JP2017046231A - 通信装置およびその制御方法並びにプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の無線通信方式を切り替えて外部装置とデータを共有する場合に、適切な通信方式を用いることが可能な通信装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る通信装置は、外部装置と第一の通信方式で通信する第一の無線通信手段と、第一の通信方式と異なる第二の通信方式で通信する第二の無線通信手段と、近接無線通信による通信を行う近接無線通信手段と、近接無線通信手段を用いて外部装置と近接無線通信を行ったことに応じて、第一の無線通信手段又は第二の無線通信手段による通信を有効化して外部装置と通信を行なうようにする有効化手段と、を有し、有効化手段は、通信装置の動作モードが所定の転送対象のデータを転送する所定の動作モードである場合、第一の無線通信手段による通信を有効化し、通信装置の動作モードが所定の動作モードでない場合、第二の無線通信手段による通信を有効化する。
【選択図】図4

Description

本発明は、通信装置およびその制御方法並びにプログラムに関する。
近年、撮像機能を備えた通信装置によって画像データを撮影し、通信相手である情報処理装置に近接させると、画像データが通信装置から情報処理装置に転送されて共有されるシステムが知られている。
このようなシステムでは、まず、通信装置と情報処理装置を近接させて、近接無線通信を用いて無線通信の認証に必要な設定情報を交換する。その後、交換した設定情報に基づいて、より通信可能範囲が広く高速な無線通信を確立し、確立した無線通信に切り替え(いわゆるハンドオーバー)を行う。
特許文献1では、通信装置が近接無線通信であるNFC(Near Field Communication)を用いてBluetooth(登録商標)(ブルートゥースともいう)にハンドオーバーする技術を開示している。また、近接無線通信を用いたハンドオーバー技術は、ブルートゥースによる無線通信に切り替える以外に、IEEE802.11に規定される、いわゆる無線LANによる無線通信を確立して当該無線通信に切り替える技術も知られている。
特開2011−151746号公報
ところで、近年の通信装置には、複数の無線通信方式を備えているものが普及しつつある。このような通信装置では、用途ごとに、例えば少量のデータを定期的に共有する場合にはブルートゥースのような消費電力の低い無線通信方式を、画像等の大量のデータを共有する場合には無線LANのような高速な無線通信方式を、それぞれ用いることができる。
しかしながら、複数の無線通信方式を備えた装置が近接無線通信を用いたハンドオーバー技術を更に備えた場合、近接無線通信を用いた通信からどの通信方式にハンドオーバーするべきかを決定する必要が生じる。即ち、ユーザが装置間でデータを共有しようとする場合に、ハンドオーバーする無線通信方式を適切に決定して良好な使い勝手を提供することが望まれる。
本発明は、上述の従来技術の問題点に鑑み、複数の無線通信方式を備える外部装置とデータを共有する場合に、適切な通信方式を用いることが可能な通信装置及びその制御方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
この課題を解決するため、例えば本発明の通信装置は以下の構成を備える。すなわち、外部装置と第一の通信方式で通信する第一の無線通信手段と、第一の通信方式と異なる第二の通信方式で通信する第二の無線通信手段と、近接無線通信による通信を行う近接無線通信手段と、近接無線通信手段を用いて外部装置と近接無線通信を行ったことに応じて、第一の無線通信手段又は第二の無線通信手段による通信を有効化して外部装置と通信を行なうようにする有効化手段と、を有し、有効化手段は、通信装置の動作モードが所定の転送対象のデータを転送する所定の動作モードである場合、第一の無線通信手段による通信を有効化し、通信装置の動作モードが所定の動作モードでない場合、第二の無線通信手段による通信を有効化する、ことを特徴とする。
本発明によれば、複数の無線通信方式を備える外部装置とデータを共有する場合に、適切な通信方式を用いることが可能になる。
本発明の実施形態に係る通信装置の一例としてのデジタルカメラの機能構成例を示すブロック図と外観図 本発明の実施形態に係る情報処理装置の一例としてのスマートフォンの機能構成例を示すブロック図 本実施形態に係るハンドオーバー処理の概要を説明する図 実施形態1に係る、近接無線通信を用いたハンドオーバー処理の一連の動作を示すフローチャート 本実施形態に係る、ブルートゥースによる通信を用いたハンドオーバー処理のシーケンス図 本実施形態に係る外部装置を登録する画面を示す図 本実施形態に係る、画像データの再生時におけるハンドオーバー処理を説明する図 本実施形態に係る画像データを選択する画面を示す図 実施形態2に係るハンドオーバー処理の概要を説明する図 実施形態2に係る近接無線通信を用いたハンドオーバー処理の一連の動作を示すフローチャート
(実施形態1)
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では通信装置の一例として、近接無線通信と他の2種類の無線通信手段を備える任意のデジタルカメラに本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、デジタルカメラに限らず、上記無線通信を備える任意の電子機器にも適用可能である。これらの機器には、例えば携帯電話機、タブレットデバイス、パーソナルコンピュータ等の電子機器、時計型や眼鏡型の情報端末、車載機器又は医療機器などが含まれてよい。
<デジタルカメラ100の構成>
図1(a)は、本実施形態の通信装置の一例としてデジタルカメラ100の機能構成例を示すブロック図である。なお、図1に示す機能ブロックの1つ以上は、ASICやプログラマブルロジックアレイ(PLA)などのハードウェアによって実現されてもよいし、CPUやMPU等のプログラマブルプロセッサがソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。また、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。従って、以下の説明において、異なる機能ブロックが動作主体として記載されている場合であっても、同じハードウェアが主体として実現されうる。
制御部101は、例えばCPUあるいはMPUを含み、不揮発性メモリ103に格納された後述のプログラムを作業用メモリ104に展開し、実行することにより、デジタルカメラ100の各部を制御する。また、後述するように、複数の無線通信方式による通信のそれぞれの有効化や切断等の制御処理を行う。
撮像部102は、例えば、光学レンズユニットと絞り・ズーム・フォーカスなど制御する光学系と、光学レンズユニットを経て導入された光(映像)を電気的な映像信号に変換するための撮像素子などで構成される。撮像素子としては、一般的には、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)が利用される。撮像部102は、制御部101の制御に応じて、撮像部102に含まれるレンズで結像された被写体光を、撮像素子によって電気信号に変換する。撮像部102は、電気信号をデジタルデータに変換するとともに、ノイズ低減処理等を施して画像データとして出力する。本実施形態のデジタルカメラ100では、画像データは、DCF(Design Rule for Camera File system)の規格に従って、記録媒体107に記録される。
不揮発性メモリ103は、例えば半導体メモリ等の電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリを含み、制御部101で実行される後述のプログラム等が格納される。
作業用メモリ104は、揮発性メモリを含み、撮像部102で撮影された画像データを一時的に保持するバッファメモリや、表示部106の画像表示用メモリ、制御部101の作業領域等として使用される。
操作部105は、例えば、ユーザがデジタルカメラ100の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンや、撮影を指示するためのレリーズスイッチ、画像データの再生を指示するための再生ボタンを含む。操作部105は、ユーザがデジタルカメラ100に対する指示をユーザから受け付けるために用いられる。さらに、後述の第一無線通信部110や第二無線通信部111を介して外部装置との通信を開始するための、専用の接続ボタンなどの操作部材を含む。また、後述の表示部106に形成されるタッチパネルも操作部105に含まれる。なお、レリーズスイッチは、SW1およびSW2を有する。レリーズスイッチが、いわゆる半押し状態となることにより、SW1がONとなる。これにより、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備を行うための指示を受け付ける。また、レリーズスイッチが、いわゆる全押し状態となることにより、SW2がONとなる。これにより、撮影を行うための指示を受け付ける。
表示部106は、液晶やOLED等の表示パネルを含み、ビューファインダ画像の表示、撮影した画像データの表示、対話的な操作のための文字表示などを行う。なお、表示部106は必ずしもデジタルカメラ100が内蔵する必要はない。デジタルカメラ100は内部又は外部の表示部106と接続することができ、表示部106の表示を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
記録媒体107は、撮像部102から出力された画像データを記録することができる。記録媒体107は、デジタルカメラ100に着脱可能に構成されてもよいし、デジタルカメラ100に内蔵されていてもよい。すなわち、デジタルカメラ100は少なくとも記録媒体107にアクセスする手段を有していればよい。
第一無線通信部110は、外部装置と例えばIEEE802.11の規格に従った、いわゆる無線LANで接続し、通信するためのインターフェースを含む。本実施形態のデジタルカメラ100は、第一無線通信部110を介して、外部装置と通信することができる。例えば、撮像部102で生成した画像データを、第一無線通信部110を介して外部装置に送信することができる。制御部101は、第一無線通信部110を制御することで外部装置との通信を実現する。
第二無線通信部111は、外部装置と例えばIEEE802.15の規格に従った、いわゆるブルートゥースで通信するためのインターフェースを含む。本実施形態のデジタルカメラ100は、第二無線通信部111を介して、外部装置とデータと通信することができる。例えば、外部装置からのデジタルカメラ100に対する制御コマンドを、第二無線通信部111を介して受信することができる。制御部101は、第二無線通信部111を制御することで外部装置との無線通信を実現する。なお、第二無線通信部111は、第一無線通信部110と比較して省電力で無線通信を行うことができる。
近接無線通信部112は、例えば近接無線通信のためのアンテナと無線信号を処理するため変復調回路や通信コントローラを含む。近接無線通信部112は、変調した無線信号をアンテナから出力し、またアンテナで受信した無線信号を復調することでISO/IEC 18092の規格(いわゆるNFC:Near Field Communication)に従った非接触近接通信を実現する。本実施形態の近接無線通信部112は、デジタルカメラ100の側部に配置される。
デジタルカメラ100と後述のスマートフォン200とは、互いの近接無線通信部を近接させることにより近接無線通信を開始させる。なお、近接無線通信部を用いて接続させる場合、必ずしも近接無線通信部同士を接触させる必要はない。近接無線通信部は例えば数センチ程度離れていても通信することができるため、互いの機器を接続するためには、近接無線通信可能な範囲まで近づければよい。以下の説明では、この近接無線通信可能な範囲まで近づけることを、近接させる、ともいう。
また、互いの近接無線通信部が近接無線通信不可能な範囲にあれば、通信は開始されない。また、互いの近接無線通信部が近接無線通信可能な範囲にあって、互いの機器が通信接続されている際に、互いの近接無線通信部112が近接無線通信不可能な範囲に離れてしまった場合は、通信接続が解除される。なお、近接無線通信部112が実現する非接触近接通信はNFCに限られるものではなく、他の無線通信を採用してもよい。例えば、近接無線通信部112が実現する非接触近接通信として、ISO/IEC 14443の規格に従った非接触近接通信を採用してもよい。
なお、第一無線通信部110による通信の通信速度は、近接無線通信部112による通信の通信速度よりも速い。また、第一無線通信部110及び第二無線通信部111による通信は、近接無線通信部112による通信よりも、通信可能な範囲が広い。一方、近接無線通信部112による通信では、通信可能な範囲が狭いことによって通信相手を特定することができるため、第一無線通信部110及び第二無線通信部111による通信で必要な通信相手の選択処理を必要としない。すなわち、第一無線通信部110や第二無線通信部111を用いるよりも容易に通信を開始することができる。
なお、本実施形態におけるデジタルカメラ100の第一無線通信部110は、インフラストラクチャモードにおけるアクセスポイントとして動作するAPモードと、インフラストラクチャモードにおけるクライアントとして動作するCLモードとを有している。そして、第一無線通信部110をCLモードで動作させることにより、本実施形態におけるデジタルカメラ100は、インフラストラクチャモードにおけるCL機器として動作することが可能である。デジタルカメラ100がCL機器として動作する場合、周辺のAP機器に接続することで、AP機器が形成するネットワークに参加することが可能である。また、第一無線通信部110をAPモードで動作させることにより、本実施形態におけるデジタルカメラ100は、APの一種ではあるが、より機能が限定された簡易的なAP(以下、簡易AP)として動作することも可能である。デジタルカメラ100が簡易APとして動作すると、デジタルカメラ100は自身でネットワークを形成する。デジタルカメラ100の周辺の装置は、デジタルカメラ100をAP機器と認識し、デジタルカメラ100が形成したネットワークに参加することが可能となる。上記のようにデジタルカメラ100を動作させるためのプログラムは不揮発性メモリ103に保持されているものとする。
なお、本実施形態におけるデジタルカメラ100は、例えば、APの一種であるものの、CL機器から受信したデータをインターネットプロバイダなどに転送するゲートウェイ機能は有していない簡易APである。簡易APでは、デジタルカメラ100が形成したネットワークに参加している他の外部装置からデータを受信しても、それをインターネットなどのネットワークに転送することはできない。
本実施形態では、第二無線通信部111による通信の通信速度は、近接無線通信部112による通信の通信速度よりも速い。また、第二無線通信部111による通信は、近接無線通信部112による通信よりも、通信可能な範囲が広い。また、第二無線通信部111による通信の通信速度は、第一無線通信部110による通信速度よりも遅い。また、第二無線通信部111による通信の通信可能範囲は例えば数メートル程度であり、第一無線通信部110による通信の通信可能な範囲と比べて同等か狭い。また、第二無線通信部111による消費電力は、第一無線通信部110による通信時の消費電力よりも十分少ない。そのため本実施形態では、デジタルカメラ100と外部装置との間で通信するデータが無い場合であっても、制御部101は、第二無線通信部を介して通信接続を維持するように構成されている。
次に、デジタルカメラ100の外観について説明する。図1(b)、図1(c)はデジタルカメラ100の外観の一例を示す図である。レリーズスイッチ105aや再生ボタン105b、方向キー105c、タッチパネル105dは、前述の操作部105に含まれる操作部材である。また、表示部106には、撮像部102による撮像の結果得られた画像が表示される。また、本実施形態のデジタルカメラ100は、カメラ筺体の側面に近接無線通信部112のアンテナ部分を有する。デジタルカメラ100と外部装置の近接無線通信部同士を一定の距離に近づけることにより、外部装置と近接無線通信を確立することができる。
<スマートフォン200の構成>
図2は、本実施形態の外部装置であるところの、情報処理装置の一例としてスマートフォン200の機能構成例を示すブロック図である。なお、ここでは情報処理装置の一例としてスマートフォンについて述べるが、例えば情報処理装置は、無線機能付きのデジタルカメラ、タブレットデバイス、時計型や眼鏡型の情報端末、及びパーソナルコンピュータなどであってもよい。
制御部201は、例えばCPUあるいはMPUを含み、不揮発性メモリ203に格納された後述のプログラムを作業用メモリ204に展開し、実行することにより、スマートフォン200の各部を制御する。
撮像部202は、撮像部202に含まれるレンズで結像された被写体光を電気信号に変換し、ノイズ低減処理などを行ってデジタルデータを画像データとして出力する。撮像した画像データはバッファメモリに蓄えられた後、制御部201にて所定の演算を行い、記録媒体207に記録される。
不揮発性メモリ203は、電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリを含み、制御部201が実行する基本的なソフトウェアであるOS(オペレーティングシステム)や、このOSと協働して応用的な機能を実現するアプリケーションが記録されている。また、本実施形態では、不揮発性メモリ203には、デジタルカメラ100と通信するためのアプリケーションが格納されている。
作業用メモリ204は、揮発性のメモリを含み、表示部206の画像表示用メモリや、制御部201の作業領域等として使用される。
操作部205は、例えば、ユーザがスマートフォン200の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンや、表示部206に形成されるタッチパネルなどの操作部材を含む。操作部205は、スマートフォン200に対する指示をユーザから受け付けるために用いられる。
表示部206は、液晶やOLED等の表示パネルを含み、画像データの表示、対話的な操作のための文字表示などを行う。なお、表示部206は必ずしもスマートフォン200が備える必要はない。スマートフォン200は表示部206と接続することができ、表示部206の表示を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
記録媒体207は、撮像部202から出力された画像データを記録することができる。記録媒体207は、スマートフォン200に着脱可能なよう構成してもよいし、スマートフォン200に内蔵されていてもよい。すなわち、スマートフォン200は少なくとも記録媒体207にアクセス可能であればよい。
第一無線通信部210は、外部装置と例えばIEEE802.15の規格に従った、いわゆるブルートゥースで通信するためのインターフェースを含む。本実施形態のスマートフォン200は、第一無線通信部210を介して、デジタルカメラ100とデータの通信を行うことができる。第一無線通信部210は外部装置とIEEE802.11の規格に従った、いわゆる無線LANで通信するためのインターフェースを含む。本実施形態では、制御部201は、第一無線通信部210を介して、デジタルカメラ100と接続することができる。なお、デジタルカメラ100との接続では、直接接続してもよいしアクセスポイントを介して接続してもよい。データを通信するためのプロトコルとしては、例えば無線LANを通じたPTP/IP(Picture Transfer Protocol over Internet Protocol)を用いることができる。なお、デジタルカメラ100との通信はこれに限られるものではない。
第二無線通信部211は、外部装置と例えばIEEE802.15の規格に従った、いわゆるブルートゥースで通信するためのインターフェースを含む。スマートフォン200は、第二無線通信部211を介して、外部装置とデータのやりとりを行うことができる。例えば、スマートフォン200から外部装置に対する制御コマンドを、第二無線通信部211を介して送信することができる。制御部201は、第二無線通信部211を制御することで外部装置との無線通信を実現する。
近接無線通信部212は、外部装置との非接触近距離通信を実現するための通信ユニットを含む。近接無線通信部212は、無線通信のためのアンテナと無線信号を処理するための変復調回路や通信コントローラから構成される。近接無線通信部212は、変調した無線信号をアンテナから出力し、またアンテナで受信した無線信号を復調することにより非接触近距離通信を実現する。ここでは、ISO/IEC 18092の規格(いわゆるNFC)に従った非接触通信を実現する。近接無線通信部212は、他のデバイスからデータ読み出し要求を受けると、不揮発性メモリ203に格納されているデータに基づき、応答データを出力する。本実施形態では、スマートフォン200は、近接無線通信部212を通じて、NFCの規格で定義されているカードリーダモード、カードライタモードおよびP2Pモードで動作し、主にInitiatorとしてふるまう。対して、デジタルカメラ100は近接無線通信部112を介して、主にターゲットとしてふるまう。
公衆網通信部213は、公衆無線通信を行う際に用いられるインターフェースである。スマートフォン200は、公衆網通信部213を介して、他の機器と通話することができる。この際、制御部201はマイク214およびスピーカ215を介して音声信号の入力と出力を行うことで、通話を実現する。本実施形態では、制御部201は、公衆網通信部213を介して、公衆網に接続することができる。
<本発明の概要>
まず、図3を参照して本実施形態に係るハンドオーバー処理の概要について説明する。図3(a)〜(c)は、デジタルカメラ100とスマートフォン200で構成されるネットワーク構成において、デジタルカメラ100とスマートフォン200によるNFCを用いたハンドオーバー処理を概略的に示している。
図3(a)に示すように、デジタルカメラ100とスマートフォン200は、互いにNFCによる近接無線通信、無線LANによる通信、及びブルートゥースによる通信が可能であるが、最初の段階では、いずれの通信方式も接続されていない状態である。
例えば、NFCのリーダライタ機能を備えるスマートフォン200をデジタルカメラ100に近接させると、図3(b)に示すように、デジタルカメラ100とスマートフォン200とは、NFCによる通信を開始する。デジタルカメラ100とスマートフォン200は、NFCによる近接無線通信によって、無線LANやブルートゥースの接続を確立する際の認証に必要な設定情報を送受信する。
その後、デジタルカメラ100とスマートフォン200は、図3(c)に示すように、NFCによる近接無線通信において送受信した設定情報に基づき、ブルートゥース又は無線LANによる通信を確立する。
このように、無線LANやブルートゥースの接続を確立する際の認証に必要な設定情報をNFCによる近接無線通信を用いて送受信することにより、無線LANやブルートゥースの接続に必要な設定やこれらの無線通信の確立を容易に行うことができる。
ところで、一般的に、ブルートゥースによる通信は無線LANによる通信よりデータ転送速度は低速であるが低消費電力であるため、電池を駆動電源とするような装置であっても通信相手との常時接続が可能になる。また、ブルートゥースは装置同士が接続する前にペアリングが必要であるが、NFCからブルートゥースへのハンドオーバー処理を行うと近接させるだけでペアリングを行うことができる。そのため、デジタルカメラ100とスマートフォン200の間でNFCからブルートゥースへのハンドオーバー処理を行うと、その後は、接続した装置はブルートゥースの接続を継続させたり再接続させたりすることができる。
さらに、ブルートゥースによる接続を継続すれば、装置同士を近接させなくても、ブルートゥースから無線LANに更にハンドオーバー処理を行うことも可能である。例えば、デジタルカメラ100から画像データや動画データをスマートフォン200に送信しようとする場合、ブルートゥースから無線LANにハンドオーバー処理を行うことにより、より高速なデータ送信を行うことができる。そして、データ送信が終了した際に無線LANからブルートゥースにハンドオーバー処理を行えば、通信を維持しつつ装置の消費電力を低下させ得る。即ち、複数の通信方式を適切に利用すれば、大容量データを送信するような装置であっても、高速通信と省電力の両立を図ることができる。
一方、NFCによる近接無線通信を用いたハンドオーバー処理では、近接によって容易に通信を開始することができる反面、近接するだけで意図せず外部装置と通信が開始する場合や、一度データを共有した後はその外部装置と通信を行いたくない場合がある。一度ハンドオーバー処理を行った外部装置が通信可能な範囲にあると、例えばブルートゥースによる通信が自動的に確立され、設定によっては内部のデータが共有される可能性もある。このため、こうしたセキュリティ面を考慮して近接させてデータを転送することができる外部装置を個々に制限する方法も考え得る。しかし、近接による通信相手を過度に制限すれば、例えば、利用場面に応じて一時的に制限を解除する等の煩雑な操作が必要になり、NFCを用いた接続処理の利便性が失われる可能性もある。
そこで、本実施形態では、近接したときのデジタルカメラ100の動作モードが、撮影した画像データ等を転送するモードであるかを判定し、動作モードに応じてブルートゥース又は無線LANによる通信を有効化してNFCによる近接無線通信から切り替える。具体的には、デジタルカメラ100は、動作モードが画像データ等を転送するモードである場合、無線LANによる高速な通信にハンドオーバー処理を行って無線LAN通信を一時的に使用する。例えば、デジタルカメラ100は、撮影した画像データを表示部106に表示しているときに近接されると、画像データ等を転送するモードであると判定して、外部装置と無線LANによる通信を行う。すなわち、ユーザが登録していない第三者の装置と画像データを共有する場合には、無線LANによる高速な通信を一時的に確立して、所望のデータを共有することができる。一方、動作モードが画像データ等を転送するモードでない場合、デジタルカメラ100は、ブルートゥースによる低速な通信にハンドオーバー処理を行って接続を継続する。但し、ブルートゥースによる通信へのハンドオーバー処理は、接続する外部装置が予め登録された装置である場合にのみ行う。このようにすることにより、信頼性の低い外部装置(例えば第三者の装置等)と常にブルートゥースによって通信可能な状態になることを防止することができる。
<近接無線通信を用いたハンドオーバー処理に係る一連の動作>
次に、デジタルカメラ100とスマートフォン200の間で行われる、近接無線通信を用いたハンドオーバー処理について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。なお、本処理は、デジタルカメラ100に対してスマートフォン200が近接した場合に開始される。
S401において、制御部101は、近接無線通信におけるハンドオーバー要求を検知すると、S402において、近接無線通信部112を介してスマートフォン200の機器情報を取得する。
続いて、S403において、制御部101はデジタルカメラ100の動作モードを判定する。動作モードの判定は、デジタルカメラ100が画像データを転送するモードであるか否かにより判定する。例えば、近接無線通信を開始した際に表示部106に画像データを再生している場合、制御部101はデジタルカメラ100の動作モードが画像データを転送するモードであると判定する。S404において、制御部101は、デジタルカメラ100が画像データを転送するモードであると判定した場合、処理をS405に進め、画像データを転送するモードでないと判定した場合、処理をS411に進める。
S405において、制御部101は、スマートフォン200に対し、近接無線通信部112を介して、無線LANで接続を確立するために必要な設定情報(例えばSSIDや認証情報)を送信する。本実施形態では、このSSIDや認証情報等の設定情報は、ハンドオーバー処理を実行する毎に異なる認証情報を渡すように変更したものであってよい。このようにすれば、一旦接続が切れた後は再度近接が必要となる。すなわち、一度ハンドオーバーした第三者の装置が通信可能な範囲に入っても、この装置と自動的に無線LANの接続を確立してしまうことを防ぐことができ、セキュリティを向上させることができる。
S406において、制御部101は、第一無線通信部110に電力を供給して、第一無線通信部110をAPモードとして起動する。そして、S407において、制御部101は、スマートフォン200からの無線LANの接続要求を受信すると、デジタルカメラ100とスマートフォン200の間で無線LANの接続処理を行って通信を確立する。なお、本実施形態では、このように近接をきっかけとして無線LANによる通信を有効化し、別途所定のタイミングで無効化するようにしている。このようにすれば、所定の期間にのみ外部装置との接続を可能にするとともに、無線LANの使用による消費電力を低減することができる。
S408において、制御部101は、無線LANによる通信が確立すると第一無線通信部110を介してスマートフォン200に画像データを送信する。スマートフォン200に送信する画像データは、例えば、S401においてハンドオーバー処理を開始した際に、デジタルカメラ100の表示部106に再生されていた画像データである。
S409において、制御部101は、所望の画像データの送信が完了したかを判定し、送信が完了していない場合は処理を再びS408に戻す。このように、制御部101は、複数の画像データを送信するように設定されている場合に、所望の画像データの送信を完了するまで繰り返し画像データの送信処理を行う。なお、送信される1又は複数の画像データは、予め操作部105を介して対話的に選択されていてもよい。制御部101は、所望の画像データの送信を完了したと判定すると、処理をS410に進める。
S410において、制御部101は、スマートフォン200との無線LANによる接続を切断し、第一無線通信部110の動作を停止する。上述したように、スマートフォン200に送信した、無線LANで接続を確立するために必要なSSIDや認証情報は、ハンドオーバー処理を実行する毎に異なる。そして、画像データの送受信が終了した後は、無線LANによる接続を切断する。制御部101は、無線LANの停止処理を完了するとハンドオーバー処理に係る一連の動作を終了する。
一方、制御部101は、S404で画像データを転送するモードでないと判定した場合、以下の処理を行う。S411において、制御部101は、スマートフォン200がデジタルカメラ100において登録済みの装置か否かを判定する。具体的には、制御部101は、例えば記録媒体107から登録済みの装置の機器情報を読み出し、S402で取得したスマートフォン200の機器情報と読み出した機器情報とが一致するかを判定する。登録済みの機器情報と一致する場合、制御部101はスマートフォン200が登録済みであると判定する。制御部101は、登録済みであると判断した場合、処理をS417に進める。一方、登録済みでないと判断した場合、スマートフォン200が未登録の装置であると判定して処理をS412に進める。
S412において、制御部101は、スマートフォン200の機器情報をデジタルカメラ100に登録するか否かをユーザに選択させる。例えば、制御部101は、メニュー画面を表示部106に表示し(このメニュー画面については図6を参照して後述する)、ユーザの選択結果に応じてスマートフォン200の機器情報を登録するか否かを判定する。制御部101は、メニュー画面にスマートフォン200を検出した旨や当該装置を登録するか否かのメッセージを表示し、操作部105によりユーザ指示を受け付ける。
なお、スマートフォン200がデジタルカメラ100に登録される場合、スマートフォン200とデジタルカメラ100の所有者が同一である等、両装置が、互いのアクセスを制限する必要がない、或いは常にアクセス可能にしてもセキュリティ上問題の無い関係にあることを意味する。即ち、デジタルカメラ100とスマートフォン200とをブルートゥースにより常にアクセス可能な状態にして上述した利便性を提供することができる。反対に、ある第三者の装置と近接させて当該装置に画像データを送信したことがあっても、当該第三者の装置がデジタルカメラ100に登録されていなければ、ブルートゥースによるデジタルカメラ100へのアクセスを防ぐことができる。制御部101は、S412においてスマートフォン200を登録する場合は処理をS413に進め、登録しない場合はブルートゥースによる通信を確立すること無く、一連の動作を終了する。
S413において、制御部101は、スマートフォン200に対して、ブルートゥースによって接続を確立するために必要なデバイスアドレスや認証情報を、近接無線通信部112を介して送信し、ペアリングを行う。
S414において、制御部101は、第二無線通信部111を起動する。さらに、S415において、制御部101は、第二無線通信部111を介してスマートフォン200からのブルートゥースの接続要求を受信したことに応じて、デジタルカメラ100とスマートフォン200の間でブルートゥースによる通信を確立する。ブルートゥースによる通信は、例えば、ユーザがスマートフォン200を通じてデジタルカメラ100を制御するために利用可能である。この場合、ユーザがスマートフォン200を操作すると、スマートフォン200は、制御指示(例えば、撮影指示)を含むデータをデジタルカメラ100へ送信する。制御部101は、ユーザが実際にスマートフォン200を通じたデジタルカメラ100の制御を行うか否かに関わらず(即ち、転送すべきデータの有無に関わらず)、所定の期間、接続状態を継続する。これにより、ユーザは、所望のタイミングでスマートフォン200を通じたデジタルカメラ100の制御を行うことが可能となる。なお、ブルートゥースによる接続は無線LANによる接続より低消費電力であるため、接続状態を所定の期間継続しても、電力の浪費の問題はそれほど大きくは無い。また、ブルートゥースによる通信の確立後に、第二無線通信部111から第一無線通信部110にさらに通信を切り替えてもよい。このとき、制御部101は、無線LANの接続に用いる認証情報を、第二無線通信部111を介して(すなわち、ブルートゥースによる通信により)送信するようにしても良い。また、S413においてブルートゥースの接続に必要な情報を送信する際に、無線LANの接続に必要な情報を合わせて送信してもよい。
S416において、制御部101は、S415においてブルートゥースによる通信を確立すると、相手機器であるスマートフォン200の機器情報をデジタルカメラ100内の不揮発性メモリ103に登録し、本処理の一連の動作を終了する。なお、このデジタルカメラ100に登録した装置を本実施形態では、「自己所有装置」と呼ぶ。
一方、制御部101は、S411でスマートフォン200が登録済みの装置でないと判定した場合、以下の処理を行う。S417において、制御部101は、第二無線通信部111を起動する。そして、S418において、S411において登録済みの装置であると判定されたスマートフォン200とブルートゥースの接続処理を行う。制御部101は、その後、本処理に係る一連の動作を終了する。
このように、スマートフォン200がデジタルカメラ100に近接したことに応じてハンドオーバー処理を実行する場合、デジタルカメラが画像データを転送するモードであるかに応じて、ハンドオーバーする通信方式を切り替える。従って、第三者の装置であるスマートフォン200と画像データを共有する場合は、より高速な無線LANによる通信に切り替えて、装置との画像データの共有を一時的に可能にする。
一方、画像データを転送する動作モードでなければ、より低消費電力のブルートゥースに切り替える。ブルートゥースによって接続されている場合、スマートフォン200をデジタルカメラ100に再度近接させることなく、通信方式をブルートゥースによる通信から高速な無線LANによる通信に切り替えることもできる。また、スマートフォン200がデジタルカメラ100の所有者と同一である等、登録済みであれば、スマートフォン200は、(デジタルカメラ100の設定に応じて)外部装置に提供する機能をブルートゥースの通信を介して容易に利用することも可能になる。
<ブルートゥースによる通信を用いたハンドオーバー処理に係るシーケンス>
さらに、デジタルカメラ100とスマートフォン200との間で確立したブルートゥースによる通信から無線LANに通信方式を切り替えるシーケンスについて、図5を参照して説明する。なお、本シーケンスは、デジタルカメラ100がスマートフォン200とブルートゥースにより接続している状態から開始される。
S501において、スマートフォン200の制御部201は、画像を取得する或いはリモート制御を行う等のユーザ操作を検出する。続いてS502において、スマートフォン200の制御部201は、第二無線通信部211を介して(ブルートゥースによる通信において)デジタルカメラ100に無線LANへのハンドオーバー要求を送信する。
S503において、制御部101は、第二無線通信部111を介してスマートフォン200に対して無線LANによる接続に必要なSSIDや認証情報等の接続情報を送信する。なお、S412において近接無線通信部112によって無線LANのためのSSIDや認証情報を送信している場合は、S503のステップを省略することができる。
S504において、制御部101は、第一無線通信部110に電源を供給してAPモードとして起動する。そして、S505においてブルートゥースによる通信においてスマートフォン200にハンドオーバー開始応答を送信するとともに、第二無線通信部111を制御してブルートゥースによる通信を停止する。
S506において、制御部201は、スマートフォン200の第二無線通信部211を介してハンドオーバー開始応答を受信すると、第二無線通信部211を制御してブルートゥースによる通信を停止し、第一無線通信部210に電源を供給する。
S507において、制御部201は、S503で受信した無線LANの接続情報を用いて、APモードとして起動しているデジタルカメラ100に対して無線LANによる接続要求を送信する。
S508において、制御部101は、無線LANの認証情報に基づきスマートフォン200との無線LANによる通信を確立する。無線LANによる通信を確立すると、制御部101は、第一無線通信部110を介してデジタルカメラ100に保存されている画像データを送信する、或いはスマートフォン200からのリモート制御を受信することができるようになる。
<機器の登録画面>
スマートフォン200をデジタルカメラ100に登録する際に、表示部106に表示される機器の登録画面について、図6を参照して説明する。
図6(a)に示す「機器の登録」画面601は、図4で説明したS412において表示される。本実施形態では、S402において取得した機器情報に含まれる、スマートフォン200の機器名602が「Taro‘s Mobile」として表示領域に表示されている。OKアイコン603は、ユーザが機器名602に表示されている外部装置を登録する場合に選択するボタンを表わすアイコンである。CANCELアイコン604は、機器の登録をキャンセルするためのボタンを表わすアイコンである。
図6(b)に示す「登録機器情報」画面608は、デジタルカメラ100に「自己所有装置」として登録した外部装置の情報を確認したり、登録した機器を削除したりするための画面である。ユーザは、選択カーソル605を、操作部105を操作して上下させることにより、例えば「する」等の所望の項目を選択することができる。OKアイコン606は、ユーザが選択カーソル605を上下移動させて選択した項目を確定するボタンを表わすアイコンである。RETURNアイコン607は、ユーザが本画面を終了するときに押下するボタンを表わすアイコンである。
<画像の共有>
次に、デジタルカメラ100において画像を再生している状態でスマートフォン200を近接させたときに、画像を共有する例について、図7を参照して説明する。
図7(a)に示すように、デジタルカメラ100の表示部106には、画像データ701が再生されている。ユーザが再生ボタン105bを押下した場合、制御部101は、記録媒体107に記録されている画像データ701を読み出して、表示部106に表示させる。なお、ユーザは、操作部105を操作することで記録媒体107に記録されている画像データから所望の画像データを選択し、再生指示を行う。
図7(b)では、表示部106に画像データ701が再生されている状態において、スマートフォン200がデジタルカメラ100に近接した状態を示している。デジタルカメラ100とスマートフォン200は、それぞれの近接無線通信部を用いて、接続する際の認証に必要な設定情報を送受信する。このとき、デジタルカメラ100の動作モードは、画像データが表示部106に再生されているため、画像データを転送するモードである。なお、制御部101は、S405で上述したように、無線LANによる通信に必要な認証情報等を、NFCによる近接無線通信を介してスマートフォン200に送信する。
図7(c)では、デジタルカメラ100とスマートフォン200は、それぞれの第一無線通信部を用いて無線LANにより接続を確立し、デジタルカメラ100は、表示部106に再生されていた画像データ701をスマートフォン200に転送する。スマートフォン200では、制御部201は受信した画像データ702を表示部206に再生して表示するとともに記録媒体207に記録する。
なお、図7では、動作モードが画像データを転送するモードであり、表示部106に1枚の画像が再生されている場合を示した。しかし、転送する画像を複数選択している場合にも同様に適用可能である。また、ユーザが転送する画像データを予め複数選択できるようにしてもよい。また、スマートフォン200がデジタルカメラ100を画像サーバとして利用する場合、デジタルカメラ100が画像サーバとして動作しているか否かを、更に判定してもよい。
<画像選択画面>
更に、ユーザが複数の画像データを選択する場合のメニュー画面の一例を、図8を参照して説明する。
「画像選択」画面801は、ユーザが複数の画像を選択するメニュー画面である。ここでは、画像表示領域802に3枚の画像が表示されており、選択されている画像データには、チェックマークが表示される。図8に示す例では、記録媒体107に記録されている全ての画像(例えば10枚)のうち、2枚の画像が選択されていることを示している。SETアイコン803は、送信するための画像の選択、又は非選択を指示するためのボタンを表わすアイコンである。画像カーソル805は、選択されている画像の送信可否を指示するためのボタンを表すアイコンである。RETURNアイコン804は、画像選択メニューを終了するためのボタンを表わすアイコンである。この画面で選択された画像データは、図7で説明したハンドオーバー処理によってスマートフォン200に送信される。
なお、複数の画像データを選択する方法には、他の様々な方法を適応可能である。例えば、記録媒体107に記録されている画像データに対して、外部装置に提供可能であることを表す共有指定、又は提供を不可することを表す非公開指定をそれぞれ設定してもよい。この場合、共有指定された画像データのみが接続相手であるスマートフォン200への送信対象となる。
また、本実施形態では、動作モードに判定において、画像データを転送するモードか否かを判定するようにした。しかし、転送対象のデータは、例えば、デジタルカメラ100によって取得された所定のデータ、例えば動画データや音声データ等のデータであってよい。また、動作モードの判定は、デジタルカメラ100によって取得された所定のデータを表示部106に再生(または表示)している場合に、上記所定のデータを転送するモードであると判定すればよい。
以上説明したように本実施形態では、外部装置が近接した場合に、動作モードが画像データを転送するモードか否かに応じて、近接無線通信からいずれかの無線通信に切り替えるように制御した。すなわち、画像データを転送するモードであれば、画像データを一時的に第三者と共有するような無線LANによる通信を有効化し、一方、画像データを転送するモードでない場合、常時接続を可能とするブルートゥースによる通信を有効化するように制御した。このようにすることで、複数の無線通信方式を備える外部装置でデータを共有する場合に、適切な通信方式を用いることが可能となる。また、常時接続を可能にするブルートゥースによる通信への切り替えを、登録された外部装置に限定することにより、意図せず第三者が近接した場合であっても、デジタルカメラ100に対するアクセスを制限することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2について説明する。実施形態2では、すでにデジタルカメラ100にスマートフォン200が登録されているときに、他の外部装置(スマートフォン300)が近接された場合のハンドオーバー処理について説明する。実施形態1では、デジタルカメラ100は、動作モードが画像データを転送可能なモードでない場合は、第三者の装置との無線LANによる通信を有効化しないように構成されていた。これに対して、本実施形態では、デジタルカメラ100は、動作モードが画像データを転送可能なモードでない場合であっても、すでに登録済みの自己所有装置があるときは、第三者と一時的に接続するような無線LANによる通信を有効化する。なお、本実施形態に係る通信機能を有するデジタルカメラ100、スマートフォン200及びスマートフォン300の構成は、実施形態1と同様である。このため、本実施形態の説明において参照する図面における同一の構成又は同一のステップについては、同一の符号を付して重複する説明は省略し、相違点について重点的に説明する。
<ハンドオーバー処理の概要>
図9では、デジタルカメラ100と複数のスマートフォン200、300からなるネットワーク構成において、NFCによる近接無線通信を用いたハンドオーバー処理を概略的に示している。なお、図9に示す例では、スマートフォン200は自己所有装置としてデジタルカメラ100に登録されている装置であり、スマートフォン300は自己所有装置として登録されていない装置であるものとして説明する。なお、本実施形態においては、デジタルカメラ100に登録されている自己所有装置(ここでは、スマートフォン200)が存在する場合、他の外部装置(ここでは、スマートフォン300)は、所有者が誰であっても、第三者の外部装置として扱われる。
図9(a)は、各装置の最初の接続状態を示している。すなわち、デジタルカメラ100と自己所有装置として登録されているスマートフォン200がブルートゥースによる通信を用いて接続している状態であり、スマートフォン300はいずれの装置とも接続していない状態である。
図9(b)は、図9(a)の状態においてスマートフォン300がデジタルカメラ100に近接した場合の接続状態を示している。スマートフォン300がデジタルカメラ100に近接したことにより、デジタルカメラ100とスマートフォン300とがNFCによる近接無線通信を確立していることを示す。スマートフォン200が自己所有装置として登録されているため、この例ではデジタルカメラ100とスマートフォン200とはブルートゥースによる通信を継続している。なお、スマートフォン300がデジタルカメラ100に近接したことによるハンドオーバー処理の詳細については、図10のフローチャートを参照して後述する。
図9(c)は、スマートフォン300とデジタルカメラ100との間でハンドオーバー処理が実行された後の接続状態を示している。この例では、スマートフォン300とデジタルカメラ100とは、無線LANによる通信を用いて接続されている。
すなわち、新たな外部装置が近接した場合、デジタルカメラ100がすでに自己所有装置を登録済みであるため、新たな外部装置を第三者の装置であると想定することが可能である。このような場合には、新たな外部装置が近接したことに応じて、一時的に接続するような無線LANによる通信を有効化してハンドオーバー処理を行うことにより、データを共有する場合の接続の安全性を向上させることができる。
<近接無線通信を用いたハンドオーバー処理に係る一連の動作>
続いて、スマートフォン300がデジタルカメラ100に近接した場合のハンドオーバー処理に係る一連の動作について、図10を参照して説明する。なお、本フローチャートにおけるS401〜S418については、接続相手の機器がスマートフォン200であった実施形態1と同様である。以下の説明では、デジタルカメラ100の動作モードは画像データを転送するモードではなく、また、スマートフォン300はデジタルカメラ100に登録されていない(即ち自己所有装置でない)状態である場合について重点的に説明する。
まず、スマートフォン300がデジタルカメラ100に近接すると、デジタルカメラ100はS401〜S404を実行してS411に処理を進める。さらに、S411において、制御部101は、スマートフォン300がデジタルカメラ100に登録されていないと判定して処理をS1001に進める。
S1001において、制御部101は、デジタルカメラ100に「自己所有装置」として登録されている装置があるか否かを判定する。制御部101は、例えば記録媒体107から登録済みの装置の機器情報を読み出し、登録済みの装置の数が0である(即ち存在しない)場合にはS1002に処理を進める。一方、既に登録済みの装置(例えばスマートフォン200)の数が1以上である(即ち装置が存在する)場合、処理をS1003に進める。
S1002において、制御部101は、登録済みのスマートフォンが存在しないため、新たに「自己所有装置」としてデジタルカメラ100に登録するか否かをユーザに選択させ、その選択結果に応じてスマートフォン300を登録するかを判定する。登録の可否をユーザに選択させる方法として、制御部101は、例えば図6(a)に示したようにデジタルカメラ100の表示部106に登録するか否かのメッセージを表示し、操作部105により選択結果を受け取る。制御部101は、ユーザがスマートフォン300を「自己所有装置」として登録することを選択した場合、処理をS413に進め、登録しないことを選択した場合は処理をS1003に進める。なお、ユーザがスマートフォン300の登録を選択した場合のS413以降の処理は実施形態1と同様であり、ブルートゥースによる通信を確立する。
S1003において、制御部101は、スマートフォン300と接続するか否かを判定する。例えば、制御部101は、ユーザの選択に基づいて接続するか否かを判定してもよい。即ち、図9(b)で示した状態において、制御部101は、表示部106にメッセージを表示させて、スマートフォン300と接続するか否かをユーザに選択させる。制御部101は、ユーザがスマートフォン300との接続を許可しない場合、本一連の処理を終了する。一方、制御部101は、ユーザがスマートフォン300との接続を許可した場合、処理をS1004に進め、無線LANにより接続するために必要なSSIDや認証情報を、近接無線通信部112を介してスマートフォン300に送信する。ここで、スマートフォン300に送信されるSSIDや認証情報は、毎回異なる値を送信するようにすれば、一時的な接続を許可することが可能になりセキュリティを向上させることができる。
S1005において、制御部101は、第一無線通信部110をAPモードとして起動する。そして、S1006において、スマートフォン300からの接続要求に応答して、スマートフォン300との間で無線LANの接続処理を行って接続を確立する。
S1007において、制御部101は、スマートフォン300との無線LANによる通信を確立した後の処理において、例えばスマートフォン300からの要求に応じて、無線LANによる通信を介してデータの送信を行う。このとき、制御部101はスマートフォン300がデジタルカメラ100に対して要求可能な機能を制限してもよい。例えば、デジタルカメラ100は、デジタルカメラ100に対する撮影指示や撮影条件などの変更をスマートフォン300からリモートで行う制御や、デジタルカメラ100が外部装置と共有する画像データの閲覧等について、適宜制限を加える。制御部101は、例えば図8で上述した送信可能に選択された画像や共有指定された画像のみをスマートフォン300から閲覧可能にする。
S1008において、制御部101は、スマートフォン300との無線LANによる接続を切断し、第一無線通信部110の動作を停止する。制御部101は、スマートフォン300との無線LANによる通信を切断すると、本一連の処理を終了する。
なお、本実施形態では、S1001においてデジタルカメラ100に登録済みの装置が一台でも存在する場合に、スマートフォン300との間で無線LANによる通信を有効化するようにした。しかし、登録済みの外部装置の台数が予め定めた台数未満の場合に、スマートフォン300をユーザ指示のもと自己所有装置として登録(S1002においてYes)し、その後ブルートゥースによる通信にハンドオーバー処理できるようにしてもよい。
以上説明したように本実施形態では、デジタルカメラ100が外部装置と接続処理を行う場合に、デジタルカメラ100に自己所有装置として登録された外部装置が存在するか否かを判定するようにした。そして、デジタルカメラ100に当該外部装置がすでに登録されている場合、新たに接続処理を行う外部装置に対して、第三者の装置と同様に無線LANによる通信を有効化してハンドオーバー処理を行うようにした。換言すれば、デジタルカメラ100がすでに「自己所有装置」を登録していれば、スマートフォン300と接続する場合には、一時的な接続を行う(つまり制限的な接続を行う)無線LANを有効化してハンドオーバーを行う。このように、既に「自己所有装置」と接続している場合、新たな外部装置と接続してデータを共有する場合に、接続の安全性を向上させる適切な通信方式を用いることが可能になる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述した実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
101…制御部、105…操作部、106…表示部、110…第一無線通信部、111…第二無線通信部、112…近接無線通信部

Claims (11)

  1. 外部装置と第一の通信方式で通信する第一の無線通信手段と、
    前記第一の通信方式と異なる第二の通信方式で通信する第二の無線通信手段と、
    近接無線通信による通信を行う近接無線通信手段と、
    前記近接無線通信手段を用いて外部装置と近接無線通信を行ったことに応じて、前記第一の無線通信手段又は第二の無線通信手段による通信を有効化して前記外部装置と通信を行なうようにする有効化手段と、を有し、
    前記有効化手段は、通信装置の動作モードが所定の転送対象のデータを転送する所定の動作モードである場合、前記第一の無線通信手段による通信を有効化し、前記通信装置の動作モードが前記所定の動作モードでない場合、前記第二の無線通信手段による通信を有効化する、
    ことを特徴とする通信装置。
  2. 1以上の外部装置を登録する登録手段を更に備え、
    前記有効化手段は、前記通信装置の動作モードが前記所定の動作モードでない場合において、前記登録手段により前記外部装置が予め登録されているか、又はユーザ指示により前記登録手段による前記外部装置の登録が許可された場合に、前記第二の無線通信手段による通信を有効化する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記有効化手段は、前記通信装置の動作モードが前記所定の動作モードでない場合において、前記登録手段により予め登録されている他の外部装置がある場合、前記近接無線通信手段を用いて前記外部装置と近接無線通信を行ったことに応じて、前記第二の無線通信手段による通信を有効化せず、前記第一の無線通信手段による通信を有効化する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記有効化手段は、前記第一の無線通信手段による通信を有効化した場合、前記転送対象のデータの転送が完了すると該通信を切断し、前記第二の無線通信手段による通信を有効化した場合、該通信により転送すべきデータの有無に関わらず少なくとも所定の期間は該通信を継続する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
  5. 前記有効化手段は、前記外部装置と前記通信装置とが前記第二の無線通信手段による通信を継続する間に、前記第二の無線通信手段を介して前記第一の無線通信手段を有効化する要求を受信した場合、前記第一の無線通信手段による通信を有効化して前記外部装置との通信を行なうようにする、
    ことを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
  6. 再生された前記転送対象のデータを表示する表示手段を更に有し、
    前記有効化手段は、前記表示手段に前記転送対象のデータが表示されている状態である場合、前記通信装置の動作モードが前記所定の動作モードであると判定する、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
  7. 前記第二の無線通信手段による通信は、前記第一の無線通信手段による通信より低消費電力であり、かつ、前記近接無線通信手段による前記近接無線通信よりも通信可能な範囲が広い、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の通信装置。
  8. 前記近接無線通信手段は、前記第一の無線通信手段による通信を確立するときに必要な設定情報、及び前記第二の無線通信手段による通信を確立するときに必要な設定情報、の少なくともいずれかを、前記外部装置に送信する、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の通信装置。
  9. 前記近接無線通信手段による前記近接無線通信は、NFCによる近接無線通信であり、
    前記第一の無線通信手段による通信は、無線LANによる通信であり、
    前記第二の無線通信手段による通信は、ブルートゥースによる通信である、
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の通信装置。
  10. 外部装置と第一の通信方式で通信する第一の無線通信手段と、
    前記第一の通信方式と異なる第二の通信方式で通信する第二の無線通信手段と、
    近接無線通信による通信を行う近接無線通信手段と、
    を備える通信装置の制御方法であって、
    有効化手段が、前記近接無線通信手段を用いて外部装置と近接無線通信を行ったことに応じて、前記第一の無線通信手段又は第二の無線通信手段による通信を有効化して前記外部装置と通信を行なうようにする有効化工程と、を有し、
    前記有効化工程では、通信装置の動作モードが所定の転送対象のデータを転送する所定の動作モードである場合、前記第一の無線通信手段による通信を有効化し、前記通信装置の動作モードが前記所定の動作モードでない場合、前記第二の無線通信手段による通信を有効化する、
    ことを特徴とする通信装置の制御方法。
  11. コンピュータを、請求項1から9のいずれか1項に記載の通信装置の、前記近接無線通信手段、前記第一の無線通信手段及び前記第二の無線通信手段を除く、各手段として機能させるためのプログラム。
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