JP2017038427A - 電力変換装置、及び誘導加熱調理器 - Google Patents

電力変換装置、及び誘導加熱調理器 Download PDF

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Abstract

【課題】インバータ回路の損失を低減させることができ、効率を向上することができる電力変換装置及び誘導加熱調理器を得る。【解決手段】インバータ回路は、並列に接続した複数のスイッチング素子を有し、制御部は、直流電源回路へ入力される入力電流又は負荷回路に流れる負荷電流が少ないほど、複数のスイッチング素子のうち駆動する前記スイッチング素子の数を少なくする。【選択図】図3

Description

本発明は、直流電力を交流電力に変換して負荷に出力するインバータ回路を備えた電力変換装置、及び誘導加熱調理器に関するものである。
従来の誘導加熱調理器においては、複数のインバータ回路を用いて複数の加熱コイルに電力を供給するもので、複数のインバータ回路を構成するスイッチング素子を組み込んだパワーモジュールを用いるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−55873号公報
特許文献1記載の技術は、2個のスイッチング素子を直列接続した、いわゆるハーフブリッジ方式のインバータ回路を構成している。このインバータ回路は、2個のスイッチング素子を交互にオンオフすることで、直流電力を交流電力に変換して負荷回路である加熱コイルに供給する。このようなインバータ回路を備えた電力変換装置においては、スイッチング素子に流れる電流の定格は、負荷回路に供給する電流の最大値に応じて設定する必要がある。
しかしながら、負荷回路へ供給する電流がスイッチング素子の定格よりも大幅に低い場合、スイッチング素子の通電時における損失が大きくなり、入力電力に対する出力電力の比である効率が低くなる、という問題点があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、インバータ回路の損失を低減させることができ、効率を向上することができる電力変換装置及び誘導加熱調理器を得るものである。
本発明に係る電力変換装置は、交流電力を整流して直流電力に変換する直流電源回路と、前記直流電源回路の直流電力を交流電力に変換して負荷回路に出力するインバータ回路と、前記インバータ回路を制御する制御部と、を備え、前記インバータ回路は、並列に接続した複数のスイッチング素子を有し、前記制御部は、前記直流電源回路へ入力される入力電流又は前記負荷回路に流れる負荷電流が少ないほど、前記複数のスイッチング素子のうち駆動する前記スイッチング素子の数を少なくするものである。
本発明は、直流電源回路へ入力される入力電流又は負荷回路に流れる負荷電流が少ないほど、並列に接続した複数のスイッチング素子のうち、駆動するスイッチング素子の数を少なくする。このため、回路損失を低減することができ、効率を向上することができる電力変換装置及び誘導加熱調理器を得ることができる。
実施の形態1に係る誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の表示操作部の一部を拡大した図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の電力変換装置を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器のインバータ回路を構成するパワーモジュールの外観図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器のインバータ回路を構成するパワーモジュールの概略図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の動作を説明する模式図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器のインバータ回路とダイオードブリッジを示す概略斜視図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器のインバータ回路とダイオードブリッジとの配置関係を示す模式図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器のインバータ回路とダイオードブリッジとの配置関係を示す模式図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器のインバータ回路と温度検知手段を示す模式図である。 加熱動作中におけるコイル電流と入力電流の関係を示す図である。 実施の形態4に係る誘導加熱調理器におけるコイル電流と入力電流の関係に基づく被加熱物の負荷判別特性図である。 フルブリッジ型のインバータ回路の一例を示す図である。 電圧共振型のインバータ回路の一例を示す図である。
以下、本発明の電力変換装置を、天板に載置された鍋等の被加熱物を誘導加熱する誘導加熱調理器100に適用した実施の形態について説明する。なお、この実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
(構成)
図1は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。
図1に示すように、誘導加熱調理器100の上部には、鍋などの被加熱物5が載置される天板4を有している。天板4には、被加熱物5を誘導加熱するための加熱口として、第一の加熱口1、第二の加熱口2、第三の加熱口3とを備え、各加熱口に対応して、第一の加熱手段11、第二の加熱手段12、第三の加熱手段13を備えており、それぞれの加熱口に対して被加熱物5を載置して誘導加熱を行うことができるものである。
本実施の形態1では、本体の手前側に左右に並べて第一の加熱手段11と第二の加熱手段12が設けられ、本体の奥側ほぼ中央に第三の加熱手段13が設けられている。
なお、各加熱口の配置はこれに限るものではない。例えば、3つの加熱口を略直線状に横に並べて配置しても良い。また、第一の加熱手段11の中心と第二の加熱手段12の中心との奥行き方向の位置が異なるように配置しても良い。
天板4は、全体が耐熱強化ガラスや結晶化ガラス等の赤外線を透過する材料で構成されており、誘導加熱調理器100本体の上面開口外周との間にゴム製パッキンやシール材を介して水密状態に固定される。天板4には、第一の加熱手段11、第二の加熱手段12、及び第三の加熱手段13の加熱範囲に対応して、鍋の大まかな載置位置を示す円形の鍋位置表示が、塗料の塗布や印刷等により形成されている。
天板4の手前側には、第一の加熱手段11、第二の加熱手段12、及び第三の加熱手段13で被加熱物5を加熱する際の設定火力や、例えば湯沸しモード、揚げ物モード等の調理メニューを設定するための入力装置として、操作部40a、操作部40b、及び操作部40cが設けられている。なお、以下の説明において、操作部40a、操作部40b、及び操作部40cを、操作部40と総称する場合がある。
また、操作部40の近傍には、報知手段42として、誘導加熱調理器100の動作状態や操作部40からの入力及び操作内容等を表示する表示部41a、表示部41b、及び表示部41cが設けられている。なお、操作部40a〜40cと表示部41a〜41cは加熱口毎に設けられている場合や、加熱口を一括して操作部40と表示部41を設ける場合や、操作部40と表示部41を兼ねた表示操作部43を設ける場合など、特に限定するものではない。
天板4の下方であって本体の内部には、第一の加熱手段11、第二の加熱手段12、及び第三の加熱手段13を備えており、各々の加熱手段は加熱コイルで構成されている。
なお、第一の加熱手段11、第二の加熱手段12、及び第三の加熱手段13の少なくとも1つを、例えば輻射によって加熱するタイプの電気ヒータ(例えばニクロム線やハロゲンヒータ、ラジエントヒータ)で構成してもよい。
誘導加熱調理器100の本体の内部には、第一の加熱手段11、第二の加熱手段12、及び第三の加熱手段13の加熱コイルに高周波電力を供給する電力変換装置50と、電力変換装置50を含め誘導加熱調理器全体の動作を制御するための制御部45とが設けられている。
加熱コイルは、略円形の平面形状を有し、絶縁皮膜された任意の金属からなる導電線が円周方向に巻き付けることにより構成されている。導電線を構成する金属としては、例えば銅、アルミなどがある。電力変換装置50により高周波電力が各加熱コイルに供給されることで、誘導加熱動作が行われている。
図2は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の表示操作部の一部を拡大した図である。
この図2は、図1における誘導加熱調理器100の第一の加熱口1の第一の加熱手段11の表示操作部43に対応する部分の拡大図である。表示操作部43は、操作部40aと表示部41aとを備えている。操作部40aは、入切スイッチ401a、火力スイッチ402a、3kWキー403aを備えている。なお、以下の説明においては、加熱コイルに投入される電力を火力と称する。
入切スイッチ401aは、第一の加熱手段11を加熱のオンオフを設定するためのスイッチである。
火力スイッチ402aは、火力レベルを入力するスイッチであり、左右キーにて「1」から「8」までの火力レベルを設定する。
3kWキー403aは、第一の加熱手段11の火力を、ワンタッチで最大火力(ここでは3kW)に設定するスイッチである。
表示部41aは、第一の加熱手段11の動作状態を表示する表示部分であり、第一の加熱手段11へ入力されている火力のレベルを示す数字が「1」から「8」まで設けられ、さらに最大火力に対応する「3kW」の表示が設けられている。
表示部41aの表示部分の下部には、発光ダイオードが配置され、投入可能範囲および投入火力レベルを発光ダイオードの点灯によって行う構成となっている。発光ダイオードの点灯は、例えば、スタンバイ時に青色点灯し、火力投入時には火力投入レベルに応じて赤色点灯で表示する構成としている。
その他、揚げ物を行うためのメニューキー、およびタイマー設定用キー等が配置されている。
基本的な操作の手順としては、入切スイッチ401aを押して第一の加熱手段11を加熱スタンバイ状態としたのち、火力スイッチ402aの左右キーによって所望の火力を設定、もしくは3kWキー403aを押して最大火力に設定し、加熱を開始する。加熱を停止する場合には、入切スイッチ401aを再度押して加熱を停止させる。
図3は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の電力変換装置を示す図である。
なお、電力変換装置50は加熱手段毎に設けられているが、その回路構成は同一であっても良いし、加熱手段毎に変更しても良い。図3では1つの電力変換装置50のみを図示する。図3に示すように、電力変換装置50は、直流電源回路22と、インバータ回路23とを備える。この電力変換装置50の出力側には、加熱コイル11a及び共振コンデンサ24aが直列接続された負荷回路(共振回路)が接続される。
入力電流検出手段25aは、交流電源21から直流電源回路22へ入力される電流を検出し、入力電流値に相当する電圧信号を制御部45へ出力する。
直流電源回路22は、ダイオードブリッジ22a、リアクタ22b、平滑コンデンサ22cを備え、交流電源21から入力される交流電圧を直流電圧に変換して、インバータ回路23へ出力する。
インバータ回路23は、直流電源回路22の出力側である正負の出力母線間に、スイッチング素子としてのIGBT23a〜23fが2個直列接続されたアームを1つのアームとし、このアームを3つ並列接続した、いわゆるハーフブリッジ型のインバータである。ここで図示していないが、各々のIGBTには、フライホイールダイオードとしてダイオードが並列接続されている。
6個のIGBT23a〜23fのうち、直流電源回路22のリアクタ22bと平滑コンデンサ22cの接続点と接続されるIGBT23a、23c、23eを上アームと呼ぶ。また、直流電源回路22の平滑コンデンサ22cとダイオードブリッジ22aの接続点と接続されるIGBT23b、23d、23fを下アームと呼ぶ。なお、直流電源回路22のリアクタ22bと平滑コンデンサ22cの接続点は母線電圧の正側であり、平滑コンデンサ22cとダイオードブリッジ22aの接続点は母線電圧の負側となる。
なお、以下の説明において、6個のIGBT23a〜23fを区別しない場合は単にIGBTと称する。
また、上アームを構成するIGBTの1つと下アームを構成するIGBTの1つの組を1つのアームと称する。
また、本実施の形態1では、アームの数が3つの場合を説明するが、本発明はこれに限らず2つ以上の任意のアーム数でよい。
IGBT23a〜23fは、制御部45から出力される駆動信号によりオンオフ駆動される。制御部45は、上アームの少なくとも1つのスイッチング素子をオンさせている間は下アームのIGBTをオフ状態とし、上アームをオフさせている間は、下アームをオン状態にし、交互にオンオフする駆動信号を出力する。ただし上アームと下アームが同時にオンすると短絡電流が流れるため、短絡防止のため、上アーム及び下アームのオンオフ切り替え時に、上アーム及び下アームが同時にオフする微少な時間を設けている。これにより、インバータ回路23は、直流電源回路22から出力される直流電力を20kHz〜100kHz程度の高周波の交流電力に変換して、加熱コイル11aと共振コンデンサ24aからなる負荷回路に供給する。
共振コンデンサ24aは加熱コイル11aに直列接続されており共振回路を構成する。この共振回路は加熱コイル11aのインダクタンス及び共振コンデンサ24aの容量等に応じた共振周波数を有する。なお、加熱コイル11aのインダクタンスは、金属負荷である被加熱物5が磁気結合した際に金属負荷の特性に応じて変化し、このインダクタンスの変化に応じて共振回路の共振周波数が変化する。
このように構成することで、加熱コイル11aには数十A程度の高周波電流が流れ、流れる高周波電流により発生する高周波磁束によって加熱コイル11aの直上の天板4上に載置された被加熱物5を誘導加熱する。
また、スイッチング素子であるIGBT23a〜23fは、例えばシリコン系からなる半導体で構成されているが、炭化珪素、あるいは窒化ガリウム系材料などのワイドバンドギャップ半導体を用いた構成でも良い。
スイッチング素子にワイドバンドギャップ半導体を用いることで、スイッチング素子の通電損失を減らすことができ、またインバータ回路の耐熱特性が良好であるため、電力変換装置の放熱フィンを小型にすることができ、電力変換装置の小型化および低コスト化を実現することができる。
コイル電流検出手段25bは、加熱コイル11aと共振コンデンサ24aとからなる負荷回路に接続されている。コイル電流検出手段25bは、加熱コイル11aに流れる電流を検出し、検出した電流値に相当する電圧信号を制御部45に出力する。以下、加熱コイル11aに流れる電流をコイル電流と称する。
なお、コイル電流は、本発明における「負荷電流」に相当する。
インバータ回路23は、6個のIGBT23a〜23fで構成される3つのアームの回路を3つ並列に接続することで構成されている。
即ち、上アームを構成するIGBT23a、23c、23eが並列に接続されている。また、下アームを構成するIGBT23c、23d、23fが並列に接続されている。また、上アームと下アームとが直列に接続され、上アームと下アームとの接続点に加熱コイル11aが接続されている。
図4は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器のインバータ回路を構成するパワーモジュールの外観図である。
図4に示すように、インバータ回路23は、IGBT23a〜23fを含む素子が内蔵され、絶縁樹脂等によってモールディングされたパワーモジュールによって構成されている。
パワーモジュールには、制御部45から各IGBTへの駆動信号等の制御信号が入力される制御端子230と、直流電源回路22の正負の出力母線及び負荷回路に接続される電力端子231とが設けられている。また、電力端子231の間が接続されることで複数のIGBTが並列に接続される。
なお、パワーモジュールは、本発明における「モジュール」に相当する。
図5は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器のインバータ回路を構成するパワーモジュールの概略図である。
図5に示すように、インバータ回路23を構成するパワーモジュール内には、IGBT23a〜23fが並んで配置されている。なお、図5に示す配置例は一例であり、これに限定されない。
(動作)
次に、本実施の形態1における誘導加熱調理器100の動作について説明する。
制御部45は、インバータ回路23のIGBT23a〜23fに、例えば20kHz〜100kHz程度の高周波の駆動信号を入力し、IGBTの上アームおよび下アームを交互にオンオフのスイッチングをさせることで加熱コイル11aと共振コンデンサ24aで構成される負荷回路に高周波電流を供給する。
インバータ回路23は3つのアームを並列接続したもので構成されている。インバータ回路23の各々のIGBTの定格電流は、負荷回路へ供給する電流の最大値よりも小さく設定されている。例えば、負荷回路へ供給する電流の最大値を、並列接続したアームの数で除算した値に対し、所定の裕度(マージン)を持たせた値を定格電流に設定する。換言すると、インバータ回路23の各々のIGBTの定格電流が例えば25Aの素子を使用した場合、IGBTを3つ並列に接続することで、最大75Aの電流を負荷回路へ供給することができる。
制御部45は、負荷回路に高周波電流を供給する際、加熱コイル11aに流れるコイル電流が少ないほど、並列に接続された複数のIGBTのうち駆動するIGBTの数を少なくする。つまり、加熱コイル11aに流れるコイル電流がインバータ回路23に流れているため、コイル電流に応じてIGBT23a〜23fの通電パターンを制御している。詳細を、図6を用いて説明する。
図6は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。
以下、図6の各ステップに基づき説明する。
(S1)
制御部45は、コイル電流検出手段25bの出力信号からコイル電流を検出し、検出したコイル電流の電流値が第1閾値未満であるか否かを判定する。この第1閾値は、例えば、1つのIGBTの定格電流相当の値に設定する。
(S2)
コイル電流の電流値が第1閾値未満である場合、制御部45は、インバータ回路23の3つのアームのうち、1つのアームのみを駆動する。即ち、上アームを構成するIGBT23a、23c、23eのうちの1つと、下アームを構成するIGBT23b、23d、23fのうちの1つを交互にオンオフさせる。
(S3)
コイル電流の電流値が第1閾値以上である場合、制御部45は、コイル電流検出手段25bによって検出したコイル電流の電流値が第2閾値未満であるか否かを判定する。この第2閾値は、第1閾値よりも大きい値に設定する。また、第2閾値は、並列に接続された全てIGBTの定格電流相当の合計値よりも小さい値に設定する。例えば、第2閾値は、2つのIGBTの定格電流相当の合計値に設定する。
(S4)
コイル電流の電流値が第2閾値未満である場合、制御部45は、インバータ回路23の3つのアームのうち、2つのアームを駆動する。即ち、上アームを構成するIGBT23a、23c、23eのうちの2つと、下アームを構成するIGBT23b、23d、23fのうちの2つを交互にオンオフさせる。
(S5)
コイル電流の電流値が第2閾値以上である場合、制御部45は、インバータ回路23の3つのアームの全てを駆動する。即ち、上アームを構成するIGBT23a、23c、23eの全てと、下アームを構成するIGBT23b、23d、23fの全てを交互にオンオフさせる。
このように、コイル電流検出手段25bが検出したコイル電流が低い場合は、1つのアームのみを通電するように制御部45から駆動信号を出力する。例えばIGBT23c、23dのみを通電するように制御部45から駆動信号を出力する。
また、コイル電流が中間レベルの場合は、2つのアームを通電するように制御部45から駆動信号を出力する。例えば、IGBT23a、23b、23e、23fを通電するように制御部45から駆動信号を出力する。
また、コイル電流が高い場合は、3つのアームの全てを通電するように制御部45から駆動信号を出力する。
ここで、インバータ回路23を構成するIGBTの損失のうち、IGBTオン時の通電損失は、IGBTのコレクタ・エミッタ飽和電圧とコレクタ電流の積から算出される。一般的に定格電流の高い素子より低い素子の方が、コレクタ・エミッタ飽和電圧が低くなる。このため、定格電流が75Aの素子より定格電流が25Aの素子の方が、コレクタ・エミッタ飽和電圧が低い。
本実施の形態1では、コイル電流が低い場合はインバータ回路23の1つのアームのみを駆動しているため、並列接続しない従来のハーフブリッジ回路で用いている75A定格の素子に低い電流を流した時に比べて、1つのアームのみの25A定格の素子に低い電流を流した場合の方が導通損失は低くなる。このため、回路損失の増加を抑制した高効率な誘導加熱調理器を得ることができる。
(S6)
ここで、並列に接続された複数のIBGTのうちの一部のみを駆動する場合、複数のIGBTのそれぞれの温度が不均一になる場合がある。このようなことから、上述したステップS2及びステップS4のあと、制御部45は、駆動するスイッチング素子の切り替え動作を行う。つまり、制御部45は、並列に接続された複数のスイッチング素子のうち一部のスイッチング素子を駆動する際、駆動するスイッチング素子の切り替え動作を行う。以下、具体例を説明する。
(切り替え動作例1)
制御部45は、複数のIGBTのうち一部のIGBTを駆動する際、駆動するIGBTを、時間の経過と共に順次切り替える。例えば、1つのアームを駆動する場合、予め設定した経過時間ごとに、駆動するアームを順次切り替える。
なお、切り替える順番は、例えば、パワーモジュールにおける配置において、一方の端部、中央、他方の端部の順で順次切り替えても良いし、ランダムに選択しても良い。
(切り替え動作例2)
制御部45は、複数のIGBTのうち一部のIGBTを駆動する際、IGBTを駆動する駆動制御と、複数のIGBTの駆動を全て停止させる停止制御とを交互に切り替える。
例えば、ステップS2において1つのアームを駆動する場合には、コイル電流が低い状態であることから、連続して高周波電力を供給する必要性が低い加熱動作である。つまり、短時間であれば、供給電力をゼロにしても調理性能に問題はない。そのため、制御部45は、一定時間の間、1つのアームを通電するようにIGBTに駆動信号を出力した後、例えば0.1秒程度の短時間の間、全てのIGBTに対する駆動信号を停止する停止制御を行う。その後、再び、一定時間の間、1つのアームを通電するようにIGBTに駆動信号を出力し、上記動作を繰り返す。
このように、駆動制御と停止制御とを交互に切り替えることで、IGBTの温度上昇を抑制することができる。なお、停止制御のあと駆動制御を再開させる際に、駆動するアームを順次切り替えても良い。
(切り替え動作例3)
図7は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の動作を説明する模式図である。
図7においては、IGBTの駆動パターンを模式的に示しており、駆動制御を行うIGBTを斜線で示し、駆動制御を行わないIGBTを白色で示す。
制御部45は、複数のIGBTのうち2つ以上のIGBTを駆動する際、配置の中央を基準にして対称となる位置に配置された2つ以上のIGBTを駆動する。
例えば、インバータ回路23を構成するパワーモジュール内のIGBTの配置が図7に示すような配置である場合、IGBT23cとIGBT23dとの間が配置の中央となる。
図7(a)に示すように、制御部45は、IGBT23c、23dを交互にオンオフさせる駆動制御を一定時間行ったあと、図7(b)に示すように、IGBT23a、23fを交互にオンオフさせる駆動制御を一定時間行う。次に、図7(c)に示すように、制御部45は、IGBT23e、23dを交互にオンオフさせる駆動制御を一定時間行う。そして、図7(d)に示すように、再び制御部45は、再び、IGBT23c、23dを交互にオンオフさせる駆動制御を一定時間行う。以降、上記の動作を順次切り替える。
このように、IGBTの配置の中央を基準にして対称となる位置に配置されたIGBTを駆動することで、温度分布の均一化を図ることができる。
また、前述の通り、IGBTオン時の通電損失はコレクタ電流とコレクタ・エミッタ飽和電圧の積から算出される。一般的に、IGBT素子の温度が低い方が、コレクタ・エミッタ飽和電圧が低いため、IBGT素子の温度上昇を抑制することで、高効率な誘導加熱調理器を得ることができる。
なお、上記の切り替え動作例1〜3では、1つのアームを駆動する場合の動作例を説明したが、コイル電流が中間レベルで2つのアームのIGBTを駆動する場合も同様の発明思想を適用することができ、温度分布の均一化を図ることができる。
このように、複数のアームのうちの一部のアームを駆動する際に、駆動させるアームのIGBTを適切に設定することで、複数のIGBTの温度分布の均一化を図ることが可能となる。よって、IGBTを収納したパワーモジュールの温度上昇を抑制した高効率な誘導加熱調理器を得ることができる。
なお、上記の説明では、ステップS6において駆動するスイッチング素子の切り替え動作を行う場合を説明したが、ステップS6は省略しても良い。例えば、図5に示したIGBTの配置において、1つのアームを駆動する場合には、IGBT23cとIGBT23dを駆動するようにしても良い。このように、パワーモジュールにおいて中央に配置したIGBTを駆動することで、パワーモジュールの端部側へ向かって略均一に伝わり、パワーモジュールにおける温度の分布の不均一を抑制することができる。
なお、上記の説明では、第1閾値及び第2閾値とコイル電流とを比較して、通電させるアームの数を切り換える動作を行う場合を説明したが、通電させるアームの数を増加させる際の閾値と減少させる際の閾値とを異なる値に設定してヒステリシスを持たせるようにしてもよい。例えば、コイル電流の増加時の第1閾値及び第2閾値に対して、コイル電流の減少時の第1閾値及び第2閾値を小さく設定するようにしても良い。
これにより、コイル電流が閾値近傍で増減した場合に、通電するアームの数の切り換えが頻繁に発生することを防止することができる。
(変形例1)
上記の説明では、コイル電流に基づき駆動するアームの数を選択する場合を説明したが、直流電源回路22へ入力される入力電流を用いても良い。
前述の通り、投入電力と加熱コイル11aに流れるコイル電流はほぼ比例関係にあり、また投入電力と直流電源回路22へ入力される入力電流は比例関係にある。このことから、入力電流とコイル電流もほぼ比例関係が成立する。
このため、制御部45は、入力電流検出手段25aの出力信号から入力電流を検出し、上述したステップS1、S3において、検出した入力電流の値を用いて、第1閾値と第2閾値との比較を行ってもよい。なお、この場合、第1閾値及び第2閾値は、入力電流に則した値に設定する。
すなわち、入力電流検出手段25aが検出した入力電流が低い場合は、1つのアームのみを通電するように制御部45から駆動信号を出力する。例えばIGBT23c、23dのみを通電するように制御部45から駆動信号を出力する。
また、入力電流が中間レベルの場合は、2つのアームを通電するように制御部45から駆動信号を出力する。例えば、IGBT23a、23b、23e、23fを通電するように制御部45から駆動信号を出力する。
また、入力電流が高い場合は、3つのアームの全てを通電するように制御部45から駆動信号を出力する。
このような動作においても、回路損失の増加を抑制した高効率な誘導加熱調理器を得ることができる。
なお、入力電流検出手段25aが検出した入力電流を用いた動作を行う場合には、コイル電流検出手段25bを省略しても良い。これにより、安価な回路構成とすることができる。
なお、誘導加熱調理器100においては、投入電力を演算するために入力電流検出手段25aが必要となるため、省略しないことが望ましい。すなわち、操作部40で設定した火力は、投入電力を可変することで火力制御を実現している。投入電力は、交流電源21の電圧と入力電流を積算することで演算しており、入力電流検出手段25aが必要となる。
(変形例2)
他の例として、表示操作部43で設定した設定火力に応じ、駆動するアームの数を選択しても良い。
図2に示す火力スイッチ402aで火力レベルを設定しており、制御部45は設定火力に応じて投入する電力を制御している。設定火力の大小と投入電力の大小は類似関係にあり、火力が大きいときは電力も大きく、火力が小さいときは電力も小さくなる。
投入電力と加熱コイル11aに流れるコイル電流はほぼ比例関係にあるため、設定火力の大小に応じてコイル電流、すなわちインバータ回路23に流れる電流が変化することになる。
このため、制御部45は、設定火力が小さいほど、複数のIGBTのうち駆動するIGBTの数を少なくするようにしても良い。
例えば、設定火力が1〜3の場合はコイル電流が低いため、1つのアームのみ通電するように制御部45から駆動信号を出力する。また、設定火力が4〜6の場合は、2つのアームを通電するように制御部45から駆動信号を出力する。また、設定火力が7、8および3kWの場合は、3つのアームの全てを通電するように制御部45から駆動信号を出力する。
このような動作においても、回路損失の増加を抑制した高効率な誘導加熱調理器を得ることができる。
以上のように本実施の形態1においては、インバータ回路23は、並列に接続した複数のスイッチング素子を有し、制御部45は、コイル電流が少ないほど、複数のスイッチング素子のうち駆動するスイッチング素子の数を少なくする。
このため、インバータ回路23の損失を低減させることができ、効率を向上することができる。
また、複数のスイッチング素子のうち一部のスイッチング素子を駆動する際、駆動するスイッチング素子を切り替えるので、スイッチング素子の温度上昇を抑制することができる。また、スイッチング素子を収納したパワーモジュールにおける温度分布の均一化を図ることができる。
また、複数のスイッチング素子を並列接続することで各アームに流れる電流がアンバランスになることが考えられるが、本実施の形態1ではパワーモジュールを使用しているため、各々のIGBT素子のばらつきは小さく、電流アンバランスによる素子過熱を抑制することができる。
実施の形態2.
本実施の形態2においては、ダイオードブリッジ22aの発熱も考慮して駆動するIGBTを選択する動作について説明する。なお、本実施の形態2における誘導加熱調理器100の構成は上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図8は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器のインバータ回路とダイオードブリッジを示す概略斜視図である。
図9は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器のインバータ回路とダイオードブリッジとの配置関係を示す模式図である。
図8、図9に示すように、インバータ回路23を構成するパワーモジュールと、直流電源回路22を構成する半導体素子であるダイオードブリッジ22aは、アルミなどで構成される放熱フィン30に固定されている。冷却ファンなどを用いて放熱フィン30に冷却風をあてることでインバータ回路23及びダイオードブリッジ22aを所定温度以下になるように冷却している。
このように、インバータ回路23とダイオードブリッジ22aとが1つの放熱フィン30に並んで配置されている場合には、ダイオードブリッジ22aの発熱も考慮して使用するIGBTを選択する必要がある。
そこで、本実施の形態2における制御部45は、複数のIGBTのうち一部のIGBTを駆動する際、ダイオードブリッジ22aから遠いIGBTを駆動し、ダイオードブリッジ22aに近いIGBTの駆動を停止させる。
例えば、図9に示すように、インバータ回路23を構成するパワーモジュールの配置位置に対して、図9の紙面下側にダイオードブリッジ22aが配置されている場合、図9の紙面上側に配置されたIGBTから順次通電する。
つまり、1つのアームを駆動する場合には、IGBT23a、23bを通電するように制御部45から駆動信号を出力する。また、2つのアームを駆動する場合には、IGBT23a〜23dを通電するように制御部45から駆動信号を出力する。
このように、ダイオードブリッジ22aから遠いIGBTを駆動し、ダイオードブリッジ22aに近いIGBTの駆動を停止させることで、インバータ回路23とダイオードブリッジ22aとが並んで配置される場合であっても、インバータ回路23を構成するパワーモジュールの温度分布を均一にすることができる。
なお、上記の説明においては、インバータ回路23とダイオードブリッジ22aとが1つの放熱フィン30に配置されている場合を説明したが、本発明はこれに限定されず、インバータ回路23とダイオードブリッジ22aとがそれぞれ別の放熱フィンなどに配置され、インバータ回路23とダイオードブリッジ22aとが並んで配置した構成であっても良い。
(変形例1)
図10は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器のインバータ回路とダイオードブリッジとの配置関係を示す模式図である。
上記の説明では、複数のIGBTを格納したパワーモジュールでインバータ回路23を構成する場合を説明したが、パワーモジュールを使用せずに、IGBT単体の素子を複数並べて配置しても良い。
例えば、図10に示すように、単体の素子としてのIGBT23a〜23fと、ダイオードブリッジ22aとを並べて配置してもよい。
パワーモジュールを使用する場合は、使用するパワーモジュールによってアームの数が限定される場合があるが、パワーモジュールを使用せずに単体の素子を用いることで、IGBTの数を任意に設定することが可能となる。
実施の形態3.
本実施の形態3においては、インバータ回路23の温度分布を検出して駆動するIGBTを選択する動作について説明する。なお、本実施の形態3における誘導加熱調理器100の構成は上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図11は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器のインバータ回路と温度検知手段を示す模式図である。
図11に示すように、インバータ回路23を構成するパワーモジュールの表面には、温度検知手段26が設けられている。
温度検知手段26は、サーミスタや赤外線温度センサなど任意のセンサによって構成される。この温度検知手段26は、複数のIGBTのうちの2つ以上のIGBTの近傍に配置され、配置箇所の温度を検出し、検出した温度に応じた信号を制御部45に出力する。
前述したように、複数のIBGTのうちの一部のみを駆動する場合、複数のIGBTのそれぞれの温度が不均一になる場合がある。本実施の形態3においては、制御部45は、温度検知手段26が検出した2つ以上のIGBTの温度を検出し、温度が低いIGBTを駆動し、温度が高いIGBTの駆動を停止させる。
例えば、図11に示す例において、1つのアームを駆動する場合、IGBT23aの温度が、IGBT23eの温度よりも低い場合には、IGBT23aとIGBT23bとを交互にオンオフ動作させる。一方、IGBT23aの温度が、IGBT23eの温度よりも高い場合には、IGBT23eとIGBT23fとを交互にオンオフ動作させる。
このように、温度が低いIGBTを駆動し、温度が高いIGBTの駆動を停止させることで、インバータ回路23の温度分布を均一にすることができる。
実施の形態4.
本実施の形態4においては、被加熱物5の材質を考慮して駆動するIGBTを選択する動作について説明する。なお、本実施の形態3における誘導加熱調理器100の構成は上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図12は、加熱動作中におけるコイル電流と入力電流の関係を示す図である。
図12において、符号Aで示すグラフと、符号Bで示すグラフは、それぞれ異なる材質の被加熱物5を加熱した際のコイル電流と入力電流の関係を示している。
図12に示すように、被加熱物5の材質にかかわらず、コイル電流の増加に伴い入力電流も増加する比例関係が成立している。しかしながら、被加熱物5の材質によって、コイル電流の絶対値に違いが生じる。つまり、加熱コイル11aのインダクタンスは被加熱物5が磁気結合した際に被加熱物5の材質の特性に応じて変化し、被加熱物5の材質によってコイル電流に違いが生じる。
このようなことから、本実施の形態4における制御部45は、被加熱物5の材質に応じて設定した閾値とコイル電流とを比較して、駆動するアームの数を決定する。
以下、被加熱物5の材質を判定する負荷判定処理の動作を説明した後、インバータ回路23の複数のアームのうち駆動するアームを選択する動作を説明する。
(負荷判定処理)
使用者により加熱口に被加熱物5が載置され、加熱開始の指示が操作部40に行われると、制御部45は負荷判定処理を行う。
図13は、実施の形態4に係る誘導加熱調理器におけるコイル電流と入力電流の関係に基づく被加熱物の負荷判別特性図である。
ここで、負荷となる被加熱物5の材質は、鉄やSUS430等の磁性材と、SUS304等の高抵抗非磁性材と、アルミや銅等の低抵抗非磁性材と、に大別される。
図13に示すように、天板4に載置された被加熱物5の材質によってコイル電流と入力電流の関係が異なる。制御部45は、図13に示すコイル電流と入力電流との関係をテーブル化した負荷判定テーブルを予め内部に記憶している。負荷判定テーブルを内部に記憶することで安価な構成で負荷判定手段を構成することができる。
負荷判定処理において、制御部45は、負荷判定用の特定の駆動信号でインバータ回路23を駆動し、入力電流検出手段25aの出力信号から入力電流を検出する。また同時に制御部45は、コイル電流検出手段25bの出力信号からコイル電流を検出する。制御部45は検出したコイル電流および入力電流と、図13の関係を表した負荷判定テーブルから、載置された被加熱物5の材質を判定する。このように、制御部45は、入力電流とコイル電流との相関に基づいて、加熱コイル11aの上方に載置された被加熱物5の材質を判定する。
負荷判定結果が、磁性体であった場合、本実施の形態4の誘導加熱調理器100で制御可能な材質であるため、制御部45は、判定した材質に応じた駆動周波数を決定する。この駆動周波数は、入力電流が過大とならないよう共振周波数よりも高い周波数に設定される。使用者が設定した火力と被加熱物5の材質に応じた周波数のテーブル等を参照することで駆動周波数を決定しても良い。
制御部45は、誘導加熱動作を開始し、設定火力に応じて、IGBT23a〜23fに高周波の駆動信号を入力し、加熱出力を調整する。これにより、被加熱物5は誘導加熱され、内部の被調理物が加熱される。
なお、本実施の形態4における制御部45は、本発明の「負荷判定手段」の機能を含んでいる。
(駆動するアームを選択する動作)
次に、制御部45は、上記実施の形態1の図6に示した動作により、駆動するアームの数を選択する動作を行う。
ここで、本実施の形態4においては、図6のステップS1で用いる第1閾値と、ステップS3で用いる第2閾値を、被加熱物5の材質に基づいて設定する。
例えば、被加熱物5の材質ごとに第1閾値と第2閾値との関係を予めテーブル化した情報を記憶し、上述した負荷判定処理の判定結果に基づいて対応する第1閾値及び第2閾値を設定する。
なお、その他のステップは上記実施の形態1の動作と同様である。
このように、制御部45は、負荷判定処理の判定結果に基づいて閾値を設定し、この閾値とコイル電流とを比較して、複数のスイッチング素子のうち駆動するスイッチング素子の数を決定する。このため、被加熱物5の材質によってコイル電流が変化する場合であっても、駆動するアームの数を被加熱物5の材質に応じて適切に選択することができる。
よって、このため、回路損失の増加を抑制した高効率な誘導加熱調理器を得ることができる。
なお、負荷判定手段での負荷判定処理でコイル電流と一次電流の関係を用いる方式について説明したが、共振コンデンサの両端の共振電圧を検出することで負荷判定処理を行う方式を用いても良く、負荷判定の方式は特に問わない。
なお、上記実施の形態1〜4では、ハーフブリッジ型のインバータ回路23について説明したが、フルブリッジ型や共振型のインバータ回路などを用いた構成でも良い。具体例を図14及び図15を用いて説明する。
図14は、フルブリッジ型のインバータ回路の一例を示す図である。
図14に示すように、フルブリッジ型のインバータ回路23は、直流電源回路22の出力母線間に上アーム及び下アームを直列に接続した一対のアームを少なくとも2つ有している。すなわち、IGBT23a、23c、23eが並列に接続され上アームを構成し、IGBT23b、23d、23fが並列に接続され下アームを構成し、この上アーム及び下アームが直列に接続され一対のアームを構成している。また、IGBT23g、23i、23kが並列に接続され上アームを構成し、IGBT23h、23j、23lが並列に接続され下アームを構成し、この上アーム及び下アームが直列に接続され一対のアームを構成している。そして、上アームと下アームとのそれぞれの接続点に負荷回路が接続されている。
このようなフルブリッジ型のインバータ回路23においても、並列に接続した複数のIGBTの駆動動作について上述した発明思想を適用することができる。
図15は、電圧共振型のインバータ回路の一例を示す図である。
図15に示すように、電圧共振型のインバータ回路23は、並列に接続したIGBT23a〜cを有し、加熱コイル11aと共振コンデンサ24aとが並列接続された負荷回路と直列に接続されている。
このような電圧共振型のインバータ回路23においても、並列に接続した複数のIGBTの駆動動作について上述した発明思想を適用することができる。
なお、上記実施の形態1〜4においては、本発明の誘導加熱調理器の一例として、IHクッキングヒーターを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、誘導加熱により加熱調理を行う炊飯器など、誘導加熱方式を採用する任意の誘導加熱調理器に適用することが可能である。
1 第一の加熱口、2 第二の加熱口、3 第三の加熱口、4 天板、5 被加熱物、11 第一の加熱手段、11a 加熱コイル、12 第二の加熱手段、13 第三の加熱手段、21 交流電源、22 直流電源回路、22a ダイオードブリッジ、22b リアクタ、22c 平滑コンデンサ、23 インバータ回路、23a〜23l IGBT、24a 共振コンデンサ、25a 入力電流検出手段、25b コイル電流検出手段、26 温度検知手段、30 放熱フィン、40 操作部、40a 操作部、40b 操作部、40c 操作部、41 表示部、41a 表示部、41b 表示部、41c 表示部、42 報知手段、43 表示操作部、45 制御部、50 電力変換装置、100 誘導加熱調理器、230 制御端子、231 電力端子、401a 入切スイッチ、402a 火力スイッチ、403a 3kWキー。

Claims (13)

  1. 交流電力を整流して直流電力に変換する直流電源回路と、
    前記直流電源回路の直流電力を交流電力に変換して負荷回路に出力するインバータ回路と、
    前記インバータ回路を制御する制御部と、
    を備え、
    前記インバータ回路は、並列に接続した複数のスイッチング素子を有し、
    前記制御部は、
    前記直流電源回路へ入力される入力電流又は前記負荷回路に流れる負荷電流が少ないほど、前記複数のスイッチング素子のうち駆動する前記スイッチング素子の数を少なくする
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記制御部は、
    前記複数のスイッチング素子のうち一部の前記スイッチング素子を駆動する際、
    駆動する前記スイッチング素子を、時間の経過と共に順次切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御部は、
    前記複数のスイッチング素子のうち一部の前記スイッチング素子を駆動する際、
    前記スイッチング素子を駆動する駆動制御と、前記複数のスイッチング素子の駆動を全て停止させる停止制御とを交互に切り替える
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
  4. 前記複数のスイッチング素子は、それぞれ並んで配置され、
    前記制御部は、
    前記複数のスイッチング素子のうち2つ以上の前記スイッチング素子を駆動する際、
    前記配置の中央を基準にして対称となる位置に配置された2つ以上の前記スイッチング素子を駆動する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電力変換装置。
  5. 前記インバータ回路は、前記直流電源回路と並んで配置され、
    前記制御部は、
    前記複数のスイッチング素子のうち一部の前記スイッチング素子を駆動する際、
    前記直流電源回路から遠い前記スイッチング素子を駆動し、前記直流電源回路に近い前記スイッチング素子の駆動を停止させる
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電力変換装置。
  6. 前記インバータ回路及び前記直流電源回路は、一つの放熱フィンに並んで配置された
    ことを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 2つ以上の前記スイッチング素子の温度を検出する温度検知手段を備え、
    前記制御部は、
    前記複数のスイッチング素子のうち一部の前記スイッチング素子を駆動する際、
    温度が低い前記スイッチング素子を駆動し、温度が高い前記スイッチング素子の駆動を停止させる
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電力変換装置。
  8. 前記インバータ回路は、
    前記直流電源回路の出力母線間に上アーム及び下アームを直列に接続したハーフブリッジインバータ回路により構成され、
    前記上アーム及び前記下アームは、並列に接続した前記複数のスイッチング素子を、それぞれ有する
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の電力変換装置。
  9. 前記インバータ回路は、
    前記直流電源回路の出力母線間に上アーム及び下アームを直列に接続した一対のアームを少なくとも2つ有するハーフブリッジインバータ回路により構成され、
    前記上アーム及び前記下アームは、並列に接続した前記複数のスイッチング素子を、それぞれ有する
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の電力変換装置。
  10. 前記複数のスイッチング素子は、1つのモジュールに収納された
    ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の電力変換装置。
  11. 請求項1〜10の何れか一項に記載の電力変換装置と、
    前記電力変換装置から交流電力が供給され、被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、を備えた
    ことを特徴とする誘導加熱調理器。
  12. 前記被加熱物の材質を判定する負荷判定手段を備え、
    前記制御部は、
    前記負荷判定手段の判定結果に基づいて設定した1つ又は複数の閾値と、前記負荷電流とを比較して、前記複数のスイッチング素子のうち駆動する前記スイッチング素子の数を決定する
    ことを特徴とする請求項11に記載の誘導加熱調理器。
  13. 設定火力の操作を入力する操作部を備え、
    前記制御部は、
    前記設定火力が小さいほど、前記複数のスイッチング素子のうち駆動する前記スイッチング素子の数を少なくする
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載の誘導加熱調理器。
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