JP2017039626A - 水素生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱硫触媒の反応に適した温度よりも十分高温な箇所を予熱源とし、簡素な構成で広い熱交換面積を有し、原料ガスの流量が多い場合でも確実に予熱することができる脱硫器を有する水素生成装置を提供する。
【解決手段】水素生成装置1は改質部6と、脱硫器3において予熱流路10を備え、予熱流路10が改質部6と対向する面を有し、改質部6によって予熱流路10が加熱されるように構成される。原料ガスは予熱流路10において、脱硫部9の反応に適した温度より十分高温である改質部6から加熱され、かつ、対向する面であることで広い熱交換面積を有している。それによって、多くの熱量を与えられる。そのため、原料ガスの流量が多い場合でも確実に予熱することができ、長期間安定して硫黄化合物を除去して運転可能な水素生成装置を提供することができる。
【選択図】図1
【解決手段】水素生成装置1は改質部6と、脱硫器3において予熱流路10を備え、予熱流路10が改質部6と対向する面を有し、改質部6によって予熱流路10が加熱されるように構成される。原料ガスは予熱流路10において、脱硫部9の反応に適した温度より十分高温である改質部6から加熱され、かつ、対向する面であることで広い熱交換面積を有している。それによって、多くの熱量を与えられる。そのため、原料ガスの流量が多い場合でも確実に予熱することができ、長期間安定して硫黄化合物を除去して運転可能な水素生成装置を提供することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、都市ガスやLPGなどの炭化水素系の原料ガスを改質し、水素リッチな改質ガスを製造し、燃料電池発電装置用等の燃料ガスの製造に用いられる水素生成装置に関するものである。
従来、燃料電池発電装置に水素を供給するための水素生成装置が知られている。
水素生成装置は、都市ガスやLPGなどの炭化水素系の原料ガスを改質することで水素を生成する。生成された水素は燃料電池の燃料極に供給されて、発電が行われる。
水素生成装置において、原料ガスは改質部での改質反応により、水素リッチな水素含有ガスに改質される。原料ガスの改質には一般に水蒸気改質法が用いられる。原料ガスと水蒸気を混合し、改質部の改質触媒に通流することで、水蒸気改質反応により水素リッチな水素含有ガスを生成する。
原料ガスである都市ガスやLPGなどには付臭剤として硫黄化合物が添加されている。改質触媒は硫黄化合物により被毒し、性能劣化をきたすので、原料ガス中の硫黄化合物を許容濃度以下まで除去するために、改質触媒に原料ガスを通流させる前処理として脱硫工程を設ける必要がある。
原料ガス中の硫黄化合物を除去する脱硫方法の一つとして、原料ガスに水素を混合し硫黄化合物を除去する水添脱硫方式がある。水添脱硫方式は、硫黄分の吸着容量が大きいことから、他の脱硫方式、例えば吸着脱硫方式に比べて、少ない脱硫触媒体積で構成することができ、長期間にわたって脱硫触媒を交換する必要がないというメリットがある。
一方、水添脱硫方式の脱硫反応には水素が必要であるため、改質触媒により生成された水素含有ガスの一部を原料ガスに添加して水添脱硫器に供給しなければならず、システムが複雑になる。
水添脱硫器は、水添脱硫触媒により硫黄化合物が水素と反応し除去される。このとき、適切な反応を生じさせる温度は、触媒種にもよるが、触媒を150〜350℃程度に保つ必要がある。水添脱硫触媒は、CuZn系、Ni系、CoMo(コバルト・モリブデン)系、ZnO(酸化亜鉛)系などが用いられる。
従来、この種の水添脱硫方式を用いた水素生成装置として、水添脱硫器が水素生成装置本体に一体化された構成が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
図4は特許文献1に記載された従来の水素生成装置の構成を示す縦断面図である。
図4は特許文献1に記載された従来の水素生成装置の構成を示す縦断面図である。
水素生成装置GH1は、水素生成装置本体101に、水添脱硫器103が一体化されて構成されている。具体的には、水添脱硫器103は改質器102の外周、一酸化炭素浄化器104の軸方向下方に配置されている。
水素生成装置本体101は多重円筒形状の容器で構成されている。
多重円筒の中心には加熱部としてのバーナ111が配置される。バーナ111には原料ガスや、燃料電池で消費されなかった水素を含むオフガスが供給され、燃焼することで高
温の燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは下端で折り返して上方へ流れ、改質器102や蒸発部112などと熱交換し、外部へ排出される。
温の燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは下端で折り返して上方へ流れ、改質器102や蒸発部112などと熱交換し、外部へ排出される。
バーナ111の外周を囲むように、蒸発部112と改質器102が配置される。原料ガスと改質水は蒸発部112に供給され、燃焼ガスと熱交換することで昇温され、改質水が水蒸気となる。水蒸気と原料ガスは蒸発部112を通る間に混合されて改質器102に流入する。原料ガスは、改質器102の水蒸気改質反応により水素含有ガスに変換される。
蒸発部112の外周を囲むように、一酸化炭素浄化器104が配置される。一酸化炭素浄化器104は変成器105と選択酸化器106で構成される。
改質器102で生成された水素含有ガスに含まれる一酸化炭素は、変成器105における変成反応と、選択酸化器106における選択酸化反応により濃度を低減され、一酸化炭素をほとんど含まない改質ガスとなり、水素生成装置GH1の外部に排出される。改質ガスはその後燃料電池に向かい、発電に用いられる。
水添脱硫器103は二重円筒状の容器で構成されている。水添脱硫器103は断熱材107を介して、改質器102の外周を囲うように配置されることで、高温の改質器102(例えば400〜700℃)から適量の熱を与えられ、水添脱硫反応に適した温度(例えば150〜350℃)に制御することができる。
水添脱硫反応は吸熱も発熱もほとんどしないため、配置する位置や断熱材107の厚みなどで、所望の温度になるように設計すればよい。
原料ガスは、予め水素を添加された状態で、原料ガス供給路108から水添脱硫器103に流入し、原料ガス入口ヘッダー109を通ることで周方向に均一化される。その後、水添脱硫器103に充填された水添脱硫触媒113を通る間に水添脱硫反応により、硫黄化合物が除去される。反応後の原料ガスは、原料ガス排出路110を通り水添脱硫器103から排出され、その後水素生成装置本体101に流入する。
このように構成された水素生成装置GH1において、燃料電池システムの発電出力が変化し、水素生成装置GH1で生成させる水素の量が変動した場合、水素生成装置GH1に流入する原料ガスの量も変化させる必要がある。つまり、原料ガスの流量を、高出力では多く、低出力では少なくする必要がある。
このとき、水添脱硫器103において、水添脱硫触媒113全体を適正温度に保つために必要となる熱の量も変化するが、約600℃の高温となる改質器102から水添脱硫器103に与えられる熱の量はほとんど変化せず、触媒層の温度が大きく変動することとなる。
例えば、最大発電出力の運転において、流入する原料ガスの流量に対し、水添脱硫触媒113の温度を適正に保てる熱量を改質器102から得るように、水添脱硫器103を配置している水素生成装置GH1を設計したとする。発電出力が小さくなった場合、原料ガスの量が減少する。
このとき、原料ガスの温度を上昇させるために、一定の時間あたりに必要となる熱の量も減少するが、改質器102から、水添脱硫器103に与えられる熱の量はほとんど変化せず、流入する原料ガスの量に対して、過剰な熱が改質器102から与えられ、結果として、原料ガスの温度が、最大発電出力の運転時よりも高くなり、これによって水添脱硫触媒113の温度も上昇し、触媒層の温度を適正に保つことができなくなる。
その結果、水添脱硫器103における脱硫反応が損なわれ、結果として硫黄化合物が水素生成装置本体101に供給される。このとき、硫黄化合物によって改質触媒が被毒し、安定した水素生成が出来ず、燃料電池システムが停止する可能性がある。
上述の問題を解決するためには、水添脱硫器103に供給される原料ガスの温度と、水添脱硫触媒113の適正温度との差を小さくし、発電出力の変化に伴う原料ガス流量変化の影響による水添脱硫触媒113の過大な温度変化を抑えることが有効である。つまり、常温の原料ガスを、水添脱硫触媒113に到達するまでの間に予熱しておけば良い。
原料ガスを予熱する構成として、水素生成装置GH1においては、水添脱硫器103に原料を供給する原料ガス供給路108が、一酸化炭素浄化器104の外周面に沿って周回し、原料ガス供給路108と一酸化炭素浄化器104とが熱交換可能に配設されている。
特に本構成では、一酸化炭素浄化器104のうち、変成器105の上流部と原料ガス供給路108とが熱交換可能に配設されている。このように、原料ガスを予熱する熱源として変成器105を用いている。
原料ガス供給路108から供給されたほぼ常温の原料ガスは、変成器105の上流部と熱交換することで昇温され、変成器105の制御温度である150〜350℃に近づく。こうして予熱された原料ガスを水添脱硫触媒113に流入させることで、水添脱硫触媒113の過大な温度変化を抑えることができ、安定して硫黄化合物を除去できる。
水添脱硫器103および、変成器105の各々に充填される触媒として、CuZn(銅亜鉛)系など、同種の材料が用いられる場合、水添脱硫器103および、変成器105のそれぞれにおいて、制御温度が150〜350℃と同程度の領域の温度となるため、原料ガス供給路108と、変成器105を熱交換させることが、水添脱硫器103に適温で原料ガスを供給するための予熱手段として、適切であることが記載されている。
しかしながら、上記従来の構成では、原料ガスを予熱する熱源である変成器105の運転温度(150〜350℃)が水添脱硫触媒113の反応に適した温度とほぼ同等であることから、原料ガスを適温まで予熱するためには、原料ガス供給路108において大きな熱交換面積を確保する必要がある。
従来の構成では、原料ガス供給路108がパイプで構成されているため、単位長さ当たりの熱交換面積が少ない。特に原料ガスの流量が多くなる最大発電運転において、十分な熱交換面積を確保するためには原料ガス供給路108のパイプ長を長くする必要があり、例えば複数周回させる必要があった。
パイプを複数周回させる構成には、多数のパイプ曲げといった加工工程と、パイプを溶接などで接合する組立工程が多数必要となる。このように、構成が複雑かつ高コストとなるという問題があった。そのため、従来の構成では原料ガスの流量が多い場合に原料ガスの予熱が不足するという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、脱硫触媒の反応に適した温度よりも十分高温な箇所を予熱源とし、簡素な構成で広い熱交換面積を有し、原料ガスの流量が多い場合でも確実に予熱することができる脱硫器を有する水素生成装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の水素生成装置は、原料ガスを用いて改質反応により水素含有ガスを生成する改質部と、改質部を加熱する加熱部と、改質部に供給される原料ガス中の硫黄化合物を除去する脱硫部と、脱硫部に供給される原料ガスが流れる予熱流路と、を備え、予熱流路は改質部に対向する面を有し、改質部によって予熱流路が加熱されるのである。
これによって、原料ガスは、予熱流路において、脱硫部の反応に適した温度より十分高温である改質部から加熱され、かつ、対向する面であることで広い熱交換面積を有している。それによって、多くの熱量を与えられ、原料ガスの流量が多い場合でも確実に予熱することができる。
本発明の水素生成装置は、原料ガスの流量が多い場合でも確実に予熱することができる脱硫器を有し、脱硫触媒を、硫黄化合物を分解して吸着する効率が高い温度に維持することで、長期間安定して硫黄化合物を除去して運転することができる。
第1の発明は、原料ガスを用いて改質反応により水素含有ガスを生成する改質部と、改質部を加熱する加熱部と、改質部に供給される原料ガス中の硫黄化合物を除去する脱硫部と、脱硫部に供給される原料ガスが流れる予熱流路と、を備え、予熱流路は改質部に対向する面を有し、改質部によって予熱流路が加熱される、水素生成装置である。
これによって、原料ガスは予熱流路において、脱硫部の反応に適した温度より十分高温である改質部から加熱され、かつ、対向する面を有することで、広い熱交換面積で多くの熱量を与えられ、原料ガスの流量が多い場合でも確実に予熱することができる。したがって、長期間安定して硫黄化合物を除去して運転可能な水素生成装置を提供できる。
第2の発明は、特に、第1の発明の水素生成装置において、改質部が、改質触媒部と、改質反応により生成された水素含有ガスが流れるリターン流路と、を備え、リターン流路は、改質触媒部に対向する面を有し、予熱流路はリターン流路に対向する面を有しているのである。
これによって、リターン流路と改質触媒部が対向する面において熱交換することで改質触媒部の比較的低温な部分が無くなり、改質部が全体に渡って高温となるため、予熱流路がリターン流路と対向する面で加熱される際、原料ガスに予熱流路のほぼ全域で多くの熱量を与えることができる。
そのため、流路長の短い予熱流路であっても、原料ガスを確実に予熱することができ、
長期間安定して硫黄化合物を除去して運転可能な水素生成装置を提供することができる。
長期間安定して硫黄化合物を除去して運転可能な水素生成装置を提供することができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の水素生成装置において、予熱流路と改質部との間隙の少なくとも一部に断熱材を有しているのである。
これによって、水素生成装置を大型化させることなく、予熱流路へ与えられる熱量を制御し、原料ガスの過昇温を防止することができる。一方で、断熱材を配置していない箇所の熱交換が大きくなり、短い流路で原料ガスの急加熱や、水素含有ガスの冷却などを促進することができる。そのため、水素生成装置を小型化することができる。
第4の発明は、特に、第1から第3のいずれかの発明の水素生成装置において、改質部が加熱部を囲み、予熱流路が改質部を囲み、脱硫部が予熱流路を囲んでいるのである。
これによって、加熱部や改質部といった高温部が外部に放熱をしにくくなり、比較的低温の脱硫部からの放熱が主となるため、放熱ロスを小さくし、水素生成装置としての熱効率を高くすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における水素生成装置の構成を示す縦断面図である。
図1は、本発明の実施の形態1における水素生成装置の構成を示す縦断面図である。
水素生成装置1は、水素生成装置本体2に脱硫器3が一体化されて構成されている。具体的には、脱硫器3は水素生成装置本体2における改質部6の外周、変成部7の軸方向下方に配置されている。
水素生成装置本体2は多重円筒形状の容器で構成されている。多重円筒の中心には加熱部4が配置され、加熱源として、バーナ5が配置される。加熱部4の外周を取り囲むように、改質部6と、改質部6の上方に変成部7、選択酸化部8が配置される。
脱硫器3も多重円筒状の容器で構成されている。脱硫器3は、円筒状空間に水添脱硫触媒が充填された脱硫部9と、脱硫部9の内面に接して円筒状の流路を持つ予熱流路10とで構成されている。予熱流路10は、改質部6の外周の円筒面に対向して、これを取り囲むように円筒面を有している。このように、改質部6と予熱流路10は互いに対向する円筒面を有し、改質部6によって予熱流路10が加熱されるように配置されている。
脱硫器3において、脱硫部9に対して筒部品を一つ追加するだけで予熱流路10が構成されている。こうすることで、パイプを複数周回させるといった構成に比べて組立工数が少なく、簡素な構成で予熱流路10を構成することができる。
改質部6と予熱流路10との間隙には断熱材11が配置されている。
このように、加熱部4や改質部6といった高温部の外周を脱硫器3が囲んでいるため、高温部が外部環境と直接熱交換しにくい構成となっている。加熱部4や改質部6からの熱は原料ガスを介して水素生成装置本体2に取り込むことが出来、外部環境への放熱は比較的低温の脱硫器3や変成部7、選択酸化部8からが主となり、放熱ロスを抑制出来る。その結果、水素生成装置1としての熱効率を高くすることができる。
以上のように構成された本実施の形態の水素生成装置1について、以下、ガスの流れの
詳細を説明する。
詳細を説明する。
都市ガスやLPGといった炭化水素系の原料ガスに、水素を混合したものを、原料配管12aを通って脱硫器3に供給する。脱硫器3に流入した原料ガスは、予熱流路10を通る間に、断熱材11を介して円筒面で対向する改質部6から加熱され、脱硫反応に適した温度まで予熱される。予熱された原料ガスは下端で折り返し、脱硫部9に流入する。
脱硫部9において、水添脱硫触媒のはたらきで、硫黄化合物を除去される。水添脱硫触媒は例えばCuZn(銅亜鉛)系が用いられ、150〜350℃程度に保たれることで、効率的に反応する。脱硫部9は改質部6と断熱材11を介して配置されることで、適温に制御されるように設計されている。
硫黄化合物が除去された原料ガスは、原料配管12bを通り、水素生成装置本体2に流入する。原料ガスと、別の入口から供給される改質水は、加熱部4を囲むように形成された蒸発部13を通る。蒸発部13を通る間に改質水は蒸発して水蒸気となり、原料ガスと混合されて改質部6へ流入する。
改質部6において、水蒸気改質反応により、水素リッチな水素含有ガスが生成される。改質触媒としては、例えばPt(プラチナ)系、Rh(ロジウム)系、Ni(ニッケル)系、及びRu(ルテニウム)系などの金属系触媒が用いられ、400〜700℃程度で反応する。より望ましくは600〜700℃程度で効率的に反応する。水蒸気改質反応は吸熱反応であり、加熱部4から熱を与えられるて、反応に適した温度に制御されている。
水素含有ガスには一酸化炭素(CO)が含まれており、発電部であるスタックの発電特性を著しく低下させる。そこで、改質部6を出た水素含有ガスを変成部7と選択酸化部8に流入させ、CO濃度を低減させる。
水素含有ガスはまず変成部7に流入する。変成部7では変成反応によりCOが低減される。変成触媒としては、例えばCuZn系が用いられ、150〜350℃程度で効率的に反応する。変成反応は発熱反応であり、蒸発部13と熱交換することで、反応に適した温度に制御される。
変成部7でCOを低減された水素含有ガスは、酸素を含む空気を混合され、選択酸化部8に流入する。選択酸化部8では選択酸化反応により更にCOが低減され、COをほとんど含まない改質ガスとなり、水素生成装置1を出て、燃料電池で発電に用いられる。
選択酸化触媒としては、例えばPt系やRu系などが用いられ、80〜200℃程度で効率的に反応する。選択酸化反応は発熱反応であり、蒸発部13と熱交換することで、反応に適した温度に制御される。
次に加熱部4の構成について説明する。
加熱部4の加熱源として、加熱部4の中心部にバーナ5が配置される。バーナ5には原料ガスや、燃料電池で消費されなかった水素を含むオフガスが供給され、燃焼することで高温の燃焼ガスを生成する。
生成された高温の燃焼ガスは、下方で折り返し、燃焼ガス流路14を通る。燃焼ガス流路14を通る間に、燃焼ガスは改質部6や蒸発部13と熱交換することで熱を与えて、低温になって外部に放出される。
ここで、原料ガスの予熱について、さらに詳しく説明する。
原料ガスはほぼ常温の状態で水素生成装置1に供給される。原料ガスを水添脱硫触媒の反応に適した温度に予熱することで、水添脱硫反応を効率的に行うことができる。水添脱硫反応に適した温度は150〜350℃であり、より望ましくは、250〜300℃である。
水添脱硫触媒は運転温度が低いと硫黄化合物を分解して吸着する能力が低下し、吸着量が飽和して長期間硫黄化合物を除去することが出来なくなる。また、運転温度が高いと、熱劣化を起こし、性能が低下する。脱硫器3は改質部6の外周を囲うように配置され、その間に断熱材11を配置することで、適温に制御されている。
原料配管12aから供給された原料ガスは、円筒状の予熱流路10に流入し、周方向に広がって下方に流れる。このとき、予熱流路10の内周面と改質部6の外周面は対向している。対向する面は円筒面同士であり、比較的大きな面積で互いに熱交換可能に配置されている。
また、改質部6の温度は400〜700℃程度であり、水添脱硫反応に適した温度(150〜350℃)よりも高い。そのため、原料ガスは予熱流路10の円筒面の広い範囲に渡って多くの熱量を与えられることが可能である。
このように、本実施の形態の水素生成装置1では、予熱流路10において、原料ガスは高温の熱源である改質部6から加熱され、かつ、対向する面であることで広い熱交換面積を有している。それによって、多くの熱量を与えられることができる。
そのため、特に原料ガスの流量が多くなる最大発電運転においても、確実に原料ガスを予熱することができる。したがって、長期間安定して硫黄化合物を除去して運転可能な水素生成装置を提供することができる。
また、本実施の形態では、予熱流路10と改質部6の間の間隙に断熱材11が配置されている。また、図示はしていないが、脱硫部9の外周にも外部環境との間に断熱材が配置されている。
これにより、予熱流路10および脱硫部9は適温に制御されている。つまり、高温である改質部6(400〜700℃)と常温の外部環境の間で、予熱流路10および脱硫部9が水添脱硫反応に適した温度(150〜350℃)になるように、断熱材11および外周の断熱材の厚みを設計すればよい。
このように構成することで、原料ガスの予熱流路10における予熱温度と、脱硫部9の温度が水添脱硫反応に適した温度にすることができ、より少ない触媒量で長期間安定して硫黄化合物を除去することができる。そのため、触媒量が少ないことで、水素生成装置が小型化できる。
また、断熱材11があることで、予熱流路10が局所的に高温になることを防止することができる。予熱流路10が局所的に高温になると、原料ガスの一部が高温になり、水添脱硫触媒を熱劣化させる恐れがある。また、脱硫器3の構成部材の耐熱温度を上回って、脱硫器3が破損する恐れがある。
このように、断熱材11を配置することで、水添脱硫触媒の熱劣化を防止し、脱硫器3の構成部材に高耐熱材料を用いる必要がなく、低コスト化できる。
なお、本実施の形態では水添脱硫方式であるが、高温に脱硫触媒を制御する必要がある加熱脱硫方式においても同様の構成で有効な効果を得られる。
なお、本実施の形態においては、水素生成装置1は円筒形状であるが、円筒形状に限定されるものではない。また、水素生成装置本体2や脱硫器3も、改質反応や水添脱硫反応を効果的に引き起こすことができる形状であれば何でもよい。そのような例として角筒形状や平板形状などの形状を挙げることができる。
なお、本実施の形態においては、断熱材11を配置しているが、断熱材11は無くても良い。その場合、改質部6と予熱流路10との間隙の幅で予熱量を調整すればよい。水素生成装置1としては大型化してしまうが、部品点数を少なく出来る。
なお、一酸化炭素の低減部としては、変成部7と選択酸化部8のどちらか一方でも構わない。また、本実施の形態は固体高分子形燃料電池(PEFC)のスタックに改質ガスを供給する場合で説明しているが、固体酸化物形燃料電池(SOFC)に用いた場合も、本発明の効果は得られる。SOFCの場合、改質ガス中にCOが許容できるため、変成部7と選択酸化部8のどちらも無くても良い。
なお、加熱部4の加熱源としては、バーナ5以外に、例えば触媒燃焼器やヒータなどを用いても良い。
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における水素生成装置の構成を示す縦断面図である。前述の実施の形態1と同じ構成要素には同一符号を付与して説明を省略する。
図2は本発明の実施の形態2における水素生成装置の構成を示す縦断面図である。前述の実施の形態1と同じ構成要素には同一符号を付与して説明を省略する。
本実施の形態の水素生成装置21は、水素生成装置本体22に脱硫器3が一体化されて構成されている。具体的には、脱硫器3は水素生成装置本体22における改質部23の外周、変成部7の軸方向下方に配置されている。
水素生成装置21において、脱硫器3の構成と働きは実施の形態1と同一のため説明を省略する。
水素生成装置本体22の改質部23は、円筒状の空間に改質触媒が充填された改質触媒部24と、円筒状の流路であるリターン流路25とで構成されている。加熱部4の外周を取り囲むように改質触媒部24が配置され、改質触媒部24の外周を取り囲むようにリターン流路25が配置される。リターン流路25は改質触媒部24に対向する面を有し、互いに熱交換可能に配置されている。
脱硫器3において予熱流路10は、改質部23におけるリターン流路25と対向する面を有している。予熱流路10はリターン流路25から断熱材11を介して加熱されるように配置されている。
水素生成装置本体22の他の部分の構成と働きは実施の形態1と同一のため説明を省略する。
以上のように構成された水素生成装置21について、以下でガスの流れと原料ガスの予熱の詳細を説明する。
蒸発部13で生成された水蒸気と原料ガスの混合ガスは、改質触媒部24に流入する。
改質触媒部24において、水蒸気改質反応により、水素リッチな水素含有ガスが生成される。生成された水素含有ガスは下端で折り返し、リターン流路25を通り、変成部7へ向かう。
改質触媒部24において、水蒸気改質反応により、水素リッチな水素含有ガスが生成される。生成された水素含有ガスは下端で折り返し、リターン流路25を通り、変成部7へ向かう。
改質触媒部24は、燃焼ガス流路14を流れる高温の燃焼ガスから加熱される。また、リターン流路を流れる水素含有ガスも高温であり、対向する面で改質触媒部24を加熱する。生成された水素含有ガスは600〜700℃程度であり、改質触媒部24の中でも低温である上流部を加熱することができる。
こうすることで、改質触媒部24は全体に渡って改質反応に適した温度(400〜700℃)に保つことができるため、反応の効率が高い。
予熱流路10はリターン流路25に対向する面から断熱材11を介して加熱される。リターン流路はほぼ全域に渡って十分高温(400〜700℃)であるため、予熱流路10において原料ガスを水添脱硫反応に適した温度(150〜350℃)に加熱するために、多くの熱量を与えることができる。
このように本実施の形態の水素生成装置21では、リターン流路25と改質触媒部24が対向する面において熱交換することで改質触媒部の比較的低温な部分が無くなり、改質触媒部24が全体に渡って高温となるため、予熱流路10がリターン流路25と対向する面で加熱される際、原料ガスに予熱流路10のほぼ全域で多くの熱量を与えることができる。
このため、例えば、改質触媒部24の軸方向長さを小さくすることで、水素生成装置21の全長を小さくする設計を行った場合、予熱流路10の軸方向長さも小さくなり、流路長が短くなる。このような場合においても、予熱流路10のほぼ全域で多くの熱量を与えることで、原料ガスを確実に予熱することができる。よって、長期間安定して硫黄化合物を除去して運転可能な水素生成装置を提供することができる。
実施の形態1と同様に、円筒形状以外の形状でも、同様の効果を得ることができる。水添脱硫方式以外の脱硫方式でも同様の効果を得ることができる。断熱材11は無くてもよい。変成部7と選択酸化部8のどちらか一方か、どちらも無くても良い。加熱部4の加熱源はバーナ5以外でも良い。
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3における水素生成装置の構成を示す縦断面図である。前述の実施の形態1および2と同じ構成要素には同一符号を付与して説明を省略する。
図3は本発明の実施の形態3における水素生成装置の構成を示す縦断面図である。前述の実施の形態1および2と同じ構成要素には同一符号を付与して説明を省略する。
本実施の形態の水素生成装置31は、水素生成装置本体22に脱硫器3が一体化されて構成されている。具体的には、脱硫器3は水素生成装置本体22における改質部23の外周、変成部7の軸方向下方に配置されている。
水素生成装置31において、水素生成装置本体22と脱硫器3の構成と働きは実施の形態2と同一のため説明を省略する。
予熱流路10とリターン流路25との間隙の一部に断熱材32が配置される。断熱材32は予熱流路10の上流部とリターン流路25の下流部が対向する箇所には配置されていない。
以上のように構成された本実施の形態の水素生成装置31について、以下、原料ガスの
予熱の詳細を説明する。
予熱の詳細を説明する。
予熱流路10の上流部には、原料配管12aから予熱されていないほぼ常温の原料ガスが流入する。一方、リターン流路25の下流部には改質触媒部24と熱交換したやや高温の水素含有ガス(例えば400〜500℃程度)が流れている。これらの間隙に断熱材32が配置されていないことで、熱交換が促進される。
その結果、ほぼ常温の原料ガスは急加熱され、水添脱硫反応に適した温度(150〜350℃)に近づく。また、水素含有ガスは冷却され、変成部7での反応に適した温度(150〜350℃)に近づく。この部分に断熱材32が配置される場合に比べて、短い流路で原料ガスの急加熱と、水素含有ガスの冷却を実現することが出来る。
予熱流路10とリターン流路25の間隙の一部に断熱材32が配置されることで、予熱流路10が局所的に高温になることを防止しているが、断熱材32が配置されない予熱流路10の上流部とリターン流路25の下流部は比較的低温であるため、予熱流路10が局所的に高温になりにくい。そのため、脱硫器3の構成部材の耐熱温度を上回って、脱硫器3が破損する恐れがなく、高コストな高耐熱材料を用いる必要がない。
このように、本実施の形態の水素生成装置31では、予熱流路10とリターン流路25の間隙の一部に断熱材32が配置され、一部には配置されていない。そうすることで、予熱流路10が局所的に高温になることを防止し、原料ガスの過昇温を防止することができる。
同時に、断熱材32を配置していない箇所の熱交換が大きくなり、短い流路で原料ガスの急加熱や、水素含有ガスの冷却などを促進することができる。そのため、水素生成装置を小型化することができる。
実施の形態2と同様に、円筒形状以外の形状でも同様の効果を得ることができる。水添脱硫方式以外の脱硫方式でも同様の効果を得ることができる。変成部7と選択酸化部8のどちらか一方か、どちらも無くても良い。加熱部4の加熱源はバーナ5以外でも良い。
本発明の水素生成装置は、固体高分子形燃料電池(PEFC)や固体酸化物形燃料電池(SOFC)に対して水素を供給することができ、燃料電池コージェネレーションシステムなどに適用できる。
1 水素生成装置
2 水素生成装置本体
3 脱硫器
4 加熱部
5 バーナ
6 改質部
7 変成部
8 選択酸化部
9 脱硫部
10 予熱流路
11 断熱材
12a,12b 原料配管
13 蒸発部
14 燃焼ガス流路
21 水素生成装置
22 水素生成装置本体
23 改質部
24 改質触媒部
25 リターン流路
31 水素生成装置
32 断熱材
2 水素生成装置本体
3 脱硫器
4 加熱部
5 バーナ
6 改質部
7 変成部
8 選択酸化部
9 脱硫部
10 予熱流路
11 断熱材
12a,12b 原料配管
13 蒸発部
14 燃焼ガス流路
21 水素生成装置
22 水素生成装置本体
23 改質部
24 改質触媒部
25 リターン流路
31 水素生成装置
32 断熱材
Claims (4)
- 原料ガスを用いて改質反応により水素含有ガスを生成する改質部と、
前記改質部を加熱する加熱部と、
前記改質部に供給される原料ガス中の硫黄化合物を除去する脱硫部と、
前記脱硫部に供給される原料ガスが流れる予熱流路と、を備え、
前記予熱流路は、前記改質部に対向する面を有し、前記改質部によって前記予熱流路が加熱される、水素生成装置。 - 前記改質部は、改質触媒部と、改質反応により生成された水素含有ガスが流れるリターン流路と、を備え、
前記リターン流路は、前記改質触媒部に対向する面を有し、
前記予熱流路は、前記リターン流路に対向する面を有する、請求項1に記載の水素生成装置。 - 前記予熱流路と前記改質部との間隙の少なくとも一部に断熱材を有する、請求項1または2に記載の水素生成装置。
- 前記改質部が前記加熱部を囲み、前記予熱流路が前記改質部を囲み、前記脱硫部が前記予熱流路を囲んでいる、請求項1から3のいずれか1項に記載の水素生成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015162837A JP2017039626A (ja) | 2015-08-20 | 2015-08-20 | 水素生成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015162837A JP2017039626A (ja) | 2015-08-20 | 2015-08-20 | 水素生成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017039626A true JP2017039626A (ja) | 2017-02-23 |
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ID=58203366
Family Applications (1)
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JP2015162837A Pending JP2017039626A (ja) | 2015-08-20 | 2015-08-20 | 水素生成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017039626A (ja) |
-
2015
- 2015-08-20 JP JP2015162837A patent/JP2017039626A/ja active Pending
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