JP2017047957A - スロッシング対策装置及び貯液槽 - Google Patents

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Akihisa Iwasaki
晃久 岩崎
英之 森田
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英之 森田
慎吾 西田
Shingo Nishida
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Abstract

【課題】貯液槽のスロッシング対策機構であって、電力や人力を期待できない地震発生時であっても機能するスロッシング対策機構を提供する。さらに、地震発生時など想定を超えたスロッシングに対応可能なスロッシング対策機構を提供する。
【解決手段】貯液槽1のスロッシング対策装置3は、液体が貯留された貯液槽の内周壁6から一対の板面が上下方向を向くように突出する板状をなすとともに、互いの高さ位置が異なるように配置された複数の抑制板10を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、スロッシング対策装置及び貯液槽に関する。
原子炉関連施設では、使用済み燃料が保管されている。使用済み燃料は、一般に、原子炉建屋内などに配置された使用済み燃料プールの燃料プール水中に保管される。
地震発生時には、使用済み燃料プールにおいてスロッシングが発生することにより、放射性物質を含む燃料プール水が、使用済み燃料プール内部から外部へ漏水することがある。
従来は、スロッシング対策として、使用済み燃料プールの縁部に、起立壁及び収納された移動壁で構成した漏水防止用の治具を設けている。そして、使用済み燃料プール内の燃料プールの水面が、通常時の水面レベルよりも高くなる時だけ、移動壁を上昇させることによってスロッシング時の水面レベルに対応させて、スロッシングによる漏水を防止している(特許文献1参照)。
特許第4519714号公報
しかしながら、特許文献1のスロッシング対策では、移動壁を上昇させる必要があるため、移動壁を上昇させるための動力が必要である。そのため、人力や電力等といった外力が必要となり、電力や人力を期待できない地震発生時には機能しない。
また、特許文献1のスロッシング対策では、スロッシングが想定を超えた場合には、波の上限が、移動壁の上限を超えることがある。そのため、スロッシングによって発生した波を防止できず、水が燃料プールの外へ溢れ出してしまうおそれがある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、電力や人力を期待できない地震発生時であっても機能するスロッシング対策機構を提供することを目的とする。
さらに、本発明は地震発生時など想定を超えたスロッシングに対応可能なスロッシング対策機構を提供することをさらなる目的とする。
第1の態様のスロッシング対策装置は、液体が貯留された貯液槽の内周壁から一対の板面が上下方向を向くように突出する板状をなすとともに、互いの高さ位置が異なるように配置された複数の抑制板を備えている。
本様態では、内周壁に向かって、上下方向の振幅を有し押し寄せる波に対して、各抑制板が高さ毎に波を崩すので、スロッシングを抑制できる。
また、第2の態様のスロッシング対策装置は、第1の態様のスロッシング対策装置において、前記複数の抑制板が、前記上下方向に間隔を有し、重なるように並べられている。
本様態では、内周壁に向かって、上下方向の振幅を有し押し寄せる波に対して、各抑制板が、高さ毎に重なる位置の波を崩すので、スロッシングをさらに抑制する。
また、第3の態様のスロッシング対策装置は、第1又は第2の態様のスロッシング対策装置において、前記複数の抑制板が、前記上下方向に異なる間隔で並べられている。
本様態では、内周壁に向かって、上下方向の振幅を有し押し寄せる様々な波に対して、いずれかの間隔が有効に機能するため、より万能にスロッシングを抑制する。
また、第4の態様のスロッシング対策装置は、第1から第3の態様いずれかのスロッシング対策装置において、前記複数の抑制板が、上に向かうに従って突出方向の長さである突出長さが長くなるように構成されている。
本様態では、内周壁に向かって、上下方向の振幅を有し上に向かって押し寄せる波に対して、突出長さの短い抑制板から突出長さの長い抑制板に向かって順に波を崩すので、スロッシングによる水面の上昇を抑制できる。
また、第5の態様のスロッシング対策装置は、第1から第4の態様のいずれかのスロッシング対策装置において、前記複数の抑制板のうち、少なくとも一の抑制板が、他の抑制板に対し、前記内周壁の壁面内水平方向にずれるように配置される。
本態様では、内周壁に向かって、そろって押し寄せる波に対して、複数の抑制板が部分的に順に波を崩すので、効率よくスロッシングを抑制できる。
また、第6の態様のスロッシング対策装置は、第1から第5の態様のいずれかのスロッシング対策装置において、前記複数の抑制板を、前記内周壁の全周について隙間なく並べて配置する。
本態様では、内周壁に向かって押し寄せる波に対して、壁面の全周について隙間なく波を崩すので、貯液槽外へ液が漏れないようにスロッシングを抑制できる。
また、第7の態様のスロッシング対策装置は、第1から第6の様態のいずれかのスロッシング対策装置において、複数の抑制ブロックを備え、前記複数の抑制ブロックは、それぞれ前記上下方向に間隔を有する前記複数の抑制板を備え、前記抑制ブロックにおいて、前記上下方向に間隔を有した複数の抑制板は、前記内周壁の壁面内水平方向の長さである突出幅が等しく、前記抑制ブロックにおいて、前記上下方向に間隔を有した複数の抑制板は、前記壁面内水平方向の位置が等しくなるように並べられる。
本態様では、内周壁に向かって押し寄せる波に対して、各ブロックが、高さ毎に波を崩すので、必要な各場所で効率よくスロッシングを抑制する。
また、第8の態様のスロッシング対策装置は、第7の態様に記載のスロッシング対策装置において、前記抑制ブロックは、一対の板面を有する仕切り板を備え、前記仕切り板の一対の板面は、前記壁面内水平方向に直交するように設けられる。
本態様では、抑制ブロックが、壁面内水平方向に直交する板面を有する仕切り板を備えることによって、複数の抑制板と衝突し、前記壁面内水平方向に回折した波をさらに崩すので、さらに効果的にスロッシングを抑制できる。
また、第9の態様のスロッシング対策装置は、第7又は第8の様態のスロッシング対策装置において、前記抑制ブロックの中央高さが、前記液体の液面となるように前記抑制ブロックを配置する。
本態様では、内周壁に向かって押し寄せる波に対して、波の中心から上下にわたって抑制板が配置されて波と衝突するので、波に対して抑制板が有効に作用し、スロッシングを抑制できる。
また、第10の態様のスロッシング対策装置は、液体が貯留された貯液槽の内周壁に設けられた防波ブロックと、前記防波ブロックを、上下方向に移動自在にガイドするスライド機構とを備えるスロッシング対策装置において、前記防波ブロックは、自重よりも浮力が大きくなる部材で構成する。
本態様では、上下方向の振幅を有し、押し寄せる波に対して、防波ブロックが浮上して波を押し返すので、スロッシングによる外部への漏水を防止する。
また、第11の態様のスロッシング対策装置は、第10の態様のスロッシング対策装置において、前記防波ブロックを、前記貯液槽の上下方向に平行な内周壁に設ける。
本態様では、上下方向の振幅を有し、押し寄せる波に対して、上下方向に防波ブロックが浮上して波を押し返すので、スロッシングによる外部への漏水を効果的に防止する。
また、第12の態様のスロッシング対策装置は、第10の態様のスロッシング対策装置において、前記防波ブロックを、前記貯液槽の下向きに傾斜した内周壁に設ける。
本態様では、内周壁に向かって押し寄せる波に対して、防波ブロックが下向きに傾斜し、上昇しつつ貯水槽内へ飛び出すことによって波を崩しつつ押し返すため、スロッシングを抑制しつつ漏水を防止する。
また、第13の態様のスロッシング対策装置は、第10から第12の様態のいずれかのスロッシング対策装置において、前記防波ブロックは、内部にリブを有し、前記リブによって、前記防波ブロック内に区画された空洞を形成する。
本態様では、強度が高く、軽い防波ブロックを構成できるので、押し返すのに高性能な防波ブロックを形成することができる。
また、第14の態様のスロッシング対策装置は、第10から第13の様態のいずれかのスロッシング対策装置において、前記防波ブロックの壁面に孔を設ける。
本態様では、孔で波を吸収できるので、波を押し返しつつ波を崩すことができる。
また、第15の態様のスロッシング対策装置は、第10から第14の様態のいずれかのスロッシング対策装置において、前記防波ブロックを複数設け、隣り合う前記防波ブロックを連結する。
本態様では、隣り合う防波ブロックを連結することによって、複数の防波ブロックの間や脇からの漏れを防ぐことができる。
また、第16の態様のスロッシング対策装置は、第10から第15の様態のいずれかのスロッシング対策装置において、複数の前記内周壁に対して、それぞれ1枚の前記防波ブロックを設ける。
本態様では、防波ブロックを加工しやすい形状としながら、漏れるおそれのある隙間を極力少なくすることができる。
また、第17の態様のスロッシング対策装置は、第10から第16の様態のいずれかのスロッシング対策装置において、前記防波ブロックを、前記内周壁の全周について隙間なく並べる。
本態様では、施工上便利な構造でありながら、隙間からの漏れを防ぐことができる。
また、第18の態様のスロッシング対策装置は、液体が貯留された貯液槽の縁に起立するスロッシング防止板と、前記スロッシング防止板の下辺を軸に回動支持するとともに、前記軸の回動によって、前記スロッシング防止板の一対の板面が上下方向を向くように貯液槽内液面へ倒れることを許容する回動支持部と、前記軸に前記スロッシング防止板の貯液槽への倒れを引き戻す回転モーメントを与えるとともに、スロッシングが発生したときに前記スロッシング防止板が液面に倒れることを許容するばね機構とを有する。
本態様では、スロッシングが発生したときにスロッシング防止板が液面に倒れるため、スロッシング防止板は、普段は貯液槽での作業を妨げず、スロッシングが発生したときだけ蓋として機能し、スロッシングを抑制する。
また、第19の態様のスロッシング対策装置は、第18の様態のいずれかのスロッシング対策装置において、前記スロッシング防止板の前記倒れの逆方向への倒れを制限する第一ストッパ機構を有する。
本態様では、第一ストッパ機構によって、引き戻し回転モーメントが強くても、スロッシング防止板が逆方向へ倒れることを制限する。また、小さな揺れでスロッシング防止板が液面側へ倒れないようにプリテンションをかけることができる。
また、第20の態様のスロッシング対策装置は、第18又は第19の態様のスロッシング対策装置において、前記スロッシング防止板の一対の板面が上下方向を向いた位置で回動を制限する第二ストッパ機構を備える。
本態様では、第二ストッパ機構が、スロッシング防止板の一対の板面が上下方向を向いた状態で回動が止まるように回動を制限するから、上下方向の振幅を有する波に対して、抑制板が有効に波を崩しつつ蓋として機能し、効率よくスロッシングを抑制する。
また、第21の態様のスロッシング対策装置は、第18から第20の様態のスロッシング対策装置において、前記スロッシング防止板は、自重よりも浮力が大きくなる部材で構成されている。
本態様では、スロッシング防止板の一対の板面が上下方向を向いた状態で浮力が働いて回動が止まるから、上下方向の振幅を有する波に対して、抑制板が有効に波を崩しつつ蓋として機能し、効率よくスロッシングを抑制する。
また、第22の態様のスロッシング対策装置は、液体が貯留された貯液槽の液面に、一対の板面が上下方向を向くように設けた抑制板と、一端が前記抑制板に固定され、前記抑制板の板面に対し交差する腕部と、前記腕部の他端を前記貯液槽内で支持し、前記腕部の他端を少なくとも水平面に交差する面内で回動可能に支持する回動支持部とを備え前記抑制板、前記腕部及び前記回動支持部は、倒立振り子を形成する。
本態様では、液体貯留時において、水面に作用する倒立振り子を形成して、倒立振り子先端の抑制板によって水面の波を崩すので、スロッシングを抑制することができる。
また、第23の態様のスロッシング対策装置は、第22の態様のスロッシング対策装置において、前記抑制板を前記貯液槽の壁面の内周に設け、前記回動支持部は、前記腕部の他端を、前記壁面の面内水平方向に交差する面内で回動可能に支持する。
本態様では、壁面に押し寄せる波をより効率的に崩すので、スロッシングを抑制することができる。
また、第24の態様のスロッシング対策装置は、第22又は第23の態様のスロッシング対策装置において、前記抑制板は、自重よりも浮力が大きくなる部材で構成されている。
本態様では、回転剛性の機構を用いずに倒立振り子を構成することができる。
また、第25の態様のスロッシング対策装置は、第22から第24の態様のスロッシング対策装置において、前記回動支持部における回動に対して、逆方向の復元力を与える弾性部材又は弾性機構を有する。
本態様では、弾性部材又は弾性機構で倒立振り子を構成するから、弾性部材又は弾性機構の復元力を調整することで、倒立振り子の固有振動数を調整できる。
また、第26の態様のスロッシング対策装置は、第22から第25の様態のいずれかのスロッシング対策装置において、前記抑制板は、貯液槽の全周に複数設けられる。
本態様では、抑制板は、貯液槽の全周に複数設けるから、抑制板によって貯液槽における作業が妨げられることなく、全周でもれなくスロッシングの成長を抑制することができる。
また、第27の態様の貯液槽は、第1から第26の様態のいずれかのスロッシング対策装置を設けた前記貯液槽であって、前記貯液槽が燃料プールである。
本態様では、燃料プールのスロッシングの成長を抑制し、燃料プールの水の漏れを防止することができる。
本発明のスロッシング対策装置によれば、電力や人力を期待できない地震発生時において機能することができる。
また本発明のスロッシング対策装置によれば、地震発生時など想定を超えたスロッシングに対応することができる。
本発明に係る第一実施形態におけるスロッシング対策装置を燃料プールに配置した図である。 本発明に係る第一実施形態におけるスロッシング対策装置を示す図である。 本発明に係る第一実施形態における抑制ブロックを示す図である。 本発明に係る第一実施形態における抑制ブロックの配置を示す図である。 本発明に係る第一実施形態における抑制板の設置有効範囲を示す図である。 本発明に係る第二実施形態におけるスロッシング対策装置を燃料プールに配置した図である。 本発明に係る第二実施形態におけるスロッシング対策装置を示す図である。 本発明に係る第二実施形態におけるリブ構造を示す図である。 本発明に係る第二実施形態の変形例における多孔質構造を示す図である。 本発明に係る第二実施形態におけるスロッシング対策装置を示す図である。 本発明に係る第二実施形態におけるスロッシング対策装置を示す図である。 本発明に係る第二実施形態における防波ブロックの配置を示す図である。 本発明に係る第二実施形態におけるスロッシング対策装置の変形例を示す図である。 本発明に係る第二実施形態におけるスロッシング対策装置の変形例を示す図である。 本発明に係る第三実施形態におけるスロッシング対策装置を燃料プールに配置した図である。 本発明に係る第三実施形態におけるスロッシング対策装置の変形例を示す図である。 本発明に係る第三実施形態におけるスロッシング対策装置の特性を示すグラフである。 本発明に係る第三実施形態におけるスロッシング対策装置の特性を示す図である。 本発明に係る第四実施形態におけるスロッシング対策装置を示す図である。 本発明に係る第四実施形態におけるスロッシング対策装置を示す図である。 本発明に係る第四実施形態におけるスロッシング対策装置の変形例を示す図である。 本発明に係る第四実施形態におけるスロッシング対策装置の特性を示すグラフである。
以下、本発明に係る各種実施形態について、図面を用いて説明する。
「第一実施形態」
本発明に係るスロッシング対策装置及びこれを備える貯液槽の第一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
本実施形態の貯液槽1は燃料プール2である。図1に示すように、燃料プール2は、スロッシング対策装置3を備えている。燃料プール2内には、水4が貯留されており、図2に示すような、使用済み燃料が収容された燃料ラック5が水中で貯蔵されている。
スロッシング対策装置3は、燃料プール2の内周壁6の壁面7に設けられている。図1では、スロッシング対策装置3を、燃料プール2の縁にフック8で後付施工によって取り付けているが、スロッシング対策装置3を壁面7に取り付けることができるなら、どのような機構で取り付けてもよい。また、後付施工ではなく、壁面7施工時にスロッシング対策装置3を壁面7に作りこんでもよい。
本実施形態のスロッシング対策装置3は、図3(a)及び(b)及び図4に示すように、抑制ブロック9が設けられている。抑制ブロック9には、上下に間隔を有し突出する複数の抑制板10が設けられている。複数の抑制板10は、重なるように並べられている。複数の抑制板10の一対の板面が上下方向を向くように、燃料プール2の内周壁6に抑制ブロック9を設置される。
図3(a)及び(b)に示すように、抑制ブロック9の各抑制板10は、上下方向に等間隔で並べられているが、上下方向に異なる間隔で並べられてもよい。異なる間隔とは、複数の抑制板10が形成する間隔のうち、すべての間隔が異なる場合はもちろん、一部の間隔だけが他の間隔とが異なる場合も含むものとする。上下方向に異なる間隔とすれば、内周壁6に向かう波のうち、上下方向の振幅や波長が異なる波に対して、いずれかの間隔が有効に機能するため、より万能にスロッシングを抑制できる。
さらに、抑制ブロック9の各抑制板10は、抑制板10の突出方向の長さである突出長さが図3(a)に示すように等しくてもよいし、異なるものであってもよい。特に、図3(b)に示すように、上に向かうに従って突出長さが長くなるように構成すれば、水位の上昇を突出長さの短い抑制板から突出長さの長い抑制板に向かって順に崩すので、スロッシングによる水位の上昇を有効に抑制できる。
さらに、図3(a)、(b)及び図4に示すように、抑制ブロック9の各抑制板10は、壁面7の面内水平方向の長さである突出幅が等しく、壁面7の面内水平方向の位置が等しくなるように並べられた構成となっている。この突出幅の両側に形成される抑制ブロック9の側面には、図4で示すように、仕切り板11が設けられてもよい。仕切り板11を設けることによって、抑制ブロック9は、各抑制板10に波が衝突したときに発生する、壁面7の面内水平方向と交差する方向に進む回折波を、仕切り板11でさらに崩すので、効果的にスロッシングを抑制することができる。図4では、仕切り板11が、壁面7の面内水平方向に直交するように設けられているが、仕切り板11は、壁面7の面内水平方向と交差するものであれば、どのように設けられてもよい。本実施形態では抑制板10の突出幅の両側に仕切り板11が設けられているが、変形例として、抑制板10の突出幅の間に仕切り板11を設けてもよい。
複数の仕切り板11を水平方向に並べる場合、水平方向の間隔は、異なる間隔で並べてもよいし、同じ間隔で並べてもよい。同じ間隔で並べれば、特定の振幅や波長の波に重点的に複数の仕切り板11を作用させることでき、異なる間隔で並べれば、様々な振幅や波長の波に対して、いずれかの間隔の複数の仕切り板11を有効に作用させることができる。
図2及び図4に示すように、スロッシング対策装置3は、複数の抑制ブロック9を備える。複数の抑制ブロック9は、内周壁6の全周で隙間なく並べられている。複数の抑制ブロック9を隙間なく並べることによって、押し寄せる波に対して、内周壁6の全周について隙間なく波を崩すので、内周壁6の全周についてもれなくスロッシングの成長を抑制することができる。
図2のように、燃料プール2が平面視において長方形を有する場合、各辺に抑制ブロック9を隙間なく並べることはもちろん、長方形の角においても隙間ができないように抑制ブロック9の長方形の辺方向(壁面7の面内水平方向)の長さを調整する。長さを調整できないときは、図2のように、長方形の長辺の抑制ブロック9の並びを延長して長方形の角を埋めてもよいし、長方形の短辺の抑制ブロック9の並びを延長して長方形の角を埋めてもよい。要は隙間なく角を埋められる構造であれば、どのように抑制ブロック9や抑制板10を構成してもよい。
また図4に示す実施形態では、各抑制ブロック9の複数の抑制板10は、上下方向に異なる間隔で並べられている。加えて、図4に示すように、複数の抑制ブロック9は、それぞれの中央高さがずれるように配置されている。複数の抑制板10に注目すると、互いの高さ位置が異なる複数の抑制板10が、壁面7の面内水平方向にずれるように壁面7から突出した構成となっている。したがって、壁面7に向かって、壁面7の面内水平方向にそろった位相で押し寄せる波に対して、複数の抑制板10はそれぞれ異なる高さで波と衝突することで、位相を崩す(ずらす)ので、スロッシングを抑制できる。
本実施形態では、複数の抑制ブロック9を、それぞれの中央高さがずれるように配置しているが、互いの高さ位置が異なる複数の抑制板10が、壁面7の面内水平方向にずれるように配置されるならどのような配置でもよい。
変形例として、高さ位置及び壁面7の面内水平方向の位置が異なるように抑制板10を個別に壁面7にとりつけて、互いの高さ位置が異なる複数の抑制板10が面内水平方向にずれるように配置してもよい。
さらに、別の変形例として、複数の抑制ブロック9同士で、複数の抑制板10の間隔が異なるように配置し、複数の抑制ブロック9を壁面7の面内水平方向に、複数の抑制ブロック9それぞれ中央高さを揃えて(又は中央高さがずれるように)並べることによって、互いの高さ位置が異なる複数の抑制板10を、壁面7の面内水平方向にずれるように配置してもよい。
本実施形態では、燃料プール2の内周壁6に抑制ブロック9を設置して、複数の抑制板10を壁面7から突出させているが、変形例として、抑制ブロック9を用いずに、壁面7に複数の抑制板10を一枚一枚取り付けてもよいし、別の変形例として、壁面7自身を凹凸加工し、壁面7に複数の抑制板10を直接作りこんでもよい。
図5には、高さ方向に関する、抑制板10の設置有効範囲13の一実施形態を示す。燃料プール2内において、図5のような水平面を形成する水面12は、スロッシングが発生し、成長すると、燃料プール2から漏洩する高さ、すなわち燃料プール2の端の高さに至る。この時の水平面を形成する水面12の高さから、燃料プール2から漏洩する高さまでの差を片振幅とした上下の範囲を、複数の抑制板10の設置有効範囲13とする。
設置有効範囲13に複数の抑制板10を設けることによって、燃料プール2の端において、複数の抑制板10が、床面の高さから突出せず、燃料の出し入れの邪魔にならない構造とすることができる。また、設置有効範囲13に複数の抑制板10を設けることによって、波の上下方向の振幅に対応する上下の範囲すべてにわたって複数の抑制板10が設定されることになるから、与えられた設定範囲を有効に利用してスロッシングを抑制することができる。
以上のような複数の抑制板10を燃料プール2の水面12に配置することで、抑制板10は、周期的に発生するスロッシングの波の乱れを引き起こすように作用する。そして、波の乱れによってスロッシングの固有周期や、抑制板10に当たる水面12に揺動のタイミングを変えることができるので、スロッシングのエネルギーが消散されて、波高の成長を防止するという効果が期待できる。
本実施形態のスロッシング対策装置3は、複数の抑制板10を利用して、スロッシングのエネルギー消散し、波高の成長を防止しているから、特許文献1の移動壁のように人力や電力等といった外力を必要とせず、電力や人力を期待できない地震発生時においても機能する。
また、本実施形態のスロッシング対策装置3は、複数の抑制板10を利用して、複数の抑制板の形状、段数、段幅を調整することで、燃料プール2の大きさや形に応じたスロッシング対策構造を選択することができる。
「第二実施形態」
本発明に係るスロッシング対策装置及びこれを備える貯液槽の第二実施形態について、図6〜図14を参照して説明する。
本実施形態の貯液槽1も燃料プール2である。図6に示すように燃料プール2では、燃料プール2の縁にスロッシング対策装置3を備えている。燃料プール2内には、第一実施形態と同様に、水4が貯留されており、図2に示すような、使用済み燃料が収容された燃料ラック5が水中で貯蔵されている。
スロッシング対策装置3は、図6及び図7に示すように、浮体からなる防波ブロック14及びスライド機構15を備えている。防波ブロック14及びスライド機構15は、燃料プール2の内周壁6の壁面7に設けられている。なお、図7は、内周壁6側から燃料プール2側を見た図であって、内周壁6を透視したときの防波ブロック14及びスライド機構15の構造を示した図である。
スライド機構15は、防波ブロック14を上下に対して移動自在にガイドしている。スライド機構15にガイドされた防波ブロック14は、水4に対して一部が水面上に浮かぶ浮体、すなわち自重よりも浮力が大きくなる部材からなる。浮体で構成された防波ブロック14は、水面12の上昇下降と共に、一部が水面上に浮かぶように、上下に移動する。一方、防波ブロック14は、燃料プール2側に防波面16を有し、防波面16で波を押し返す構造となっている。
スロッシング対策装置3は、防波ブロック14及びスライド機構15を有することによって、燃料プール2内においてスロッシングが発生した場合、浮体からなる防波ブロック14は、スロッシングに追従して上下する。そして、スロッシングにより水面12が、燃料プール2の縁の床面17を超えると、防波ブロック14の上端は床面17より上方に突出する。突出した防波面16は、燃料プール2の外へ溢れだそうとする水4を押し返すように作用し、水4が燃料プール2の外へ漏れることを防止する。
本実施形態において、防波ブロック14の下端部は、水面12下にあり、防波ブロック14は、壁面7に直接又はスライド機構15を介して支えられているから、特許文献1のような起立壁を設ける必要がない。しかも本実施形態では、防波ブロック14を安定した壁面7で支える構造であるから、特許文献1の床面に片持ちで起立される起立壁のように、移動壁を支える部材が片持ちとなることがなく、スロッシングに対する強度をより高く保つことができる。さらに、水面12下方向の防波ブロック14の上下方向の長さを十分確保しておけば、予想を超えるスロッシングに対しても漏水を防止することができる。
防波ブロック14の上端は、水面12から距離を設けておく。設ける距離が長いほど、防波ブロック14の応答時間を稼ぐことができるから、スロッシングの水面12の急な上昇に対応することができる。
防波ブロック14の浮き上がり長さは、以下の計算によって求めることができる。
防波ブロック14の浮いているとき、防波ブロック14の浮力と重力は釣り合っているから、下記式(1)で表すことができる。
ここで、msは防波ブロック14の質量、gは重力加速度、ρw:は水密度、V:水没する防波ブロック14の体積である。
このとき、水面より浮きが上がっている防波ブロック14の長さLuは、下記式(2)で表すことができる。
ここで、Ltotalは防波ブロック14の全長(高さ)、Aはブロック断面積を表す。
本実施形態のスロッシング対策装置3は、浮力を利用して、防波ブロック14が上下するから、特許文献1の移動壁のように人力や電力等といった外力を必要とせず、電力や人力を期待できない地震発生時においても機能する。
防波ブロック14の内部に、図8に示すように、リブ18とリブ18によって区画された空洞19とを備えるリブ構造20を設けてもよい。リブ構造20を採用することで、防波ブロック14の強度を持たせつつ、浮力を増やすことができる。なお、図8は図7のA−A断面における防波ブロック14の断面図を示す。変形例として、図9に示すように、防波ブロック14の燃料プール2側の面を多孔質構造21としてもよい。内周壁6に押し寄せる波が、防波ブロック14に衝突すると共に、多孔質構造21内に入り込んで吸収され、波が崩されることとなる。なお、図9は図7のA−A断面における防波ブロック14の断面図を示す。
さらなる変形例として、図8に示すように、リブ構造20のうち、防波ブロック14の燃料プール2側の面の一部の空洞19に開口22を設けてもよい。さらには、防波ブロック14の燃料プール2側の面に多孔板を設けてもよい。多孔質構造21と同様に、内周壁6に押し寄せる波が、防波ブロック14に衝突すると共に、開口22や多孔板の孔からリブ構造20内に入り込んで吸収され、波が崩されることとなる。
また、図6(a)、(b)及び図10(a)に示すように、防波ブロック14の上端を燃料プール2側へ突出させた突出部23を設けてもよい。突出部23を設けることによって、突出部23の下面によって、防波ブロック14を超える波を崩すことが可能となる。
スライド機構15は、一例として、図7及び図10(a)、(b)に示すようにリニアガイドで構成される。防波ブロック14は、図7、図10(b)に示すように、スライド機構15によって上下方向に移動自在に保持される。防波ブロック14とスライド機構15とは、嵌合構造によって嵌合されている。なお、図10(b)は図10(a)のB−B断面図を示す。
図11に示すように、スロッシング対策装置3は、複数の防波ブロック14を備える。複数の防波ブロック14は、内周壁6の全周で隙間なく並ぶように配置されている。内周壁6に複数の防波ブロック14を隙間なく並べることによって、複数の防波ブロック14は、押し寄せる波に対して、隙間なく波を押し返すので、内周壁6の全周について漏水を防止することができる。
内周壁6の全周にスロッシング対策装置3を設ける場合、内周壁6の全周を一体構造の防波ブロック14としてもよいが、防波ブロック14が大型である場合、分割した複数の防波ブロック14を並べる方が施工上便利である。なお、図11は、内周壁6側から燃料プール2側を見た図であって、内周壁6を透視したときの防波ブロック14及びスライド機構15の構造を示した図である。
複数の防波ブロック14は、隣り合う防波ブロック14の対向部を、図12(a)のような嵌合構造として連結したり、図12(b)のように連結せず平面同士を合わせた構造としたりすることによって、スロッシングによる漏水を防ぐことができる。さらに複数の防波ブロック14は、隣り合う防波ブロック14間の対向部を、図12(c)のような複雑な嵌合構造で連結することで、さらに漏水を防ぐことができる。
複数の防波ブロック14のうち、隣り合う防波ブロック14同士を図11に示すように、互いにチェーン24を連結部材として連結し、相対差が大きくならないように規制してもよい。チェーン24で連結することによって、隣同士の防波ブロック14の上下方向に位置の差が大きくなりすぎないから、浮上した防波ブロック14に対して、隣の防波ブロック14も連れられて上昇する。したがって、浮上する防波ブロック14に衝突した波が、防波ブロック14の脇へ回り込んだとしても、連れられて上昇する隣の防波ブロック14が、回り込んだ波を遮蔽することによって、回り込んだ波が燃料プール2から漏れだすことを防ぐことができる。
また、変形例として、燃料プール2が平面視において長方形である場合、図13に示すように、防波ブロック14として、長方形の各辺25に対して、一枚の板面を配置する構成としてもよい。一枚の板面を配置することで、防波ブロック14は、加工しやすい形状としながら、漏れるおそれのある隙間を極力少なくすることができる。長方形の角は、図13のように、長方形の長辺に配置した防波ブロック14の防波面16を、壁面7の水平方向長さを延長して長方形の角を埋めてもよいし、長方形の短辺に配置した防波ブロック14の板面を延長して長方形の角を埋めてもよい。
本実施形態の防波ブロック14は、鉛直面を有する内周壁6に設けているので、スロッシングによって発生し、内周壁6に押し寄せる波に対して、鉛直方向に防波ブロック14が浮上して波を押し返すので、より効果的に外部への漏水を防止できる。
本実施形態では防波面16は鉛直面に平行に構成されているが、変形例として、防波面16が斜め下を向くように構成してもよい。防波面16によって波を押し返すと同時に、斜め下を向いた防波面16によって波を崩す、すなわち、漏水を防止しつつスロッシングを抑制しすることができる。また、内周壁6に向かう波が斜め下を向いた防波面16に衝突したときの反作用によって、防波ブロック14は、上に向かう力を受けて浮上しやすくなるので、水面12の上昇に追従しやすくなる。
別の変形例として、図14に示すように、対向する板面からなる防波ブロック14を、下向きに傾斜した内周壁6に設けることもできる。下向きに傾斜した内周壁6に設けると、防波ブロック14は、スライド機構15に沿って、上昇しつつ燃料プール2内の領域へ飛び出す。本変形例では、内周壁6に押し寄せる波に対して、防波ブロック14は、上昇しつつ、防波面16を斜め下に向けながら燃料プール2内の領域へ飛び出す。したがって、防波面16によって波を押し返すと同時に、斜め下を向いた防波面16によって波を崩す、すなわち、漏水を防止しつつスロッシングを抑制しすることができる。また、内周壁6に向かう波が斜め下を向いた防波面16に衝突したときの反作用によって、防波ブロック14は、上に向かう力を受けて浮上しやすくなるので、水面12の上昇に追従しやすくなる。
本実施形態のスロッシング対策装置3は、防波ブロック14を、燃料プール2に配置することで、防波ブロック14は、スロッシングによる水面4の上昇に追随して上昇して波を押し返すから、予想を超えるスロッシングに対しても漏水を防止することができる。
また、本実施形態のスロッシング対策装置3は、防波ブロック14の浮力を利用して防波ブロック14を上下するから、電力や人力を期待できない地震発生時においても漏水を防止することができる。
さらに、本実施形態のスロッシング対策装置3は、防波ブロック14が内周壁6の壁面7に沿う機構であり、通常は燃料プール2内に収容されているため、燃料の出し入れの邪魔にならないという効果もある。
「第三実施形態」
本発明に係るスロッシング対策装置及びこれを備える貯液槽の第三実施形態について、図15〜図18を参照して説明する。
本実施形態の貯液槽1も燃料プール2である。図15に示すように燃料プール2の縁にスロッシング対策装置3を備えている。燃料プール2内には、第一実施形態と同様に、水4が貯留されており、図2に示すような、使用済み燃料が収容された燃料ラック5が水中で貯蔵されている。
スロッシング対策装置3は、図15に示すように、燃料プール2の縁に起立するスロッシング防止板26及びヒンジ27を備えている。スロッシング防止板26及びヒンジ27は、燃料プール2の内周壁6の壁面7に設けられている。ヒンジ27は、スロッシング防止板26の下辺を回転軸33で回動支持している。ヒンジ27は、回転軸33の回動によって、スロッシング防止板26の一対の板面が上下方向を向くように、燃料プール2内の水面12上へスロッシング防止板26が倒れることを許容している。
ヒンジ27には、回転ばね28が設けられている。回転軸33には、スロッシング防止板26の倒れによる回動に対応する回転モーメント(以下、「転倒回転モーメント」という。)が発生する。これに対し、回転ばね28は、転倒回転モーメントとは逆方向の回転モーメント、すなわち、スロッシング防止板26の倒れを引き戻す回転モーメント(以下、「引き戻し回転モーメント」という。)を与える。本実施形態では回転ばね28を用いているが、回転角に対して比例する復元力のある機構であれば、どのような機構でもよい。
スロッシング対策装置3は、複数のスロッシング防止板26を備える。複数のスロッシング防止板26は、内周壁6の全周に配置されている。
変形例として、図16に示すように並進ばね29と固定部30とを設けて、引き戻し回転モーメントを与えてもよい。並進ばね29を用いる場合、図16に示すように、少なくとも並進ばね29を燃料プール2の縁の床面17に設ける方が、構造上、スロッシング防止板26を垂直に起立させやすい。
また、並進ばね29を用いる場合、図16に示すように、起立したスロッシング防止板26の並進ばね29側の板面26aに対し、対応する第一ストッパ面31aを有する第一ストッパ機構31を設ける。第一ストッパ機構31は、起立したスロッシング防止板26が並進ばね29側へ倒れ始めると、板面26aと当接するため、並進ばね29による引き戻し回転モーメントが強くても、第一ストッパ機構31は、スロッシング防止板26が床面側へ倒れることを制限する。なお、第一ストッパ機構31は、並進ばね29の並進移動の邪魔にならないように、並進ばね29が自由に挿通できるように第一ストッパ機構31に切欠又は開口を設けておく。さらなる変形例として、固定部30と第一ストッパ機構31とを別々に設けず、固定部30と第一ストッパ機構31とを兼ねた機構を設けることとしてもよい。もちろん、図16の変形例において、並進ばね29に代えて回転ばね28を設けることによって引き戻し回転モーメントを与えてもよい。
さらに、第一ストッパ機構31を設けることによって、スロッシング防止板26に対して、回転ばね28や並進ばね29によって、燃料プール2の外側に向かって、プリテンションをかけることができるので、小さい地震では、燃料プール2側に倒れないように調整することができる。なお、図15の第三実施形態においても、第一ストッパ機構31の代わりに、内周壁6の壁面7が、スロッシング防止板26の床面側へ倒れを制限する機構として作用するので、同様に、スロッシング防止板26に対して、燃料プール2の外側に向かってプリテンションをかけることができる。さらに、図15に示す二点鎖線の第一ストッパ機構31のように、図15の第三実施形態において、第一ストッパ機構31を別途設けてもよい。
また、図16の変形例において、並進ばね29は、スロッシング防止板26に直接つないでもよいが、屈曲自在な紐やワイヤ等と滑車や支点等とを介して並進ばね29をスロッシング防止板26に繋いでもよい。屈曲自在な紐やワイヤ等と滑車や支点等を用いれば、並進ばね29と燃料プール2の縁とが機械的に干渉することなく、並進ばね29の張力に基づく引き戻し回転モーメントを、スロッシング防止板26に有効に作用させることができる。
スロッシング防止板26が燃料プール2側へ回動する場合、スロッシング防止板26の一対の板面が上下方向を向いた状態で回動を制限する第二ストッパ機構32を設ける。第二ストッパ機構32は、上下方向と交差する第二ストッパ面32aを有する。
スロッシング防止板26の一対の板面が上下方向を向いたときに、スロッシング防止板26の下面、すなわち板面26aに対向する対向板面26bが、第二ストッパ面32aに当接することによって、第二ストッパ機構32は、スロッシング防止板26の一対の板面が上下方向を向いた状態で回動が止まるように、回動を制限する。そして、スロッシング防止板26の一対の板面が上下方向を向くことで、上下方向の振幅を有する波に対して、スロッシング防止板が有効に波を崩しつつ蓋として機能するので、効率よくスロッシングを抑制できる。
変形例として、スロッシング防止板26を水4に対して一部が水面12上に浮かぶ浮体、すなわち自重よりも浮力が大きくなる部材で構成してもよい。スロッシング防止板26を浮体で構成することによって、スロッシング防止板26の一対の板面が上下方向を向いた状態で浮力が働いて回動が止まるから、第二ストッパ機構32と同様に、スロッシング防止板26の一対の板面が上下方向を向いた状態で回動が止まるように、スロッシング防止板26の回動を制限することができる。
本実施形態のスロッシング対策装置3の動作について説明する。地震が発生すると、スロッシングが発生し、水面12に波が発生する。それと同時に、起立したスロッシング防止板26は、回転軸33の周りで回転振動する。ある程度の振幅を超えると、後で説明するように、転倒回転モーメントが引き戻し回転モーメントより大きくなり、スロッシング防止板26は、燃料プール2の水面12に倒れる。燃料プール2の水面12に倒れたスロッシング防止板26は、第二ストッパ機構32で回動が止まり、スロッシング防止板26の一対の板面が上下方向を向いた状態で保持される。
本実施形態のスロッシング対策装置3は、主に長周期の大地震向けに適したスロッシング対策構造であって、長周期の大地震が起きた時に、スロッシング防止板26が水面12に一気に倒れることで、燃料プール2に対して完全且つ瞬時に蓋をすることができる。
図15の点線で示すスロッシング防止板26のように、一対の板面が上下方向を向いたスロッシング防止板26は、水面12に発生する波を崩し、周期的に発生するスロッシングの波の乱れを引き起こすように作用する。そして、この乱れによってスロッシングの固有周期や、スロッシング防止板26に当たる水面12に揺動のタイミングを変えることができるので、スロッシングのエネルギーが消散されて、波高の成長を防止するという効果が期待できる。
本実施形態のスロッシング対策装置3は、転倒による(自重による)回転モーメント及び弾性部材による引き戻し回転モーメントを利用して、スロッシング防止板26が地震時に転倒するから、特許文献1の移動壁のように人力や電力等といった外力を必要とせず、電力や人力を期待できない地震発生時においても機能する。
転倒回転モーメントが引き戻し回転モーメントより大きくなる原理について説明する。
スロッシング防止板26の回動振動の固有振動数fbは、下記式(3)で表すことができる。
ここで、yは回転軸33とスロッシング防止板26の中心との距離、gは重力加速度、mはスロッシング防止板26の質量、KΦは回転ばね28のバネ定数、Iはスロッシング防止板26の回転慣性モーメントを示す。
スロッシングの固有振動数fs(n次)は、下記式(4)で表すことができる。
ここで、Lは燃料プール2内壁間の幅、Hは水4の深さを示す。
スロッシングの主のモードとなる1次モード(n=1)における固有振動数とスロッシング防止板26の回動振動の固有振動数を極力近づけることで、スロッシングが大きく生じたときにスロッシング防止板26の応答も大きくなり、スロッシング防止板26が倒れることでスロッシングを防止する。
地震時に生じたスロッシング防止板26の回転角をθとし、回転ばね28を予めθiniだけ変位させてプリテンションをかけておくとすると、スロッシング防止板26の転倒回転モーメントは、m・g・y・sinθである。一方、(回転ばね28によるスロッシング防止板26の転倒を引き戻す)引き戻し回転モーメントは、Kφ・(θ+θini)である。したがって、回転角θが大きくなるほど、転倒回転モーメントはsinθに比例して大きくなり、引き戻し回転モーメントはθに比例して大きくなる。
このような回転角に対する転倒回転モーメント及び引き戻し回転モーメントの関係は、図17のグラフのように表すことができる。図17において、回転角が大きい領域で回転モーメントが最も高くなる右上がりの実線34が転倒回転モーメントを示し、右上がりの点線35が回転ばね28の引き戻し回転モーメントを示す。回転角が小さいときは、転倒回転モーメントは引き戻し回転モーメントより小さい。このときスロッシング防止板26は転倒しない。回転角が大きくなるに従い、転倒回転モーメントは、引き戻し回転モーメントに近づき、ついには引き戻し回転モーメントを大きく上回る。そして、転倒回転モーメントが引き戻し回転モーメントを上回ると、スロッシング防止板26は燃料プール2側へ転倒することとなる。
並進ばね29の場合においても、回転角に対する転倒回転モーメント及び引き戻し回転モーメントの関係は、図17のグラフに示すような関係となり、同じく転倒回転モーメントが引き戻し回転モーメントを上回ると、スロッシング防止板26は転倒することとなる。
本実施形態のスロッシング対策装置3は、スロッシングが発生する時だけ倒れて蓋として機能する。地震時において、スロッシング防止板26は、図18(a)及び(b)に示すように、回動振動が発生する。発生する回動振動の固有周期(固有振動数)は、引き戻し回転モーメントを与えるばねの剛性と転倒回転モーメントを与える板の質量に依存するから、スロッシング防止板26の回動振動の固有周期が、スロッシング周期と合うようにバネの剛性を調整すれば、スロッシングが大きくなるときだけ、スロッシング防止板26を倒すことができる。
加えて、燃料プール2の外側に倒れない構造でありながら、燃料プール2の外側に向かってプリテンションをかけているので、小さい地震であればプール側に倒れない(図18(b))。一方、スロッシングが問題となる大地震のときにスロッシング防止板26が水面に倒れる(図18(a))ため、スロッシング防止板26は、普段はプール作業を妨げず、スロッシングが発生したときだけ蓋として機能し、スロッシングを抑制する。
また、本実施形態のスロッシング対策装置3は、ばね機構により回転方向の固有振動数を調整することによって、長周期の大地震にのみ機能して、スロッシングが増幅しない地震に対しては機能しない構造とすることができる。
さらに、本実施形態のスロッシング対策装置3は、スロッシング防止板26は起立しているので、燃料プール2の燃料の出し入れに邪魔になりにくいという点でも優れている。
「第四実施形態」
本発明に係るスロッシング対策装置及びこれを備える貯液槽の第四実施形態について、図19〜図22を参照して説明する。
本実施形態の貯液槽1も燃料プール2であって、図19に示すように、燃料プール2内にスロッシング対策装置3を備えている。燃料プール2内には、第一実施形態と同様に、水4が貯留されており、図2に示すような、使用済み燃料が収容された燃料ラック5が水中で貯蔵されている。
スロッシング対策装置3は、図19に示すように、抑制板37、腕部38及び回動支持部39を備えている。図20に示すように、抑制板37、腕部38及び回動支持部39は、燃料ラック5の出し入れ(装荷)の邪魔にならないように、複数の燃料ラック5の隙間にそれぞれ設けられている。
本実施形態において腕部38は棒形状を有しているが、一端と他端を有する形状であればどのような形状でもよい。腕部38の一端は、抑制板37の板面に交差するように、抑制板37に固定されている。本実施形態では、抑制板37の板面に対して腕部38が直交して伸びるように、腕部38の一端が、抑制板37の板面の中心に固定されている。腕部38の他端は、燃料プール2内で回動支持部39に回動可能に支持されている。
図19及び図20に示すように、回動支持部39の一端は、腕部38の他端を支持し、回動支持部39の他端は、燃料プール2の底面に固定されている。
本実施形態において抑制板37は、水4に対して一部が水面上に浮かぶ浮体、すなわち自重よりも浮力が大きくなる部材で構成されている。抑制板37は、水面12に一対の板面が上下方向を向くように設けられており、腕部38及び回動支持部39と共に、倒立振り子40を形成している。
ここで倒立振り子40がスロッシングを抑制する作用について説明する。抑制板37は、地震がなく、水4に波や流れがないときは、安定した位置で静止している。しかし、地震や他の要因で水4に波や流れが生じると、抑制板37の水平面内で位置が変位する。抑制板37の水平面内で位置が変位すると、腕部38の他端を支点とし、抑制板37の浮力に基づく復元力によって、倒立振り子40は、固有振動数で振動する。この倒立振り子40の固有振動数を、燃料プール2の大きさなどで決まるスロッシングの固有振動数と乖離させれば、抑制板37の板面によって、スロッシングのエネルギーを消散し、波高の成長を防止するという効果が期待できる。
倒立振り子40に復元力を作用させる構成は、抑制板37を浮体で構成すること以外の構成を用いてもよい。変形例として、腕部38の他端を回動可能に支持する回動支持部39に、回動を引き戻すように回転ばねや並進ばねや板ばね等(回転剛性)を設けて、復元力を作用させてもよい。また他の変形例として、腕部38自身を弾性部材で構成したり、腕部38の一端と他端の間に弾性機構を設けたりして、復元力を作用させてもよい。これら変形例は、抑制板37を浮体で構成することに代えて設けてもよいし、抑制板37を浮体で構成することに加えて設けてもよい。また、弾性部材又は弾性機構を倒立振り子40に設けているから、弾性部材又は弾性機構の復元力を調整することで、倒立振り子40の固有振動数を調整できる。
本実施形態では、図19及び図20に示すように、燃料プール2の中央に複数の抑制板37を設けているが、変形例として、図21に示すように、抑制板37を燃料プール2の壁面7の内周に設ければ、燃料プール2での作業を妨げず、より装荷性が高くなる。抑制板37を壁面7の内周に設ける場合、回動支持部39の他端は、燃料プール2の底面に固定されてもよいし、燃料プール2の内周壁6に固定されてもよい。また、図21に示すように、内周壁6の全周について抑制板37を設けることによって、抑制板37によって燃料プール2における作業が妨げられることなく、内周壁6でもれなくスロッシングの成長を抑制することができる。
本変形例では、回動支持部39は、腕部38の他端を、壁面7に直交する鉛直平面内で回動している。ここで、回動支持部39は、腕部38の他端を、壁面7の面内水平方向に交差する面内で回動させるものであれば、少なくともスロッシングを抑制できる。しかし、本変形例のように腕部38の他端を、壁面7に直交する鉛直面内で回動させれば、壁面7に押し寄せる波をより効率的に崩すことができる。
本変形例において腕部38の他端と回動支持部39とは、壁面7の面内水平方向に平行な軸を回転軸として結合しているが、ナックルジョイントを用いて任意の鉛直面内において回動可能に結合してもよい。ナックルジョイントを用いれば、任意の水平方向の揺れや波に対し万能に作用する。
倒立振り子がスロッシングを抑制する条件について説明する。
倒立振り子の固有振動数fpは、式(5)によって示される。
ここで、Kφは回転剛性、mは抑制板37の質量、g*は重力加速度(抑制板37の浮力を考慮した見かけ上の重力加速度)、yは回転軸から抑制板37の中心までの距離、Iは抑制板37の回転慣性モーメントを示す。
ただし、抑制板37の浮力を大きくし、自重より浮力の方が大きくなった場合は倒立振り子ではなく、通常の振り子として扱え、回転剛性の機構も不要となる。その時の振り子の固有振動数fpは次式(6)となる。
一方、スロッシングの固有振動数fs(n次)は、式(7)によって示される。
ここで、Lは燃料プール2内壁間の幅、Hは水4の深さを示す。
上記抑制板37の固有振動数とスロッシングの固有振動数とを乖離させる(スロッシングの応答に対して逆相にする)ことで、抑制板37の振動がスロッシングを抑制できる。
加振振動数及び振り子振動数に対する応答倍率と位相は、図22のグラフのように表すことができる。図22(a)及び図22(b)の横軸は、加振振動数/振り子の固有振動数を示し、図22(a)及び図22(b)で位置、スケールを揃えている。図22(a)の縦軸は振り子の応答特性として応答倍率、図22(b)の横軸は位相を示す。応答倍率がピークとなる位置は、加振振動数と振り子の固有振動数が一致する点であり、位相が正から負へ反転している。このように加振振動数と振り子の固有振動数を一致させない、すなわちスロッシングの固有振動数と倒立振り子の固有振動数をずらすことによって、スロッシングに対して倒立振り子を応答させないように振動させることができ、スロッシングに対して振り子振動の位相をずらすことができ、スロッシングを減衰させることができる。
本実施形態のスロッシング対策装置3は、浮力や弾性部材を利用した倒立振り子40によって、スロッシングを減衰させるから、特許文献1の移動壁のように人力や電力等といった外力を必要とせず、電力や人力を期待できない地震発生時においても機能する。
また、本実施形態のスロッシング対策装置3は、複数の燃料ラック5の隙間にそれぞれ設けられているので、燃料ラック5の出し入れの邪魔にならず、燃料装荷性にも影響がない。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、リブ構造20や多孔質構造21は、抑制板10、スロッシング防止板26、抑制板37にいずれにも適用することができる。
また以上説明したスロッシング対策装置3は、水4を貯留した燃料プール2のスロッシング対策装置であるが、水4を貯留した燃料プール2に限らず、様々な液体を貯留した貯液槽におけるスロッシング対策に適用することができる。
1: 貯液槽、2:燃料プール、3:スロッシング対策装置、4:水、5:燃料ラック、6:内周壁、7:壁面、8:フック、9:抑制ブロック、10:抑制板、11:仕切り板、12:水面、13:設置有効範囲、14:防波ブロック、15:スライド機構、16:防波面、17:床面、18:リブ、19:空洞、20:リブ構造、21:多孔質構造、22:開口:23:突出部、24:チェーン、25:辺、26:スロッシング防止板、26a:板面、26b:対向板面、27:ヒンジ、28:回転ばね、29:並進ばね、30:固定部、31:第一ストッパ機構、31a:第一ストッパ面、32:第二ストッパ機構、32a:第二ストッパ面、33:回転軸、34:実線、35:点線、37:抑制板、38:腕部、39:回動支持部、40:倒立振り子

Claims (27)

  1. 液体が貯留された貯液槽の内周壁から一対の板面が上下方向を向くように突出する板状をなすとともに、互いの高さ位置が異なるように配置された複数の抑制板
    を備えるスロッシング対策装置。
  2. 請求項1に記載のスロッシング対策装置において、
    前記複数の抑制板が、前記上下方向に間隔を有し、重なるように並べられたスロッシング対策装置。
  3. 請求項1又は2に記載のスロッシング対策装置において、
    前記複数の抑制板が、前記上下方向に異なる間隔で並べられたスロッシング対策装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のスロッシング対策装置において、
    前記複数の抑制板が、上に向かうに従って突出方向の長さである突出長さが長くなるように構成されたスロッシング対策装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のスロッシング対策装置において、
    前記複数の抑制板のうち、少なくとも一の抑制板が、他の抑制板に対し、前記内周壁の壁面内水平方向にずれるように配置されたスロッシング対策装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のスロッシング対策装置において、
    前記複数の抑制板を、前記内周壁の全周について隙間なく並べて配置したスロッシング対策装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のスロッシング対策装置において、
    複数の抑制ブロックを備え、
    前記複数の抑制ブロックは、それぞれ前記上下方向に間隔を有する前記複数の抑制板を備え、
    前記抑制ブロックにおいて、前記上下方向に間隔を有した複数の抑制板は、前記内周壁の壁面内水平方向の長さである突出幅が等しく、
    前記抑制ブロックにおいて、前記上下方向に間隔を有した複数の抑制板は、前記壁面内水平方向の位置が等しくなるように並べられた
    スロッシング対策装置。
  8. 請求項7に記載のスロッシング対策装置において、
    前記抑制ブロックは、一対の板面を有する仕切り板を備え、
    前記仕切り板の一対の板面は、前記壁面内水平方向に直交するように設けられた
    スロッシング対策装置。
  9. 請求項7又は8に記載のスロッシング対策装置において、
    前記抑制ブロックの中央高さが、前記液体の液面となるように前記抑制ブロックを配置したスロッシング対策装置。
  10. 液体が貯留された貯液槽の内周壁に設けられた防波ブロックと、
    前記防波ブロックを、上下方向に移動自在にガイドするスライド機構と
    を備えるスロッシング対策装置において、
    前記防波ブロックは、自重よりも浮力が大きくなる部材で構成されたスロッシング対策装置。
  11. 請求項10に記載のスロッシング対策装置において、
    前記防波ブロックを、前記貯液槽の上下方向に平行な内周壁に設けたスロッシング対策装置。
  12. 請求項10に記載のスロッシング対策装置において、
    前記防波ブロックを、前記貯液槽の下向きに傾斜した内周壁に設けたスロッシング対策装置。
  13. 請求項10から12のいずれか一項に記載のスロッシング対策装置において、
    前記防波ブロックは、内部にリブを有し、
    前記リブによって、前記防波ブロック内に区画された空洞を形成したスロッシング対策装置。
  14. 請求項10から13のいずれか一項に記載のスロッシング対策装置において、
    前記防波ブロックの壁面に孔を設けたスロッシング対策装置。
  15. 請求項10から14いずれか一項に記載のスロッシング対策装置において、
    前記防波ブロックを複数設け、
    隣り合う前記防波ブロックを連結したスロッシング対策装置。
  16. 請求項10から15のいずれか一項に記載のスロッシング対策装置において、
    複数の前記内周壁に対して、それぞれ1枚の前記防波ブロックを設けたスロッシング対策装置。
  17. 請求項10から16いずれか一項に記載のスロッシング対策装置において、
    前記防波ブロックを、前記内周壁の全周について隙間なく並べて配置したスロッシング対策装置。
  18. 液体が貯留された貯液槽の縁に起立するスロッシング防止板と、
    前記スロッシング防止板の下辺を軸に回動支持するとともに、前記軸の回動によって、前記スロッシング防止板の一対の板面が上下方向を向くように前記貯液槽内の液面へ倒れることを許容する回動支持部と、
    前記軸に前記スロッシング防止板の貯液槽への倒れを引き戻す回転モーメントを与えるとともに、スロッシングが発生したときに前記スロッシング防止板が前記液面に倒れることを許容するばね機構と
    を有するスロッシング対策装置。
  19. 請求項18に記載のスロッシング対策装置において、
    前記スロッシング防止板の前記倒れの逆方向への倒れを制限する第一ストッパ機構
    を備えるスロッシング対策装置。
  20. 請求項18又は19に記載のスロッシング対策装置において、
    前記スロッシング防止板の一対の板面が上下方向を向いた位置で回動を制限する第二ストッパ機構
    を備えるスロッシング対策装置。
  21. 請求項18から20いずれか一項に記載のスロッシング対策装置において、
    前記スロッシング防止板は、自重よりも浮力が大きくなる部材で構成されているスロッシング対策装置。
  22. 液体が貯留された貯液槽の液面に、一対の板面が上下方向を向くように設けた抑制板と、
    一端が前記抑制板に固定され、前記抑制板の板面に対し交差する腕部と、
    前記腕部の他端を前記貯液槽内で支持し、前記腕部の他端を少なくとも水平面に交差する面内で回動可能に支持する回動支持部とを備え
    前記抑制板、前記腕部及び前記回動支持部は、倒立振り子を形成する
    スロッシング対策装置。
  23. 請求項22に記載のスロッシング対策装置において、
    前記抑制板を前記貯液槽の壁面の内周に設け、
    前記回動支持部は、前記腕部の他端を、前記壁面の面内水平方向に交差する面内で回動可能に支持するスロッシング対策装置。
  24. 請求項22又は23に記載のスロッシング対策装置において、
    前記抑制板は、自重よりも浮力が大きくなる部材で構成されている
    スロッシング対策装置。
  25. 請求項22から24いずれか一項に記載のスロッシング対策装置において、
    前記回動支持部における回動に対して、逆方向の復元力を与える弾性部材又は弾性機構を有する
    スロッシング対策装置。
  26. 請求項22から25いずれか一項に記載のスロッシング対策装置において、
    前記抑制板は、前記貯液槽の全周に複数設けられたスロッシング対策装置。
  27. 請求項1から26のいずれか一項に記載のスロッシング対策装置を設けた前記貯液槽であって、前記貯液槽が燃料プールである貯液槽。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019128316A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 ダイハツ工業株式会社 リーク試験装置
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