JP2017047769A - 作業車のクローラ走行装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行中に左右一対の芯金突起が延長ガイド部に接触することを抑制する。【解決手段】作業車のクローラ走行装置は、内周面から突出する左右一対の芯金突起37aを周方向に一定間隔で有する無端のクローラベルト37と、トラックフレーム36の後端部に取り付ける固定式ガイドユニット41とを備え、固定式ガイドユニット41は、左右一対の芯金突起37aを跨いでクローラベルト37の左右両端側を案内する複数の固定式外転輪57と、複数の固定式外転輪57にわたる前後長さを有して左右一対の芯金突起37aの間に位置する固定式クローラガイド58とを備え、固定式クローラガイド58は、固定式ガイドユニット41の最前の固定式外転輪57よりも前方に延出する延長ガイド部58Aを有し、延長ガイド部58Aの左右両端が、その後方に位置する主ガイド部58Bの左右両端よりも固定式クローラガイド58の左右中心側に位置している。【選択図】図4

Description

本発明は、車体フレームに取り付けるトラックフレームと、内周面から突出する左右一対の芯金突起を周方向に一定間隔で有する無端のクローラベルトと、前記トラックフレームの後端部に取り付ける固定式ガイドユニットとを備えている作業車のクローラ走行装置に関する。
作業車の一例である自脱形コンバインのクローラ走行装置に備える固定式ガイドユニットとしては、左右の芯金突起を跨いでクローラベルトの左右両端側を案内する前後の固定式外転輪と、前後の固定式外転輪にわたる前後長さを有して左右の芯金突起の間に位置する固定式クローラガイドとを備えるとともに、前後の固定式外転輪と固定式クローラガイドとをトラックフレームに組み付けたものがある(例えば特許文献1参照)。
上記のような自脱形コンバインを畦際に沿って走行させる回り刈り作業においては、畦際の角部にて車体の走行方向を変更する場合に、畦際の角部に到達した車体を、畦側に後進旋回させることによって次の走行経路に向かわせる切り返し操作(いわゆるαターン)を行うことが一般的である。これにより、畦際の角部にて車体の走行方向を変更する場合には、クローラ走行装置が、その後端側を畦に乗り上げるようにしながら向きを変えることになる。そのため、クローラ走行装置の後端側においては、その後端側が畦に乗り上げる際に地面から部分的に浮き上がることで、クローラベルトの下方への撓みを許容することになる。又、畦からの反力でクローラ走行装置が車体前方に向けて押される状態になることで、クローラベルトが下方に撓み易くなる。そして、クローラ走行装置は、旋回走行時には、地面からの反力によってクローラベルトが旋回外側に変位し易くなる。
つまり、畦際の角部にて車体の走行方向を変更する場合には、固定式ガイドユニットの案内領域に向かう左右一対の芯金突起が、固定式ガイドユニットの案内領域から下方に外れ易く、又、旋回外側に変位し易くなることから、左右いずれか一方の芯金突起が固定式クローラガイドの下方に潜り込む不都合を招き易くなる。そして、この潜り込みが生じた状態で、車体を次の走行経路に沿って前進させると、左右一対の芯金突起は、固定式ガイドユニットの直前に位置する外転輪に案内されて、その外転輪と固定式ガイドユニットの前側の固定式外転輪との間に移動した後、その間において、固定式クローラガイドの下方に潜り込んだ芯金突起に向けて変位し易くなる。その結果、左右一対の芯金突起が固定式クローラガイドの左右一側方に完全に外れる脱輪を招く虞がある。
そこで、近年では、固定式クローラガイドとして、固定式ガイドユニットの前側の固定式外転輪よりも前方に延出する延長ガイド部を有するものを採用することが考えられている。そして、このような固定式クローラガイドにおいては、延長ガイド部を、その前端部分を除く延長ガイド部の略全体が、延長ガイド部の後方に位置する主ガイド部の左右幅と同じ左右幅を有するように形成することが考えられている(例えば特許文献2参照)。
このような延長ガイド部を有する固定式クローラガイドを採用すると、畦際の角部にて車体の走行方向を変更する場合の畦側への後進旋回により、左右いずれか一方の芯金突起が固定式クローラガイドの下方に潜り込む不都合が生じたとしても、後進旋回後に車体を次の走行経路に沿って前進させた場合には、この前進に伴って、左右一対の芯金突起が、固定式ガイドユニットの直前に位置する外転輪に案内されて、その外転輪と固定式ガイドユニットの前側の固定式外転輪との間に移動してくると、固定式クローラガイドの延長ガイド部が、直ちに左右一対の芯金突起の間に入り込んで、左右一対の芯金突起を次々と固定式ガイドユニットの案内領域に案内することから、前述した脱輪を防止することができる。
特開2009−78771号公報(段落番号0019、0027、0033、0035、図1、図2、図4、図7) 特開2014−97731号公報(図2、図4)
特許文献2に記載の固定式クローラガイドにおいては、主ガイド部の案内領域に位置する前後の固定式外転輪が、主ガイド部の左右を通過する左右一対の芯金突起の左右方向への変位を規制することから、走行中に左右一対の芯金突起が主ガイド部に接触する不都合を招き難くなっている。しかしながら、延長ガイド部の案内領域には、延長ガイド部の左右を通過する左右一対の芯金突起の左右方向への変位を規制する外転輪が存在していないことから、走行中に左右一対の芯金突起が延長ガイド部に接触する不都合を招き易くなる。その結果、延長ガイド部の左右を通過する左右一対の芯金突起が延長ガイド部に接触することに起因して、騒音が発生する、延長ガイド部が損耗する、旋回性が低下する、などの不都合を招くことになる。
つまり、走行中に左右一対の芯金突起が延長ガイド部に接触することを抑制して、その接触に起因した不都合の発生を防止することが望まれている。
上記の課題を解決するための手段として、本発明に係る作業車のクローラ走行装置は、
車体フレームに取り付けるトラックフレームと、内周面から突出する左右一対の芯金突起を周方向に一定間隔で有する無端のクローラベルトと、前記トラックフレームの後端部に取り付ける固定式ガイドユニットとを備え、
前記固定式ガイドユニットは、左右一対の前記芯金突起を跨いで前記クローラベルトの左右両端側を案内する複数の固定式外転輪と、複数の前記固定式外転輪にわたる前後長さを有して左右一対の前記芯金突起の間に位置する固定式クローラガイドとを備えるとともに、複数の前記固定式外転輪と前記固定式クローラガイドとを前記トラックフレームに組み付け、
前記固定式クローラガイドは、前記固定式ガイドユニットの最前の固定式外転輪よりも前方に延出する延長ガイド部を有し、
前記延長ガイド部の左右両端が、前記延長ガイド部の後方に位置する主ガイド部の左右両端よりも前記固定式クローラガイドの左右中心側に位置している。
この手段では、左右一対の芯金突起の複数を周方向に一定間隔で有する無端のクローラベルトにおいては、主ガイド部の案内領域に位置する複数の固定式外転輪が、主ガイド部の左右を通過する左右一対の芯金突起の左右方向への変位を規制することにより、この規制よりは緩くなるが、延長ガイド部の左右を通過する左右一対の芯金突起の左右方向への変位も規制されることを考慮して、延長ガイド部の左右幅を、延長ガイド部の左右両端が、主ガイド部の左右両端よりも固定式クローラガイドの左右中心側に位置する幅狭にしている。
これにより、延長ガイド部の案内領域に、延長ガイド部の左右を通過する左右一対の芯金突起の左右方向への変位を規制する外転輪が存在していなくても、延長ガイド部の左右を通過する左右一対の芯金突起が延長ガイド部に接触する不都合の発生を抑制することができる。
その結果、走行中に左右一対の芯金突起が延長ガイド部に接触することに起因した、騒音の発生、延長ガイド部の損耗、旋回性の低下、などの不都合の発生を防止することができる。
課題をより好適に解決するための手段の一つとして、
前記延長ガイド部の底面が前上がり傾斜している。
この手段によると、延長ガイド部の下方を通過するクローラベルトを、延長ガイド部の底面に接触し難くすることができる。
その結果、走行中にクローラベルトが延長ガイド部の底面に接触することに起因して、クローラベルト又は延長ガイド部が損耗する、などの不都合の発生を防止することができる。
課題をより好適に解決するための手段の一つとして、
前記トラックフレームの前部側に取り付ける可動式ガイドユニットを備え、
前記可動式ガイドユニットは、左右一対の前記芯金突起を跨いで前記クローラベルトの左右両端側を案内する複数の可動式外転輪と、複数の前記可動式外転輪にわたる前後長さを有して左右一対の前記芯金突起の間に位置する可動式クローラガイドと、左右向きの支軸を支点にして天秤揺動する天秤アームとを備えるとともに、複数の前記可動式外転輪と前記可動式クローラガイドとを、前記天秤アームを介して前記トラックフレームに組み付け、
前記延長ガイド部は、該延長ガイド部の後部側に底面の勾配が小さい緩傾斜ガイド部分を有し、かつ、前記延長ガイド部の前部側に底面の勾配が大きい急傾斜ガイド部分を有している。
この手段によると、少なくとも緩傾斜ガイド部分の底面を、緩傾斜ガイド部分の全長にわたって、緩傾斜ガイド部分の左右を通過する左右一対の芯金突起の上端よりも低くすることが可能になり、緩傾斜ガイド部分による左右一対の芯金突起の案内を、緩傾斜ガイド部分の全長にわたって良好に行うことができる。
これにより、畦際の角部にて車体の走行方向を変更する場合の畦側への後進旋回において、左右いずれか一方の芯金突起が固定式クローラガイドの下方に潜り込む不都合が生じたとしても、後進旋回後に車体を次の走行経路に沿って前進させると、緩傾斜ガイド部分が、固定式ガイドユニットの直前に位置する可動式外転輪にて案内された左右一対の芯金突起の間に入り込んで、左右一対の芯金突起を固定式ガイドユニットの案内領域に案内するようになる。
又、急傾斜ガイド部分の底面が、その前側ほどクローラベルトの接地側から上方に大きく離れることから、例えば、固定式ガイドユニットの最前の固定式外転輪とその直前の可動式外転輪とにわたるクローラベルトのベルト部分が圃場の隆起部に乗り上げた場合には、そのベルト部分が、隆起部への乗り上げに伴って上方に変位する可動式外転輪と、急傾斜ガイド部分の底面とに沿って、上方に撓むことを許容することができる。そして、そのベルト部分に位置する左右一対の芯金突起に対しては、上方に変位する可動式外転輪と急傾斜ガイド部分とが案内作用することにより、その上方に撓んだベルト部分の左右方向への変位を規制することができる。
その結果、畦際の角部にて車体の走行方向を変更する場合に生じる虞のある脱輪を防止するために、延長ガイド部を有する固定式クローラガイドを採用しながらも、クローラ走行装置における延長ガイド部の配置箇所が圃場の隆起部に乗り上げた場合には、その配置箇所に位置するクローラベルトのベルト部分に対して延長ガイド部を適切に作用させることができ、その乗り上げ状態での車体の安定性などを確保することができる。
課題をより好適に解決するための手段の一つとして、
前記緩傾斜ガイド部分は、一定の左右幅を有して前記固定式ガイドユニットの最前の前記固定式外転輪よりも前方に位置する定幅案内領域を備えている。
この手段によると、走行中にクローラベルトが左右に変位して左右一対の芯金突起が緩傾斜ガイド部分に接触しても、例えば、緩傾斜ガイド部分の全体を、前側ほど左右幅が狭くなる先細り形状に形成する場合に比較して、緩傾斜ガイド部分による左右の芯金突起の案内を、クローラベルトの回動方向に抵抗少なく円滑に行わせることができる。
これにより、芯金突起との接触に起因した緩傾斜ガイド部分の損耗を抑制することができる。
課題をより好適に解決するための手段の一つとして、
前記固定式クローラガイドの前端部を、前側ほど左右幅が狭くなる先細り形状にしている。
この手段によると、固定式クローラガイドの前端部を、固定式ガイドユニットの直前に位置する外転輪にて案内された左右一対の芯金突起の間に、より円滑かつ確実に入り込ませることができ、左右一対の芯金突起を、固定式クローラガイドの延長ガイド部により、より円滑かつ確実に固定式ガイドユニットの案内領域に案内することができる。
自脱形コンバインの左側面図である。 クローラ走行装置の構成を示す自脱形コンバインにおける下部側の左側面図である。 クローラ走行装置の構成を示す自脱形コンバインにおける左下部側の横断平面図である。 クローラ走行装置の後部側での構成を示す自脱形コンバインにおける後下部の左側面図である。 固定式ガイドユニットの構成を示す左側のクローラ走行装置における後下部側の縦断背面図である。 固定式クローラガイドの左側面図である。 固定式クローラガイドの平面図である。 可動式ガイドユニットでのシール構造を示す可動式ガイドユニットの縦断背面図である。 規制機構が第一前アームの後方への揺動を許容している状態を示す要部の縦断右側面図である。 規制機構が第一前アームの後方への揺動を阻止している状態を示す要部の縦断右側面図である。 規制機構及び第一前アームにピン連結したヒンジの構成を示す要部の斜視図である。 規制機構及び第一前アームにピン連結したヒンジの別の構成を示す要部の斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る作業車のクローラ走行装置を、作業車の一例である自脱形コンバインに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、図1に記載した符号Fの矢印が指し示す方向が自脱形コンバインの前側であり、符号Uの矢印が指し示す方向が自脱形コンバインの上側である。
図1に示すように、本実施形態で例示する自脱形コンバインは、車体の骨組みを形成する車体フレーム1、車体フレーム1の下部に取り付けた左右のクローラ走行装置2、作業走行時に植立穀稈を刈り取って後方に搬送する刈取搬送装置3、刈取搬送装置3からの刈取穀稈に脱穀・選別処理を施す脱穀装置4、脱穀・選別処理で得た穀粒を貯留する穀粒タンク5、穀粒タンク内の穀粒を機外に排出するスクリュ搬送式の穀粒排出装置6、搭乗運転用の操縦部7、操縦部7の後下部に位置するエンジン(図示せず)、及び、エンジンからの動力を変速する変速ユニット(図示せず)、などを備えている。
図1〜4に示すように、車体フレーム1は、脱穀装置4及び穀粒タンク5などを支持するメインフレーム8、及び、メインフレーム8の下部に連接した下部フレーム9、などを備えている。
図2〜4に示すように、下部フレーム9は、角パイプ製の左右のサイドメンバ10、左右のサイドメンバ10の前部に連接した左右の前側支持部材11、左右のサイドメンバ10の後部に連接した左右の後側支持部材12、左右の前側支持部材11にわたる角パイプ製の前側クロスメンバ13、左右のサイドメンバ10にわたる角パイプ製の中間クロスメンバ14、及び、左右の後側支持部材12にわたる角パイプ製の後側クロスメンバ15、などを備えている。左右の前側支持部材11は、変速ユニットから左右に延出した左右の駆動軸ケース16を支持する支持部11Aを備えている。中間クロスメンバ14は、その左右両端部に左右向きの支軸14Aを備えている。
下部フレーム9は、左右のクローラ走行装置2を略一定姿勢で昇降駆動する左右の油圧式昇降装置17を備えている。左右の油圧式昇降装置17は、それぞれ、前側支持部材11に回転可能に支持された前側支軸18、前側支軸18の車体内側端部に固定した第一前アーム19、前側支軸18の車体外側端部に固定した第二前アーム20、後側支持部材12に回転可能に支持された後側支軸21、後側支軸21の車体内側端部に固定した第一後アーム22、後側支軸21の車体外側端部に固定した第二後アーム23、第二後アーム23の遊端に左右向きの支軸24を介して揺動可能に連結したキャンセルリンク25、第一前アーム19と第一後アーム22とを連動可能に連結する連係機構26、及び、中間クロスメンバ14の支軸14Aと第一後アーム22とにわたる油圧シリンダ27、などを備えている。
各油圧式昇降装置17において、油圧シリンダ27は、油圧制御ユニット(図示せず)の制御作動に基づいて前後方向に伸縮作動する。第一後アーム22は、油圧シリンダ27の伸縮作動に連動して、後側支軸21を支点にして前後揺動する。第二後アーム23は、第一後アーム22の前後揺動に連動して、後側支軸21を支点にして上下揺動する。第一前アーム19は、第一後アーム22の前後揺動に連動して、前側支軸18を支点にして前後揺動する。第二前アーム20は、第一前アーム19の前後揺動に連動して、前側支軸18を支点にして上下揺動する。
各油圧式昇降装置17は、第二前アーム20の遊端部を対応するクローラ走行装置2の前部側にピン連結し、かつ、キャンセルリンク25の遊端部を対応するクローラ走行装置2の後部側にピン連結している。これにより、左右のクローラ走行装置2を、左右の油圧シリンダ27の伸縮作動によって、車体フレーム1に対して個別に昇降変位させることができる。そして、この昇降変位により、車体の地上高、及び、車体の対地ローリング角度を変更することができる。
図2〜4及び図9〜11に示すように、各連係機構26は、雌ネジ部28Aを左右の連結部28Bの間に有する前後のヒンジ28、及び、雌ネジ部28Aにねじ込む雄ネジ部29Aを両端に有して前後のヒンジ28にわたるロッド29、などを備えている。前側のヒンジ28は、第一前アーム19の遊端部に連結ピン30を介して連結している。後側のヒンジ28は、第一後アーム22の遊端部に連結ピン30を介して連結している。
各連結ピン30は、それらの頭部にグリスニップル31を備えるとともに、グリスニップル31から注入するグリスを、連結ピン30と第一前アーム19又は第一後アーム22との接触箇所に案内する内部油路(図示せず)を有している。
これにより、連結ピン30と第一前アーム19又は第一後アーム22との相対摺動に起因した連結ピン30及び第一前アーム19又は第一後アーム22の摩耗を抑制することができる。
各連結ピン30は、各ヒンジ28における車体内側の連結部28Bにボルト連結する抜け止め部材32により抜け止めしている。各抜け止め部材32は、連結ピン30の頭部との接触箇所に、連結ピン30の頭部へのグリスニップル31の取り付けを許容する開口32Aを有している。又、各抜け止め部材32は、車体内側の連結部28Bに車体内側から外嵌することにより、ヒンジ28に対する回り止めを行っている。
ところで、前述した左右の油圧式昇降装置17を備える構成では、後進時に、左右いずれか一方又は双方のクローラ走行装置2が後方の畦などの他物に衝突すると、衝突時に発生する後方からの押圧力が、クローラ走行装置2から、第二前アーム20、第一前アーム19、連係機構26、及び、第一後アーム22、などを介して油圧シリンダ27に伝わることにより、油圧シリンダ27が伸長作動することがある。そして、このときの伸長作動によって油圧シリンダ27が伸長限界に達した場合には、油圧シリンダ27によって後方への揺動が阻止された第一後アーム22と、衝突時の押圧力によって後方に揺動しようとする第一前アーム19とにわたる、連係機構26のロッド29が座屈する虞がある。
そこで、図3及び図9〜11に示すように、この自脱形コンバインは、油圧シリンダ27が伸長限界に達した場合に、第一前アーム19の後方への揺動を阻止する左右の規制機構33を車体フレーム1に備えている。
これにより、後進時に、左右いずれか一方又は双方のクローラ走行装置2が後方の畦などの他物に衝突することに起因して、衝突したクローラ走行装置2を昇降駆動する油圧式昇降装置17の油圧シリンダ27が伸長限界に達した場合には、その油圧式昇降装置17に備えた第一前アーム19の後方への揺動を規制機構33によって阻止することができる。
その結果、後進時に、クローラ走行装置2が後方の畦などの他物に衝突することに起因して、衝突したクローラ走行装置2を昇降駆動する油圧式昇降装置17に備えたロッド29が座屈する虞を回避することができる。
各規制機構33は、第一前アーム19の遊端部にピン連結した前側のヒンジ28を後方から受け止めることにより、第一前アーム19の後方への揺動を阻止している。
つまり、クローラ走行装置2の昇降駆動時に揺動することで規制機構33に対する姿勢の変化量が大きくなる第一前アーム19ではなく、クローラ走行装置2の昇降駆動時に略平行に移動することで規制機構33に対する姿勢の変化量が小さい連係機構26における前側のヒンジ28を、規制機構33により受け止めるようにしている。
これにより、例えば、油圧シリンダ27の個体差などに起因して、油圧シリンダ27が伸長限界に達したときの第一前アーム19及び連係機構26などの作動位置に差が生じる場合であっても、作動位置の差に応じて規制機構33の受け止め姿勢を変更する手間を要することなく、規制機構33が前側のヒンジ28を受け止めるときの接触面積を略一定にすることができる。
その結果、規制機構33の組み付けに要する手間を軽減しながら、規制機構33による第一前アーム19の後方への揺動阻止を、規制機構33による接触面積の大きい前側のヒンジ28の受け止めで、安定性良く行うことができる。
尚、各規制機構33は、第一前アーム19を直接的に受け止めることで、第一前アーム19の後方への揺動を阻止するように構成してもよい。
各規制機構33は、前述した前側クロスメンバ13における第一前アーム19の後方箇所に溶接したブロック状の雌ネジ部材34、及び、雌ネジ部材34にねじ込む受止ボルト35、などを備えている。
これにより、例えば、油圧シリンダ27の個体差などに起因して、油圧シリンダ27が伸長限界に達したときの前側のヒンジ28の作動位置に差が生じる場合には、その差に応じて、雌ネジ部材34に対する受止ボルト35のねじ込み量を調節することにより、受止ボルト35の位置を、前側のヒンジ28に対する適切な受け止め位置に調整することができる。
このような調節を行うことにより、油圧シリンダ27の個体差などに関係なく、油圧シリンダ27が伸長限界に達した場合には、前側のヒンジ28を規制機構33によって確実に受け止めることができ、第一前アーム19の後方への揺動を確実に阻止することができる。
その結果、後進時に、クローラ走行装置2が後方の畦などの他物に衝突することに起因して、衝突したクローラ走行装置2を昇降駆動する油圧式昇降装置17に備えたロッド29が座屈する虞をより確実に回避することができる。
図9〜11に示すように、各雌ネジ部材34は、それらの後下部に、前側クロスメンバ13の上面13Aと前面13Bとに面接触する凹部34Aを有している。
これにより、前側のヒンジ28を後方から受け止める規制機構33を、前側クロスメンバ13によって後方から受け止め支持することができる。
その結果、油圧シリンダ27が伸長限界に達した場合の規制機構33による前側のヒンジ28の受け止めを、より高い強度で好適に行うことができ、よって、後進時に、クローラ走行装置2が後方の畦などの他物に衝突することに起因して、衝突したクローラ走行装置2を昇降駆動する油圧式昇降装置17に備えたロッド29が座屈する虞をより確実に回避することができる。
前側の各ヒンジ28は、規制機構33との対向箇所に、雌ネジ部材34との間に空間を形成する凹部28Cを有している。
これにより、各雌ネジ部材34を、上記のように雌ネジ部材34の凹部34Aを利用して前側クロスメンバ13に組み付けることにより、各雌ネジ部材34の後部が前側クロスメンバ13から後方に突出するようになったとしても、各雌ネジ部材34と前側の各ヒンジ28との間に、受止ボルト35の位置調整を可能にする空間を確保することができる。
その結果、油圧シリンダ27が伸長限界に達した場合の規制機構33による第一前アーム19の受け止めを、より高い強度で好適に行えるようにしながら、受止ボルト35の位置を、前側のヒンジ28に対する適切な受け止め位置に調整することができる。
ちなみに、前側の各ヒンジ28は、車体内側の連結部28Bを、規制機構33が受け止める受止部に設定している。そのため、前側の各ヒンジ28は、車体内側の連結部28Bに前述した凹部28Cを有している。
尚、図12に示すように、各規制機構33は、雌ネジ部材34の後下部に前述した凹部34Aを備えずに、雌ネジ部材34の底面を前側クロスメンバ13の上面13Aに面接触させた状態で、雌ネジ部材34を前側クロスメンバ13に溶接してもよい。
この場合、各雌ネジ部材34に凹部34Aを備える必要がない上に、前側の各ヒンジ28に凹部28Cを備える必要もないことから、構成の簡素化を図ることができる。
図1〜5に示すように、各クローラ走行装置2は、車体フレーム1に取り付けるトラックフレーム36、内周面から突出する左右一対の芯金突起37aを周方向に一定間隔で有する無端のクローラベルト37、クローラベルト37を駆動する駆動輪38、クローラベルト37の後端部を案内する遊動輪39、トラックフレーム36の前部側に取り付ける3つの可動式ガイドユニット40、トラックフレーム36の後端部に取り付ける固定式ガイドユニット41、及び、クローラベルト37の上部を案内する前後の補助外転輪42、などを備えている。各遊動輪39には、左右一対の芯金突起37aの間にしてクローラベルト37の左右中央側を案内する内転輪を採用している。
各トラックフレーム36は、第二前アーム20の遊端部に左右向きの第一連結ピン43を介して連結する第一連結部36A、キャンセルリンク25の遊端部に左右向きの第二連結ピン44を介して連結する第二連結部36B、及び、可動式ガイドユニット40を天秤揺動可能に支持する左右向きの3つの支軸36C、などを備えている。又、各トラックフレーム36は、遊動輪39を前後方向に位置調節可能に支持することで、クローラベルト37の張力調整を可能にする張力調整機構45、を備えている。各トラックフレーム36において、第二連結部36Bは、固定式ガイドユニット41とその直前に位置する可動式ガイドユニット40との間に位置している。
各張力調整機構45は、遊動輪39を回転可能に支持する第一支持部材46、第一支持部材46から前方に延出する角パイプ製の被支持部材47、被支持部材47を前後移動可能に支持する第二支持部材48、第二支持部材48に固定した雌ネジ部材49、及び、雌ネジ部材49にねじ込んだ状態で後端部が第一支持部材46に回転可能に支持された雄ネジ部材50、などを備えている。
これにより、各張力調整機構45は、それらに備えた雄ネジ部材50をねじ込み操作して、雌ネジ部材49に対する雄ネジ部材50のねじ込み量を調節することにより、クローラベルト37の張力を調整することができる。
各第二支持部材48は、対応するトラックフレーム36の後部から車体横外方に延出する角パイプ製の前後の支持部材36D,36Eにわたって前後向きに架設している。そして、各第二支持部材48は、被支持部材47に上方から外嵌する下向きU字状のガイド部材48A、前側の支持部材36Dから後方に延出してガイド部材48Aの前側の底面を形成する第一ガイド板48B、ガイド部材48Aの後端部の底面を形成する第二ガイド板48C、及び、トラックフレーム36の後部から車体横外方に延出して第二ガイド板48Cを下方から支持する支持板48D、などを溶接して構成している。
図2〜5に示すように、各クローラベルト37は、左右一対の芯金突起37aを有する複数の芯金37A、及び、ゴムを主材とするベルト本体37B、などを備えている。そして、各クローラベルト37は、複数の芯金37Aを、ベルト本体37Bの周方向に一定間隔で並ぶ配置で、かつ、左右一対の芯金突起37aがベルト本体37Bの内周面から突出する状態で、ベルト本体37Bに埋設している。
各ベルト本体37Bは、その内周面における左右一対の芯金突起37aの横外側部位に、前後の補助外転輪42などに回動案内される左右の被案内面37bを、内周面の全周にわたって有している。又、ベルト本体37Bは、その内周面における左右一対の芯金突起37aの間の左右中央部位に、駆動輪38及び遊動輪39などが入り込む溝部37cを、内周面の全周にわたって有している。
図1〜4に示すように、各可動式ガイドユニット40は、左右一対の芯金突起37aを跨いでクローラベルト37の左右両端側の被案内面37bを案内する前後の可動式外転輪51、前後の可動式外転輪51にわたる前後長さを有して左右一対の芯金突起37aの間に位置する可動式クローラガイド52、及び、左右向きの支軸36Cを支点にして天秤揺動する天秤アーム53、などを備えるとともに、前後の可動式外転輪51と可動式クローラガイド52とを、天秤アーム53を介してトラックフレーム36に組み付けている。
これにより、各可動式ガイドユニット40を、走行中の圃場の起伏に応じて、支軸36Cを支点にして上下方向に天秤揺動させることができ、圃場の起伏に沿ったクローラベルト37の変形を許容することができる。その結果、圃場での車体の安定性などを向上させることができる。
各可動式クローラガイド52は、前後の可動式外転輪51から前後に延出しない長さを有している。又、各可動式クローラガイド52は、それらの前後両端部が上向きに湾曲し、かつ、それらの前後両端部を、端部側ほど左右幅が狭くなる先細り形状にしている。
図3、図4及び図8に示すように、各可動式外転輪51は、左右向きの回転軸51A、及び、回転軸51Aの両端部に固定する左右の転輪51B、などを備えている。各回転軸51Aは、軸端側ほど直径が短くなる外窄まり形状の左右のテーパ軸部51aを有している。各転輪51Bは、テーパ軸部51aに密接する外窄まり形状の内周面を有するボス部51bを、転輪51Bの回転中心部に有している。各天秤アーム53は、左右のベアリング54を介して可動式外転輪51の回転軸51Aを回転可能に支持するボス部53Aを、天秤アーム53の前後両端部に備えている。
図示は省略するが、各天秤アーム53は、前後のボス部53Aに、ボス部53Aと可動式外転輪51の回転軸51Aとの間へのグリスの注入を可能にするグリスニップル、及び、グリスアップに伴う各ボス部53Aでの内圧の上昇を防止するブリーザ、などを備えている。
図8に示すように、各可動式ガイドユニット40は、可動式外転輪51の回転軸51Aと天秤アーム53のボス部53Aとの間に注入したグリスの外部への漏れ出しを防止するオイルシール55を、転輪51Bのボス部と天秤アーム53のボス部53Aとの間に圧入している。
各ボス部53Aは、左右両端の外周面に研磨加工を施すことにより、左右両端の外周面での表面精度を高めている。各転輪51Bは、ボス部53Aの左右両端の外周面に対向する内周面を有する凹部51cを備えている。
各可動式ガイドユニット40は、可動式外転輪51の左右の転輪51Bと天秤アーム53のボス部53Aとの隙間からの泥水の浸入を防止するシール部材56を、各転輪51Bにおける凹部51cの内周面とボス部53Aにおける左右両端の外周面との間に圧入している。
図1〜5に示すように、各固定式ガイドユニット41は、左右一対の芯金突起37aを跨いでクローラベルト37の左右両端側の被案内面37bを案内する前後の固定式外転輪57、及び、前後の固定式外転輪57にわたる前後長さを有して左右の芯金突起37aの間に位置する固定式クローラガイド58、などを備えるとともに、前後の固定式外転輪57と固定式クローラガイド58とをトラックフレーム36に組み付けている。
各トラックフレーム36は、前後の固定式外転輪57を回転可能に支持する前後の支軸36Fを、トラックフレーム36の後部に、トラックフレーム36から車体横外側に延出する左右向き姿勢で備えている。そして、各トラックフレーム36に対する後側の支軸36Fの取り付け位置を、前側の支軸36Fの取り付け位置よりも高くすることにより、前後の固定式外転輪57により回動案内されるクローラベルト37の接地側後部での移動姿勢を後上がり姿勢に設定している。各トラックフレーム36は、固定式クローラガイド58のボルト連結を可能にするブロック状の前後の雌ネジ部36G,36Hを、トラックフレーム36における後部の外側面に備えている。
各固定式クローラガイド58は、固定式ガイドユニット41の前側の固定式外転輪57よりも前方に延出する延長ガイド部58Aを有している。
これにより、例えば、車体を畦際に沿って走行させる回り刈り作業において、畦際の角部にて車体の走行方向を変更する場合に、畦際の角部に到達した車体を、畦側に後進旋回させることによって次の走行経路に向かわせる切り返し操作(いわゆるαターン)を行うことにより、畦側への後進旋回時に、左右いずれか一方の芯金突起37aが固定式クローラガイド58の下方に潜り込む不都合が生じたとしても、後進旋回後に車体を次の走行経路に沿って前進させた場合には、この前進に伴って、左右一対の芯金突起37aが、固定式ガイドユニット41の直前の可動式ガイドユニット40に案内されて、その可動式ガイドユニット40と固定式ガイドユニット41の前側の固定式外転輪57との間に移動してくると、固定式クローラガイド58の延長ガイド部58Aが、直ちに左右一対の芯金突起37aの間に入り込んで、左右一対の芯金突起37aを次々と固定式ガイドユニット41の案内領域に案内する。
その結果、後進旋回後の前進走行時に、左右一対の芯金突起37aが、固定式ガイドユニット41の前側の固定式外転輪57とその直前の可動式ガイドユニット40との間において、固定式クローラガイド58の下方に潜り込んだ芯金突起37aに向けて次々と移動することを阻止することができ、その移動に起因して、左右一対の芯金突起37aが固定式クローラガイド58の左右一側方に完全に外れる脱輪を防止することができる。
図3及び図7に示すように、各固定式クローラガイド58においては、延長ガイド部58Aの左右両端が、延長ガイド部58Aの後方に位置する主ガイド部58Bの左右両端よりも固定式クローラガイド58の左右中心側に位置している。
つまり、左右一対の芯金突起37aの複数を周方向に一定間隔で有する無端のクローラベルト37においては、主ガイド部58Bの案内領域に位置する前後の固定式外転輪57が、主ガイド部58Bの左右を通過する左右一対の芯金突起37aの左右方向への変位を規制することにより、この規制よりは緩くなるが、延長ガイド部58Aの左右を通過する左右一対の芯金突起37aの左右方向への変位も規制されることを考慮して、延長ガイド部58Aの左右幅を、延長ガイド部58Aの左右両端が、主ガイド部58Bの左右両端よりも固定式クローラガイド58の左右中心側に位置する幅狭にしている。
これにより、延長ガイド部58Aの案内領域に、延長ガイド部58Aの左右を通過する左右一対の芯金突起37aの左右方向への変位を規制する外転輪が存在していなくても、延長ガイド部58Aの左右を通過する左右一対の芯金突起37aが延長ガイド部58Aに接触する不都合の発生を抑制することができる。
その結果、走行中に左右一対の芯金突起37aが延長ガイド部58Aに接触することに起因した、騒音の発生、延長ガイド部58Aの損耗、旋回性の低下、などの不都合の発生を防止することができる。
図2〜7に示すように、各固定式クローラガイド58は、延長ガイド部58Aと主ガイド部58Bとの間に位置する中間ガイド部58Cが、前側の固定式外転輪57を支持する前側の支軸36Fの真下に位置している。そして、各固定式クローラガイド58は、中間ガイド部58Cの底面が、水平姿勢で、前側の固定式外転輪57の下端よりも下方に位置するように、中間ガイド部58Cの底部をクローラベルト37の溝部37cに入り込ませている。
これにより、左右一対の芯金突起37aの間への中間ガイド部58Cの侵入深さをより深くすることができる。その結果、畦際の角部にて車体の走行方向を変更する場合の畦側への後進旋回において、左右いずれか一方の芯金突起37aが固定式クローラガイド58の下方に潜り込む不都合を生じ難くすることができる。
図2及び図4〜6に示すように、各固定式クローラガイド58は、主ガイド部58Bの底面が、後上がり姿勢で、後側の固定式外転輪57の下端よりも下方に位置するように、中間ガイド部58Cの底部をクローラベルト37の溝部37cに入り込ませている。
これにより、左右一対の芯金突起37aの間への主ガイド部58Bの侵入深さをより深くすることができる。その結果、畦際の角部にて車体の走行方向を変更する場合の畦側への後進旋回において、左右いずれか一方の芯金突起37aが固定式クローラガイド58の下方に潜り込む不都合を更に生じ難くすることができる。
図1、図2、図4及び図6に示すように、各固定式クローラガイド58においては、延長ガイド部58Aの底面が前上がり傾斜している。
これにより、延長ガイド部58Aの下方を通過するクローラベルト37を、延長ガイド部58Aの底面に接触し難くすることができる。その結果、走行中にクローラベルト37が延長ガイド部58Aの底面に接触することに起因して、クローラベルト37又は延長ガイド部58Aが損耗する、などの不都合の発生を防止することができる。
図2、図4及び図6に示すように、各延長ガイド部58Aは、延長ガイド部58Aの後部側に底面の勾配が小さい緩傾斜ガイド部分58aを有し、かつ、延長ガイド部58Aの前部側に底面の勾配が大きい急傾斜ガイド部分58bを有している。
これにより、少なくとも各緩傾斜ガイド部分58aの底面を、緩傾斜ガイド部分58aの全長にわたって、緩傾斜ガイド部分58aの左右を通過する左右一対の芯金突起37aの上端よりも低くすることが可能になり、緩傾斜ガイド部分58aによる左右一対の芯金突起37aの案内を、緩傾斜ガイド部分58aの全長にわたって良好に行うことができる。
その結果、畦際の角部にて車体の走行方向を変更する場合の畦側への後進旋回において、左右いずれか一方の芯金突起37aが固定式クローラガイド58の下方に潜り込む不都合が生じたとしても、後進旋回後に車体を次の走行経路に沿って前進させると、緩傾斜ガイド部分58aが、固定式ガイドユニット41の直前に位置する可動式外転輪51にて案内された左右一対の芯金突起37aの間に入り込んで、左右一対の芯金突起37aを固定式ガイドユニット41の案内領域に案内するようになる。
又、各急傾斜ガイド部分58bの底面が、その前側ほどクローラベルト37の接地側から上方に大きく離れることから、例えば、固定式ガイドユニット41の前側の固定式外転輪57とその直前の可動式外転輪51とにわたるクローラベルト37のベルト部分が圃場の隆起部に乗り上げた場合には、そのベルト部分が、隆起部への乗り上げに伴って上方に変位する可動式外転輪51と、急傾斜ガイド部分58bの底面とに沿って、上方に撓むことを許容することができる。そして、そのベルト部分に位置する左右一対の芯金突起37aに対しては、上方に変位する可動式外転輪51と急傾斜ガイド部分58bとが案内作用することにより、その上方に撓んだベルト部分の左右方向への変位を規制することができる。
これにより、畦際の角部にて車体の走行方向を変更する場合に生じる虞のある脱輪を防止するために、延長ガイド部58Aを有する固定式クローラガイド58を採用しながらも、クローラ走行装置2における延長ガイド部58Aの配置箇所が圃場の隆起部に乗り上げた場合には、その配置箇所に位置するクローラベルト37のベルト部分に対して延長ガイド部58Aを適切に作用させることができ、その乗り上げ状態での車体の安定性などを確保することができる。
各延長ガイド部58Aは、緩傾斜ガイド部分58aと急傾斜ガイド部分58bとの境界を、トラックフレーム36の前後方向においてキャンセルリンク連結用の第二連結部36Bと同じ位置に設定している。
図7に示すように、各緩傾斜ガイド部分58aは、一定の左右幅を有して固定式ガイドユニット41の前側の固定式外転輪57よりも前方に位置する定幅案内領域A1を備えている。
これにより、走行中にクローラベルト37が左右に変位して左右一対の芯金突起37aが緩傾斜ガイド部分58aに接触しても、例えば、緩傾斜ガイド部分58aの全体を、前側ほど左右幅が狭くなる先細り形状に形成する場合に比較して、緩傾斜ガイド部分58aによる左右の芯金突起37aの案内を、クローラベルト37の回動方向に抵抗少なく円滑に行わせることができる。その結果、芯金突起37aとの接触に起因した緩傾斜ガイド部分58aの損耗を抑制することができる。
図2、図4、図6及び図7に示すように、各固定式クローラガイド58において、主ガイド部58Bは、その後端部が上向きに湾曲し、かつ、その後端部を、後側ほど左右幅が狭くなる先細り形状にしている。そして、主ガイド部58Bは、その後端部以外においては一定の左右幅を有している。
図7に示すように、各固定式クローラガイド58において、中間ガイド部58Cは、主ガイド部58Bの後端部以外の左右幅と同じ左右幅を有している。各緩傾斜ガイド部分58aは、定幅案内領域A1と中間ガイド部58Cとの間に、定幅案内領域A1から中間ガイド部58Cに向けて左右幅を徐々に広くする拡幅案内領域A2を有している。
これにより、各固定式クローラガイド58の左右を通過する左右一対の芯金突起37aを、各固定式クローラガイド58により、クローラベルト37の回動方向に抵抗少なく円滑に案内することができる。
図3及び図7に示すように、各固定式クローラガイド58の前端部58Dを、前側ほど左右幅が狭くなる先細り形状にしている。
これにより、各固定式クローラガイド58の前端部58Dを、固定式ガイドユニット41の直前に位置する可動式外転輪51にて案内された左右一対の芯金突起37aの間に、より円滑かつ確実に入り込ませることができ、左右一対の芯金突起37aを、固定式クローラガイド58の延長ガイド部58Aにより、より円滑かつ確実に固定式ガイドユニット41の案内領域に案内することができる。
図2〜5に示すように、各トラックフレーム36は、前側の雌ネジ部36Gに、固定式クローラガイド58の延長ガイド部58Aを、2本のボルト59を使用して固定している。又、各トラックフレーム36は、後側の雌ネジ部36Hに、固定式クローラガイド58の主ガイド部58Bを、3本のボルト59を使用して固定している。
図4に示すように、前側の各雌ネジ部36Gは、トラックフレーム36におけるキャンセルリンク連結用の第二連結部36Bと、固定式ガイドユニット41の直前に位置する可動式ガイドユニット40の後側の可動式外転輪51との間の位置に、固定式外転輪支持用の前後の支軸36Fと略同じ高さ位置に位置する状態で溶接している。後側の各雌ネジ部36Hは、トラックフレーム36における前後の固定式外転輪57の間の位置に、固定式外転輪支持用の前後の支軸36Fと略同じ高さ位置に位置する状態で溶接している。
これにより、各トラックフレーム36に対する固定式クローラガイド58の着脱を、可動式外転輪51及び固定式外転輪57などが邪魔になる不都合を招くことなく、車体の横外方から行えるようにしている。
尚、前後の各雌ネジ部36G,36Hを、固定式外転輪支持用の前後の支軸36Fと同じ高さ位置に配置してもよい。
各延長ガイド部58Aは、急傾斜ガイド部分58bの底面前端の高さ位置を、トラックフレーム36における可動式ガイドユニット用の支軸36Cの高さ位置と略同じ高さに設定している。
〔別実施形態〕
本発明は、上記の実施形態で例示した構成に限定されるものではなく、以下、本発明の代表的な別実施形態を例示する。
〔1〕固定式ガイドユニット41は、3つ以上の固定式外転輪57を備えていてもよい。
〔2〕固定式クローラガイド58は、延長ガイド部58Aの底面が、延長ガイド部58Aの全体にわたって一定の勾配で前上がり傾斜していてもよい。
〔3〕固定式クローラガイド58は、延長ガイド部58Aの底面が、延長ガイド部58Aの全体にわたって前上がりに湾曲していてもよい。
〔4〕固定式クローラガイド58は、延長ガイド部58Aの底面が、延長ガイド部58Aの全体にわたって水平に延出していてもよい。
〔5〕固定式クローラガイド58は、緩傾斜ガイド部分58aの全体を、前側ほど左右幅が狭くなる先細り形状にしてもよい。
〔6〕固定式クローラガイド58は、急傾斜ガイド部分58bの底面前端の高さ位置を、トラックフレーム36における可動式ガイドユニット用の支軸36Cの高さ位置と同じ高さに設定してもよく、又、可動式ガイドユニット用の支軸36Cの高さ位置よりも高い位置に設定してもよい。
〔7〕固定式クローラガイド58を、延長ガイド部58Aと主ガイド部58Bとに分離可能な二分割構造としてもよい。
〔8〕トラックフレーム36の後端部における固定式クローラガイド58の固定箇所、及び、固定式クローラガイド58の固定に使用するボルトの本数などは、トラックフレーム36の構成及び固定式クローラガイド58の形状などに応じて適宜変更可能である。
例えば、固定式クローラガイド58の延長ガイド部58Aを固定する前側の雌ネジ部36Gを、トラックフレーム36におけるキャンセルリンク連結用の第二連結部36Bと、固定式ガイドユニット41の前側の固定式外転輪57との間の位置に配置してもよい。
例えば、固定式クローラガイド58の延長ガイド部58Aを、トラックフレーム36の前側の雌ネジ部36Gに、3本のボルト59を使用して固定してもよい。又、固定式クローラガイド58の主ガイド部58Bを、トラックフレーム36の後側の雌ネジ部36Hに、4本のボルト59を使用して固定してもよい。
〔9〕クローラ走行装置2における可動式ガイドユニット40の数量は、車体の全長などに応じて種々の変更が可能である。例えば、クローラ走行装置2に2つ以下の可動式外転輪51を備えるようにしてもよい。又、クローラ走行装置2に4つ以上の可動式外転輪51を備えるようにしてもよい。
〔10〕可動式ガイドユニット40は、3つ以上の可動式外転輪51を備えていてもよい。
本発明は、自脱形コンバイン、普通形(全稈投入形)コンバイン、トラクタ、運搬車、などの作業車のクローラ走行装置に適用することができる。
1 車体フレーム
36 トラックフレーム
36C 支軸
37 クローラベルト
37a 芯金突起
40 可動式ガイドユニット
41 固定式ガイドユニット
51 可動式外転輪
52 可動式クローラガイド
53 天秤アーム
57 固定式外転輪
58 固定式クローラガイド
58A 延長ガイド部
58a 緩傾斜ガイド部分
58b 急傾斜ガイド部分
58B 主ガイド部
58D 前端部
A1 定幅案内領域

Claims (5)

  1. 車体フレームに取り付けるトラックフレームと、内周面から突出する左右一対の芯金突起を周方向に一定間隔で有する無端のクローラベルトと、前記トラックフレームの後端部に取り付ける固定式ガイドユニットとを備え、
    前記固定式ガイドユニットは、左右一対の前記芯金突起を跨いで前記クローラベルトの左右両端側を案内する複数の固定式外転輪と、複数の前記固定式外転輪にわたる前後長さを有して左右一対の前記芯金突起の間に位置する固定式クローラガイドとを備えるとともに、複数の前記固定式外転輪と前記固定式クローラガイドとを前記トラックフレームに組み付け、
    前記固定式クローラガイドは、前記固定式ガイドユニットの最前の固定式外転輪よりも前方に延出する延長ガイド部を有し、
    前記延長ガイド部の左右両端が、前記延長ガイド部の後方に位置する主ガイド部の左右両端よりも前記固定式クローラガイドの左右中心側に位置している作業車のクローラ走行装置。
  2. 前記延長ガイド部の底面が前上がり傾斜している請求項1に記載の作業車のクローラ走行装置。
  3. 前記トラックフレームの前部側に取り付ける可動式ガイドユニットを備え、
    前記可動式ガイドユニットは、左右一対の前記芯金突起を跨いで前記クローラベルトの左右両端側を案内する複数の可動式外転輪と、複数の前記可動式外転輪にわたる前後長さを有して左右一対の前記芯金突起の間に位置する可動式クローラガイドと、左右向きの支軸を支点にして天秤揺動する天秤アームとを備えるとともに、複数の前記可動式外転輪と前記可動式クローラガイドとを、前記天秤アームを介して前記トラックフレームに組み付け、
    前記延長ガイド部は、該延長ガイド部の後部側に底面の勾配が小さい緩傾斜ガイド部分を有し、かつ、前記延長ガイド部の前部側に底面の勾配が大きい急傾斜ガイド部分を有している請求項2に記載の作業車のクローラ走行装置。
  4. 前記緩傾斜ガイド部分は、一定の左右幅を有して前記固定式ガイドユニットの最前の前記固定式外転輪よりも前方に位置する定幅案内領域を備えている請求項3に記載の作業車のクローラ走行装置。
  5. 前記固定式クローラガイドの前端部を、前側ほど左右幅が狭くなる先細り形状にしている請求項1〜4のいずれか一つに記載の作業車のクローラ走行装置。
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