JP2011194970A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】手動クラッチを備えた車両において、発進時におけるエンジンストールの発生を防止することができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】総合ECUは、クラッチ機構13が非係合状態から係合状態に移行を開始したと判断し(ステップS2でYES)、車速Vが所定値Vth1以下であると判断した場合には(ステップS3でYES)、実エンジン回転数Nerealおよびアクセルペダル61の踏み込み量Apedalを表す信号を取得し(ステップS3、S4)、目標エンジン回転数Nerefを算出する(ステップS5)。そして、総合ECU70は、実エンジン回転数Nerealおよび目標エンジン回転数Nerefを用いてフィードバック値FBを算出し、フィードバック値FBに対応するトルク量Tmを取得する。そして、総合ECU70は、モータ30がトルク量Tmを出力するようモータ30を制御する(ステップS6)。
【選択図】図4

Description

本発明は、手動変速機を搭載した車両の制御装置に関する。
一般に、手動変速機を搭載した車両は、手動クラッチを備えており、内燃機関としてのエンジンから出力された回転が手動クラッチを介して手動変速機を構成する変速機構に伝達されるようになっている。
このような車両に搭載される手動クラッチとしては、乾式単板式の摩擦クラッチが採用されており、クラッチペダルの操作に応じてエンジンの出力軸に接続されたフライホイールと変速機構の入力軸に接続されたクラッチディスクを係合あるいは解放することにより、エンジンから出力される回転を変速機構に伝達する伝達状態と当該回転を遮断する遮断状態との間で切り替えることが可能になっている。
また、変速機構は、一般に、常時噛み合い式や同期噛み合い式手動変速機により構成されている。このような変速機構は、インプット側メインシャフトと、アウトプット側メインシャフトと、カウンターシャフトとを備えており、インプット側あるいはアウトプット側メインシャフト上に配置されたギヤと、カウンターシャフト上に配置されたギヤとが常時噛み合って構成される複数のギヤ対を有している。また各メインシャフトに設けられたギヤは、シャフト上で空転できるようになっている。
また、空転できる各ギヤの側面にはそれぞれスリーブが接続可能となっている。スリーブは、シフトレバーと接続されたシフトフォークにより軸方向に移動可能となっており、シフトレバーの操作に応じてスリーブが軸方向に移動しギヤに接続されると、当該ギヤはスリーブを介してメインシャフトに固定される。したがって、エンジンの出力回転は、スリーブによりメインシャフトに固定されたギヤとこのギヤに噛み合うギヤとのギヤ比によって変速され、駆動輪に伝達されるようになっている。
このような手動変速機および手動クラッチを備えた車両において、動力源としてエンジンおよび電動機を備え、走行状態に応じてエンジンの出力のみによる走行とエンジンおよび電動機の出力による走行とを切り替え可能な4輪駆動車両の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の4輪駆動車両の制御装置は、前輪に駆動力を伝達するエンジンと、後輪に駆動力を伝達する電動機と、エンジンの駆動力により発電を行い電動機に電力を供給する発電機と、車両の走行状態に応じて2輪駆動と4輪駆動とを切り替える制御手段とを備えており、制御手段は、通常走行時にはエンジンのみを動力源とする2輪駆動を行う一方、各車輪に回転速度差が生じ、車両がスリップをしている場合には、電動機の出力を後輪に伝達して走行するようになっている。したがって、車両の走行中において、凍結した路面や凹凸が激しい路面に差し掛かった場合においても、制御手段は、2輪駆動から4輪駆動に切り替えることにより車両の走行を安定させるようになっている。
ところで、このような手動変速機および手動クラッチを備えた車両における発進時の操作について説明すると、まず、運転者はクラッチペダルを踏み込んで手動クラッチを伝達状態から遮断状態に移行するよう操作した後に、変速機構が1速段を形成するようシフトレバーを操作する。そして、アクセルペダルを踏み込んでエンジン回転速度を上昇させながら、クラッチペダルを徐々に戻してクラッチを遮断状態から伝達状態に徐々に移行するよう操作し、エンジンからの駆動力が変速機構を介して駆動輪に伝達される。この時、運転者は、エンジン回転速度に対応するエンジントルクとクラッチ操作に応じたクラッチトルクとが調和するようクラッチペダルとアクセルペダルとを操作することにより、車両を円滑に発進させることが可能となる。
特開2006−88907号公報
しかしながら、この特許文献1に記載の4輪駆動車両の制御装置にあっては、車両がエンジンの駆動力により走行している際に走行が不安定になった場合には、電動機から駆動力を出力することにより走行安定性を向上するようになっているものの、車両の発進安定性を向上することに関しては考慮されていなかった。
そのため、車両の発進時において、上述したようにクラッチペダルとアクセルペダルの操作を調和させることは、すべての運転者にとって必ずしも容易に行い得ることではなく、運転者によるアクセルペダルの操作量がクラッチペダルの操作量に対して不十分となりクラッチトルクがエンジントルクを上回った場合には、エンジン回転数が急激に低下し発進安定性が損なわれるにも関わらず、このような発進安定性について何ら考慮されていない。したがって、車両の発進時にエンジンストールの発生する可能性が生じるという問題があった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、手動クラッチを備えた車両において、発進時におけるエンジンストールの発生を防止することができる車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両の制御装置は、上記目的達成のため、(1)手動変速機を介して前輪および後輪のうちいずれか一方に動力を供給する内燃機関と、前記前輪および後輪のうちいずれか他方に動力を供給する電動機と、運転者の操作に応じて前記内燃機関と前記手動変速機との間の動力を遮断する遮断状態と伝達する伝達状態とに切り替え可能な切替手段と、を備えた車両の制御装置であって、前記車両に対する要求駆動力を検出する要求駆動力検出手段と、前記要求駆動力検出手段により検出された要求駆動力に応じて前記内燃機関に対する目標機関回転数を設定する目標機関回転数設定手段と、前記切替手段が前記遮断状態から前記伝達状態に移行を開始したか否かを検出する状態検出手段と、前記内燃機関の機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、前記機関回転数検出手段により検出された機関回転数が前記目標機関回転数以下の場合には、前記電動機が発生する動力を増加させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成により、車両の発進時において機関回転数が目標機関回転数以下となった場合には、電動機の出力を増大することができる。したがって、運転者による切替手段の操作に対して駆動力を発生させるための操作が適切でなく、機関回転数が落ち込みを開始した場合においても、電動機の出力を増加させることにより機関回転数のさらなる落ち込みを防止して、エンジンストールが発生することを防止できる。
また、本発明に係る車両の制御装置は、上記目的達成のため、(2)手動変速機を介して駆動輪に動力を供給する内燃機関と、運転者の操作に応じて前記内燃機関と前記手動変速機との間の動力を遮断する遮断状態と伝達する伝達状態とに切り替え可能な切替手段と、前記切替手段と前記駆動輪との間に設置され、前記駆動輪に動力を供給する電動機と、備えた車両の制御装置であって、前記車両に対する要求駆動力を検出する要求駆動力検出手段と、前記要求駆動力検出手段により検出された要求駆動力に応じて前記内燃機関に対する目標機関回転数を設定する目標機関回転数設定手段と、前記切替手段が前記遮断状態から前記伝達状態に移行を開始したか否かを検出する状態検出手段と、前記内燃機関の機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、前記機関回転数検出手段により検出された機関回転数が前記目標機関回転数以下の場合には、前記電動機が発生する動力を増加させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成により、車両の発進時において機関回転数が目標機関回転数以下となった場合には、電動機の出力を増大することができる。したがって、運転者による切替手段の操作に対して駆動力を発生させるための操作が適切でなく、機関回転数が落ち込みを開始した場合においても、電動機の出力を増加させることにより機関回転数のさらなる落ち込みを防止して、エンジンストールが発生することを防止できる。
また、上記(1)または(2)に記載の車両の制御装置において、(3)前記要求駆動力検出手段は、アクセルペダルの踏み込み量を前記要求駆動力として検出することを特徴とする。
この構成により、運転者の車両に対する要求駆動力を的確に検出し、検出された要求駆動力に応じた適切な目標機関回転数を設定することができる。
また、上記(1)から(3)に記載の車両の制御装置において、(4)前記制御手段は、前記車両の速度が所定値以下であることを条件に、前記電動機が発生する動力の増加を開始することを特徴とする。
この構成により、車両の速度が所定値以下の場合において電動機が発生する動力を増加するので、エンジンストールが発生する可能性がある車両の発進時のみにおいて、電動機が発生する動力を増加することができる。
また、上記(1)から(3)に記載の車両の制御装置において、(5)前記制御手段は、前記機関回転数検出手段により検出された機関回転数が増加から減少に転じたことを条件に、前記電動機が発生する動力の増加を開始することを特徴とする。
この構成により、運転者の操作により切替手段が遮断状態から伝達状態に移行を開始する前に電動機が不要に動力を増加することを防止できる。
また、上記(1)から(5)に記載の車両の制御装置において、(6)前記制御手段は、前記車両に対し制動要求が発生したことを条件に、前記電動機が発生する動力の増加を終了することを特徴とする。
この構成により、機関回転数の低下を防止する必要性がなくなった車両の走行状態においては、電動機による動力の増加を終了することが可能となる。
また、上記(1)から(6)に記載の車両の制御装置において、(7)前記制御手段は、前記機関回転数検出手段により検出された機関回転数が前記目標機関回転数を上回った場合には、前記電動機が発生する動力の増加を終了することを特徴とする。
この構成により、エンジンストールが発生する可能性が低下している状態においては、電動機により出力される動力の増加を抑制することが可能となる。
本発明によれば、手動クラッチを備えた車両において、発進時におけるエンジンストールの発生を防止することができる車両の制御装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る制御装置が搭載される車両の概略構成図である。 本発明の実施の形態に係るエンジンの概略構成図である。 本発明の実施の形態に係るクラッチ機構の断面図である。 本発明の実施の形態に係るアシスト制御を示すフロー図である。 本発明の実施の形態に係るアシスト制御の実施例を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る制御装置が搭載される車両の別の例を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態に係る車両1の制御装置について、図1ないし図6を参照して説明する。
まず、構成について説明する。
図1に示すように、車両1は、内燃機関としてのエンジン11と、電動機としてのモータ30とを備え、エンジン11から出力された動力を前輪10FL、10FRに伝達し、モータ30から出力された動力を後輪10RL、10RRに伝達するハイブリッドの4輪駆動車両により構成されている。
また、車両1は、エンジン11に対し始動制御や出力制御などの制御を実行するエンジンECU20を備えている。エンジンECU20は、双方向性バスを介して互いに接続されているCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入力ポート、および出力ポート等を備えたマイクロコンピュータによって構成されている。CPUは、RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムおよびマップに従って信号処理を行うことにより、後述する総合ECU70と協働してエンジン11の始動制御および出力制御などを実行するようになっている。出力ポートから出力された信号は、A/D変換器を介して図示しないアクチュエータなどに送信されるようになっている。
また、車両1は、運転者の操作に応じた変速を実現可能な手動変速機12と、エンジン11から手動変速機12への出力トルクの伝達を遮断可能なクラッチ機構13と、エンジン11の出力トルクを減速して左右の前輪10FL、10FRに伝達する前側差動装置15と、を備えており、エンジン11から出力された動力は、クラッチ機構13、手動変速機12および前側差動装置15を介して前輪10FL、10FRに伝達される。前側差動装置15は、減速ギヤやディファレンシャルギヤなどにより構成されている。
モータ30は、ステータ、ロータおよび回転軸を有しており、ブラシレスDCモータによって構成されている。
車両1は、モータ30の動作を制御するモータECU31を備えている。モータECU31は、要求値に応じた出力を発生させるようモータ30を制御するようになっている。モータ30は、高電圧バッテリ50から供給される電力や、後述するオルタネータ39から供給される電力によって駆動するようになっている。また、車両1は、モータ30の出力トルクを減速して左右の後輪10RL、10RRに伝達する後側差動装置38を備えている。後側差動装置38は、減速ギヤやディファレンシャルギヤなどにより構成されている。
また、モータ30は、発電機として作動させることによって、後輪10RL、10RRに制動力を発生させる回生ブレーキとして機能するようになっている。この場合、モータ30において発生した電力は、高電圧バッテリ50に蓄電されるようになっている。
また、車両1は、エンジン11のクランクシャフト32(図2参照)に設置されたクランクシャフトプーリとベルトを介して接続され、エンジン11の動力により発電するオルタネータ39を備えており、高電圧バッテリ50は、オルタネータ39により発電された電力も蓄電するようになっている。
なお、オルタネータ39により出力された電力は、低電圧バッテリ51にも蓄電されるようになっている。低電圧バッテリ51に蓄電された電力は、例えば、エンジン11のスタータを駆動させる際に使用される。
車両1は、各車輪10FL、10FR、10RL、10RRに機械的な制動力を働かせる油圧制動手段61FL、61FR、61RL、61RRを備えている。
油圧制動手段61FL、61FR、61RL、61RRは、各車輪10FL、10FR、10RL、10RRに配設されたキャリパーやブレーキパッド、ディスクロータなどにより構成されている。
また、車両1は、各油圧制動手段61FL、61FR、61RL、61RRのキャリパーに対して油圧を供給する油圧配管62FL、62FR、62RL、62RRと、運転者により操作されるブレーキペダル66と、ブレーキペダル66に入力された運転者の操作圧力、すなわちブレーキ踏力を倍化させる制動倍力手段および制動倍力手段により倍化されたペダル踏力を油圧に変換するマスターシリンダ65と、変換された油圧を調節して各油圧配管62FL、62FR、62RL、62RRに伝えるブレーキアクチュエータ67と、を備えている。また、ブレーキペダル66には、運転者により踏み込まれた場合にON信号を送信するブレーキスイッチ69が設置されている。
ブレーキアクチュエータ67は、各油圧配管62FL、62FR、62RL、62RRにより供給される油圧を個別に調節可能となっており、各々の車輪10FL、10FR、10RL、10RRに対して互いに独立した大きさの制動力を発生させることができる。
また、車両1は、ブレーキアクチュエータ67を制御して各車輪10FL、10FR、10RL、10RRに発生させる制動力を制御するための油圧制動ECU68を備えている。油圧制動ECU68は、ホイールロックを防止するためのABS(Anti-Lock Brake System)制御や、必要に応じて制動力を増加するためのブレーキアシスト制御を実行するようになっている。
また、車両1は、エンジン11、モータ30、手動変速機12およびブレーキアクチュエータ67の協調制御を実行する総合ECU70を備えている。総合ECU70は、双方向性バスを介して互いに接続されているCPU、RAM、ROM、入力ポート、および出力ポート等を備えたマイクロコンピュータによって構成されている。CPUは、RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムおよびマップに従って信号処理を行うことにより、エンジン11およびモータ30の出力調整などを実行するようになっている。
総合ECU70は、CAN(Controller Area Network)通信を介してエンジンECU20、モータECU31および油圧制動ECU68との間で制御指令や制御要求値を表す信号、各種センサの検出信号などの授受を行い、最適な車両駆動力制御や車両制動力制御などを実行するようになっている。したがって、エンジン11およびモータ30の出力調整は、それぞれエンジンECU20およびモータECU31を介して実行される。
図2に示すように、エンジン11は、略筒状のシリンダが複数形成されるとともにエンジンマウントを介して車体に固定されたシリンダブロックと、軸線方向の摺動が可能となるよう各シリンダに収納されたピストンと、シリンダブロックに固定されたシリンダヘッドと、シリンダヘッドに形成された吸気ポート17および排気ポート18の開閉をそれぞれ切り替える吸気弁および排気弁とを有している。また、シリンダブロックとシリンダヘッドとピストンとによって、燃焼室19が画成されている。
吸気ポート17は、吸気マニホールド21およびサージタンク22を介して吸気管23に連結されている。吸気管23の空気吸入口には、エアクリーナ24が設置されている。また、吸気管23には、スロットル弁25を有する電子スロットル装置26が設置されている。また、排気ポート18は、排気マニホールド27を介して排気管28に連結されている。
各吸気ポート17の近傍には、燃料を噴射するためのインジェクタ29が設置されている。また、各燃焼室19の上方には、ガソリンと空気との混合気に着火するための点火プラグ16が設置されている。
エンジン11は、さらに、出力軸としてのクランクシャフト32を有しており、クラッチ機構13を介して手動変速機12の入力軸を構成するインプットシャフト33に接続されている。
クラッチ機構13は、クランクシャフト32の回転をインプットシャフト33に伝達する伝達状態と、インプットシャフト33への伝達を遮断する遮断状態との間で切り替わるようになっている。このクラッチ機構13における伝達状態と遮断状態との間の状態の遷移は、運転者により操作されるクラッチペダル35の踏み込み位置、すなわちクラッチストロークCsに対応しており、クラッチペダル35が踏み込まれていない状態では、クラッチ機構13は伝達状態となり、クランクシャフト32の回転がインプットシャフト33に伝達される。一方、クラッチペダル35が踏み込まれている状態では、クラッチ機構13は遮断状態となり、クランクシャフト32からインプットシャフト33への回転の伝達が遮断される。したがって、クラッチ機構13は、運転者の操作に応じて内燃機関と手動変速機との間の動力を遮断する遮断状態と伝達する伝達状態とに切り替え可能な切替手段を構成する。
手動変速機12は、インプットシャフト33の回転を、互いに異なる変速比を有する複数のギヤ対のうちいずれかのギヤ対により減速し、図示しないアウトプットシャフトおよび前側差動装置15を介して前側ドライブシャフト81を回転するようになっている。また、手動変速機12は、運転者によるシフトレバー37の操作に応じて、インプットシャフト33とアウトプットシャフトとの間の動力伝達経路が切り替えられ、この動力伝達経路を構成するギヤ対に応じた変速比が設定されるようになっている。
シフトレバー37は、手動変速機12におけるインプットシャフト33とアウトプットシャフトとの間の動力の伝達を遮断するためのニュートラルポジションと、インプットシャフト33とアウトプットシャフトとの回転方向を互いに逆向きとし、車両1を後進させるためのリバースポジションと、手動変速機12の所定の変速比と対応付けられた1速〜5速ポジションとのうちのいずれかのポジションをとるようになっている。
次に、本実施の形態におけるクラッチ機構13の構成について、図3に示す断面図を参照して、説明する。
クラッチ機構13は、いわゆる乾式単板式の摩擦クラッチにより構成されている。このクラッチ機構13は、クランクシャフト32と一体的に回転する円板形状のフライホイール42と、インプットシャフト33と一体回転するクラッチディスク43と、クラッチディスク43をフライホイール42側に押圧する円環状のプレッシャープレート44と、プレッシャープレート44に押圧力を与える円盤状のダイヤフラムスプリング45と、フライホイール42と一体回転するクラッチカバー46と、を備えている。
フライホイール42は、クランクシャフト32を介して、エンジン11から出力されたトルクにより回転されるようになっている。クラッチディスク43、プレッシャープレート44、およびダイヤフラムスプリング45は、フライホイール42とクラッチカバー46との間に軸線が一致するように収容されている。
また、クラッチディスク43は、インプットシャフト33にスプライン嵌合されている。このため、クラッチディスク43は、インプットシャフト33と一体回転しつつ、インプットシャフト33の軸方向へ移動可能となっている。
プレッシャープレート44は、ダイヤフラムスプリング45の円環状の外周部45aに当接し、ダイヤフラムスプリング45によってフライホイール42側へ押圧されている。この押圧により、プレッシャープレート44がクラッチディスク43を押圧し、クラッチディスク43とフライホイール42との間で摩擦力が発生する。この摩擦力により、フライホイール42とクラッチディスク43とが係合、つまりクラッチが接続された状態となり、フライホイール42とクラッチディスク43とが、一体となって回転する。このようにして、エンジン11から手動変速機12への動力伝達が行われる。
ダイヤフラムスプリング45は、円盤形状を有しており、円環状の外周部45aの内周側に、中心に向かう複数の舌片状のレバーを形成した構造となっている。このダイヤフラムスプリング45の中央付近にあたる舌片状のレバーの先端を、中央部45bとし、円環状の外周部45aと舌片状のレバーとの境目付近を、支持部45cとする。このように、ダイヤフラムスプリング45は、中央部45bが盛り上がった構造となっているため、皿バネとして機能する。
ダイヤフラムスプリング45は、支持部45cがクラッチカバー46の端部46aに狭持され、外周部45aがプレッシャープレート44に当接し、中央部45bがレリーズスリーブ55の先端に当接している。
クラッチペダル35(図1参照)の近傍には図示しないマスターシリンダが設けられている。このマスターシリンダはピストンと液室とにより構成されており、そのピストンの先端がクラッチペダル35に連結されている。マスターシリンダは、クラッチペダル35の操作に伴い、そのピストンがシリンダ部に対して出没するようになっている。
また、レリーズフォーク54の近傍にはレリーズシリンダ52が設けられている。このレリーズシリンダ52はピストンと液室とにより構成されており、そのピストンの先端がレリーズフォーク54の端部(図2の上端部)に連結されている。
マスターシリンダのシリンダ部とレリーズシリンダ52のシリンダ部とはクラッチ配管53を介して連通されている。そして、マスターシリンダのシリンダ部、レリーズシリンダ52のシリンダ部、およびクラッチ配管53の内部にはクラッチ液が充填されている。
図2に戻り、車両1は、さらに、エンジン回転数センサ40と、入力軸回転数センサ64と、車速センサ71と、車両1の速度を表す車速計72と、を備えている。
機関回転数検出手段を構成するエンジン回転数センサ40は、クランクシャフト32の回転に基づいて、実エンジン回転数Nerealを検出し、エンジンECU20に出力するようになっている。
車速センサ71は、前側ドライブシャフト81の回転数を表す信号をエンジンECU20に出力するようになっている。
入力軸回転数センサ64は、手動変速機12のインプットシャフト33の回転数を表す信号をエンジンECU20に出力するようになっている。
また、車両1は、アクセルペダル61と、要求駆動力検出手段を構成するアクセル開度センサ62とを備えている。アクセル開度センサ62は、例えばホール素子を用いた電子式のポジションセンサにより構成されており、アクセルペダル61が運転者により操作されると、アクセルペダル61の踏み込み量Apedalを表す信号をエンジンECU20に出力するようになっている。エンジンECU20は、アクセルペダル61の踏み込み量Apedalに応じた要求トルク量Teをエンジン11に生成させるよう、電子スロットル装置26のスロットル弁25の開度、インジェクタ29における燃料噴射のタイミングおよび点火プラグ16における点火時期を制御するようになっている。
また、車両1は、クラッチペダルスイッチ63を備えている。クラッチペダルスイッチ63は、フライホイール42とクラッチディスク43とが係合から非係合に移行する位置までクラッチペダル35が踏み込まれると、クラッチ機構13が遮断状態となったことを表すON信号をエンジンECU20に送信するようになっている。したがって、運転者によりクラッチペダル35が最大に踏み込まれた位置から戻され始め、フライホイール42とクラッチディスク43とが係合を開始すると、クラッチペダルスイッチ63から出力される信号が、ON信号からOFF信号に切り替わるようになっている。したがって、エンジンECU20は、切替手段が遮断状態から伝達状態に移行を開始したか否かを検出する手段を構成する。
なお、車両1は、クラッチペダルスイッチ63に代えて、クラッチペダル35の踏み込み量を検出するクラッチ踏力センサを備えるようにしてもよい。この場合、エンジンECU20は、クラッチ踏力センサから入力される信号に基づいて、クラッチ機構13が遮断状態となっているか否かを判断する。
また、総合ECU70は、エンジンECU20が上述した各センサから入力した信号をCAN通信を介して取得するようになっている。
以下、本発明の実施の形態に係る総合ECU70の特徴的な構成について説明する。
総合ECU70は、エンジンECU20およびモータECU31と協働して、車両1の発進時において、運転者によるクラッチペダル35の操作に起因してエンジンストールが発生することを防止するために、モータ30が発生するトルクを増大させるアシスト制御を実行するようになっている。
車両1の発進時における運動方程式は、一般には以下のように表される。
Te−Tc=Ie×dωe/dt (1)
ここで、Ieはエンジン11の回転慣性モーメント、ωeはクランクシャフト32の角速度、Teはクランクシャフト32に伝達されるエンジン側トルク量、Tcはクラッチ側のトルク量を表している。一般に、クラッチ側のトルク量Tcは、滑りの発生を防止するため、エンジン側のトルク量Teより2、3倍大きい値をとる。
したがって、車両1の発進時において、運転者によりクラッチペダル35が急激に戻された場合には、クラッチ側のトルク量Tcが急激に増大し、左辺の値は負の領域において絶対値が増大する。結果として、右辺においてクランクシャフト32の角加速度dωe/dtの値も負の領域において絶対値が増大する。つまり、クランクシャフト32の角速度ωeが急激に低下することとなる。
そのため、本実施の形態においては、以下のようにアクセルペダル61の踏み込み量に応じて目標エンジン回転数Nerefを設定し、実エンジン回転数Nerealが目標エンジン回転数Nerefを下回ったならば、モータ30を駆動して車両1の発進をアシストするアシスト制御を実行するようになっている。
この場合、式(1)は、以下のように書き換えられる。
Te−Tc+Tm=Ie×dωe/dt (2)
ここで、Tmはモータ30の出力トルク量を表している。モータ30の出力トルク量を増加させた場合には、式(2)における左辺の絶対値が減少する。これにより、右辺におけるdωe/dtの値、つまり実エンジン回転数Nerealの低下が軽減される。また、エンジン側トルク量Teとモータ30の出力トルク量Tmとの和がクラッチ側のトルク量Tcとほぼ等しくなった場合には、クランクシャフト32の角加速度dωe/dtの値がほぼ0となり、実エンジン回転数Nerealが低下することなくほぼ一定に保たれることとなる。
アクセルペダル61の踏み込み量Apedalと目標エンジン回転数Nerefとの関係は、目標回転数マップとして予めROMに記憶されている。この目標回転数マップにおいては、例えば、アクセルペダル61の踏み込み量Apedalが増加するほど目標エンジン回転数Nerefが増加するように定義されている。
また、総合ECU70は、アシスト制御の開始条件が成立した場合にアシスト制御を開始するようになっている。アシスト制御の開始条件としては、クラッチペダルスイッチ63から出力される信号がON信号からOFF信号に切り替わったこと、および車速Vが所定値Vth1以下であることである。所定値Vth1は、車両1の発進時における車速を表しており、発進時において車速は通常0であるが、路面の勾配に起因してクラッチ機構13が遮断状態から伝達状態に移行を開始した時点で車両1が達しうる車速を考慮し、例えば10km/hに設定されている。
総合ECU70は、アシスト制御の開始条件が成立すると、エンジンECU20を介してアクセル開度センサ62からアクセルペダル61の踏み込み量Apedalを表す信号を取得し、アクセルペダル61の踏み込み量Apedalに応じた目標エンジン回転数Nerefを設定するようになっている。したがって、本実施の形態に係る総合ECU70は、目標機関回転数設定手段を構成する。
また、エンジンECU20は、後述するフィードバック制御により、実エンジン回転数Nerealが目標エンジン回転数Nerefに追従するよう、エンジン11を制御するようになっている。
また、総合ECU70は、上述のように目標エンジン回転数Nerefを算出すると、実エンジン回転数Nerealが目標エンジン回転数Nerefを下回らないよう、モータECU31を制御してモータ30に出力トルクを増加させ、アシスト制御を実行するようになっている。従って、本実施の形態に係る総合ECU70は、電動機が発生する動力を増加させる制御手段を構成する。
総合ECU70は、このアシスト制御において、実エンジン回転数Nerealを目標エンジン回転数Nerefに追従させるようフィードバック制御を実行するようになっている。
総合ECU70は、フィードバック制御において、目標エンジン回転数Neref、実エンジン回転数Nerealおよび以下の式(3)を用いてフィードバック値FBを算出するPID制御を実行するようになっている。
FB(Neref−Nereal)
= Kp×(Neref−Nereal)
+ Ki×∫(Neref−Nereal)dt
+ Kd×d(Neref−Nereal)/dt (3)
Kp、Ki、Kdは、それぞれ比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインを表しており、エンジン11およびモータ30の特性に基づき予め定められている。
また、総合ECU70は、フィードバック値FBに基づいて、モータ30の出力が現在のトルク量よりもトルク量Tm分だけ増大するよう、モータECU31を介してモータ30を制御する。この場合、総合ECU70は、フィードバック値FBとトルク量Tmとを対応付けたトルク量生成マップを有しており、式(3)によってフィードバック値FBが算出されると、トルク量生成マップを参照してトルク量Tmを算出するようになっている。なお、フィードバック制御の開始時において、モータ30がトルクを生成していない場合には、トルク量Tmを生成するようにモータ30を制御する。
また、総合ECU70は、エンジンストールが発生する可能性が低下した場合には、アシスト制御を終了するようになっている。具体的には、総合ECU70は、実エンジン回転数Nerealが所定値以上となった場合、あるいは車速Vが所定値Vth2以上でブレーキペダル66が踏み込まれた場合にアシスト制御を終了するようになっている。所定値Vth2としては、運転者によるクラッチペダル35の踏み込みが終了した際に、通常エンジンストールが発生しない車速であり、予め実験的な測定により定められている。なお、総合ECU70は、車速Vにかかわらず、ブレーキペダル66が踏み込まれた場合にアシスト制御を終了するようにしてもよい。
また、運転者がクラッチペダル35を最大限に踏み込んだ状態から突然踏み込みを止めた場合など、クラッチ側のトルク量Tcの増大がアシスト制御によりアシスト可能な増大量を超えることにより、エンジンストールが発生した場合には、アシスト制御を終了するようになっている。
なお、総合ECU70は、エンジン回転数センサ40および入力軸回転数センサ64から入力された信号に基づいて、実エンジン回転数Nerealと入力軸回転数Niとが等しくなったと判断した場合、あるいはクラッチ踏力センサから入力される信号に基づいて、クラッチペダル35が踏み込まれていないと判断した場合など、クラッチ機構13が伝達状態に完全に移行したと判断した場合にアシスト制御を終了するようにしてもよい。
次に、動作について図4を参照して説明する。なお、以下に説明する処理は、予め総合ECU70のROMに記憶されているプログラムによって実現され、所定の時間間隔で総合ECU70のCPUによって実行される。
図4に示すように、まず、総合ECU70は、クラッチペダルスイッチ63から出力されている信号がOFF信号であるか否か、すなわちクラッチ機構13が非係合状態から係合状態に移行を開始したか否かを判断する(ステップS1)。
総合ECU70は、クラッチペダルスイッチ63から出力されている信号がOFF信号であると判断した場合には(ステップS1でYES)、ステップS2に移行する。一方、クラッチペダルスイッチ63から出力されている信号がON信号である、すなわちクラッチ機構13が非係合状態であると判断した場合には、ENDに移行する。
次に、総合ECU70は、車速センサ71から入力される信号に基づいて、車速Vが所定値Vth1以下であるか否かを判断する(ステップS2)。
総合ECU70は、車速Vが所定値Vth1以下であると判断した場合には(ステップS2でYES)、ステップS3に移行する。一方、車速Vが所定値Vth1を超えていると判断した場合には(ステップS2でNO)、ENDに移行する。
次に、総合ECU70は、エンジン回転数センサ40から、実エンジン回転数Nerealを表す信号をエンジンECU20を介して取得する(ステップS3)。
次に、総合ECU70は、アクセル開度センサ62からアクセルペダル61の踏み込み量Apedalを表す信号をエンジンECU20を介して取得する(ステップS4)。
次に、総合ECU70は、ステップS4で取得したアクセルペダル61の踏み込み量Apedalに基づいて、目標エンジン回転数Nerefを算出する(ステップS5)。
次に、総合ECU70は、フィードバック制御を実行する(ステップS6)。具体的には、総合ECU70は、ステップS3およびステップS5でそれぞれ取得した実エンジン回転数Nerealおよび目標エンジン回転数Nerefを、上述した式(3)に代入して、フィードバック値FBを算出する。そして、総合ECU70は、ROMに記憶されているトルク量生成マップを参照して、フィードバック値FBに対応するトルク量Tmを取得する。そして、総合ECU70は、モータ30が取得したトルク量Tmを出力するよう、モータECU31を介してモータ30を制御する。
次に、総合ECU70は、実エンジン回転数Nerealが目標エンジン回転数Nerefを上回ったか否かを判断する(ステップS7)。総合ECU70は、実エンジン回転数Nerealが目標エンジン回転数Nerefを上回ったと判断した場合には(ステップS7でYES)、ENDに移行する。一方、実エンジン回転数Nerealが目標エンジン回転数Neref以下であると判断した場合には(ステップS7でNO)、ステップS8に移行する。
次に、総合ECU70は、エンジン回転数センサ40から入力される信号に基づき、エンジンストールが発生したか否かを判定する(ステップS8)。具体的には、総合ECU70は、実エンジン回転数Nerealが0の近傍にまで低下した場合には、エンジンストールが発生したと判断する。
総合ECU70は、エンジンストールが発生したと判断した場合には(ステップS8でYES)、ENDに移行する。一方、エンジンストールが発生していないと判断した場合には(ステップS8でNO)、ステップS9に移行する。
次に、総合ECU70は、車速Vが所定値Vth2以上となっており、かつ、ブレーキペダル66が運転者により踏み込まれたか否かを判断する(ステップS9)。なお、上述したように、総合ECU70は、車速Vにかかわらず、ブレーキペダル66が運転者により踏み込まれたか否かのみを判断するようにしてもよい。
総合ECU70は、車速Vが所定値Vth2以上となっており、かつ、ブレーキスイッチ69から入力される信号に基づきブレーキペダル66が運転者により踏み込まれたと判断した場合には(ステップS9でYES)、ENDに移行する。一方、車速VがVth2に達していない、あるいはブレーキペダル66が運転者により踏み込まれていないと判断した場合には(ステップS9でNO)、ステップS3に移行する。
次に、総合ECU70におけるアシスト制御を図5に示すタイミングチャートを用いて説明する。
まず、時刻T0において、運転者によりアクセルペダル61の踏み込みが開始され、アクセルペダル61の踏み込み量Apedalが増加する(実線91参照)。これに伴って、実エンジン回転数Nerealが増加する(実線92参照)。なお、時刻t0においては、クラッチペダル35は運転者により最大限に踏み込まれている。
次に、運転者によりクラッチペダル35が徐々に戻されることにより、時刻T1においてフライホイール42とクラッチディスク43との係合が開始され、クラッチ機構13が遮断状態から伝達状態に移行を開始する。これに伴って、実エンジン回転数Nerealが低下を開始する(実線92参照)とともに、インプットシャフト33の回転数Niが増加を開始する(実線93参照)。また、クラッチペダルスイッチ63から出力される信号がON信号からOFF信号に切り替わる。
このとき、車両1はまだ発進をしておらず、車速Vが所定値Vth1以下であるため、アシスト制御の実行条件が成立する。
したがって、総合ECU70は、アクセルペダル61の踏み込み量Apedalを取得すると、目標エンジン回転数Nerefを算出する。そして、総合ECU70は、実エンジン回転数Nerealと目標エンジン回転数Nerefとの差に基づいてフィードバック制御を実行し、実エンジン回転数Nerealが目標エンジン回転数Nerefに近づくよう、モータ30の出力をトルク量Tmだけ増加する。
したがって、実線92に示すように、実エンジン回転数Nerealが目標エンジン回転数Nerefの近傍に維持される。
これに対し、アシスト制御を行わない従来の車両おいては、エンジン回転数がアイドル回転数の近傍まで落ち込んでしまい(破線94参照)、エンジン回転数がさらに低下した場合にはエンジンストールが発生することとなる。
以上のように、本実施の形態に係る総合ECU70は、車両1の発進時において実エンジン回転数Nerealが目標エンジン回転数Neref以下となった場合には、モータ30の出力を増大することができる。したがって、運転者によるクラッチペダル35の操作に対してアクセルペダル61の操作が適切でなく、実エンジン回転数Nerealが落ち込みを開始した場合においても、モータ30の出力を増加させることにより実エンジン回転数Nerealのさらなる落ち込みを防止して、エンジンストールが発生することを防止できる。
また、総合ECU70は、車速Vが所定値Vth1以下の場合においてアシスト制御を実行するので、エンジンストールが発生する可能性がある車両1の発進時のみにおいて、モータ30が発生する動力を増加することができる。
また、総合ECU70は、運転者の操作によりクラッチ機構13が遮断状態から伝達状態に移行を開始する前にモータ30が不要に動力を増加することを防止できる。
また、総合ECU70は、実エンジン回転数Nerealの低下を防止する必要性がなくなった車両1の走行状態においては、モータ30による動力の増加を終了することが可能となる。
また、モータ30を用いてアシスト制御を実行するので、エンジン11の出力トルクを増大してアシスト制御を実行する場合と比較して、アシスト力を向上することが可能となる。
なお、以上の説明においては、エンジン11が前輪10FL、10FRおよび後輪10RL、10RRのうちいずれか一方に動力を伝達し、モータ30が他方に動力を伝達する車両1に本発明の車両の制御装置が適用される場合について説明した。しかしながら、モータがクラッチ機構と駆動輪との間の動力伝達経路上に設置される構成を有する車両に本発明の車両の制御装置が適用されるようにしてもよい。
図6は、モータがクラッチ機構と駆動輪との間の動力伝達経路上に設置された車両1の概略構成図を示す。なお、以下の説明における車両の制御装置の構成は、上述した車両の制御装置の構成とほぼ同様であるため、各構成要素については、上述した実施の形態と同様の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
車両1は、エンジン11と、手動変速機12と、クラッチ機構13と、前側差動装置15と、駆動輪としての前輪10FL、10FRを備えている。エンジン11から出力された動力は、クラッチ機構13、手動変速機12、前側差動装置15を介して前輪10FL、10FRに伝達される。
また、車両1は、クラッチ機構13と手動変速機12との間に配置されるモータ85を備えている。したがって、モータ85は、クラッチ機構13と前輪10FL、10FRとの間の動力伝達経路上に設置されている。
したがって、クラッチ機構13が伝達状態にある場合には、エンジン11の出力およびモータ85の出力が、手動変速機12および前側差動装置15を介して前輪10FL、10FRに伝達されるようになっている。したがって、車両1は、FF(Front engine Front drive)車両により構成されている。
一方、運転者によりクラッチペダル35が踏み込まれ、クラッチ機構13が遮断状態に移行した場合には、エンジン11の出力は、前輪10FL、10FRに伝達されないものの、モータ85の出力は、手動変速機12および前側差動装置15を介して前輪10FL、10FRに伝達可能となっている。また、後輪10RL、10RRは、従動輪として機能するようになっており、後側ドライブシャフト82に設置された後側差動装置38により互いに差回転を有することが可能となっている。
このような構成を有する車両1の発進時におけるアシスト制御について説明する。
まず、クラッチペダル35が運転者により最大限に踏み込まれている状態において、運転者によりアクセルペダル61の踏み込みが開始され、アクセルペダル61の踏み込み量Apedalが増加する。
次に、運転者によりクラッチペダル35が徐々に戻されることにより、フライホイール42とクラッチディスク43との係合が開始され、クラッチ機構13が遮断状態から伝達状態に移行を開始する。これに伴って、実エンジン回転数Nerealが低下を開始する。また、クラッチペダルスイッチ63から出力される信号がON信号からOFF信号に切り替わる。
このとき、車両1はまだ発進をしておらず、車速Vが所定値Vth1以下であるため、アシスト制御の実行条件が成立する。
したがって、総合ECU70は、アクセルペダル61の踏み込み量Apedalを取得すると、目標エンジン回転数Nerefを算出する。そして、総合ECU70は、実エンジン回転数Nerealと目標エンジン回転数Nerefとの差に基づいて、上記式(3)を用いてフィードバック制御を実行し、実エンジン回転数Nerealが目標エンジン回転数Nerefに近づくよう、モータ30の出力をトルク量Tmだけ増加する。
したがって、実エンジン回転数Nerealが目標エンジン回転数Nerefの近傍に維持される。
このようなFF車両においても、上述したフィードバック制御を実行することによりトルク量Tmを算出し、モータ30から出力されるトルクを増加することにより、実エンジン回転数Nerealが低下しエンジンストールが発生することを防止することが可能となる。
なお、以上の説明においては、エンジン11およびモータ30の出力が前輪10FL、10FRに伝達されるFF車両に本発明の制御装置が適用される場合について説明した。しかしながら、モータ30がクラッチ機構13と駆動輪との間の動力伝達経路上に設置されているかぎり、エンジン11およびモータ30の出力が後輪に伝達されるFR(Front engine Rear Drive)車両や、エンジン11およびモータ30の出力が前後輪に分配される四輪駆動車両などFF車両以外の車両に本発明の制御装置が適用されていてもよい。
また、以上の説明においては、総合ECU70がフィードバック制御としてPID制御を実行する場合について説明したが、PI制御などPID制御以外の公知のフィードバック制御を実行するようにしてもよい。
また、以上の説明においては、総合ECU70は、アシスト制御の開始条件として、車速Vが所定値Vth1以下であり、かつクラッチペダルスイッチから出力される信号がON信号からOFF信号に切り替わったと判断した場合について説明した。しかしながら、総合ECU70は、アシスト制御の開始条件として、実エンジン回転数Nerealの変化量を用いるようにしてもよい。この場合、総合ECU70は、微小時間における実エンジン回転数Nerealの差を算出し、この差の値が正の値から負の値に変わった場合に、実エンジン回転数Nerealが低下を開始したと判断し、アシスト制御を開始するようにする。
また、以上の説明においては、車両1が総合ECU70を備え、上述したアシスト制御を総合ECU70により実行する場合について説明した。しかしながら、アシスト制御は、エンジンECU20やモータECU31など、車両1が搭載しているいずれかのECUにより実行されていればよい。また、2つ以上のECUにより協働して実行されるようにしてもよい。
また、以上の説明においては、モータ30あるいはモータ85に対しトルク量を増加させる場合について説明したが、これに限定されず、エンジン11およびモータ30あるいはモータ85のトルク量を増加させるようにしてもよい。この場合、上述したフィードバック制御に基づいて増加するトルク量Tmを算出すると、予め定められた割合に応じてエンジン11におけるトルク量の増分とモータ30あるいはモータ85に対するトルク量の増分に配分する。エンジン11とモータ30あるいはモータ85に配分するトルク量の割合は、予め総合ECU70のROMに記憶されている。エンジン11におけるトルク量の増加は、スロットル弁25の開度の増加や、各燃焼室19における燃料噴射量の増加により実現される。なお、このアシストトルク量を配分する割合は、アクセルペダル61の踏み込み量に応じて変化させるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明に係る車両の制御装置は、車両の発進時におけるエンジンストールの発生を防止することができるという効果を奏するものであり、手動変速機を搭載した車両の制御装置に有用である。
1、80 車両
10FL、10FR 前輪
10RL、10RR 後輪
11 エンジン
12 手動変速機
13 クラッチ機構
15 前側差動装置
17 吸気ポート
19 燃焼室
20 エンジンECU
25 スロットル弁
26 電子スロットル装置
29 インジェクタ
30 モータ
31 モータECU
32 クランクシャフト
33 インプットシャフト
35 クラッチペダル
37 シフトレバー
38 後側差動装置
39 オルタネータ
40 エンジン回転数センサ
42 フライホイール
43 クラッチディスク
61 アクセルペダル
62 アクセル開度センサ
63 クラッチペダルスイッチ
64 入力軸回転数センサ
66 ブレーキペダル
69 ブレーキスイッチ
70 総合ECU
71 車速センサ
81 前側ドライブシャフト
85 モータ

Claims (7)

  1. 手動変速機を介して前輪および後輪のうちいずれか一方に動力を供給する内燃機関と、
    前記前輪および後輪のうちいずれか他方に動力を供給する電動機と、
    運転者の操作に応じて前記内燃機関と前記手動変速機との間の動力を遮断する遮断状態と伝達する伝達状態とに切り替え可能な切替手段と、を備えた車両の制御装置であって、
    前記車両に対する要求駆動力を検出する要求駆動力検出手段と、
    前記要求駆動力検出手段により検出された要求駆動力に応じて前記内燃機関に対する目標機関回転数を設定する目標機関回転数設定手段と、
    前記切替手段が前記遮断状態から前記伝達状態に移行を開始したか否かを検出する状態検出手段と、
    前記内燃機関の機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、
    前記機関回転数検出手段により検出された機関回転数が前記目標機関回転数以下の場合には、前記電動機が発生する動力を増加させる制御手段と、を備えたことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 手動変速機を介して駆動輪に動力を供給する内燃機関と、
    運転者の操作に応じて前記内燃機関と前記手動変速機との間の動力を遮断する遮断状態と伝達する伝達状態とに切り替え可能な切替手段と、
    前記切替手段と前記駆動輪との間に設置され、前記駆動輪に動力を供給する電動機と、
    を備えた車両の制御装置であって、
    前記車両に対する要求駆動力を検出する要求駆動力検出手段と、
    前記要求駆動力検出手段により検出された要求駆動力に応じて前記内燃機関に対する目標機関回転数を設定する目標機関回転数設定手段と、
    前記切替手段が前記遮断状態から前記伝達状態に移行を開始したか否かを検出する状態検出手段と、
    前記内燃機関の機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、
    前記機関回転数検出手段により検出された機関回転数が前記目標機関回転数以下の場合には、前記電動機が発生する動力を増加させる制御手段と、を備えたことを特徴とする車両の制御装置。
  3. 前記要求駆動力検出手段は、アクセルペダルの踏み込み量を前記要求駆動力として検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記車両の速度が所定値以下であることを条件に、前記電動機が発生する動力の増加を開始することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の車両の制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記機関回転数検出手段により検出された機関回転数が増加から減少に転じたことを条件に、前記電動機が発生する動力の増加を開始することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の車両の制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記車両に対し制動要求が発生したことを条件に、前記電動機が発生する動力の増加を終了することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1の請求項に記載の車両の制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記機関回転数検出手段により検出された機関回転数が前記目標機関回転数を上回った場合には、前記電動機が発生する動力の増加を終了することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1の請求項に記載の車両の制御装置。
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