JP2017047456A - レーザ溶接方法 - Google Patents

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【課題】1周溶接時に保護ガラスの温度変化によるレーザ光の焦点ずれを抑制すること。【解決手段】レーザ光を出力する光学系12をワーク10に対し移動させてレーザ光をオートフォーカス(AF)する機能を備えた溶接装置40を使用し、光学系12はレーザ光が透過する保護ガラス27を備え、ワーク10の溶接ライン上にてレーザ光をAFしながら複数ワーク10を同一手順でレーザ溶接する。同一手順として、光学系12に対しワーク10を位置決めし、次に光学系12をワーク10に対し移動させてレーザ光を溶接ラインに対し1回目のAFをし、次に溶接装置40でレーザ光により仮止め溶接し、次に光学系12をワーク10に対し移動させてレーザ光を溶接ラインに対し2回目のAFをし、次に1回目AFによる光学系12の位置と、2回目AFによる光学系12の位置とに基づき、レーザ光の焦点ずれ予測値を算出し、算出された焦点ずれ予測値に基づきAFを補正しながら溶接装置40で1周溶接する。【選択図】図3

Description

この発明は、オートフォーカス機能を備えたレーザ溶接装置を使用したレーザ溶接方法に関する。
従来より、複数の部材を接合して1つの溶接構造体を製造するために、レーザ光を用いたレーザ溶接が行われている。このようなレーザ溶接による製品として、例えば、電池がある。電池は、一般的に、ケースの内部に正負の電極板よりなる電極体が収容されている。この種の電池の製造工程では、電極体を、ケース本体の開口部から内部へ収容した後、開口部を蓋板で塞ぎ、ケース本体と蓋板との境目をレーザ溶接により接合することがある。
この種のレーザ溶接方法として、例えば、下記の特許文献1に記載される技術が知られている。この技術では、ケース本体の開口部に蓋板を嵌入し、蓋板とケース本体との境目をレーザ溶接するようになっている。その際、境目の一部を仮止めした後、境目の全周を本溶接(1周溶接)するようになっている。このようなレーザ溶接を複数のケースにつき順次行うようになっている。
ここで、高出力、小スポット径で1周溶接を行うと、レーザ溶接装置を構成する光学系部品の温度が上昇し、光学系部品が熱膨張してレーザ光の焦点がずれるおそれがある。そこで、1周溶接の直前にオート・フォーカス(AF)を行ってレーザ光の焦点を合わせ、1周溶接する間にレーザ光の焦点ずれを一定量見込んで1周溶接をすることが考えられる。ここで、光学系部品として、レーザ光の出力部に設けられ、レーザ光が透過する保護ガラスや光学系内のレンズを想定することができる。
特開平8−315790号公報
ところが、特許文献1に記載のレーザ溶接方法では、レーザ溶接装置により溶接を開始したとき(溶接開始時)と、ある程度の時間が経過したとき(溶接安定時)とで、保護ガラスやレンズの温度が異なり、熱膨張や屈折率に違いが生じる。この熱膨張の違いにより、1周溶接する間のレーザ光の焦点ずれ量が異なることから、その焦点ずれを一定量見込んでも、焦点にずれが発生するおそれがある。
ここで、保護ガラスやレンズの温度が安定するまでレーザ溶接装置を暖機運転してから、1周溶接することが考えられる。しかし、この場合、保護ガラスの温度が安定する領域になっても、1周溶接する間に上がる温度と、ケース本体の位置決めをする間に下がる温度とがバランスするだけで、1周溶接する間には焦点ずれが発生する。また、保護ガラスの汚れなどによりその温度上昇の程度が異なることから、レーザ光の焦点ずれ量も変わることがある。
図9に、溶接開始からの時間経過に対する焦点ずれ量の変化をグラフにより示す。図9中、太線は保護ガラスの温度上昇が大きい場合を示し、破線は保護ガラスの温度上昇が小さい場合を示す。また、図9の鎖線四角S1の中を、図10に拡大したグラフにより示す。図9の鎖線四角S2の中を、図11に拡大したグラフにより示す。更に、図9の鎖線四角S3の中を、図12に拡大したグラフにより示す。図10では、温度上昇が小さい場合の方が、温度上昇が大きい場合よりも、1周溶接する間のレーザ光の焦点ずれ量QFが小さいことがわかる。図11と図12の間でも同様である。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、本溶接時に保護ガラスの温度変化によるレーザ光の焦点ずれを抑制することを可能としたレーザ溶接方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明のレーザ溶接方法は、レーザ光を出力する光学系をワークに対し移動させることによりレーザ光をオートフォーカスする機能を備えたレーザ溶接装置を使用し、光学系はレーザ光の出力部にレーザ光が透過する保護ガラスを備え、ワークの溶接狙いライン上にてレーザ光をオートフォーカスさせながら複数のワークにつき同一手順でレーザ光により溶接を行うレーザ溶接方法であって、同一の手順は、光学系に対しワークを位置決めすることと、位置決め後に光学系をワークに対して移動させることによりレーザ光を溶接狙いラインに対し1回目のオートフォーカスをすることと、その後にレーザ溶接装置を使用して溶接狙いラインの一部をレーザ光により仮止め溶接することと、仮止め溶接後に光学系をワークに対して移動させることによりレーザ光を溶接狙いラインに対し2回目のオートフォーカスをすることと、その後に1回目のオートフォーカスをしたときの光学系の位置と、2回目のオートフォーカスをしたときの光学系の位置とに基づき、レーザ光の焦点ずれ予測値を算出することと、算出された焦点ずれ予測値に基づきオートフォーカスを補正しながらレーザ溶接装置を使用して溶接狙いラインの全部をレーザ光により本溶接することとを備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、仮止め溶接前に1回目のオートフォーカスをしたときの光学系の位置と、仮止め溶接後に2回目のオートフォーカスをしたときの光学系の位置とに基づき、本溶接でずれる焦点ずれ予測値を算出し、その焦点ずれ予測値に基づきオートフォーカスを補正しながら本溶接を行うようになっている。従って、本溶接中に保護ガラスがレーザ光の透過により熱膨張しても、その熱膨張を想定した焦点ずれ予測値に基づき、レーザ光のオートフォーカスが補正されながら溶接狙いラインに沿って本溶接が行われる。
請求項1に記載の発明によれば、本溶接時に保護ガラスの温度変化によるレーザ光の焦点ずれを抑制することができ、溶接品質の変動を少なくすることができる。
一実施形態に係り、レーザ溶接が行われた電池を示す斜視図。 一実施形態に係り、レーザ溶接が行われた電池を示す平面図。 一実施形態に係り、レーザ溶接装置を示す概略図。 一実施形態に係り、レーザ溶接方法の手順を示すフローチャート。 一実施形態に係り、溶接前のワークを示す平面図。 一実施形態に係り、溶接開始からの時間と焦点ずれ予測値との関係を示すグラフ。 一実施形態に係り、焦点ずれ安定後の焦点ずれ予測値の変化を示すグラフ。 一実施形態に係り、溶接狙いラインに沿って1周溶接したときの、区間1〜区間10の各区間におけるZ位置を示す表。 従来例に係り、溶接開始からの時間経過に対する焦点ずれ量の変化を示すグラフ。 従来例に係り、図9の鎖線四角S1の中を拡大して示すグラフ。 従来例に係り、図9の鎖線四角S2の中を拡大して示すグラフ。 従来例に係り、図9の鎖線四角S3の中を拡大して示すグラフ。
以下、本発明のレーザ溶接方法を具体化した一実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
先ず、レーザ溶接の対象物である電池について説明する。図1に、レーザ溶接が行われた電池1を斜視図により示す。図2に、レーザ溶接が行われた電池1を平面図により示す。図1、図2に示すように、電池1は、扁平な箱形をなし、その上面に正極端子2と負極端子3が設けられる。電池1は,正極端子2と負極端子3を介して充放電を行う二次電池として構成される。この電池1として、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池を例示することができる。
電池1は、ケース本体4と、ケース本体4の開口部5を塞ぐ蓋板6とを含む。ケース本体4と蓋板6はアルミニウムより形成される。ケース本体4の内部には、正負の電極板よりなる電極体や電解液などが収容されている。正極端子2と負極端子3は、蓋板6に設けられる。また、蓋板6には、ケース本体4の中へ電解液を注入するための注液口を封止する封止部材7が設けられる。
ケース本体4と蓋板6は、レーザ溶接により接合されている。すなわち、ケース本体4の開口部5内に蓋板6が嵌め込まれ、開口部5と蓋板6の外縁を溶接狙いラインとしてレーザ溶接が行われて接合されている。図1、図2に示すように、レーザ溶接による溶接痕8は、蓋板6の外縁に沿って形成され、全体として細長な矩形をなしている。この溶接痕8の軌跡が、溶接前における溶接狙いラインと整合している。
次に、レーザ溶接に使用されるレーザ溶接装置について説明する。図3に、レーザ溶接装置40を概略図により示す。図3に示すように、レーザ溶接装置40は、レーザ発振器11とオートフォーカス(AF)機能を備えた光学系としてのガルバノスキャナ12と、レーザ発振器11とガルバノスキャナ12を制御するためのコントローラ13とを備える。ガルバノスキャナ12は、光ファイバ21、コリメートレンズ22、第1全反射ミラー23、第2全反射ミラー24、Zレンズ25、集光レンズ26、保護ガラス27及びAFユニット28を備える。光ファイバ21、コリメートレンズ22、Zレンズ25及び第1全反射ミラー23は同軸(Y軸)上に配置され、第1全反射ミラー23、集光レンズ26及び第2全反射ミラー24はY軸に直交する別の同軸(X軸)上に配置される。AFユニット28は、ハーフミラー29を備え、そのハーフミラー29が、Y軸上にて、コリメートレンズ22とZレンズ25との間に配置される。保護ガラス27は、レーザ光の出力部に設けられ、レーザ光が透過するようになっている。
コリメートレンズ22は、レーザ発振器11より発せられ、光ファイバ21を通じて入射したレーザ光を平行状態に調整するようになっている。Zレンズ25は、本溶接として閉塞したループ状の1周溶接をする際のレーザ光の焦点ずれを補正するために使用され、モータ(図示略)により駆動され、Y軸方向に沿って移動可能に構成される。AFユニット28は、レーザ光LBのフォーカスが合っているかの適合信号を出力するユニットである。第1全反射ミラー23は、固定式ミラーであり、その反射角度は固定されている。第2全反射ミラー24は、X軸ミラーとY軸ミラーを含み(一方のみ図示した。)、各ミラーがそれぞれモータ(図示略)により回転されることで角度が調整されるようになっている。
そして、ガルバノスキャナ12は、第2全反射ミラー24の回転によりレーザ光LBを溶接狙いラインに沿って正確に照射する、すなわちレーザ光による走査を高速で行うようになっている。この実施形態では、第2全反射ミラー24を適宜回転させることにより、溶接狙いラインに沿ってレーザ光LBを1周照射して1周溶接を行うようになっている。
この実施形態で、ガルバノスキャナ12は、電池1となるワーク10に対して同スキャナ12を上下へ移動させるための駆動機構30と、同スキャナ12の上下位置を検出できる機能を有する。また、電池1の近傍には、レーザ光LBの波長と同じ波長を有する光を溶接部(溶接狙いライン等)に照射するためのライト31が設置される。
この実施形態で、1周溶接の際にレーザ光をAFするときの焦点ずれは、AFユニット28を含むガルバノスキャナ12全体を駆動機構30によりワーク10に対して上下へ移動させることで調整するようになっている。この実施形態では、ガルバノスキャナ12において、保護ガラス27が、レーザ光LBの透過により加熱されて熱膨張し、レーザ光LBのAFに焦点ずれが生じるおそれがある。そこで、保護ガラス27の熱膨張に起因するレーザ光LBの焦点ずれを抑えるために、レーザ溶接装置40を使用して特定のレーザ溶接方法を実施するようになっている。図4に、そのレーザ溶接方法の手順をフローチャートにより示す。
先ず、ステップ1で、ガルバノスキャナ12に対し一定距離にワーク10を位置決めする。すなわち、図3に示すように、ガルバノスキャナ12の真下にて、同スキャナ12に対し一定距離を保ちながらワーク10を固定する。
次に、ステップ2で、ガルバノスキャナ12全体の上下位置で1回目のAF(AF1)を行う。すなわち、駆動機構30を動作させてガルバノスキャナ12のワーク10に対する上下位置を調整することにより、レーザ光LBをワーク10の溶接狙いラインに対し1回目のAFを行う。ここで、「1回目のAFを行う」とは、AFユニット28から出力され、位相差によりレーザ光LBのフォーカスが合っているか否かを示す適合信号を使用することで、ガルバノスキャナ12全体をワーク10に対して上下へ移動させてレーザ光LBの焦点ずれにつき1回目の補正を行うことを意味する。
次に、ステップ3で、仮止め溶接をする。すなわち、レーザ溶接装置40を動作させて、溶接狙いライン上の所定の仮止め位置をスポット的に溶接する。この実施形態では、例えば、図5に示すように、溶接狙いラインLT上に破線で示す4つの仮止め位置PTにて仮止め溶接を行うことができる。図5は、溶接前のワーク10を示す平面図である。
次に、ステップ4で、2回目のAF(AF2)を行う。AFの方法は、ステップ2のそれと同じである。
次に、ステップ5で、1回目のAF位置D1と2回目のAF位置D2の情報に基づき、AF位置D1,D2からの1周溶接開始時の焦点ずれ量(溶接開始時焦点ずれ量)FGSと、1周溶接する間の焦点ずれ予測値(1周溶接焦点ずれ予測値)EFGを算出する。この計算は、コントローラ13が行うことができる。ここで、「AF位置D1」及び「AF位置D2」とは、AFユニット28からの適合信号を使い、ガルバノスキャナ12全体をワーク10に対して上下へ移動させてレーザ光LBの焦点ずれを補正したときの同スキャナ12の上下位置(保護ガラス27の上下位置でもある。)の情報を意味する。「1周溶接」は、溶接狙いラインLTに沿ってレーザ光LBを1周照射することによりレーザ溶接を行うことを意味し、本発明の本溶接に相当する。また、「1周溶接開始」とは、溶接狙いラインLT上のある開始位置PS(図5参照)からレーザ溶接を開始することを意味する。従って、溶接開始時焦点ずれ量FGSは、ステップ4で2回目のAFを行ったときと、1周溶接を開始するときとの時間差で生じる焦点ずれ量を意味する。
ここで、溶接開始時焦点ずれ量FGSは、例えば、以下の式(1)で計算することができる。また、1周溶接焦点ずれ予測値EFGは、例えば、以下の式(2)で計算することができる。
FGS=−1.00×D1+0.98×D2 ・・・式(1)
EFG=−14.27×D1+14.88×D2 ・・・式(2)
次に、ステップ6で、ステップ5で算出された1周溶接焦点ずれ予測値EFGに対し焦点ずれが小さい溶接プログラムを選択する。この選択は、コントローラ13が行うことができる。ここで、「溶接プログラム」とは、1周溶接するときの軌道、レーザ出力、走査速度及びZレンズ25の位置についてプログラムしたものを意味する。従って、「1周溶接焦点ずれ予測値EFGに対し焦点ずれが小さい溶接プログラムを選択する」とは、同予測値EFGをもとに自動で1周溶接するときの溶接プログラムをそのときどきで作成するには時間がかかるので、AF位置D1,D2から1周溶接を開始するときの焦点ずれ量と、1周溶接する間の焦点ずれ量との組み合わせを予め何通りか「溶接プログラム」として作成しておく。そして、これら溶接プログラムにつき、算出された1周溶接焦点ずれ予測値EFGに最も近い予測値を有する溶接プログラムを選ぶことを意味する。
この実施形態では、溶接開始時焦点ずれ量と1周溶接焦点ずれ予測値につき、「0.2(mm)」毎に設定された焦点ずれ量と焦点ずれ予測値を含む溶接プログラムを予め準備している。すなわち、AF位置D1からの溶接開始時焦点ずれ量を、例えば、「−1.0(mm)」から「+1.0(mm)」まで「0.2(mm)」毎に設定すると共に、1周溶接焦点ずれ予測値を、「0.0(mm)」から「2.0(mm)」まで「0.2(mm)」毎に設定し、それらを組み合わせることにより予め複数の溶接プログラムを準備している。
次に、ステップ7で、1周溶接する間、Zレンズ25を移動調整しながら溶接する。すなわち、1周溶接焦点ずれ予測値EFGを見込み、1周溶接する間もZレンズ25をY軸方向へ移動させて焦点ずれを補正しながらレーザ溶接を行う。
そして、ステップ8で、溶接終了後にワーク10を次のワーク10と交換した後、ステップ1へ戻す。
図6に、保護ガラス27の温度上昇大(太線)の場合と温度上昇小(実線)の場合につき、溶接開始からの時間と焦点ずれ予測値との関係をグラフにより示す。また、図7に、溶接開始からある程度時間が経過した後の焦点ずれ予測値の変化を拡大してグラフにより示す。図6に示すように、焦点ずれ予測値は、溶接開始からの時間経過に伴って増加するが、ある時間を過ぎると増加が少なくなり焦点ずれが安定することがわかる。また、保護ガラス27の温度上昇大の場合の方が、温度上昇小の場合に比べて焦点ずれ予測値の変化が大きいことがわかる。図7に示すように、焦点ずれ予測値は、「ワーク交換位置決め」、「溶接準備」、「仮止め溶接」、「溶接準備」及び「1周溶接」の一連の作業を繰り返す毎に減増を繰り返すことがわかる。この実施形態では、図7に示すように、「ワーク交換位置決め」直後の時刻t1で、「AF1」(1回目のオートフォーカス)を実施する。その後、「溶接準備」及び「仮止め溶接」後の時刻t2で、「AF2」(2回目のオートフォーカス)を実施するようになっている。そして、AF1のAF位置D1とAF2のAF位置D2の情報に基づき、その後の時刻t3で「1周溶接」を開始するときの焦点ずれ予測値と、「1周溶接」する間の焦点ずれ予測値を算出するようになっている。
ここで、上記した式(1)と式(2)を使用した溶接開始時焦点ずれ量FGSと1周溶接焦点ずれ予測値EFGの計算例について説明する。AF1のAF位置D1を「5(mm)」、AF2のAF位置D2を「4.9(mm)」とすると、式(1)より溶接開始時焦点ずれ量FGSは「−0.198(mm)」となり、式(2)より1周溶接焦点ずれ予測値EFGは「1.562(mm)」となる。この実施形態では、溶接開始時焦点ずれ量FGSと1周溶接焦点ずれ予測値EFGにつき、それぞれ「0.2(mm)」毎に設定された値の組み合わによる溶接プログラムを準備している。従って、算出された溶接開始時焦点ずれ量FGS「−0.198(mm)」に最も近い「−0.2(mm)」と、算出された1周溶接焦点ずれ予測値EFG「1.562(mm)」に最も近い「1.6(mm)」との組み合わせによる溶接プログラムを選択することになる。
図8に、図5に示すように、溶接狙いラインLTに沿って1周溶接したときの、区間1〜区間10の各区間におけるZ位置を表に示す。ここで、「Z位置」とは、Zレンズ25が所定の基準高さにあるときの焦点距離を「0」とし、それに対しZレンズ25を移動させることで焦点距離をずらす量を意味する。例えば、表において、区間1でZ位置が「−0.12(mm)」となるのは、基準高さより焦点を遠い側へ「0.12(mm)」ずらすことを意味する。また、区間10でZ位置が「1.32(mm)」となるのは、基準高さより焦点を近い側へ「1.32(mm)」ずらすことを意味する。ここでは、AF時にZレンズ25が基準高さに位置するようになっている。
以上説明したようにこの実施形態のレーザ溶接方法は、レーザ光LBを出力するガルバノスキャナ12をワーク10に対し移動させることによりレーザ光LBをAFする機能を備えたレーザ溶接装置40を使用し、ガルバノスキャナ12はレーザ光LBの出力部にレーザ光LBが透過する保護ガラス27を備え、ワーク10の溶接狙いラインLT上にてレーザ光LBをAFさせながら複数のワーク10につき同一手順でレーザ光LBにより溶接を行うようになっている。上記した同一の手順は、ガルバノスキャナ12に対しワーク10を位置決めすることと、その位置決め後にガルバノスキャナ12をワーク10に対して移動させることによりレーザ光LBを溶接狙いラインLTに対し1回目のAFをすることと、その後にレーザ溶接装置40を使用して溶接狙いラインLTの一部をレーザ光LBにより仮止め溶接することと、仮止め溶接後にガルバノスキャナ12をワーク10に対して移動させることによりレーザ光LBを溶接狙いラインLTに対し2回目のAFをすることと、その後に1回目のAFをしたときのガルバノスキャナ12のAF位置D1と、2回目のAFをしたときのガルバノスキャナ12のAF位置D2とに基づき、レーザ光LBの1周溶接焦点ずれ予測値EFGを算出することと、算出された1周溶接焦点ずれ予測値EFGに基づきAFを補正しながらレーザ溶接装置40を使用して溶接狙いラインLTの全部をレーザ光LBにより1周溶接することとを備える。
よって、このレーザ溶接方法によれば、仮止め溶接前に1回目のAFをしたときのガルバノスキャナ12のAF位置D1と、仮止め溶接後に2回目のAFをしたときのガルバノスキャナ12のAF位置D2とに基づき、本溶接である1周溶接でずれる焦点ずれ予測値EFGを算出し、その焦点ずれ予測値EFGに基づきAFを補正しながら1周溶接を行うようになっている。従って、1周溶接中に保護ガラス27がレーザ光LBの透過により熱膨張しても、その熱膨張を想定した焦点ずれ予測値EFGに基づき、レーザ光LBのAFが補正されながら溶接狙いラインLTに沿って1周溶接が行われる。このため、本溶接である1周溶接時に保護ガラス27の温度変化によるレーザ光LBの焦点ずれを抑制することができ、その溶接品質の変動を少なくすることができる。
なお、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
例えば、前記実施形態では、閉塞したループ状の1周溶接を本溶接としたが、両端が開放された所定のライン状の溶接を本溶接とすることもできる。
前記実施形態では、電池1の近傍にレーザ光LBの波長と同じ波長を有する光を溶接部に照射するためのライト31を設置したが、このライト31を省略し、レーザ光LBを低出力で溶接部に照射するようにしてもよい。
この発明は、オートフォーカス機能を備えたレーザ溶接装置を使用したレーザ溶接方法に利用することができる。
4 ケース本体
6 蓋板
10 ワーク
11 レーザ発振器
12 ガルバノスキャナ(光学系)
13 コントローラ
25 Zレンズ
27 保護ガラス
28 AFユニット
40 レーザ溶接装置
LB レーザ光
D1 1回目のAF位置
D2 2回目のAF位置
EFG 1周溶接焦点ずれ予測値
LT 溶接狙いライン

Claims (1)

  1. レーザ光を出力する光学系をワークに対し移動させることにより前記レーザ光をオートフォーカスする機能を備えたレーザ溶接装置を使用し、前記光学系は前記レーザ光の出力部に前記レーザ光が透過する保護ガラスを備え、前記ワークの溶接狙いライン上にて前記レーザ光をオートフォーカスさせながら複数の前記ワークにつき同一手順で前記レーザ光により溶接を行うレーザ溶接方法であって、
    前記同一の手順は、
    前記光学系に対し前記ワークを位置決めすることと、
    前記位置決め後に前記光学系を前記ワークに対して移動させることにより前記レーザ光を前記溶接狙いラインに対し1回目のオートフォーカスをすることと、
    その後に前記レーザ溶接装置を使用して前記溶接狙いラインの一部を前記レーザ光により仮止め溶接することと、
    前記仮止め溶接後に前記光学系を前記ワークに対して移動させることにより前記レーザ光を前記溶接狙いラインに対し2回目のオートフォーカスをすることと、
    その後に前記1回目のオートフォーカスをしたときの前記光学系の位置と、前記2回目のオートフォーカスをしたときの前記光学系の位置とに基づき、前記レーザ光の焦点ずれ予測値を算出することと、
    算出された前記焦点ずれ予測値に基づき前記オートフォーカスを補正しながら前記レーザ溶接装置を使用して前記溶接狙いラインの全部を前記レーザ光により本溶接することと
    を備えたことを特徴とするレーザ溶接方法。
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