<電子機器の外観>
図1〜3は、それぞれ、電子機器1の外観を示す斜視図、前面図及び背面図である。図1〜3に示されるように、電子機器1は、平面視で略長方形の板状の機器ケース2を備えている。機器ケース2は電子機器1の外装を構成している。電子機器1の前面1a、つまり機器ケース2の前面には、文字、記号、図形等の各種情報が表示される表示領域20が設けられている。表示領域20の背面側には後述するタッチパネル130が設けられている。これにより、ユーザは、電子機器1の前面1aの表示領域20を指等で操作することによって、電子機器1に対して各種情報を入力することができる。なお、ユーザは、指以外の操作子、例えば、スタイラスペンなどのタッチパネル用ペンで表示領域20を操作することによっても、電子機器1に対して各種情報を入力することができる。
電子機器1は、右側側面1c、左側側面1d、上側側面1e及び下側側面1fを有している。機器ケース2の右側側面、左側側面、上側側面及び下側側面が、電子機器1の右側側面1c、左側側面1d、上側側面1e及び下側側面1fをそれぞれ構成している。
電子機器1の前面1a(機器ケース2の前面)の上側端部にはレシーバ穴21が設けられている。電子機器1の前面1aの下側端部にはスピーカ穴22が設けられている。電子機器1の下側側面1fにはマイク穴23が設けられている。
電子機器1の前面1aの上側端部からは、後述する第1カメラ180が有する撮像レンズ181が視認可能となっている。図3に示されるように、電子機器1の背面1bの上側端部からは、後述する第2カメラ190が有する撮像レンズ191が視認可能となっている。
電子機器1には、複数の操作ボタン3が設けられている。各操作ボタン3は、ハードウェアボタンである。具体的には、各操作ボタン3は押しボタンである。操作ボタンは「操作キー」あるいは「キー」と呼ばれることがある。各操作ボタン3は、例えば、機器ケース2の表面から突出している。
各操作ボタン3には機能が割り当てられる。電子機器1は、操作ボタン3が押されてオン状態になると、オン状態になった操作ボタン3に割り当てられている機能を実行する。複数の操作ボタン3には、操作ボタン3a〜3eが含まれている。以後、複数の操作ボタン3をまとめて「操作ボタン群30」と呼ぶことがある。また、操作ボタン3が操作されると言えば、操作ボタン3が押されてオン状態になることを意味する。
操作ボタン3aは、例えば電源ボタンである。電源ボタンは、電子機器1において、一部の機能を停止したり、停止している機能を復帰(起動)したりするための操作ボタンである。操作ボタン3aは、電子機器1の右側側面1cに設けられている。操作ボタン3aは、例えば、機器ケース2の右側側面から外側に突出している。ユーザが操作ボタン3aを操作することよって、電子機器1において、一部の機能が停止したり、停止している機能が復帰したりする。以後、操作ボタン3aを「電源ボタン3a」と呼ぶことがある。
操作ボタン3bは、例えば、それに割り当てられているアプリケーション(アプリケーションプログラム)を実行するための操作ボタンである。操作ボタン3bは、電子機器1の左側側面1dに設けられている。操作ボタン3bは、例えば、機器ケース2の左側側面から外側に突出している。ユーザが操作ボタン3bを操作することよって、電子機器1では、操作ボタン3bに割り当てられているアプリケーションが実行される。ユーザは、表示領域20を操作することによって、操作ボタン3bに割り当てるアプリケーションを電子機器1に変更させることが可能である。以後、操作ボタン3bを「アプリ実行ボタン3b」と呼ぶことがある。
操作ボタン3cは、例えばバックボタンである。バックボタンは、表示領域20の表示を一つ前の表示に切り替えるための操作ボタンである。操作ボタン3cは、電子機器1の前面の下側端部に設けられている。ユーザが操作ボタン3cを操作することよって、表示領域20の表示が一つ前の表示に切り替わる。
操作ボタン3dは、例えばホームボタンである。ホームボタンは、表示領域20にホーム画面を表示させるための操作ボタンである。操作ボタン3dは、電子機器1の前面の下側端部に設けられている。ユーザが操作ボタン3dを操作することよって、表示領域20にホーム画面が表示される。
操作ボタン3eは、例えば履歴ボタンである。履歴ボタンは、電子機器1で実行されたアプリケーションの履歴を表示領域20に表示させるための操作ボタンである。操作ボタン3eは、電子機器1の前面の下側端部に設けられている。ユーザが操作ボタン3eを操作することよって、表示領域20には、電子機器1で実行されたアプリケーションの履歴が表示される。
<電子機器の電気的構成>
図4は電子機器1の電気的構成を主に示すブロック図である。図4に示されるように、電子機器1には、制御部100、無線通信部110、表示部220、タッチパネル130、操作ボタン群30及び指紋センサ140が設けられている。さらに電子機器1には、レシーバ150、スピーカ160、マイク170、第1カメラ180、第2カメラ190及び電池200が設けられている。電子機器1に設けられたこれらの構成要素は、機器ケース2内に収められている。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、DSP(Digital Signal Processor)102及び記憶部103等を備える制御回路である。制御部100は、電子機器1の他の構成要素を制御することによって、電子機器1の動作を統括的に管理する。
記憶部103は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の、制御部100(CPU101及びDSP102)が読み取り可能な非一時的な記録媒体で構成されている。記憶部103には、電子機器1の動作、具体的には電子機器1が備える無線通信部110等の各構成要素の動作を制御するための各種制御プログラム103aが記憶されている。制御部100の各種機能は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の各種制御プログラム103aを実行することによって実現される。なお、記憶部103は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていても良い。記憶部103は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)等を備えていても良い。また、制御部100のすべての機能あるいは制御部100の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアを必要としないハードウェア回路で構成されても良い。
記憶部103内の複数の制御プログラム103aには、様々なアプリケーション(アプリケーションプログラム)が含まれている。記憶部103には、例えば、音声通話及びビデオ通話を行うための通話アプリケーション、ウェブサイトを表示するためのブラウザ、電子メールの作成、閲覧及び送受信を行うためのメールアプリケーション、プッシュトゥトーク(PTT)を行うためのPTTアプリケーションが記憶されている。また、記憶部103には、第1カメラ180及び第2カメラ190を利用して被写体を撮影するためのカメラアプリケーション、地図を表示するための地図表示アプリケーション、電子機器1においてパズルゲーム等のゲームを行うためのゲームアプリケーション、記憶部103に記憶されている音楽データの再生制御を行うための音楽再生制御アプリケーションなどが記憶されている。記憶部103内の少なくとも一つのアプリケーションは、記憶部103内にあらかじめ記憶されているものであって良い。また、記憶部103内の少なくとも一つのアプリケーションは、電子機器1が他の装置からダウンロードして記憶部103内に記憶したものであって良い。
無線通信部110は、アンテナ111を有している。無線通信部110は、電子機器1とは別の携帯電話機からの信号、あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置からの信号を、基地局等を介してアンテナ111で受信する。無線通信部110は、受信信号に対して増幅処理及びダウンコンバートを行って制御部100に出力する。制御部100は、入力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる画像信号及び音信号等を取得する。また無線通信部110は、制御部100で生成された、画像信号及び音信号等を含む送信信号に対してアップコンバート及び増幅処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ111から無線送信する。アンテナ111からの送信信号は、基地局等を通じて、電子機器1とは別の携帯電話機、あるいはインターネット等に接続された通信装置で受信される。
表示部220は、電子機器1の前面1aに設けられた表示領域20と、表示パネル120とを備えている。表示部220は、表示領域20に各種情報を表示する。表示パネル120は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機ELパネルである。表示パネル120は、制御部100によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示する。表示パネル120は、機器ケース2内において、表示領域20と対向して配置されている。表示パネル120に表示される情報は表示領域20に表示される。
タッチパネル130は、表示領域20に対する指等の操作子による操作を検出する。タッチパネル130は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルであって、表示領域20の裏側に配置されている。ユーザが指等の操作子によって表示領域20に対して操作を行ったとき、その操作に応じた電気信号がタッチパネル130から制御部100に入力される。制御部100は、タッチパネル130からの電気信号に基づいて、表示領域20に対して行われた操作の内容を特定して、その内容に応じた処理を行う。
操作ボタン群30の各操作ボタン3は、ユーザによって操作されると、操作されたことを示す操作信号を制御部100に出力する。これにより、制御部100は、各操作ボタン3について、当該操作ボタン3が操作されたか否かを判断することができる。操作信号が入力された制御部100が他の構成要素を制御することによって、電子機器1では、操作された操作ボタン3に割り当てられている機能が実行される。
マイク170は、電子機器1の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部100に出力する。電子機器1の外部からの音は、マイク穴23から電子機器1の内部に取り込まれてマイク170に入力される。
スピーカ160は、例えばダイナミックスピーカである。スピーカ160は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力する。スピーカ160から出力される音はスピーカ穴22から外部に出力される。スピーカ穴22から出力される音は、電子機器1から離れた場所でも聞こえるようになっている。
レシーバ150は受話音を出力する。レシーバ150は例えばダイナミックスピーカで構成されている。レシーバ150は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力する。レシーバ150から出力される音はレシーバ穴21から外部に出力される。レシーバ穴21から出力される音の音量は、スピーカ穴22から出力される音の音量よりも小さくなっている。レシーバ穴21から出力される音は、当該レシーバ穴21に耳を近づけた場合に聞こえるようになっている。なお、レシーバ150の代わりに、機器ケース2の前面部分を振動させる、圧電振動素子等の振動素子を設けて、当該前面部分から音をユーザに伝えても良い。
電池200は電子機器1の電源を出力する。電池200は例えば充電式の電池である。電池200から出力される電源は、電子機器1が備える制御部100及び無線通信部110などの各種構成に対して供給される。
第1カメラ180は、撮像レンズ181及び撮像素子などで構成されている。第2カメラ190は、撮像レンズ191及び撮像素子などで構成されている。第1カメラ180及び第2カメラ190のそれぞれは、制御部100による制御に基づいて被写体を撮影し、撮影した被写体を示す静止画像あるいは動画像を生成して制御部100に出力する。
第1カメラ180の撮像レンズ181は、電子機器1の前面1aから視認可能となっていることから、第1カメラ180は、電子機器1の前面1a側(表示領域20側)に存在する被写体を撮影する。このような第1カメラ180は「インカメラ」と呼ばれることがある。以後、第1カメラ180を「インカメラ180」と呼ぶ。
第2カメラ190の撮像レンズ191は、電子機器1の背面1bから視認可能となっていることから、第2カメラ190は、電子機器1の背面1b側に存在する被写体を撮影する。このような第2カメラ190は、「アウトカメラ」と呼ばれることがある。以後、第2カメラ190を「アウトカメラ190」と呼ぶ。インカメラ180とアウトカメラ190とを特に区別する必要がない場合には、それぞれを単に「カメラ」と呼ぶ。
指紋センサ140は、電子機器1を触る指の指紋を検出する。指紋センサ140は、例えば、電源ボタン3aを触る指の指紋を検出する。具体的には、指紋センサ140は、電源ボタン3aのうち、機器ケース2から露出する部分を触る指の指紋を検出する。指紋センサ140は、電源ボタン3aを触った状態で静止する指の指紋を検出することができる。電源ボタン3aのうち、機器ケース2から露出する部分が、指紋検出領域となっている。後述するように、制御部100は、指紋センサ140での指紋検出結果に基づいてユーザ認証を行う。指紋センサ140は、指紋検出結果として、例えば、検出した指紋を示す指紋画像を出力する。指紋センサ140での検出方式は、例えば静電容量方式である。なお、指紋センサ140での検出方式は、静電容量方式以外の方式、例えば光学式であっても良い。また、指紋センサ140は、電源ボタン3aに対してタッチ操作を行う指の指紋を検出しても良い。また、指紋センサ140は、電源ボタン3aを触った状態で、電源ボタン3a上を移動する指の指紋を検出しても良い。言い換えれば、指紋センサ140は、電源ボタン3aに対してスライド操作を行う指の指紋を検出しても良い。以後、指紋センサ140で検出された指紋を「検出指紋」と呼ぶことがある。
<電子機器の動作モードについて>
電子機器1は、動作モードとして、電子機器1における、表示機能を含む一部の機能が停止するスリープモードと、スリープモードが解除された状態である通常モードとを備えている。スリープモードでは、表示パネル120、タッチパネル130及び指紋センサ140等の、電子機器1の一部の構成が動作しない。スリープモードでは、通常モードよりも電子機器1の消費電力が低減する。制御部100が電子機器1の所定の構成を制御することによって、電子機器1の動作モードが設定される。
通常モードにおいて、電子機器1に対して一定時間以上操作が行われなければ、通常モードからスリープモードに遷移する。また、通常モードにおいて、電源ボタン3aが操作されたとき、通常モードからスリープモードに遷移する。
一方で、スリープモードにおいて、電源ボタン3aが操作されたとき、スリープモードから通常モードに遷移する。つまり、スリープモードにおいて、電源ボタン3aが操作されたとき、電子機器1では、スリープモードに遷移するときに停止された機能が復帰する。また、スリープモードにおいて、ホームボタン3dが操作されたとき、スリープモードから通常モードに遷移する。ホームボタン3dは、スリープモードでは、スリープモードを解除するための操作ボタンとして機能する。
<表示領域に表示される画面について>
通常モードにおいては、様々な画面が表示領域20に表示される。表示領域20には、例えば、ホーム画面及びロック画面が表示される。図5はホーム画面300の一例を示す図である。図6はロック画面350の一例を示す図である。
図5に示されるように、ホーム画面300には、電池200の現在の容量を示す電池残量アイコン301と、現在の時刻302と、無線通信部110での電波の受信状況を示す受信状況アイコン(電波状況アイコンとも呼ばれる)303とが示される。さらに、ホーム画面300には、アプリケーションに対応し、対応するアプリケーションを実行するためのアイコン(以後、「アプリケーションアイコン」と呼ぶ)305が示される。図6の例では、10個のアプリケーションアイコン305が示されている。ユーザがアプリケーションアイコン305に対して所定の操作(例えばタップ操作)を行うと、制御部100は、操作されたアプリケーションアイコン305に対応するアプリケーションを記憶部103から読み出して実行する。これにより、ユーザは、アプリケーションアイコン305を操作することによって、操作されたアプリケーションアイコン305に対応するアプリケーションを電子機器1に実行させることができる。例えば、ユーザが、ブラウザに対応するアプリケーションアイコン305をタップ操作すると、電子機器1ではブラウザが実行される。またユーザが、カメラアプリケーションに対応するアプリケーションアイコン305をタップ操作すると、電子機器1ではカメラアプリケーションが実行される。アプリケーションアイコン305は、表示領域20に表示されるソフトウェアボタンである。
図6に示されるように、ロック画面350には、ホーム画面300と同様に、電池残量アイコン301及び受信状況アイコン303が示される。またロック画面350には、現在の時刻306と、現在の日付307と、現在の曜日308とが示される。ロック画面350において、時刻306は、ホーム画面300での時刻302とは異なる位置において、当該時刻302よりも大きく示される。
ここで、電子機器1の通常モードには、記憶部103内の複数のアプリケーションのうち、特定のアプリケーション(例えば通話アプリケーション及びカメラアプリケーション)以外のアプリケーション、あるいは記憶部103内のすべてのアプリケーションを、ユーザが電子機器1に実行させることができないロックモードが含まれる。ロックモードでは、ユーザは、記憶部103内の複数のアプリケーションのうち、特定のアプリケーション以外の各アプリケーションについて、あるいは記憶部103内のすべてのアプリケーションのそれぞれについて、当該アプリケーションの実行を電子機器1に指示することができない。ロック画面350は、電子機器1がロックモードであることを通知する画面であって、電子機器1がロックモードのときに表示領域20に表示される。
スリープモードにおいて、電源ボタン3aが操作されたときと、ホームボタン3dが操作されたとき、スリープモードが解除されて、電子機器1の動作モードはロックモードとなり、表示領域20にロック画面350が表示される。
また、電子機器1の動作モードが通常モードであって、ロックモードでない場合に、ホームボタン3dが操作されると、表示領域20にはホーム画面300が表示される。
表示領域20がロック画面350を表示している場合に、ユーザが電子機器1に対して所定の操作を行うと、電子機器1ではロックモードが解除されて、表示領域20の表示はロック画面350から他の画面、例えばホーム画面300に遷移する。以後、通常モードにおいて、ロックモードが解除されている状態を「非ロックモード」と呼ぶ。
<ユーザ認証>
制御部100は、指紋センサ140での指紋検出結果に基づいて、ユーザ認証を行うことができる。制御部100は、例えば、電子機器1がロックモードのときにユーザ認証を行う。制御部100がユーザ認証に成功すると、ロックモードが解除される。
制御部100は、ユーザ認証を行う際、まず、指紋センサ140から指紋検出結果として出力される指紋画像から、当該指紋画像が示す検出指紋の特徴を示す特徴点を抽出する。特徴点としては、例えば、指紋の稜線(凸部)の端点及び分岐点の位置、当該稜線の太さなどが使用される。そして、制御部100は、抽出した特徴点と、記憶部103に記憶されている基準特徴点とを比較する。基準特徴点は、正規のユーザ(例えば電子機器1の所有者)の指紋を示す指紋画像から抽出された特徴点である。制御部100は、抽出した特徴点と基準特徴点とを比較した結果、両者が類似する場合には、ユーザ認証が成功であると判定する。つまり、制御部100は、指紋センサ140が検出した指紋を有するユーザが正規のユーザであると判定する。一方で、制御部100は、抽出した特徴点と基準特徴点とが類似しない場合には、ユーザ認証に失敗したと判定する。つまり、制御部100は、指紋センサ140が検出した指紋を有するユーザが非正規のユーザであると判定する。
このように、電子機器1では、ロックモードのときにユーザ認証が行われることから、正規のユーザは、ロック画面350が表示されているときに、電源ボタン3aを、それがオン状態とならないように指で触ることによって、電子機器1にロックモードを解除させることができる。表示領域20にロック画面350が表示されているときにロックモードが解除されると、表示領域20にはロック画面350以外の画面(例えばホーム画面など)が表示される。
電子機器1の通常モードには、ユーザの指紋を電子機器1に登録するための指紋登録モードが含まれる。電子機器1は、非ロックモードにおいて、表示領域20に対して所定の操作が行われると、指紋登録モードで動作する。指紋登録モードにおいて、正規のユーザが自身の手の指を電源ボタン3a上に置くと、指紋センサ140は当該指の指紋を検出し、検出指紋を示す指紋画像を出力する。制御部100は、指紋センサ140からの指紋画像から特徴点を抽出し、抽出した特徴点を基準特徴点として記憶部103に記憶する。これにより、正規のユーザの指紋の特徴を示す基準特徴点が記憶部103に記憶される。つまり、正規のユーザの指紋が電子機器1に登録される。
なお、記憶部103には、複数の基準特徴点が記憶されることもある。この場合には、制御部100は、抽出した特徴点と、記憶部103に記憶されている複数の基準特徴点のそれぞれとを比較する。制御部100は、複数の基準特徴点の中に、抽出した特徴点と類似するものがある場合には、ユーザ認証が成功であると判定する。一方で、制御部100は、複数の基準特徴点の中に、抽出した特徴点と類似するものが無い場合には、ユーザ認証に失敗したと判定する。
以下では、記憶部103には、例えば、正規のユーザの右手親指の指紋に対応する基準特徴点と、正規のユーザの左手人差し指の指紋に対応する基準特徴点とが記憶されているものとする。したがって、正規のユーザは、右手で持つ電子機器1の電源ボタン3aを右手親指で触ることによって、電子機器1にロックモードを解除させることができる。また、正規のユーザは、左手で持つ電子機器1の電源ボタン3aを左手人差し指で触ることによって、電子機器1にロックモードを解除させることができる。
以後、正規のユーザのある指の指紋に対応する基準特徴点を、当該ある指の基準特徴点と呼ぶことがある。また、制御部100が、指紋センサ140で得られる指紋画像から抽出する特徴点を「抽出特徴点」と呼ぶことがある。
<アプリ実行ボタンについて>
非ロックモードにおいて、アプリ実行ボタン3bが操作されると、制御部100は、記憶部103に記憶されている、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションを読み出して実行する。これにより、表示領域20には、アプリケーションが実行されることによって生成される、当該アプリケーションに応じた画面(以後、「アプリ実行画面」と呼ぶ)が表示される。
また、スリープモードにおいてアプリ実行ボタン3bが操作された場合の電子機器1の動作は、電源ボタン3aに指が触れているか否かに応じて異なる。言い換えれば、スリープモードにおいてアプリ実行ボタン3bが操作された場合の電子機器1の動作は、指紋センサ140で指紋が検出されているか否かに応じて異なる。以下に、スリープモードにおいてアプリ実行ボタン3bが操作された場合の電子機器1の動作について説明する。図7は当該動作を示すフローチャートである。
図7に示されるように、ステップs1において電子機器1がスリープモードで動作する場合に、ステップs2において、制御部100が、アプリ実行ボタン3bが操作されたと判定すると、ステップs3においてスリープモードが解除する。その後、ステップs4において、制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されているか否かを判定する。言い換えれば、制御部100は、電源ボタン3aに指が触れているか否かを判定する。このとき、電源ボタン3aは、ユーザの指で触れられていれば良く、ユーザの指で押されていても良いし、ユーザの指で押されていなくても良い。
ステップs4において、制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されていないと判定すると(電源ボタン3aに指が触れていないと判定すると)、ステップs5において電子機器1の動作モードがロックモードになり、ステップs6において、制御部100は表示部220にロック画面を表示させる。このときのロック画面は、図6と同様の画面であっても良いし、他の画面であっても良い。ステップs6で表示されるロック画面は、例えば、「ロックを解除してください」といった文字列を含む画面であっても良い。
ロック画面が表示されると、ステップs7において、制御部100は、指紋検出待ち状態となり、指紋センサ140で指紋が検出されたか否かを判定する。制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されたと判定すると、ステップs8において、上記と同様にしてユーザ認証を行う。制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されたと判定するまで、ステップs7を繰り返し実行する。
ステップs8でのユーザ認証が終了すると、制御部100は、ステップs9において、ユーザ認証に成功したか否かを判定する。制御部100は、ユーザ認証が成功したと判定すると、ステップs10において、ロックモードを解除し、ステップs11において、操作されたアプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションを実行する。そして、制御部100は、表示部220に、ロック画面の替わりに、実行中のアプリケーションに応じたアプリ実行画面を表示させる。例えば、アプリ実行ボタン3bにPTTアプリケーションが割り当てられている場合には、PTTアプリケーションに応じたアプリ実行画面がロック画面の替わりに表示される。
一方で、制御部100は、ステップs9においてユーザ認証が失敗したと判定すると、ステップs13において、ユーザ認証の失敗を通知するための認証失敗通知情報を含むロック画面を表示部220に表示させる。図8は、認証失敗通知情報310を含むロック画面350の一例を示す図である。図8の例では、認証失敗通知情報310として「認証に失敗しました。」という文字列が表示されている。ステップs13で表示されるロック画面350には、図8に示されるように、電源ボタン3aを再度触ることを促す情報311も含めても良い。
ステップs13の後、制御部100は、再度指紋検出待ちとなり、ステップs7が実行される。以後、電子機器1は同様に動作する。
ステップs4において、制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されていると判定すると(電源ボタン3aに指が触れていると判定すると)、ステップs14において、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行と、ユーザ認証とを開始し、当該アプリケーションの実行とユーザ認証とを並行して行う。ステップs14では、アプリケーションの実行とユーザ認証とが並行して行われれば、アプリケーションの実行が、ユーザ認証よりも先に開始しても良いし、ユーザ認証よりも後に開始しても良いし、ユーザ認証と同時に開始しても良い。
ステップs14でのユーザ認証が終了すると、ステップs15において、制御部100は、ユーザ認証が成功したか否かを判定する。制御部100は、ユーザ認証が成功したと判定すると、ステップs16において、実行中のアプリケーションに応じたアプリ実行画面を表示部220に表示させる。これにより、表示領域20の状態は、表示を行っていない状態から、ロック画面を表示する状態とならずに、アプリ実行画面を表示する状態に変化する。
一方で、制御部100は、ユーザ認証が失敗したと判定すると、ステップs17において、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行を停止し、ステップs18において、電子機器1の動作モードがロックモードとなる。電子機器1の動作モードがロックモードになると、ステップs19において、制御部100は、ステップs13と同様に、認証失敗通知情報を含むロック画面を表示部220に表示させる。これにより、表示領域20の状態は、表示を行っていない状態から、アプリ実行画面を表示する状態とならずに、ロック画面を表示する状態に変化する。
ステップs19の後、制御部100は、指紋検出待ちとなり、ステップs7が実行される。以後、電子機器1は同様に動作する。
以上のように、電子機器1では、アプリ実行ボタン3bが操作された場合に指紋センサ140で指紋が検出されていないときには、ロック画面が表示される。したがって、ユーザが、電源ボタン3aを指で触れていない状態でアプリ実行ボタン3bを操作すると、電子機器1はロック画面を表示する。そして、電子機器1では、ロック画面が表示されている状態で、指紋センサ140で指紋が検出されたときには、ユーザ認証が開始し、ユーザ認証が成功すると、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションが実行される。したがって、ユーザが、ロック画面を表示している電子機器1の電源ボタン3aを指で触れると、電子機器1はユーザ認証を開始し、ユーザ認証が成功すると、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションを実行する。
一方で、電子機器1では、アプリ実行ボタン3bが操作された場合に指紋センサ140で指紋が検出されているとき、制御部100が、ユーザ認証と、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行とを行う。したがって、ユーザが、電源ボタン3aを指で触れた状態でアプリ実行ボタン3bを操作すると、制御部100は、ユーザ認証と、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行とを行う。
このように、ユーザが、電源ボタン3aを指で触れていない状態でアプリ実行ボタン3bを操作する場合には、ユーザ認証と、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行とを電子機器1に実行させるためには、ユーザは、アプリ実行ボタン3bを操作し、その後、電子機器1にロック画面が表示された後に電源ボタン3aを指で触る必要がある。つまり、この場合には、ユーザは、電子機器1に、ユーザ認証と、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行とを行わせるためには、アプリ実行ボタン3bを操作した後、電源ボタン3aを指で触る必要があり、電子機器1に対する操作が2回必要となる。
これに対して、ユーザが、電源ボタン3aを指で触っている状態でアプリ実行ボタン3bを操作する場合には、電子機器1においては、アプリ実行ボタン3bが操作されたとき、ユーザ認証と、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行とが行われる。つまり、ユーザは、電子機器1に、ユーザ認証と、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行とを行わせるためには、電源ボタン3aを指で触っている状態でアプリ実行ボタン3bを操作すれば良く、電子機器1に対する操作が1回で済む。したがって、電子機器1の操作性が向上する。
さらに、ユーザが、電源ボタン3aを指で触っている状態でアプリ実行ボタン3bを操作した場合には、電子機器1は、ユーザ認証と、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行とを並行して行うことから、電子機器1は、ユーザ認証が成功した後、すぐにアプリ実行画面を表示することができる。
上述のように、記憶部103には、ユーザの右手親指の指紋に対応する基準特徴点が記憶されている。したがって、スリープモードの電子機器1を右手400Rで持つ正規のユーザが、図9に示されるように、右手親指400RTで電源ボタン3aを触れた状態で、右手人差し指400RIでアプリ実行ボタン3bを操作すると、表示領域20の状態は、表示を行っていない状態から、ロック画面を表示する状態を経ずに、アプリ実行画面を表示する状態へ変化する。
また、上述のように、記憶部103には、正規のユーザの左手人差し指の指紋に対応する基準特徴点も記憶されている。したがって、スリープモードの電子機器1を左手400Lで持つ正規のユーザが、図10に示されるように、左手人差し指400LIで電源ボタン3aを触れた状態で、左手親指400LTでアプリ実行ボタン3bを操作すると、表示領域20の状態は、表示を行っていない状態から、ロック画面を表示する状態を経ずに、アプリ実行画面を表示する状態へ変化する。
また本例では、指紋センサ140によって、それに触る指の指紋が検出される操作ボタン3aが、電子機器1の右側側面1cに位置していることから、ユーザは、上述の図9,10のように、電子機器1を持つ片手で操作ボタン3aを操作し易くなる。よって、ユーザは、電子機器1を片手で持った状態で電子機器1にユーザ認証を実行させやすくなる。
また本例では、操作ボタン3aが電子機器1の右側側面1cに位置し、アプリ実行ボタン3bが電子機器1の左側側面1dに位置することから、ユーザは、上述の図9,10のように、電子機器1を持つ片手で操作ボタン3a及びアプリ実行ボタン3bを同時に操作し易くなる。よって、ユーザは、電子機器1を片手で持った状態で電子機器1にユーザ認証とアプリケーションの実行とを実行させやすくなる。操作ボタン3aとアプリ実行ボタン3bとは、図2等に示されるように、電子機器1の左右方向(短手方向)において互いに対向するように位置することが望ましい。
また本例では、指紋センサ140によって、それに触る指の指紋が検出される操作ボタン3aが、電子機器1の表面から突出しているため、ユーザは電子機器1での指紋検出領域の位置を特定し易くなる。例えば、ユーザは、暗い場所で電子機器1を使用する場合であっても、操作ボタン3aが電子機器1の表面から突出しているため、指紋検出領域の位置を特定し易くなる。また、ユーザは、ポケットあるいはカバンから電子機器1を取り出してすぐに電子機器1を使用したい場合であっても、操作ボタン3aが電子機器1の表面から突出しているため、指紋検出領域の位置を特定し易くなる。
なお、図9,10の例では、電源ボタン3aを触る指と、アプリ実行ボタン3bを操作する指とがともに右手の指、あるいは左手の指であったが、右手及び左手の一方の手の指で電源ボタン3aが触れられ、右手及び左手の他方の手の指でアプリ実行ボタン3bが操作されても良い。例えば、ユーザは、右手親指で電源ボタン3aを触っている状態で、左手人差し指でアプリ実行ボタン3bを操作しても良い。
また、アプリ実行ボタン3bに対して複数のアプリケーションを割り当てても良い。この場合には、アプリ実行ボタン3bに割り当てた複数のアプリケーションに対して、アプリ実行ボタン3bに対する複数種類の操作をそれぞれ割り当てる。そして、制御部100は、アプリ実行ボタン3bに対する操作が行われると、その操作の種類に応じたアプリケーションを実行する。ユーザは、表示領域20に対して所定の操作を行うことによって、電子機器1に、アプリ実行ボタン3bに対して複数のアプリケーションを割り当てることを実行させるとともに、当該複数のアプリケーションに対して、アプリ実行ボタン3bに対する複数種類の操作をそれぞれ割り当てることを実行させることができる。
例えば、アプリ実行ボタン3bに対して、ブラウザ及びメールアプリケーションが割り当てられているとする。この場合に、ユーザは、表示領域20に対して所定の操作を行うことによって、ブラウザ及びメールアプリケーションに対して、例えば、アプリ実行ボタン3bに対する短押し操作及び長押し操作をそれぞれ割り当てることを電子機器1に実行させる。ここで、短押し操作とは、操作ボタンを短時間の間押す操作である。長押し操作は、操作ボタンを長時間の間押す操作である。制御部100は、アプリ実行ボタン3bに対して短押し操作されると、ブラウザを実行する。そして、制御部100は、アプリ実行ボタン3bに対して長押し操作されると、メールアプリケーションを実行する。
上記の例では、指紋センサ140は、電源ボタン3aを触る指の指紋を検出していたが、他のハードウェアボタンを触る指の指紋を検出しても良い。例えば、指紋センサ140は、ホームボタン3dを触る指の指紋を検出しても良い。この場合には、図11に示されるように、正規のユーザが、ホームボタン3dを指で触っている状態でアプリ実行ボタン3bを操作すると、電子機器1では、ユーザ認証と、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行とが開始し、ユーザ認証が成功すると、アプリ実行画面が表示される。図11の例では、正規のユーザは、左手親指400LTでホームボタン3dを触っている。
また上記の例では、電源ボタン3aが電子機器1の右側側面1cに位置し、アプリ実行ボタン3bが電子機器1の左側側面1dに位置しているが、電源ボタン3aが左側側面1dに位置し、アプリ実行ボタン3bが右側側面1cに位置しても良い。
また、電子機器1の右側側面1cに、電源ボタン3a以外のハードウェアボタンが設けられている場合には、指紋センサ140は、そのハードウェアボタンを触る指の指紋を検出しても良い。この場合には、ユーザが、当該ハードウェアボタンを指で触れた状態でアプリ実行ボタン3bを操作すると、制御部100は、ユーザ認証と、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行とを行う。
また、電子機器1でのユーザ認証に少し時間がかかる場合には、上述のステップs14においてユーザ認証が開始したとき、電子機器1は、ユーザ認証の実行中をユーザに通知する通知画面450を表示しても良い。図12は通知画面450の一例を示す図である。図12の例では、通知画面450に「指紋検出中」という文字列が示されている。
<各種変形例>
以下に電子機器1の各種変形例について説明する。
<第1変形例:ボリュームボタン>
図13は、本変形例に係る電子機器1をユーザが右手400Rで持つ様子を示す図である。図13に示されるように、本変形例に係る電子機器1は、上記の電子機器1において、アプリ実行ボタン3bの替わりに、ボリュームボタン3fが左側側面1dに設けられたものである。
ボリュームボタン3fは、ボリュームアップボタン3fu及びボリュームダウンボタン3fdを含んでいる。ボリュームアップボタン3fuに対しては、レシーバ穴21及びスピーカ穴22から出力される音の音量設定値を大きくするボリュームアップ機能が割り当てられる。電子機器1の動作モードが非ロックモードである場合、ボリュームアップボタン3fuが操作されると、制御部100は、レシーバ150及びスピーカ160から出力される音の音量設定値を大きくする。
一方で、ボリュームダウンボタン3fdに対しては、レシーバ150及びスピーカ160から出力される音の音量設定値を小さくするボリュームダウン機能と、電子機器1の動作モードをオリジナルマナーモードに設定するというオリジナルマナーモード設定機能とが割り当てられる。そして、ボリュームダウン機能に対しては、ボリュームダウンボタン3fdに対する短押し操作が割り当てられ、オリジナルマナーモード設定機能に対しては、ボリュームダウンボタン3fdに対する長押し操作が割り当てられる。電子機器1の動作モードが非ロックモードである場合、ボリュームダウンボタン3fdが短押し操作されると、制御部100は、レシーバ150及びスピーカ160から出力される音の音量設定値を小さくする。電子機器1の動作モードが非ロックモードである場合、ボリュームダウンボタン3fdが長押し操作されると、電子機器1の動作モードがオリジナルマナーモードに設定される。
ここで、オリジナルマナーモードとは、電子機器1が出力する音の音量設定を含む、電子機器1での複数の設定項目に関して、ユーザが電子機器1に設定した設定値で電子機器1が動作するモードである。オリジナルマナーモードでは、例えば、電子メール着信音量、音声通話着信音量、目覚まし機能のアラーム音量などの各種音量の設定値が、ユーザが設定した値に設定される。
スリープモードにおいてボリュームダウンボタン3fdが長押し操作された場合の電子機器1の動作は、電源ボタン3aに指が触れているか否かに応じて異なる。図14は、スリープモードにおいてボリュームダウンボタン3fdが長押し操作された場合の電子機器1の動作を示すフローチャートである。以後、ボリュームダウンボタン3fdを「ダウンボタン3fd」と呼ぶ。
図14に示されるように、ステップs21において電子機器1がスリープモードで動作する場合に、ステップs22において、制御部100が、ダウンボタン3fdが長押し操作されたと判定すると、ステップs23において、スリープモードが解除する。その後、ステップs24において、制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されているか否かを判定する。言い換えれば、制御部100は、電源ボタン3aに指が触れているか否かを判定する。このとき、電源ボタン3aは、ユーザの指で触れられていれば良く、ユーザの指で押されていても良いし、ユーザの指で押されていなくても良い。
ステップs24において、制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されていないと判定すると、ステップs25において電子機器1の動作モードがロックモードになり、ステップs26において、制御部100は表示部220にロック画面を表示させる。このときのロック画面は、上述のステップs6で表示されるロック画面と同様である。
ロック画面が表示されると、ステップs27において、制御部100は、指紋検出待ち状態となり、指紋センサ140で指紋が検出されたか否かを判定する。制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されたと判定すると、ステップs28においてユーザ認証を行う。制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されたと判定するまで、ステップs27を繰り返し実行する。
ステップs28でのユーザ認証が終了すると、制御部100は、ステップs29において、ユーザ認証に成功したか否かを判定する。制御部100は、ユーザ認証が成功したと判定すると、ステップs30において、ロックモードを解除し、ステップs31において、電子機器1の動作モードをオリジナルマナーモードに設定する。このとき、電子機器1には、所定の画面(例えばホーム画面)が表示される。
一方で、制御部100は、ユーザ認証が失敗したと判定すると、ステップs32において、ユーザ認証の失敗を通知するための認証失敗通知情報を含むロック画面を表示部220に表示させる。このロック画面は、上述のステップs13で表示されるロック画面と同様である。
ステップs32の後、制御部100は、再度指紋検出待ちとなり、ステップs27が実行される。以後、電子機器1は同様に動作する。
ステップs24において、指紋センサ140で指紋が検出されていると判定されると、ステップs33において、電子機器1の動作モードがオリジナルマナーモードに設定されるとともに、ユーザ認証が実行される。ステップs33では、電子機器1の動作モードがオリジナルマナーモードに設定された後にユーザ認証が開始しても良いし、ユーザ認証が開始した後に電子機器1の動作モードがオリジナルマナーモードに設定されても良い。また、ユーザ認証の開始と、オリジナルマナーモードの設定とが同時であっても良い。
ステップs33でのユーザ認証が終了すると、ステップs34において、制御部100は、ユーザ認証が成功したか否かを判定する。制御部100は、ユーザ認証が成功したと判定すると、ステップs35において、表示部220に所定の画面を表示させる。ステップs35では、例えば、ホーム画面が表示される。
一方で、制御部100は、ユーザ認証が失敗したと判定すると、ステップs36において、オリジナルマナーモードの設定が解除され、ステップs37において、電子機器1の動作モードがロックモードに設定される。電子機器1の動作モードがロックモードになると、ステップs38において、制御部100は、ステップs32と同様に、認証失敗通知情報を含むロック画面を表示部220に表示させる。これにより、表示領域20の状態は、表示を行っていない状態から、直接、ロック画面を表示する状態に変化する。
ステップs38の後、制御部100は、指紋検出待ちとなり、ステップs27が実行される。以後、電子機器1は同様に動作する。
以上のように、電子機器1では、ダウンボタン3fdが長押し操作された場合に指紋センサ140で指紋が検出されていないときには、ロック画面が表示される。したがって、ユーザが、電源ボタン3aを指で触れていない状態でダウンボタン3fdが長押し操作すると、電子機器1はロック画面を表示する。そして、電子機器1では、ロック画面が表示されている状態で、指紋センサ140で指紋が検出されたときには、ユーザ認証が開始し、ユーザ認証が成功すると、動作モードがオリジナルマナーモードに設定される。したがって、ユーザが、ロック画面を表示している電子機器1の電源ボタン3aを指で触れると、電子機器1はユーザ認証を開始し、ユーザ認証が成功すると、動作モードをオリジナルマナーモードに設定する。つまり、ユーザが、ロック画面を表示している電子機器1の電源ボタン3aを指で触れると、電子機器1はユーザ認証を開始し、ユーザ認証が成功すると、ダウンボタン3fdに割り当てられている機能を実行する。
一方で、電子機器1では、ダウンボタン3fdが長押し操作された場合に指紋センサ140で指紋が検出されているとき、制御部100が、ユーザ認証と、オリジナルマナーモードの設定とを行う。したがって、ユーザが、電源ボタン3aを指で触れた状態でダウンボタン3fdを操作すると、制御部100は、ユーザ認証とオリジナルマナーモードの設定とを行う。つまり、ユーザが、電源ボタン3aを指で触れた状態でダウンボタン3fdを操作すると、制御部100は、ユーザ認証と、操作されたダウンボタン3fdに割り当てられている機能の実行とを行う。
このように、ユーザが、電源ボタン3aを指で触れていない状態でダウンボタン3fdを操作する場合には、ユーザ認証とオリジナルマナーモードの設定とを電子機器1に行わせるためには、ユーザは、ダウンボタン3fdを操作し、その後、電子機器1にロック画面が表示された後に電源ボタン3aを指で触る必要がある。
これに対して、ユーザが、電源ボタン3aを指で触っている状態でダウンボタン3fdを操作する場合には、電子機器1においては、ダウンボタン3fdが操作されたとき、ユーザ認証とオリジナルマナーモードの設定とが行われる。つまり、ユーザは、電子機器1に、ユーザ認証とオリジナルマナーモードの設定とを行わせるためには、電源ボタン3aを指で触っている状態でダウンボタン3fdを操作すれば良く、電子機器1に対する操作が1回で済む。したがって、電子機器1の操作性が向上する。
記憶部103に、正規のユーザの右手親指の指紋に対応する基準特徴点が記憶されている場合には、図13に示されるように、スリープモードの電子機器1を右手400Rで持つ正規のユーザが、右手親指400RTで電源ボタン3aを触れた状態で、右手人差し指400RIでダウンボタン3fdを長押し操作すると、電子機器1は、ロックモードとならずに、動作モードをオリジナルマナーモードに設定する。
<第2変形例:操作ボタンに割り当てられている機能の実行の取り止め>
上述の図7のステップs14で開始したユーザ認証の実行中に、図15に示されるように、電源ボタン3aから指が離れた場合には、制御部100は、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行を取り止めても良い。つまり、制御部100は、ユーザ認証の実行中に、指紋センサ140が指紋を検出しなくなった場合に、アプリ実行ボタン3bに割り当てられている機能の実行を取り止めても良い。このとき、制御部100は、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行を取り止めたことをユーザに通知する通知画面460を表示部220に表示させても良い。図16は通知画面460の一例を示す図である。電子機器1では、アプリケーションの実行が取り止められると、ステップs5,s6が実行されて、ロック画面が表示される。通知画面460が表示される場合には、例えば、通知画面460が一定時間表示された後に、ロック画面が表示される。以後、電子機器1はステップs7以降の処理を同様に動作する。なお、図15には、電源ボタン3aを触る右手親指400RTが電源ボタン3aから離れる様子が示されている。
このように、ユーザ認証の実行中に電源ボタン3aから指が離れた場合に、制御部100が、アプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行を取り止めることによって、ユーザは、ユーザ認証の実行中に電源ボタン3aから指を離すことによって、電子機器1に、操作したアプリ実行ボタン3bに割り当てられているアプリケーションの実行を取り止めさせることができる。つまり、ユーザは、ユーザ認証の実行中に電源ボタン3aから指を離すことによって、アプリ実行ボタン3bに対する操作をキャンセルすることができる。したがって、ユーザは簡単な操作でアプリ実行ボタン3bに対する操作をキャンセルすることができる。よって、電子機器1の操作性が向上する。
同様に、上述の図14のステップs33で開始したユーザ認証の実行中に、図17に示されるように、電源ボタン3aから指が離れた場合には、制御部100は、オリジナルマナーモードの設定を取り止めても良い。つまり、制御部100は、ユーザ認証の実行中に、指紋センサ140が指紋を検出しなくなった場合に、ダウンボタン3fdに割り当てられている機能の実行を取り止めても良い。このとき、制御部100は、オリジナルマナーモードの設定を取り止めたことをユーザに通知する通知画面470を表示部220に表示させても良い。図18は通知画面470の一例を示す図である。電子機器1では、オリジナルマナーモードの設定が取り止められると、ステップs25,s26が実行されて、ロック画面が表示される。通知画面470が表示される場合には、例えば、通知画面470が一定時間表示された後に、ロック画面が表示される。以後、電子機器1はステップs27以降の処理を同様に動作する。なお、図17には、電源ボタン3aを触る右手親指400RTが電源ボタン3aから離れる様子が示されている。
このように、ユーザ認証の実行中に電源ボタン3aから指が離れた場合に、制御部100が、オリジナルマナーモードの設定を取り止めることによって、ユーザは、ユーザ認証の実行中に電源ボタン3aから指を離すことによって、電子機器1に、オリジナルモードの設定を取り止めさせることができる。つまり、ユーザは、ユーザ認証の実行中に、電源ボタン3aから指を離すことによって、ダウンボタン3fdに対する操作をキャンセルすることができる。したがって、ユーザは簡単な操作でダウンボタン3fdに対する操作をキャンセルすることができる。よって、電子機器1の操作性が向上する。
<第3変形例:電子機器の持ち方の検出>
電子機器1では、制御部100が、指紋センサ140での指紋検出結果に基づいて、ユーザの電子機器1の持ち方を判定しても良い。
例えば、上記の例のように、記憶部103に、右手親指の基準特徴点と、左手人差し指の基準特徴点とが記憶されている場合には、制御部100は、指紋センサ140での指紋検出結果に基づいて、ユーザが電子機器1を右手で持っているか、左手で持っているかを判定することができる。具体的には、制御部100は、指紋センサ140から出力される指紋画像から抽出した特徴点(抽出特徴点)が、記憶部103内の右手親指の基準特徴点に類似する場合には、上述の図9に示されるように、ユーザ(正規のユーザ)が電子機器1を右手で持っていると判定する。一方で、制御部100は、抽出特徴点が、記憶部103内の左手人差し指の基準特徴点に類似する場合には、上述の図10に示されるように、ユーザ(正規のユーザ)が電子機器1を左手で持っていると判定する。
また制御部100は、ユーザが電子機器1を、電子機器1の背面1b側から片手で持っているか、電子機器1の前面1a側から片手で持っているかを判定することも可能である。言い換えれば、制御部100は、ユーザが電子機器1を、電子機器1の背面1bと手の平が対向するように片手で持っているか、電子機器1の前面1aと手の平が対向するように片手で持っているかを判定することも可能である。以下にこの点について詳細に説明する。
上述の図9,10等には、ユーザが電子機器1を、電子機器1の背面1b側から片手で持っている様子が示されている。図19は、ユーザが電子機器1を、電子機器1の前面1a側から片手(具体的には右手400R)で持っている様子を示す図である。図19の例では、ユーザは、例えば、右手人差し指400RIで電源ボタン3aを触った状態で、右手親指400RTでアプリ実行ボタン3bを操作する。
ユーザが電子機器1を、電子機器1の背面1b側から持っているか、電子機器1の前面1a側から持っているかを制御部100が判定する場合には、例えば、ユーザが電子機器1を右手で持つことを想定して、記憶部103には、右手親指の基準特徴点と、右手人差し指の基準特徴点とが記憶される。制御部100は、抽出特徴点が、記憶部103内の右手親指の基準特徴点に類似する場合には、図9に示されるように、ユーザ(正規のユーザ)が電子機器1を、電子機器1の背面1b側から片手で持っていると判定する。一方で、制御部100は、抽出特徴点が、記憶部103内の右手人差し指の基準特徴点に類似する場合には、図19に示されるように、ユーザ(正規のユーザ)が電子機器1を、電子機器1の前面1a側から片手で持っていると判定する。
また、ユーザが電子機器1を左手で持つことを想定して、記憶部103には、左手親指の基準特徴点と、左手人差し指の基準特徴点とが記憶されても良い。この場合には、制御部100は、抽出特徴点が、記憶部103内の左手人差し指の基準特徴点に類似する場合には、図10に示されるように、ユーザが電子機器1を、電子機器1の背面1b側から片手で持っていると判定する。一方で、制御部100は、抽出特徴点が、記憶部103内の左手親指の基準特徴点に類似する場合には、ユーザが電子機器1を、電子機器1の前面1a側から片手で持っていると判定する。
また、ユーザが電子機器1を右手で持っているのか、左手で持っているのかを区別するために、記憶部103には、右手親指の基準特徴点と、右手人差し指の基準特徴点と、左手親指の基準特徴点と、左手人差し指の基準特徴点とが記憶されても良い。この場合には、制御部100は、抽出特徴点が、記憶部103内の右手親指の基準特徴点に類似する場合には、ユーザが電子機器1を、電子機器1の背面1b側から右手で持っていると判定する。また、制御部100は、抽出特徴点が、記憶部103内の右手人差し指の基準特徴点に類似する場合には、ユーザが電子機器1を、電子機器1の前面1a側から右手で持っていると判定する。また、制御部100は、抽出特徴点が、記憶部103内の左手人差し指の基準特徴点に類似する場合には、ユーザが電子機器1を、電子機器1の背面1b側から左手で持っていると判定する。そして、制御部100は、抽出特徴点が、記憶部103内の左手親指の基準特徴点に類似する場合には、ユーザが電子機器1を、電子機器1の前面1a側から左手で持っていると判定する。
制御部100がユーザの電子機器1の持ち方を判定する場合には、指紋センサ140は、電源ボタン3aを触る指の指紋だけではなく、操作ボタン3bを触る指の指紋を検出しても良い。この場合には、制御部100は、指紋センサ140で検出された、電源ボタン3aを触る指の指紋を示す指紋画像と、指紋センサ140で検出された、操作ボタン3bを触る指の指紋を示す指紋画像とに基づいて、ユーザの電子機器1の持ち方を判定する。以後、説明の便宜上、指紋センサ140で検出される、電源ボタン3aを触る指の指紋を示す指紋画像を「右側指紋画像」と呼ぶ。また、指紋センサ140で検出される、操作ボタン3bを触る指の指紋を示す指紋画像を「左側指紋画像」と呼ぶ。
制御部100が、右側指紋画像及び左側指紋画像に基づいて、ユーザの電子機器1の持ち方を判定する場合には、記憶部103には、例えば、右手親指の基準特徴点と、右手人差し指の基準特徴点と、左手親指の基準特徴点と、左手人差し指の基準特徴点とが記憶される。制御部100は、右側指紋画像から抽出した特徴点(「右側抽出特徴点」と呼ぶ)と、左側指紋画像から抽出した特徴点(以後、「左側抽出特徴点」と呼ぶ)とに基づいてユーザの電子機器1の持ち方を判定する。具体的には、制御部100は、右側抽出特徴点が記憶部103内の右手親指の基準特徴点に類似し、かつ左側抽出特徴点が記憶部103内の右手人差し指の基準特徴点に類似する場合には、ユーザが電子機器1を、電子機器1の背面1b側から右手で持っていると判定する。制御部100は、右側抽出特徴点が記憶部103内の左手人差し指の基準特徴点に類似し、かつ左側抽出特徴点が記憶部103内の左手親指の基準特徴点に類似する場合には、ユーザが電子機器1を、電子機器1の背面1b側から左手で持っていると判定する。制御部100は、右側抽出特徴点が記憶部103内の右人差し指の基準特徴点に類似し、かつ左側抽出特徴点が記憶部103内の右手親指の基準特徴点に類似する場合には、ユーザが電子機器1を、電子機器1の前面1a側から右手で持っていると判定する。そして、制御部100は、右側抽出特徴点が記憶部103内の左手親指の基準特徴点に類似し、かつ左側抽出特徴点が記憶部103内の左手人差し指の基準特徴点に類似する場合には、ユーザが電子機器1を、電子機器1の前面1a側から左手で持っていると判定する。
このように、指紋センサ140が、電源ボタン3aを触る指の指紋と、操作ボタン3bを触る指の指紋とを検出する場合には、ユーザの電子機器1の持ち方をより正しく判定することができる。
なお、上述の第1変形例においても、同様にして、制御部100は、指紋センサ140での指紋検出結果に基づいて、ユーザの電子機器1の持ち方を判定することができる。また、上記と同様に、指紋センサ140が、電源ボタン3aを触る指の指紋と、ボリュームダウンボタン3fdを触る指の指紋とを検出できるように、当該指紋センサ140を構成し、制御部100が、指紋センサ140で検出される、電源ボタン3aを触る指の指紋及びボリュームダウンボタン3fdを触る指の指紋に基づいて、ユーザの電子機器1の持ち方を判定しても良い。
また、制御部100は、ユーザの電子機器1の持ち方を判定する場合には、その持ち方に応じて操作ボタン3bに割り当てる機能を決定しても良い。例えば、制御部100は、ユーザの電子機器1の持ち方に応じて、操作ボタン3bに割り当てるアプリケーションを決定しても良い。制御部100が、ユーザが電子機器1を右手でもっているか、左手で持っているか判定する場合には、制御部100は、ユーザが電子機器1を右手で持っていると判定すると、操作ボタン3bに対して、例えばブラウザを割り当て、ユーザが電子機器1を左手で持っていると判定すると、操作ボタン3bに対して、例えば、メールアプリケーションを割り当てる。これにより、ユーザは、電子機器1を持つ手を変えることによって、操作ボタン3bが操作されたときに電子機器1で実行されるアプリケーションを変更することができる。上述の図7のフローチャートでは、例えば、ステップs14及びステップs8において、制御部100は、ユーザの電子機器1の持ち方を判定し、判定した持ち方に応じて操作ボタン3bに割り当てる機能を決定する。
また、制御部100が、ユーザが電子機器1を、背面1b側から片手で持っているか、前面1a側から片手で持っているかを判定する場合には、制御部100は、ユーザが電子機器1を、背面1b側から片手で持っていると判定すると、操作ボタン3bに対して、例えばカメラアプリケーションを割り当て、ユーザが電子機器1を、前面1a側から片手で持っていると判定すると、操作ボタン3bに対して、例えば音楽再生制御アプリケーションを割り当てる。これにより、ユーザは、電子機器1を片手で持つ場合に、背面1b側から持つか、前面1a側から持つかを変えることによって、操作ボタン3bが操作されたときに電子機器1で実行されるアプリケーションを変更することができる。
また、制御部100が、ユーザが電子機器1を、背面1b側から右手で持っているか、前面1a側から右手で持っているか、背面1b側から左手で持っているか、前面1a側から左手で持っているかを判定する場合には、制御部100は、操作ボタン3bに対して、ユーザが電子機器1を背面1b側から右手で持っていると判定すると例えばカメラアプリケーションを割り当て、ユーザが電子機器1を前面1a側から右手で持っていると判定すると例えば音楽再生制御アプリケーションを割り当てる。そして、制御部100は、操作ボタン3bに対して、ユーザが電子機器1を背面1b側から左手で持っていると判定すると例えばブラウザを割り当て、ユーザが電子機器1を前面1a側から左手で持っていると判定すると例えばメールアプリケーションを割り当てる。これにより、ユーザは、電子機器1を持つ手及び電子機器1を背面1b側から持つか否かを変えることによって、操作ボタン3bが操作されたときに電子機器1で実行されるアプリケーションを変更することができる。
また、第1変形例において、制御部100がユーザの電子機器1の持ち方を判定する場合であっても、制御部100は、ユーザの電子機器1の持ち方に応じて、ダウンボタン3fdに割り当てる機能を決定しても良い。例えば、制御部100が、ユーザが電子機器1を右手でもっているか、左手で持っているか判定する場合には、制御部100は、ダウンボタン3fdに対して、ユーザが電子機器1を右手で持っていると判定すると、オリジナルマナーモードの設定を割り当て、ユーザが電子機器1を左手で持っていると判定すると、電子機器1において予め定められているマナーモードの設定を割り当てる。これにより、ユーザは、電子機器1を持つ手を変化させることによって、ダウンボタン3fdが長押し操作されたときに電子機器1に設定されるマナーモードの種類を変更することができる。
<第4変形例:他の場面でのユーザ認証>
上記の例では、ユーザ認証は、ロックモードが解除される場面等で実行されていたが、ユーザ認証は他の場面で実行されても良い。以下に、ユーザ認証が実行される場面の各種例について説明する。
<アプリケーションアイコン操作>
図20は本変形例に係る電子機器1の動作を示すフローチャートである。本変形例では、ユーザは、表示領域20を操作することによって、電子機器1での所定のアプリケーションの実行を制限することができる。電子機器1において、アプリケーションの実行が制限されている場合には、ユーザ認証に成功したときにだけ、当該アプリケーションに応じたアプリ実行画面が表示領域20に表示される。以後、実行が制限されているアプリケーションを「制限アプリケーション」と呼ぶ。また、制限アプリケーションに対応するアプリケーションアイコンを「制限アプリケーションアイコン」と呼ぶ。
電子機器1に上述のホーム画面300が表示されている場合に、図20に示されるように、ステップs41において、制御部100は、制限アプリケーションアイコン305がタップ操作されたと判定すると、ステップs42において、指紋センサ140で指紋が検出されているか否かを判定する。このとき、電源ボタン3aは、ユーザの指で触れられていれば良く、ユーザの指で押されていても良いし、ユーザの指で押されていなくても良い。
ステップs42において、制御部100が、指紋センサ140で指紋が検出されていないと判定すると、ステップs43において、ユーザ認証が必要であることを通知する通知画面500が重ねられたホーム画面300を、表示部220に表示させる。図21は通知画面500の一例を示す図である。通知画面500には、タップ操作された制限アプリケーションアイコン305に対応する制限アプリケーションの実行にはユーザ認証が必要であることを通知する通知情報501と、ユーザ認証のために電源ボタン3aを触ることをユーザに指示する指示情報502とが含まれている。
通知画面500が表示されると、ステップs44において、制御部100は、指紋検出待ち状態となり、指紋センサ140で指紋が検出されたか否かを判定する。制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されたと判定すると、ステップs45において、上記と同様にしてユーザ認証を行う。制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されたと判定するまで、ステップs44を繰り返し実行する。
ステップs45でのユーザ認証が終了すると、制御部100は、ステップs46において、ユーザ認証に成功したか否かを判定する。制御部100は、ユーザ認証が成功したと判定すると、ステップs47において、操作された制限アプリケーションアイコン305に対応する制限アプリケーションを実行する。そして、制御部100は、表示部220に、通知画面500が重ねられたホーム画面300の替りに、実行中の制限アプリケーションに応じたアプリ実行画面を表示させる。
一方で、制御部100は、ステップs46においてユーザ認証が失敗したと判定すると、ステップs49において、ユーザ認証の失敗を通知するための通知画面510が重ねられたホーム画面300を表示部220に表示させる。図22は、通知画面510の一例を示す図である。通知画面510には、ユーザ認証が失敗したことを通知するための認証失敗通知情報511と、電源ボタン3aを再度触ることを促す情報512とが含まれている。
ステップs49の後、制御部100は、再度指紋検出待ちとなり、ステップs44が実行される。以後、電子機器1は同様に動作する。
なお、制御部100が指紋検出待ち状態のときに、表示領域20が操作されると、指紋検出待ち状態が解除されて、表示領域20には図5に示されるホーム画面300が表示される。
ステップs42において、制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されていると判定すると、ステップs50において、タップ操作された制限アプリケーションアイコン305に対応する制限アプリケーションの実行と、ユーザ認証とを開始し、制限アプリケーションの実行とユーザ認証とを並行して行う。言い換えれば、制御部100は、タップ操作された制限アプリケーションアイコン305に割り当てられている機能の実行とユーザ認証とを並行して行う。
ステップs50でのユーザ認証が終了すると、ステップs51において、制御部100は、ユーザ認証が成功したか否かを判定する。制御部100は、ユーザ認証が成功したと判定すると、ステップs52において、実行中の制限アプリケーションに応じたアプリ実行画面を表示部220に表示させる。これにより、表示領域20の状態は、図5のホーム画面300を表示する状態から、図21の通知画面500を表示する状態とならずに、アプリ実行画面を表示する状態に変化する。
一方で、制御部100は、ステップs51においてユーザ認証が失敗したと判定すると、ステップs53において、タップ操作された制限アプリケーションアイコン305に対応する制限アプリケーションの実行を停止し、上述のステップs49が実行される。これにより、図22に示されるように、通知画面510が重ねられたホーム画面300が表示領域20に表示される。
ステップs49の後、制御部100は、指紋検出待ちとなり、ステップs44が実行される。以後、電子機器1は同様に動作する。
以上のように、本変形例では、ソフトウェアボタンである制限アプリケーションアイコン305が操作された場合に指紋センサ140で指紋が検出されているとき、制御部100が、ユーザ認証と、操作された制限アプリケーションアイコン305に対応する制限アプリケーションの実行とを行う。したがって、ユーザが、電源ボタン3aを指で触れた状態で制限アプリケーションアイコン305を操作すると、制御部100は、ユーザ認証と、制限アプリケーションアイコン305に対応する制限アプリケーションの実行とを行う。よって、上記と同様に、電子機器1の操作性が向上する。ユーザは、図23に示されるように、例えば、右手親指400RTが電源ボタン3aに接触するように電子機器1をその背面1b側から右手400Rで持った状態で、左手人差し指400LTで制限アプリケーションアイコン305に対してタップ操作を行うことによって、電子機器1に、ユーザ認証と、制限アプリケーションの実行とを実行させることができる。
<電子決済>
図24は本変形例に係る電子機器1の構成を示す図である。図25は本変形例に係る電子機器1の動作を示すフローチャートである。
本変形例に係る電子機器1には、アンテナ251を有する無線通信部250が設けられている。無線通信部250は、アンテナ251を使用して、例えば、NFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信を行う。無線通信部250の通信エリアは、無線通信部110の通信エリアよりも小さくなっている。電子機器1は、無線通信部250を利用して電子決済を行う機能を有している。無線通信部250は、電子機器1の機器ケース2内において、背面1bの近くに配置されている。アプリ実行ボタン3bに対しては、電子決済を行うための電子決裁アプリケーションが割り当てられている。電子決済アプリケーションは記憶部103に記憶されている。
本変形例では、ユーザは、店舗等に配置された、電子機器1との間で電子決済を行うための通信を行う装置(以後、「相手側装置」と呼ぶ)に対して、非ロックモードの電子機器1の背面1bを近づけた状態で(当該装置に電子機器1をかざした状態で)、アプリ実行ボタン3bを操作することによって、電子機器1に、相手側装置との間で電子決裁を実行させることができる。ユーザは、電子機器1に電子決済を実行させる場合には、例えば、上述の図19に示されるように、電子機器1をその前面1a側から片手で持った状態で、電子機器1の背面1bを相手側装置に近づける。電子機器1においては、ユーザ認証が成功した場合に電子決裁が実行される。つまり、電子機器1では、電子決済のためにユーザ認証が実行される。
図25に示されるように、ステップs61において電子機器1が非ロックモードである場合に、ステップs62において、制御部100は、アプリ実行ボタン3bが操作されたと判定すると、ステップs63において、指紋センサ140で指紋が検出されているか否かを判定する。このとき、電源ボタン3aは、ユーザの指で触れられていれば良く、ユーザの指で押されていても良いし、ユーザの指で押されていなくても良い。
ステップs63において、制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されていないと判定すると、ステップs64において、電子決済アプリケーションを実行する。そして、ステップs65において、制御部100は、電子決裁アプリケーションに応じたアプリ実行画面を表示部220に表示させる。このとき、アプリ実行画面には、ユーザ認証が必要であることを通知する通知画面が重ねられる。この通知画面には、上述の図21と同様に、例えば、電子決済の実行にはユーザ認証が必要であることを通知する通知情報と、ユーザ認証のために電源ボタン3aを触ることをユーザに指示する指示情報とが含められる。
ステップs65の後、制御部100は、指紋検出待ち状態となり、ステップs66において、指紋センサ140で指紋が検出されたか否かを判定する。制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されたと判定すると、ステップs67においてユーザ認証を行う。制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されたと判定するまで、ステップs66を繰り返し実行する。
ステップs67でのユーザ認証が終了すると、制御部100は、ステップs68において、ユーザ認証に成功したか否かを判定する。制御部100は、ユーザ認証が成功したと判定すると、ステップs69において、無線通信部250を相手側装置と無線通信させて、相手側装置と間で電子決済を行う。
一方で、制御部100は、ユーザ認証が失敗したと判定すると、ステップs70において、ユーザ認証の失敗を通知するための通知画面510(図22参照)が重ねられたアプリ実行画面を表示部220に表示させる。
ステップs70の後、制御部100は、再度指紋検出待ちとなり、ステップs66が実行される。以後、電子機器1は同様に動作する。
ステップs63において、制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されていると判定すると、ステップs71において、電子決済アプリケーションの実行と、ユーザ認証とを開始し、電子決済アプリケーションの実行とユーザ認証とを並行して行う。そして、ステップs72において、制御部100は、電子決済アプリケーションに応じたアプリ実行画面を表示部220に表示させる。
ステップs71でのユーザ認証が終了すると、ステップs73において、制御部100は、ユーザ認証が成功したか否かを判定する。制御部100は、ユーザ認証が成功したと判定すると、ステップs74において、無線通信部250を相手側装置と無線通信させて、相手側装置と間で電子決済を行う。
一方で、制御部100は、ユーザ認証が失敗したと判定すると、ステップs70を実行して、通知画面510が重ねられたアプリ実行画面を表示部220に表示させる。ステップs70の後、制御部100は、指紋検出待ちとなり、ステップs66が実行される。以後、電子機器1は同様に動作する。
以上のように、本変形例では、電子決済アプリケーションが割り当てられたアプリ実行ボタン3bが操作された場合に指紋センサ140で指紋が検出されているとき、制御部100が、ユーザ認証と、電子決済アプリケーションの実行とを行う。したがって、ユーザが、電源ボタン3aを指で触れた状態でアプリ実行ボタン3bを操作すると、制御部100は、ユーザ認証と電子決済アプリケーションの実行とを行う。よって、上記と同様に、電子機器1の操作性が向上する。ユーザは、図19に示されるように、例えば、右手人差し指400RIが電源ボタン3aに触れるように、非ロックモードの電子機器1をその前面1a側から右手400Rで持った状態で、右手親指400RTで操作ボタン3bを操作することによって、電子機器1に、ユーザ認証と電子決済アプリケーションの実行とを行わせることができる。
なお、本変形例では、上述のように、電子決済で利用される無線通信部250が、機器ケース2内において背面1bの近くに配置されている。したがって、ユーザは、背面1bを相手側装置に近づけ易くするために、図19のように、電子機器1をその前面1a側から片手で持つ可能で高い。この点に鑑み、制御部100は、ユーザが電子機器1を、前面1a側から片手で持っていると判定した場合には、電子決済アプリケーションを操作ボタン3bに割り当て、ユーザが電子機器1を、背面1b側から片手で持っていると判定した場合には、電子決済アプリケーション以外のアプリケーションを操作ボタン3bに割り当てても良い。これにより、ユーザが電子機器1を前面1a側から片手で持つようになった場合には、操作ボタン3bに割り当てられるアプリケーションが電子決済アプリケーションに自動的に変更されるようになる。よって、操作ボタン3bに対して複数のアプリケーションを割り当てつつ、電子機器1の操作性が向上する。
<プライベートフォルダへのアクセス>
本変形例に係る電子機器1では、制御部100は、カメラでの撮影画像をフォルダに保存することが可能である。撮像画像が保存されるフォルダには、ユーザ認証が成功した場合だけアクセス可能なプライベートフォルダが存在する。以後、プライベートフォルダとは異なり、それに対するアクセスにユーザ認証が必要でないフォルダを「通常フォルダ」と呼ぶ。
制御部100は、例えばカメラプリケーションの実行中に、表示領域20が操作されることによってユーザからプライベートフォルダへのアクセスが指示されると、上述の図21と同様の、ユーザ認証が必要であることをユーザへ通知する通知画面500を、カメラアプリケーションに応じたアプリ実行画面に重ねて表示部220に表示させる。その後、制御部100は、指紋検出待ちとなり、指紋センサ140で指紋が検出されると、ユーザ認証を行う。制御部100は、ユーザ認証に成功すると、ユーザからに指示に従ってプライベートフォルダにアクセスする。例えば、制御部100は、プライベートフォルダへの画像の保存がユーザから指示されると、プライベートフォルダに画像を保存する。また、制御部100は、プライベートフォルダ内の画像の表示がユーザから指示されると、プライベートフォルダ内の画像を表示部220に表示させる。一方で、制御部100は、ユーザ認証に失敗すると、上述の図22と同様の、ユーザ認証に失敗したことを通知する通知画面510を、カメラアプリケーションに応じたアプリ実行画面に重ねて表示部220に表示させる。
また本変形例では、制御部100は、カメラでの撮影が実行される際に、電源ボタン3aが指で触られている場合には、プライベートフォルダにアクセスするためのユーザ認証を行う。そして、ユーザ認証が成功した場合には、カメラでの撮影画像をプライベートフォルダに保存する。一方で、ユーザ認証に失敗した場合と、カメラでの撮影が実行される際に電源ボタン3aが指で触られていない場合には、カメラでの撮影画像を通常フォルダに保存する。本変形例では、カメラアプリケーションの実行中では、操作ボタン3bがシャッターボタンとして機能する。図26は本変形例に係る電子機器1の動作を示す図である。
図26に示されるように、ステップs81において、制御部100は、シャッターボタンとして機能する操作ボタン3bが操作されたと判定すると、ステップs82において、指紋センサ140で指紋が検出されているか否かを判定する。このとき、電源ボタン3aは、ユーザの指で触れられていれば良く、ユーザの指で押されていても良いし、ユーザの指で押されていなくても良い。
ステップs82において、制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されていないと判定すると、ステップs83において、カメラ(インカメラ180あるいはアウトカメラ190)に画像を撮像させる。そして、ステップs84において、制御部100は、カメラで撮影された画像を通常フォルダに保存する。
一方で、ステップs82において、制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されていると判定すると、ステップs85において、カメラに画像を撮影させるとともに、ユーザ認証を行う。そして、ステップs85でのユーザ認証が終了すると、ステップs86において、制御部100は、ユーザ認証に成功したか否かを判定する。制御部100は、ユーザ認証が成功したと判定すると、ステップs87において、カメラでの撮影画像をプライベートフォルダに保存する。一方で、制御部100は、ユーザ認証に失敗したと判定すると、ステップs84を実行して、カメラでの撮影画像を通常フォルダに保存する。
このように、本変形例では、シャッターボタンが操作されたときに、指紋センサ140で指紋が検出されている場合には、制御部100は、カメラに画像を撮影させるとともに、ユーザ認証を行う。したがって、ユーザが、電源ボタン3aを指で触れた状態でシャッターボタン(操作ボタン3b)を操作すると、制御部100は、ユーザ認証と、カメラに画像を撮影させることとを実行する。よって、電子機器1の操作性が向上する。
アウトカメラ190で画像が撮影される場合には、ユーザは、図27に示されるように、例えば、右手親指400RT及び右手人差し指400RIが電源ボタン3a及び操作ボタン3bにそれぞれ触れるように、カメラアプリケーション実行中の電子機器1を右手400Rで持った状態で、右手人差し指400RIで操作ボタン3bを操作する。これにより、電子機器1は、ユーザ認証と、カメラでの画像の撮影とを行う。
なお、ユーザが電源ボタン3aを指で触れた状態で、カメラアプリケーションに対応するアプリケーションアイコン305に対してタップ操作を行った場合に、制御部100は、カメラアプリケーションの実行と、プライベートフォルダへのアクセスのためのユーザ認証とを並行して行っても良い。具体的には、制御部100は、カメラアプリケーションに対応するアプリケーションアイコンに対してタップ操作が行われたと判定すると、指紋センサ140で指紋が検出されているか否かを判定する。制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されていないと判定する場合には、カメラアプリケーションを実行する。一方で、制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されていると判定する場合には、カメラアプリケーションの実行と、ユーザ認証とを並行して行う。制御部100は、ユーザ認証が成功すると、カメラアプリケーション実行中のプライベートフォルダへのアクセスを許可する。つまり、制御部100は、カメラアプリケーションの実行中に、ユーザから、プライベートフォルダへのアクセス指示が入力されると、ユーザ認証を実行することなく、当該アクセス指示に応じてプライベートフォルダにアクセスする。また、制御部100は、ユーザ認証が失敗すると、カメラアプリケーションを実行する。このとき、制御部100は、カメラアプリケーション実行中のプライベートフォルダへのアクセスを許可しない。したがって、ユーザ認証が失敗した場合には、制御部100は、カメラアプリケーションの実行中に、ユーザから、プライベートフォルダへのアクセス指示が入力されると、上記のように、ユーザ認証が必要であることをユーザへ通知する通知画面500を、カメラアプリケーションに応じたアプリ実行画面に重ねて表示部220に表示させる。その後、制御部100は、指紋検出待ちとなり、指紋センサ140で指紋が検出されると、ユーザ認証を行う。以後、制御部100は上記と同様に動作する。
このように、ユーザが電源ボタン3aを指で触れた状態で、カメラアプリケーションに対応するアプリケーションアイコン305に対してタップ操作を行った場合に、制御部100が、カメラアプリケーションの実行と、プライベートフォルダへのアクセスのためのユーザ認証とを行うことによって、電子機器1の操作性が向上する。
なお、ロックモードの電子機器1の表示領域20に対してユーザが所定の操作を行うと、制御部100は、カメラアプリケーションを実行しても良い。ロックモードの電子機器1がカメラアプリケーションを実行している場合であって、表示領域20にプレビュー画面(「スルー画面」とも呼ばれる)が表示されている場合、制御部100は、ユーザ認証に成功すると、プライベートフォルダ内の画像を表示部220に表示させても良い。
図28は、プレビュー画面を表示する表示領域20に、プライベートフォルダ内の画像が表示されている様子の一例を示す図である。ロックモードの電子機器1がプレビュー画面を表示している場合、ユーザは電源ボタン3aを指で触ると、電子機器1にユーザ認証を実行させることができる。制御部100は、ロックモードの電子機器1がプレビュー画面を表示している場合、指紋センサ140で指紋が検出されると、ユーザ認証を実行する。そして、制御部100は、ユーザ認証に成功すると、プライベートフォルダ内の画像600を表示する。制御部100は、例えば、プライベートフォルダ内の最近撮影された画像600を、図28のように、プレビュー画面に重ねて表示する。一方で、制御部100がユーザ認証に失敗すると、プライベートフォルダに対するアクセスが禁止されている状態が維持され、プライベートフォルダ内の画像は表示領域20に表示されない。
制御部100は、画像600に対して所定の操作(例えばタップ操作)が行われると、表示部220に、プレビュー画面の替りに、画像600を拡大して表示させる。図29は、画像600が指でタップ操作される様子を示す図である。
ロックモードの電子機器1が画像600を拡大して表示している場合に、ユーザが表示領域20に対して例えばスライド操作を行うと、制御部100は、画像600の替りに、プライベートフォルダ内の別の画像を、表示部220に表示させる。図30は、ユーザが表示領域20に対して指でスライド操作を行う様子を示す図である。
<特定ウェブページへのアクセス>
電子機器1が特定のウェブページにアクセスする場合、ユーザ認証が必要とされることがある。例えば、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)では、特定のメンバーだけがアクセス可能なウェブページが存在することがあり、このようなウェブページに電子機器1がアクセスする際には、ユーザ認証が必要とされることがある。以後、アクセスの際にユーザ認証が必要なウェブページを単に「特定ウェブページ」と呼ぶ。
本変形例では、制御部100は、表示領域20が操作されることによってユーザから特定ウェブページへのアクセスが指示されると、上述の図21と同様の、ユーザ認証が必要であることをユーザへ通知する通知画面500を表示部220に表示させる。その後、制御部100は、指紋検出待ちとなり、指紋センサ140で指紋が検出されると、ユーザ認証を行う。制御部100は、ユーザ認証に成功すると、ユーザからに指示に従って特定ウェブページにアクセスする。例えば、制御部100は、特定ウェブページを表示部220に表示させたり、無線通信部110を利用して特定ウェブページに画像をアップロードしたりする。一方で、制御部100は、ユーザ認証に失敗すると、上述の図22と同様の、ユーザ認証に失敗したことを通知する通知画面510を表示部220に表示させる。
また本変形例では、制御部100は、カメラでの撮影が実行される際に、電源ボタン3aが指で触られている場合には、特定ウェブページにアクセスするためのユーザ認証を行う。そして、ユーザ認証が成功した場合には、制御部100は、カメラでの撮影画像を、特定ウェブページにアップロードする。一方で、ユーザ認証に失敗した場合と、カメラでの撮影が実行される際に電源ボタン3aが指で触られていない場合には、制御部100は、カメラでの撮影画像を通常フォルダに保存する。本変形例では、カメラアプリケーションの実行中では、操作ボタン3bがシャッターボタンとして機能する。図31は本変形例に係る電子機器1の動作を示す図である。
図31に示されるように、ステップs91において、制御部100は、シャッターボタンとして機能する操作ボタン3bが操作されたと判定すると、ステップs92において、指紋センサ140で指紋が検出されているか否かを判定する。このとき、電源ボタン3aは、ユーザの指で触れられていれば良く、ユーザの指で押されていても良いし、ユーザの指で押されていなくても良い。
ステップs92において、制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されていないと判定すると、ステップs93において、カメラ(インカメラ180あるいはアウトカメラ190)に画像を撮像させる。そして、ステップs94において、制御部100は、カメラで撮影された画像を通常フォルダに保存する。
一方で、ステップs92において、制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されていると判定すると、ステップs95において、カメラに画像を撮影させるとともに、ユーザ認証を行う。そして、ステップs95でのユーザ認証が終了すると、ステップs96において、制御部100は、ユーザ認証に成功したか否かを判定する。制御部100は、ユーザ認証が成功したと判定すると、ステップs97において、無線通信部110を利用して特定ウェブページにアクセスして、当該特定ウェブページに、カメラでの撮影画像をアップロードする。一方で、制御部100は、ユーザ認証に失敗したと判定すると、ステップs94を実行して、カメラでの撮影画像を通常フォルダに保存する。
このように、本変形例では、シャッターボタンが操作されたときに、指紋センサ140で指紋が検出されている場合には、制御部100は、カメラに画像を撮影させるとともに、ユーザ認証を行う。したがって、ユーザが、電源ボタン3aを指で触れた状態でシャッターボタン(操作ボタン3b)を操作すると、制御部100は、ユーザ認証と、カメラに画像を撮影させることとを実行する。よって、電子機器1の操作性が向上する。
また、正規ユーザが、電源ボタン3aを指で触れた状態でシャッターボタンを操作する場合には、カメラで画像が撮影されるとともに、カメラでの撮影画像がSNS等での特定ウェブページにアップロードされる。
なお、記憶部103には、SNS等の所定ウェブサイトにアクセスするための所定サイト用アプリケーションが記憶されることがある。このような場合には、ユーザが電源ボタン3aを指で触れた状態で、所定サイト用アプリケーションに対応するアプリケーションアイコン305に対してタップ操作を行った際に、制御部100は、所定サイト用アプリケーションの実行と、所定ウェブサイトに含まれる特定ウェブページ(アクセスにユーザ認証が必要なウェブページ)へのアクセスのためのユーザ認証とを並行して行っても良い。具体的には、制御部100は、所定サイト用アプリケーションに対応するアプリケーションアイコンに対してタップ操作が行われたと判定すると、指紋センサ140で指紋が検出されているか否かを判定する。制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されていないと判定する場合には、所定サイト用アプリケーションを実行する。一方で、制御部100は、指紋センサ140で指紋が検出されていると判定する場合には、所定サイト用アプリケーションの実行と、ユーザ認証とを並行して行う。制御部100は、ユーザ認証が成功すると、所定サイト用アプリケーション実行中の、所定ウェブサイトに含まれる特定ウェブページへのアクセスを許可する。つまり、制御部100は、所定サイト用アプリケーションの実行中に、ユーザから、所定ウェブサイトに含まれる特定ウェブページへのアクセス指示が入力されると、ユーザ認証を実行することなく、当該アクセス指示に応じて特定ウェブページにアクセスする。また、制御部100は、ユーザ認証が失敗すると、所定サイト用アプリケーションを実行する。このとき、制御部100は、所定サイト用アプリケーション実行中の、所定ウェブサイトに含まれる特定ウェブページへのアクセスを許可しない。したがって、ユーザ認証が失敗した場合には、制御部100は、所定サイト用アプリケーションの実行中に、ユーザから、所定ウェブサイトに含まれる特定ウェブページへのアクセス指示が入力されると、上記のように、ユーザ認証が必要であることをユーザへ通知する通知画面500を表示部220に表示させる。その後、制御部100は、指紋検出待ちとなり、指紋センサ140で指紋が検出されると、ユーザ認証を行う。以後、制御部100は上記と同様に動作する。
このように、ユーザが電源ボタン3aを指で触れた状態で、所定サイト用アプリケーションに対応するアプリケーションアイコン305に対してタップ操作を行った場合に、制御部100が、所定サイト用アプリケーションの実行と、特定ウェブページへのアクセスのためのユーザ認証とを行うことによって、電子機器1の操作性が向上する。
なお、指紋センサ140は、電子機器1の背面1bに設けられたハードウェアボタン(例えば電源ボタンあるいはホームボタン)を触る指を検出しても良い。この場合には、例えば、ユーザは、電子機器1の背面1bのハードウェアボタンを指で触りながら、操作ボタン3bを操作することによって、電子機器1に、ユーザ認証と、操作ボタン3bに割り当てられている機能の実行とを行わせることができる。また、指紋センサ140は、電子機器1の上側側面1eに設けられたハードウェアボタンを触る指を検出しても良いし、電子機器1の下側側面1fに設けられたハードウェアボタンを触る指を検出しても良い。
また、指紋センサ140は、表示領域20に表示されるソフトウェアボタンを触る指を検出できるように構成されても良い。例えば、指紋センサ140は、ソフトウェアボタンとしてのアイコン、電源ボタンあるいはホームボタンを触る指を検出できるように構成されても良い。この場合には、指紋センサ140は、例えば、タッチパネル130等で構成される。
また、指紋センサ140は、操作ボタンを触れる指の指紋だけではなく、操作ボタンに近接する指の指紋を検出できるように構成されても良い。この場合には、指紋センサ140は、例えば、操作ボタンの表面からレンズが露出するカメラ等で構成される。
また、制御部100は、表示領域20に表示されるソフトウェアボタンに対して、タップ操作以外の操作、例えばスライド操作が行われたとき、当該ソフトウェアボタンに割り当てられる機能を実行しても良い。
また、ユーザの電子機器1の持ち方、ユーザが電子機器1の操作ボタン3を操作する方法は、上記の例には限られない。
また、記憶部103には、複数のユーザの指紋の特徴を示す基準特徴点が記憶されても良い。
また、複数の操作ボタン3の少なくとも一つが、機器ケース2の表面から突出していなくても良い。例えば、複数の操作ボタン3の少なくとも一つにおける、機器ケース2からの露出面が、機器ケース2の表面よりも内側に位置しても良い。図32は、電源ボタン3aにおける、機器ケース2からの露出面3aaが、機器ケース2の表面2a(具体的には右側側面)よりも内側に位置する様子を示す図である。図32には、機器ケース2及び電源ボタン3aの断面構造が示されている。図32では、機器ケース2及び電源ボタン3aの左側が、電子機器1の内側を示し、機器ケース2及び電源ボタン3aの右側が、電子機器1の外側を示している。
また、電子機器1は、スマートフォン等の携帯電話機以外の装置であっても良い。例えば、電子機器1は、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、カメラ、ウェアラブル装置(例えば、メガネ、時計、リストバンドなど)、ヘルスケア製品、自動車関連製品(例えばカーナビゲーション装置など)、シェーバーなどであっても良い。
以上のように、電子機器1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。