JP2017043957A - 耐火被覆構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】建物躯体の上部構造部分101と下部構造部分102の間に配置される免震装置100の耐火被覆構造を簡単な構成により耐火性能の高いものとする。
【解決手段】免震装置100の周囲を上部、下部の耐火被覆体10,20で囲い込み、免震装置100と前記耐火被覆体10,20との間に熱反射面を備えた遮熱面材40を配置する。遮熱面材の熱反射面は外側に向ける。前記耐火被覆体10,20は可撓性を有する耐火被覆面材50’であって、上部、下部が一体となっており、建築物躯体の上部構造部分101あるいは下部構造部分102に設けた支持枠体51に取付けられて、免震装置を囲い込んだ構造とすることがある。
【選択図】図1
【解決手段】免震装置100の周囲を上部、下部の耐火被覆体10,20で囲い込み、免震装置100と前記耐火被覆体10,20との間に熱反射面を備えた遮熱面材40を配置する。遮熱面材の熱反射面は外側に向ける。前記耐火被覆体10,20は可撓性を有する耐火被覆面材50’であって、上部、下部が一体となっており、建築物躯体の上部構造部分101あるいは下部構造部分102に設けた支持枠体51に取付けられて、免震装置を囲い込んだ構造とすることがある。
【選択図】図1
Description
本発明は、免震建造物の耐火被覆構造に関するものであり、より具体的には建築物の上部構造部分と下部構造部分との間に配置される免震装置の耐火被覆構造に関する。免震装置としては、例えば、鋼板とゴムを交互に積み重ねて構成した積層体等がある。
鉄骨構造といった耐火建築物では、火災時において高温による構造材の変形等に伴って構造耐力が低下することを防止するために、所定の耐火性能を備える耐火構造とすることが求められている。その手段の一つとして、鉄骨構造に使用される鉄骨材等の周囲を耐火被覆体により被覆することが行われる。
一方、建築物では、耐震性の向上を図るために免震装置が用いられており、近年、地下基礎部分を支える免震装置の外に、建造物の階層間のように上部構造部分と下部構造部分間にも免震装置が用いられるようになってきている。建築物の上部構造部分と下部構造部分間に免震装置を設置する場合には、この免震装置も躯体の一部を構成するものとして建築基準法に定める所定の耐火性能を満たすことが要求される。
こうした免震装置の耐火被覆構造として例えば特許文献1,2に記載されるようなものがある。
特許文献1に記載された免震装置の耐火囲壁構造では、耐火被覆構造を複数の耐火パネルで構成された上部囲壁体を上部構造躯体に固定し、同様に複数の耐火パネルで構成された下部囲壁体を下部構造躯体に固定し、上下の囲壁体間にクッション性がある耐火目地材を装填している。そして、少なくとも1つの耐火パネルを開閉可能に取り付けて免震装置の点検口としている。
また、特許文献2の耐火被覆構造は、上下の構造体間に配置された免震装置を耐火板で取り巻いた構造となっている。前記の耐火板は上下の構造体にそれぞれ固定部材を介して取り付けられており、上下の耐火板の間に形成される目地間隙に遮炎性及び遮熱性を有する耐火ゴムシートが取り付けられている。
特許文献1に記載された免震装置の耐火囲壁構造では、耐火被覆構造を複数の耐火パネルで構成された上部囲壁体を上部構造躯体に固定し、同様に複数の耐火パネルで構成された下部囲壁体を下部構造躯体に固定し、上下の囲壁体間にクッション性がある耐火目地材を装填している。そして、少なくとも1つの耐火パネルを開閉可能に取り付けて免震装置の点検口としている。
また、特許文献2の耐火被覆構造は、上下の構造体間に配置された免震装置を耐火板で取り巻いた構造となっている。前記の耐火板は上下の構造体にそれぞれ固定部材を介して取り付けられており、上下の耐火板の間に形成される目地間隙に遮炎性及び遮熱性を有する耐火ゴムシートが取り付けられている。
上述した特許文献では、免震装置が設置される上部構造部分及び下部構造部分の地震動の際のずれに対応するため、上部構造部分及び下部構造部分に取り付けた耐火パネルの間に目地空隙が形成されている。そのため、耐火被覆構造は、耐火パネルで囲まれた密閉構造とはなっておらず、特許文献では、目地空隙部分に耐火目地部材や耐火ゴムシートを取り付けて密閉性を高めることで、所定の耐火性能を得られるようにしている。
外部の火災による高熱により耐火パネルが加熱されると、耐火パネルが高温となり、内側面から放射熱が生じるようになる。こうした放射熱は免震装置を加熱するようになることから、放射熱の発生を抑制するため耐火パネルは断熱性を高める必要があり、その分厚さを厚くする必要がある。耐火パネルの厚さを厚くする場合、免震装置への施工に制約が生じるとともにコストアップの要因となる。また、耐火パネルの間の目地空隙部分についても断熱性を向上させるために目地部材を厚くすることは、上部構造部分及び下部構造部分のずれへの追従に影響が生じるおそれがある。
そこで、本発明は、免震装置において生じる上部構造部分及び下部構造部分のずれに対して安定して追従することができるとともに免震装置に対する耐火性能を向上させることが可能な免震装置の耐火被覆構造を提供することにある。
建築物躯体を構成する上部構造部分と下部構造部分との間に設置された免震装置の周囲を耐火被覆体で囲い込む。
その際、前記免震装置と前記耐火被覆体との間に熱反射面を備えた遮熱面材をその熱反射面を外側に向けて配置する。
前記遮熱面材は、前記上部構造部分又は前記下部構造部分のいずれか一方の端面に固定されるとともに先端が他方の端面近傍に延設されて自由端となって構造とすることがある。
耐火被覆体は可撓性を有する耐火被覆面材とし、建築物躯体の上部構造部分あるいは下部構造部分に設けた支持材に取付けられて、免震装置を囲い込む構造とすることがある。前記支持材は、一部が建築物躯体の上部構造部分あるいは下部構造部分との間あるいは支持材間に設けたヒンジ構造によって外側へ回転可能とされており、この箇所を免震装置のための点検口とすることがある。
その際、前記免震装置と前記耐火被覆体との間に熱反射面を備えた遮熱面材をその熱反射面を外側に向けて配置する。
前記遮熱面材は、前記上部構造部分又は前記下部構造部分のいずれか一方の端面に固定されるとともに先端が他方の端面近傍に延設されて自由端となって構造とすることがある。
耐火被覆体は可撓性を有する耐火被覆面材とし、建築物躯体の上部構造部分あるいは下部構造部分に設けた支持材に取付けられて、免震装置を囲い込む構造とすることがある。前記支持材は、一部が建築物躯体の上部構造部分あるいは下部構造部分との間あるいは支持材間に設けたヒンジ構造によって外側へ回転可能とされており、この箇所を免震装置のための点検口とすることがある。
本発明は、上記のような構成を有することで、免震装置と耐火被覆体との間に遮熱面材を設けているので、耐火被覆体から発生する放射熱を遮熱面材により遮断して免震装置が加熱されるのを抑制することができる。そのため、遮熱面材及び耐火被覆体の組み合せにより耐火性能を向上させることができ、また、遮熱面材の遮熱効果により被覆体を構成する耐火パネルの厚さを薄くすることが可能となる。耐火パネルを薄く形成することで、免震装置において生じる上部構造部分及び下部構造部分のずれに対して耐火被覆体が安定して追従することができるとともに免震装置に対する耐火性能を向上させることが可能となる。
耐火被覆体として可撓性を有する耐火被覆面材を使用することで、耐火被覆構造を比較的安価に施工できる。また、前記遮熱面材を利用することで十分な耐火性能が発揮される。
なお、免震装置は、前記のようにゴム(合成樹脂ゴム等)と鋼板を交互に積み重ねて構成した積層体が多いが、積層した鋼板間の摩擦を利用するものや強力な金属バネからなる物もあり、いずれにしても免震の機能を発揮する他の構成であってもよい。
耐火被覆体として可撓性を有する耐火被覆面材を使用することで、耐火被覆構造を比較的安価に施工できる。また、前記遮熱面材を利用することで十分な耐火性能が発揮される。
なお、免震装置は、前記のようにゴム(合成樹脂ゴム等)と鋼板を交互に積み重ねて構成した積層体が多いが、積層した鋼板間の摩擦を利用するものや強力な金属バネからなる物もあり、いずれにしても免震の機能を発揮する他の構成であってもよい。
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る実施形態である耐火被覆構造に関する正面図(図1(a))及びA−A方向から見た断面図(図1(b))である。図1(a)では、耐火被覆構造を一部切欠いて断面図で示しており、図1(b)では、理解を容易にするために、耐火被覆構造以外を省略して示している。
耐火被覆構造は、鋼板とゴムとを交互に積み重ねた円柱状の積層体からなる免震装置100の周囲を囲むように施工されており、免震装置100は、建築物の中間部分において、上部構造部分101と下部構造部分102との間に設置されている。そして、耐火被覆構造は、上部構造部分101に取り付けられる上部被覆体10及び下部構造部分102に取り付けられる下部被覆体20を備えており、上部被覆体10及び下部被覆体20は、この実施形態において、それぞれ耐火パネルにより構成されている。上部被覆体10と下部被覆体20を総称して耐火被覆体ということがある。
上部被覆体10は、免震装置100の上半分に対して間隔を空けて被覆するように取り付けられており、下部被覆体20は、免震装置100の下半分に対して間隔を空けて取り付けられている。上部被覆体10と下部被覆体20との間に形成された目地空隙には、クッション性を有する耐火目地部材30が取り付けられており、上部被覆体10及び下部被覆体20により免震装置100は、外部と遮断された密閉構造となっている。
耐火被覆構造では、上部被覆体10及び下部被覆体20と免震装置100との間に遮熱面材40がそれぞれ四面に設けられている。遮熱面材40は、免震装置100に対して間隔を空けて周囲を囲むように、下部構造部分102の端面に立設されている。また、遮熱面材40の上端は、上部構造部分101に固定されず自由端となっている。
遮熱面材40は、上部被覆体10、下部被覆体20と面する側がアルミを蒸着した熱反射面となっている。
遮熱面材40は、上部被覆体10、下部被覆体20と面する側がアルミを蒸着した熱反射面となっている。
上部被覆体10は、上部構造部分101の矩形状の断面に合わせて4枚の耐火パネル11a〜11dを矩形状に取り付けて構成されており、各耐火パネルは、上部構造部分101の端面に垂設された固定金具12a〜12dにネジ止めされて固定されている。各耐火パネルは、上端面が上部構造部分101の端面に密着して取り付けられて下方に垂設されており、免震装置100の上半分の周囲を間隔を空けて被覆するように固定されている。なお、耐火パネル11a〜11dは、固定金具12a〜12dにネジ止めされているため、ネジを外して耐火パネルを取り外すことで、内部の免震装置100の点検を容易に行うことができる。
下部被覆体20は、上部被覆体10と同様に、下部構造部分102の矩形状の断面に合わせて4枚の耐火パネル21a〜21dを矩形状に取り付けて構成されている。各耐火パネルは、上部被覆体10と同様のものが用いられており、下部構造部分102の端面に立設された固定金具22a〜22dにネジ止めされて固定されている。各耐火パネルは、下端面が下部構造部分102の端面に密着して取り付けられて上方に立設されており、免震装置100の下半分の周囲を間隔を空けて被覆するように固定されている。耐火パネル21a〜21dについても、耐火パネル11a〜11dと同様に取り外すことができ、内部の免震装置100の点検作業を容易に行うことが可能である。
上部被覆体10及び下部被覆体20に用いられる耐火パネルとしては、所定の耐火性能を備える公知の材料を使用することができる。例えば、セラミックファイバー等の耐火性繊維を主材として成形した成形板、珪酸カルシウム成形板等を用いた耐火板に金属被覆板を積層して固定した耐火パネルが挙げられる。
耐火目地部材30としては、例えば、セラミックファイバー、ロックウール等の耐火性繊維からなるブランケットを不織布で覆って細幅に形成したクッション性を有する耐火材を用いることができる。こうした耐火材を取付部材により上部被覆体10又は下部被覆体20のいずれかの端面に固定し、両者の間に形成された目地空隙に耐火材を充填した状態にすることで、外部と遮断した状態に設定することができる。
遮熱面材40としては、耐火パネルの内側面から生じる放射熱を外方へ反射して免震装置100に伝わらないように遮熱する素材が用いられており、例えば、難燃材からなる板状体の外側面にアルミ蒸着等の反射面が形成された板材が挙げられる。遮熱面材40は、素材に剛性があるプレートやボードの場合には下端部分を下部構造部分102の端面にネジ止めにより立設されている。なお、遮熱面材40がフィルムやスクリーンのような柔らかな素材の場合は上部構造部分101から吊り下げる格好となる。
また、遮熱面材40は、免震装置100を取り囲むように円筒形に配置することもある。
また、遮熱面材40は、免震装置100を取り囲むように円筒形に配置することもある。
以上説明したように、耐火被覆構造は、上部構造部分101に取り付けた上部被覆体10及び下部構造部分102に取り付けた下部被覆体20を備えているので、地震動により免震装置100が作動して上部構造部分101及び下部構造部分102が変位してずれた場合にもそれに追従して上部被覆体10及び下部被覆体20がずれるようになる。そのため、耐火被覆構造は、耐火性能を維持して免震装置100を火災等から保護することができる。また、免震装置100と耐火パネル50との間には、遮熱面材40が間隔を空けて設置されているため、耐火パネル50からの放射熱が免震装置100に伝わらないようにすることができ、遮熱面材40及び耐火被覆体10,20の組み合せにより耐火性能を向上させるとともに遮熱面材40の遮熱効果により耐火パネル50を薄くすることが可能となる。具体的には、上述したアルミ蒸着による反射面を備えた遮熱面材40を設置することで、耐火パネル50の厚さを遮熱面材40を設置していない場合に比べて50%〜60%の厚さに薄くすることができる。そのため、様々な部位に設置された免震装置100に対応することが可能となり、耐火被覆構造の施工負担を軽減することができる。
なお、上述した例では、上部被覆体10及び下部被覆体20により免震装置100の周囲を囲うように取り付けているが、1つの被覆体で囲うように取り付けることもできる。その場合には、上部構造部分101から下部構造部分102の端面まで延設された耐火被覆体を上部構造部分101に垂設するか、下部構造部分102から上部構造部分101の底面まで延設された耐火被覆体を下部構造部分102に立設するようにすればよい。遮熱面材40についても、免震装置100の周囲を囲むように設置すればよく、前記のように、上部構造部分101に取り付けて下部構造部分102の端面まで延設するように設置することもできる。
図2は、図1に示す実施形態の変形例に関する正面から見た断面図である。この例では、免震装置100が設置される上部構造部分103及び下部構造部分104の端面のサイズが異なっており、上部構造部分103のサイズが下部構造部分104のサイズよりも大きくなっている。耐火被覆構造は、上部構造部分103に取り付けられた上部被覆体10’及び下部構造部分104に取り付けられた下部被覆体20’を備えている。
上部被覆体10’は、上部構造部分103の端面の外周に沿って耐火パネル11’が配列されて固定金具12’によりネジ止めにより固定されている。下部被覆体20’は、下部構造部分104の端面の周囲に外方に向かって拡がるように耐火パネル23’が設けられており、耐火パネル23’は、下部構造部分104に固定された支持金具24’に支持されてネジ止めされている。支持金具24’の先端部には、固定金具22’が立設させて固定されており、固定金具22’には、耐火パネル21’が耐火パネル23’の周囲を囲むように配列されて固定されている。耐火パネル11’及び21’は、耐火パネル11及び21と同様の耐火材を用いることができる。
耐火パネル21’は、上端が耐火パネル11’の下端と対向する位置に配置されるように取り付けられており、耐火パネル11’と耐火パネル21’との間の目地空隙部分には、図1に示す例と同様の耐火目地部材30が取り付けられている。そのため、免震装置100は、周囲を上部被覆体10’及び下部被覆体20’により間隔を空けて囲まれて密閉状態となっている。免震装置100と上部被覆体10’及び下部被覆体20’との間には、図1に示す例と同様の遮熱面材40が間隔を空けて配置されており、遮熱面材40は、下部構造部分104の端面に立設されている。遮熱面材40は、免震装置100の周囲を囲むように配置されており、上端が上部構造部分103の端面近傍に延設されている。そのため、上部被覆体10’及び下部被覆体20’の内側面から生じる放射熱は、遮熱面材40により反射されるようになり、免震装置100が放射熱により加熱されるのを抑制することができる。
図3は、別の実施形態に関する正面から見た断面図(図3(a))及びB−B方向からみた断面図(図3(b))である。この例では、図2に示す例と同様に、免震装置100が設置される上部構造部分103及び下部構造部分104の端面のサイズが異なっており、上部構造部分103のサイズが下部構造部分104のサイズよりも大きくなっている。耐火被覆構造は、下部構造部分104に回動可能に取り付けられた支持枠体51に可撓性を有する耐火被覆面材50’を支持固定して免震装置100の周囲を囲うように設置しており、上部構造部分103の底面には、可撓性を有する耐火被覆面材50’の上端位置に沿って目地閉鎖用耐火被覆面材52が取り付けられている。可撓性を有する耐火被覆面材50’の下部は、下部構造部分104の側面に接着剤等により密着固定されており、可撓性を有する耐火被覆面材50’の上端は、目地閉鎖用耐火被覆面材52に圧接しているので、免震装置100は、周囲を可撓性を有する耐火被覆面材50’により間隔を空けて囲まれて密閉状態となっている。免震装置100と可撓性を有する耐火被覆面材50’との間には、図1に示す例と同様の遮熱面材40が間隔を空けて配置されており、遮熱面材40は、下部構造部分104の端面に立設されている。遮熱面材40は、免震装置100の周囲を囲むように配置されており、上端が上部構造部分103の端面近傍に延設されている。そのため、可撓性を有する耐火被覆面材50’及び支持枠体51の内側面から生じる放射熱は、遮熱面材40により外方向へ反射されるようになり、免震装置100が放射熱により加熱されるのを抑制することができる。遮熱面材40により加熱が抑制されるので、可撓性を有する耐火被覆面材50’の厚さを薄くすることが可能となり、様々な部位に設置された免震装置100に対応することが可能となって耐火被覆構造の施工負担を軽減することができる。
可撓性を有する耐火被覆面材50’は、ロックウール等の所定の耐火性能を有するシート状の難燃材からなり、施工箇所に合わせて変形自在となる可撓性を備えている。そのため、長尺状のロール状態で施工現場に持ち込み、適宜切断して耐火パネルとして用いることができる。また、こうした可撓性を有するとともに容易に切断可能な難燃性シート材を用いることで、図3(b)に示すように、逆台形形状の耐火パネルのサイズに合わせて正確に切断することができる。そして、切り取りサイズ(成形サイズ)を僅かに大きくすることで、隅部で隣接する可撓性を有する耐火被覆面材50’との間が互いに圧接した状態となって密閉性を高めることができ、施工した耐火パネルが時間経過とともに変形した場合でも密閉性を維持することが可能となる。
また、目地閉鎖用耐火被覆面材52についても同じ難燃性シート材を細幅に切断して取り付けることで、容易に施工することができる。さらに、可撓性を有する耐火被覆面材50’の上端部と圧接した状態とすることで、密閉性を高めるとともに時間経過とともに変形が生じた場合でも密閉性を維持することが可能となる。また、地震動により上部構造部分103及び下部構造部分104が互いに変位してずれが生じた場合でも可撓性を有する耐火被覆面材50’はずれに対応して追従することができるので、ずれに対して追従した後においても密閉性を維持することが可能となる。
図4は、支持枠体51に関する斜視図である。支持枠体51は、下部構造部分104に固定された一対の台座部51aにヒンジ51cを介して回動可能に取り付けられた一対の回動部材51bを備えており、一対の回動部材51bには、交差するように一対の取付部材51dが所定の間隔を空けて固定されている。そして、取付部材51dには、可撓性を有する耐火被覆面材50’が当接されてネジ止め又は接着剤等により固定されている。可撓性を有する耐火被覆面材50’のサイズが大きくなり、上部が垂れるように変形する場合には、可撓性を有する耐火被覆面材50’内に芯材を差し込んで安定した形状に維持されるようにすることもできる。差し込んだ芯材は、回動部材51b又はヒンジ51cに取り付けることで、可撓性を有する耐火被覆面材50’を安定した状態で回動させることができる。そのため、耐火被覆構造の内部の免震装置100を点検する際には、支持枠体51を回動させ可撓性を有する耐火被覆面材50’の一部を開閉することで、点検作業を簡単に行うことができる。
10 上部被覆体
11 耐火パネル
12 固定金具
20 下部被覆体
21 耐火パネル
22 固定金具
23’ 耐火パネル
24’ 支持金具
30 耐火目地部材
40 遮熱面材
50 耐火パネル
50’ 耐火被覆面材
51 支持枠体
52 目地閉鎖用耐火被覆面材
100 免震装置
101、103 上部構造部分
102、104 下部構造部分
11 耐火パネル
12 固定金具
20 下部被覆体
21 耐火パネル
22 固定金具
23’ 耐火パネル
24’ 支持金具
30 耐火目地部材
40 遮熱面材
50 耐火パネル
50’ 耐火被覆面材
51 支持枠体
52 目地閉鎖用耐火被覆面材
100 免震装置
101、103 上部構造部分
102、104 下部構造部分
Claims (10)
- 建築物躯体を構成する上部構造部分と下部構造部分との間に設置された免震装置の周囲を耐火被覆体で囲い込み、前記免震装置と前記耐火被覆体との間に熱反射面を備えた遮熱面材をその熱反射面を外側に向けて配置してあることを特徴とした免震装置の耐火被覆構造。
- 耐火被覆体と免震装置との間に空間が設定されており、この空間に前記の遮熱面材がこの空間をほぼ内外に区画する配置で、かつ、耐火被覆体及び免震装置から独立して配置されていることを特徴とした請求項1に記載の免震装置の耐火被覆構造。
- 前記の遮熱面材はその上縁が前記上部構造部分の底面に取付けられて、下縁が下部構造部分の上面か、上面近くまで延設されて自由端となっていることを特徴とした請求項2に記載の免震装置の耐火被覆構造。
- 前記遮熱面材は、スクリーン状であることを特徴とした請求項3に記載の免震装置の耐火被覆構造。
- 前記の遮熱面材はその下縁が前記下部構造部分の上面に取付けられて、上縁が上部構造部分の下面か、下面近くまで延設されて自由端となっていることを特徴とした請求項2に記載の免震装置の耐火被覆構造。
- 前記遮熱面材は、ボード乃至プレート状であることを特徴とした請求項5に記載の免震装置の耐火被覆構造。
- 耐火被覆体は可撓性を有する耐火被覆面材であって、建築物躯体の上部構造部分あるいは下部構造部分に設けた支持枠体に取付けられて、免震装置を囲い込んでいることを特徴とした請求項1に記載の免震装置の耐火被覆構造。
- 前記支持枠体は、建築物躯体の上部構造部分あるいは下部構造部分との間あるいは支持枠体間に設けたヒンジ構造によって外側へ回転可能とされた箇所を有し、この箇所を免震装置の点検用開口としてあることを特徴とした請求項7に記載の免震装置の耐火被覆構造。
- 耐火被覆面材の上方あるいは下方の辺縁が建築物の上部構造部分の底面あるいは下部構造部分の上面に接する箇所に、目地閉鎖用耐火被覆面材が配置されていることを特徴とした請求項7又は8に記載の免震装置の被覆構造。
- 耐火被覆体は、前記上部構造部分に垂設された上部被覆体と、下部構造部分に立設された下部被覆体とからなり、上部被覆体と下部被覆体との間の目地空隙がクッション性を有する耐火目地部材で閉塞されていることを特徴とした請求項1に記載の免震装置の被覆構造。
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Cited By (1)
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CN107605062A (zh) * | 2017-09-14 | 2018-01-19 | 云南震安减震科技股份有限公司 | 一种用于建筑隔震橡胶支座的可动式防火保护装置 |
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2015
- 2015-08-26 JP JP2015166978A patent/JP2017043957A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107605062A (zh) * | 2017-09-14 | 2018-01-19 | 云南震安减震科技股份有限公司 | 一种用于建筑隔震橡胶支座的可动式防火保护装置 |
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