JP2017048287A - プリプレグシート - Google Patents

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【課題】作業者の技能レベルによらず質の高い作業を行うことができるプリプレグシートを提供する。【解決手段】本発明のプリプレグシートは、光硬化性を有する液状組成物を含浸した基材を備えるプリプレグシートにおいて、基材は、未硬化部分と硬化部分とを含み、未硬化部分は、当該プリプレグシートの使用時に要求される機能に応じて設定される第1領域を硬化させないことで構成され、硬化部分は、当該プリプレグシートの使用時に要求される形状に応じて設定される第2領域を硬化させることで構成されることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、プリプレグシートに関するものである。
近年、建物屋上の防水や、建物の床、外壁の補強、補修等に、プリプレグシートが用いられている(例えば、特許文献1参照)。プリプレグシートは、例えばガラス繊維や不織布等の補強繊維(基材)に光重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物を含浸等によって一体化してシート状にしたものである。このようなプリプレグシートを用いると、例えば、補修箇所に所望の大きさのプリプレグシートを貼合した後に光照射により硬化させることで容易に補修を行うことができるため、補修箇所に含浸樹脂やマトリックス樹脂を塗工して硬化させる場合と比べ、補修作業が簡便になる。
特開2002−88176号公報
ところで、従来、プリプレグシートによる補修作業は、補修作業を行う現場にて、補修場所に応じた形状にシートを切り出した後、貼り付けおよび硬化といった順に作業が行われていた。
しかしながら、補修場所が平坦面ではない複雑な形状である場合、作業者の技能に応じて補修作業の仕上がり品質に差が生じてしまうといった問題があった。そのため、作業者の技能レベルによらず質の高い補修作業を可能とする新たな技術の提供が望まれていた。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、作業者の技能レベルによらず質の高い作業を行うことができるプリプレグシートを提供することを目的とする。
本発明の一態様に従えば、光硬化性を有する液状組成物を含浸した基材を備えるプリプレグシートにおいて、前記基材は、未硬化部分と硬化部分とを含み、前記未硬化部分は、当該プリプレグシートの使用時に要求される機能に応じて設定される第1領域を硬化させないことで構成され、前記硬化部分は、当該プリプレグシートの使用時に要求される形状に応じて設定される第2領域を硬化させることで構成されるプリプレグシートが提供される。
上記第一態様においては、前記基材の少なくとも一方の面に設けられた保護シートをさらに備える構成としても良い。
上記第一態様においては、前記保護シートが前記第1領域に対応した形状の遮光パターンを有する構成としても良い。
上記第一態様においては、前記第1領域は、前記プリプレグシートの使用時に、折り曲げられる領域、施工面に対して貼り付けられる領域、あるいは切断される領域である構成としても良い。
本発明によれば、作業者の技能レベルによらず質の高い作業を行うことができる。
プリプレグシートの断面構成を示す図。 プリプレグシートの平面図。 (a)〜(c)は基材の製造方法を示す工程図。 プリプレグシートによる補修を行う入隅部を示した概略図。 プリプレグシートを折り曲げた折り曲げ成形シートを示す図。 入隅部に折り曲げ成形シートを設置した状況を示す図。 変形例に係るプリプレグシートの構成を示す図。 (a)、(b)はプリプレグシートの別の用途を説明するための図。 (a)、(b)はプリプレグシートの別の用途を説明するための図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のプリプレグシート1の断面構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態のプリプレグシート1は、基材2と、該基材2の両面を覆う一対の保護フィルム3,4とを含む。
基材2は、後述する、硬化性樹脂、モノマー、光重合開始剤および増粘材を含む液状組成物が含浸する繊維基材から構成される。
繊維基材を構成する繊維(構成繊維)としては、ガラス繊維、炭素繊維、セラミックス繊維等の無機繊維、アラミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維等の樹脂繊維を挙げることができる。中でも、光透過性及び強度の点で優れ、また低廉でもあるガラス繊維を好適に用いることができる。これらの構成繊維は、1種のみ用いることとしてもよく2種以上を併用してもよい。
繊維基材は、織物(織布)であってもよいし、編物であってもよいし、不織布であってもよい。0.01mm以上10mm以下のものを好ましく用いることができる。
基材2は、主成分である硬化性樹脂の他、モノマー、光重合開始剤および増粘剤を含んでいる。
硬化性樹脂としては、例えば、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂を用いることができる。これらは、1種のみ用いることとしてもよく、2種以上を併用することとしてもよい。
ビニルエステル樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂と、アクリル酸やメタクリル酸等の不飽和一塩基酸と、の反応物が挙げられる。また、ビニルエステル樹脂に含まれるエポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができる。ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型等を挙げることができる。
不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、多価アルコールと、不飽和多塩基酸(および必要に応じて飽和多塩基酸)と、の縮合反応による反応物を挙げることができる。
モノマーは、上記硬化性樹脂を溶解し粘度を調整する溶媒として機能するとともに、重合して上記硬化性樹脂を架橋する架橋剤としても機能する。
光重合開始剤としては、光照射によってラジカルを生成し、ラジカル重合を開始させることができるものを用いる。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系のような公知のものを用いることができる。
光重合開始剤は、例えば、365nm以上410nm以下に吸収波長帯域を有し、この範囲の波長帯域の光を吸収してラジカルを生成するものを好適に用いることができる。このような波長帯域の光は、硬化性樹脂の紫外線吸収領域とずれているため、光重合開始剤のラジカル生成反応に必要な光エネルギーを効果的に吸収することができる。
また、光重合開始剤の吸収波長帯域は、365nm以上410nm以下の波長帯域に含まれていなくてもよい。その場合、365nm以上410nm以下の波長帯域に吸収波長帯域を有する光増感剤を併用することが好ましい。
増粘材は、例えば未架橋のアクリル樹脂粉末等の従来公知のものが用いられ、増粘方法としては金属増粘法、化学増粘法、ポリマー膨潤増粘法、或いは近赤外線ラジカル重合増粘法等を例示できる。
保護フィルム3,4は、基材2の保存中に基材2の表面を保護するフィルムである。なお、保護フィルム3,4のうちいずれか一方のみが設けられていても良いし、保護フィルム3,4自体が設けられていなくても良い。
保護フィルム3,4は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどのポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ビニロンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等を用いることができる。
保護フィルム3,4の少なくとも一方は、基材2に含まれる光重合開始剤または光増感剤の吸収波長帯域の光を透過させるように、当該吸収波長帯域の光に対して実質的に透明であることが好ましい。これにより、基材2に光を照射して硬化させる際に、一対の保護フィルム3,4のうち少なくとも一方は基材2に貼合したままとすることができ、プリプレグシート1を用いた作業を容易なものとしている。
図2は、プリプレグシート1を平面視した際の平面図である。なお、図2においては、図を見易くするため、保護フィルム3,4の図示を省略し、基材2のみを図示している。
本実施形態において、プリプレグシート1は、後述のようにコンクリートスラブの入隅部を補修する用途に用いられる。基材2は、施工場所(入隅部)に対応した形状に予め切り出されており、施工時に基材2を切断加工する必要はない。
基材2は、図2に示すように、未硬化部分2Aと硬化部分2Bとを含んでいる。未硬化部分2Aは、基材2の全体のうち、プリプレグシート1の使用時(後述の入隅部の補修作業時)に要求される機能に応じて設定される第1領域A1について光照射を行わずに非硬化状態とすることで(硬化させないことで)構成されたものである。
第1領域A1は、プリプレグシート1の使用時に折り曲げられる、又は、施工面に貼り付けられる領域である。すなわち、第1領域A1は、プリプレグシート1の使用時に、折り曲げ機能及び貼り付け機能が要求される領域に相当する。
硬化部分2Bは、基材2の全体のうち、プリプレグシート1の使用時に要求される形状に応じて設定される第2領域A2について光照射を部分的に行って硬化状態とすることで(硬化させることで)構成されたものである。本実施形態において、第2領域A2は、基材2の全体のうち、第1領域A1を除いた領域である。
硬化部分2Bは、プリプレグシート1の使用時(施工時)に配置される施工面(後述する入隅部の表面)と同じ平面形状を有している。このようにすれば、硬化部分2Bは、施工時に、施工面との間に大きな隙間を生じさせることなく、良好に密着した状態で配置可能である。なお、本実施形態では入隅部の表面が平面であるため、硬化部分2Bは板状に形成されるが、施工面が湾曲している場合には硬化部分2Bも湾曲した形状を有することとなる。
硬化部分2Bは、第1硬化部位2B1、第2硬化部位2B2、第3硬化部位2B3、及び第4硬化部位2B4を含む。第1硬化部位2B1および第2硬化部位2B2は、各々の平面形状が同じ大きさの正三角形となっている。また、第3硬化部位2B3および第4硬化部位2B4は、各々の平面形状が正三角形となっている。なお、第3硬化部位2B3および第4硬化部位2B4の大きさは、第1硬化部位2B1および第2硬化部位2B2よりも小さい。具体的に、第3硬化部位2B3および第4硬化部位2B4は、第1硬化部位2B1および第2硬化部位2B2の約半分の大きさである。
未硬化部分2Aは、第1未硬化部位2A1、第2未硬化部位2A2、第3未硬化部位2A3、及び第4未硬化部位2A4を含む。第1未硬化部位2A1、第2未硬化部位2A2、第3未硬化部位2A3、及び第4未硬化部位2A4は、第1硬化部位2B1、第2硬化部位2B2、第3硬化部位2B3、及び第4硬化部位2B4をそれぞれ入隅部20に貼り付ける接着シロとして機能する。
第1未硬化部位2A1は第1硬化部位2B1を区画する枠状の部位である。第2未硬化部位2A2は第2硬化部位2B2を区画する枠状の部位である。第3未硬化部位2A3は第3硬化部位2B3を区画する枠状の部位である。第4未硬化部位2A4は第4硬化部位2B4を区画する枠状の部位である。
続いて、本実施形態のプリプレグシート1の製造方法について説明する。以下では、上記未硬化部分2A及び硬化部分2Bを含む基材2の形成方法を主体に説明する。本説明では、大判のシート体に光照射を行うことで、該シート体に複数のプリプレグシート1を一括形成した後、個片化することで複数のプリプレグシート1とする場合を例に挙げる。
図3は、基材2の製造方法を示す工程図である。まず、図3(a)に示すように、基材2よりもサイズが大きい大判基材5と、保護フィルム3,4よりもサイズが大きい保護フィルム3A,4Aとを含むシート体10を用意する。
次に、図3(b)に示すように、シート体10の一方面側、例えば、保護フィルム3A上にマスクMを配置し、光照射を行う。
本実施形態において、マスクMは、遮光パターンPMが形成された遮光部分と、遮光パターンPMが形成されない光透過部分とを含む。遮光部分は未硬化部分2Aに対応したパターン形状を有し、光透過部分は硬化部分2Bに対応したパターン形状を有している。
そのため、マスクMに入射した光の一部は、光透過部分を透過して大判基材5に入射し、大判基材5を部分的に硬化させることで硬化部分2Bを形成する。一方、マスクMに入射した光の一部は、遮光部分で遮光されることで大判基材5を部分的に硬化させないことで未硬化部分2Aを形成する。
光照射後、シート体10上からマスクMを取り除く。以上のようにして、未硬化部分2Aおよび硬化部分2Bを含んだプリプレグシート1が複数形成されてなるシート体10が得られる。
最後に、図3(c)に示すように、シート体10を個片化することで複数のプリプレグシート1を得ることができる。
続いて、本実施形態のプリプレグシート1を使用する場合について説明する。
本実施形態では、プリプレグシート1を、例えばビル屋上の屋上スラブ等のコンクリートスラブの補修(補強)に用いる場合を例に挙げる。なお、プリプレグシート1の用途は補修に限られず、防水処理等に利用しても良い。
具体的に、本実施形態では、コンクリートスラブの入隅部をプリプレグシート1で補修する場合について説明する。図4はプリプレグシートによる補修を行う入隅部を示した概略図である。
図4に示すように、入隅部20は各面20A,20B,20Cの交線部21が互いに交わる角部22を有している。そのため、従来、平坦面等に対する施工に比べ、入隅部20のように複雑な形状を有する場所にプリプレグシートを施工する場合(貼り付ける場合)、貼付時に余ったシート同士が重なり合うことで大きな皺が生じることでシートを施工面に良好に密着できず、作業者の技能に応じて作業の仕上がり品質に差が生じるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のプリプレグシート1は、上述した未硬化部分2Aおよび硬化部分2Bを含む基材2を備えることで上述の問題を解決している。
続いて、入隅部20に対するプリプレグシート1の貼付作業について説明する。
まず、プリプレグシート1のうち、保護フィルム3,4の少なくとも一方を剥離する。具体的に、上記折り曲げ成形シート1Aの外側、すなわち、入隅部20と対向側のフィルムを剥離する。本実施形態では、例えば、保護フィルム3を剥離する。
プリプレグシート1は、可撓性(フレキシブル性)を有する未硬化部分2Aを基点として硬化部分2Bを折り曲げ可能である。
プリプレグシート1は、第1未硬化部位2A1と第2未硬化部位2A2との境界、第1未硬化部位2A1と第3未硬化部位2A3との境界、及び、第2未硬化部位2A2と第4未硬化部位2A4との境界に沿って、プリプレグシート1を折り曲げることで図5に示す所定形状に容易に成形される。以下、折り曲げ成形後のプリプレグシート1を折り曲げ成形シート1Aと称す。
次に、折り曲げ成形シート1A(プリプレグシート1)を入隅部20に設置する。
図6は、入隅部20に折り曲げ成形シート1Aを設置した状況を示す図である。図6に示すように、入隅部20に対応した形状を有する折り曲げ成形シート1Aは、硬化部分2Bが入隅部20の各面20A,20B,20Cに対向配置されるとともに、未硬化部分2Aの折り曲げ部分が交線部21に沿って配置される。
第1硬化部位2B1および該第1硬化部位2B1を囲む第1未硬化部位2A1は、入隅部20の面20Aに配置される。第1未硬化部位2A1は、第1硬化部位2B1を面20Aに密着させた状態にプリプレグシート1を入隅部20に貼り付ける。
第2硬化部位2B2および該第2硬化部位2B2を囲む第2未硬化部位2A2は、入隅部20の面20Bに配置される。第2未硬化部位2A2は、第2硬化部位2B2を面20Bに密着させた状態にプリプレグシート1を入隅部20に貼り付ける。
第3硬化部位2B3および該第3硬化部位2B3を囲む第3未硬化部位2A3は、入隅部20の面20Cに配置される。第3未硬化部位2A3は、第3硬化部位2B3を面20Cに密着させた状態にプリプレグシート1を入隅部20に貼り付ける。
折り曲げ成形シート1Aは、予め硬化されることで剛性のある硬化部分2Bを各面20A,20B,20Cに当接させた状態で入隅部20に配置されるため、面20A,20B,20Cに未硬化部分2Aを容易に貼り付けることができる。
本実施形態によれば、作業者が折り曲げ成形シート1Aを施工現場で容易に形成することで、プリプレグシート1を入隅部20の形状に容易に対応させることができる。よって、入隅部20のように複雑な形状を有する施工現場であっても、作業者の技能によらず高い品質でプリプレグシート1の貼付作業を行うことができる。
上述のようにして折り曲げ成形シート1A(プリプレグシート1)を入隅部20に貼り付けた後、該折り曲げ成形シート1Aに対して保護シート4側から所定波長帯(例えば、365nm以上410nm以下)の光を照射する。本実施形態では、保護シート4を貼合したままの状態で光照射を行うことができるので、未硬化部分2Aが傷ついてしまうといった不具合の発生が防止される。
折り曲げ成形シート1A(プリプレグシート1)は、光照射によって未硬化部分2Aが硬化する。未硬化部分2Aは入隅部20と良好に密着した状態で硬化する。これにより、プリプレグシート1は、入隅部20に対して良好に密着した状態となる。よって、プリプレグシート1による入隅部20における補修作業の施工信頼性を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、未硬化部分2A及び硬化部分2Bを形成する際、マスクMを用いるようにしたが、本発明はこれに限定されず、マスクMを構成する遮光パターンPMが図7に示すように、保護フィルム3,4のいずれか一方(例えば、保護フィルム3)に直接形成されていても良い。
また、上記実施形態では、光照射することで複数のプリプレグシート1を含む大判のシート体を個片化することで各プリプレグシート1を製造する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、1つのシート体に光照射を行うことでプリプレグシート1をそれぞれ個別に形成するようにしても良い。
また、上記実施形態では、コンクリートスラブの入隅部の補修に用いるプリプレグシートを例示したが、プリプレグシートの用途はこれに限定されない。例えば、本発明のプリプレグシートを折り曲げ成形した後、硬化させることで簡便且つ確実に所定形状の成形品を製造することが可能である。
図8(a)は、正二十面体体の成形品を構成するためのプリプレグシート100を示す平面図であり、図8(b)はプリプレグシート100を用いて成形した成形品の概略構成図である。
プリプレグシート100は、上記実施形態のプリプレグシート1と同様の基本構造を有している。具体的に硬化部分100Bは、20個の正三角形からなる硬化部位100B1から構成され、未硬化部分100Aは20個の硬化部位100B1を区画するように形成されている。
このプリプレグシート100によれば、硬化部分100Bを骨格として、未硬化部分100Aを関節部として折り曲げ、未硬化部分100Aの一部同士を貼り合せることで、図8(b)に示すような複雑な形状である正二十面体を容易に形成することができる。よって、未硬化部分のみから構成されるプリプレグシートを用いて正二十面体を成形する場合に比べ、成形作業を容易に行うことができるので、作業者の技量によらず高い作業品質を得ることができる。
また、上記実施形態では、未硬化部分2Aを、折り曲げまたは貼り付けに利用する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、未硬化部分にて切断することで所定の形状のプリプレグシートを切り出した後、貼り合せた後に硬化させるようにしてもよい。
図9(a)は、曲面形状を有する成形品を構成するためのプリプレグシート110を示す平面図であり、図9(b)はプリプレグシート110を用いて成形した成形品の概略構成図である。図9は、三次元形状の成形品を作成するためのプリプレグシート110である。
プリプレグシート110は、未硬化部分110Aおよび硬化部分110Bを含む基材111を有している。硬化部分110Bは、第1硬化部位110B1および第2硬化部位110B2を含む。第1硬化部位110B1および第2硬化部位110B2は、それぞれ成形品を二分割した部品を構成するものである。未硬化部分110Aは、基材111上において、第1硬化部位110B1および第2硬化部位110B2をそれぞれ区画するように形成されている。また、未硬化部分110Aは、後述のように、基材111から切り出した第1硬化部位110B1および第2硬化部位110B2同士を貼り合せる接着シロとしても機能する。
このプリプレグシート110によれば、未硬化部分110Aにより第1硬化部位110B1および第2硬化部位110B2を容易に切り出すことができる。そして、切り出した第1硬化部位110B1および第2硬化部位110B2を未硬化部分110Aの一部を接着シロとして貼り合せた後、光照射を行うことで貼り合せ部分を硬化させることで図9(b)に示すように所定形状(魚形状)の成形品120を容易に形成することができる。
M…マスク、PM…遮光パターン、A1…第1領域、A2…第2領域、1…プリプレグシート、2…基材、2A…未硬化部分、2B…硬化部分、3,4…保護フィルム、100,110…プリプレグシート、100A,110A…未硬化部分、100B,110B…硬化部分。

Claims (4)

  1. 光硬化性を有する液状組成物を含浸した基材を備えるプリプレグシートにおいて、
    前記基材は、未硬化部分と硬化部分とを含み、
    前記未硬化部分は、当該プリプレグシートの使用時に要求される機能に応じて設定される第1領域を硬化させないことで構成され、
    前記硬化部分は、当該プリプレグシートの使用時に要求される形状に応じて設定される第2領域を硬化させることで構成される
    ことを特徴とするプリプレグシート。
  2. 前記基材の少なくとも一方の面に設けられた保護シートをさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリプレグシート。
  3. 前記保護シートは、前記第1領域に対応した形状の遮光パターンを有する
    ことを特徴とする請求項2に記載のプリプレグシート。
  4. 前記第1領域は、前記プリプレグシートの使用時に、折り曲げられる領域、施工面に対して貼り付けられる領域、あるいは切断される領域である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプリプレグシート。
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JP2019523162A (ja) * 2016-07-06 2019-08-22 ウィリアムズ アドヴァンスド エンジニアリング リミテッド 繊維強化複合材料構造体の製造

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