作タイミングを崩すことなく、往復式ポンプそれぞれの吐出期間Te及び吸入期間Tsの動作を時間的に同じ比率で拡縮して燃料の吐出量を変更するように往復式ポンプを制御する。すなわち、時間軸を一律に拡縮することにより、図1(a)〜(c)に示す時間履歴の波形を変化させるので、燃料の供給量を変化させる場合でも、図1(a)〜(c)における燃料の吐出及び吸入の動作のタイミングを維持することができる。すなわち、内燃機関の負荷が変化して複数の往復式ポンプによる燃料の吐出量を変化させるときでも、往復式ポンプに起因する燃料の圧力の脈動を抑制して吐出量を変更することができる。
(燃料供給装置及び燃料供給方法の具体的な説明)
以下、図1(a)〜(c)に示す移動速度で昇圧用ピストンが駆動する往復式ポンプを備える燃料供給装置を具体的に説明する。図2は、一実施形態の燃料供給装置10の概略構成を示す図である。燃料供給装置10は、液体燃料を昇圧・加熱し、内燃機関90の燃焼室内へ高圧で噴射して供給する装置である。内燃機関90はシリンダ内の燃焼室で燃料を燃焼させ、その熱エネルギーによって仕事をする原動機であり、例えばレシプロエンジン、ガスタービンである。特に、燃料を圧縮着火させるディーゼルエンジンを内燃機関90として用いることが好ましい。以下の一実施形態では、内燃機関90として船舶に搭載されるディーゼルエンジンを用いる場合について説明するが、船舶以外のディーゼルエンジンへの燃料供給装置に適用することもできる。
燃料供給装置10は、図2に示すように、液体燃料タンク11と、低圧燃料供給管12と、複数の燃料供給部20A、20B、20Cと、高圧燃料供給管13と、熱交換器14と、高温燃料供給管15と、調圧弁16と、圧力計17と、制御部80と、を備える。燃料供給装置10のこれらの構成要素は全て船舶に搭載される。
液体燃料タンク11は、内燃機関90に供給される燃料を液体の状態で貯留する。液体燃料タンク11に貯留される液体燃料として、例えば、液化メタン、液化エタン、液化プロパン等を用いることができる。液体燃料タンク11は、低圧燃料供給管12と接続されており、低圧燃料供給管12を介して液体燃料を燃料供給部20A、20B、20Cに供給する。
燃料供給部20A、20B、20Cとの接続部における低圧燃料供給管12内の液体燃料の圧力は、液体燃料タンク11内の液体燃料の温度、液面高さ等に応じて設定された圧力となっている。この圧力を高め有効吸込みヘッド(NPSH:Net Positive Suction Head)を確保し、燃料供給部20A、20B,20Cに液体燃料を供給しやすくするために、液体燃料タンク11は、燃料供給部20A、20B、20Cよりも高い位置に配置されている。
なお、液体燃料タンク11が高い位置に配置できない場合は、液体燃料タンク11に液体燃料を供給するブースターポンプにより液体燃料タンク11内の液体燃料の圧力を高めることで、有効吸込ヘッドを確保してもよい。
3つの燃料供給部20A、20B、20Cは、低圧燃料供給管12と高圧燃料供給管13との間に並列に設けられている。燃料供給部20A、20B、20Cのそれぞれは、コントローラ21と、リニアアクチュエータ30と、往復式ポンプ50とを備える。
往復式ポンプ50は、低圧燃料供給管12から供給される液体燃料を昇圧し、高圧燃料供給管13を介して熱交換器14に供給する。
リニアアクチュエータ30は往復式ポンプ50のピストンを駆動するものである。リニアアクチュエータ30を用いることで、クランク軸を用いる場合よりも往復式ポンプ50のピストンを低速で駆動することや、ピストン行程において往復式ポンプの液流入始め、液昇圧始め、液昇圧終了時以外は、ピストンが一定の速度で移動するように駆動制御することができる。リニアアクチュエータ30として、例えば、油圧シリンダユニット、電動シリンダユニット等を用いることができる。以下説明する一実施形態では、リニアアクチュエータ30として油圧シリンダユニットを用いる場合について説明する。
コントローラ21は、制御部80から入力される制御信号により制御され、リニアアクチュエータ30を制御する。また、コントローラ21には、後述するように、往復式ポンプ50のピストンの位置を示す位置信号が入力される
なお、図2においては、3つの燃料供給部20A、20B、20Cが低圧燃料供給管12と高圧燃料供給管13との間に並列に設けられているが、燃料供給部の数はこれに限られず、供給する燃料の量に応じて任意に変更することができる。例えば、燃料供給部の数は、3,5,7のような奇数である。
熱交換器14は、入口側が高圧燃料供給管13と接続され、出口側が高温燃料供給管15と接続されている。熱交換器14は、高圧燃料供給管13を介して供給される昇圧した液体燃料を加熱する。液体燃料を加熱する熱源として、例えば、液体燃料タンク11で発生するボイルオフガスの燃焼熱を用いることができる。例えば、ボイルオフガスの燃焼熱で加熱した温水との熱交換により液体燃料を加熱してもよい。
高温燃料供給管15には、調圧弁16が設けられており、高温燃料供給管15の一端は熱交換器14と、他端は内燃機関90の燃焼室と接続されている。熱交換器14で加熱後の液体燃料は、調圧弁16により内燃機関90が必要とする所定の範囲の圧力に調圧された後、高温燃料供給管15を介して内燃機関90の燃焼室に供給される。調圧弁16は制御部80により制御される。
ここで、内燃機関90が必要とする所定の範囲の圧力は、内燃機関90の種類や性能に応じて異なる。内燃機関90が船舶用の2ストロークサイクルの低速ディーゼルエンジンであれば、所定の範囲の圧力は、例えば5〜100MPa、好ましくは20〜70MPaであるが、これに限定されない。
また、高温燃料供給管15には、圧力計17が設けられている。圧力計17は高温燃料供給管15内の圧力を計測し、計測信号を制御部80に出力する。
制御部80には、内燃機関90から内燃機関90の負荷を示す信号が入力される。内燃機関90の負荷を示す信号は、例えば、回転数を示す信号である。
制御部80は、燃料供給部20A、20B、20Cに制御信号を出力することで、往復式ポンプ50の吐出期間Te,Tsの長さを調整して、1サイクルの間の燃料の吐出量を調整する。往復式ポンプ50の吐出量は、高温燃料供給管15内の圧力が、必要とされる内燃機関90の負荷に応じた圧力となるように調整される。
なお、内燃機関90により駆動される推進用プロペラ(図示せず)の回転数を計測し、回転数に応じて高温燃料供給管15内の圧力を調整してもよい。
液体燃料タンク11、低圧燃料供給管12、リニアアクチュエータ30、往復式ポンプ50、高圧燃料供給管13、熱交換器14、高温燃料供給管15、調圧弁16、圧力計17は、危険区域に配置される。一方、コントローラ21および制御部80は、一般に非防爆対応品であるが、防爆対応が出来ていない場合には、危険区域から防爆隔壁により隔離された非危険区域に配置するか、危険区域から十分に距離を隔てた非防爆区域に配置しなければならない。
次に、図3、図4を用いて、電動モータにサーボモータを使用したリニアアクチュエータ30および往復式ポンプ50の具体的な構成について詳細に説明する。図3及び図4は、一実施形態の燃料供給装置10で用いるリニアアクチュエータ30および往復式ポンプ50の一例を説明する図である。なお、以下の説明では、リニアアクチュエータ30として油圧シリンダユニットを用いる場合について説明するが、リニアアクチュエータ30は油圧シリンダユニットに限られるものではない。
図3、図4において、上下方向は鉛直方向と一致し、左右方向は水平方向と一致する。以下の説明では、鉛直方向の上方向を「上方」、上方の部分を「上部」、鉛直方向の下方を「下方」、下方向の部分を「下部」という。なお、以下の説明では、軸方向が鉛直方向となるように配置された構成のリニアアクチュエータ30および往復式ポンプ50について説明するが、この構成に限らず、軸方向が水平方向となる場合や角度を持たせた方向となるように配置されたリニアアクチュエータ30および往復式ポンプ50を用いてもよい。
リニアアクチュエータ30および往復式ポンプ50が軸方向を鉛直方向に向けて配置される。なお、図3、図4においては、リニアアクチュエータ30の下方に往復式ポンプ50が配置される例について説明するが、リニアアクチュエータ30の上方に往復式ポンプ50が配置されてもよい。
〔油圧シリンダユニット〕
図3、図4に示すように、油圧シリンダユニットであるリニアアクチュエータ30は、電動モータ31、油圧ポンプ32、第1の油圧配管33、第2の油圧配管34、固定部40、油圧シリンダ41、油圧ピストン42、等を備える。
油圧シリンダユニットは、架台100の天板101に設けられている。天板101は脚102により支持されており、脚102は船体の甲板や内底板等の構造体に固定される。
電動モータ31は天板101の上部に設けられている。電動モータ31はコントローラ21によって制御され、油圧ポンプ32を駆動する。電動モータ31には、例えばインバータモータ又はサーボモータが用いられる。
油圧ポンプ32は天板101の上部に設けられている。油圧ポンプ32は電動モータ31により駆動され、油圧シリンダ41内に作動油を供給することで油圧ピストン42を鉛直方向に移動させる。作動油としては、石油系作動油、合成系作動油、水成形作動油等から任意の作動油を採用することができる。
油圧ポンプ32は第1の油圧配管33および第2の油圧配管34と接続されている。油圧ポンプ32は電動モータ31によって駆動される。
電動モータ31がサーボモータである場合、電動モータ31の正逆の回転方向に応じて油圧ポンプ32から作動油が吐出される方向が切り替わる。例えば、電動モータ31の正回転時には、油圧ポンプ32は第1の油圧配管33内の作動油を吸引し、吸引した作動油を第2の油圧配管34側へ吐出する。また、電動モータ31の逆回転時には、油圧ポンプ32は第2の油圧配管34内の作動油を吸引し、吸引した作動油を第1の油圧配管33側へ吐出する。この場合、第1の油圧配管33および第2の油圧配管34に方向切替弁は不要である。
一方、電動モータ31がインバータモータである場合、作動油が流れる方向は、第1の油圧配管33および第2の油圧配管34に設けられる方向切替弁(図示せず)によって変更する。
なお、第1の油圧配管33および第2の油圧配管34内の作動油の流量、圧力は、油圧ポンプ32の吐出量によって決定される。電動モータ31がサーボモータである場合、電動モータ31がインバータモータである場合のいずれの場合も、作動油の流量、圧力は電動モータ31の回転数によって調整することができる。
固定部40は天板101に設けられた開口101a内に配置された状態で天板101に固定されている。固定部40の上部には油圧シリンダ41が固定され、固定部40の下部には往復式ポンプ50が固定されている。固定部40は中空の筒状であり、内部に空洞部48が設けられている。
油圧シリンダ41は、作動油を収容する作動油収容空間43を有し、軸方向が鉛直方向となるように天板101の上面に載置される。また、油圧シリンダ41の側壁には、作動油収容空間43の上端部に通じる上側貫通孔44、および、作動油収容空間43の下端部に通じる下側貫通孔45が設けられている。上側貫通孔44の外側開口部は第1の油圧配管33と接続されており、下側貫通孔45の外側開口部は第2の油圧配管34と接続されている。
油圧ピストン42には、ピストンリング42bが設けられている。油圧ピストン42は、ピストンリング42bを油圧シリンダ41の作動油収容空間43の内壁面と接触させながら鉛直方向に移動可能に作動油収容空間43内に収容されている。ピストンリング42bは油圧ピストン42と作動油収容空間43の内壁面との隙間を塞ぐ役割を果たす。
油圧ピストン42は作動油収容空間43を油圧ピストン42よりも上側の上側チャンバ43aと油圧ピストン42よりも下側の下側チャンバ43bとに区画する。
油圧ピストン42はダブルロッド型であり、油圧シリンダ41の上部および下部から外部へ突出するピストンロッド47を有している。ピストンロッド47は油圧ピストン42とともに上下動する。油圧ピストン42がダブルロッド型であるため、油圧ピストン42が上昇したときの上側チャンバ43aの容積の減少量と下側チャンバ43bの容積の増加量とが等しい。油圧ピストン42はシングルロッド型であってもよい。ただし、この場合は移動する作動油の量が変化することによる圧力変動が生じるので脈動防止タンクを設けるのが望ましい。
油圧シリンダ41のピストンロッド47が貫通する部分には、ブッシュ46が設けられている。ブッシュ46内にはオイルシールが組み込まれている。ブッシュ46はピストンロッド47を上下動可能に支持するとともに、作動油収容空間43から作動油が漏出することを防いでいる。
空洞部48内には、ピストンロッド47の下端部と、往復式ポンプ50の昇圧用ピストン52の上端部とを連結する連結部49が設けられている。連結部49はピストンロッド47の上下動に伴い、空洞部48内で上下動する。尚、連結部49は、油圧シリンダのピストンロッド47と往復式ポンプ50のピストン52の軸芯ズレ調整機能を持っている。
空洞部48には、往復式ポンプ50からのガス漏れ防止の観点から外部から室温の窒素ガスが供給されている。窒素ガスは往復式ポンプ50のロッドパッキン部57に供給してもよい。空洞部48が設けられることで、往復式ポンプ50内の低温熱源(液体燃料)への熱伝導が抑制され、ピストンロッド47を介して作動油収容空間43内の高温熱源(作動油)が冷却されるのを防ぐことができる。なお、防爆形ヒータや吸熱フィンを設けることで高温熱源が冷却されることを防いでもよい。
〔往復式ポンプ〕
往復式ポンプ50として、例えば特許第5519857号公報に記載されているのと同様の構造を有する往復式ポンプを用いることができる。
具体的には、往復式ポンプ50は、昇圧用シリンダ51と、昇圧用ピストン52と、シリンダライナ53と、カバー54と、弁箱60と、等を有する。
昇圧用シリンダ51の上端部は固定部40の下端部に固定されている。昇圧用シリンダ51の側壁は架台100の脚102に固定されている。昇圧用シリンダ51の上側部分にはロッドパッキン部57が設けられている。
昇圧用シリンダ51は内部に昇圧用ピストン52、シリンダライナ53、および弁箱60を収容する空間を有し、昇圧シリンダ51の下端部にはカバー54が固定されている。カバー54によってシリンダライナ53および弁箱60は昇圧用シリンダ51内で固定されている。
昇圧用シリンダ51の側壁には、内部に弁箱60が固定される高さの位置に、吸入口55が設けられている。吸入口55は低圧燃料供給管12と接続されている。
カバー54には、鉛直方向に貫通する吐出口56が設けられている。吐出口56は高圧燃料供給管13と接続されている。
ここで、弁箱60が昇圧用ピストン52よりも下方に設けられており、昇圧用ピストン52を鉛直上方に移動することにより昇圧用シリンダ51の内部であって昇圧用ピストン52の下部に燃料を吸入するため、往復式ポンプ50の吸入口55をより低い位置に配置することができる。吸入口55との接続部における低圧燃料供給管12内の液体燃料の圧力は、液体燃料タンク11内の液体燃料の液面の高さと吸入口55の高さとの差に比例する圧力となる。このため、吸入口55をより低い位置に配置することで、吸入口55との接続部における低圧燃料供給管12内の液体燃料の圧力を高めることができる。これにより、吸入口55から昇圧用シリンダ51内への燃料の供給を容易にすることができる。
昇圧用ピストン52の上端部は、連結部49によってピストンロッド47の下端部と連結されており、昇圧用ピストン52はピストンロッド47と連動して上下動する。
また、昇圧用ピストン52の上端部には、位置センサ70が設けられる。位置センサ70は、昇圧用ピストン52の鉛直方向の位置を検出し、位置信号をコントローラ21に出力する。なお、位置信号を用いて、昇圧用ピストン52の変位を時間微分することにより、昇圧用ピストン52の速度を求めることができる。すなわち、位置センサ70を速度センサとしても用いることができる。さらに、昇圧用ピストン52の速度を時間微分することにより、昇圧用ピストン52の加速度を求めることができる。すなわち、位置センサ70を加速度センサとしても用いることができる。
なお、位置センサ70は、図3,4に示す実施形態では、センサプローブ71(磁歪線)と、環状マグネット72と、検出器73とを有する磁歪式位置センサを例示している。位置センサ70は、昇圧用ピストン52の高さ方向の位置を示す位置信号をコントローラ21に出力する。
昇圧用ピストン52の下部にはライダーリング52aおよびピストンリング52bが設けられている。昇圧用ピストン52はライダーリング52aおよびピストンリング52bをシリンダライナ53の内壁面と接触させながら鉛直方向に移動可能にシリンダライナ53内に収納されている。ロッドパッキン部57にもライダーリング51aが装備されている。これらのライダーリング51a、52aは昇圧用ピストン52が鉛直方向に移動するときの水平方向の振れを補正する役割を果たす。ピストンリング52bは昇圧用ピストン52とシリンダライナ53の内壁面との隙間を塞ぎ、先端の昇圧された液体燃料の圧力を封止する役割を果たす。
弁箱60は昇圧用シリンダ51内でシリンダライナ53の下部に固定されている。弁箱60には、吐出流路61、吐出用弁体62、吸入流路64、吸入用弁体65、等が設けられている。
吐出流路61は弁箱60を鉛直方向に貫通するように設けられている。吐出流路61の内部には、吐出用弁体62が鉛直方向に移動可能に収容されている。吐出流路61の上端部側は内径が吐出用弁体62の外径よりも小さい細径部となっている。細径部の下側開口は、吐出用弁体62が配置される弁座63となっている。吐出用弁体62および弁座63により吐出弁が構成される。
吐出流路61の弁箱60の下側の開口はカバー54の吐出口56と対向する位置に設けられている。
吸入流路64は弁箱60の外側壁から弁箱60の上面であって昇圧用ピストン52の位置に連通する位置に設けられている。吸入流路64の弁箱60の外側壁側の開口は昇圧用シリンダ51の吸入口55と対向する位置に設けられている。
吸入流路64の弁箱60の上面側の開口の外周部は吸入用弁体65用の弁座66となっており、弁座66の上部に吸入用弁体65が鉛直方向に移動可能に設けられている。吸入用弁体65および弁座66により吸入弁が構成される。
〔リニアアクチュエータおよび往復式ポンプの動作〕
次に、電動モータにサーボモータを使用したリニアアクチュエータ30および往復式ポンプ50の動作について説明する。
まず、電動モータ31により油圧ポンプ32を駆動し、図3に示すように、上側チャンバ43a内の作動油を上側貫通孔44から排出し、第1の油圧配管33、第2の油圧配管34を経て下側貫通孔45から下側チャンバ43b(第1チャンバ)へ供給する。すると、下側チャンバ43bの容積が大きくなり、上側チャンバ43aの容積が小さくなるように、油圧ピストン42が作動油収容空間43内で上昇する。なお、第1の油圧配管33および第2の油圧配管は分岐等を有さないため、上側チャンバ43aから流出した作動油は全て下側チャンバ43bへ供給される。
油圧ピストン42が上昇すると、連結部49でピストンロッド47の下端部と連結されている昇圧用ピストン52がシリンダライナ53内で上昇する(後退する)。すると、吸入用弁体65が弁座66から離れて上昇し、吸入口55から供給される液体燃料が吸入流路64を通ってシリンダライナ53の内部であって昇圧用ピストン52の下部の空間に流入する。このとき、吐出用弁体62は弁座63を塞いだ状態である。
次に、コントローラ21により電動モータ31の回転方向を切り替え、油圧ポンプ32を図3とは反対方向に駆動し、図4に示すように、下側チャンバ43b内の作動油を下側貫通孔45から排出し、第2の油圧配管34、第1の油圧配管33を経て上側貫通孔44から上側チャンバ43aへ供給する。すると、下側チャンバ43bの容積が小さくなり、上側チャンバ43aの容積が大きくなるように、油圧ピストン42が作動油収容空間43内で下降する。なお、第1の油圧配管33および第2の油圧配管は分岐等を有さないため、下側チャンバ43bから流出した作動油は全て上側チャンバ43aへ供給される。
油圧ピストン42が下降すると、連結部49でピストンロッド47の下端部と連結されている昇圧用ピストン52がシリンダライナ53内で下降する(前進)。すると、シリンダライナ53の内部であって昇圧用ピストン52の下部の空間に吸入された液体燃料が吐出用弁体62を押し下げて弁座63から離し、吸入流路64を通って吐出口56から排出される。このとき、吸入用弁体65は弁座66を塞いだ状態である。
このように、電動モータ31の回転方向を切り替え、油圧ポンプ32の駆動方向を切り替えることで、上側チャンバ43aと下側チャンバ43bとの間で作動油を交互に行き来させ、油圧ピストン42および昇圧用ピストン52を鉛直方向に往復移動(前進、後退)させ、吸入口55から吸入した液体燃料を昇圧して吐出口56から吐出することができる。
このような実施形態において、燃料供給部20A、20B、20Cそれぞれの往復式ポンプ50の昇圧用ピストン52の動作は、制御部80によって制御されて、図1(a)〜(c)に示すような動作をする。
すなわち、制御部80は、内燃機関90の負荷が一定のとき、
往復式ポンプ50それぞれによる1回の燃料の吐出と1回の燃料の吸入を1サイクルとして1サイクルの時間を互いに同じにして、サイクルを繰り返すように往復式ポンプ50を制御する。このとき、往復式ポンプ50それぞれの燃料の吐出及び吸入の動作タイミングはお互いに異なり、1サイクルの時間を往復式ポンプの数である3で割った時間だけ、3つの往復式ポンプ50のいずれか1つに対して動作タイミングがずれるように、昇圧用ピストン52の前進及び後退を制御する。
往復式ポンプ50いずれの吐出量増加期間Te2も、往復式ポンプ50の別の1つにおける吐出量低下期間Te3と一致し、往復式ポンプ50いずれの吐出量低下期間Te3も、往復式ポンプ50の別の1つにおける吐出量増加期間Te2と一致し、かつ、一致する吐出量増加期間Te2と吐出量低下期間Te3の各時間における吐出量の合計量は、一定量吐出期間Te1における単位時間における吐出量の一定量と同じになるように、制御部80は往復式ポンプ50の動作タイミングを制御し、さらに、往復式ポンプ50の一定量吐出期間Te1は、互いに重なることがないように制御部80は往復式ポンプ50の動作タイミングを制御する。
内燃機関90の負荷が変化するとき、制御部80は、往復式ポンプ50それぞれの1サイクルの燃料の吐出総量を維持しつつ、往復式ポンプ50それぞれの燃料の吐出期間及び吸入期間の動作を時間的に同じ比率で拡縮して燃料の吐出量を変更する。具体的には、内燃機関90の負荷の変化に応じて、一定量吐出期間Te1の長さ、吐出量増加期間Te2の長さ、吐出量低下期間Te3の長さ、及び吸入の期間の長さTsを同じ比率で増加あるいは減少させるように往復式ポンプ50を制御する。
このように、内燃機関90の負荷が変化するとき、制御部80は、往復式ポンプ50それぞれの1サイクルの燃料の吐出総量を維持しつつ、往復式ポンプ50それぞれの燃料の吐出期間及び吸入期間の動作を時間的に同じ比率で拡縮して燃料の吐出量を変更するので、内燃機関90の負荷が変化して複数の往復式ポンプ50による燃料の吐出量が変化させるときでも、往復式ポンプ50に起因する燃料の圧力の脈動を抑制することができる。すなわち、3つの往復式ポンプ50の昇圧用ピストン52の動作を個別に制御するのではなく、図1(a)〜(c)に示すような昇圧用ピストン52の移動速度の時間波形の制御信号を、内燃機関90の必要とする燃料の必要量に対応するように、時間波形の時間軸に沿って一様に拡縮することにより、3つの往復式ポンプ50の動作を纏めて制御することができる。このため、内燃機関90の低負荷時から高負荷時まで、燃料の脈動のない安定した燃料の供給を行うことができる。
図5は、内燃機関90の負荷が変化して燃料の吐出量を変化させるときの、昇圧用ピストン52の移動速度の変化の一例を示す図である。図5では、移動速度の時間波形が、一定量吐出期間Te1、吐出量増加期間Te2、吐出量低下期間Te3、それぞれの長さが半分に変化するときの例である。この場合、移動速度Veは、移動速度2・Veになる。
移動速度の時間波形が、一定量吐出期間Te1、吐出量増加期間Te2、吐出量低下期間Te3、それぞれの長さがα倍に変化するときの例である。この場合、移動速度Veは、移動速度Ve/αになる。なお、制御部80は、上記α倍及び移動速度Ve/αを時間とともに変化させながら、燃料の吐出量を目標量になだらかに変化させる制御をおこなってもよい。
昇圧用ピストン52の先端位置が、昇圧用シリンダ51内で、内部の部材と衝突しないように、昇圧用ピストン52の位置を制御することは重要である。一実施形態では、昇圧用ピストン52の移動速度の他に昇圧用ピストン52の位置を制御することが好ましい。この制御を行う場合に、燃料の吐出量を変化させるとき、昇圧用ピストン52の移動速度の時間波形を、昇圧用ピストン52の位置の時間波形に変換(積分)し、この時間波形を一定の比率で拡縮し、拡縮した位置の時間波形に従がって、全ての昇圧用ピストン52の位置を制御することが好ましい。この場合、昇圧用ピストン52の位置の時間波形をα倍縮小した場合、移動速度Veは1/α倍に自動的に調整される。
図7(a)は、一実施形態における3つの昇圧用ピストン52の移動速度の時間波形(一点鎖線、実線、および破線の波形)の一例を重ねて表示したグラフ図であり、図7(b)は、3つの昇圧用ピストン52の位置の時間波形(一点鎖線、実線、および破線の波形)の一例を重ねて表示したグラフ図である。図7(b)に示す昇圧用ピストン52の位置の時間波形を横軸に沿って拡縮した時間波形を作成し、この時間波形を微分することにより3つの昇圧用ピストン52の移動速度の時間波形を求めることができる。したがって、3つの昇圧用ピストン52の移動速度が、設定された比率で時間軸に沿って拡縮した移動速度の時間波形に従って動作するように制御する場合、3つの昇圧用ピストン52の位置の時間波形を設定された比率で時間軸に沿って拡縮した時間波形に従がって昇圧用ピストン52が動作するように昇圧用ピストン52の位置の制御をすることも好ましい。
一実施形態によれば、図1(a)〜(c)に示すように、往復式ポンプ50による1回の燃料の吸入の時間長さ(吸入期間Tsの長さ)は、1回の吐出の時間長さ(吐出期間Teの長さ)に比べて長いことが好ましい。燃料の吐出期間Teから吸入期間Tsに変化するとき、昇圧用ピストン52の動作は吐出から吸入に変化する。このとき、燃料の吐出の動作では、昇圧用ピストン50に大きな負荷を作用させるためにリニアアクチュエータ30に導入する油圧量は多い一方、燃料の吸入の動作では、昇圧用ピストン50に小さな負荷を作用させるために、リニアアクチュエータ30に導入する油圧量は少ない。このときの吐出から吸入への動作の制御では、オーバーシュートが生じ易い。このため、オーバーシュートが制御によって確実に消滅して昇圧用ピストン50の動作を適切に制御するために、吸入期間Tsを長くすることが好ましい。
また、図1(a)〜(c)に示すように、吸入期間Ts時、昇圧用ピストン50の後退する移動速度の時間変化(加速度)は、吐出量低下期間Te3における移動速度の時間変化(加速度)に比べて小さくすることが好ましい。吸入期間Ts時、昇圧用ピストン50の後退する移動速度の時間変化が大きいと、吸入された燃料の圧力が急激に低下して、一部気化して気泡を発生させて往復式ポンプ50の吸入吐出性能を低下させるからである。吸入期間Tsの長さを長くして、吸入期間Ts時の昇圧用ピストン50の移動速度の時間変化(加速度)を小さくすることが好ましい。具体的には、燃料の吸入期間Tsにおける昇圧用ピストン52の後退時の移動速度の絶対値の最大値は、吐出期間Teにおける昇圧用ピストン52の前進時の移動速度の絶対値の最大値に比べて小さいことが好ましい。
図1(a)〜(c)では、吐出量増加期間Te2及び吐出量低下期間Te3の昇圧用ピストン52の移動速度の時間変化(加速度)は一定であるが、移動速度の時間変化は時間と共に変化してもよい。例えば、吐出量増加期間Te2における移動速度が一定量吐出期間Te1の移動速度に滑らかに接続されるために、吐出量増加期間Te2時、一定量吐出期間Te1に近づくに連れて移動速度の時間変化が低下するように構成してよい。この場合、吐出量低下期間Te3における昇圧用ピストン52の移動速度は、この吐出量低下期間Te3と、他の往復式ポンプ50における対応する時間における吐出量増加期間Te2との組み合わせによって、燃料の単位時間の吐出量の合計が時間によらず一定になるように調整される。
図1(a)〜(c)に示すように、1サイクルの期間中、昇圧用ピストン52が連続して停止しないことが好ましい。吐出期間Te以外は、吸入期間Tsとなっており、1サイクルの期間中、効率よく燃料の吐出、吸入を行うことができる。
燃料供給部20A,20B,20Cのそれぞれは、往復式ポンプ50を1つ備え、燃料供給部は、奇数個設けられていることが好ましい。奇数個の往復式ポンプ50では、内燃機関90の負荷が変化しても、脈動のない燃料の供給をすることが難しいが、上述したように、昇圧用ピストン52の移動速度の時間波形の制御信号を、内燃機関90の必要とする燃料の必要量に対応するように、時間波形の時間軸に沿って拡縮することができるので、奇数個の往復式ポンプ50による燃料の合計量が変動して脈動することを、容易に抑制することができる。
吐出量増加期間Te2の長さ及び吐出量低下期間Te3の長さは、一定量吐出期間Teの長さの10%〜30%である、ことが好ましい。より好ましくは、22.5%〜27.5%である。このような昇圧用ピストンの動作の制御においてオーバーシュートしても、吐出量増加期間Te2の長さ及び吐出量低下期間Te3の長さを確保することができオーバーシュートを解消することができる。また、昇圧用ピストン52の移動速度の時間変化の大きさを制限することができるので、安定した昇圧用ピストン52の制御を行うことができる。吐出量増加期間Te2の長さ及び吐出量低下期間Te3の長さが一定量吐出期間Teの長さの40%を超えると、時間によらず一定量の吐出を安定して行うことができる一定量吐出期間Te1が相対的に短くなり、吐出量増加期間Te2における吐出量と吐出量低下期間Te3における吐出量の合計量のばらつきが目立ち易くなり、脈動の効果が十分に得られなくなる。
また、図6に示すように、一定量吐出期間Te1前の吐出量増加期間Te2における昇圧用ピストン52の前進時の加速度の絶対値が、吐出量増加期間Te2の開始点と吐出量増加期間Te2の終了点との間の、吐出量増加期間Te2の終了点を含む一期間において、吐出量増加期間Te2の終了点に向かうにつれて小さくなり、一定量吐出期間Te1後の吐出量低下期間Te3における昇圧用ピストン52の前進時の加速度の絶対値が、吐出量低下期間Te3の開始点と吐出量低下期間Te3の終了点との間の、吐出量低下期間Te3の終了点を含む一期間において吐出量低下期間Te3の終了点に向かうにつれて小さくなるように、昇圧用ピストン52を制御することが、安定した制御を行なう上で好ましい。図6は、燃料の吐出期間Teにおける昇圧用ピストン52の移動速度の時間変化の一例を示す図である。


また、往復式ポンプ50の数をNとし、一定量吐出期間Te1の長さをT1とし、吐出量増加期間Te2及び吐出量低下期間Te3の長さをT2として、吸入期間Tsの長さは、(N−1)×T1+(N−2)×T2であることが好ましい。このような吸入期間Tsの長さを設定することにより、吸入期間Tsの間に、別の(N−1)個の往復式ポンプ50をすべて使用して、燃料の吐出量を一定量に揃えることができる。
このような燃料供給装置10では、以下の燃料供給方法を実行することができる。
内燃機関90の負荷が一定のとき、
複数の往復式ポンプ50それぞれは、リニアアクチュエータ30によって駆動され軸方向に往復する昇圧用ピストンを用いて、シリンダから1回の燃料の吸入と1回の燃料の吐出を1サイクルとしてサイクルを繰り返し、往復式ポンプ50それぞれの燃料の吐出及び吸入の動作タイミングはお互いに異なり、1サイクルの時間を往復式ポンプ50の数で割った時間だけ、往復式ポンプ50のいずれか1つに対して動作タイミングがずれるように、昇圧用ピストン52は前進及び後退する。このとき、記往復式ポンプ50それぞれの燃料の吐出期間Teは、一定量吐出期間Te1と、吐出量増加期間Te2と、吐出量低下期間Te3と、を含む。
往復式ポンプ50それぞれの吐出量増加期間Te1は、別の1つの往復式ポンプ50の吐出量低下期間Te3と一致し、いずれの往復式ポンプ50の吐出量低下期間Te3は、別の1つの往復式ポンプ50の吐出量増加期間Te2と一致し、かつ、一致する吐出量増加期間Te2と吐出量低下期間Te3の各時間における吐出量の合計量は、一定量吐出期間Te1の一定量となり、往復式ポンプ50の一定量吐出期間Te1は、互いに重なることがないように昇圧用ピストン52は前進及び後退する。
内燃機関90の負荷が変化するとき、
1サイクルの燃料の吐出総量を維持しつつ、往復式ポンプ50それぞれの燃料の吐出期間Te及び吸入期間Tsの動作を時間的に同じ比率で拡縮して燃料の吐出量を変更する。
このように、内燃機関90の負荷が変化するとき、1サイクルの燃料の吐出総量を維持しつつ、往復式ポンプ50それぞれの燃料の吐出期間Te及び吸入期間Tsの動作を時間的に同じ比率で拡縮して燃料の吐出量を変更するので、往復式ポンプ50に起因する燃料の圧力の脈動を抑制することができる。すなわち、複数の往復式ポンプ50の昇圧用ピストン52の動作を個別に制御するのではなく、図1(a)〜(c)に示すような昇圧用ピストン52の移動速度の時間波形の制御信号を、内燃機関90の必要とする燃料の必要量に対応するように、時間波形の時間軸に沿って一様に拡縮することにより、複数の往復式ポンプ50の動作を纏めて制御することができる。このため、内燃機関90の低負荷時から高負荷時まで、燃料の脈動のない安定した燃料の供給を行うことができる。
以上、本発明の燃料供給装置及び燃料供給方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 燃料供給装置
11 液体燃料タンク
12 低圧燃料供給管
13 高圧燃料供給管
14 熱交換器
15 高温燃料供給管
16 調圧弁
17 圧力計
20A、20B、20C 燃料供給部
21 コントローラ
30 リニアアクチュエータ
31 電動モータ
32 油圧ポンプ
33 第1の油圧配管
34 第2の油圧配管
41 油圧シリンダ
42 油圧ピストン
42b、52b ピストンリング
43 作動油収容空間
43a 上側チャンバ
43b 下側チャンバ
47 ピストンロッド
48 断熱空洞部
49 連結部
50 往復式ポンプ
51 昇圧用シリンダ
51a、52a ライダーリング
52 昇圧用ピストン
53 シリンダライナ
54 カバー
55 吸入口
56 吐出口
57 ロッドパッキン部
60 弁箱
61 吐出流路
62 吐出用弁体
63、66 弁座
64 吸入流路
65 吸入用弁体
70 位置センサ
80 制御部
90 内燃機関

Claims (9)

  1. 内燃機関の燃焼室内へ燃料を供給する燃料供給装置であって、
    昇圧用ピストン及び前記昇圧用ピストンが軸方向に前進及び後退するシリンダ内空間を
    有するシリンダを有し、前記昇圧用ピストンの後退により前記燃料を前記シリンダ内空間
    に吸入し、前記昇圧用ピストンの前進により前記燃料を昇圧して前記シリンダ内空間から
    吐出する複数の往復式ポンプと、
    前記往復式ポンプそれぞれの前記昇圧用ピストンに接続し、前記昇圧用ピストンを前進
    及び後退させる、前記往復式ポンプそれぞれに対応して設けられた複数のリニアアクチュ
    エータと、
    予め時間軸上で移動速度を規定した前記昇圧用ピストンの移動速度データに基づいて、前記リニアアクチュエータを介して前記複数の往復式ポンプの動作の制御をする制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記内燃機関の負荷が一定のとき、
    前記複数の往復式ポンプの動作の制御において、前記往復式ポンプそれぞれによる1回の燃料の吐出と1回の燃料の吸入を1サイクルと
    して前記1サイクルの時間を互いに同じにして、サイクルを繰り返すように前記往復式ポンプを制御し、
    前記往復式ポンプそれぞれの前記燃料の吐出及び吸入の動作タイミングはお互いに異なり、前記1サイクルの時間を前記往復式ポンプの数で割った時間だけ、前記往復式ポンプのいずれか1つに対して前記動作タイミングがずれるように、前記昇圧用ピストンの前進及び後退を制御し、
    前記往復式ポンプそれぞれの前記燃料の吐出期間は、前記燃料の単位時間当たりの吐出量が前記往復式ポンプの間で同じ一定量を維持する一定量吐出期間と、前記吐出量がゼロから前記一定量に増加する吐出量増加期間と、前記吐出量が前記一定量からゼロに低下する吐出量低下期間と、を含み、
    前記往復式ポンプいずれの前記吐出量増加期間は、前記往復式ポンプの別の1つにおける前記吐出量低下期間と一致し、前記往復式ポンプいずれの前記吐出量低下期間は、前記往復式ポンプの別の1つにおける前記吐出量増加期間と一致し、かつ、一致する前記吐出量増加期間と前記吐出量低下期間の各時間における前記吐出量の合計量は、前記一定量となるように、前記制御部は前記往復式ポンプの前記動作タイミングを制御し、さらに、前記往復式ポンプの前記一定量吐出期間は、互いに重なることがないように、前記制御部は前記往復式ポンプの前記動作タイミングを制御し、
    前記制御部は、
    前記内燃機関の負荷が変化するとき、
    前記複数の往復式ポンプの動作の前記制御において、前記移動速度データの時間軸を、前記負荷の変化に応じた比率で拡縮し、かつ、前記移動速度データの移動速度を、前記比率の逆数倍した拡縮移動速度データに基づいて、前記昇圧用ピストンの動作を制御することにより、前記燃料の吐出量を変更する、ことを特徴とする燃料供給装置。
  2. 前記往復式ポンプによる1回の前記吸入の時間長さは、1回の前記吐出の時間長さに比べて長い、請求項1に記載の燃料供給装置。
  3. 前記吸入期間における前記昇圧用ピストンの後退時の移動速度の絶対値の最大値は、前記吐出期間における前記昇圧用ピストンの前進時の移動速度の絶対値の最大値に比べて小さい、請求項1または2に記載の燃料供給装置。
  4. 前記1サイクルの期間中、前記昇圧用ピストンが連続して停止しない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
  5. 前記往復式ポンプは、奇数個設けられている、請求項1〜4に記載の燃料供給装置。
  6. 前記吐出量増加期間の長さ及び前記吐出量低下期間の長さは、前記一定量吐出期間の長さの10%〜30%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
  7. 前記吐出量増加期間の開始点と前記吐出量増加期間の終了点との間の、前記吐出量増加期間の終了点を含む一期間における前記昇圧用ピストンの前進時の加速度の絶対値が、前記吐出量増加期間の終了点に向かうにつれて小さくなり、前記吐出量低下期間の開始点と前記吐出量低下期間の終了点との間の、前記吐出量低下期間の終了点を含む一期間における前記昇圧用ピストンの前進時の加速度の絶対値が、前記吐出量低下期間の終了点に向かうにつれて小さくなるように、前記昇圧用ピストンを制御する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
  8. 前記往復式ポンプの数をNとし、前記一定量吐出期間の長さをT1とし、前記吐出量増加期間及び前記吐出量低下期間の長さをT2として、前記吸入の期間の長さは、(N−1)×T1+(N−2)×T2である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
  9. 内燃機関の燃焼室内へ複数の往復式ポンプを用いて燃料を供給する燃料供給方法であって、
    前記内燃機関の負荷が一定のとき、
    前記往復式ポンプそれぞれの昇圧用ピストンは、予め時間軸上で移動速度を規定した前記昇圧用ピストンの移動速度データに基づいて軸方向に往復するように、リニアアクチュエータを介して駆動されることにより前記往復式ポンプそれぞれは、シリンダから1回の燃料の吸入と1回の燃料の吐出を1サイクルとしてサイクルを繰り返し、前記往復式ポンプそれぞれの前記燃料の吐出及び吸入の動作タイミングはお互いに異なり、前記1サイクルの時間を前記往復式ポンプの数で割った時間だけ、前記往復式ポンプのいずれか1つに対して前記動作タイミングがずれるように、前記昇圧用ピストンは前進及び後退し、
    前記往復式ポンプそれぞれの前記燃料の吐出期間は、前記燃料の単位時間当たりの吐出量が前記往復式ポンプの間で同じ一定量である一定量吐出期間と、前記吐出量がゼロから前記一定量に増加する吐出量増加期間と、前記吐出量が前記一定量からゼロに低下する吐出量低下期間と、を含み、
    前記往復式ポンプそれぞれの前記吐出量増加期間は、前記往復式ポンプのうち別の1つの往復式ポンプの前記吐出量低下期間と一致し、前記往復式ポンプそれぞれの前記吐出量低下期間は、前記往復式ポンプのうち別の1つの往復式ポンプの前記吐出量増加期間と一致し、かつ、一致する前記吐出量増加期間と前記吐出量低下期間の各時間における前記吐出量の合計量は、前記一定量となり、前記往復式ポンプの前記一定量吐出期間は、互いに重なることがないように、前記昇圧用ピストンは前進及び後退し、
    前記内燃機関の負荷が変化するとき、
    前記移動速度データの時間軸を、前記負荷の変化に応じた比率で拡縮し、かつ、前記移動速度データの移動速度を、前記比率の逆数倍した拡縮移動速度データに基づいて、前記昇圧用ピストンの動作を制御することにより前記燃料の吐出量を変更する、ことを特徴とする燃料供給方法。
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