JP2017046489A - 充電器 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレ空調運転を実行しながらも、電動車両の走行可能距離が短くなることを抑制可能な充電器を提供する。
【解決手段】充電器である充放電器10は、蓄電池310の充電を完了させる充電完了時刻の設定を受け付ける完了時刻受付部であるタイマ設定部150を備える。電力供給部である電力変換器110は、電動車両300に搭載された空調装置340を蓄電池310から供給される電力によって駆動させるプレ空調運転が充電完了時刻後に実行される場合に、蓄電池310に補充用電力を供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動車両の蓄電池に外部電源から電力を供給して充電する充電器に関する。
蓄電池と電動モータを搭載し、蓄電池から供給される電力を用いて電動モータを駆動させ、走行用のトルクを発生させる電動車両の普及が進んでいる。このような電動車両には、商用電源等の外部電源と電気的に接続されることで、当該外部電源から電力の供給を受けて蓄電池を充電する所謂プラグインハイブリッド車両も含まれる。
電動車両の蓄電池の充電を行う充電器として、例えば下記特許文献1に記載されているものが知られている。当該充電器は、ユーザの利便性向上のために、タイマを用いた充電を行う。具体的には、下記特許文献1に記載されている充電器は、充電完了時刻の設定をユーザから受け付けるとともに、当該充電完了時刻に蓄電池の充電が完了するように蓄電池に電力を供給する。これにより、ユーザは、電動車両の使用開始タイミングまでに蓄電池の充電を完了させておくことが可能となる。また、電動車両の使用開始タイミングに近い時刻に充電完了時刻を設定することで、充電率が100%に近い状態のまま蓄電池を待機させる時間を短くし、その結果、蓄電池の劣化を抑制することも可能となる。
国際公開第2013/054435号
ところで、空調装置を電動車両の使用開始タイミングに先駆けて運転させる「プレ空調運転」を実行する電動車両が知られている。このようなプレ空調運転の実行により、電動車両の使用開始タイミングに先駆けて車室内の温度を適切な値に調整し、使用開始タイミング直後から快適に乗車することが可能となる。しかしながら、プレ空調運転を実行すると、電動車両の走行可能距離が短くなってしまうという課題がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プレ空調運転を実行しながらも、電動車両の走行可能距離が短くなることを抑制可能な充電器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る充電器は、電動車両(300)の蓄電池(310)に外部電源(400)から電力を供給して充電する充電器(10,10A)であって、前記電動車両に接続されるコネクタ(210)と、外部電源から供給される電力を、前記コネクタを介して前記蓄電池に供給する電力供給部(110)と、前記蓄電池の充電を完了させる充電完了時刻の設定を受け付ける完了時刻受付部(150)と、を備え、前記電力供給部は、前記充電完了時刻後に前記電動車両に搭載された空調装置(340)を前記蓄電池から供給される電力によって駆動させるプレ空調運転が実行される場合に、前記蓄電池に補充用電力を供給する。
上記構成によれば、プレ空調運転が実行される場合に、蓄電池に補充用電力を供給する。したがって、プレ空調運転の実行に蓄電池から供給される電力が用いられても、補充用電力によって蓄電池の充電率を高めることができる。その結果、プレ空調運転の実行により電動車両の走行可能距離が短くなることを抑制できる。
本発明によれば、プレ空調運転を実行しながらも、電動車両の走行可能距離が短くなることを抑制可能な充電器を提供することができる。
第1実施形態に係る充放電器及び電動車両の構成を模式的に示す図である。 図1の充放電器側制御部の構成を示す機能ブロック図である。 図1の充放電器側制御部及び車両側制御部が第1充電プロセスにおいて実行する処理を示すフローチャートである。 図1の充放電器側制御部及び車両側制御部が第2充電プロセスにおいて実行する処理を示すフローチャートである。 図1の充放電器側制御部及び車両側制御部が待機プロセスにおいて実行する処理を示すフローチャートである。 図1の充放電器側制御部及び車両側制御部が補充電プロセスにおいて実行する処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る充放電器及び電動車両の構成を模式的に示す図である。 図7の充放電器側制御部の構成を示す機能ブロック図である。 図7の充放電器側制御部及び車両側制御部が第2充電プロセスにおいて実行する処理を示すフローチャートである。 図7の充放電器側制御部及び車両側制御部が補充電プロセスにおいて実行する処理を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1を参照しながら、第1実施形態に係る充放電器10(充電器)の構成について説明する。充放電器10は、電動車両300の蓄電池310との間で電力の授受を行う機器である。つまり、充放電器10は、電動車両300に電力を供給して蓄電池310を充電する充電器として機能するとともに、蓄電池310に電力を放出させる放電器としても機能し、電動車両300と住居(不図示)との間で電力の授受を行うV2H(Vehicle to Home)システムの一部を構成している。充放電器10は、本体部100と、ケーブル200とを備えている。
まず、ケーブル200の構成について説明する。ケーブル200は、本体部100と電動車両300とを接続する導線であって、充電や放電(以下、両者をまとめて「充放電」とも称する)が行われる際の電力や信号の導通経路となるものである。
ケーブル200は本体部100の一側面から伸びており、その先端にはコネクタ210が設けられている。充放電器10と電動車両300との間の電力の授受は、コネクタ210が電動車両300のインレット301に接続された状態で行われる。
ケーブル200の内部には、電力線221,222と、通信開始線223と、接続確認線224と、通信線225,226とが収納されている。これらはいずれも、ケーブル200の長手方向に沿って伸びるように配置された導線である。
電力線221,222は、電力の導通経路として設けられた一対の導線である。蓄電池310の充電が行われる際には、本体部100から供給される電力が電力線221,222を介して電動車両300の蓄電池310に供給される。蓄電池310の放電が行われる際には、蓄電池310から放出された電力が電力線221,222及び本体部100を介して住居に供給される。
通信開始線223は、充放電器10と電動車両300との通信を開始させるための信号(以下、「通信開始信号」と称する)を、充放電器10から電動車両300に伝達するための導線である。
接続確認線224は、ケーブル200のコネクタ210が電動車両300のインレット301に接続されたことを、電動車両300で検知するための導線である。
通信線225,226は、充放電器10と電動車両300との通信の経路として設けられた一対の導線である。充放電器10と電動車両300とは、V2Hガイドラインに準拠した所謂CAN(登録商標)通信を行う。
本体部100の構成について説明する。本体部100は、住居の近傍(例えば駐車場)に設置された箱状の装置である。本体部100の内部には、電力変換器110(電力供給部)と、12Vライン120と、CAN回路180と、充放電器側制御部190とが備えられている。また、本体部100の外側面には、タイマ設定部150(完了時刻受付部)と、補充電設定部160と、が設けられている。
電力変換器110には、ケーブル200内に収納された電力線221,222のそれぞれの一端が接続されている。電力変換器110は、商用電源400(外部電源)と電気的に接続されるとともに、商用電源400から供給される交流電力を直流電力に変換して出力する。蓄電池310の充電が行われる際には、電力変換器110が出力した直流電力が、電力線221,222を介して蓄電池310に供給される。
蓄電池310の放電が行われる際には、蓄電池310から放出された直流電力が、電力線221,222を介して電力変換器110に供給される。当該直流電力は、電力変換器110によって交流電力に変換された後、住居の配電盤(不図示)に供給され、住居において消費される。尚、このような電力変換器110は、本実施形態のように本体部100の内部に収納されているもののみならず、住居側に設けられていてもよい。
12Vライン120は、12Vの電圧が印加される導線である。12Vライン120には、ケーブル200内に収納された通信開始線223の一端が接続されている。通信開始線223の途中にはリレー130が設けられている。コネクタ210がインレット301に接続された状態において、リレー130が開状態から閉状態に切り替えられると、12Vライン120から供給される電流が通信開始線223を流れる。
後に説明するように、電動車両300は、通信開始線223に電流が流れたことを検知すると、充放電器10とのCAN通信を開始するように構成されている。つまり、通信開始線223に電流が流れたことによって生じる信号が、前述した通信開始信号に相当する。
本体部100の内部であって、接続確認線224の途中には、抵抗140が設けられている。抵抗140は、その位置や抵抗値がV2Hガイドラインによって規定されているものである。また、接続確認線224の一端部は接地ライン170に接続されている。
タイマ設定部150は、静電容量式のタッチパネルやボタン等を有しており、それによってユーザの操作を受け付ける。ユーザは、当該タッチパネル等を操作することによって、蓄電池310の充電を完了させる時刻である充電完了時刻を設定することができる。
補充電設定部160は、静電容量式のタッチパネルやボタン等を有しており、それによってユーザの操作を受け付ける。ユーザは、当該タッチパネル等を操作することによって、電力変換器110が後述する補充用電力を供給する否かを設定することができる。以下、この補充用電力の供給を「補充電」とも称する。
CAN回路180は、電動車両300とのCAN通信を行うための通信インターフェイスとして構成された回路である。CAN回路180には、ケーブル200内に収納された通信線225,226のそれぞれの一端が接続されている。
充放電器側制御部190は、CPU、ROM、RAM等を備えたマイコンとして構成された部分である。充放電器側制御部190は、充放電器10の全体の動作を統括制御する。例えば、充放電器側制御部190は、電力変換器110の動作を制御することによって、電動車両300との間で授受する電力の大きさを制御する。また、充放電器側制御部190は、リレー130の開閉を制御することによって、電動車両300に向けた通信開始信号の送信を行う。さらに、充放電器側制御部190は、ユーザがタイマ設定部150において設定した充電完了時刻に蓄電池310の充電を完了させるように、蓄電池310への電力供給を開始する時刻を決定する。
引き続き図1を参照しながら、電動車両300の構成について説明する。電動車両300は、蓄電池310に蓄えられた電力を電動モータ(不図示)に供給し、当該電動モータで発生させたトルクによって走行する車両である。電動車両300は、蓄電池310の他、フォトカプラ330と、12Vライン360と、フォトカプラ361と、CAN回路370と、車両側制御部390と、空調設定部391と、を備えている。
蓄電池310は、充放電を行う二次電池であり、例えばリチウムイオン電池が用いられる。すなわち、蓄電池310は、その内部で電気化学反応を生じさせることにより、充放電を行うことができる。
電動車両300の内部には、一対の電力線381,382が設けられている。コネクタ210がインレット301に接続されると、電力線381はその一端が電力線221に接続され、他端が蓄電池310に接続された状態となる。また、電力線382は、その一端が電力線222に接続され、他端が蓄電池310に接続された状態となる。
蓄電池310の充電が行われる際には、充放電器10の電力変換器110が出力した直流電力が、電力線221,222及び電力線381,382を介して蓄電池310に供給される。また、蓄電池310の放電が行われる際には、蓄電池310から放出された直流電力が、電力線221,222及び電力線381,382を介して充放電器10に供給される。
電力線381の途中及び電力線382の途中には、それぞれ車両リレー321,322が設けられている。蓄電池310の充放電が行われる際は、これらはいずれも閉状態とされる。また、電力線381の途中には、電流センサ323が設けられている。電流センサ323は、電力線381を流れる電流を検出し、その大きさに対応する検出信号を送信する。
また、電力線381の途中及び電力線382の途中には、空調装置340が接続されている。空調装置340は、例えば、空気を圧縮するエアコンプレッサ341と、空気を加熱するヒータ342と、を有している。エアコンプレッサ341及びヒータ342は、電力線381及び電力線382を介して蓄電池310から供給される電力によって駆動し、温度調整した空気を電動車両300の車室内に供給する。
電動車両300の内部には、通信開始線383が設けられている。コネクタ210がインレット301に接続されると、通信開始線383はその一端が通信開始線223に接続され、他端が接地ライン350に接続された状態となる。通信開始線383の途中にはフォトカプラ330が設けられている。
既に述べたように、コネクタ210がインレット301に接続された状態において、リレー130が開状態から閉状態に切り替えられると、12Vライン120から供給される電流が通信開始線223を流れる。当該電流は、フォトカプラ330によって検知される。すなわち、フォトカプラ330は、充放電器10からの通信開始信号を電動車両300側で検知するための素子として機能する。
12Vライン360は、12Vの電圧が印加される導線である。電動車両300の内部には、接続確認線384が設けられている。コネクタ210がインレット301に接続されると、接続確認線384はその一端が接続確認線224に接続され、他端が12Vライン360に接続された状態となる。
フォトカプラ361は、接続確認線384の途中に設けられている。コネクタ210がインレット301に接続された状態においては、12Vライン360から供給される電流が接続確認線384及び接続確認線224を流れる。当該電流は、フォトカプラ361によって検知される。すなわち、フォトカプラ361は、コネクタ210がインレット301に接続されことを電動車両300側で検知するための素子として機能する。
接続確認線384のうち、フォトカプラ361よりもケーブル200側には、抵抗362が設けられている。抵抗362は、既に説明した抵抗140と同様に、その位置や抵抗値がV2Hガイドラインによって規定されているものである。接続確認線384及び接続確認線224を流れる電流の大きさは、これらの抵抗362及び抵抗140によって、フォトカプラ361を動作させるための適切な範囲内となるよう調整されている。
CAN回路370は、充放電器10とのCAN通信を行うための通信インターフェイスとして構成された回路である。電動車両300の内部には、一対の通信線385、386が設けられている。コネクタ210がインレット301に接続された状態においては、通信線385はその一端が通信線225に接続され、他端がCAN回路370に接続された状態となる。また、通信線386はその一端が通信線226に接続され、他端がCAN回路370に接続された状態となる。充放電器10と電動車両300とのCAN通信、すなわち、CAN回路180とCAN回路370との通信は、通信線225,226及び通信線385,386を介して行われる。
車両側制御部390は、少なくとも蓄電池310の充放電に係る所定の処理を行う制御装置である。車両側制御部390は、不図示の機器を介して蓄電池310と電気的に接続され、蓄電池310の充電率(State Of Charge:SOC)を取得することができる。また、車両側制御部390は、CAN回路370,180を介して充放電器側制御部190と種々のデータの送受信を行うことができる。
空調設定部391は、静電容量式のタッチパネルやボタン等を有しており、それによってユーザの操作を受け付ける。ユーザは、当該タッチパネル等を操作することによって、空調装置340の運転を設定することができる。詳細には、ユーザは、空調設定部391を操作することによって、電動車両300の車室内の温度が所望の値となるように、空調装置340の運転を設定することができる。また、ユーザは、空調設定部391を操作することによって、電動車両300の使用開始タイミングに先駆けて空調装置340を運転させる「プレ空調運転」を実行させるよう設定することができる。具体的には、ユーザは、プレ空調運転を実行する時間や、車室内の目標温度を設定することができる。
続いて、図2を参照しながら、充放電器側制御部190について説明する。充放電器側制御部190は、その一部又は全部が、アナログ回路で構成されるか、デジタルプロセッサとして構成される。いずれにしても、受信した信号に基づいて制御信号を出力する機能を果たすため、充放電器側制御部190には機能的な制御ブロックが構成される。
図2は、充放電器側制御部190を機能的な制御ブロック図として示している。尚、充放電器側制御部190を構成するアナログ回路又はデジタルプロセッサに組み込まれるソフトウェアのモジュールは、必ずしも図2に示される制御ブロックのように分割されている必要はない。すなわち、実際のアナログ回路やモジュールは、図2に示される複数の制御ブロックの働きをするものとして構成されていても構わず、更に細分化されていても構わない。後述する処理を実行できるように構成されていれば、充放電器側制御部190の内部の実際の構成は当業者が適宜変更できるものである。
図2に示されるように、充放電器側制御部190は、電力変換器110及びリレー130と電気的に接続され、これらを制御する。また、充放電器側制御部190は、タイマ設定部150とも電気的に接続され、相互にデータの送受信を行う。また、充放電器側制御部190は、補充電設定部160とも電気的に接続され、補充電の実行に関する設定の読み込みを行う。さらに、充放電器側制御部190は、通信制御部191と、所要充電時間算出部192と、充電開始時刻決定部193と、供給電力算出部194と、を有している。
通信制御部191は、充放電器10と電動車両300とのCAN通信、すなわち、充放電器10のCAN回路180と電動車両300のCAN回路370との通信を制御する部分である。通信制御部191は、前述した通信開始信号に基づいて、電動車両300との間でデータ通信状態を確立する。
所要充電時間算出部192は、「所要充電時間」を算出する部分である。当該所要充電時間は、充放電器10から供給する電力によって蓄電池310の充電率を100%に近い状態とするまでに要する時間である。所要充電時間算出部192は、蓄電池310の充電率や、後述する充電用電流上限値に基づいて所要充電時間を算出する。
充電開始時刻決定部193は、充放電器10から蓄電池310への電力供給を開始する時刻である充電開始時刻を決定する部分である。充電開始時刻決定部193は、前述した充電完了時刻と、所要充電時間と、に基づいて充電開始時刻を決定する。
供給電力算出部194は、空調装置340のプレ空調運転の実行のために、蓄電池310が供給した電力を算出する部分である。供給電力算出部194は、電流センサ323で検出される電流を積算することによって、当該供給電力を算出する。
一方、車両側制御部390は、図2に示されるように、エアコンプレッサ341と、ヒータ342と、電流センサ323と、空調設定部391と電気的に接続されている。
続いて、図3乃至図6を参照しながら、充放電器側制御部190と車両側制御部390とが実行する処理について説明する。図3は、蓄電池310の充電の際に充放電器側制御部190及び車両側制御部390がまず実行する処理である第1充電プロセスを示している。図4は、当該第1充電プロセスの実行後に充放電器側制御部190及び車両側制御部390が実行する処理である第2充電プロセスを示している。図5は、当該第2充電プロセスの実行後に充放電器側制御部190及び車両側制御部390が実行する処理である待機プロセスを示している。図6は、当該待機プロセスの実行後に充放電器側制御部190及び車両側制御部390が実行する処理である補充電プロセスを示している。尚、以下では簡便のため、詳細には充放電器側制御部190の通信制御部191等の各機能ブロックが実行している処理も、総括して充放電器側制御部190が実行するとして説明することがある。
まず、充放電器側制御部190は、図3に示されるステップS101で、タイマ設定情報を取得する。すなわち、充放電器側制御部190は、タイマ設定部150との通信を行い、ユーザが設定した充電完了時刻に関する情報を取得する。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS102で、充電完了時刻の設定の有無を判定する。すなわち、充放電器側制御部190は、ステップS101で取得したタイマ設定情報に基づいて、ユーザによって充電完了時刻が設定されているか否かを判定する。充電完了時刻が設定されていないと判定した場合(S102:No)、充放電器側制御部190は、ステップS113の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS113で、蓄電池310の充電を開始する。すなわち、ユーザによって充電完了時刻が設定されていないため、充放電器側制御部190は電力変換器110を制御して直ちに蓄電池310への電力供給を開始する。
一方、ステップS102で、充電完了時刻が設定されていると判定した場合(S102:Yes)、充放電器側制御部190は、ステップS103の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS103で、リレー130を閉状態にする。それまで開状態であったリレー130が閉状態に切り替えられることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に電流が流れる。すなわち、充放電器10からの通信開始信号が電動車両300に送信される。
通信開始線223を流れる電流は、フォトカプラ330によって検知される。すなわち、車両側制御部390は、ステップS201で、充放電器10からの通信開始信号をフォトカプラ330によって検知する。これによって、充放電器10と電動車両300との間のデータ通信状態が確立される。
次に、車両側制御部390は、ステップS202で、通信線225,226及び通信線385,386を介したCAN通信を開始する。車両側制御部390は、所定のデータをCAN通信によって送信し、当該データはステップS104でCAN通信を開始する充放電器側制御部190によって受信される。
次に、充放電器側制御部190及び車両側制御部390は、それぞれステップS105,S203で、情報交換処理を実行する。当該情報交換処理では、車両側制御部390は、蓄電池310の総容量、充電率、充電上限充電率、充電用電流上限値、充電電圧上限値等の、蓄電池310の充放電に必要となる情報を充放電器側制御部190に送信する。
次に、車両側制御部390は、ステップS204で、車両リレー321,322を閉状態とする。充放電器側制御部190は、ステップS106で、車両リレー321,322が閉状態となったことを確認する。
次に、車両側制御部390は、ステップS205で、充電用電流上限値を設定する。充電用電流上限値は、その際の蓄電池310が受け入れ可能な電流の上限値である。充電用電流上限値は、温度や充電率等、その際の蓄電池310の状態に基づいて設定される。蓄電池310の温度が高いほど、充電の際の電気化学反応が促進されるため、充電用電流上限値は大きくなる傾向にある。また、蓄電池310の充電率が小さいほど、蓄電池310はより多量の電力を蓄えられる状態にあるため、充電用電流上限値は大きくなる傾向にある。充放電器側制御部190は、ステップS107で、車両側制御部390から充電用電流上限値を取得する。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS108で、充電用電流上限値が0アンペアよりも大きいか否かを判定する。充電用電流上限値が0アンペアよりも大きくないと判定した場合(S108:No)、すなわち、蓄電池310の温度が極端に低く充電を行えない場合等は、充放電器側制御部190は、ステップS107の処理に戻る。
一方、ステップS108で、充電用電流上限値が0アンペアよりも大きいと判定した場合(S108:Yes)、すなわち、蓄電池310の温度が充電を行える程度のものである場合等は、充放電器側制御部190は、ステップS109の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS109で、電力変換器110による暖機用電流の供給を開始させる。当該暖機用電流は、充電用電流上限値を所定値以上に高めることを目的として、電力変換器110から蓄電池310に供給される電流である。蓄電池310は、当該暖機用電流の供給を受けることで電気化学反応が促進され、その反応熱によって加熱されることで、充電用電流上限値が上昇する。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS110で、所要充電時間を算出する。前述したように、所要充電時間は、電力変換器110からの電力供給によって蓄電池310の充電率を100%に近い状態とするまでに要する時間である。充放電器側制御部190は、蓄電池310が必要とする電力量や、充電用電流上限値等に基づいて所要充電時間を算出する。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS111で、蓄電池310への電力供給を開始する時刻である充電開始時刻を決定する。充放電器側制御部190は、ステップS110で算出した所要充電時間に基づいて、ユーザによって設定された充電完了時刻から逆算することによって、充電開始時刻を決定する。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS112で、リレー130を開状態にする。それまで閉状態であったリレー130が開状態に切り替えられることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に流れていた電流が遮断される。また、この電流の遮断に伴い、ステップS206で、フォトカプラ330による通信開始信号の検知が停止し、第1充電プロセスが終了する。
図4に示される第2充電プロセスは、以上のような第1充電プロセスの実行後に実行される処理である。第2充電プロセスは、第1充電プロセスで決定された充電開始時刻が到来したことをトリガとして実行される。すなわち、充放電器側制御部190及び車両側制御部390は、第1充電プロセスの実行後に、時刻が充電開始時刻と一致したことに基づいて、この第2充電プロセスの実行を開始する。
まず、充放電器側制御部190は、図4に示されるステップS121で、リレー130を閉状態にする。それまで開状態であったリレー130が閉状態に切り替えられることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に電流が流れる。すなわち、充放電器10からの通信開始信号が電動車両300に送信される。
通信開始線223を流れる電流は、フォトカプラ330によって検知される。すなわち、車両側制御部390は、ステップS221で、充放電器10からの通信開始信号をフォトカプラ330によって検知する。これによって、充放電器10と電動車両300との間のデータ通信状態が確立される。
次に、車両側制御部390は、ステップS222で、通信線225,226及び通信線385,386を介したCAN通信を開始する。車両側制御部390は、所定のデータをCAN通信によって送信し、当該データはステップS122でCAN通信を開始する充放電器側制御部190によって受信される。
次に、充放電器側制御部190及び車両側制御部390は、それぞれステップS123,S223で、情報交換処理を実行する。当該情報交換処理では、車両側制御部390は、蓄電池310の総容量、充電率、充電上限充電率、充電用電流上限値、充電電圧上限値等の、蓄電池310の充放電に必要となるデータを充放電器側制御部190に送信する。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS124で、プレ空調運転情報を電動車両300から取得する。当該プレ空調運転情報は、ステップS123,S223における情報交換処理において充放電器側制御部190が車両側制御部390から受信するデータの1つである。プレ空調運転情報は、プレ空調運転の実行の設定の有無等の情報を含んでいる。
次に、車両側制御部390は、ステップS224で、車両リレー321,322を閉状態とする。充放電器側制御部190は、ステップS125で、車両リレー321,322が閉状態となったことを確認する。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS126で、電力変換器110による充電用電力の供給を開始させる。充電用電力は、蓄電池310を充電することを目的として、電力変換器110から蓄電池310に供給される電力である。この充電用電力の供給において流れる電流の大きさは、前述した充電用電流上限値と、電力変換器110が供給可能な電流の最大値とのうち、小さい方に設定されている。この充電用電力の供給により、蓄電池310の充電が開始する。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS127で、蓄電池310の充電率が閾値(例えば、100%に近い値)を超えているか否かを判定する。蓄電池310の充電率が閾値を超えていないと判定した場合(S127:No)、充放電器側制御部190は、電力変換器110による充電用電力の供給を継続させる。一方、蓄電池310の充電率が閾値を超えたと判定した場合(S127:Yes)、車両側制御部390は、ステップS128の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS128で、電力変換器110による充電用電力の供給を停止させる。すなわち、蓄電池310の充電を完了させる。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS129で、所要充電時間補正量を算出する。当該所要充電時間補正量は、前述したステップS110で算出された所要充電時間と、充電用電力の供給を開始してから蓄電池310の充電率が閾値を超えるまでに実際に要した時間と、の差分に基づいて算出される。充放電器側制御部190は、次回のステップS110の処理において、この所要充電時間補正量を用いて所要充電時間を算出することで、所要充電時間をより正確な値とすることができる。
図5に示される待機プロセスは、以上のような第2充電プロセスの実行後に実行される処理である。待機プロセスは、第2充電プロセスの実行終了をトリガとして実行される。
まず、充放電器側制御部190は、図5に示されるステップS131で、プレ空調運転の実行が設定されているか否かを判定する。すなわち、電動車両300のユーザが、空調設定部391を操作することによって、電動車両300の使用開始タイミングに先駆けて空調装置340を運転させるように設定しているか否かを判定する。プレ空調運転の実行が設定されていると判定した場合(S131:Yes)、充放電器側制御部190は、ステップS132の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS132で、補充電の実行が設定されているか否かを判定する。すなわち、電動車両300のユーザが、補充電設定部160を操作することによって、電力変換器110が補充用電力を供給するように設定しているか否かを判定する。補充電の実行が設定されていると判定した場合(S132:Yes)、充放電器側制御部190は、ステップS133の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS133で、プレ空調運転実行開始時刻が到来したか否かを判定する。プレ空調運転実行開始時刻は、ユーザがタイマ設定部150を操作して設定した充電完了時刻の所定時間前(例えば10分前)の時刻である。換言すると、空調装置340は、プレ空調運転実行開始時刻が到来すると、当該所定時間(例えば10分間)が経過するまでプレ空調運転を実行する。プレ空調運転実行開始時刻の到来を待機するとともに(S133:No)、プレ空調運転実行開始時刻が到来したと判定した場合(S133:Yes)は、充放電器側制御部190は、ステップS134の処理に進む。
ここで、プレ空調運転実行開始時刻が到来すると、車両側制御部390は、ステップS231で、プレ空調運転実行フラグを「ON」にセットする。当該プレ空調運転実行フラグは、空調装置340がプレ空調運転を実行している場合に「ON」がセットされる。
次に、車両側制御部390は、ステップS232で、プレ空調運転の実行を開始する。充放電器側制御部190は、このプレ空調運転の実行開始に基づいて、ステップS134で補充電の実行を決定する。
これに対し、ステップS131で、プレ空調運転の実行が設定されていないと判定した場合(S131:No)や、ステップS132で、補充電の実行が設定されていないと判定した場合(S132:No)は、充放電器側制御部190は補充電の実行を決定することなく処理を終了する。
図6に示される補充電プロセスは、以上のような待機プロセスの実行後に実行される処理である。補充電プロセスは、待機プロセスにおいて充放電器側制御部190が補充電の実行を決定した場合に実行される処理である。
まず、充放電器側制御部190は、図6に示されるステップS141で、リレー130を閉状態にする。それまで開状態であったリレー130が閉状態に切り替えられることによって、12Vライン120から通信開始線223,383に電流が流れる。すなわち、充放電器10からの通信開始信号が電動車両300に送信される。
通信開始線223を流れる電流は、フォトカプラ330によって検知される。すなわち、車両側制御部390は、ステップS241で、充放電器10からの通信開始信号をフォトカプラ330によって検知する。これによって、充放電器10と電動車両300との間のデータ通信状態が確立される。
次に、車両側制御部390は、ステップS242で、通信線225,226及び通信線385,386を介したCAN通信を開始する。車両側制御部390は、所定のデータをCAN通信によって送信し、当該データはステップS142でCAN通信を開始する充放電器側制御部190によって受信される。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS143で、プレ空調情報を取得する。ここでのプレ空調情報は、前述したステップS231において「ON」にセットされたプレ空調運転実行フラグに関する情報を含んでいる。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS144で、プレ空調運転実行フラグが「ON」にセットされているか否かを判定する。プレ空調運転実行フラグが「ON」にセットされている場合(S144:Yes)、すなわち、空調装置340がプレ空調運転を実行している場合、充放電器側制御部190は、ステップS145の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS145で、空調装置340のプレ空調運転の実行のために、蓄電池310が供給した電力を算出する。当該供給電力は、プレ空調運転の実行中に電流センサ323が検出した電流値を積算することで算出することができる。
次に、充放電器側制御部190及び車両側制御部390は、それぞれステップS146,S243で、情報交換処理を実行する。当該情報交換処理では、車両側制御部390は、蓄電池310の総容量、充電率、充電上限充電率、充電用電流上限値、充電電圧上限値等の、蓄電池310の充放電に必要となる情報を充放電器側制御部190に送信する。
次に、車両側制御部390は、ステップS244で、車両リレー321,322を閉状態とする。充放電器側制御部190は、ステップS147で、車両リレー321,322が閉状態となったことを確認する。
次に、車両側制御部390は、ステップS245で、補充用電流上限値を設定する。補充用電流上限値は、その際の蓄電池310が受け入れ可能な電流の上限値である。補充用電流上限値は、前述した充電用電流上限値と同様に、温度や充電率等、蓄電池310の状態に基づいて設定される。充放電器側制御部190は、ステップS148で、車両側制御部390から補充用電流上限値を取得する。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS149で、電力変換器110による補充用電力の供給を開始させる。補充用電力は、プレ空調運転の実行に蓄電池310から供給される電力が用いられる場合に、電力の補充を目的として、電力変換器110から蓄電池310に供給される電力である。この補充用電力の供給において流れる電流の大きさは、前述した補充用電流上限値と、電力変換器110が供給可能な電流の最大値と、ステップS145で算出したプレ空調運転の実行のために蓄電池310が供給した電力に基づいて設定される電流値と、のうち、最も小さい値に設定されている。この補充用電力の供給により、蓄電池310の補充電が開始する。
プレ空調運転の実行開始タイミングから所定時間が経過すると、車両側制御部390は、ステップS246で、プレ空調運転の実行を終了させる。これに伴い、車両側制御部390は、それまで「ON」にセットされていたプレ空調運転実行フラグをステップS247で「OFF」にセットする。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS150で、プレ空調運転実行フラグが「OFF」にセットされているか否かを判定する。プレ空調運転実行フラグが「OFF」にセットされている場合(S150:Yes)、すなわち、空調装置340がプレ空調運転を実行していない場合、充放電器側制御部190は、ステップS151の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190は、ステップS151で、電力変換器110による補充用電力の供給を停止させる。すなわち、蓄電池310の補充電を完了させる。
以上説明したように、第1実施形態に係る充放電器10では、プレ空調運転が実行される場合に、蓄電池310に補充用電力を供給する。したがって、プレ空調運転の実行に蓄電池310から供給される電力が用いられても、補充用電力によって蓄電池310の充電率を高めることができる。その結果、プレ空調運転の実行により電動車両300の走行可能距離が短くなってしまうことを抑制できる。
また、電力変換器110は、プレ空調運転の実行中に補充用電力を供給する。これにより、電動車両300の使用開始タイミングまでに蓄電池310の充電率を確実に高めておくことが可能となる。
また、電力変換器110は、プレ空調運転の実行開始に基づいて補充用電力の供給を開始する。これにより、蓄電池310の充電率の低下開始に基づいて補充用電力の供給を開始し、電動車両300の使用開始タイミングまでに蓄電池310の充電率を確実に高めておくことが可能となる。
また、電力変換器110は、プレ空調運転の実行終了に基づいて補充用電力の供給を停止する。これにより、プレ空調運転の実行が終了するタイミング、すなわち、電動車両300の使用開始タイミングに合わせて補充用電力の供給を停止し、当該タイミングには確実に電動車両300の使用を開始することが可能となる。
また、充放電器10は、補充用電力を供給するか否かを設定する補充電設定部160を備える。これにより、例えば充放電器10が設置されている住居で多量の電力を使用している場合のように、補充電の実行のために商用電源400から供給する電力が不足している場合などは、プレ空調運転が実行される場合でも補充用電力を供給しないなどして、状況に則した補充用電力の供給を行うことが可能となる。
また、電力変換器110は、蓄電池310の充電率に基づいて補充用電力を供給する。これにより、蓄電池310に蓄えられている電力がプレ空調運転の実行に用いられた場合に、蓄電池310の変化に応じた補充用電力の供給が可能となる。
また、充放電器10は、プレ空調運転の実行のために蓄電池310が供給した電力を算出する供給電力算出部194を備える。電力変換器110は、蓄電池310が供給した電力に基づいて蓄電池310に補充用電力を供給する。これにより、蓄電池310が蓄えている電力がプレ空調運転の実行に伴って減少した場合でも、その減少に応じた補充用電力を供給し、電動車両300の使用開始タイミングまでに蓄電池310の充電率を確実に高めておくことが可能となる。
続いて、第2実施形態に係る充放電器10A(充電器)について、図7乃至図10を参照しながら説明する。この充放電器10Aは、第1実施形態に係る充放電器10と同様に、電動車両300の蓄電池310との間で電力の授受を行う機器である。第1実施形態に係る充放電器10では、ユーザがプレ空調運転の実行を電動車両300側で設定するのに対し、充放電器10Aでは、ユーザが充放電器10A側で設定する点で両者は異なる。充放電器10Aのうち、充放電器10と同一の構成については適宜同一の符号を付して、説明を省略する。
まず、図7を参照しながら、充放電器10Aの構成について説明する。充放電器10Aは、本体部100Aと、ケーブル200とを備えている。本体部100Aには、充放電器10と同様の機器のほか、プレ空調運転設定部161が備えられている。
プレ空調運転設定部161は、静電容量式のタッチパネルやボタン等を有しており、それによってユーザの操作を受け付ける。ユーザは、プレ空調運転設定部161を操作することによって、電動車両300の使用開始タイミングに先駆けて空調装置340を運転させる「プレ空調運転」を実行させるように設定することができる。具体的には、ユーザは、プレ空調運転を実行する時間や、車室内の目標温度を設定することができる。
続いて、図8を参照しながら、充放電器10Aが備える充放電器側制御部190Aについて説明する。充放電器側制御部190Aは、その一部又は全部が、アナログ回路で構成されるか、デジタルプロセッサとして構成される。いずれにしても、受信した信号に基づいて制御信号を出力する機能を果たすため、充放電器側制御部190Aには機能的な制御ブロックが構成される。
図8に示されるように、充放電器側制御部190Aは、前述した充放電器側制御部190と同様に、通信制御部191と、所要充電時間算出部192と、充電開始時刻決定部193と、を有している。また、充放電器側制御部190Aは、消費電力算出部195を有している。また、充放電器側制御部190Aは、本体部100Aに備えられているプレ空調運転設定部161と電気的に接続されている。
消費電力算出部195は、プレ空調運転の実行に伴い空調装置340が消費した電力を算出する部分である。消費電力算出部195は、後述するように、プレ空調運転の実行開始タイミングからの経過時間と、その際の蓄電池310の充電率の低下量とに基づいて、当該消費電力を算出する。
以上のように構成される充放電器側制御部190Aは、蓄電池310の充電の際に、まず前述した第1充電プロセス(図3参照)の処理を実行する。すなわち、充放電器側制御部190Aは、ユーザが設定した充電完了時刻に関する情報を取得するとともに、当該情報に基づいて、蓄電池310への電力供給を開始する時刻である充電開始時刻を決定する。
充放電器側制御部190Aは、第1充電プロセスの実行後、車両側制御部390Aとともに、図9に示される第2充電プロセスを実行する。この第2充電プロセスにおいて充放電器側制御部190Aが実行するステップS161からステップS163までの処理は、前述した充放電器側制御部190が実行するステップS121からステップS123までの処理(図4参照)と同様である。また、車両側制御部390Aが実行するステップS261からステップS263までの処理は、前述した車両側制御部390が実行するステップS221からステップS223までの処理(図4参照)と同様である。
これに対し、充放電器側制御部190Aは、プレ空調運転情報を電動車両300から取得する必要が無い点で、前述した充放電器側制御部190と異なる。すなわち、充放電器側制御部190Aが第2充電プロセスで実行する処理には、前述した充放電器側制御部190が実行するステップS124(図4参照)に相当する処理が無い。これは、第2実施形態では、ユーザは充放電器10A側に設けられるプレ空調運転設定部161でプレ空調運転の実行を設定するため、プレ空調運転情報を電動車両300から取得する必要が無いためである。
充放電器側制御部190Aが実行するステップS164からステップS168までの処理は、前述した充放電器側制御部190が実行するステップS125からステップS129までの処理(図4参照)と同様である。また、車両側制御部390Aが実行するステップS264の処理は、前述した車両側制御部390が実行するステップS224の処理(図4参照)と同様である。
充放電器側制御部190Aは、第2充電プロセスの実行後、車両側制御部390Aとともに、前述した待機プロセス(図5参照)を実行する。すなわち、充放電器側制御部190Aは、プレ空調運転の実行設定の有無や、補充電の実行設定の有無に基づいて、補充電の実行を決定する。
充放電器側制御部190Aは、待機プロセスにおいて補充電の実行が決定された場合に、車両側制御部390Aとともに、図10に示される補充電プロセスを実行する。
まず、充放電器側制御部190Aは、図10に示されるステップS171で、プレ空調運転の実行開始タイミングから経過した時間である経過時間t0の計測を開始する。当該経過時間t0は、後述する判定で用いられる。
次に充放電器側制御部190Aが実行するステップS172,S173の処理は、前述した充放電器側制御部190が実行するステップS141,S142の処理(図6参照)と同様である。また、車両側制御部390Aが実行するステップS271,S272の処理は、前述した車両側制御部390が実行するステップS241,S242の処理(図6参照)と同様である。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS174で、経過時間t0が実行時間t1以上であるか否かを判定する。当該実行時間t1は、プレ空調運転を実行する時間として予め定められているものであり、電動車両300の車室内の温度を目標温度とするのに十分な時間(例えば10分間)である。経過時間t0が実行時間t1以上ではないと判定した場合(S174:No)、充放電器側制御部190Aは、ステップS175の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS175で、蓄電池310の充電率の低下量が閾値以上であるか否かを判定する。ここでの低下量とは、プレ空調運転の実行開始タイミングにおける蓄電池310の充電率を初期値とした場合に、プレ空調運転の実行に伴って蓄電池310の充電率がこの初期値から乖離した量を意味する。蓄電池310の充電率の低下量が閾値以上ではないと判定した場合(S175:No)、充放電器側制御部190Aは、ステップS174の処理に戻る。一方、蓄電池310の充電率の低下量が閾値以上であると判定した場合(S175:Yes)、充放電器側制御部190Aは、ステップS176の処理に進む。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS176で、プレ空調運転の実行に伴い空調装置340が消費した電力を算出する。充放電器側制御部190Aは、経過時間t0と蓄電池310の充電率の低下量とに基づいて、当該消費電力を算出する。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS177で、補充用電流値を設定する。充放電器側制御部190Aは、ステップS176で算出した蓄電池310の消費電力に基づいて補充用電流値を設定する。補充用電流値は、蓄電池310の充電率が低いほど、大きくなる傾向にある。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS178で、電力変換器110による補充用電力の供給を開始させる。この補充用電力の供給において流れる電流の大きさは、前述したステップS177で設定した補充用電流値に設定されている。この補充用電力の供給により、蓄電池310の補充電が開始する。
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS179で、経過時間t0が実行時間t1以上であるか否かを判定する。経過時間t0が実行時間t1以上ではないと判定した場合(S179:No)、充放電器側制御部190Aは、電力変換器110による補充用電力の供給を継続させる。一方、経過時間t0が実行時間t1以上であると判定した場合(S179:Yes)、充放電器側制御部190Aは、ステップS190の処理に進む
次に、充放電器側制御部190Aは、ステップS180で、電力変換器110による補充用電力の供給を停止させる。すなわち、経過時間t0が実行時間t1以上となり(S179:Yes)、車両側制御部390AがステップS273でプレ空調運転の実行を終了するのに合わせて、補充用電力の供給を停止させる。前述した補充用電流値は、ステップS178からステップS180までに電力変換器110が供給する補充用電力が、プレ空調運転の実行に伴い空調装置340が消費する電力よりも多くなるように設定されている。
以上説明したように、第2実施形態に係る充放電器10Aでは、電力変換器110は、プレ空調運転の実行に伴う蓄電池310の充電率の低下量が所定量以上となった場合に、補充用電力を供給する。これにより、蓄電池310の充電率がまだ高い状態で補充電を実行してしまい、蓄電池310が過充電となってしまう事態を抑制することが可能となる。
また、充放電器10Aは、プレ空調運転の実行に伴い空調装置340が消費した電力を算出する消費電力算出部195を備える。電力変換器110は、空調装置340が消費した電力よりも多くの電力を補充用電力として供給する。これにより、電動車両300の使用開始タイミングまでに蓄電池310の充電率を確実に高めておくことが可能となる。
また、充放電器10Aでは、消費電力算出部195は、プレ空調運転の実行開始タイミングからの経過時間t0、及び蓄電池310の充電率の低下量に基づいて空調装置340が消費した電力を算出する。これにより、蓄電池310から空調装置340に供給される電流の大きさを検出することなく、空調装置340が消費した電力を算出することができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
例えば、電力変換器110は、予め定められた時間以上プレ空調運転が実行された場合に、補充用電力の供給を開始するように設定してもよい。これにより、所定時間が経過して蓄電池310の充電率が有意な値まで低下したタイミングで補充用電力の供給を開始することが可能になる。この結果、蓄電池310の充電率がまだ高い状態で補充電を実行してしまい、蓄電池310が過充電となってしまう事態を抑制することが可能となる。
例えば、電力変換器110は、予め定められた時間以上補充用電力を供給した場合に、補充用電力の供給を停止するように設定してもよい。これにより、蓄電池310が過充電となってしまう事態を抑制することが可能となる。
10,10A:充放電器(充電器)
110:電力変換器(電力供給部)
150:タイマ設定部(完了時刻受付部)
160:補充電設定部
194:供給電力算出部
195:消費電力算出部
210:コネクタ
300:電動車両
310:蓄電池
340:空調装置
400:商用電源(外部電源)

Claims (12)

  1. 電動車両(300)の蓄電池(310)に外部電源(400)から電力を供給して充電する充電器(10,10A)であって、
    前記電動車両に接続されるコネクタ(210)と、
    外部電源から供給される電力を、前記コネクタを介して前記蓄電池に供給する電力供給部(110)と、
    前記蓄電池の充電を完了させる充電完了時刻の設定を受け付ける完了時刻受付部(150)と、を備え、
    前記電力供給部は、前記充電完了時刻後に前記電動車両に搭載された空調装置(340)を前記蓄電池から供給される電力によって駆動させるプレ空調運転が実行される場合に、前記蓄電池に補充用電力を供給することを特徴とする充電器。
  2. 前記電力供給部は、前記プレ空調運転の実行中に前記補充用電力を供給することを特徴とする請求項1に記載の充電器。
  3. 前記電力供給部は、前記プレ空調運転の実行開始に基づいて前記補充用電力の供給を開始することを特徴とする請求項2に記載の充電器。
  4. 前記電力供給部は、予め定められた時間以上前記プレ空調運転が実行された場合に、前記補充用電力の供給を開始することを特徴とする請求項3に記載の充電器。
  5. 前記電力供給部は、前記プレ空調運転の実行終了に基づいて前記補充用電力の供給を停止することを特徴とする請求項2に記載の充電器。
  6. 前記電力供給部は、予め定められた時間以上前記補充用電力を供給した場合に、前記補充用電力の供給を停止することを特徴とする請求項2に記載の充電器。
  7. 前記補充用電力を供給するか否かを設定する補充電設定部(160)を備えることを特徴とする請求項2に記載の充電器。
  8. 前記電力供給部は、前記蓄電池の充電率に基づいて前記補充用電力を供給することを特徴とする請求項1に記載の充電器。
  9. 前記電力供給部は、前記プレ空調運転の実行に伴う前記蓄電池の充電率の低下量が所定量以上となった場合に、前記補充用電力を供給することを特徴とする請求項8に記載の充電器。
  10. 前記プレ空調運転の実行のために前記蓄電池が供給した電力を算出する供給電力算出部(194)を備え、
    前記電力供給部は、前記蓄電池が供給した電力に基づいて前記蓄電池に前記補充用電力を供給することを特徴とする請求項8に記載の充電器。
  11. 前記プレ空調運転の実行に伴い前記空調装置が消費した電力を算出する消費電力算出部(195)を備え、
    前記電力供給部は、前記空調装置が消費した電力よりも多くの電力を前記補充用電力として供給することを特徴とする請求項8に記載の充電器。
  12. 前記消費電力算出部は、前記プレ空調運転の実行開始タイミングからの経過時間、及び前記蓄電池の充電率の低下量に基づいて前記空調装置が消費した電力を算出することを特徴とする請求項11に記載の充電器。
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