JP2017044804A - 画像表示装置 - Google Patents

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古屋 博之
Hiroyuki Furuya
博之 古屋
後藤 博志
Hiroshi Goto
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Abstract

【課題】表示画像の解像度の低下を抑制しつつ、簡易な作業により効果的にスペックルノイズを抑制可能な画像表示装置を提供する。【解決手段】画像表示装置20は、レーザ光を出射する光源と、レーザ光を拡散させるためのスクリーン108と、光源から出射されたレーザ光をスクリーン108に対し走査させる走査部と、スクリーン108で拡散されたレーザ光により虚像を生成する光学系と、を備える。スクリーン108は、光を拡散させるレンズ部402aが縦横に並ぶように配置されたマイクロレンズアレイ402と、マイクロレンズアレイ402に対して光源側に、レーザ光の走査範囲をカバーするように配置されたビーズ集合体403と、を備える。【選択図】図9

Description

本発明は、画像表示装置に関し、たとえば、乗用車等の移動体に搭載して好適なものである。
近年、ヘッドアップディスプレイと称される画像表示装置の開発が進められ、乗用車等の移動体に搭載されている。たとえば、乗用車に搭載されるヘッドアップディスプレイでは、画像情報により変調された光がウインドシールド(フロントガラス)に向けて投射され、その反射光が運転者の目に照射される。これにより、運転者は、ウインドシールドの前方に、画像の虚像を見ることができる。たとえば、車速や外気温等が、虚像として表示される。最近では、ナビゲーション画像や、通行人を注意喚起する画像を虚像として表示することも検討されている。
上記ヘッドアップディスプレイでは、光源として、半導体レーザ等のレーザ光源が用いられ得る。この構成では、映像信号に応じてレーザ光が変調されつつ、レーザ光がスクリーンを走査する。スクリーンでは、レーザ光が拡散され、運転者の目に照射される光の領域が広げられる。これにより、運転者が多少頭を動かしても、目が照射領域から外れなくなり、運転者は、良好かつ安定的に画像(虚像)を見ることができる。
しかしながら、このように光源としてレーザ光源を用いると、レーザ光のコヒーレント性により干渉が起こり、いわゆるスペックルノイズが表示画像に含まれるとの問題が生じる。
これに対し、以下の特許文献1には、マイクロアレイレンズを2枚組み合わせてスペックルノイズを低減する構成が記載されている。
特開2010−145745号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成では、2つのマイクロレンズアレイの位置関係を厳密に調整する必要があった。また、スペックルノイズを抑制する位置に2つのマイクロレンズアレイを配置すると、表示画像の解像度が低下するとの課題が確認された。
かかる課題に鑑み、本発明は、表示画像の解像度の低下を抑制しつつ、簡易な組立作業により効果的にスペックルノイズを抑制可能な画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の主たる態様に係る画像表示装置は、レーザ光を出射する光源と、前記レーザ光が走査されることにより画像が形成されるスクリーンと、前記光源から出射された前記レーザ光を前記スクリーンに対し走査させる走査部と、前記スクリーンを透過した前記レーザ光により虚像を生成する光学系と、を備える。ここで、前記スクリーンは、光を拡散させるレンズ部が縦横に並ぶように配置されたレンズアレイと、前記レンズアレイに対して前記光源側に、前記レーザ光の走査範囲をカバーするように配置されたビーズ集合体と、を備える。
本態様に係る画像表示装置によれば、光源からのレーザ光は、ビーズ集合体によりランダムに拡散された後、レンズアレイに入射する。このため、レンズアレイを透過した後のレーザ光は、光学パスが分離され、互いの位相が揃いにくくなる。よって、干渉によるスペックルノイズの発生を効果的に抑制することができる。また、ビーズ集合体によりレーザ光を拡散させる構成であるため、上記特許文献1のような厳密な位置調整は必要ない。よって、組立時の作業を簡易なものとすることができる。
以上のとおり、本発明によれば、表示画像の解像度の低下を抑制しつつ、簡易な作業により効果的にスペックルノイズを抑制可能な画像表示装置を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
図1(a)、(b)は、実施の形態に係る画像表示装置の使用形態を模式的に示す図、図1(c)は、実施の形態に係る画像表示装置の構成を模式的に示す図である。 図2は、実施の形態に係る画像表示装置の照射光生成部および照射光生成部に用いる回路の構成を示す図である。 図3(a)は、実施の形態に係る駆動部の構成を示す斜視図、図3(b)は、実施の形態に係る駆動部の一部を切断した断面図である。 図4(a)は、実施の形態に係るスクリーンの構成を模式的に示す斜視図、図4(b)は、スクリーンに対するレーザ光の走査方法を模式的に示す図である。 図5(a)、(b)は、それぞれ、実施の形態に係るマイクロレンズアレイおよびビーズ集合体を撮像した画像を示す図である。 図6(a)は、実施の形態に係るマスクの一部を正面から見た平面図、図6(b)は、実施の形態に係る庇が形成される前のマスクの一部を背面から見た斜視図、図6(c)は、実施の形態に係る庇が形成された後のマスクの一部を背面(Z軸正側)から見た斜視図である。 図7は、実施の形態に係るスクリーンの作用を模式的に示す図である。 図8(a)は、実施の形態に係るスクリーンの移動工程の一例を示す図、図8(b)は、スクリーンを移動させることにより表示される画像の一例を示す図である。 図9(a)は、実施の形態に係る検証に用いたマイクロレンズアレイのレンズ部の大きさおよび曲率を模式的に示す図、図9(b)は、実施の形態に係る検証に用いたレンズ部のSAG量を示す図である。 図10(a)、(b)は、それぞれ、実施の形態に係るスクリーンのスペックルノイズ抑制効果を検証した検証結果を示す表およびグラフで示す図である。 図11は、実施の形態に係るスクリーンのスペックルノイズ抑制効果の検証結果と、従来例によるスペックルノイズ抑制効果の検証結果とを対比して示すグラフである。 図12(a)〜(c)は、それぞれ、実施の形態に係るスクリーンのスペックルノイズ抑制効果を検証した他の検証結果を示す表およびグラフで示す図である。 図13(a)は、変更例に係るマスクの一部を正面から見た平面図、図13(b)は、変更例に係るマスクの一部を背面から見た平面図、図13(c)は、変更例に係るマスクの一部を背面側方から見た斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。便宜上、各図には、適宜、互いに直交するX、Y、Z軸が付記されている。
図1(a)、(b)は、画像表示装置20の使用形態を模式的に示す図である。図1(a)は、乗用車1の側方から乗用車1の内部を透視した模式図、図1(b)は、乗用車1の内部から走行方向前方を見た図である。
本実施の形態は、車載用のヘッドアップディスプレイに本発明を適用したものである。図1(a)に示すように、画像表示装置20は、乗用車1のダッシュボード11の内部に設置される。
図1(a)、(b)に示すように、画像表示装置20は、映像信号により変調されたレーザ光を、ウインドシールド12下側の運転席寄りの投射領域13に投射する。レーザ光は、投射領域13で反射され、運転者2の目の位置周辺の横長の領域(アイボックス領域)に照射される。これにより、運転者2の前方の視界に、虚像として所定の画像30が表示される。運転者2は、ウインドシールド12の前方の景色上に、虚像である画像30を重ね合わせて見ることができる。すなわち、画像表示装置20は、虚像である画像30をウインドシールド12の投射領域13の前方の空間に結像させる。
図1(c)は、画像表示装置20の構成を模式的に示す図である。
画像表示装置20は、照射光生成部21と、ミラー22とを備える。照射光生成部21は、映像信号により変調されたレーザ光を出射する。ミラー22は曲面状の反射面を有し、照射光生成部21から出射されたレーザ光をウインドシールド12に向けて反射する。ウインドシールド12で反射されたレーザ光は、運転者2の目2aに照射される。照射光生成部21の光学系とミラー22は、ウインドシールド12の前方に虚像による画像30が所定の大きさで表示されるように設計されている。
図2は、画像表示装置20の照射光生成部21の構成および照射光生成部21に用いる回路の構成を示す図である。
照射光生成部21は、光源101と、コリメータレンズ102a〜102cと、ミラー103と、ダイクロイックミラー104、105と、走査部106と、補正レンズ107と、スクリーン108と、駆動部109とを備える。
光源101は、3つのレーザ光源101a〜101cを備える。レーザ光源101a〜101cは、それぞれ、赤色波長帯、緑色波長帯および青色波長帯のレーザ光を出射する。本実施の形態では、画像30としてカラー画像を表示するために、光源101が3つのレーザ光源101a〜101cを備えている。画像30として単色の画像を表示する場合、光源101は、画像の色に対応する1つのレーザ光源のみを備えていてもよい。レーザ光源101a〜101cは、たとえば、半導体レーザからなっている。
レーザ光源101a〜101cから出射されたレーザ光は、それぞれ、コリメータレンズ102a〜102cによって平行光に変換される。このとき、レーザ光源101a〜101cから出射されたレーザ光は、それぞれ、図示しないアパーチャによって、円形のビーム形状に整形される。なお、コリメータレンズ102a〜102cに代えて、レーザ光を円形のビーム形状に整形し且つ平行光化する整形レンズを用いてもよい。この場合、アパーチャは省略され得る。
その後、レーザ光源101a〜101cから出射された各色のレーザ光は、ミラー103と2つのダイクロイックミラー104、105によって光軸が整合される。ミラー103は、コリメータレンズ102aを透過した赤色レーザ光を略全反射する。ダイクロイックミラー104は、コリメータレンズ102bを透過した緑色レーザ光を反射し、ミラー103で反射された赤色レーザ光を透過する。ダイクロイックミラー105は、コリメータレンズ102cを透過した青レーザ光を反射し、ダイクロイックミラー104を経由した赤色レーザ光および緑色レーザ光を透過する。ミラー103と2つのダイクロイックミラー104、105は、レーザ光源101a〜101cから出射された各色のレーザ光の光軸を整合させるように配置されている。
走査部106は、ダイクロイックミラー105を経由した各色のレーザ光を反射する。走査部106は、たとえば、MEMS(micro electro mechanical system)ミラーからなっており、ダイクロイックミラー105を経由した各色のレーザ光が入射されるミラー106aを、駆動信号に応じて、Y軸に平行な軸とX軸に平行な軸の周りに回転させる構成を備える。このようにミラー106aを回転することにより、レーザ光の反射方向が、X−Z平面の面内方向およびY−Z平面の面内方向において変化する。これにより、後述のように、各色のレーザ光によってスクリーン108が走査される。
なお、ここでは、走査部106が、2軸駆動方式のMEMSミラーにより構成されたが、走査部106は、他の構成であってもよい。たとえば、Y軸に平行な軸の周りに回転駆動されるミラーと、X軸に平行な軸の周りに回転駆動されるミラーとを組み合わせて走査部106が構成されてもよい。
補正レンズ107は、走査部106によるレーザ光の振り角に拘わらず、各色のレーザ光をZ軸正方向に向かわせるように設計されている。スクリーン108は、レーザ光が走査されることにより画像が形成され、入射したレーザ光を運転者2の目2aの位置周辺の領域(アイボックス領域)に拡散させる作用を有する。スクリーン108の構成は、追って、図4(a)ないし図6(c)を参照して説明する。
駆動部109は、スクリーン108をレーザ光の進行方向に平行な方向(Z軸方向)に往復移動させる。駆動部109の構成は、追って、図3(a)、(b)を参照して説明する。
画像処理回路201は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理ユニットやメモリを備え、入力された映像信号を処理してレーザ駆動回路202、ミラー駆動回路203およびスクリーン駆動回路204を制御する。レーザ駆動回路202は、画像処理回路201からの制御信号に応じて、レーザ光源101a〜101cの出射強度を変化させる。ミラー駆動回路203は、画像処理回路201からの制御信号に応じて、走査部106のミラー106aを駆動する。スクリーン駆動回路204は、画像処理回路201からの制御信号に応じて、スクリーン108を駆動する。画像表示動作時における画像処理回路201における制御については、追って、図4(b)を参照して説明する。
図3(a)は、駆動部109の構成を示す斜視図、図3(b)は、図3(a)に示す駆動部109をY軸方向の中央位置においてX−Z平面に平行な平面で切断した場合の、ホルダ303付近の断面図である。
駆動部109は、Y軸方向およびX軸方向に対称な構成を有する。駆動部109は、Z軸負側が開放された矩形状の筐体301と、筐体301のZ軸負側に装着される支持板302と、ホルダ303と、2つの板バネ304と、コイル305と、磁石306、307と、ヨーク308と、を備える。
支持板302は、X軸正側とX軸負側にそれぞれ内方に突出したT字状の支持部302aを備える。これら支持部302aに2つの板バネ304が装着されている。上側の板バネ304は、位置P1、P2において支持部302aに固定され、下側の板バネ304は、位置P3、P4において支持部302aの固定されている。2つの板バネ304は、それぞれX軸に平行に設置されている。
2つの板バネ304の長手方向の中間位置に、ホルダ303が固着されている。ホルダ303は、X軸方向の中間位置からY軸正方向およびY軸負方向にそれぞれ突出する2つの突部303aを備え、これら突部303aが板バネ304に固着されている。ホルダ303は、平面視において角が丸められた長方形の形状を有し、4つの角からそれぞれZ軸正方向に延びる脚部303bが形成されている。これら4つの脚部303bに巻回されるように、コイル305がホルダ303に装着されている。ホルダ303は、樹脂材料等の非磁性材料からなっている。
また、ホルダ303には、長方形の開口303cが設けられ、この開口303cにスクリーン108が装着されている。開口303cには、上側に段差303dが設けられ、この段差303dにスクリーン108が嵌め込まれて接着固定されている。また、筐体301の底面には、スクリーン108に対向する位置に開口301aが設けられている。スクリーン108をZ軸正方向に透過した光は、開口301aを通過して、ミラー22(図1(c)参照)へと至る。
図3(b)に示すように、ホルダ303の4つの脚部303bに矩形状に巻回固定されたコイル305を挟むように、磁石306、307が配置されている。筐体301の底面には、U字状のヨーク308が設置され、このヨーク308の内側面に磁石306、307が装着されている。
図3(b)には、矩形状に巻回されたコイル305の2辺の部分を挟む磁石306、307が図示されているが、コイル305の残り2辺の部分も、同様の構成により、2つの磁石によって挟まれている。磁石306、307および残りの磁石は、コイル305に電流を流すことによりZ軸正方向またはZ軸負方向の駆動力が生じるように磁極が調整されている。コイル305に流す電流の方向を切り替えることにより、ホルダ303の駆動方向が切り替わる。こうしてホルダ303が駆動されることにより、スクリーン108が、ホルダ303と一体的にZ軸方向に駆動される。
図4(a)は、スクリーン108の構成を模式的に示す斜視図である。
本実施の形態では、スクリーン108が、基材401と、マイクロレンズアレイ402と、ビーズ集合体403と、マスク500とからなっている。両面にそれぞれマイクロレンズアレイ402とビーズ集合体403が配された基材401と、マスク500とをスペーサ(図示せず)を介して一体化することにより、スクリーン108が構成される。
基材401は、平面視において矩形形状を有し、透明な材料からなっている。たとえば、基材401は、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の透明な樹脂からなっている。
マイクロレンズアレイ402は、基材401のレーザ光出射側の面に配置される。マイクロレンズアレイ402は、たとえば、基材401の出射面に樹脂材料を塗布した後、樹脂材料をロール整形することにより形成される。
ビーズ集合体403は、基材401のレーザ光入射側の面に配置される。ビーズ集合体403は、樹脂を含ませたビーズを基材401の入射面に塗布することにより形成される。
マイクロレンズアレイ402およびビーズ集合体403の材料および形成方法は、上記に限らず、他の材料や形成方法であってもよい。たとえば、ビーズ403aは、樹脂に限らず、ガラスであってもよい。
図5(a)は、マイクロレンズアレイ402の一部をZ軸正側から撮像した画像である。
図5(a)に示すように、マイクロレンズアレイ402は、平面視において矩形のレンズ部402aが、X軸に平行な横方向とY軸に平行な縦方向に所定数ずつ並んだ構成となっている。各レンズ部402aの横方向の幅Wxは互いに同一であり、また、各レンズ部402aの縦方向の幅Wyも互いに同一である。幅Wx、Wyは、数10μm程度である。図5(a)の例では、幅Wxと幅Wyが互いに同一の寸法に設定されているが、幅Wxと幅Wyの寸法が異なっていてもよい。
各レンズ部402aは、X軸方向の曲率半径RxとY軸方向の曲率半径Ryが互いに異なっている。ここで、曲率半径Rxは曲率半径Ryよりも小さく、たとえば、Rx:Ry=1:2に設定される。従って、レンズ部402aは、X軸方向の曲率がY軸方向の曲率よりも大きくなっている。このようにレンズ部402aの曲率を設定することにより、各レンズ部402aを透過するレーザ光を、効率良く、運転者2の目2aの位置周辺の横長の領域(アイボックス領域)に導くことができる。レンズ部402aの曲率は、アイボックス領域の形状に応じて決定される。
図5(b)は、ビーズ集合体403の一部をZ軸負側から撮像した画像である。
図5(b)に示すように、ビーズ集合体403は、平面視においてビーズ403aが略隙間なく敷き詰められた構成となっている。ビーズ403aは、球形状の粒子からなっている。ここで、ビーズ403aは、粒径が不均一となっている。ビーズ403aの粒径が均一であると、ビーズ集合体403において、ビーズ403aが規則正しく並びやすくなり、このため、レーザ光がビーズ403aをそのまま突き抜けて、画像30上に輝点が生じるとの問題が起こり得る。これに対し、ビーズ403aの粒径を不均一に設定すると、図5(b)に示すようにビーズ403aが不規則に分布するため、レーザ光がビーズ403aをそのまま突き抜けることがなく、その結果、画像30上に輝点が生じることが抑制され得る。
図4(b)は、スクリーン108に対するレーザ光の走査方法を模式的に示す図である。
上記構成を有するスクリーン108のビーズ集合体403側の表面が、各色のレーザ光が重ねられたビームB1によって、X軸正方向に走査される。スクリーン108のビーズ集合体403側の表面に対して、予め、ビームB1が通る走査ラインL1〜Lnが、Y軸方向に一定間隔で設定されている。走査ラインL1〜Lnの開始位置と終了位置は、X軸方向において一致している。したがって、走査ラインL1〜Lnを囲む領域は長方形である。ビームB1の径は、たとえば、100μm程度に設定される。
映像信号により各色のレーザ光が変調されたビームB1により走査ラインL1〜Lnが高周波で走査されることにより、画像が構成される。こうして構成される画像が、スクリーン108と、ミラー22およびウインドシールド12(図1(c)参照)を介して、運転者2の目2aの位置周辺の領域(アイボックス)に投射される。これにより、運転者2は、ウインドシールド12の前方の空間に、虚像として画像30を視認する。
図6(a)は、マスク500の一部を正面(Z軸負側)から見た平面図、図6(b)は、庇502が形成される前のマスク500の一部を背面(Z軸正側)から見た斜視図、図6(c)は、庇502が形成された後のマスク500の一部を背面(Z軸正側)から見た斜視図である。便宜上、図6(a)には、マイクロレンズアレイ402の最上段のレンズ部402aが破線で示されている。
図6(b)に示すように、庇502が形成される前のマスク500には、光入射側(Z軸負側)の面に、X軸方向に延びる複数の溝500aが、Y軸方向に一定のピッチで形成されている。溝500aは、マスク500のX軸正側の側面からX軸負側の側面まで延びている。Y−Z平面で平行な平面で切断した溝500aの断面は、二等辺三角形である。マスク500は、たとえば、PET等の透明な樹脂材料からなっている。マスク500は、ガラス等の他の透明な材料からなっていてもよい。
図6(c)に示すように、それぞれの溝500aに、光を吸収する黒色の色素材料を埋め込むことによって、庇502が形成される。庇502の断面形状は、溝500aと同様、二等辺三角形である。また、Y軸方向に隣り合う2つの庇502の間に、光を透過する横長の開口部501が形成される。Z軸負側から開口部501に入射した光は、開口部501aを透過して、Z軸正側の面から出射される。また、Z軸負側から庇502に入射した光は、庇502によって吸収される。
図6(a)に示すように、上記構成のマスク500には、平面視において横長の矩形の開口部501が、縦方向に一定間隔で並ぶように配置されている。開口部501の横方向の幅は、横方向に並ぶ全てのレンズ部402aの範囲よりも広く設定されている。すなわち、開口部501は、横方向に並ぶレンズ部402a群の横方向の範囲をカバーする。
また、開口部501の縦方向の幅は、レンズ部402aの幅Wyよりも狭く設定されている。さらに、開口部501の縦方向の幅は、開口部501を通過するレーザ光に回折が生じない寸法に設定される。たとえば、上記波長帯のレーザ光源101a〜101cでは、開口部501の縦方向の幅が10μm以下になるとレーザ光に回折が生じる。このため、開口部501の縦方向の幅は、10μm以上に設定されればよい。庇502のX軸方向の長さは、開口部501のX軸方向の長さと同一である。
図7は、スクリーン108の作用を模式的に示す図である。
スクリーン108に入射したレーザ光(図4(b)のビームB1)は、ビーズ集合体403により拡散された後、マイクロレンズアレイ402に入射する。ここで、ビーズ集合体403により拡散されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ402の複数のレンズ部402aに入射して、レンズ部402aから光学作用を受ける。レンズ部402aは、透過するレーザ光を運転者2の目2aの位置周辺の領域(アイボックス)に導くための収束作用を、レーザ光に付与する。レンズ部402aの収束作用は、ミラー22およびウインドシールド12(図1(c)参照)の光学作用をも加味して設定されている。
その後、レーザ光は、マスク500の開口部501を通ってミラー22へと導かれる。このとき、開口部501を通過するレーザ光の大半は、庇502に入射することなく、ミラー22へと導かれる。しかしながら、開口部501を通過するレーザ光の一部は、図7に示すように、庇502に入射して庇502から光学作用を受ける。すなわち、庇502に浅い角度で入射したレーザ光は、庇502手前の溝500a(図6(b)参照)の界面で反射されてミラー22へと導かれる。また、庇502に深い角度で入射したレーザ光は、庇502手前の溝500a(図6(b)参照)の界面を通過して庇502へと至り、庇502で吸収される。
このように、庇502は、マイクロレンズアレイ402を透過した画像表示用のレーザ光の一部を、画像表示から除外する。しかし、その反面、庇502は、スクリーン108からミラー22およびウインドシールド12へと向かう光路を逆行して、外部からスクリーン108へと入射する自然光等の光(迷光)を、ビーズ集合体403に入射させずに遮光する作用を発揮する。
たとえば、マスク500が設けられていない場合、上記のように外部からスクリーン108へと入射する迷光は、マイクロレンズアレイ402を透過してビーズ集合体403に入射する。ここで、ビーズ集合体403は、種々の粒径のビーズ403aからなっているため、ビーズ集合体403に入射した迷光の一部は、ビーズ集合体403中のビーズ403aにより反射されて、マイクロレンズアレイ402へと向かうようになる。こうして、マイクロレンズアレイ402へと向けられた迷光は、マイクロレンズアレイ402を透過してミラー22へと導かれる。その結果、運転者2は、迷光による白くぼやけた画像が、映像信号に基づく画像に重畳された画像を、視認することになってしまう。こうなると、運転者2は、ウインドシールド12の前方の風景に、白くぼやけた領域が重ねられた不自然な画像を見ることになり、運転者2に違和感を与える結果となってしまう。
これに対し、本実施の形態にように、マイクロレンズアレイ402のZ軸正側にマスク500を配置すると、外部からの迷光がマスク500の庇502によって遮光される。よって、迷光による白くぼやけた画像が映像信号に基づく画像に重畳されることを抑制でき、運転者2に自然な画像を提供することができる。
なお、迷光を遮光する観点からは、庇502のZ軸方向の高さが高い方が望ましいと言える。しかしながら、庇502の高さを高くすると、マイクロレンズアレイ402を透過した映像信号に基づくレーザ光が庇502によって遮光される量が多くなり、運転者2に提供される画像30の輝度が低下する。よって、庇502の高さは、画像30に対する迷光重畳の抑制と、画像30の輝度確保とを考慮して、適正な値に設定する必要がある。たとえば、図6(c)に示すように、庇502の断面形状が二等辺三角形である場合、庇502の高さは、開口部501のY軸方向の幅の3〜5倍であることが望ましい。
なお、本実施の形態では、上記のように庇502の断面形状が二等辺三角形となっているが、これは以下の理由による。
すなわち、機械的強度を保って庇502を高精度に形成するには、庇502の底辺部分の幅を所定寸法以上に確保する必要がある。ここで、仮に、底辺部分の幅のままZ軸正方向に庇502を突出させると、レンズ部402aを透過した映像信号に基づくレーザ光のうち、庇502に入射するレーザ光の割合が大きくなり、運転者2に提供される画像30の輝度が低下する。これに対し、庇502の断面形状を、先端に向かうに従って幅が小さくなる形状にすれば、映像信号に基づくレーザ光が庇502に入射する量を少なくでき、運転者2に提供される画像30の輝度を高めることができる。
このように、庇502は、機械的強度を保って庇502を高精度に形成するとの観点と、映像信号に基づくレーザ光が庇502で遮光される量を少なくするとの観点から、先端に向かうに従って幅が狭くなる断面形状、すなわち、二等辺三角形の断面形状とされている。
なお、庇502の断面形状は、先端に向かうに従って幅が狭くなる形状であれば、二等辺三角形に限らず、他の形状であってもよい。たとえば、庇502の断面形状は、二等辺三角形の2辺が内方へと円弧状にやや凹んだ形状であってもよく、あるいは、台形であってもよい。また、機械的強度を保って庇502を高精度に形成できるのであれば、庇502の断面形状は、Z軸負側の底辺部分の幅をさらに縮めた長方形であってもよい。
以上のように、マスク500は、外部からスクリーン108へと入射する迷光を遮光する作用を発揮する。これにより、ビーズ集合体403に迷光が入射することによる画像30の画質低下を抑制できるとの効果が奏される。
図8(a)は、スクリーン108の移動工程の一例を示す図、図8(b)は、スクリーン108を移動させることにより表示される画像の一例を示す図である。図8(a)の移動工程は、図8(b)のような画像を表示する場合のスクリーン108の移動工程である。
図8(a)に示すように、スクリーン108は、時刻t0〜t4を1サイクルとして移動が繰り返される。時刻t0〜t1の間に、スクリーン108は、初期位置Ps0から最遠位置Ps1へと移動され、時刻t1〜t4の間に、スクリーン108は、最遠位置Ps1から初期位置Ps0へと戻される。スクリーン108の移動周期、すなわち、時刻t0〜t4の時間は、たとえば、1/60秒である。スクリーン108は、図3(b)に示すコイル305に印加する電流を変化させることにより、図8(a)に示すように移動される。
時刻t0〜t1は、図8(b)において、奥行き方向に広がる奥行き画像M1を表示するための期間であり、時刻t1〜t4は、図8(b)において、鉛直方向に広がる鉛直画像M2を表示するための期間である。図8(b)の例において、奥行き画像M1は、ナビゲーション機能により乗用車1が道路R1を曲がるべき方向を運転者2に示唆するための矢印であり、鉛直画像M2は、歩行者H1が居ることを運転者2に注意喚起するためのマーキングである。たとえば、奥行き画像M1と鉛直画像M2は、互いに異なる色で表示される。
時刻t0〜t1において、スクリーン108は、初期位置Ps0から最遠位置Ps1まで線形に移動される。スクリーン108が移動すると、これに伴い、ウインドシールド12前方の虚像が結像する位置が奥行き方向に移動する。したがって、奥行き画像M1の奥行き方向の各位置にスクリーン108が在るときに、奥行き画像M1に対応する走査ライン上の、奥行き画像M1に対応するタイミングにおいて、レーザ光源101a〜101cを発光させることにより、ウインドシールド12の投射領域13の前方に、図8(b)に示すような奥行き画像M1を虚像として表示させることができる。
一方、鉛直画像M2は、奥行き方向には変化せず、鉛直方向のみに広がっているため、スクリーン108を、鉛直画像M2に対応する位置に固定して、虚像の生成を行う必要がある。図8(a)の停止位置Ps2は、鉛直画像M2の奥行き位置に対応するスクリーン108の位置である。スクリーン108は、最遠位置Ps1から初期位置Ps0に戻る間に、停止位置Ps2において、時刻t2〜時刻t3の間、停止される。この間に、鉛直画像M2に対応する走査ライン上の、鉛直画像M2に対応するタイミングにおいて、レーザ光源101a〜101cを発光させることにより、ウインドシールド12の投射領域13の前方に、図8(b)に示すような鉛直画像M2を虚像として表示させることができる。
以上の制御は、図2に示す画像処理回路201によって行われる。この制御により、時刻t0〜時刻t4の間に、奥行き画像M1と鉛直画像M2が虚像として表示される。上記の制御では、奥行き画像M1の表示タイミングと鉛直画像M2の表示タイミングにずれが生じるが、このずれは極めて短時間であるため、運転者2は、奥行き画像M1と鉛直画像M2を重ねた画像を認識する。こうして、運転者2は、投射領域13の前方に、映像信号に基づく画像(奥行き画像M1、鉛直画像M2)を、道路R1および歩行者H1を含む風景に重ねて見ることができる。
なお、図8(b)では、鉛直画像M2が1つであったため、図8(a)の工程において、スクリーン108の停止位置Ps2が1つに設定されたが、鉛直画像M2が複数あれば、それに応じて、図8(a)の工程において、停止位置が複数設定される。ただし、図8(a)の工程において、時刻t0〜t4の時間は一定であり、時刻t4は不変であるため、停止位置の数の増減に応じて、停止位置前後のスクリーン108の移動速度(図8(a)の波形の傾き)が変更されることになる。
<検証1>
本願発明者らは、ビーズ集合体403を用いることによるスペックルノイズの抑制効果を検証した。以下、この検証について説明する。
本検証は、マスク500を省略して行った。すなわち、本検証は、マイクロレンズアレイ402とビーズ集合体403とを有するスクリーン108に、映像信号により変調されたレーザ光を照射して、スペックルノイズを測定した。検証では、ビーズ403aの粒径範囲が異なる数種のスクリーン108を準備し、各スクリーン108についてスペックルノイズを測定した。各スクリーン108の基材401およびマイクロレンズアレイ402は、同一の構成とした。比較例として、マイクロレンズアレイ402を2枚組み合わせた構成を用いて、スペックルノイズを測定した。
図9(a)、(b)は、検証に用いたマイクロレンズアレイ402のレンズ部402aの大きさおよび曲率と、SAG量を示す図である。
図9(a)に示すように、本検証では、レンズ部402aの横方向の幅Wxと縦方向の幅Wyを、それぞれ、30μmとした。また、レンズ部402aの横方向の曲率半径Rxと縦方向の曲率半径Ryとの比を、Rx:Ry=1:2とした。さらに、レンズ部402aの横方向のSAG量と縦方向のSAG量を、それぞれ、図9(b)のように設定した。
レーザ光のビームが複数のレンズ部402aを跨ることにより、光路が分割され、それぞれの光路で光学距離が変化し、光の位相変化を与えることができる。一つのビーム内で様々な位相の光が存在することで、スペックルノイズ低減の効果が得られる。
検証では、レーザ光のビーム径が、約100μmであった。ビーム径は、ガウス分布において強度が1/eとなる円周部分の直径である。したがって、レンズ部402aに外接する円の直径をレンズ部402aの径と定義すると、レンズ部402aの径は、レーザ光のビーム径の40%程度であり、一つのビームが複数のレンズ部402aを跨る構成であった。
図10(a)に、検証結果を示す。
図10(a)に示すように、ビーズ集合体403のビーズ403aの粒径を30μm均一に設定した検証例では、投影された画像上のスペックルのコントラスト値は、20%であった。これに対し、ビーズ403aの粒径を3〜15μmの範囲に設定した検証例では、スペックルのコントラスト値が12.5%に低下し、また、ビーズ403aの粒径を2〜12μmの範囲に設定した検証例では、スペックルのコントラスト値がさらに9.1%に低下した。この検証結果から、ビーズ403aの粒径を小さくするほど、スペックルノイズを抑制できることが確認できた。
図10(b)は、図10(a)の検証結果をグラフ化したものである。横軸は、各検証におけるビーズ粒径の最大値である。
図10(b)に示すように、検証結果のグラフには、破線で示す線形な近似直線を適用できた。すなわち、スペックルのコントラスト値は、ビーズ403aの粒径の変化に応じて線形に変化することが確認できた。このことからも、ビーズ403aの粒径を小さくするほど、スペックルノイズを抑制できることが確認できた。
なお、スペックルのコントラスト値は、10%以下に抑えられることが望ましい。すなわち、数10人が実際黙示で確認した官能検査によると、スペックルコントラストが10%以下である場合に、画像に対してスペックルノイズが影響しないことが確認された。
図10(b)の検証結果からすると、ビーズ403aの最大粒径が12μmである場合に、スペックルコントラストが10%を下回っている。図10(b)の近似直線では、スペックルコントラストが10%となるときのビーズ403aの最大粒径は、約14μmである。したがって、この検証結果からは、ビーズ403aの粒径をレーザ光のビーム径(約100μm)の14%以下に設定することにより、スペックルコントラスト値を10%以下に抑え得ることが分かる。よって、ビーズ集合体403は、ビーズ403aの粒径がレーザ光のビーム径の14%以下であるように構成されることが望ましく、より確実にスペックルノイズを抑制するには、ビーズ403aの粒径がレーザ光のビーム径の10%以下であるように構成されることが望ましい。
図11は、ビーズ403aの粒径が2〜12μmである検証例の検証結果と、マイクロレンズアレイを2枚組み合わせた比較例の検証結果とを、対比して示すグラフである。
図11に示すとおり、比較例では、スペックルのコントラスト値が30%を超えており、スペックルノイズによる画質が劣化していることが分かる。これに対し、本実施の形態に係る検証例では、図10(a)、(b)にも示したように、スペックルのコントラスト値が10%未満に抑えられており、比較例に比べて、顕著に画質が改善されていることが分かる。このように、本実施の形態の構成では、比較例に比べて、スペックルノイズを顕著に抑制できることが分かる。よって、運転者2に、極めて良好で且つ視認性の良い画像を提供することができる。
<検証2>
さらに、本願発明者らは、マイクロレンズアレイ402のレンズ部402aの大きさをビーム径に対して相対的に変化させたときの投影画像のスペックルコントラスト値および中心輝度を測定した。
ここでは、上記検証1と同様、ビーム径を100μmに設定し、ビーズ403aの粒径は2〜12μmとした。レンズ部402aの形状は、上記検証1と同様、正方形とし、レンズ部402aの縦横の幅Wx、Wyを変更して、投影画像のスペックルコントラスト値および中心輝度を測定した。レンズ部402aの縦横方向の曲率は、上記検証1と同じ領域に投影画像が投射されるように設定した。
図12(a)に検証結果を示す。
図12(a)に示すように、レンズ部402aの幅(Wx、Wy)を30μm、60μm、90μmに設定した検証例では、投影された画像上のスペックルコントラスト値を10%以下に抑えることができた。これに対し、レンズ部402aの幅(Wx、Wy)を120μm、150μmに設定した検証例では、投影された画像上のスペックルコントラスト値が10%を超えた。
図12(b)は、図12(a)のスペックルコントラスト値の検証結果をグラフ化したものである。横軸は、各検証におけるレンズ部402aの幅(Wx、Wy)である。
図12(b)に示すように、スペックルのコントラスト値は、レンズ部402aの幅(Wx、Wy)が大きくなるほど大きくなり、コントラスト値の増加量は、レンズ部402aの幅(Wx、Wy)が大きくなるほど大きくなることが確認できた。このことから、スペックルノイズを抑制するためには、レンズ部402aの幅(Wx、Wy)をなるべく小さく設定することが望ましいと言える。
レーザ光のビームが複数のレンズ部402aを跨ることにより、光路が分割され、それぞれの光路で光学距離が変化し、光の位相変化を与えることができる。一つのビーム内で様々な位相の光が存在することで、スペックルノイズ低減の効果が得られる。
上記検証1で述べたように、スペックルのコントラスト値は、10%以下に抑えることが望ましい。したがって、本検証の条件では、レンズ部402aの幅(Wx、Wy)を90μm以下に設定することが望ましいと言える。ここで、レンズ部402aに外接する円の直径をレンズ部402aの径と定義すると、レンズ部402aの幅(Wx、Wy)が90μmであるときのレンズ部402aの径は、125μm程度であり、ビーム径(100μm)をやや越える大きさとなる。したがって、少なくとも、レンズ部402aの径をビーム径以下に設定することにより、スペックルコントラストを効果的に抑制できると言える。
また、図12(a)に示すように、レンズ部402aの幅(Wx、Wy)を30μm、60μm、90μmに設定した検証例では、投影された画像の中心輝度を1000cd/m以上に維持することができた。これに対し、レンズ部402aの幅(Wx、Wy)を120μm、150μmに設定した検証例では、投影された画像の中心輝度が1000cd/mを下回った。
図12(c)は、図12(a)の中心輝度の検証結果をグラフ化したものである。横軸は、各検証におけるレンズ部402aの幅(Wx、Wy)である。
図12(c)に示すように、投影画像の中心輝度は、レンズ部402aの幅(Wx、Wy)が大きくなるほど低下し、また、低下量は、レンズ部402aの幅(Wx、Wy)が大きくなるほど大きくなることが確認できた。このことから、投影画像の中心輝度を高めるためには、レンズ部402aの幅(Wx、Wy)をなるべく小さく設定することが望ましいと言える。
なお、周囲が明るい日中の環境下において、投影画像が適正に視認可能であるためには、投影画像の中心輝度が1000cd/m以上であることが望ましい。したがって、この観点からも、本検証の条件では、レンズ部402aの幅(Wx、Wy)を90μm以下に設定することが望ましいと言える。したがって、レンズ部402aの径をビーム径以下に設定することにより、上記のようにスペックルコントラスト値を効果的に抑制しながら、投影画像の中心輝度を、日中でも投影画像を視認可能な望ましい値に設定することができる。
<実施形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、以下の効果が奏される。
光源101からのレーザ光は、ビーズ集合体403によりランダムに拡散された後、マイクロレンズアレイ402に入射する。このため、マイクロレンズアレイ402を透過した後のレーザ光は、光学パスが分離され、互いの位相が揃いにくくなる。よって、干渉によるスペックルノイズの発生を効果的に抑制することができる。また、ビーズ集合体403によりレーザ光を拡散させる構成であるため、2つのマイクロレンズアレイを組み合わせる場合のような厳密な位置調整は必要ない。よって、組立時の作業を簡易なものとすることができる。
また、図10(a)、(b)の検証結果において示したとおり、ビーズ403aの粒径分布が、ビーズ集合体403に入射するレーザ光のビーム径の10%以下となるようにビーズ集合体403を構成することにより、スペックルのコントラスト値を10%以下に抑えることができる。これにより、画像30の画質を顕著に高めることができる。
また、図5(b)に示すように、本実施の形態では、粒径が異なるビーズ403aを含むようにビーズ集合体403が構成されている。これにより、レーザ光がビーズ403aをそのまま突き抜けて、画像30上に輝点が生じるとの問題が解消され得る。
また、図12(a)〜(c)の検証結果において示したとおり、マイクロレンズアレイ402のレンズ部402aの径を、ビーズ集合体403に入射するレーザ光のビーム径以下に設定することにより、スペックルのコントラスト値を効果的に抑えることができ、且つ、投影画像の中心輝度を望ましい値に維持できる。これにより、画像30の画質を顕著に高めることができる。
また、マイクロレンズアレイ402のレンズ部402aは、縦方向の曲率と横方向の曲率が異なっている。これにより、各レンズ部402aを透過するレーザ光を、効率良く、運転者2の目2aの位置周辺の横長の領域(アイボックス領域)に導くことができる。
また、本実施の形態では、図7に示すように、マイクロレンズアレイ402に対して光源101と反対側にマスク500が配置されている。これにより、スクリーン108からミラー22およびウインドシールド12へと向かう光路を逆行して、外部からスクリーン108へと入射する迷光が、マスク500によって遮光される。このため、迷光がビーズ集合体403により反射されることにより生じる白くぼやけた画像が、映像信号に基づく画像30に重畳されることが抑止される。よって、画像30の画質を良好に保つことができる。
また、本実施の形態では、図8(a)に示すような工程により、スクリーン108が移動される。これにより、図8(b)に示すような奥行き画像M1と鉛直画像M2を表示することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、また、本発明の適用例も、上記実施の形態の他に、種々の変更が可能である。
たとえば、上記実施の形態では、図6(b)、(c)に示すように、溝500aに色素材料を埋め込むことによって庇502が形成されたが、庇502の形成方法は、これに限られるものではなく、たとえば、以下のように枠状の部材によりマスク500を形成してもよい。
図13(a)は、マスク500の一部を正面(Z軸負側)から見た平面図、図13(b)は、マスク500の一部を背面(Z軸正側)から見た平面図、図13(c)は、図13(b)の状態からマスク500のX軸負側の端部をZ軸正方向に持ち上げてマスクを傾けたときの一部斜視図である。便宜上、図13(a)には、マイクロレンズアレイ402の最上段のレンズ部402aが破線で示されている。
図13(a)、(b)に示すように、マスク500には、平面視において横長の矩形の開口511が、縦方向に一定間隔で並ぶように形成されている。開口511の横方向の幅は、横方向に並ぶ全てのレンズ部402aの範囲よりも広く設定されている。すなわち、開口511は、横方向に並ぶレンズ部402a群の横方向の範囲をカバーする。
また、開口511の縦方向の幅は、レンズ部402aの幅Wyよりも狭く設定されている。上記実施の形態の開口部501と同様、開口511の縦方向の幅は、開口511を通過するレーザ光に回折が生じない寸法に設定される。
図13(b)、(c)に示すように、マスク500の開口511間の領域には、Z軸正方向に突出する庇512がX軸に平行に延びるように形成されている。庇512のX軸方向の長さは、開口511のX軸方向の長さと同一である。また、X−Z平面に平行な面で切断した庇512の断面形状は、二等辺三角形である。マスク500のX軸負側の周縁には、Z軸正方向に突出する枠部513が形成され、庇512の両端が枠部513に繋がっている。
マスク500は、光を吸収する材料により一体形成される。なお、庇512のみが、光を吸収する材料からなっていてもよい。
なお、この変更例では、開口511を通って庇512に浅い角度で入射したレーザ光は、庇512によって吸収され、ミラー22(図1参照)へ到達しない。これに対し、上記実施の形態では、開口部501を通って庇502に浅い角度で入射したレーザ光は、庇502手前の溝500aの界面によって反射され、ミラー22(図1参照)へと到達する。よって、映像信号により変調されたレーザ光をより有効に利用するためには、上記実施の形態のように、溝500aに色素材料を埋め込むことにより庇502を形成するのが好ましい。
また、上記実施の形態では、本発明を乗用車1に搭載されるヘッドアップディスプレイに適用した例を示したが、本発明は、車載用に限らず、他の種類の画像表示装置にも適用可能である。
また、画像表示装置20および照射光生成部21の構成は、図1(c)および図2に記載された構成に限られるものではなく、適宜、変更可能である。また、スクリーン108を移動させる駆動部109の構成も、図3(a)、(b)に示す構成に限られるものではなく、適宜、変更可能である。
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
20 … 画像表示装置
22 … ミラー(光学系)
101 … 光源
106 … 走査部
108 … スクリーン
109 … 駆動部
402 … マイクロレンズアレイ(レンズアレイ)
402a … レンズ部
403 … ビーズ集合体
403a … ビーズ
500 … マスク
501 … 開口部
511 … 開口(開口部)

Claims (7)

  1. レーザ光を出射する光源と、
    前記レーザ光が走査されることにより画像が形成されるスクリーンと、
    前記光源から出射された前記レーザ光を前記スクリーンに対し走査させる走査部と、
    前記スクリーンを透過した前記レーザ光により虚像を生成する光学系と、を備え、
    前記スクリーンは、
    光を拡散させるレンズ部が縦横に並ぶように配置されたレンズアレイと、
    前記レンズアレイに対して前記光源側に、前記レーザ光の走査範囲をカバーするように配置されたビーズ集合体と、を備える、
    ことを特徴とする画像表示装置。
  2. 請求項1に記載の画像表示装置において、
    前記ビーズ集合体は、ビーズの粒径分布が、前記ビーズ集合体に入射する前記レーザ光のビーム径の10%以下である、
    ことを特徴とする画像表示装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像表示装置において、
    前記ビーズ集合体は、粒径が異なるビーズを含む、
    ことを特徴とする画像表示装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか一項に記載の画像表示装置において、
    前記レンズアレイは、前記各レンズ部の径が、前記ビーズ集合体に入射する前記レーザ光のビーム径以下である、
    ことを特徴とする画像表示装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか一項に記載の画像表示装置において、
    前記各レンズ部は、縦方向の曲率と横方向の曲率が異なっている、
    ことを特徴とする画像表示装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか一項に記載の画像表示装置において
    前記スクリーンは、前記レンズアレイに対して前記光源と反対側に配置され、横方向に並ぶ前記レンズ部群の横方向の範囲をカバーする横長の開口部が、前記レンズ部群に対向するように、前記レンズ部群ごとに形成されたマスクをさらに備える、
    ことを特徴とする画像表示装置。
  7. 請求項1ないし6の何れか一項に記載の画像表示装置において、
    前記光源からの前記レーザ光が進む方向に前記スクリーンを移動させるための駆動部をさらに備える、
    ことを特徴とする画像表示装置。
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