JP2017044252A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速時における操作トルクの適正化が図れる自動変速機の制御装置を提供する。【解決手段】目標入力軸回転数演算部52で演算された目標入力軸回転数を微分器D1によって微分することで目標入力軸回転角加速度を求める。目標入力軸回転に対する実入力軸回転の遅れ時間を遅れ推定部53で推定し、この遅れ時間をフィルタFによって一時応答遅れ処理する。目標入力軸回転角加速度補正部54は、前記目標入力軸回転角加速度を前記フィルタ処理された遅れ時間によって補正する。補正後の目標入力軸回転角加速度および目標出力軸トルクから操作トルク(摩擦係合要素の係合トルクおよび自動変速機3の入力軸トルク)を演算する。これにより、フィードフォワードトルクが消失することがなく、目標回転角加速度を適正に補正することができ、変速ショックおよび入力軸回転数の吹け上がりを防止できる。【選択図】図2

Description

本発明は自動変速機の制御装置に係る。特に、本発明は変速時における操作トルク制御の改良に関する。
従来、特許文献1に開示されているように、車両に搭載された自動変速機において変速時のイナーシャ相でのクラッチ係合トルクを補正することが行われている。この特許文献1には、アップシフト時のイナーシャ相において、タービン回転速度の目標値と実際値との偏差に基づいて締結側油圧をフィードバック制御することが開示されている。また、この特許文献1では、前記目標値と前記偏差との加算結果を微分し、該微分値をフィルタ処理する一方、前記実際値の微分値をフィルタ処理し、前記目標値の微分値と前記実際値の微分値との偏差から締結側油圧を補正するようにしている。
特開2001−182818号公報
ところで、自動変速機の個体差や経時劣化等に起因して、変速時のクラッチ係合トルク(操作トルク)の過多や不足を生じる場合がある。クラッチ係合トルクの過多は変速ショックの原因となり、クラッチ係合トルクの不足は入力軸回転数の吹け上がりの原因となる。このような状況は変速フィーリングの悪化を招き、乗員に違和感を与えてしまう。特に、変速前後における差回転が小さい場合(クラッチ係合トルクの補正量を算出するための積分項が溜まりにくい状況)や、変速時間を短く設定する場合(制御ゲインを大きくすることで安定性が失われる状況)では、従来のフィードバック制御にあっては十分な応答性が得られず、前記変速ショックや入力軸回転数の吹け上がりを回避することが困難である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、変速時における操作トルクの適正化を図ることができる自動変速機の制御装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、複数の摩擦係合要素を備えると共にこれら摩擦係合要素の係合および解放を切り換えることで変速比を変化させる自動変速機に適用され、この自動変速機の入力軸の目標回転角加速度および出力軸の目標トルクに応じて操作トルクを演算し、この演算した操作トルクにより、前記摩擦係合要素の係合状態を調整するアクチュエータの操作量を制御する制御装置を前提とする。この自動変速機の制御装置に対し、前記自動変速機の入力軸回転の目標値に対する実値の遅れ時間により前記入力軸の目標回転角加速度を補正する補正部を備えさせている。
この特定事項により、入力軸回転の目標値に対する実値の遅れ時間を反映した入力軸の目標回転角加速度、および、出力軸の目標トルクに応じて操作トルクが演算され、この演算した操作トルクにより、摩擦係合要素の係合状態を調整するアクチュエータの操作量が制御されることになる。つまり、前記遅れ時間を反映させることで、この遅れ時間分だけ前の目標回転角加速度を使用し、この目標回転角加速度が無くなってしまうことを防止してフィードフォワードトルクが消失しないようにしている。このため、従来のフィードバック制御に比べて目標回転角加速度を適正に補正することができ、変速ショックおよび入力軸回転数の吹け上がりを防止することができる。
本発明では、自動変速機の入力軸回転の目標値に対する実値の遅れ時間により入力軸の目標回転角加速度を補正する補正部を備えさせている。これにより、フィードフォワードトルクが消失することがなくなり、従来のフィードバック制御に比べて目標回転角加速度を適正に補正することができ、変速ショックおよび入力軸回転数の吹け上がりを防止することができる。
実施形態に係る車両の概略構成を示す図である。 実施形態に係る操作トルク制御装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 操作トルク演算処理の手順を示すフローチャート図である。 実施形態におけるアップシフト変速時の入力軸回転数、入力軸回転角加速度、エンジントルク要求値、クラッチトルク要求値それぞれの変化の一例を示すタイミングチャート図である。 従来技術におけるアップシフト変速時の入力軸回転数、入力軸回転角加速度、エンジントルク要求値、クラッチトルク要求値それぞれの変化の一例を示すタイミングチャート図である。 変形例における操作トルク制御装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に本発明を適用した場合について説明する。尚、本発明は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に適用することも可能である。
−車両の概略構成−
図1は本実施形態に係る車両の概略構成図である。車両100は、エンジン(内燃機関)1と、トルクコンバータ2と、自動変速機3と、油圧制御装置4と、ECU5とを備えている。この車両100は、エンジン1の出力が、トルクコンバータ2および自動変速機3を介してデファレンシャル装置6に伝達され、左右の駆動輪(前輪)7,7に分配される。
エンジン1は、走行用の駆動力源であり、例えば多気筒ガソリンエンジンである。エンジン1は、スロットルバルブのスロットル開度(吸入空気量)、インジェクタからの燃料噴射量、点火プラグの点火時期などにより運転状態を制御可能に構成されている。これらスロットル開度、燃料噴射量、点火時期などの制御は前記ECU5からのエンジン制御指令信号に従って行われる。エンジン1の出力軸(クランクシャフト)は、トルクコンバータ2に連結されている。
トルクコンバータ2は、図示しない入力側のポンプインペラと、出力側のタービンランナと、トルク増幅機能を有するステータと、ポンプインペラとタービンランナとを直結するロックアップクラッチとを含んでいる。ポンプインペラはエンジン1の出力軸に連結され、タービンランナはタービンシャフトを介して自動変速機3の入力軸に連結されている。
自動変速機3は、有段式の変速機であり、複数の摩擦係合要素および遊星歯車装置を含んでいる。自動変速機3では、複数の摩擦係合要素それぞれが選択的に係合または解放されることにより、複数の変速段を選択的に成立させることが可能である。複数の摩擦係合要素それぞれを選択的に係合または解放する制御は前記ECU5からの変速指令信号に従って行われる。具体的に、ECU5は、自動変速機3の油圧制御装置4にソレノイド制御信号(変速指令信号)を出力する。このソレノイド制御信号に基づいて油圧制御装置4に備えられたリニアソレノイドバルブやオンオフソレノイドバルブなどが制御され、所定の変速段(例えば第1速段〜第6速段のうちの何れか)を成立させるように、自動変速機3の摩擦係合要素である各種クラッチおよびブレーキが所定の状態に係合または解放されるようになっている。具体的に、ECU5は、車速やスロットル開度などに応じて規定される(ROMに記憶された変速マップによって規定される)変速段(目標変速段)が成立するように油圧制御装置4にソレノイド制御信号を出力し、これに従って各種クラッチおよびブレーキが係合または解放されて目標変速段が成立するようになっている。自動変速機3の出力軸は、デファレンシャル装置6を介して駆動輪7,7に連結されている。
前記ECU5には、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ81、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ82、自動変速機3の入力軸の回転数を検出する入力軸回転数センサ83、自動変速機3の出力軸の回転数を検出する出力軸回転数センサ84、アクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサ85、自動変速機3のシフトレバーの操作位置を検出するシフトポジションセンサ86、および、車両の速度を検出する車速センサ87などの各種センサ類が接続されており、各センサの信号が入力される。また、このECU5は、エンジン1を制御するエンジンECUと、トルクコンバータ2および自動変速機3を制御するECT_ECU(Electronic Controlled automatic Transmission_ECU)とを含む構成となっている。これらエンジンECUおよびECT_ECUは、それぞれCPU、ROM、RAMおよびバックアップRAMなどを備え、相互に信号通信を行い、各種センサの出力信号や要求信号などの受け渡しを行う構成となっている。
−操作トルク制御装置−
次に、本実施形態の特徴である操作トルク制御装置について説明する。この操作トルク制御装置によって制御される操作トルクとしては、自動変速機3に備えられた各摩擦係合要素のうち解放状態から係合状態に移行する摩擦係合要素の係合トルク(クラッチトルクとも呼ばれる)および自動変速機3の入力軸トルクが挙げられる。
図2は、操作トルク制御装置50を示す機能ブロック図である。この操作トルク制御装置50は、前記ECU5の内部に構築されている。この図2に示すように、操作トルク制御装置50は、実入力軸回転数算出部51、目標入力軸回転数演算部52、遅れ推定部53、目標入力軸回転角加速度補正部54、フィードフォワード操作トルク演算部55、フィードバック操作トルク演算部56、アクチュエータ指令値変換部57、複数の微分器D1,D2、および、フィルタFを備えている。
実入力軸回転数算出部51は、実機(自動変速機3)の入力軸回転数(実入力軸回転数)を算出する。具体的には、前記入力軸回転数センサ83からの出力信号を受けて入力軸回転数を算出する。この入力軸回転数の情報は、遅れ推定部53および微分器D2それぞれに送信される。
目標入力軸回転数演算部52は、車速およびスロットル開度等から自動変速機3の目標入力軸回転数を演算する。車速は前記車速センサ87からの出力信号により算出される。スロットル開度は前記スロットル開度センサ82からの出力信号により検知される。この目標入力軸回転数演算部52で演算された目標入力軸回転数の情報は、遅れ推定部53および微分器D1それぞれに送信される。
遅れ推定部53は、前記実入力軸回転数算出部51で算出された実入力軸回転数と前記目標入力軸回転数演算部52で演算された目標入力軸回転数との偏差(回転数差)、および、実入力軸回転角加速度から、目標入力軸回転に対する実入力軸回転の遅れ時間を推定する。つまり、ある時点での目標入力軸回転数に対して実入力軸回転数が異なる値であった場合に、その実入力軸回転数が、前記の時点における目標入力軸回転数に達するまでに要する時間(遅れ時間)を推定する。例えば、実入力軸回転数と目標入力軸回転数との偏差を実入力軸回転角加速度によって除算することで遅れ時間を推定する。この遅れ時間の推定手法はこれに限定されるものではなく、例えば、前記偏差、実入力軸回転角加速度および遅れ時間の関係を規定したマップを予めECU5のROMに記憶させておき、このマップに前記偏差および実入力軸回転角加速度を当て嵌めることで遅れ時間を推定するようにしてもよい。尚、前記実入力軸回転角加速度は、前記実入力軸回転数算出部51で算出された実入力軸回転数を微分(2回微分)することによって算出される。この遅れ時間の情報はフィルタFに送信される。
目標入力軸回転角加速度補正部54は、目標入力軸回転数(前記目標入力軸回転数演算部52で演算された目標入力軸回転数)を微分器D1によって微分(2回微分)することで得られた目標入力軸回転角加速度(補正される前の目標入力軸回転角加速度)に対し、前記遅れ時間(遅れ推定部53で推定された目標入力軸回転に対する実入力軸回転の遅れ時間)をフィルタFによって処理(一時応答遅れ処理)することで得られた遅れ時間による補正を行う。前記フィルタ処理は、変速開始初期の変速進行を促す(変速開始初期に実入力軸回転の遅れが生じていてもイナーシャ相が開始されるようにする)と共に、前記実入力軸回転数の微分値を使用したことに起因する離散ノイズを除去するための処理である。また、前記目標入力軸回転角加速度を補正するための前記遅れ時間は、前述したフィルタ処理が行われた後、更に、予め設定しておいた所定量(前出し分)を減算することにより得られたものである。この目標入力軸回転角加速度補正部54での処理を言い換えると、予めバッファリングしておいた目標入力軸回転角加速度に対し、補正後の(前記フィルタ処理を経た)遅れ時間分前の目標入力軸回転角加速度を、補正後の目標入力軸回転角加速度として算出することになる。この目標入力軸回転角加速度補正部54が本発明でいう補正部(自動変速機の入力軸回転の目標値に対する実値の遅れ時間により入力軸の目標回転角加速度を補正する補正部)に相当する。
フィードフォワード操作トルク演算部55は、前記目標入力軸回転角加速度補正部54で求められた補正後の目標入力軸回転角加速度、および、目標出力軸トルクからフィードフォワード操作トルクを演算する。つまり、前記目標入力軸回転に対する実入力軸回転の遅れ時間(更に、前記フィルタ処理された遅れ時間)を反映した補正後の目標入力軸回転角加速度、および、エンジン1の運転状態やアクセル開度等から算出される目標出力軸トルク(より具体的には、例えば、アクセル開度および車速に基づいて求められた目標駆動軸トルクをファイナルギヤ比で除算して得られる目標出力軸トルク)から、フィードフォワード操作トルクを演算する。このフィードフォワード操作トルクの演算としては、例えば目標入力軸回転角加速度および目標出力軸トルクを変数とするギヤトレーン運動方程式(例えば特開2014−137104号公報を参照)が使用される。このギヤトレーン運動方程式は、実験またはシミュレーション等によって予め作成されてECU5のROMに記憶されている。
フィードバック操作トルク演算部56は、前記補正後の目標入力軸回転角加速度と、実入力軸回転数を微分器D2によって微分(2回微分)することで得られた実入力軸回転角加速度との偏差、および、目標出力軸トルクからフィードバック操作トルクを演算する。このフィードバック操作トルクの演算も、例えば目標入力軸回転角加速度や目標出力軸トルク等を変数とするギヤトレーン運動方程式が使用される。このギヤトレーン運動方程式も、実験またはシミュレーション等によって予め作成されてECU5のROMに記憶されている。
アクチュエータ指令値変換部57は、前記フィードフォワード操作トルク演算部55で演算されたフィードフォワード操作トルクと、フィードバック操作トルク演算部56で演算されたフィードバック操作トルクとに基づいてアクチュエータ(前記摩擦係合要素の係合トルクを調整するアクチュエータ(前記リニアソレノイドバルブやオンオフソレノイドバルブ)、および、エンジン1の運転状態を制御するアクチュエータ(スロットルバルブ、インジェクタ、点火プラグ))に対する指令値を求める。つまり、フィードフォワード操作トルクとフィードバック操作トルクとの和から求まる操作トルク(クラッチトルクおよび入力軸トルク)が得られるように、この操作トルクの情報を前記アクチュエータの制御量の指令値へ変換する。ここで得られる操作トルク(クラッチトルクおよび入力軸トルク)としては、前記補正後の目標入力軸回転角加速度および目標出力トルクが得られる操作トルクとして算出されることになる。
次に、前記操作トルク制御装置50における操作トルク演算処理の手順を図3のフローチャートを参照して説明する。この図3の制御ルーチンは、車両走行中、ECU5(操作トルク制御装置50)において所定周期(例えば数msec〜数十msec程度)毎に繰り返して実行される。
まず、ステップST1において、前記ECU5に予め記憶されている変速中フラグが1にセットされているか否かを判定する。この変速中フラグは、変速が開始して目標イナーシャ相が開始した時点で1にセットされ、目標イナーシャ相が終了した時点で0にリセットされるフラグである。
ステップST1でNO判定された場合には、ステップST2に移り、自動変速機3の変速が開始され、その変速の状態が目標イナーシャ相開始タイミング(変速に伴う入力軸回転数の変化が開始するタイミング)に達したか否かを判定する。この目標イナーシャ相開始タイミングは、自動変速機3の特性から実験等によって予め求められている。例えば、自動変速機3の変速時には、変速ショックの低減等を目的としてエンジン1のトルクダウン制御が行われるが、このトルクダウン制御の開始と同時に自動変速機3の動作はイナーシャ相に移ることになるので、この時点が目標イナーシャ相開始タイミングとなる。つまり、このトルクダウン制御の開始に伴い自動変速機3の入力軸回転数は徐々に低下して(シフトアップの場合)、変速終了時に同期させるべき回転数即ち変速終了時同期回転数に接近していくことになる。そして、トルクダウン制御の終了時点が目標イナーシャ相終了タイミングとなる。また、トルクダウン制御によって低減したエンジントルクは、イナーシャ相終了後にはトルクダウン制御開始前の値に戻しておく必要がある。そのため、トルクダウン制御開始前の値までエンジントルクを徐々に増加させていくトルク復帰制御が、目標入力軸回転角加速度の変化に応じて適当な時点で開始される。
ステップST2において、未だ目標イナーシャ相開始タイミングに達しておらずNO判定された場合には、そのままリターンされる。
一方、目標イナーシャ相開始タイミングに達し、ステップST2でYES判定された場合には、ステップST3で変速中フラグが1にセットされた後、以下の演算処理を行う。つまり、実入力軸回転数の算出(実入力軸回転数算出部51による実入力軸回転数の算出;ステップST4)、目標入力軸回転に対する実入力軸回転の遅れ時間の推定(遅れ推定部53による遅れ時間の推定;ステップST5)、推定された遅れ時間のフィルタ処理(フィルタFによる一時応答遅れ処理;ステップST6)、目標入力軸回転角加速度の演算(目標入力軸回転数を微分器D1で微分することによる目標入力軸回転角加速度の演算;ステップST7)が行われる。尚、ステップST4〜ST6の処理とステップST7の処理とは前後を問わない。
その後、ステップST8に移り、遅れ時間前の目標入力軸回転角加速度の演算を行う。このステップST8で求められる目標入力軸回転角加速度が前記補正後の目標入力軸回転角加速度となる。
その後、ステップST9で、この目標入力軸回転角加速度に基づいた操作トルク(摩擦係合要素の係合トルクおよび自動変速機3の入力軸トルク)の演算が行われる。
このようにして求められた操作トルクによる自動変速機3の制御(摩擦係合要素の係合トルクの制御)およびエンジン1の制御(入力軸トルクの制御)が行われ、その後、ステップST10において、変速の状態が目標イナーシャ相終了タイミングに達したか否かを判定する。
未だ目標イナーシャ相終了タイミングに達しておらず、ステップST10でNO判定された場合にはリターンされる。この場合、変速中フラグは既に1にセットされているため、ステップST1ではYES判定され、前記ステップST4以降の動作(操作トルクの演算およびその操作トルクによる自動変速機3およびエンジン1の制御)が、目標イナーシャ相終了タイミングを迎えるまで繰り返される。
目標イナーシャ相終了タイミングに達し、ステップST10でYES判定された場合には、ステップST11に移り、変速中フラグを0にリセットする。
以上の動作が繰り返される。このような操作トルク演算処理が行われるため、前記ECU5によって(より具体的には、操作トルク制御装置50によって)本発明に係る自動変速機の制御装置が構成される。この制御装置は、スロットル開度センサ82、入力軸回転数センサ83、車速センサ87等からの各信号を入力信号として受信する構成となっている。また、この制御装置は、エンジン1および自動変速機3に操作トルク指令信号(エンジン制御指令信号および変速指令信号)を出力信号として出力する構成となっている。
図4は、前述した操作トルク演算処理によって得られた操作トルクによる制御が行われた場合のアップシフト変速時における入力軸回転数、入力軸回転角加速度、エンジントルク要求値、クラッチトルク要求値それぞれの変化の一例を示すタイミングチャート図である。
また、図5は、従来技術における操作トルク演算処理(フィードバックによる操作トルク演算処理)によって得られた操作トルクによる制御が行われた場合のアップシフト変速時における入力軸回転数、入力軸回転角加速度、エンジントルク要求値、クラッチトルク要求値それぞれの変化の一例を示すタイミングチャート図である。
図5に示す従来技術のものにあっては、目標イナーシャ相終了タイミングで入力軸回転角加速度の目標値(目標入力軸回転角加速度)が0に戻っており、エンジントルク要求値が復帰したことで実入力軸回転数が上昇し、この実入力軸回転数が目標入力軸回転数から乖離することでクラッチトルク要求値が上昇している。このため、クラッチトルクの上昇に伴う入力軸回転数の急変によるショック(掴み下げショック)が生じている(図5において下線で囲んだ領域a,b,cを参照)。その原因は、従来のフィードバック制御では、目標入力軸回転角加速度が次の変速段(変速完了後の変速段)の同期タイミングを迎えると目標入力軸回転角加速度がなくなり、イナーシャトルク分がフィードフォワードから消えてしまうことにある。この際、目標入力軸回転に対して実入力軸回転に遅れが生じているとフィードフォワード項がなくなってしまうため、次の回転同期までのイナーシャトルク分を失い、その結果、入力軸回転数の急変を招いてしまう。
これに対し、図4に示す本実施形態のものでは、前述したように、目標入力軸回転に対する実入力軸回転の遅れ時間(更に、前記フィルタ処理された遅れ時間)を反映した補正後の目標入力軸回転角加速度で制御されることから、目標イナーシャ相終了タイミング後に入力軸回転角加速度の目標値(目標入力軸回転角加速度)が0に戻っており、エンジントルク要求値が復帰するタイミングも目標イナーシャ相終了タイミング後となっている。このため、実入力軸回転数が目標入力軸回転数から乖離することはなく、クラッチトルク要求値が急変することもない。このため、変速ショックが防止されることになる(図4において下線で囲んだ領域d,eを参照)。
以上説明したように本実施形態では、目標入力軸回転に対する実入力軸回転の遅れ時間を反映した目標入力軸回転角加速度、および、目標出力軸トルクに応じて操作トルクが演算され、この演算した操作トルクにより、自動変速機3およびエンジン1を制御するようにしている。つまり、前記遅れ時間を反映させることで、この遅れ時間分だけ前の目標回転角加速度を使用し、この目標回転角加速度が無くなってしまうことを防止してフィードフォワードトルクが消失しないようにしている。このため、従来のフィードバック制御に比べて目標入力軸回転角加速度を適正に補正することができ、変速ショックおよび入力軸回転数の吹け上がりを防止することができ、ドライバビリティの改善を図ることができる。
(変形例)
次に、本発明の変形例について説明する。本変形例は、前記遅れ推定部53および目標入力軸回転角加速度補正部54それぞれに入力される情報が前記実施形態のものと異なっている。その他の構成および処理動作は前記実施形態のものと同様である。従って、ここでは、前記遅れ推定部53および目標入力軸回転角加速度補正部54それぞれに入力される情報についてのみ説明する。
図6は、本変形例における操作トルク制御装置50を示す機能ブロック図である。ここでは、前記実施形態において図2で示した機能ブロック図と同一の機能部については図6において同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態における操作トルク制御装置50は、前記目標入力軸回転数演算部52および微分器D1を備えておらず、それに代えて、目標入力軸回転角加速度取得部58および積分器I1を備えている。
目標入力軸回転角加速度取得部58は、例えば、車速およびスロットル開度等と目標入力軸回転角加速度との関係を示すマップがECU5のROMに記憶されており、現在の車速およびスロットル開度等をこのマップに当て嵌めることによって目標入力軸回転角加速度を取得する。この取得された目標入力軸回転角加速度の情報は、前記目標入力軸回転角加速度補正部54に送信される。目標入力軸回転角加速度の情報が目標入力軸回転角加速度補正部54に送信された後の処理は、前記実施形態の場合と同様である。
微分器D1は、前記目標入力軸回転角加速度取得部58から受信した目標入力軸回転角加速度を積分(2回積分)することによって目標入力軸回転数を算出し、この目標入力軸回転数の情報を前記遅れ推定部53に送信する。目標入力軸回転数の情報が遅れ推定部53に送信された後の処理は、前記実施形態の場合と同様である。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、操作トルク制御装置50によって制御される操作トルクとしては、自動変速機3に備えられた摩擦係合要素の係合トルクおよび自動変速機3の入力軸トルクであった。本発明はこれに限らず、これらトルクのうち一方のみを対象としたものとしてもよい。
本発明は、車両に搭載された自動変速機の変速時における操作トルク制御に適用可能である。
3 自動変速機
5 ECU
50 操作トルク制御装置
51 実入力軸回転数算出部
52 目標入力軸回転数演算部
53 遅れ推定部
54 目標入力軸回転角加速度補正部(補正部)

Claims (1)

  1. 複数の摩擦係合要素を備えると共にこれら摩擦係合要素の係合および解放を切り換えることで変速比を変化させる自動変速機に適用され、この自動変速機の入力軸の目標回転角加速度および出力軸の目標トルクに応じて操作トルクを演算し、この演算した操作トルクにより、前記摩擦係合要素の係合状態を調整するアクチュエータの操作量を制御する制御装置において、
    前記自動変速機の入力軸回転の目標値に対する実値の遅れ時間により前記入力軸の目標回転角加速度を補正する補正部を備えていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
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