JP2017046296A - 撮像モジュール、撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撮像モジュール10は、イメージセンサ14と、レンズシートユニット13とを備える。レンズシートユニット13は、一方の面11bに凸状の単位レンズ形状112を有する柱状の光透過部111が配列された第1レンズシート11と、これのイメージセンサ14側に配置され、一方の面12aに凸状の単位レンズ形状122を有する柱状の光透過部121が配列された第2レンズシート12を備える。光軸O方向から見て、光透過部111の配列方向と、光透過部121の配列方向とは、角度αをなして交差する。各光透過部111,121の配列方向において各光透過部111,121と交互に配置される各光吸収部113,123は、各レンズシート11,12の厚み方向に沿って、単位レンズ形状112,122側から反対側の面11b,12b側へ延びている。
【選択図】図2
Description
また、携帯端末用カメラに対する、画質や撮影機能の向上等は、常に要求されることである。
前述のように撮像レンズは、複数枚のレンズにより構成されるため、大型であり、ライトフィールドカメラの小型化、薄型化が困難であった。また、隔壁シートを配置する場合には、隔壁とマイクロレンズアレイとの位置合わせが困難であるという問題があった。
請求項1の発明は、入射する光を電気信号に変換する複数の画素(141)が2次元配列された撮像素子部(14)と、前記撮像素子部よりも光の入射側に設けられたレンズシートユニット(13)と、を備え、前記レンズシートユニットは、一方の面(11a)に凸状の第1単位レンズ形状(112)を有する柱状の第1光透過部(111)が配列された第1レンズシート(11)と、前記第1レンズシートよりも撮像素子部側に配置され、一方の面(12a)に凸状の第2単位レンズ形状(122)を有する柱状の第2光透過部(121)が配列された第2レンズシート(12)を備え、光軸(O)方向から見て、前記第1光透過部の配列方向(R11)と、前記第2光透過部の配列方向(R12)とは、角度αをなして交差し、前記第1レンズシートは、前記第1光透過部の配列方向(R11)において前記第1光透過部と交互に配置され、前記第1光透過部の長手方向に延在する第1光吸収部(113)を有し、前記第1光吸収部は、前記第1レンズシートの厚み方向(Z方向)に沿って、前記第1単位レンズ形状(112)側から反対側の面(11b)側へ延び、前記第2レンズシートは、前記第2光透過部の配列方向(R12)において前記第2光透過部と交互に配置され、前記第2光透過部の長手方向に延在する第2光吸収部(123)を有し、前記第2光吸収部は、前記第2レンズシートの厚み方向(Z方向)に沿って、前記第2単位レンズ形状(122)側から反対側の面(12b)側へ延びること、を特徴とする撮像モジュール(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の撮像モジュールにおいて、前記角度αは、80°≦α≦100°を満たすこと、を特徴とする撮像モジュール(10)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の撮像モジュールにおいて、前記各単位レンズ形状(112,122)は、各光透過部(111,121)の配列方向(R11,R12)に平行であって各レンズシート(11,12)の厚み方向に平行な断面が円の一部形状であること、を特徴とする撮像モジュール(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、前記各光透過部(111,121)の屈折率N1と前記各光吸収部(113,123)の屈折率N2とは、N1≦N2という関係を満たすこと、を特徴とする撮像モジュール(10)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、前記各光吸収部(113,123)と前記各光透過部(111,121)との界面が、前記各レンズシート(11,12)の厚み方向となす角度θは、0°≦θ≦10°を満たすこと、を特徴とする撮像モジュール(10)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、前記第2レンズシート(12)は、前記撮像素子部(14)と一体に接合されていること、を特徴とする撮像モジュール(10)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、前記第1単位レンズ形状(112)は、前記第1レンズシート(11)の撮像素子部(14)側の面に形成され、前記第2単位レンズ形状(121)は、前記第2レンズシート(12)の被写体側の面に形成されていること、を特徴とする撮像モジュール(10)である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の撮像モジュール(10)を備える撮像装置である。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、シート面とは、各シート状の部材において、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。
図1は、本実施形態のカメラ1を説明する図である。
図2は、本実施形態の撮像モジュール10を説明する図である。
図1を含め、以下に示す各図において、理解を容易にするために、XYZ直交座標系を適宜設けて示している。この座標系では、撮影者が、光軸Oを水平として画像を撮影するとき、水平方向(左右方向)をX方向、鉛直方向(上下方向)をY方向とし、撮影者側から見て左側(被写体側から見て右側)に向かう方向を+X方向、鉛直方向上側に向かう方向を+Y方向、光軸O方向をZ方向とし、被写体側に向かう方向を+Z方向とする。
カメラ1は、スマートフォン等の携帯電話やタブレット端末等の携帯端末に用いられる撮像装置であり、この筐体30は、携帯端末本体の筐体に相当する。このカメラ1は、さらに、不図示の制御部、記憶部等を備えている。
また、カメラ1は、筐体30をカメラ本体の筐体として備える、一般的な撮像装置としてもよい。この場合、カメラ1は、制御部、記憶部等に加えて、不図示のシャッタ部、シャッタ駆動部等を備える。
開口部20は、被写体側からの光を、カメラ1の撮像モジュール10へ取り込む開口である。この開口部20には、撮像モジュール10への埃やゴミ等の異物の侵入を防止する等の観点から、開口部20を覆うようにカバーガラス21が配置されている。
レンズシートユニット13及びイメージセンサ14は、矩形状の平板状の部材であり、その幾何学的中心に光軸Oが直交している。
図4は、第1レンズシート11及び第2レンズシート12を説明する図である。図4(a)は第1レンズシート11の光透過部111の配列方向及び第1レンズシート11の厚み方向に平行な断面の一部を拡大して示し、図4(b)では、図4(a)に示す断面の一部をさらに拡大して示している。なお、図4では、第1レンズシート11における各部の符号を示し、括弧内に、第2レンズシート12における対応する各部の符号を示している。
レンズシートユニット13は、イメージセンサ14の被写体側(+Z側)に位置している。レンズシートユニット13は、光軸O方向(Z方向)に沿って被写体側(+Z側)から順に、第1レンズシート11、第2レンズシート12を備える。レンズシートユニット13は、第1レンズシート11及び第2レンズシート12が不図示の支持部材により支持されており、イメージセンサ14に対する位置が決められている。
光透過部111は、光を透過する部分であり、イメージセンサ14側(−Z側)に、凸形状の単位レンズ形状112を有している。第1レンズシート11のイメージセンサ14側の面は、単位レンズ形状112が複数配列されたレンズ形状面11aとなっている。
光透過部111の裏面11b側(レンズ形状面11aとは反対側、+Z側)は、光透過部111がシート面に平行な方向に連続しているランド部114となっている。このランド部114には、光透過部111を形成する際の基材となる基材層を含んでいてもよい。ランド部114は、その厚みができる限り薄い方が好ましく、ランド部114の厚さが0であること(即ち、ランド部114が存在しない形態)が、迷光等を防止し、高画質の画像を提供する観点から理想的である。
また、本実施形態の第1レンズシート11の裏面11bの表面には、反射防止機能を有する不図示の層がコーティングされている。本実施形態では、第1レンズシート11の裏面11bは、レンズシートユニット13への光の入射面であるため、第1レンズシート11と空気との界面となる裏面11bでの反射を抑制し、入射光量の増加を図っている。
本実施形態の光透過部111は、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を用いて、紫外線成形法により形成されている。
なお、これに限らず、光透過部111は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。また、光透過部111は、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等の熱可塑性樹脂等を用いて熱溶融押出成形法等により形成されてもよいし、ガラスにより形成されてもよい。
また、単位レンズ形状112の表面には、反射防止機能を有する不図示の層がコーティングされている。
光吸収部113は、その配列方向及び第1レンズシート11の厚み方向に平行な断面における断面形状が楔形形状である。ここでいう楔形形状とは、一方の端部の幅が広く、他方に向けて次第に幅が狭くなる形状をいい、三角形形状や台形形状等を含む。
光吸収部113は、光透過部111内を進む光のうち、隣接する他の光透過部111側へ向かうような迷光を吸収する機能を有する。
光吸収部113に用いられる光吸収材は、可視光領域の光を吸収する機能を有する粒子状等の部材が好適である。このような部材としては、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、顔料や染料、顔料や染料で着色された樹脂粒子等が挙げられる。
光吸収材としては、カーボンブラック等と上記のような着色された樹脂粒子と組み合わせて用いてもよい。
光吸収材を含有する樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
本実施形態の光吸収部113は、カーボンブラックを含有するアクリル系樹脂により形成されている。
まず、光透過部111を賦形する凹形状を有し、光吸収部113となる部分が溝状に賦形されるように凸形状に形成された成形型を用い、紫外線成形法により、光透過部111が形成される。次に、光透過部111間の溝部分に、光吸収部113を形成する材料をワイピング(スキージング)して充填し、硬化させる。その後、所定の大きさに整える等により、第1レンズシート11が作製される。
なお、第1レンズシート11の製造方法は、上記の例に限らず、使用する材料等に応じて適宜選択できる。例えば、光吸収部113,123は、真空充填等により、光吸収部113,123を形成する材料を光透過部111間の溝部分に充填した後、硬化させて形成してもよい。また、光吸収部113,123は、毛細管現象を利用して、光透過部111間の溝部分に光吸収部113,123を形成する材料を充填した後、硬化させて形成してもよい。
光透過部111(単位レンズ形状112)の配列ピッチPは、約20〜230μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状112の曲率半径Rは、約10〜180μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状112のレンズ開口幅D1は、光透過部111の配列方向において、光透過部111のレンズ形状面11a側の寸法(光透過部111と光吸収部113の最もレンズ形状面11a側端部との境界となる点t1〜点t2間の寸法)であり、約20〜200μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状112のレンズ高さH1は、第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)において、光吸収部113のレンズ形状面11a側の面から単位レンズ形状112の最も凸となる点t3までの寸法であり、約2〜40μmとすることが好ましい。
光吸収部113の幅D2は、光透過部111の配列方向における、光吸収部113の最もレンズ形状面11a側の寸法であり、約1〜30μmとすることが好ましい。
光吸収部113の高さH2は、第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)における光吸収部113の寸法であり、約20〜470μmとすることが好ましい。
ランド厚D3は、ランド部114の厚さであり、第1レンズシート11の厚み方向において、光吸収部113の裏面11b側先端から第1レンズシート11の裏面11bまでの寸法であり、約1〜50μmとすることが、迷光や、所定の光透過部111(単位レンズ形状112)に入射した光が、隣接する他の光透過部111(単位レンズ形状112)側へ光が進んでしまうことを抑制する観点から好ましい。第1レンズシート11が基材層を備えている場合には、このランド厚D3は、約1〜180μmとすることが、上述の理由から好ましい。
光吸収部113と光透過部111との界面がシート面の法線方向となす角度θは、0〜10°程度とすることが好ましい。
第2レンズシート12は、前述の第1レンズシート11と同様の形状であり、単位レンズ形状122を有する光透過部121、光吸収部123等を有しているが、レンズ形状面12aの位置、及び、光透過部121及び光吸収部123の配列方向が、第1レンズシート11とは異なる。
また、図3(b)に示すように、第2レンズシート12では、光透過部121及び光吸収部123の配列方向R12は、光軸O方向(Z方向)から見て、第1レンズシート11の光透過部111及び光吸収部113の配列方向R11と交差し、角度αをなしている。本実施形態では、この角度α=90°であり、第2レンズシート12の光透過部121(単位レンズ形状122)は、配列方向が左右方向(X方向)であり、長手方向が上下方向(Y方向)に延在している。
この第2レンズシート12は、第1レンズシート11と同様の材料を用いて形成される。
接合層15は、粘着剤又は接着剤により形成され、光透過性を有している。この接合層15の屈折率N3は、第2レンズシート12の光透過部121の屈折率N2と等しいことが好ましい。
また、イメージセンサ14は、駆動時に発熱し、約40℃前後まで表面温度が上昇する。そのため、イメージセンサ14の発熱によるレンズシートユニット13の反り等の変形を抑制する観点から、耐熱性を有することが好ましい。
このような接合層15としては、エポキシ樹脂製、ウレタン樹脂製等の粘着剤、接着剤が好適である。
なお、接合層15は、その屈折率N3が光透過部121の屈折率N2よりも小さいものも適用可能である。このような接合層15としては、例えば、シリコン系粘着剤等が挙げられる。
また、第1レンズシート11と第2レンズシート12とは、単位レンズ形状112,122がその頂点(点t3)で互いに接した状態、又は近接した状態で配置されており、各レンズシート11,12間は、空気が位置する形態となっている。
イメージセンサ14を構成する複数の画素は、イメージセンサ14の受光面である被写体側の表面に、2次元方向に配列されている。本実施形態では、イメージセンサ14の画素は、左右方向及び上下方向(X方向及びY方向)に複数配列されているものとする。
このようなイメージセンサ14としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCOMS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等が好適に用いられる。
本実施形態では、このイメージセンサ14として、CMOSが用いられている。
そして、イメージセンサ14の受光面上には、この疑似的なマイクロレンズにより結像された像が、それぞれ重なることなく形成される。
撮影時、撮像モジュール10により得られた、各画素が検出した入射光の強度及び入射方向の情報は、記憶部に記憶され、また、制御部により各種演算等が行われることにより、その焦点距離や被写界深度等を変更した(リフォーカス処理を行った)画像データとして生成可能である。
一般的に、ライトフィールドカメラでは、マイクロレンズアレイの1つのマイクロレンズに対して所定の領域内に位置する複数個の画素141が対応している。そして、それぞれのマイクロレンズによる像が、例えば、図5(a)に示すように、対応する領域内に投影されることが重要である。
このとき、例えば、図5(b)に示すように、各マイクロレンズの像が隣の領域に投影され、像が重なると、被写体面上で異なる位置と角度を有する光が同一の画素に入射するクロストークという現象が生じ、光の入射方向や強度を分解できなくなる。これを解消するために、従来のライトフィールドカメラでは、マイクロレンズアレイよりも被写体側に設けられた撮像レンズの絞りを利用したり、マイクロレンズアレイの単位レンズに対応した隔壁を有する隔壁シートをマイクロレンズアレイシートのイメージセンサ側等に別体で用意する必要があった。
さらに、従来のライトフィールドカメラは、撮像レンズや、マイクロレンズアレイとは別体の光線分割用の隔壁シート等が必要である。しかし、本実施形態によれば、いずれも不要であるので、ライトフィールドカメラとしても、薄型化及び軽量化、生産コストの低減等を図ることができる。
図6は、レンズシートユニット13の他の実施形態を説明する図である。
図6(a)に示すように、レンズシートユニット13を構成する第1レンズシート11、第2レンズシート12は、そのレンズ形状面11a,12aがいずれも被写体側(+Z側)となるように配置されていてもよい。
また、図6(b)に示すように、レンズシートユニット13を構成する第1レンズシート11、第2レンズシート12は、そのレンズ形状面11a,12aがいずれもイメージセンサ側(−Z側)となるように配置されていてもよい。
さらに、図6(c)に示すように、第1レンズシート11は、そのレンズ形状面11aが被写体側(+Z側)となるように配置され、第2レンズシート12は、そのレンズ形状面12aがイメージセンサ側(−Z側)となるように配置されていてもよい。
また、第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R11を左右方向(X方向)とし、第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R12を上下方向(Y方向)としてもよい。
また、この図6(c)に示す形態の場合、第1レンズシート11と第2レンズシート12との間に、不図示の接合層を設けて、第1レンズシート11と第2レンズシート12とを一体に接合してもよい。この形態の場合、その接合層の屈折率は、接合層と各レンズシート11,12の裏面11b,12bとの界面での光の反射を防ぐ観点から、光透過部111,121の屈折率と等しいものが好ましい。
このような形態のレンズシートユニット13を使用した場合にも、良好な画質で撮像することができる。
従って、第1レンズシート11及び第2レンズシート12をレンズシートユニット13として撮像モジュール10を組み立てる際に、第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R11と第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R12とのなす角度αを厳密に90°として配置しなくともよく、レンズシートユニット13及び撮像モジュール10の組み立て作業の容易化、作業効率の向上、歩留りの向上を図ることができる。
撮像モジュール10は、レンズシートユニット13とイメージセンサ14とを接合する接合層15を備えず、第2レンズシート12がイメージセンサ14の受光面上に接して配置され、レンズシートユニット13の第1レンズシート11及び第2レンズシート12、イメージセンサ14は、それぞれ不図示の支持部材で支持され、所定の位置で固定される形態としてもよい。
このとき、図2,図3及び図6(a)に示すように、第2レンズシート12のイメージセンサ14側(−Z側)の面が、単位レンズ形状122が形成されていない裏面12bである場合、イメージセンサ14の受光面の傷つきを防止したり、イメージセンサ14と第2レンズシート12との光学密着を防止したりする観点から、裏面12bを微細凹凸形状が形成されたマット面とすることが好ましい。
また、接合層15を設けない場合、第2レンズシート12とイメージセンサ14との間にスペーサを配置する等して、イメージセンサ14と第2レンズシート12との光学密着やイメージセンサ14の受光面の傷付き等を防止してもよい。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)単位レンズ形状112,122は、例えば、光透過部111,121の配列方向及びレンズシートの厚さ方向における断面形状が、シート面に長軸が直交する楕円の一部形状や、多角形形状等としてもよし、頂部が円弧等の曲線であり、単位レンズ形状の谷部側が直線からなる形状としてもよい。
図7は、レンズシートユニット13の変形形態を示す図である。
レンズシートユニット13は、図7に示すように、1枚のシート状の基材層131の両面に、単位レンズ形状112,122を有する光透過部111,121及び光吸収部113,123が形成された形態としてもよい。
基材層131は、光透過性を有する樹脂製のシート状の部材である。この基材層131の厚さは、可能な範囲で薄いことが、迷光を抑制し、クロストークを低減して、各画素に入射する光の強度や入射方向の精度を向上させる観点から好ましい。
このとき、例えば、3枚目のレンズシート(以下、第3レンズシートという)は、第1レンズシート11及び第2レンズシート12と同様の形状のレンズシートであり、その光透過部の配列方向が、第1レンズシート11及び第2レンズシート12の光透過部111,121の配列方向に対して、45°±10°をなしているものとすることが好ましい。
また、第3レンズシートのレンズ形状面は、被写体側(+Z側)であっても、イメージセンサ14側(−Z側)であってもよい。レンズシートユニット13内の第3レンズシートの光軸O方向(Z方向)おける位置についても適宜選択してよい。
また、第4レンズシートのレンズ形状面は、被写体側(+Z側)であっても、イメージセンサ14側(−Z側)であってもよい。また、レンズシートユニット13内の第4レンズシートの光軸O方向(Z方向)おける位置についても適宜選択してよい。
第1レンズシート11及び第2レンズシート12は、ランド厚D3が小さい方が好ましいので、基材層が離型性を有する部材であり、光透過部111,121及び光吸収部113,123の成形後に基材シートを剥離することが好ましい。しかし、基材層が十分に薄い場合等には、基材層を積層した形態のままレンズシートとして使用してもよい。
また、基材層が剥離性を有していない場合には、基材層に相当する部分を削る等により、ランド厚D3を薄くしてもよい。
前述の実施形態では、図8(a)に示すように、イメージセンサ14の画素が光軸O方向(Z方向)に対して直交する2方向G1,G2(Y方向及びX方向)に配列され、第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R11は、画素の配列方向の1つの方向G1(Y方向)に平行であり、第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R12は、画素の配列方向のもう1つの方向G2(X方向)に平行である例を示した。
このとき、光軸O方向(Z方向)から見て、第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R11と画素の配列方向の1つの方向G1となす角度β、第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R12が画素の配列方向のもう1つの方向G2となす角度γは、いずれも0°であった。
なお、図8(b)では、画素の配列方向G1,G2は、Y方向及びX方向に平行であるい例を示しているが、これに限らず、光透過部111,121の配列方向R11,R12がY方向及びX方向に平行であり、画素の配列方向G1,G2とそれぞれ角度β,γをなす形態としてもよいし、画素の配列方向G1,G2及び光透過部111,121の配列方向R11,R12が、角度β,γをなし、かつ、いずれもY方向及びX方向に平行でない形態としてもよい。
また、レンズシートユニット13の配置や組み立てを容易にするために、アライメントマークを第1レンズシート11及び第2レンズシート12に設けてもよい。
また、例えば、23.6×15.8mm、36×24mm、43.8×32.8mm等の大きな受光面を有するイメージセンサ14を使用することにより、ノイズの低減や取得する焦点距離や被写界深度等の情報の精度や情報量の向上を図り、画質のさらなる向上や、カメラの性能向上を図ってもよい。
10 撮像モジュール
20 開口部
30 筐体
11 第1レンズシート
12 第2レンズシート
111,121 光透過部
112,122 単位レンズ形状
113,123 光吸収部
13 レンズシートユニット
14 イメージセンサ
Claims (8)
- 入射する光を電気信号に変換する複数の画素が2次元配列された撮像素子部と、
前記撮像素子部よりも光の入射側に設けられたレンズシートユニットと、
を備え、
前記レンズシートユニットは、一方の面に凸状の第1単位レンズ形状を有する柱状の第1光透過部が配列された第1レンズシートと、前記第1レンズシートよりも撮像素子部側に配置され、一方の面に凸状の第2単位レンズ形状を有する柱状の第2光透過部が配列された第2レンズシートを備え、
光軸方向から見て、前記第1光透過部の配列方向と、前記第2光透過部の配列方向とは、角度αをなして交差し、
前記第1レンズシートは、前記第1光透過部の配列方向において前記第1光透過部と交互に配置され、前記第1光透過部の長手方向に延在する第1光吸収部を有し、
前記第1光吸収部は、前記第1レンズシートの厚み方向に沿って、前記第1単位レンズ形状側から反対側の面側へ延び、
前記第2レンズシートは、前記第2光透過部の配列方向において前記第2光透過部と交互に配置され、前記第2光透過部の長手方向に延在する第2光吸収部を有し、
前記第2光吸収部は、前記第2レンズシートの厚み方向に沿って、前記第2単位レンズ形状側から反対側の面側へ延びること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1に記載の撮像モジュールにおいて、
前記角度αは、80°≦α≦100°を満たすこと、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1又は請求項2に記載の撮像モジュールにおいて、
前記各単位レンズ形状は、各光透過部の配列方向に平行であって各レンズシートの厚み方向に平行な断面が円の一部形状であること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、
前記各光透過部の屈折率N1と前記各光吸収部の屈折率N2とは、N1≦N2という関係を満たすこと、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、
前記各光吸収部と前記各光透過部との界面が、前記各レンズシートの厚み方向となす角度θは、0°≦θ≦10°を満たすこと、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、
前記第2レンズシートは、前記撮像素子部と一体に接合されていること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、
前記第1単位レンズ形状は、前記第1レンズシートの撮像素子部側の面に形成され、前記第2単位レンズ形状は、前記第2レンズシートの被写体側の面に形成されていること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の撮像モジュールを備える撮像装置。
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