JP2017039152A - 鍛造加工用素材の製造装置及びその製造方法 - Google Patents

鍛造加工用素材の製造装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】棒状素材を切断機で所定の長さに切断した切断素材の稜角部に、所定の形状の面を形成して鍛造加工用素材を製造する鍛造加工用素材の製造装置の提供。【解決手段】本発明は、棒状素材5Aを所定の長さに切断して切断素材5Bを生成する切断機10の近傍に設けられ、切断素材の両端の稜角部に、一対の金型20Aの面を押圧させるプレス成形で面付けを行う面付け装置20を備えた鍛造加工用素材の製造装置1であって、一対の金型は、一方の側に、切断素材の一方の稜角部を押圧して所定の断面形状の面を形成するための一方の面付け用金型面が形成されている一方の金型22と、他方の側に、切断素材の他方の稜角部を押圧して所定の断面形状の面を形成するための他方の面付け用金型面が形成されている他方の金型23とからなる。一対の金型は、面付けを行うとき、一方の金型の外周部が他方の金型の案内用内周部に嵌合される構成になっている。【選択図】図6

Description

本発明は、切断素材の稜角部に所定の形状の面が形成された鍛造加工用素材を製造する鍛造加工用素材の製造装置とその製造方法に関する。更に詳しくは、棒状素材を切断機で所定の長さに切断した切断素材の稜角部に、所定の形状の面を面付けして鍛造加工用素材を製造する鍛造加工用素材の製造装置とその製造方法に関する。
従来、平歯車、ベベルギア、等速ジョイント、クラッチ盤等の自動車関連部品は、鍛造加工された製品であることが一般的である。これら鍛造製品を製造する場合に用いられる鍛造加工用素材は、棒状素材(例えば、丸棒鋼)を棒材切断機で所定の長さに切断されたもの(例えば、鋼の円柱体)である。鍛造加工を行う場合、例えば、この鍛造加工用素材を高周波加熱炉で所定の温度(例えば、1050℃)付近で加熱軟化させた後、プレス機の金型に投入してプレス加工して所望の形状や品質の製品を製造する。この所望の製品を得る一連の工程を構成する設備を鍛造プレスラインと呼び、通常、熱間鍛造ラインと冷間鍛造ラインとがある。熱間鍛造ラインの設備構成は、棒材切断機、素材加熱炉、鍛造プレスとからなる。又、冷間鍛造ラインの設備構成は、棒材切断機、焼鈍ボンデ、鍛造プレスとからなる。
鍛造プレスは、鍛造加工用素材を加圧成形するために、耐衝撃性と高剛性とを与えられたプレスであり、加工金型である上下一組からなる金型を2〜5組並置するようにプレス本体に取り付けられている。鍛造加工用素材は、先頭金型から順次自動搬送装置(トランスファー装置)で搬送されながらプレス成形され、最後の金型成形が完了して鍛造プレスから搬出される型式のものが多い。すなわち、鍛造加工用素材を、複数工程に分けて、所望の製品形状にする多工程成形という手段を用いるのが一般的である。
この多工程プレス成形の形態は、例えば、3工程プレス成形の場合、据え込み工程、成形工程、打ち抜き工程の各工程からなることが多い。4工程プレス加工の場合、据え込み工程、予備成形工程、成形工程、打ち抜き工程の各工程から成ることが多い。5工程プレス加工の場合、据え込み工程、1次予備成形工程、2次予備成形工程、成形工程、打ち抜き工程の各工程、又は、据え込み工程、予備成形工程、成形工程、内打ち抜き工程、外打ち抜き工程の各工程などからなることが多い。これらの工程は、製品の形状に合わせて選択されればよいものであり、鍛造加工の工程形態は様々である。
一方、鍛造加工用素材は、熱間鍛造工程で鍛造加工する際、鍛造加工用素材を所定の温度まで加熱するため、表面に酸化皮膜(スケール)が発生する。この酸化皮膜が発生した状態で、据え込み工程を行ってしまうと、据え込み工程前の素材径に相当する酸化皮膜の円形輪が出現する。この円輪紋様(円形輪)は、微細な酸化鉄が集積したものであり、予備成形、成形、打ち抜きの各工程でプレス成形を行っても成形された部品に残留することがある。その後の、切削加工、研削加工等の機械加工工程で削除されることもあるが、研削加工のみであると酸化鉄の層が残り、欠陥製品となってしまうという問題点が生じた。また、近年、コスト低減のために研削加工だけで完成品を製造することが多くなり、この酸化膜の層を残さないようにするために解決策が求められている。
円輪模様ができる過程についてさらに説明を行うと、切断された鍛造加工用素材は、プレス成形される前に、所定の温度まで加熱された後、赤熱された鍛造加工用素材は空気に触れて酸化が始まる。この酸化は、外表面から内部に向かって一定の速度で進行するが、稜角部は、外周面、端面の両方から酸化進行を受ける結果、最も早く酸化が進む。鍛造加工用素材の稜角部は酸化鉄に変質して剥離しやすい状態となっている。この酸化鉄を除去せずにそのまま鍛造プレスで据え込みを行うと、稜角部に密度の高い酸化鉄が圧搾含有されて円輪紋様が出現するのである。
この解決策の一つとして、稜角部に面取りを行う方法がある。例えば、切断後、ワークの端面を、ワークと同軸上に位置させて回転させた刃物で面取りする面取り装置に関する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、丸棒状ワークの端縁のばりを、ローラに巻回されて回走するサンドペーパ状の研磨ベルトで除去する丸棒状ワーク端縁のばり取り装置に関する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。さらに、熱間鍛造工程におけるプレス成形ラインの初工程前に、酸化皮膜除去のためのプレス工程、面取り工程を同時に行う予備成形工程を付加して金型寿命の改善と素材品質向上を図る熱間鍛造プレス成形方法及びその装置に関する技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開平08−025123号公報 特開平11−114796号公報 特開2012−130953号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、ワークの授受、切削位置への移動、切削刃による加工等に時間がかかり生産性の低下が生じるという問題点が生じた。特許文献2の技術では、面取り量が多くなると、研削効率が悪くなるという問題点が生じた。また、研削ベルトの寿命も低下し、ベルト交換を行うことは生産性の低下を生じさせていた。すなわち、特許文献1及び特許文献2の技術は、棒状素材の切断作業に見合うような生産性で面取り作業を行うことが難しいおそれがあるものであった。特許文献3の技術は、ワークを加熱後に面取りを行うものであり、酸化皮膜が残留するうえ、熱間鍛造以外には採用することができないという問題点があった。
本発明は、前述したような問題点を解決するためになされたものであり、次のような目的を達成する。
本発明の目的は、切断機で切断された切断素材の稜角部に、短時間に、かつ、大量生産可能に、面付けを行うことができる鍛造加工用素材の製造装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、切断機による切断で精度が低下した切断素材を修正し、高精度の鍛造加工用素材にすることができる鍛造加工用素材の製造装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、前述した目的を達成するために次の手段を採る。
本発明1の鍛造加工用素材の製造装置は、
棒状素材を所定の長さに切断して切断素材を生成する切断機の近傍に設けられ、前記切断素材の両端の稜角部に、一対の金型の面を押圧させるプレス成形で面付けを行う面付け装置を備えた鍛造加工用素材の製造装置であって、前記一対の金型は、一方の側に、前記切断素材の一方の稜角部を押圧して所定の断面形状の面を形成するための一方の面付け用金型面が形成されている一方の金型と、他方の側に、前記切断素材の他方の稜角部を押圧して所定の断面形状の面を形成するための他方の面付け用金型面が形成されている他方の金型とからなることを特徴とする。
本発明2の鍛造加工用素材の製造装置は、本発明1において、
前記一対の金型は、前記面付けを行うとき、前記一方の金型の外周部が前記他方の金型の案内用内周部に嵌入、案内される構成になっていることを特徴とする。
本発明3の鍛造加工用素材の製造装置は、本発明1又は2において、
前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面であることを特徴とする。
本発明4の鍛造加工用素材の製造装置は、本発明1又は2において、
前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面と、前記R状面に連続する所定の角度の傾斜面とからなるものであることを特徴とする。
本発明5の鍛造加工用素材の製造装置は、本発明1又は2において、
前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面と、前記R状面に連続する所定の角度の傾斜面と、前記傾斜面に連続する所定の半径のR状面とからなるものであることを特徴とする。
本発明6の鍛造加工用素材の製造装置は、本発明1から5において、
前記切断機と前記面付け装置との間には、前記切断素材を、順次、前記面付け装置に搬送するための搬送装置が設けられていることを特徴とする。
本発明7の鍛造加工用素材の製造方法は、
棒状素材を所定の長さに切断して切断素材を生成する切断機の近傍に設けられ、前記切断素材の両端の稜角部に、一対の金型の面を押圧させるプレス成形で面付けを行う面付け装置を備えた鍛造加工用素材の製造装置における製造方法であって、前記一対の金型は、一方の側に、前記切断素材の一方の稜角部を押圧して所定の断面形状の面を形成するための一方の面付け用金型面が形成されている一方の金型と、他方の側に、前記切断素材の他方の稜角部を押圧して所定の断面形状の面を形成するための他方の面付け用金型面が形成されている他方の金型とからなるものであり、前記切断機で棒状素材を所定の長さに切断する工程と、切断された前記切断素材を、前記面付け装置に、順次、搬送する工程と、前記面付け装置で、前記一方の金型と前記他方の金型を相対的に接近する方向に移動させ、前記切断素材の両端の稜角部にプレス成形で面付けを行う工程とからなることを特徴とする。
本発明8の鍛造加工用素材の製造方法は、本発明7において、
前記面付けを行う工程は、前記一方の金型の外周部が前記他方の金型の案内用内周部に嵌入、案内されている状態で前記面付けを行う工程であることを特徴とする。
本発明9の鍛造加工用素材の製造方法は、本発明7又は8において、
前記所定の断面形状の面は、所定の半径を有するR状面であることを特徴とする。
本発明10の鍛造加工用素材の製造方法は、本発明7又は8において、
前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面と、前記R状面に連続する所定の勾配の傾斜面とからなるものであることを特徴とする。
本発明11の鍛造加工用素材の製造方法は、本発明7又は8において、
前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面と、前記R状面に連続する所定の角度の傾斜面と、前記傾斜面に連続する所定の半径のR状面とからなるものであることを特徴とする。
本発明12の鍛造加工用素材の製造方法は、本発明7から11において、
前記面付けを行う工程は、前記稜角部に隣接する端面部が平面状になるまで加圧する工程を含むものであることを特徴とする。
本発明の鍛造加工用素材の製造装置は、切断機の近傍に面付け装置が設けられている構成のものであり、鋸切断機やシャー切断機等切断機で切断された切断素材を所定の形状の面が形成された鍛造加工用素材に短時間で大量に製造することができる。言い換えると、切断素材が、切断直後に、鍛造加工用素材に製造される。また、この鍛造加工用素材は、加熱処理を行っても、酸化鉄の円輪模様は発生することがないため、例えば、熱間鍛造を行っても、酸化鉄の層が残った欠陥製品となることが生じない。
また、切断がシャー切断機で行われる場合、シャー切断機は上下一組の切断刃で棒状素材を剪断切断するために生じる直角度(切断素材の直立角度)、真円度等の誤差を、この製造装置で面付けを行うとともに、金型内に充満させて隙間空間がなくなるまで加圧することで解消することができる。そのため、この鍛造加工用素材を鍛造加工した鍛造製品に、この直角度、真円度の誤差を原因とする鍛造製品の欠陥を発生させることが生じない。
さらに、鋸切断機で切断された切断素材は、切断素材の稜角部が鋭くなっているため、搬送工程中に、切断素材同士、切断素材と搬送装置とが衝突すると傷、故障等が容易に発生するおそれがあるが、この製造装置で面付けを行うことで、鍛造加工用素材の稜角部が鋭くなっていることを原因とする傷、故障等を発生させることが生じない。また、この鍛造加工用素材を鍛造加工(例えば、冷間鍛造)を行っても、鍛造加工した鍛造製品に、この稜角部が鋭くなっていることを原因とする欠陥を発生させることがない。
本発明の鍛造加工用素材の製造方法は、鋸切断機やシャー切断機等で切断された切断素材を所定の形状の面が形成された鍛造加工用素材に、短時間で大量に製造することができるため、生産効率が向上し、経済的効果も大きい。また、この鍛造加工用素材は、高品質の素材となって、この製造装置から搬出されるため、この後、鍛造加工を行っても鍛造製品に欠陥を発生させることがなく、この面でも、生産効率の向上が図れるとともに、鍛造製品の品質を向上させることができる。
図1は、本発明の実施の形態の鍛造加工用素材の製造装置の概要を示す正面図である。 図2は、図1におけるA部を拡大して示した部分図である。 図3は、図2の平面図である。 図4は、面付け装置の第2搬送装置を示す平面図である。 図5は、図4の第2搬送装置を正面視した部分図である。 図6は、面付け装置の要部を概略示す部分図であって、上金型と下金型とで面付けを行っている状態を示す図である。 図7は、面付け装置の要部を概略示す部分図であって、上金型と下金型とが離隔した状態を示す図である。 図8は、上金型の形状の一例を示す断面図である。 図9は、下金型の形状の一例を示す断面図である。 図10は、第2搬送装置の搬送動作、ラムの昇降移動動作、及び、ノックアウト部材の昇降移動動作の関係を示した動作説明図である。 図11は、鍛造加工用素材の製造装置で製造した鍛造加工用素材の形状例1を示す部分図である。 図12は、鍛造加工用素材の製造装置で製造した鍛造加工用素材の形状例2を示す部分図である。 図13は、鍛造加工用素材の製造装置で製造した鍛造加工用素材の形状例3を示す部分図である。 図14は、鍛造加工用素材の製造装置で製造した鍛造加工用素材の形状例4を示す部分図である。
以下、本発明の鍛造加工用素材の製造装置及びその製造方法の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の実施の形態の鍛造加工用素材の製造装置の概要を示す正面図、 図2は、図1におけるA部を拡大して示した部分図、 図3は、図2の平面図である。 図4は、面付け装置の第2搬送装置を示す平面図、図5は、図4の第2搬送装置を正面視した部分図、図6は、面付け装置の要部を概略示す部分図であって、上金型と下金型とで面付けを行っている状態を示す図、図7は、面付け装置の要部を概略示す部分図であって、上金型と下金型とが離隔した状態を示す図である。図8は、上金型の形状の一例を示す断面図、図9は、下金型の形状の一例を示す断面図である。図10は、第2搬送装置の一対の把持部材の搬送動作と、ラムの昇降移動動作、及び、ノックアウト部材の昇降移動動作の関係を示した動作説明図である。
図1から図10に従って、鍛造加工用素材の製造装置(以下、製造装置と記載)1の構成を説明する。図1に示すように、この製造装置1は、棒状素材5Aを所定の長さに切断するための切断機10、切断された切断素材5Bの両側の稜角部に、所定の形状の面をプレス成形で形成する面付け装置20、切断機10で切断された切断素材5Bを面付け装置20に搬送するため第1搬送装置30等から構成されている。
[切断機]
切断機10は、切断機本体11に、一対の切断刃である固定刃(図示せず)と可動刃(図示せず)とを備え、固定刃に対して可動刃を昇降動作させて、剪断力により棒状素材5Aを切断するものである。棒状素材5Aを載置している素材架台12、棒状素材5Aを切断機本体11側に送り出すためのピンチローラ13、切断時の棒状素材5Aの先端の位置を定める定寸装置14等が設けられている。なお、この切断機10は、棒状素材5Aを高速で切断することができる周知なものであり、この実施の形態の説明では詳細な説明を省略する。また、この説明では、切断機を、シャー切断方式の切断機として説明を行っているが、他の方式の切断機(例えば、鋸切断機等)であってもよい。切断された切断素材5Bは、第1搬送装置30により面付け装置20側に順次搬送される。
[第1搬送装置]
図2に示すように、切断された切断素材5Bは、コンベア装置31により搬送され、姿勢変換用搬送部材32を介して、面付け装置20側に搬送される。コンベア装置31は、図示しない駆動体により駆動されるコンベア311とこのコンベア311が無端回転するように両端等で回転可能に支持しているガイドローラ312等から構成されている。切断機10において、切断された切断素材5Bは、コンベア311に載置されて移動する。この切断素材5Bは、姿勢変換用搬送部材32の入口部321から搬入され、出口部322から搬出される。すなわち、コンベア311側では、切断素材5Bの中心軸線が水平方向を向く姿勢で搬送されているが、この姿勢変換用搬送部材32内を通過することにより、切断素材5Bは中心軸線が垂直方向を向くように姿勢が変換される。切断素材5Bは、面付け装置20側の第2搬送装置40に受け渡される。
[第2搬送装置]
第2搬送装置40は、切断素材5Bを一対の把持部材48で把持して、所定のストロークSt分移動させるトランスファー装置である。
搬送装置基台41上には、第1移動台44が、一方の把持部材48a、他方の把持部材48bの開閉方向(図3、4における矢印X方向)に移動可能に設けられている。搬送装置基台41と第1移動台44とのあいだには、直線ガイド部材422とスライド部材421とから構成される直動ガイド42、42が設けられている。搬送装置基台41には、駆動モータ47が設けられ、駆動モータ47と第1移動台44との間には、駆動モータ47の駆動軸の駆動力を第1移動台44に伝達するための第1駆動伝達機構46が設けられている。第1駆動伝達機構46は、歯車機構461と、クランク機構462等から構成されている。第1移動台44は、直動ガイド42、42に案内されて、駆動モータ47の駆動力を伝達する第1駆動伝達機構46を介して、一方の把持部材48aが開閉方向(図3、4における矢印X方向)に開閉運動する。他方の把持部材48bも同様の構成となっているため開閉方向に開閉運動する。すなわち、一方の把持部材48aと他方の把持部材48bとは、互いに接近する方向に移動して切断素材5Bの外周部を把持する動作と、互いに離れる方向に移動して切断素材5Bを把持解除する動作を行う。この一方の把持部材48aと他方の把持部材48bとが、一対の把持部材48となる。
第1移動台44の上部には、第2移動台43、43が切断素材5Bの搬送方向(矢印Z方向)に移動可能に設けられている。第1移動台44と第2移動台43とのあいだには、直線ガイド部材451とスライド部材452とから構成される直動ガイド45、45が設けられている。第1移動台44には、駆動モータ51が設けられ、駆動モータ51と第2移動台43との間には、駆動モータ51の駆動軸の駆動力を第2移動台43に伝達するための第2駆動伝達機構52が設けられている。第2駆動伝達機構52は、クランク521、ロッド522、円板523、クランクピン524等から構成されるクランク機構等を備えている。第2移動台43は、直動ガイド45、45に案内されて、駆動モータ51の駆動力を伝達する第2駆動伝達機構52を介して、切断素材5Bの搬送方向(図3、4、5における矢印Z方向)に往復移動する。この往復運動の移動ストロークStは、一対の把持部材48と隣の一対の把持部材48との間隔(一対の把持部材48間の距離)と等しくなっており、切断素材5Bは、順次、前進位置側の一対の把持部材に移し替えられて移動する。また、この搬送動作は、後述するように、面付け装置20のラム21の昇降動作と連動するように制御されて行われる(図10参照)。
第2移動台43、43には、取付部材49、50が、各々、ボルトで固定されている。また一方の側の取付部材49、50には、一方の把持部材48aが所定の間隔(移動ストロークSt)毎にボルトで固定されている。他方の側の取付部材49、50には、他方の把持部材48bが所定の間隔(St)毎にボルトで固定されている。また、製造装置1に設定されている位置である第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3、第4位置P4、第5位置P5、第6位置P6、第7位置P7、第8位置P8に一致するように設けられている。第1位置P1は、切断素材5Bが、姿勢変換用搬送部材32から受け渡される位置であり、第8位置P8は、図示しない搬出装置により鍛造加工用素材5が搬出される位置である。また第5位置P5がこの製造装置1の面付け装置20で面付けを行う位置である。
第2搬送装置40は、切断素材5Bを、一対の把持部材48(一方の把持部材48a、他方の把持部材48b)による把持動作、一対の把持部材48の前進位置への移動動作、一対の把持部材48の把持解除動作、一対の把持部材48の後退位置への移動動作という一連の搬送サイクルを高速(例えば、70サイクル/分)で繰り返して行い、面付け装置20側に切断素材5Bを順次供給する(図10参照)。例えば、切断素材5Bは、第1位置P1(図4参照)で受け渡され、第2搬送装置40が前述した搬送サイクル(及びラム21の昇降動作)を1回実行すると、第2位置P2に移動する。切断素材5Bは、切断装置10側から順次受け渡され、第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3、第4位置P4と移動し、第5位置P5に移動したとき面付け装置20で面付け加工が施される。その後、第6位置P6、第7位置P7と移動し、第8位置P8に移動したときこの製造装置1から搬出装置(図示せず)に受け渡される。なお、この実施の形態の説明では、第2搬送装置を2次元トランスファー装置で説明を行っているが、上下方向にも移動する3次元トランスファー装置であってもよい。
[面付け装置]
図1、図6、図7に従って、面付け装置20の説明を行う。
この面付け装置20は、一方の金型である上金型22と、他方の金型である下金型23とからなる一対の金型20A内に切断素材5Bを入れ、一対の金型20A内において切断素材5Bを加圧して、切断素材5Bの稜角部に面を形成した鍛造加工用素材5を製造するためのものである。この面付け装置20の基本構成は、プレス成形を行う機械などと同一またはほぼ同一のものであり、この実施の形態の説明では、一対の金型20A及び一対の金型20Aの近傍、ラム21等の構成を中心に説明を行う。
面付け装置本体(以下、装置本体と記載する)26の上部側にはラム21が、装置本体26に対して昇降移動可能に設けられている。ラム21は、装置本体26側に設けられたスライド機構等に案内され、駆動モータの回転駆動力が、レバー機構、リンク機構、クランク機構等により伝達され、装置本体26に対して昇降移動するものである。ラム21には、上金型22が上金型取付部材29を介して固定されている。
装置本体26には、下金型ホルダ27がホルダ固定部材28、ボルト28a等により固定されている。下金型ホルダ27の内周部には下金型23が挿入されている。下金型23は、リング状固定部材25、楔状固定部材24等を介して固定されている。リング状固定部材25は、下金型ホルダ27に形成されたねじ穴27bにボルト25aがねじ込まれ、楔状固定部材24の外周部側を締結固定している。楔状固定部材24は、下金型ホルダ27に形成されたねじ穴27cにボルト24aがねじ込まれている。楔状固定部材24は、内周部に形成された楔面部が、下金型23に形成された固定用傾斜面部235を押圧して下金型23を強固に固定している。下金型23の下部には、ノックアウト部材27aが、図示しない駆動体(例えば、高速油圧シリンダ)により昇降移動可能に設けられている。ノックアウト部材27aは、ラム21の昇降動作に連動して動作し、一対の金型20A(上金型22、下金型23)による面付け加工がされた鍛造加工用素材5を下側から押し上げるためのものである(図10参照)。
[上金型]
図8に基づいて、上金型22について説明を行う。上金型22は、外周部223の直径がDa(例えばφ80mm)、両端面間の長さ(高さ)がLa(例えば、75mm)の円筒形状の工具鋼(SKD)製の部材である。上金型22には、一対の金型20Aとして面付け装置20に、各々、取り付けられたとき、下金型23と対向する側に開口した凹状の上側金型面220が形成されている。上側金型面220は、R状金型面部221、傾斜金型面部222、下端面部224、凹状底面部225等から構成されている。傾斜金型面部222は、断面視したとき、所定の角度θa度(例えば、5度)傾斜した傾斜面からなる金型面である。R状金型面部221は、断面視したとき、凹状底面部225と傾斜金型面部222との角部であって、所定の半径Ra(例えば、R2.5mm)に形成されている部位である。上金型22の外周部223は、後述する下金型23の第2内周部234に嵌合される部位である。なお、傾斜金型面部232の角度θa、及び、R状金型面部221の半径Raは、鍛造加工用素材の大きさ、材質、後工程の加工方法等により、適宜選択される数値のものである。
[下金型]
図9に基づいて、下金型23について説明を行う。下金型23は、外周部237の直径がDb(例えば、φ110mm)、両端面間の長さ(高さ)がLb(例えば、135mm)の円筒形状の工具鋼(SKD)製の部材である。下金型23には、一対の金型20Aとして面付け装置20に、各々、取り付けられたとき、上金型22に対向する側に開口した凹状の下側金型面230が形成されている。下側金型面230は、R状金型面部231、傾斜金型面部232、凹状底面部236、第1内周部233等から構成されている。傾斜金型面部232は、断面視したとき、所定の角度θa度(例えば、5度)傾斜した傾斜面であり、大径側が第1内周部233と連続するように形成されている金型面である。R状金型面部231は、断面視したとき、凹状底面部236と傾斜金型面部232との角部であって、所定の半径Ra(例えば、R2.5mm)に形成されている金型面部である。なお、傾斜金型面部232の角度θa、及び、R状金型面部231の半径Raは、鍛造加工用素材の大きさ、材質、後工程の加工方法等により、適宜選択される数値のものである。
下金型23は、上部側に、上部端面側が小径になるように所定の角度θb度傾斜した固定用傾斜面部235が形成されている。この固定用傾斜面部235は、下金型23を下金型ホルダ27に固定するためのものである。また、下金型23には、上金型22の外周部223が嵌入、案内される第2内周部(案内用内周部)234が形成されている。さらに、下金型23には、下側に、ノックアウト部材27aが昇降移動するための穴部238が形成されている。
[鍛造加工用素材の製造方法]
この製造装置1における鍛造加工用素材の製造方法について説明を行う。図10は、第2搬送装置40の一対の把持部材48の搬送動作、ラム21の昇降移動動作、及び、ノックアウト部材27aの昇降移動動作の関係を示した動作説明図である。
棒状素材5Aは、切断機10で所望の寸法に切断される。切断機10で切断された切断素材5Bは、第1搬送装置30のベルトコンベア31で搬送され切断機10から搬出される。この切断素材5Bは、姿勢変換搬送部材32で姿勢の変換がされ、第2搬送装置40に受け渡される。すなわち、切断素材5Bは、第1位置P1に位置し、一対の把持部材48で把持され、面付け装置20側に順次搬送される。
この切断素材5Bが移動している状態のときには、ラム21及び上金型22は上方に位置し、切断素材5、鍛造加工用素材5の移動を可能にしている。また、切断素材5Bは、一対の把持部材48に把持されて下金型23の上面より所定量上方を移動する。第5位置P5に位置した切断素材5Bは、一対の把持部材48から把持解除され、下金型23内に投入される。切断素材5Bは、第1内周部233内に投入され、切断素材5Bの下端部が傾斜金型面部231又は傾斜金型面部231近傍に接して止まる。ラム21が下降し、上金型22の外周部223が下金型23の第2内周部234内に嵌入され、案内される。その後、傾斜金型面部222内に切断素材5Bの上部側が挿入され、凹状底面部225が切断素材5Bの上部を加圧する。切断素材5Bは、上部の外周面が傾斜金型面部222に、下部の外周面が傾斜金型面部232に加圧され、傾斜金型面部222、傾斜金型面部232に沿った形状に塑性変形していく。ラム21の下降動作により上金型22の凹状底面部225がさらに切断素材5Bを加圧すると、切断素材5Bの下方側の稜角部がR状金型面部231に、切断素材5Bの上方側の稜角部がR状金型面部221に加圧され、R状金型面部231、R状金型面部221に沿った形状に塑性変形する。すなわち、切断素材5Bは、所定のR(例えば、直径の5/100〜8/100の寸法のR)等が形成された鍛造加工用素材5となる。
その後、ラム21及び上金型22が上昇し、下金型23に対して上金型22が離隔した状態となる。このとき、この上金型22の上昇に連動するように、ノックアウト部材27aが図示しない駆動体により上昇し、稜角部に面付けがされた鍛造加工用素材5を持ち上げる。後退位置に移動した一対の把持部材48が、上昇位置に移動したノックアウト部材27aにより、下金型23の上面より所定量上方に持ち上げられた鍛造加工用素材5を把持し、前進位置側に移動し、鍛造加工用素材5を第6位置P6に搬送する。同時に、第4位置P4に位置していた切断素材5Bが、第5位置P5に搬送される。この一対の把持部材48の前進位置側への移動中に、ノックアウト部材27aは、図示しない駆動体により下降位置に下降動作する。この面付け装置20は、図10に示すように、例えばクランク機構(図示せず)が360度回転し、ラム21が上死点(図10の0度位置)から下死点(図10の180度位置)に昇降移動する動作と、第2搬送装置40の搬送動作、ノックアウト部材27aの昇降移動動作とが、各角度位置において、連動して動作するように制御されている。
この動作を繰り返すことにより、切断素材5Bに面付け加工を施し、鍛造加工用素材5が、順次製造される。すなわち、下金型22に一対の把持部材48から受け渡された切断素材5Bは、ラム21の下降動作により、上金型22と下金型23との間で所定の圧力で加圧される。その結果、切断素材5Bの稜角部は、上金型22側のR状金型面部221、傾斜金型面部222、下金型23側のR状金型面部231、傾斜金型面部232等で加圧され、R状等の稜角部が形成された鍛造加工用素材5が製造される。このように、傾斜金型面部222、232を設け、そこを圧入通過させ、稜角部を絞るような工程を有することにより、稜角部の真円度を向上させた後に、稜角部の面付けを行うことになり、精度良い面付けを行うことができる。また、製造装置1で切断素材5Bに面付けを行うとともに、一対の金型20A内に切断素材5Bを充満させて隙間空間がなくなるまで加圧することで、切断素材5Bの真円度、直角度等の誤差をなくすことができ、高精度の鍛造加工用素材5を製造することができる。言い換えると、この製造装置1は、切断素材5Bの稜角部に隣接する両側の端面部が平面状になるまで加圧することで、真円度、直角度等の誤差がない高精度の鍛造加工用素材5を製造することができる。
[鍛造加工用素材の例1]
図11には、この製造装置1で製造された鍛造加工用素材5の例1を示す。
前述した一対の金型20Aで加圧して切断素材5Bの稜角部に面が形成された鍛造加工用素材を製造すると、図11のような形状となり尖った稜角部が形成されない。
[鍛造加工用素材の例2]
図12には、この製造装置1で製造された鍛造加工用素材の例2である鍛造加工用素材5cを示す。
R状金型面部のみが形成されている一対の金型で加圧して鍛造加工用素材を製造すると、図12のような形状となる。この例2の鍛造加工用素材5cにおいても、尖った稜角部が形成されないので問題が発生するおそれが生じない。
[鍛造加工用素材の例3]
図13には、この製造装置1で製造された鍛造加工用素材の例3である鍛造加工用素材5dを示す。
前述した一対の金型20Aで、例1の鍛造加工用素材5を製造した加圧条件より低い条件で加圧して鍛造加工用素材を製造すると、図13のような形状となる。中央部に、加圧されていない切断機で切断された状態の切断面が凹んだ状態の凹部5d1が残るが、この形状でも問題が発生することがない。
[鍛造加工用素材の例4]
図14には、鍛造加工用素材の製造装置1で製造された鍛造加工用素材の例4である鍛造加工用素材5eを示す。
R状金型面部のみが形成されている一対の金型で、例2の鍛造加工用素材5cを製造した加圧条件より低い条件で加圧して鍛造加工用素材を製造すると、図14のような形状となる。中央部に、加圧されていない切断機で切断したままの切断面が凹んだ状態の凹部5e1が残るが、この形状でも問題が発生することがない
この製造装置1は、切断機10の近傍に面付け装置20が設けられている構成のものであり、鋸切断機やシャー切断機等切断機10で切断された切断素材5Bを、稜角部に所定の形状の面が形成された鍛造加工用素材5、5c、5d、5eに、短時間で大量に製造することができる。言い換えると、切断素材5Bが、切断直後に、鍛造加工用素材5、5c、5d、5eに製造される。また、この鍛造加工用素材5、5c、5d、5eは、加熱処理を行っても、酸化鉄の円輪模様は発生することがないため、例えば、熱間鍛造を行っても、酸化鉄の層が残った欠陥製品となることが生じない。
また、切断機10がシャー切断機である場合、シャー切断機10の上下一組の切断刃で棒状素材5Aを剪断切断するために生じる直角度(切断素材の直立角度)、真円度等の誤差を、この製造装置1で面付けを行うとともに、一対の金型20A内に充満させて隙間空間がなくなるまで加圧することで解消することができる。そのため、鍛造製品に、この鍛造加工用素材5、5c、5d、5eの直角度、真円度の誤差を原因とする欠陥を発生させることがない。
さらに、切断機10が鋸切断機である場合、切断された切断素材5Bは、切断素材5Bの稜角部が鋭くなっているため、搬送工程中に、切断素材同士、切断素材と搬送装置とが衝突し、切断素材の傷、搬送装置の故障等が発生するおそれがあるが、この面付け装置20で面付けを行うことで、鍛造加工用素材5、5c、5d、5eの稜角部が鋭い形状になっていることを原因とする傷、故障等を発生させることが生じない。また、この鍛造加工用素材5、5c、5d、5eを鍛造加工(例えば、冷間鍛造)を行っても、鍛造加工した鍛造製品に、この稜角部が鋭くなっていることを原因とする欠陥を発生させることがない。
この鍛造加工用素材の製造方法は、鋸切断機やシャー切断機等切断機10で切断された切断素材5Bを、切断素材5Bの稜角部に所定の形状の面が形成された鍛造加工用素材5、5c、5d、5eに、短時間で大量に製造することができるため、生産効率を向上させ、経済的効果も大きい。また、この鍛造加工用素材5、5c、5d、5eは、高品質の素材となってこの製造装置1から搬出されるため、この後、鍛造加工を行っても鍛造製品に欠陥を発生させることがなく、この面でも、生産効率の向上が図れるとともに、鍛造製品の品質を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されないことはいうまでもない。例えば、一対の金型に形成される面付け加工を行うための金型面は、R状金型面、傾斜金型面、R状金型面が連続するように形成されたものであってももよい。また、この実施の形態では、一対の金型が、面付け加工時に、上金型と下金型とが嵌合する構成のもので説明を行っているが、上金型と下金型とが嵌合しない構成の一対の金型であってもよい。さらに、一対の金型は、上金型の内周部に下金型の外周部が嵌合される構成のものであってもよい。
1…鍛造加工用素材の製造装置
5A…棒状素材
5B…切断素材
5…鍛造加工用素材
10…切断機
20…面付け装置
20A…一対の金型
21…ラム
22…上金型
220…上側金型面
221…R状金型面部
222…傾斜金型面部
223…外周部
23…下金型
230…下側金型面
231…R状金型面部
232…傾斜金型面部
233…第1内周部
234…第2内周部
24…楔状固定部材
25…リング状固定部材
26…面付け装置本体
27…下金型ホルダ
28…ホルダ固定部材
29…上金型取付部材
30…第1搬送装置
31…ベルトコンベア
32…姿勢変換用搬送部材
40…第2搬送装置
41…搬送装置基台
42…直動ガイド
43…第2移動台
44…第1移動台
45…直動ガイド
46…第1駆動伝達機構
47…駆動モータ
48…一対の把持部材(48a…一方の把持部材、48b…他方の把持部材
49…取付部材
50…取付部材
51…駆動モータ
52…第2駆動伝達機構
本発明は、切断素材の稜角部に所定の形状の面が形成された鍛造加工用素材を製造する鍛造加工用素材の製造装置とその製造方法に関する。更に詳しくは、棒状素材を切断機で所定の長さに切断した切断素材の稜角部に、所定の形状の面を面付けして鍛造加工用素材を製造する鍛造加工用素材の製造装置とその製造方法に関する。
従来、平歯車、ベベルギア、等速ジョイント、クラッチ盤等の自動車関連部品は、鍛造加工された製品であることが一般的である。これら鍛造製品を製造する場合に用いられる鍛造加工用素材は、棒状素材(例えば、丸棒鋼)を棒材切断機で所定の長さに切断されたもの(例えば、鋼の円柱体)である。鍛造加工を行う場合、例えば、この鍛造加工用素材を高周波加熱炉で所定の温度(例えば、1050℃)付近で加熱軟化させた後、プレス機の金型に投入してプレス加工して所望の形状や品質の製品を製造する。この所望の製品を得る一連の工程を構成する設備を鍛造プレスラインと呼び、通常、熱間鍛造ラインと冷間鍛造ラインとがある。熱間鍛造ラインの設備構成は、棒材切断機、素材加熱炉、鍛造プレスとからなる。又、冷間鍛造ラインの設備構成は、棒材切断機、焼鈍ボンデ、鍛造プレスとからなる。
鍛造プレスは、鍛造加工用素材を加圧成形するために、耐衝撃性と高剛性とを与えられたプレスであり、加工金型である上下一組からなる金型を2〜5組並置するようにプレス本体に取り付けられている。鍛造加工用素材は、先頭金型から順次自動搬送装置(トランスファー装置)で搬送されながらプレス成形され、最後の金型成形が完了して鍛造プレスから搬出される型式のものが多い。即ち、鍛造加工用素材を、複数工程に分けて、所望の製品形状にする多工程成形という手段を用いるのが一般的である。
この多工程プレス成形の形態は、例えば、3工程プレス成形の場合、据え込み工程、成形工程、打ち抜き工程の各工程からなることが多い。4工程プレス加工の場合、据え込み工程、予備成形工程、成形工程、打ち抜き工程の各工程から成ることが多い。5工程プレス加工の場合、据え込み工程、1次予備成形工程、2次予備成形工程、成形工程、打ち抜き工程の各工程、又は、据え込み工程、予備成形工程、成形工程、内打ち抜き工程、外打ち抜き工程の各工程などからなることが多い。これらの工程は、製品の形状に合わせて選択されればよいものであり、鍛造加工の工程形態は様々である。
一方、鍛造加工用素材は、熱間鍛造工程で鍛造加工する際、鍛造加工用素材を所定の温度まで加熱するため、表面に酸化皮膜(スケール)が発生する。この酸化皮膜が発生した状態で、据え込み工程を行ってしまうと、据え込み工程前の素材径に相当する酸化皮膜の円形輪が出現する。この円輪紋様(円形輪)は、微細な酸化鉄が集積したものであり、予備成形、成形、打ち抜きの各工程でプレス成形を行っても成形された部品に残留することがある。その後の、切削加工、研削加工等の機械加工工程で削除されることもあるが、研削加工のみであると酸化鉄の層が残り、欠陥製品となってしまうという問題点が生じた。また、近年、コスト低減のために研削加工だけで完成品を製造することが多くなり、この酸化膜の層を残さないようにするために解決策が求められている。
円輪模様ができる過程について更に説明を行うと、切断された鍛造加工用素材は、プレス成形される前に、所定の温度まで加熱された後、赤熱された鍛造加工用素材は空気に触れて酸化が始まる。この酸化は、外表面から内部に向かって一定の速度で進行するが、稜角部は、外周面、端面の両方から酸化進行を受ける結果、最も早く酸化が進む。鍛造加工用素材の稜角部は、酸化鉄に変質して剥離しやすい状態となっている。この酸化鉄を除去せずにそのまま鍛造プレスで据え込みを行うと、稜角部に密度の高い酸化鉄が圧搾含有されて円輪紋様が出現するのである。
この解決策の一つとして、稜角部に面取りを行う方法がある。例えば、切断後、ワークの端面を、ワークと同軸上に位置させて回転させた刃物で面取りする面取り装置に関する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、丸棒状ワークの端縁のばりを、ローラに巻回されて回走するサンドペーパ状の研磨ベルトで除去する丸棒状ワーク端縁のばり取り装置に関する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。更に、熱間鍛造工程におけるプレス成形ラインの初工程前に、酸化皮膜除去のためのプレス工程、面取り工程を同時に行う予備成形工程を付加して金型寿命の改善と素材品質向上を図る熱間鍛造プレス成形方法及びその装置に関する技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開平08−025123号公報 特開平11−114796号公報 特開2012−130953号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、ワークの授受、切削位置への移動、切削刃による加工等に時間がかかり生産性の低下が生じるという問題点が生じた。特許文献2の技術では、面取り量が多くなると、研削効率が悪くなるという問題点が生じた。また、研削ベルトの寿命も低下し、頻繁にベルト交換を行うことになり生産性の低下を生じさせていた。即ち、特許文献1及び特許文献2に記載された技術は、棒状素材の切断作業に見合うような生産性で面取り作業を行うことが難しいおそれがあるものであった。特許文献3に記載された技術は、ワークを加熱後に面取りを行うものであり、酸化皮膜が残留するうえ、熱間鍛造以外には採用することができないという問題点があった。
本発明は、前述したような問題点を解決するためになされたものであり、次のような目的を達成する。
本発明の目的は、切断機で切断された切断素材の稜角部に、短時間に、かつ、大量生産可能に、面付けを行うことができる鍛造加工用素材の製造装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、切断機による切断で精度が低下した切断素材を修正し、高精度の鍛造加工用素材にすることができる鍛造加工用素材の製造装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、前述した目的を達成するために次の手段を採る。
本発明1の鍛造加工用素材の製造装置は、
棒状素材を所定の長さに切断して切断素材を生成する切断機の近傍に設けられ、前記切断素材の両端の稜角部に、一対の金型の面を押圧させるプレス成形で面付けを行う面付け装置を備えた鍛造加工用素材の製造装置であって、前記一対の金型は、一方の側に、前記切断素材の一方の稜角部を押圧して所定の断面形状の面を形成するための一方の面付け用金型面が形成されている一方の金型と、他方の側に、前記切断素材の他方の稜角部を押圧して所定の断面形状の面を形成するための他方の面付け用金型面が形成されている他方の金型とからなることを特徴とする。
本発明2の鍛造加工用素材の製造装置は、本発明1において、
前記一対の金型は、前記面付けを行うとき、前記一方の金型の外周部が前記他方の金型の案内用内周部に嵌入、案内される構成になっていることを特徴とする。
本発明3の鍛造加工用素材の製造装置は、本発明1又は2において、
前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面であることを特徴とする。
本発明4の鍛造加工用素材の製造装置は、本発明1又は2において、
前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面と、前記R状面に連続する所定の角度のテーパー面とからなるものであることを特徴とする。
本発明5の鍛造加工用素材の製造装置は、本発明1又は2において、
前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面と、前記R状面に連続する所定の角度のテーパー面と、前記テーパー面に連続する所定の半径のR状面とからなるものであることを特徴とする。
本発明6の鍛造加工用素材の製造装置は、本発明1から5において、
前記切断機と前記面付け装置との間には、前記切断素材を、順次、前記面付け装置に搬送するための搬送装置が設けられていることを特徴とする。
本発明7の鍛造加工用素材の製造方法は、
棒状素材を所定の長さに切断して切断素材を生成する切断機の近傍に設けられ、前記切断素材の両端の稜角部に、一対の金型の面を押圧させるプレス成形で面付けを行う面付け装置を備えた鍛造加工用素材の製造装置における製造方法であって、前記一対の金型は、一方の側に、前記切断素材の一方の稜角部を押圧して所定の断面形状の面を形成するための一方の面付け用金型面が形成されている一方の金型と、他方の側に、前記切断素材の他方の稜角部を押圧して所定の断面形状の面を形成するための他方の面付け用金型面が形成されている他方の金型とからなるものであり、前記切断機で棒状素材を所定の長さに切断する工程と、切断された前記切断素材を、前記面付け装置に、順次、搬送する工程と、前記面付け装置で、前記一方の金型と前記他方の金型を相対的に接近する方向に移動させ、前記切断素材の両端の稜角部にプレス成形で面付けを行う工程とからなることを特徴とする。
本発明8の鍛造加工用素材の製造方法は、本発明7において、
前記面付けを行う工程は、前記一方の金型の外周部が前記他方の金型の案内用内周部に嵌入、案内されている状態で前記面付けを行う工程であることを特徴とする。
本発明9の鍛造加工用素材の製造方法は、本発明7又は8において、
前記所定の断面形状の面は、所定の半径を有するR状面であることを特徴とする。
本発明10の鍛造加工用素材の製造方法は、本発明7又は8において、
前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面と、前記R状面に連続する所定の勾配のテーパー面とからなるものであることを特徴とする。
本発明11の鍛造加工用素材の製造方法は、本発明7又は8において、
前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面と、前記R状面に連続する所定の角度のテーパー面と、前記テーパー面に連続する所定の半径のR状面とからなるものであることを特徴とする。
本発明12の鍛造加工用素材の製造方法は、本発明7から11において、
前記面付けを行う工程は、前記稜角部に隣接する端面部が平面状になるまで加圧する工程を含むものであることを特徴とする。
本発明の鍛造加工用素材の製造装置は、切断機の近傍に面付け装置が設けられている構成のものであり、鋸切断機やシャー切断機等切断機で切断された切断素材を所定の形状の面が形成された鍛造加工用素材に短時間で大量に製造することができる。言い換えると、切断素材が、切断直後に、鍛造加工用素材に製造される。また、この鍛造加工用素材は、加熱処理を行っても、酸化鉄の円輪模様は発生することがないため、例えば、熱間鍛造を行っても、酸化鉄の層が残った欠陥製品となることが生じない。
また、切断がシャー切断機で行われる場合、シャー切断機は上下一組の切断刃で棒状素材を剪断切断するために生じる直角度(切断素材の直立角度)、真円度等の誤差を、この製造装置で面付けを行うとともに、金型内に充満させて隙間空間がなくなるまで加圧することで解消することができる。そのため、この鍛造加工用素材を鍛造加工した鍛造製品に、この直角度、真円度の誤差を原因とする鍛造製品の欠陥を発生させることが生じない。
更に、鋸切断機で切断された切断素材は、切断素材の稜角部が鋭くなっているため、搬送工程中に、切断素材同士、切断素材と搬送装置とが衝突すると傷、故障等が容易に発生するおそれがあるが、この製造装置で面付けを行うことで、鍛造加工用素材の稜角部が鋭くなっていることを原因とする傷、故障等を発生させることが生じない。また、この鍛造加工用素材を鍛造加工(例えば、冷間鍛造)を行っても、鍛造加工した鍛造製品に、この稜角部が鋭くなっていることを原因とする欠陥を発生させることがない。
本発明の鍛造加工用素材の製造方法は、鋸切断機やシャー切断機等で切断された切断素材を所定の形状の面が形成された鍛造加工用素材に、短時間で大量に製造することができるため、生産効率が向上し、経済的効果も大きい。また、この鍛造加工用素材は、高品質の素材となって、この製造装置から搬出されるため、この後、鍛造加工を行っても鍛造製品に欠陥を発生させることがなく、この面でも、生産効率の向上が図れるとともに、鍛造製品の品質を向上させることができる。
図1は、本発明の実施の形態の鍛造加工用素材の製造装置の概要を示す正面図である。 図2は、図1におけるA部を拡大して示した部分図である。 図3は、図2の平面図である。 図4は、面付け装置の第2搬送装置を示す平面図である。 図5は、図4の第2搬送装置を正面視した部分図である。 図6は、面付け装置の要部を概略示す部分図であって、上金型と下金型とで面付けを行っている状態を示す図である。 図7は、面付け装置の要部を概略示す部分図であって、上金型と下金型とが離隔した状態を示す図である。 図8は、上金型の形状の一例を示す断面図である。 図9は、下金型の形状の一例を示す断面図である。 図10は、第2搬送装置の搬送動作、ラムの昇降移動動作、及び、ノックアウト部材の昇降移動動作の関係を示した動作説明図である。 図11は、鍛造加工用素材の製造装置で製造した鍛造加工用素材の形状例1を示す部分図である。 図12は、鍛造加工用素材の製造装置で製造した鍛造加工用素材の形状例2を示す部分図である。 図13は、鍛造加工用素材の製造装置で製造した鍛造加工用素材の形状例3を示す部分図である。 図14は、鍛造加工用素材の製造装置で製造した鍛造加工用素材の形状例4を示す部分図である。
以下、本発明の鍛造加工用素材の製造装置及びその製造方法の実施の形態を、図面に基づき説明する。図1は、本発明の実施の形態の鍛造加工用素材の製造装置の概要を示す正面図、図2は、図1におけるA部を拡大して示した部分図、図3は、図2の平面図である。図4は、面付け装置の第2搬送装置を示す平面図、図5は、図4の第2搬送装置を正面視した部分図、図6は、面付け装置の要部を概略示す部分図であって、上金型と下金型とで面付けを行っている状態を示す図、図7は、面付け装置の要部を概略示す部分図であって、上金型と下金型とが離隔した状態を示す図である。図8は、上金型の形状の一例を示す断面図、図9は、下金型の形状の一例を示す断面図である。図10は、第2搬送装置の一対の把持部材の搬送動作と、ラムの昇降移動動作、及び、ノックアウト部材の昇降移動動作の関係を示した動作説明図である。
図1から図10に従って、鍛造加工用素材の製造装置(以下、製造装置と記載)1の構成の概要を説明する。図1に示すように、この製造装置1は、棒状素材5Aを所定の長さに切断するための切断機10、切断された切断素材5Bの両側の稜角部に、所定の形状の面をプレス成形で形成する面付け装置20、切断機10で切断された切断素材5Bを面付け装置20に搬送するため第1搬送装置30等から構成されている。
[切断機]
切断機10は、切断機本体11に、一対の切断刃である固定刃(図示せず)と可動刃(図示せず)とを備え、固定刃に対して可動刃を昇降動作させて、剪断力により棒状素材5Aを切断するものである。棒状素材5Aを載置している素材架台12、棒状素材5Aを切断機本体11側に送り出すためのピンチローラ13、切断時の棒状素材5Aの先端の位置を定める定寸装置14等が設けられている。なお、この切断機10は、棒状素材5Aを高速で切断することができる周知なものであり、この実施の形態の説明では詳細な説明を省略する。また、この説明では、切断機を、シャー切断方式の切断機として説明を行っているが、他の方式の切断機(例えば、鋸切断機等)であってもよい。切断された切断素材5Bは、第1搬送装置30により面付け装置20側に順次搬送される。
[第1搬送装置]
図2に示すように、棒状素材5Aを所定寸法に切断された切断素材5Bは、コンベア装置31により搬送され、姿勢変換用搬送部材32を介して、面付け装置20側に搬送される。コンベア装置31は、図示しない駆動体により駆動されるエンドレスのコンベア311とこのコンベア311がエンドレスに回転するように両端等で回転可能に支持しているガイドローラ312等から構成されている。切断機10から連続的に排出される切断された切断素材5Bは、コンベア311に載置されて移動する。この切断素材5Bは、姿勢変換用搬送部材32の入口部321から搬入され、出口部322から搬出される。即ち、コンベア311側では、切断素材5Bの中心軸線が水平方向を向く姿勢で搬送されているが、この姿勢変換用搬送部材32内を通過することにより、切断素材5Bは中心軸線が垂直方向を向くように姿勢が変換される。切断素材5Bは、面付け装置20側の第2搬送装置40に受け渡される。
[第2搬送装置]
図4に示す第2搬送装置40は、切断素材5Bを一対の把持部材48で把持して、1回の搬送動作で所定の移動ストロークSt分移動させるトランスファー装置である。搬送装置基台41上には、一対の把持部材からなる第1移動台44が搭載されている。第1移動台44(図5参照)は、一方の把持部材48aと他方の把持部材48bとからなり、把持部材48aと把持部材48bとは開閉方向(図3、4における矢印X方向)に移動可能に設けられている。搬送装置基台41と第1移動台44とのには、搬送装置基台41に固定された直線ガイド部材422と、この上を移動するスライド部材421とから構成される直動ガイド42、42が設けられている(図5参照)
搬送装置基台41には、駆動モータ47が設けられ、駆動モータ47と第1移動台44との間には、駆動モータ47の駆動軸の回転駆動を第1移動台44に伝達するための第1駆動伝達機構46が設けられている(点線表示)。第1駆動伝達機構46は、歯車機構461と、クランク機構462等から構成されている。第1移動台44は、2本の直動ガイド42、42に案内されて、駆動モータ47の回転駆動を伝達する第1駆動伝達機構46を介して、一方の把持部材48aが開閉方向(図3、4における矢印X方向)に開閉運動する。他方の把持部材48bも同様の構成となっているため開閉方向に開閉運動する。即ち、一方の把持部材48aと他方の把持部材48bとは、互いに接近する方向に移動して切断素材5Bの外周部を把持する動作と、互いに離れる方向に移動して切断素材5Bを把持解除する動作を行う。この一方の把持部材48aと他方の把持部材48bとが、一対の把持部材48となる。
第1移動台44の上部には、第2移動台43、43が切断素材5Bの搬送方向(矢印Z方向)に移動可能に設けられている。第1移動台44と第2移動台43とのには、直線ガイド部材451とスライド部材452とから構成される直動ガイド45、45が設けられている(図5参照)。第1移動台44には、駆動モータ51が設けられ、駆動モータ51と第2移動台43との間には、駆動モータ51の駆動軸の駆動力を第2移動台43に伝達するための第2駆動伝達機構52が設けられている。第2駆動伝達機構52は、クランク521、ロッド522、円板523、クランクピン524等から構成されるクランク機構等を備えている。第2移動台43は、直動ガイド45、45に案内されて、駆動モータ51(図5参照)の駆動力を伝達する第2駆動伝達機構52を介して、切断素材5Bの搬送方向(図3、4、5における矢印Z方向)に往復移動する。
この往復運動の移動ストロークStは、一対の把持部材48と隣の一対の把持部材48との間隔(一対の把持部材48間の距離)と等しくなっており、切断素材5Bは、順次、前進位置側の一対の把持部材に移し替えられて移動する。また、この搬送動作は、後述するように、面付け装置20のラム21の昇降動作と連動するように制御されて行われる(図10参照)。第2移動台43、43には、取付部材49、50が、各々、ボルトで固定されている。また一方の側の取付部材49、50には、一方の把持部材48aが所定の間隔(移動ストロークSt)毎にボルトで固定されている。同様に、他方の側の取付部材49、50には、他方の把持部材48bが所定の間隔(St)毎にボルトで固定されている。
また、図4に示すように、製造装置1に設定されている位置である第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3、第4位置P4、第5位置P5、第6位置P6、第7位置P7、及び第8位置P8に一致するように設けられている。第1位置P1は、切断素材5Bが、姿勢変換用搬送部材32から受け渡される位置であり、第8位置P8は、図示しない搬出装置により鍛造加工用素材5が搬出される位置である。本例では、第5位置P5がこの製造装置1の後述する面付け装置20で面付けを行う位置である。第2搬送装置40は、切断素材5Bを、一対の把持部材48(一方の把持部材48a、他方の把持部材48b)による把持動作、一対の把持部材48の前進位置への移動動作、一対の把持部材48の把持解除動作、及び、一対の把持部材48の後退位置への移動動作、という一連の搬送サイクルを高速(例えば、70サイクル/分)で繰り返して行い、面付け装置20側に切断素材5Bを順次供給する(図10参照)。
切断素材5Bは、第1位置P1(図4参照)で、姿勢返還用搬送部材32を介して切断機10側からから受け渡され、第2搬送装置40が前述した搬送サイクル(及びラム21の昇降動作)を1回実行すると、第2位置P2に移動する。切断素材5Bは、切断10側から順次受け渡され、第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3、第4位置P4と移動し、第5位置P5に移動したとき面付け装置20で面付け加工が施される。その後、第6位置P6、第7位置P7と移動し、第8位置P8に移動したときこの製造装置1から搬出装置(図示せず)に受け渡される。なお、この実施の形態の説明では、第2搬送装置を2次元トランスファー装置で説明を行っているが、上下方向にも移動する3次元トランスファー装置であってもよい。
[面付け装置]
図1、図6、及び図7に従って、面付け装置20の説明を行う。この面付け装置20は、一方の金型である上金型22と、他方の金型である下金型23とからなる一対の金型20A内に切断素材5Bを入れ、一対の金型20A内において切断素材5Bを加圧して、切断素材5Bの稜角部に面を形成した鍛造加工用素材5を製造するためのものである。この面付け装置20の基本構成は、プレス成形を行う機械などと同一またはほぼ同一のものであり、この実施の形態の説明では、一対の金型20A及び一対の金型20Aの近傍、ラム21等の構成を中心に説明を行う。
面付け装置本体(以下、装置本体と記載する)26の上部側にはラム21が、装置本体26に対して昇降移動可能に設けられている。ラム21は、装置本体26側に設けられたスライド機構等に案内され、駆動モータの回転駆動力が、レバー機構、リンク機構、クランク機構等により伝達され、装置本体26に対して昇降移動するものである。ラム21には、上金型22が上金型取付部材29を介して固定されている。装置本体26には、下金型ホルダ27がホルダ固定部材28、ボルト28a等により固定されている。下金型ホルダ27の内周部には下金型23が挿入されている。下金型23は、リング状固定部材25、楔状固定部材24等を介して固定されている。
リング状固定部材25は、下金型ホルダ27に形成されたねじ穴27bにボルト25aがねじ込まれ、楔状固定部材24の外周部側を締結固定している。楔状固定部材24は、下金型ホルダ27に形成されたねじ穴27cにボルト24aがねじ込まれている。楔状固定部材24は、内周部に形成された楔面部が、下金型23に形成された固定用傾斜面部235を押圧して下金型23を強固に固定している。下金型23の下部には、ノックアウト部材27aが、図示しない駆動体(例えば、高速油圧シリンダ)により昇降移動可能に設けられている。ノックアウト部材27aは、ラム21の昇降動作に連動して動作し、一対の金型20A(上金型22、下金型23)による面付け加工がされた鍛造加工用素材5を下側から押し上げるためのものである(図10参照)。
[上金型]
図8に基づいて、上金型22について説明を行う。上金型22は、外周部223の直径がDa(例えばφ80mm)、両端面間の長さ(高さ)がLa(例えば、75mm)の円筒形状の工具鋼(SKD)製の部材である。上金型22には、一対の金型20Aとして面付け装置20に、各々、取り付けられたとき、下金型23と対向する側に開口した凹状の上側金型面220が形成されている。上側金型面220は、R状金型面部221、傾斜金型面部222、下端面部224、凹状底面部225等から構成されている。傾斜金型面部222は、断面視したとき、所定の角度θa度(例えば、5度)傾斜した傾斜面(テーパー面(円錐面))からなる金型面である。R状金型面部221は、断面視したとき、凹状底面部225と傾斜金型面部222との角部であって、所定の半径Ra(例えば、2.5mm)に形成されている部位である。上金型22の外周部223は、後述する下金型23の第2内周部234に嵌合される部位である。なお、傾斜金型面部232の角度θa、及び、R状金型面部221の半径Raは、鍛造加工用素材の大きさ、材質、後工程の加工方法等により、適宜選択される数値のものである。
[下金型]
図9に基づいて、下金型23について説明を行う。下金型23は、外周部237の直径がDb(例えば、φ110mm)、両端面間の長さ(高さ)がLb(例えば、135mm)の円筒形状の工具鋼(SKD)製の部材である。下金型23には、一対の金型20Aとして面付け装置20に、各々、取り付けられたとき、上金型22に対向する側に開口した凹状の下側金型面230が形成されている。下側金型面230は、R状金型面部231、傾斜金型面部232、凹状底面部236、第1内周部233等から構成されている。傾斜金型面部232は、断面視したとき、所定の角度θa度(例えば、5度)傾斜した傾斜面(テーパー面)であり、大径側が第1内周部233と連続するように形成されている金型面である。R状金型面部231は、断面視したとき、凹状底面部236と傾斜金型面部232との角部であって、所定の半径Ra(例えば、R2.5mm)に形成されている金型面部である。なお、傾斜金型面部232の角度θa、及び、R状金型面部231の半径Raは、鍛造加工用素材の大きさ、材質、後工程の加工方法等により、適宜選択される数値のものである。
下金型23は、上部側に、上部端面側が小径になるように所定の角度θb度傾斜した固定用傾斜面部235が形成されている。この固定用傾斜面部235は、下金型23を下金型ホルダ27に固定するためのものである。また、下金型23には、上金型22の外周部223が嵌入、案内される第2内周部(案内用内周部)234が形成されている。更に、下金型23には、下側に、ノックアウト部材27aが昇降移動するための穴部238が形成されている。
[鍛造加工用素材の製造方法]
この製造装置1における鍛造加工用素材の製造方法について説明を行う。図10は、第2搬送装置40の一対の把持部材48の搬送動作、ラム21の昇降移動動作、及び、ノックアウト部材27aの昇降移動動作の関係を示した動作説明図である。棒状素材5Aは、切断機10で所望の寸法に切断される。切断機10で切断された切断素材5Bは、第1搬送装置30のコンベア装置31で搬送され切断機10から搬出される。この切断素材5Bは、姿勢変換搬送部材32で姿勢の変換がされ、第2搬送装置40に受け渡される。即ち、切断素材5Bは、その中心線が水平から鉛直方向に姿勢変換されて、第1位置P1に位置し、一対の把持部材48で把持され、面付け装置20側に順次搬送される。
この切断素材5Bが移動している状態のときには、ラム21及び上金型22は上方に位置し、切断素材5、鍛造加工用素材5の移動を可能にしている。また、切断素材5Bは、一対の把持部材48に把持されて下金型23の上面より所定量上方を移動する。第5位置P5に位置した切断素材5Bは、一対の把持部材48から把持解除され、下金型23内に投入される。切断素材5Bは、第1内周部233内に投入され、切断素材5Bの下端部がR状傾斜金型面部231又はR状金型面部231近傍に接して止まる。ラム21が下降し、上金型22の外周部223が下金型23の第2内周部234内に嵌入され、案内される。
その後、傾斜金型面部222内に切断素材5Bの上部側が挿入され、凹状底面部225が切断素材5Bの上部を加圧する。切断素材5Bは、上部の外周面が傾斜金型面部222に、下部の外周面が傾斜金型面部232に加圧され、傾斜金型面部222、傾斜金型面部232に沿った形状に塑性変形していく。ラム21の下降動作により上金型22の凹状底面部225が更に切断素材5Bを加圧すると、切断素材5Bの下方側の稜角部がR状金型面部231に、切断素材5Bの上方側の稜角部がR状金型面部221に加圧され、R状金型面部231、R状金型面部221に沿った形状に塑性変形する。即ち、切断素材5Bは、所定のR(例えば、直径の5/100〜8/100の寸法のR)等が形成された鍛造加工用素材5となる。
その後、ラム21及び上金型22が上昇し、下金型23に対して上金型22が離隔した状態となる。このとき、この上金型22の上昇に連動するように、ノックアウト部材27aが図示しない駆動体により上昇し、稜角部に面付けがされた鍛造加工用素材5を持ち上げる。後退位置に移動した一対の把持部材48が、上昇位置に移動したノックアウト部材27aにより、下金型23の上面より所定量上方に持ち上げられた鍛造加工用素材5を把持し、前進位置側に移動し、鍛造加工用素材5を第6位置P6に搬送する。同時に、第4位置P4に位置していた切断素材5Bが、第5位置P5に搬送される。この一対の把持部材48の前進位置側への移動中に、ノックアウト部材27a(図7参照)は、図示しない駆動体により下降位置に下降動作する。この面付け装置20は、図10に示すように、例えばクランク機構(図示せず)が360度回転し、ラム21が上死点(図10の0度位置)から下死点(図10の180度位置)に昇降移動する動作と、第2搬送装置40の搬送動作、ノックアウト部材27aの昇降移動動作とが、各角度位置において、連動して動作するように制御されている。
この動作を繰り返すことにより、切断素材5Bに面付け加工を施し、鍛造加工用素材5が、順次製造される。即ち、下金型2に一対の把持部材48から受け渡された切断素材5Bは、ラム21の下降動作により、上金型22と下金型23との間で所定の圧力で加圧される。その結果、切断素材5Bの稜角部は、上金型22側のR状金型面部221、傾斜金型面部222、下金型23側のR状金型面部231、傾斜金型面部232等で加圧され、R状等の稜角部が形成された鍛造加工用素材5(図11参照)が製造される。このように、傾斜金型面部222、232を設け、そこを圧入通過させ、稜角部を絞るような工程を有することにより、稜角部の真円度を向上させた後に、稜角部の面付けを行うことになり、精度良い面付けを行うことができる。
また、製造装置1で切断素材5Bに面付けを行うとともに、一対の金型20A内に切断素材5Bを充満させて隙間空間がなくなるまで加圧することで、切断素材5Bの真円度、直角度等の誤差をなくすことができ、高精度の鍛造加工用素材5を製造することができる。言い換えると、この製造装置1は、切断素材5Bの稜角部に隣接する両側の端面部が平面状になるまで加圧することで、真円度、直角度等の誤差がない高精度の鍛造加工用素材5を製造することができる。
[鍛造加工用素材の例1]
図11には、この製造装置1で製造された鍛造加工用素材5の例1を示す。前述した一対の金型20Aで加圧して切断素材5Bの稜角部に面が形成された鍛造加工用素材を製造すると、図11のような形状となり尖った稜角部が形成されない。
[鍛造加工用素材の例2]
図12には、この製造装置1で製造された鍛造加工用素材の例2である鍛造加工用素材5cを示す。R状金型面部のみが形成されている一対の金型で加圧して鍛造加工用素材を製造すると、図12のような形状となる。この例2の鍛造加工用素材5cにおいても、尖った稜角部が形成されないので問題が発生するおそれが生じない。
[鍛造加工用素材の例3]
図13には、この製造装置1で製造された鍛造加工用素材の例3である鍛造加工用素材5dを示す。前述した一対の金型20Aで、例1の鍛造加工用素材5を製造した加圧条件より低い条件で加圧して鍛造加工用素材を製造すると、図13のような形状となる。中央部に、加圧されていない切断機で切断された状態の切断面が凹んだ状態の凹部5d1が残るが、この形状でも問題が発生することがない。
[鍛造加工用素材の例4]
図14には、鍛造加工用素材の製造装置1で製造された鍛造加工用素材の例4である鍛造加工用素材5eを示す。R状金型面部のみが形成されている一対の金型で、例2の鍛造加工用素材5cを製造した加圧条件より低い条件で加圧して鍛造加工用素材を製造すると、図14のような形状となる。中央部に、加圧されていない切断機で切断したままの切断面が凹んだ状態の凹部5e1が残るが、この形状でも問題が発生することがない
この製造装置1は、切断機10の近傍に面付け装置20が設けられている構成のものであり、鋸切断機やシャー切断機等切断機10で切断された切断素材5Bを、稜角部に所定の形状の面が形成された鍛造加工用素材5、5c、5d、5eに、短時間で大量に製造することができる。言い換えると、切断素材5Bが、切断直後に、鍛造加工用素材5、5c、5d、5eに製造される。また、この鍛造加工用素材5、5c、5d、5eは、加熱処理を行っても、酸化鉄の円輪模様は発生することがないため、例えば、熱間鍛造を行っても、酸化鉄の層が残った欠陥製品となることが生じない。
また、切断機10がシャー切断機である場合、シャー切断機10の上下一組の切断刃で棒状素材5Aを剪断切断するために生じる直角度(切断素材の直立角度)、真円度等の誤差を、この製造装置1で面付けを行うとともに、一対の金型20A内に充満させて隙間空間がなくなるまで加圧することで解消することができる。そのため、鍛造製品に、この鍛造加工用素材5、5c、5d、5eの直角度、真円度の誤差を原因とする欠陥を発生させることがない。
更に、切断機10が鋸切断機である場合、切断された切断素材5Bは、切断素材5Bの稜角部が鋭くなっているため、搬送工程中に、切断素材同士、切断素材と搬送装置とが衝突し、切断素材の傷、搬送装置の故障等が発生するおそれがあるが、この面付け装置20で面付けを行うことで、鍛造加工用素材5、5c、5d、5eの稜角部が鋭い形状になっていることを原因とする傷、故障等を発生させることが生じない。また、この鍛造加工用素材5、5c、5d、5eを鍛造加工(例えば、冷間鍛造)を行っても、鍛造加工した鍛造製品に、この稜角部が鋭くなっていることを原因とする欠陥を発生させることがない。
この鍛造加工用素材の製造方法は、鋸切断機やシャー切断機等切断機10で切断された切断素材5Bを、切断素材5Bの稜角部に所定の形状の面が形成された鍛造加工用素材5、5c、5d、5eに、短時間で大量に製造することができるため、生産効率を向上させ、経済的効果も大きい。また、この鍛造加工用素材5、5c、5d、5eは、高品質の素材となってこの製造装置1から搬出されるため、この後、鍛造加工を行っても鍛造製品に欠陥を発生させることがなく、この面でも、生産効率の向上が図れるとともに、鍛造製品の品質を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されないことはいうまでもない。例えば、一対の金型に形成される面付け加工を行うための金型面は、R状金型面、傾斜金型面、R状金型面が連続するように形成されたものであってももよい。また、この実施の形態では、一対の金型が、面付け加工時に、上金型と下金型とが嵌合する構成のもので説明を行っているが、上金型と下金型とが嵌合しない構成の一対の金型であってもよい。更に、一対の金型は、上金型の内周部に下金型の外周部が嵌合される構成のものであってもよい。
1…鍛造加工用素材の製造装置
5A…棒状素材
5B…切断素材
5…鍛造加工用素材
10…切断機
20…面付け装置
20A…一対の金型
21…ラム
22…上金型
220…上側金型面
221…R状金型面部
222…傾斜金型面部
223…外周部
23…下金型
230…下側金型面
231…R状金型面部
232…傾斜金型面部
233…第1内周部
234…第2内周部
24…楔状固定部材
25…リング状固定部材
26…面付け装置本体
27…下金型ホルダ
28…ホルダ固定部材
29…上金型取付部材
30…第1搬送装置
31…ベルトコンベア
32…姿勢変換用搬送部材
40…第2搬送装置
41…搬送装置基台
42…直動ガイド
43…第2移動台
44…第1移動台
45…直動ガイド
46…第1駆動伝達機構
47…駆動モータ
48…一対の把持部材(48a…一方の把持部材、48b…他方の把持部材
49…取付部材
50…取付部材
51…駆動モータ
52…第2駆動伝達機構

Claims (12)

  1. 棒状素材を所定の長さに切断して切断素材を生成する切断機の近傍に設けられ、前記切断素材の両端の稜角部に、一対の金型の面を押圧させるプレス成形で面付けを行う面付け装置を備えた鍛造加工用素材の製造装置であって、
    前記一対の金型は、一方の側に、前記切断素材の一方の稜角部を押圧して所定の断面形状の面を形成するための一方の面付け用金型面が形成されている一方の金型と、他方の側に、前記切断素材の他方の稜角部を押圧して所定の断面形状の面を形成するための他方の面付け用金型面が形成されている他方の金型とからなる
    ことを特徴とする鍛造加工用素材の製造装置。
  2. 請求項1に記載された鍛造加工用素材の製造装置において、
    前記一対の金型は、前記面付けを行うとき、前記一方の金型の外周部が前記他方の金型の案内用内周部に嵌入、案内される構成になっていることを特徴とする
    ことを特徴とする鍛造加工用素材の製造装置。
  3. 請求項1又は2に記載された鍛造加工用素材の製造装置において、
    前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面である
    ことを特徴とする鍛造加工用素材の製造装置。
  4. 請求項1又は2に記載された鍛造加工用素材の製造装置において、
    前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面と、前記R状面に連続する所定の角度の傾斜面とからなるものである
    ことを特徴とする鍛造加工用素材の製造装置。
  5. 請求項1又は2に記載された鍛造加工用素材の製造装置において、
    前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面と、前記R状面に連続する所定の角度の傾斜面と、前記傾斜面に連続する所定の半径のR状面とからなるものである
    ことを特徴とする鍛造加工用素材の製造装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載された鍛造加工用素材の製造装置において、
    前記切断機と前記面付け装置との間には、前記切断素材を、順次、前記面付け装置に搬送するための搬送装置が設けられている
    ことを特徴とする鍛造加工用素材の製造装置。
  7. 棒状素材を所定の長さに切断して切断素材を生成する切断機の近傍に設けられ、前記切断素材の両端の稜角部に、一対の金型の面を押圧させるプレス成形で面付けを行う面付け装置を備えた鍛造加工用素材の製造装置における製造方法であって、
    前記一対の金型は、一方の側に、前記切断素材の一方の稜角部を押圧して所定の断面形状の面を形成するための一方の面付け用金型面が形成されている一方の金型と、他方の側に、前記切断素材の他方の稜角部を押圧して所定の断面形状の面を形成するための他方の面付け用金型面が形成されている他方の金型とからなるものであり、
    前記切断機で棒状素材を所定の長さに切断する工程と、
    切断された前記切断素材を、前記面付け装置に、順次、搬送する工程と、
    前記面付け装置で、前記一方の金型と前記他方の金型とを相対的に接近する方向に移動させ、前記切断素材の両端の稜角部にプレス成形で面付けを行う工程とからなる
    ことを特徴とする鍛造加工用素材の製造方法。
  8. 請求項7に記載された鍛造加工用素材の製造方法において、
    前記面付けを行う工程は、前記一方の金型の外周部が前記他方の金型の案内用内周部に嵌入、案内されている状態で前記面付けを行う工程である
    ことを特徴とする鍛造加工用素材の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載された鍛造加工用素材の製造方法において、
    前記所定の断面形状の面は、所定の半径を有するR状面である
    ことを特徴とする鍛造加工用素材の製造方法。
  10. 請求項7又は8に記載された鍛造加工用素材の製造方法において、
    前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面と、前記R状面に連続する所定の勾配の傾斜面とからなるものである
    ことを特徴とする鍛造加工用素材の製造方法。
  11. 請求項7又は8に記載された鍛造加工用素材の製造方法において、
    前記所定の断面形状の面は、所定の半径のR状面と、前記R状面に連続する所定の角度の傾斜面と、前記傾斜面に連続する所定の半径のR状面とからなるものである
    ことを特徴とする鍛造加工用素材の製造方法。
  12. 請求項7から11のいずれか1項に記載された鍛造加工用素材の製造方法において、
    前記面付けを行う工程は、前記稜角部に隣接する端面部が平面状になるまで加圧する工程を含むものである
    ことを特徴とする鍛造加工用素材の製造方法。
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