JP2017044100A - 冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】体格及びコストの増大を抑えつつ、電動ポンプの駆動制御を向上する技術を提供する。
【解決手段】本明細書で開示する冷却システム11では、2機のウォータポンプ13、14に対して回転数指令値を出力する冷却コントローラ20は、冷却対象のPCU5が要求するPCUクーラ17の冷却能力をこれらのウォータポンプ13、14のうち、第1ウォータポンプ13だけが圧送する流量の冷却液19で賄えると判断した場合には、第2ウォータポンプ14に対する回転数指令値に従った動作をさせないで、冷却液19の流れで回転する第2ウォータポンプ14の回転数に基づいて冷却パイプ12を流れる冷却液19の流量を算出する。冷却コントローラ20は、冷却液19の流量に基づいて第1ウォータポンプ13の回転数指令値を算出するので、流量センサを用いることなく、冷却パイプ12を流れる冷却液19の流量が得られる。
【選択図】図2

Description

本明細書が開示する技術は、複数の電動ポンプで冷却媒体を圧送して冷却対象を冷却する冷却システムに関するものである。
複数の電動ポンプで冷却媒体を圧送して冷却対象を冷却する技術として、例えば、下記特許文献1に開示されるものがある。この技術では、冷却水(冷却媒体)が循環する循環路を、ラジエータ(冷却対象)を経由する冷却水路と、ラジエータを迂回する冷却水路との2系統に分けて夫々の冷却水路に電動ポンプを設ける。そして、これらの電動ポンプの駆動量を制御することによって、両方の冷却水路を流れる冷却水の流量を調整している。
特開2009−197616号公報
ところで、上記特許文献1に開示される技術では、冷却水の水温センサなどから出力されるセンサ信号に基づいて電動ポンプの駆動量を制御しているが、冷却水の水温は冷却水の流量に依存した速度で変化する。そのため、電動ポンプの駆動量は、冷却水の温度に加えて流量も検出しそれらに基づいて設定した方が電動ポンプの駆動精度をより高めることが可能になる。しかし、冷却水などの流体の流量を検出する流量センサは、それ自体の体格が大きく、また製品コストの上昇にも繋がり得る。そのため、電動ポンプの駆動精度が高められるとしても、流量センサの導入は難しい。本明細書は、体格及びコストの増大を抑えつつ、電動ポンプの駆動制御を向上する技術を提供する。
本明細書が開示する冷却システムでは、冷却対象を冷却する冷却媒体が流れる循環路と、循環路に冷却媒体を圧送する2個の電動ポンプと、2個の電動ポンプに対して回転数指令値を出力するコントローラと、を備える。コントローラは、冷却対象が要求する冷却能力を2個の電動ポンプのうちの一方の電動ポンプだけが圧送する流量の冷却媒体で賄えると判断した場合には、2個の電動ポンプのうちの他方の電動ポンプが無負荷状態で冷却媒体の流れで回転する場合の他方の電動ポンプの回転数に基づいて循環路を流れる冷却媒体の流量を算出し、かつ、この算出した冷却媒体の流量に基づいて一方の電動ポンプの回転数指令値を算出する。これにより、流量センサを用いることなく、循環路を流れる冷却媒体の流量が得られる。したがって、体格及びコストの増大を抑えつつも電動ポンプの駆動制御が向上する。
本明細書が開示する技術の詳細、及び、さらなる改良は、発明の実施の形態で説明する。
ハイブリッド車の駆動系の構成例を示すブロック図である。 実施例の冷却システムの構成例を示すブロック図である。 冷却コントローラが実行する単機運転移行処理のフローチャートである。 冷却コントローラが実行するウォータポンプ単機運転処理のフローチャートである。 冷却コントローラが実行する複機運転復帰処理のフローチャートである。 冷却コントローラが実行するウォータポンプ複機運転処理のフローチャートである。
図面を参照して実施例の冷却システムを説明する。以下、冷却システムの一例として、ハイブリッド車の冷却系として搭載されるものを例示して説明する。まず、ハイブリッド車2の構成を図1を参照して説明する。図1に、ハイブリッド車2の駆動系の構成例を表すブロック図を示す。
ハイブリッド車2は、走行用の駆動源として、モータ8とエンジン6を備えている。モータ8の出力トルクとエンジン6の出力トルクは、動力分配機構7で適宜に分配され、あるいは合成されて出力される。動力分配機構7は、例えばプラネタリギアである。動力分配機構7は、エンジン6の出力軸6a及びモータ8のモータ軸8aから夫々伝達されて入力される動力を、所定比率で分配し、あるいは合成して出力軸7aに出力する。動力分配機構7の出力は、さらに変速機9を介して駆動輪10a、10bに伝達される。変速機9は、動力分配機構7の出力軸7aから入力される回転を、選択された変速段に応じたギア比で変速してプロペラシャフト9aに出力し、デファレンシャルギヤ10を介して駆動輪10a、10bを駆動する。なお、図1では、本明細書の説明に要する部品だけを表しており、説明に関係のない部品は図示を省略していることに留意されたい。
モータ8を駆動するための電力はメインバッテリ3から供給される。メインバッテリ3の出力電圧は、例えば300ボルトである。なお、図示を省略しているが、ハイブリッド車2は、メインバッテリ3のほかに、カーナビゲーション装置やルームランプなど、メインバッテリ3の出力電圧よりも低い電圧で駆動するデバイス群(通称「補機」と称される)に電力を供給するための補機バッテリも備える。後述の冷却システム11を構成する2機のウォータポンプ13、14や冷却コントローラ20なども補機の一種である。また、「メインバッテリ」の呼称は、「補機バッテリ」と区別するための便宜上のものである。
メインバッテリ3は、システムメインリレー4を介してパワーコントロールユニット5(以下「PCU5」と称する)に接続される。システムメインリレー4は、メインバッテリ3と車両の駆動系を接続したり切断したりするスイッチである。システムメインリレー4は、上位システムのHVコントローラ50により切り替えられる。
PCU5は、メインバッテリ3とモータ8の間に介在する電力変換装置である。PCU5は、メインバッテリ3の電圧をモータ8の駆動に適した電圧(例えば600ボルト)まで昇圧する電圧コンバータ(不図示)、昇圧後の直流電力を交流に変換するインバータ(不図示)、及び、これらを制御するパワーコントローラ30を含む。インバータの出力がモータ8への供給電力に相当する。なお、PCU5では、後述の冷却システム11により、電圧コンバータやインバータを構成する電子部品などが常時冷却されている。
ハイブリッド車2は、エンジン6の駆動力、あるいは車両の減速エネルギを利用、即ち制動の際、車両の運動エネルギを使ってモータ8で発電することもできる。このような発電は「回生」と称される。モータ8が発電する場合、インバータが交流を直流に変換し、さらに電圧コンバータがメインバッテリ3よりも僅かに高い電圧まで降圧してメインバッテリ3へ供給する。
電圧コンバータは、リアクトルやIGBTなどのスイッチング素子などにより構成されている。またインバータは、モータ8のU、V、Wの各相に対応してスイッチング動作を行うスイッチング素子などにより構成されている。これらは、パワーコントローラ30により制御されて所定のスイッチング動作を行い電圧を昇圧や降圧したり、直流を交流に変換したり、また交流を直流に変換したりしている。
パワーコントローラ30は、マイクロコンピュータ、メモリや入出力インタフェースなどの電子部品で構成される情報処理装置である。このパワーコントローラ30には、電圧コンバータ、インバータやHVコントローラ50が接続されて、前述のようなスイッチング動作の制御を行っている。パワーコントローラ30に接続されるHVコントローラ50には、運転者による操作情報として、例えば、アクセル開度情報やブレーキ踏力情報が入力される。そのため、各スイッチング素子の動作は、HVコントローラ50から入力されるアクセル開度などに応じた制御情報に従って行われる。
このように制御される電圧コンバータやインバータの各スイッチング素子は発熱量が大きい。また、モータ8も、発進時や上り坂などで急激に負荷がかかると発熱量が大きい。そのため、電圧コンバータ及びインバータを備えるPCU5や、駆動力を発生させるモータ8は、次に説明する冷却システム11によって常に冷却されている。
PCU5やモータ8を冷却する冷却システム11の構成を図2を参照して説明する。図2に、実施例の冷却システム11の構成例を表すブロック図を示す。冷却システム11は、2機のウォータポンプ13、14、リザーブタンク15、ラジエータ16、PCUクーラ17及びモータクーラ18と、それらを一巡する冷却パイプ12を備える。冷却パイプ12に冷媒の冷却液19を循環させて、PCUクーラ17によりPCU5を、またモータクーラ18によりモータ8を夫々冷却する。
なお、図2においても、本明細書の説明に要する部品だけを表しており、説明に関係のない部品は図示を省略していることに留意されたい。また、図2におけるウォータポンプ13、14、PCUクーラ17などの配置は、作図上の便宜によるものであり、例えば、半導体とモータの耐熱性の相違など、冷却対象の特性に適した位置に配置される。
冷却液19は、例えばLLC(Long Life Coolant)である。冷却液19は、リザーブタンク15内に貯留されており、ウォータポンプ13、14により圧送されて冷却パイプ12内を循環する冷却媒体である。
2機のウォータポンプ13、14は、モータにより内部のインペラを回転させ、その遠心力によって揚程圧力を発生させてリザーブタンク15から冷却液19を汲み上げて送出する遠心式ポンプである。実施例では、PCUクーラ17を挟んで、上流側にウォータポンプ13を配置し、下流側にウォータポンプ14を配置している。以下、これらのウォータポンプ13、14を特に区別する場合には、上流側のポンプを第1ウォータポンプ13と称し、下流側のポンプを第2ウォータポンプ14と称する。
ウォータポンプ13、14の駆動量は、通常、冷却コントローラ20から出力されるウォータポンプ13、14のモータに対する回転数指令値により制御されている。例えば、回転数指令値に応じてデューティ比制御されるPWM信号の電圧によってウォータポンプ13、14の駆動量が制御される。
実施例では、冷却システム11は、PCUクーラ17により冷却されるPCU5のスイッチング素子の温度(以下「PCU5の温度」と称する)を検出する温度センサ21、冷却パイプ12を流れる冷却液19の温度、つまり液温を検出する温度センサ23や、第1ウォータポンプ13や第2ウォータポンプ14のモータ又はインペラの回転数を検出する回転数センサ24、25を備えている。
温度センサ21から出力されるPCU5の温度データは、冷却コントローラ20に入力されてウォータポンプ13、14のPWM制御に用いられる。温度センサ23は、PCUクーラ17の下流にあたる第2ウォータポンプ14の入口近傍に設けられて、PCUクーラ17を流通した冷却液19の液温を計測する。温度センサ23から出力される温度データや回転数センサ24、25から出力される回転数データも、冷却コントローラ20に入力されるが、これらは、後述する第1ウォータポンプ13や第2ウォータポンプ14の運転制御などに用いられる。
ウォータポンプ13、14を制御する冷却コントローラ20は、パワーコントローラ30と同様に、マイクロコンピュータ、メモリや入出力インタフェースなどの電子部品で構成される情報処理装置である。冷却コントローラ20は時計機能を備えている。この冷却コントローラ20には、ウォータポンプ13、14のほかに、前述した各センサ21、23や上位システムのHVコントローラ50が接続されている。これにより、冷却コントローラ20は、後述するような第1ウォータポンプ13や第2ウォータポンプ14の運転制御などを行っている。なお、この冷却コントローラ20のメモリには、後述する各処理のプログラムやデータテーブルなどが記憶されている。
冷却コントローラ20に接続されるHVコントローラ50には、ハイブリッド車2の運転情報として、例えば、車速などの車両情報が入力される。これらは、例えば、車内LANを介してHVコントローラ50に入力される。冷却コントローラ20は、車速やアクセル開度の情報の入力により当該ハイブリッド車2が走行を開始した情報がHVコントローラ50から得られる。
冷却システム11の主な冷却対象は、PCU5とモータ8であるが、電圧コンバータやインバータにスイッチング素子などの半導体デバイスを多く含むPCU5の方がモータ8よりも耐熱性が低い。そのため、冷却システム11の冷却コントローラ20は、PCU5の温度データに基づいてウォータポンプ13、14が圧送する冷却液19の流量を制御する。実施例では、冷却液19の流量を制御するため、ウォータポンプ13、14の回転数指令値を決定する。
即ち、冷却コントローラ20には、PCU5の温度に応じた冷却液19の流量データがデータテーブルとして記憶されている。そのため、冷却コントローラ20は、このデータテーブルを参照して温度センサ21の計測値から冷却液19の流量を一意に決定し、その流量が実現されるようにウォータポンプ13、14の夫々の回転数を制御する。このように冷却液19の流量は、ウォータポンプ13、14の駆動量、つまり回転数とほぼ一意の関係にある。しかし、冷却液19の粘性は温度により変動する。典型的には、温度が高いほど粘性は小さくなり、温度が低いほど粘性は大きくなる。そのため、冷却液19の温度を考慮することによって、ウォータポンプ13、14の回転数だけに基づいて冷却液19の流量を算出しても高い精度が得られる。
そこで、本実施例の冷却システム11では、後述するように、第1ウォータポンプ13だけを運転するウォータポンプ単機運転処理(図4)において、無負荷状態の第2ウォータポンプ14を冷却液19の流量センサ相当として機能させるとともに、第2ウォータポンプ14の回転数と冷却液19の温度とに基づいて、冷却コントローラ20が冷却液19の推定流量を算出する。そして、この推定流量に基づいて第1ウォータポンプ13の回転数指令値を得る。これにより、当該冷却システム11では、ウォータポンプ単機運転処理において、第1ウォータポンプ13による冷却液19の流量制御の精度を高めている。
具体的には、図3に示す単機運転移行処理により、冷却液19を圧送するウォータポンプを2機から1機に減らした後、図4に示すウォータポンプ単機運転処理により第1ウォータポンプ13だけで冷却液19を圧送する。そのため、ここからは図1、2に加えて図3、4も参照しながら説明する。図3に、冷却コントローラ20が実行する単機運転移行処理のフローチャートを示す。また図4に、冷却コントローラ20が実行するウォータポンプ単機運転処理を示す。なお、これらの各処理は、冷却コントローラ20のメモリに予め格納(記憶)した対応するプログラムを冷却コントローラ20のマイクロコンピュータが適宜実行することにより実現される。
まず、図3を参照して単機運転移行処理を説明する。この処理は、当該冷却システム11が稼動し始めた直後から行われる。即ち、単機運転移行処理は、ハイブリッド車2のパワースイッチ(始動スイッチ)がオンにされてから同スイッチがオフにされるまでの間において実行される。
単機運転移行処理では、最初にステップS11により温度データ取得処理が行われる。この処理では、PCUクーラ17の冷却液19の出口近傍に設けられた温度センサ23、又はPCU5に設けられた温度センサ21により計測された温度データを取得する。温度センサ23の温度データは、PCUクーラ17から排出された冷却液19の液温を表し、又は温度センサ21の温度データは、PCUクーラ17により冷却されるPCU5の温度(正確にはPCU5のスイッチング素子の温度)を表している。
続くステップS13によりこれらの温度が所定温度以下であるか否かを判断する。即ち、所定温度として、PCU5を構成する電圧コンバータやインバータの各スイッチング素子が未だ充分に発熱することなく、PCUクーラ17による放熱能力に余裕があることを示す温度以下であるか否かの判断がこのステップS13により行われる。所定温度は、例えば、ハイブリッド車2のパワースイッチがオンされてから運転者によるアクセル操作がされるまで(アクセル開度情報が入力されるまで)の間における冷却液19又はPCU5の温度である。この温度は、例えば、実車による統計データ、実験又はコンピュータシミュレーションなどの結果により予め定められる。
冷却液19やPCU5がこのような温度である場合には、当該冷却システム11に要求される冷却液19の流量(低負荷時の流量)は、発進時や登坂走行時など急激にモータ8の負荷が増加してPCU5の各スイッチング素子が発熱する場合の流量(高負荷時の流量)に比べると少ない。そのため、換言すると、ステップS13の判断処理では、冷却システム11に要求される冷却液19の流量がこのような低負荷時の流量以下であるか否かを判断する。したがって、ステップS13による処理は、このような冷却液19やPCU5の温度ではなく、例えば、ハイブリッド車2のパワースイッチがオンされた直後から所定期間以内であるか否かを判断してもよい。この所定期間は、パワースイッチがオンされてから運転者がアクセル操作をするまでの平均的な時間であり、実車による統計データ、実験又はコンピュータシミュレーションなどの結果により予め定められる。
ステップS13の判断処理により、冷却液19又はPCU5の温度が所定温度以下でない場合には(S13;NO)、当該冷却システム11に要求される冷却液19の流量は、低負荷時の流量では不足するため、ステップS14に処理を移行して2機のウォータポンプ13、14による通常のウォータポンプの運転を行う(ウォータポンプ複機運転処理の開始)。このウォータポンプ複機運転処理については、図6を参照しながら後で説明する。ステップS14によりウォータポンプ複機運転処理が起動されると、本単機運転移行処理は一連の処理を終了して、次回の起動に備える。
これに対して、冷却液19又はPCU5の温度が所定温度以下である場合には(S13;YES)、ステップS15に処理を移行して第1ウォータポンプ13の出力を増加させる処理を行う。
即ち、本単機運転移行処理では、ステップS13の判断処理によって当該冷却システム11に要求される冷却液19の流量が低負荷時の流量で足りると判断された場合に冷却液19を圧送するウォータポンプを2機から1機に減らす(S17)。そのため、ステップS17による第2ウォータポンプ14の運転停止(即ち無負荷状態)によって冷却液19の流量が減少することに備えて、ステップS15の第1ウォータポンプ出力増加処理では、第1ウォータポンプ13による冷却液19の流量を増加させる。ここでの増加量は、例えば、第2ウォータポンプ14がそれまで担っていた冷却液19の圧送量から、低負荷時に必要な冷却液19の流量を除いた量である。又はこのような圧送量に関係なく予め定められた所定量である。低負荷時に必要な冷却液19の流量は、例えば、温度センサ21により計測されるPCU5の温度に応じて予め設定された値であり、この流量値になる回転数指令値が冷却コントローラ20から第1ウォータポンプ13に出力される。
続くステップS17では、第2ウォータポンプ運転停止処理が行われる。例えば、冷却コントローラ20がそれまで第2ウォータポンプ14に対して出力していた回転数指令値の出力を中止する。又は、冷却コントローラ20が第2ウォータポンプ14に対して回転を停止する指令値(例えば回転数ゼロの指令値)を出力する。これにより、第2ウォータポンプ14は、そのインペラの回転を停止して冷却液19の圧送を中止して無負荷状態となる。回転を停止した第2ウォータポンプ14のインペラは、無負荷状態において冷却パイプ12内を流れる冷却液19の流れにより風車のように回転をする。つまり、無負荷状態の第2ウォータポンプ14は、そのインペラの回転数を回転数センサ25により計測することによって、流量センサ相当として機能し、冷却液19の流量を検出することが可能になる。
ステップS19では、ウォータポンプ単機運転処理を開始する。この処理については、図4にフローチャートが図示されているので、ここからは同図を参照しながら、ウォータポンプ単機運転処理を説明する。なお、ステップS19によりウォータポンプ単機運転処理が起動されると、本単機運転移行処理は一連の処理を終了して、次回の起動に備える。
図4に示すように、ウォータポンプ単機運転処理では、最初にステップS21により温度データ取得処理が行われる。この処理では、PCUクーラ17の冷却液19の出口近傍に設けられた温度センサ23により計測された冷却液19の温度データTを取得する。次にステップS23により第2ウォータポンプ14の回転数データ取得処理が行われる。この処理では、回転数センサ25により計測された無負荷状態における第2ウォータポンプ14のインペラの回転数データRを取得する。つまり、流量センサ相当として機能する無負荷状態の第2ウォータポンプ14の回転数データRを回転数センサ25から取得する。
前述したように、冷却液19の粘性はその温度により変動する。そのため、冷却液19の流量は、例えば、冷却パイプ12内の所定体積Vと、第2ウォータポンプ14のインペラの回転数Rと、冷却液19の温度Tと、の積(=V×R×T)によって推定することが可能になる。本実施例では、このような演算をステップS25による推定流量演算処理により行う。これにより、PCU5の温度に応じた冷却液19の流量データを単にデータテーブルから特定する場合に比べて、冷却液19の精度の高い推定流量を得ることが可能になる。
続くステップS27では、ステップS25の推定流量演算処理により算出した冷却液19の推定流量に基づいて、その流量が実現されるように第1ウォータポンプ13に出力する回転数指令値を求める目標出力演算処理を行う。この処理は、推定流量に対する第1ウォータポンプ13の回転数を一意に特定するマップを参照するものでもよい。次のステップS29では、このように算出された回転数指令値を第1ウォータポンプ13に出力することにより、第1ウォータポンプ13の出力を増加させたり減少させたりする第1ウォータポンプ出力増減処理を行う。
このように本実施例の冷却システム11では、2機のウォータポンプ13、14に対して回転数指令値を出力する冷却コントローラ20は、冷却対象のPCU5が要求するPCUクーラ17の冷却能力をウォータポンプ13、14のうち、第1ウォータポンプ13だけが圧送する流量の冷却液19で賄えると判断した場合には(S13;YES)、第2ウォータポンプ14に対する回転数指令値に従った動作をさせないで(S17)、冷却液19の流れで回転する第2ウォータポンプ14の回転数に基づいて冷却パイプ12を流れる冷却液19の流量を算出する(S25)。
即ち、無負荷状態で回転する第2ウォータポンプ14が流量センサ相当として機能してその回転数と冷却液19の温度とに基づいて、冷却コントローラ20が冷却液19の流量を算出する(S25)。そして、冷却コントローラ20は、この算出した冷却液19の流量に基づいて第1ウォータポンプ13の回転数指令値を算出する(S27)。これにより、流量センサを用いることなく、冷却パイプ12を流れる冷却液19の流量が得られる。したがって、体格及びコストの増大を抑えつつも第1ウォータポンプ13の駆動制御を向上させることが可能になる。
なお、上記のステップS25による推定流量演算処理においては、温度センサ23により計測した冷却液19の温度データを用いたが、冷却液19の温度を用いることなく、冷却パイプ12を流れる冷却液19の流量を推定することが可能な演算方式などが存在する場合には、冷却液19の温度データは必要としない。つまり、上記のステップS25による推定流量演算処理においては、流量センサ相当として機能する第2ウォータポンプ14の回転数データに基づいて冷却液19の流量を推定することが可能であれば、他のパラメータの要否は限定しない。
次に、ウォータポンプ単機運転処理を開始した後に冷却コントローラ20が実行する複機運転復帰処理及びウォータポンプ複機運転処理について、図5、6を参照して説明する。図5に、冷却コントローラ20が実行する複機運転復帰処理のフローチャートを示す。また、図6に、冷却コントローラ20が実行するウォータポンプ複機運転処理のフローチャートを示す。
第1ウォータポンプ13だけを運転するウォータポンプ単機運転処理(図4)が実行されると、図5に示す複機運転復帰処理が冷却コントローラ20により実行される。即ち、ハイブリッド車2の発進時や登坂走行時など急激にモータ8の負荷が増加してPCU5の各スイッチング素子が発熱する場合においては、高負荷時に対応した冷却液19の流量が必要になる。そのため、複機運転復帰処理では、冷却液19又はPCU5の温度を監視し必要に応じて2機のウォータポンプ13、14による運転に切り換える制御を行う。
複機運転移行処理では、最初にステップS31により温度データ取得処理が行われる。この処理では、温度センサ23により計測されるPCUクーラ17から排出された冷却液19の温度データ、又は温度センサ21により計測されるPCU5の温度データが取得される。続くステップS33では、これらの温度が所定温度以上であるか否かを判断する処理が行われる。
即ち、所定温度として、PCU5を構成する電圧コンバータやインバータの各スイッチング素子がそのスイッチング動作に伴う発熱によってPCUクーラ17による放熱能力に余裕がないことを示す温度以上であるか否かの判断がこのステップS33により行われる。所定温度は、例えば、ハイブリッド車2の運転者がアクセルペダルを所定量以上踏み込んでいる(所定量以上のアクセル開度情報が入力されている)の間における冷却液19又はPCU5の温度であり、実車による統計データ、実験又はコンピュータシミュレーションなどの結果により予め定められる。
冷却液19やスイッチング素子自体がこのような温度である場合には、当該冷却システム11に要求される冷却液19の流量(高負荷時の流量)は、例えば、ハイブリッド車2のパワースイッチがオンされてから運転者によるアクセル操作がされるまで(アクセル開度情報が入力されるまで)の間においてPCU5の各スイッチング素子が発熱する場合の流量(低負荷時の流量)に比べると多い。そのため、換言すると、ステップS33の判断処理では、冷却システム11に要求される冷却液19の流量がこのような高負荷時の流量以上であるか否かを判断する。したがって、ステップS33による処理は、このような冷却液19やPCU5の温度ではなく、例えば、ハイブリッド車2のアクセル開度とその開度が維持される時間との乗算値の累積量から判断してもよい。
ステップS33の判断処理により、冷却液19又はPCU5の温度が所定温度以上でない場合には(S33;NO)、当該冷却システム11に要求される冷却液19の流量は、低負荷時の流量で足りる。そのため、この場合には、冷却液19又はPCU5の温度が所定温度以上になるまで、ステップS31による温度データ取得処理を繰り返す。冷却液19又はPCU5の温度が所定温度以上である場合には(S33;YES)、当該冷却システム11に要求される冷却液19の流量は低負荷時の流量では不足することになる。そのため、ステップS35に処理を移行してそれまで第1ウォータポンプ13だけで運転をしていたウォータポンプ単機運転処理を停止する。
そして、続くステップS37により、ウォータポンプ複機運転処理を開始する。この処理については、図6にフローチャートが図示されているので、ここからは同図を参照しながら、ウォータポンプ複機運転処理を説明する。なお、このステップS37によりウォータポンプ複機運転処理が起動されると、本複機運転移行処理は一連の処理を終了して、次回の起動に備える。
図6に示すように、ウォータポンプ複機運転処理では、最初にステップS41により温度データ取得処理が行われる。この処理では、温度センサ21により計測されたPCU5の温度データを取得する。続くステップS43では第1、第2ウォータポンプ目標出力演算処理が行われる。
即ち、ステップS43では、PCU5の温度に対応づけられた冷却液19の流量のデータテーブルを参照して、温度センサ21の計測値(PCU5の温度)から冷却液19の流量を一意に決定し、その流量が実現されるようにウォータポンプ13、14の目標出力値、つまり第1ウォータポンプ13と第2ウォータポンプ14に出力する回転数指令値を求める。そして、これにより得られた各回転数指令値を、ステップS45の第1ウォータポンプ出力増減処理と、ステップS47の第2ウォータポンプ出力増減処理と、によりウォータポンプ13、14に出力する。
これにより、ウォータポンプ13、14による通常のウォータポンプの運転(ウォータポンプ複機運転)が行われる。そのため、高負荷時にPCUクーラ17に要求される冷却能力を賄うことが可能な冷却液19の流量を確保することができる。このウォータポンプ複機運転処理が行われると、その後、再度、単機運転移行処理(図3)が実行され、所定の条件が揃うと(S13;YES)、ウォータポンプ単機運転処理(図4)に移行する。
なお、上記の実施例では、複数の電動ポンプとして、2機のウォータポンプ13、14を例示して説明したが、冷却パイプ12の経路中に3機以上のウォータポンプを設ける構成を採ってもよい。この場合、3機以上のウォータポンプのなかから、特定の1機のウォータポンプを回転数指令値に従った動作をさせることなく停止させて流量センサ相当として機能させ、そのインペラの回転数を回転数センサにより計測し、これにより得られた冷却液19の推定流量に基づいて、残りのウォータポンプの駆動制御を行う構成を採る。
また、上記の実施例では、PCUクーラ17に対して冷却液19の下流側に設けられた第2ウォータポンプ14を流量センサ相当として機能させ、そのインペラの回転数を回転数センサ25により計測し、これにより得られた冷却液19の推定流量に基づいて、上流側の第1ウォータポンプ13の駆動制御を行う構成を採った。しかしこれとは逆に、PCUクーラ17に対して冷却液19の上流側に設けられた第1ウォータポンプ13を流量センサ相当として機能させ、そのインペラの回転数を回転数センサ24により計測し、これにより得られた冷却液19の推定流量に基づいて、下流側の第2ウォータポンプ14の駆動制御を行う構成を採ってもよい。
また、第1ウォータポンプ13及び第2ウォータポンプ14のいずれのウォータポンプ13、14についても、流量センサ相当として機能させ得る構成を採ることを前提にして、単機運転移行処理(図3)のステップS13の判断処理において所定温度以下の判断がされて(S13;YES)、ウォータポンプ単機運転処理(図4)が実行されるごとに、又はハイブリッド車2の運転開始から運転終了までの1トリップごとに、第1ウォータポンプ13と第2ウォータポンプ14の役割を入れ替えてウォータポンプ13、14が交互に流量センサ相当として機能するように構成してもよい。これにより、ウォータポンプ13、14の夫々の運転頻度がほぼ半分に低減するため、インペラ用のモータの回転に伴ってインペラ軸やその軸受が摩耗するなどの機械的なストレスの発生がウォータポンプ13、14の夫々に分散される。したがって、ウォータポンプ13、14の経年変化の進行を遅らせることが可能になる。
実施例技術に関する留意点を述べる。PCU5が冷却対象の一例に相当する。冷却液19が冷却媒体の一例に相当する。冷却パイプ12が循環路の一例に相当する。ウォータポンプ13、14が複数の電動ポンプの一例に相当する。冷却コントローラ20がコントローラの一例に相当する。第1ウォータポンプ13が一部の電動ポンプの一例に相当する。第2ウォータポンプ14が、残部の電動ポンプ及び特定の電動ポンプの一例に相当する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:ハイブリッド車
3:メインバッテリ
5:PCU
6:エンジン
8:モータ
11:冷却システム
12:冷却パイプ
13:第1ウォータポンプ
14:第2ウォータポンプ
15:リザーブタンク
16:ラジエータ
17:PCUクーラ
18:モータクーラ
19:冷却液
20:冷却コントローラ
21、23:温度センサ
24、25:回転数センサ
30:パワーコントローラ
50:HVコントローラ

Claims (1)

  1. 冷却対象を冷却する冷却媒体が流れる循環路と、前記循環路に前記冷却媒体を圧送する2個の電動ポンプと、前記2個の電動ポンプに対して回転数指令値を出力するコントローラと、を備えた冷却システムであり、
    前記コントローラは、前記冷却対象が要求する冷却能力を前記2個の電動ポンプのうちの一方の電動ポンプだけが圧送する流量の前記冷却媒体で賄えると判断した場合には、前記2個の電動ポンプのうちの他方の電動ポンプが無負荷状態で前記冷却媒体の流れで回転する場合の前記他方の電動ポンプの回転数に基づいて前記循環路を流れる前記冷却媒体の流量を算出し、かつ、この算出した前記冷却媒体の流量に基づいて前記一方の電動ポンプの回転数指令値を算出する、ことを特徴とする冷却システム。
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JP2018066279A (ja) * 2016-10-17 2018-04-26 トヨタ自動車株式会社 車両用冷却システム

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