JP5978801B2 - 手動変速機搭載車の発進制御装置 - Google Patents

手動変速機搭載車の発進制御装置 Download PDF

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本発明は、エンジン、クラッチ、手動変速機および駆動車輪を伝動経路の配列順とし、運転者がクラッチを解放、締結操作してエンジンおよび手動変速機間を遮断、結合可能な手動変速機搭載車の発進制御装置に関するものである。
上記のような伝動経路を具えた手動変速機搭載車は、運転者がクラッチペダルの踏み込みによりクラッチを解放して、手動変速機よりも下流側における伝動経路部分をエンジンから切り離し、この状態で手動変速機をニュートラル状態から走行変速段(前進第1速、または後退変速段)に投入し、その後クラッチペダルの釈放によりクラッチを締結してエンジン動力が駆動車輪へ向かうようにすることで発進可能である。
一方で当該車両の発進に際し運転者は、手動変速機の走行変速段への投入後に行うクラッチペダルの釈放操作(クラッチの締結進行)に調時して、アクセルペダルの踏み込みによりエンジン出力を増大させ、クラッチの締結進行によってもエンジン回転数が大きく低下することなく、発進加速要求に応じた時間変化割合で上昇するようなアクセル操作を行う必要がある。
このとき、クラッチペダルの釈放操作(クラッチの締結進行)に対してアクセルペダルを踏み込むアクセル操作が適切なタイミングでないと滑らかな発進は望み得ず、アクセル操作が遅れると、エンジンが停止(エンスト)し、アクセル操作が早過ぎるとエンジンが空吹ける。
ところで運転者にとって、クラッチペダルの釈放操作(クラッチの締結進行)に対し適切なタイミングでアクセルペダルの踏み込み操作を行うのは相当な熟練を要し、この熟練に頼ることなく運転者の技量を、車両側への対策により補い得るような発進操作アシスト制御装置が望まれている。
そこで従来、特許文献1に記載のような発進操作アシスト制御装置が提案された。
この提案技術は、運転者がクラッチペダルの釈放操作によりクラッチを締結進行させる間、エンジンを電子制御スロットルの開度制御により、実エンジン回転数が発進時目標エンジン回転数になるよう回転数フィードバック制御するというものである。
そして特許文献1には更に、当該エンジンの回転数フィードバック制御により、低下していた実エンジン回転数が発進時目標エンジン回転数に向け上昇し始めたとき(谷底を通過したとき)以降、実エンジン回転数と発進時目標エンジン回転数との偏差が所定値よりも小さくなるとき、上記エンジンの回転数フィードバック制御を終了する技術も提案されている。
特許第4654173号明細書
しかし上記した従来の発進操作アシスト制御技術では、運転者がクラッチペダルを急速に釈放操作して、クラッチを急締結させた場合に、以下の問題を生ずる。
かかるクラッチの急締結は、実エンジン回転数を急低下させると共に実エンジン回転数の低下量も大きくし、エンジン回転数の谷底が深くなる。
かように大きく低下した実エンジン回転数は、上記したエンジンの回転数フィードバック制御によりその後上昇される。
しかし、上記の通りエンジン回転数の谷底が深いことによって、実エンジン回転数および発進時目標エンジン回転数間の偏差が大きくなり、この偏差に基づくエンジンの回転数フィードバック制御量も大きくなる。
よって、エンジンの回転数フィードバック制御の効きが強くなり、実エンジン回転数の上記谷底からの上昇速度が急になる。
その結果エンジンの回転数フィードバック制御中、実エンジン回転数が発進時目標エンジン回転数に滑らかに収束し得ず、発進時目標エンジン回転数を一旦オーバーシュートし、エンジン回転が吹け上がるという問題を生ずる。
なお、エンジンの回転数フィードバック制御が進むにつれ、実エンジン回転数が発進時目標エンジン回転数に接近して両者間の偏差が小さくなるため、この偏差に基づくエンジンの回転数フィードバック制御量も小さくなる(エンジン回転数の上昇速度が低下される)が、
運転者がクラッチペダルを急速に釈放してクラッチを急締結させた場合は、エンジン回転数の谷底が深くて回転数フィードバック制御によるエンジン回転数の上昇速度が高くなるため、従来のように実エンジン回転数および発進時目標エンジン回転数間の偏差が小さくなってからエンジン回転数上昇速度の上記低下が行われるというのでは、エンジン回転数の上昇速度の当該低下が遅れ気味となって、エンジン回転が吹け上がるという上記の問題を避けられない。
本発明は、上記の実情に鑑み、従来のごとく実エンジン回転数および発進時目標エンジン回転数間の偏差が小さくなってからではなく、回転数フィードバック制御によりエンジン回転数が低下から上昇に転じたときから、エンジン回転数の上昇速度が低下されるよう構成することで、上記の問題を解消した手動変速機搭載車の発進制御装置を提供することを目的とする。
この目的のため、本発明による手動変速機搭載車の発進制御装置は、これを以下のような構成とする。
先ず、前提となる手動変速機搭載車の発進制御装置を説明するに、これは、
エンジン、クラッチ、手動変速機および駆動車輪を伝動経路の配列順とし、運転者が前記クラッチを解放、締結操作して前記エンジンおよび手動変速機間を遮断、結合可能な手動変速機搭載車に用いる発進制御装置である。
本発明の発進制御装置は、かかる手動変速機搭載車に対し、以下のようなエンジン制御手段および回転数フィードバック制御制限手段を設けた構成に特徴づけられる。
前者のエンジン制御手段は、前記クラッチの解放から締結への切り替え操作時に前記エンジンをエンジン回転数が発進時目標エンジン回転数となるようフィードバック制御するものである。
また後者の回転数フィードバック制御制限手段は、上記エンジン制御手段によるエンジンの回転数フィードバック制御中、エンジン回転数の変化が低下から上昇に転じたとき以後、前記回転数フィードバック制御の制御量に上限値を設定し、該制御量が該上限値を超えないようにして前記回転数フィードバック制御の効きを低下させるものである。
上記した本発明による手動変速機搭載車の発進制御装置では、
クラッチの解放から締結への切り替え操作時にエンジン回転数が発進時目標エンジン回転数となるよう行うエンジンの回転数フィードバック制御中、エンジン回転数の変化が低下から上昇に転じたとき以後、当該回転数フィードバック制御の効きを低下させるため、
クラッチの急締結に呼応してエンジン回転数の谷底が深くて回転数フィードバック制御によるエンジン回転数の上昇速度が高くなる場合であっても、当該エンジン回転数の上昇速度を、エンジン回転数が発進時目標エンジン回転数をオーバーシュートすることのないよう遅滞なく低下させ得ることとなって、エンジン回転が吹け上がるという前記の問題を回避することができる。
本発明の第1実施例になる発進制御装置を具えた手動変速機搭載車のパワートレーンを、その制御系とともに示す概略システム図である。 図1に示したパワートレーン制御システムのエンジンコントローラが実行する発進操作アシスト制御プログラムを示すフローチャートである。 図2に示す制御プログラム中においてエンジン回転変化率を演算する要領の参考例を示す説明用のタイムチャートである。 図2に示す制御プログラム中のエンジン回転変化率演算ステップによる信号処理要領を示す説明用のタイムチャートである。 図2に示す発進操作アシスト制御プログラムによる動作を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施例になる発進制御装置の発進操作アシスト制御を示す、図5と同様な動作タイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<第1実施例の構成>
図1は、本発明の第1実施例になる発進制御装置を具えた手動変速機搭載車のパワートレーンを、その制御系とともに示す。
図1の車両は、エンジン1、クラッチ2、手動変速機3および駆動車輪4を伝動経路の配列順とし、運転者がクラッチペダル5の踏み込みによりクラッチ2を解放してエンジン1および手動変速機3間を適宜遮断可能なものである。
エンジン1はスロットルバルブ6を具え、このスロットルバルブ6は、基本的にはアクセルペダル7の踏み込み量(アクセル開度)APOに対応した開度にされるが、必要に応じてアクセル開度APOとは切り離して開度制御可能な電子制御スロットルとする。
手動変速機3はシフトレバー3aを具え、このシフトレバー3aを運転者がシフト操作して、手動変速機3を動力伝達不能なニュートラル状態と、任意の変速段に投入された状態との間で状態切り替えし得るものとする。
上記のような伝動経路を具えた手動変速機搭載車は、運転者がクラッチペダル5の踏み込みによりクラッチ2を解放して、手動変速機3よりも下流側における伝動経路部分をエンジン1から切り離し、この状態で手動変速機3をシフトレバー3aの操作によりニュートラル状態から走行変速段(前進第1速、または後退変速段)に投入したり、走行変速段の切り替えを行い、その後クラッチペダル5の釈放によりクラッチ2を締結してエンジン動力が駆動車輪4へ向かうようにすることで発進可能または変速可能である。
スロットルバルブ6の前記開度制御(電子制御)は、エンジンコントローラ11(発進操作アシスト制御部11a)により遂行する。
このためエンジンコントローラ11(発進操作アシスト制御部11a)に、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ12からの信号と、アクセルペダル7の踏み込み量(アクセル開度)APOを検出するアクセル開度センサ13からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ14からの信号と、シフトレバー3aによる手動変速機3の操作位置(手動変速機3のニュートラル状態や、変速段選択状態)に係わる信号とを入力する。
スロットルバルブ6の開度制御(電子制御)に際しエンジンコントローラ11(発進操作アシスト制御部11a)は、目標スロットル開度tTVOを基本的にはアクセルペダル7の踏み込み量(アクセル開度)APOに対応した開度と定め、実スロットル開度TVOがこの目標スロットル開度tTVOに一致するようスロットルバルブ6を電子制御する。
しかし前記した発進操作アシスト制御などのためにスロットル開度TVOを、アクセル開度APOから切り離してアクセル開度対応開度以外の開度に制御する必要が発生した場合、エンジンコントローラ11(発進操作アシスト制御部11a)は、この要求が満足されるよう目標スロットル開度tTVOを補正して、この補正されたこの目標スロットル開度tTVOに実スロットル開度TVOが一致するようスロットルバルブ6を電子制御する。
エンジンコントローラ11(発進操作アシスト制御部11a)は、スロットルバルブ6の上記した電子制御のほかに、燃料噴射量信号および点火時期信号によりエンジン1の運転状態に応じた燃料噴射量制御および点火時期制御をも行う。
<第1実施例の発進制御>
上記はエンジンコントローラ11(発進操作アシスト制御部11a)による通常の制御であるが、本実施例においては当該エンジンコントローラ11(発進操作アシスト制御部11a)が、図2の発進操作アシスト制御プログラムを実行して以下のように車両の発進制御を行うものとする。
ステップS11においては車速VSPを読み込み、ステップS12においてはエンジン回転数Neを読み込み、ステップS13においてはエンジン回転数Neからその時間変化率ΔNeを算出する。
エンジン回転数Neの時間変化率ΔNeを算出するに当たっては、図3の参考例に示すように例えば10msecの時間間隔(一定周期)でエンジン回転数Neをサンプリングし、これに基づくエンジン回転数Neの加重平均値からエンジン回転変化率ΔNeを求めることが考えられる。
しかしこの場合、エンジン回転変化率ΔNeの算出タイミングがエンジン回転数Neの算出タイミング(クランク角周期REF)と異なるため、エンジン回転数Neが低いときエンジン回転変化率ΔNeの算出値が粗く、散発的な値になってしまい、エンジン回転変化率ΔNeの算出精度が悪くなる。
そこで本実施例においては、図4に示すようにクランク角周期REFでエンジン回転数Neをサンプリングし、これに基づきエンジン回転変化率ΔNeを求めることとする。
この場合、エンジン回転変化率ΔNeの算出タイミングがエンジン回転数Neの算出タイミング(クランク角周期REF)と一致するため、エンジン回転数Neが低いときもエンジン回転変化率ΔNeの算出値が安定し、エンジン回転変化率ΔNeの算出精度が悪くならないと共に、荷重平均のような平均化処理も不要になって演算負荷の低減も図り得る。
図2のステップS14においては、発進時目標エンジン回転数Nidlを算出する。
この発進時目標エンジン回転数Nidlは、車両の発進時に先ず行うクラッチペダル5の釈放操作(クラッチ2の締結進行)によってもエンジン回転数Neを、大きく低下することなく発進加速要求に応じた速度で上昇させるための発進時エンジン回転目標値で、予めマップとして用意しておき、検索により求める。
次のステップS15においては、車速VSPが発進操作アシスト制御許可判定車速VSPs以下で、且つ、発進時目標エンジン回転数Nidlに対するエンジン回転数Neの回転偏差(Nidl−Ne)が発進操作アシスト制御開始回転偏差ΔNes以上か否かをチェックする。
発進操作アシスト制御は前記した通り、車両発進時に運転者が行うクラッチペダル5の釈放操作(クラッチ2の締結進行)中、エンジン回転数Neを上記の発進時目標エンジン回転数Nidlに向かわせるエンジン1の回転数フィードバック制御で、
本実施例においてはエンジンコントローラ11(発進操作アシスト制御部11a)が、スロットルバルブ6の目標スロットル開度tTVOを上記のエンジン回転偏差(Nidl−Ne)に応じ操作して当該回転数フィードバック制御を行うこととする。
ステップS15における発進操作アシスト制御許可判定車速VSPsおよび発進操作アシスト制御開始回転偏差ΔNesのうち、前者の発進操作アシスト制御許可判定車速VSPsは、発進操作アシスト制御を許可すべき低車速域の上限車速とし、また後者の発進操作アシスト制御開始回転偏差ΔNesは、発進操作アシスト制御を行うべきエンジン回転偏差(Nidl−Ne)の下限値とする。
従ってステップS15でVSP≦VSPs、且つ、(Nidl−Ne)≧ΔNesと判定する場合は、発進操作アシスト制御の実行条件が揃っていることから、制御をステップS16以降に進めて後述のように発進操作アシスト制御を遂行し、
ステップS15で上記2条件のいずかか1つでも欠けていると判定する場合は、発進操作アシスト制御を実行すべきでないため、制御をそのまま終了して図2のループから抜ける。
ステップS16では発進操作アシスト制御を開始する。
この発進操作アシスト制御に際しては、発進時目標エンジン回転数Nidlおよびエンジン回転数Ne間の回転偏差(Nidl−Ne)に応じ、エンジン回転数Neを発進時目標エンジン回転数Nidlに向かわせるためのエンジン1の回転数フィードバック制御量(本実施例では目標スロットル開度tTVOの補正量ΔTVO)を算出し、
このΔTVOだけ補正させた後の目標スロットル開度tTVOにスロットルバルブ6のスロットル開度TVOを向かわせる。
従ってステップS16が、本発明におけるエンジン制御手段に相当する。
かかるエンジン1の回転数フィードバック制御により、クラッチペダル5の釈放によるクラッチ2の解放→締結切り替え時(発進操作時)にエンジン回転数Neを発進時目標エンジン回転数Nidlに向かわせることができ、クラッチ2の解放→締結切り替え(発進操作)によってもエンジン回転数Neが、大きく低下することなく発進加速要求に応じた速度で上昇させることが、車両側において可能となる。
次いでステップS17において、ステップS13で求めたエンジン回転変化率ΔNeがΔNe≧0か否かをチェックし、ステップS16で行う上記エンジン1の回転数フィードバック制御中、エンジン回転数Neが上昇しているか否かを(低下から上昇への反転が有ったか否かを)チェックする。
ステップS17でエンジン回転数Neが低下中(Neが低下から上昇に転じる前)判定する間は、制御をそのまま終了して図2のループから抜けることにより、ステップS16で行う記エンジン1の回転数フィードバック制御を継続する。
ステップS17においてエンジン回転数Neが低下から上昇に転じ、上昇中であると判定する間は、ステップS18において、ステップS16で求めたエンジン1の回転数フィードバック制御量ΔTVOに上限値ΔTVO_LMTを設定し、回転数フィードバック制御量ΔTVOが上限値ΔTVO_LMTを超えることのないよう制限する。
この回転数フィードバック制御量上限値ΔTVO_LMTは、車両の発進に際して行うクラッチペダル5の釈放操作が急速でクラッチ2が急締結される場合であっても、エンジン1の回転数フィードバック制御中にエンジン回転数Neが発進時目標エンジン回転数Nidlを超えてオーバーシュートすることのないようにするための回転数フィードバック制御量ΔTVOの限界値であり、エンジン回転偏差(Nidl−Ne)が小さくなるにつれて低い値とする。
ステップS18においては、上限値ΔTVO_LMTを超えることのないよう制限した制限済回転数フィードバック制御量ΔTVO(便宜上、同じ符号を用いた)だけ、ステップS16につき前述した目標スロットル開度tTVOを補正した後の制限済目標スロットル開度tTVO(便宜上、同じ符号を用いた)にスロットルバルブ6のスロットル開度TVOを向かわせる。
従ってステップS18が、本発明における回転数フィードバック制御制限手段に相当する。
ステップS19においては、VSP>VSPs、または、(Nidl−Ne)<ΔNesであるか否かを、つまりステップS15につき前述した通り発進操作アシスト制御を禁止すべきか否かをチェックする。
ステップS19でVSP≦VSPs、且つ、(Nidl−Ne)≧ΔNesと判定する発進操作アシスト制御許可時は、制御をそのまま終了して、ステップS18での制限されたフィードバック制御量ΔTVOに対応する制限済目標スロットル開度tTVOに基づきスロットルバルブ6を、スロットル開度TVOが制限済目標スロットル開度tTVOに向かうよう電子制御する。
ステップS19でVSP>VSPs、または、(Nidl−Ne)<ΔNesであると判定する場合、つまりステップS15につき前述した通り発進操作アシスト制御を禁止すべきである場合は、ステップS20において発進操作アシスト制御を終了し、回転数フィードバック制御量ΔTVOを0にする。
かかるΔTVO=0により、目標スロットル開度tTVOはアクセル開度APOに対応した開度から変更されることがないためアクセル開度対応開度となり、スロットルバルブ6を、スロットル開度TVOが目標スロットル開度tTVOに向かうよう電子制御するとき、スロットル開度TVOはアクセル開度APOのみに依存した開度となる。
<第1実施例の効果>
上記した第1実施例の発進制御(発進操作アシスト制御)による効果を、図5の動作タイムチャートに基づき以下に説明する。
図5は、アクセル開度APO=0のまま、運転者がクラッチペダル5を急速に釈放したことでクラッチ2が急締結される場合の動作タイムチャートである。
クラッチ2の急締結によりエンジン回転数Neが図示のごとくに低下される。
これにより発進時目標エンジン回転数Nidlに対する実エンジン回転数Neの乖離であるエンジン回転偏差(Nidl−Ne)が発進操作アシスト制御開始回転偏差ΔNes以上となる(ステップS15)瞬時t1に、車速VSPが発進操作アシスト制御許可判定車速VSPs以下(ステップS15)の0であることとも相俟って、発進操作アシスト制御が開始される(ステップS16)。
この発進操作アシスト制御(ステップS16)は、車両発進時に運転者が行うクラッチペダル5の釈放操作(クラッチ2の締結進行)中、エンジン回転数Neを発進時目標アイドル回転数Nidlに向かわせるエンジン1の回転数フィードバック制御である。
つまり、これらNe,Nidl間のエンジン回転偏差(Nidl−Ne)に応じた微分項成分ΔTVOdおよび積分項成分ΔTVOiの合算値である回転数フィードバック制御量ΔTVO(=ΔTVOd+ΔTVOi)だけ、スロットルバルブ6の目標スロットル開度tTVOを補正し、スロットルバルブ6をそのスロットル開度TVOが目標スロットル開度tTVOとなるよう電子制御することでエンジン回転数Neを発進時目標アイドル回転数Nidlに向かわせる。
ところでエンジン回転偏差(Nidl−Ne)に応じた回転数フィードバック制御(ステップS16)を終始そのまま継続すると、クラッチ2を急締結させた場合に、以下の問題を生ずる。
かかるクラッチ2の急締結は図5のように、実エンジン回転数Neを急低下させると共に実エンジン回転数Neの低下量も大きくし、瞬時t2に見られるようにエンジン回転数Neの谷底を深くする。
かように大きく低下した実エンジン回転数Neはその後、上記したエンジン1の回転数フィードバック制御(ステップS16)により図5に破線で示すごとくに上昇される。
しかし、上記の通りエンジン回転数Neの瞬時t2における谷底が深いことによって、エンジン回転偏差(Nidl−Ne)が大きくなり、このエンジン回転偏差(Nidl−Ne)に応じた積分項成分ΔTVOiも大きくなり、これに伴って回転数フィードバック制御量ΔTVO(=ΔTVOd+ΔTVOi)も、図5では瞬時t3以後の波形を示さなかったが、積分項成分ΔTVOiの波形に沿うように大きくなる。
よって、エンジンの回転数フィードバック制御の効きが強くなり、実エンジン回転数Neの瞬時t2における谷底からの上昇速度が破線で示すごとく急になる。
その結果エンジン1の回転数フィードバック制御中、実エンジン回転数Neが発進時目標エンジン回転数Nidlに滑らかに収束し得ず、発進時目標エンジン回転数Nidlを一旦オーバーシュートし、エンジン回転が吹け上がるという問題を生ずる。
なお、エンジン1の回転数フィードバック制御が進むにつれ、エンジン回転偏差(Nidl−Ne)が小さくなるため、この偏差に基づくエンジン1の回転数フィードバック制御量ΔTVOも小さくなる(エンジン回転数Neの上昇速度が低下される)が、
クラッチ2を急締結させた場合は、エンジン回転数Neの谷底が深くて回転数フィードバック制御によるエンジン回転数Neの上昇速度が高くなるため、エンジン回転偏差(Nidl−Ne)が小さくなってからエンジン回転数上昇速度の上記低下が行われるというのでは、エンジン回転数Neの上昇速度の当該低下が遅れ気味となって、エンジン回転が吹け上がる上記の問題を避けられない。
なお図5の瞬時t4においてエンジン回転数Neのオーバーシュートを判定し、このとき発進操作アシスト制御の終了(OFF)を破線図示のごとくに指令して、積分項成分ΔTVOiを0にリセットすることにより、微分項成分ΔTVOd=0とで、回転数フィードバック制御量ΔTVO(=ΔTVOd+ΔTVOi)を0にすることも考えられるが、これによっても、スロットルバルブ6の応答遅れなどによりエンジン回転数Neは破線で示すように発進時目標エンジン回転数Nidlを超えたままであり、エンジン回転が吹け上がる問題を解消し得ない。
ところで本実施例においては、エンジン1の回転数フィードバック制御中(ステップS16)、エンジン回転数Neが低下から上昇に転ずる(ステップS17)瞬時t2より、回転数フィードバック制御量ΔTVOに上限値ΔTVO_LMTを設定し(ステップS18)、回転数フィードバック制御量ΔTVOが図5に示すごとく上限値ΔTVO_LMTを超えることのないようにしたため、以下の効果が奏し得られる。
エンジン回転数Neが低下から上昇に転ずる瞬時t2より、つまりエンジン回転偏差(Nidl−Ne)が最大値であるときから、回転数フィードバック制御量ΔTVOが図5に示すごとく上限値ΔTVO_LMTを超えることのないよう、回転数フィードバック制御量ΔTVOを制限することとなる。
このため、クラッチ2の急締結に呼応してエンジン回転数Neの谷底が深くて回転数フィードバック制御によるエンジン回転数Neの上昇速度が高くなる場合であっても、当該エンジン回転数Neの上昇速度を図5に実線で示すごとく、エンジン回転数Neが発進時目標エンジン回転数Nidlをオーバーシュートすることのないよう遅滞なく低下させ得て、エンジン回転が吹け上がるという上記の問題を回避することができる。
なお本実施例では回転数フィードバック制御量ΔTVOの上限値ΔTVO_LMTを、クラッチ2が急締結される場合であっても、エンジン1の回転数フィードバック制御中にエンジン回転数Neが発進時目標エンジン回転数Nidlを超えてオーバーシュートすることのないようにするための回転数フィードバック制御量ΔTVOの限界値とし、エンジン回転偏差(Nidl−Ne)が小さくなるにつれて低くなる値としたため、
上記の効果を確実に達成し得るのに加えて、エンジン回転数Neを発進時目標エンジン回転数Nidlまで持ち上げるのに必要な回転数フィードバック制御量ΔTVOとしつつ、エンジン回転数Neのオーバーシュート防止を実現することができる。
図5の瞬時t5において、車速VSPが発進操作アシスト制御許可判定車速VSPsを超えると(ステップS19)、またはエンジン回転偏差(Nidl−Ne)が発進操作アシスト制御開始回転偏差ΔNes未満になると(ステップS19)、発進操作アシスト制御のOFF指令により回転数フィードバック制御量ΔTVOが0にされ(ステップS20)、スロットル開度TVOをアクセル開度APO対応開度に戻して、発進操作アシスト制御から通常制御へスムーズに復帰させることができる。
<第2実施例の発進制御>
図6は、本発明の第2実施例になる発進制御装置の動作タイムチャートであり、図5の場合と同様、アクセル開度APO=0のまま、運転者がクラッチペダル5を急速に釈放したことでクラッチ2が急締結される場合の発進操作アシスト制御を示す。
本実施例においても、制御システムは図1におけると同様なものとし、図1におけるエンジンコントローラ11(発進操作アシスト制御部11a)が、図2のステップS18を以下のごときものとした発進操作アシスト制御プログラムを実行して、第1実施例と略同様な車両の発進制御を行うものとする。
本実施例においては、図2のステップS17でエンジン回転数Neが低下から上昇に転じ、上昇中であると判定した場合に選択されるステップS18において設定すべき回転数フィードバック制御量ΔTVOの上限値ΔTVO_LMTを、趣旨は第1実施例と同様なものであるが、以下のごときものとする。
つまり本実施例における回転数フィードバック制御量ΔTVOの上限値ΔTVO_LMTは、第1実施例と同様、車両発進時のクラッチ2の締結が急締結である場合でも、エンジン1の回転数フィードバック制御中にエンジン回転数Neが発進時目標エンジン回転数Nidlを超えてオーバーシュートすることのないようにするためのものであるが、
当該回転数フィードバック制御量ΔTVOの上限値ΔTVO_LMTを、本実施例においては図6に示すごとく、エンジン回転数Neが低下から上昇に転じた瞬時t2からの経過時間が長くなるにつれて低くなり、好ましくは、エンジン回転数Neが発進時目標エンジン回転数Nidl
に略一致する時に0となるような値に定める。
<第2実施例の効果>
かかる第2実施例の発進制御(発進操作アシスト制御)による効果を、図6の動作タイムチャートに基づき以下に説明する。
本実施例においても、クラッチ2の急締結により低下するエンジン回転数Neと発進時目標エンジン回転数Nidlとの間のエンジン回転偏差(Nidl−Ne)が発進操作アシスト制御開始回転偏差ΔNes以上となる(ステップS15)瞬時t1より開始された発進操作アシスト制御中(ステップS16)、エンジン回転数Neが低下から上昇に転ずる(ステップS17)瞬時t2より、回転数フィードバック制御量ΔTVOに上限値ΔTVO_LMTを設定し(ステップS18)、回転数フィードバック制御量ΔTVOが図6に示すごとく上限値ΔTVO_LMTを超えることのないようにしたため、第1実施例と同様な効果を奏し得る。
加えて本実施例では、ステップS18で設定する回転数フィードバック制御量ΔTVOの上限値ΔTVO_LMTを、エンジン回転数Neが低下から上昇に転じた瞬時t2からの経過時間が長くなるにつれて低くなり、好ましくは、エンジン回転数Neが発進時目標エンジン回転数Nidlに略一致する時に0となるような値に定めたため、回転数フィードバック制御量ΔTVOを瞬時t2からの時間経過とともに確実に低下させ得て、エンジン回転数Neを発進時目標エンジン回転数Nidlに一致するまで滑らかに漸減させることができ、ショックの発生を防止可能である。
1 エンジン
2 クラッチ
3 手動変速機
4 駆動車輪
5 クラッチペダル
6 電子制御スロットルバルブ
7 アクセルペダル
11 エンジンコントローラ
11a 発進操作制御部
12 エンジン回転センサ
13 アクセル開度センサ
14 車速センサ

Claims (3)

  1. エンジン、クラッチ、手動変速機および駆動車輪を伝動経路の配列順とし、運転者が前記クラッチを解放、締結操作して前記エンジンおよび手動変速機間を遮断、結合可能な手動変速機搭載車に用いる発進制御装置において、
    前記クラッチの解放から締結への切り替え操作時に前記エンジンをエンジン回転数が発進時目標エンジン回転数となるようフィードバック制御するエンジン制御手段と、
    該手段によるエンジンの回転数フィードバック制御中、エンジン回転数の変化が低下から上昇に転じたとき以後、前記回転数フィードバック制御の制御量に上限値を設定し、該制御量が該上限値を超えないようにして前記回転数フィードバック制御の効きを低下させる回転数フィードバック制御制限手段と
    を設けて構成したことを特徴とする手動変速機搭載車の発進制御装置。
  2. 請求項1に記載された、手動変速機搭載車の発進制御装置において、
    前記回転数フィードバック制御量の上限値は、前記エンジン回転数および発進時目標エンジン回転数間の偏差が小さくなるほど低い値であることを特徴とする手動変速機搭載車の発進制御装置。
  3. 請求項1に記載された、手動変速機搭載車の発進制御装置において、
    前記回転数フィードバック制御量の上限値は、前記エンジン制御手段によるエンジンの回転数フィードバック制御中、前記エンジン回転数の変化が低下から上昇に転じたときからの経過時間が長くなるほど低い値であることを特徴とする手動変速機搭載車の発進制御装置。
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