JP2017037882A - デバイス層製造方法、デバイス層製造用の積層体、デバイス層製造用の準備体 - Google Patents

デバイス層製造方法、デバイス層製造用の積層体、デバイス層製造用の準備体 Download PDF

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Abstract

【課題】デバイス層を支持基材から効率良く分離してデバイス層を得ることができるデバイス層製造方法を提供する。
【解決手段】はじめに、第1基材を少なくとも有する支持基材と、前記支持基材に積層され、少なくとも絶縁層および導電層を含むデバイス層と、前記支持基材と前記デバイス層との間に配置された剥離層と、前記剥離層の少なくとも一部と接触する位置に配置された中間層と、を備える積層体を準備する。次に、前記剥離層に流体を接触させることにより、前記剥離層を溶解させて、前記デバイス層を前記支持基材から分離する。
【選択図】図5

Description

本発明は、デバイス層製造方法、デバイス層製造用の積層体、およびデバイス層製造用の準備体に関する。
従来、半導体集積回路などのデバイスを製造する方法の一工程として、はじめに、支持基材を準備し、次に、デバイスを構成するためのデバイス層を支持基材上に形成し、その後、デバイス層を支持基材から分離させる工程が知られている。例えば特許文献1においては、デバイス層と支持基材との間に、シリコンを主成分とする剥離層を配置し、フッ化ハロゲンなどを用いて剥離層を溶解させることにより、デバイス層を支持基材から分離させる方法が提案されている。その他にも、例えば特許文献2においては、剥離層上に成膜された機能性膜を含む被剥離層の表面に水を接触させることにより、被剥離層と支持基板との間の接着強度を低下させて、被剥離層を支持基板から剥離させる方法が提案されている。
特開平8−254686号公報 特開2009−224740号公報
しかしながら、上記特許文献1および2に記載されている方法を含め、支持基板上にデバイス層を形成し、その後、デバイス層を支持基板から分離させる工程を含むデバイス層製造方法は、未だ開発段階でありさらなる改良の余地がある。
本発明は、このような状況下においてなされた発明であり、より効率のよいデバイス層製造方法を提供すると共に、当該デバイス層製造方法において用いられる積層体や準備体も提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本願発明は、デバイス層製造方法であって、第1基材を少なくとも有する支持基材と、前記支持基材に積層され、少なくとも絶縁層および導電層を含むデバイス層と、前記支持基材と前記デバイス層との間に配置された剥離層と、前記剥離層の少なくとも一部と接触する位置に配置された中間層と、を備える積層体を準備する、準備工程と、前記剥離層に流体を接触させることにより、前記剥離層を溶解させて、前記デバイス層を前記支持基材から分離する分離工程と、を備える、ことを特徴とする。
上記の発明にあっては、前記中間層が、前記流体と反応性を有していてもよい。
また、上記の発明にあっては、前記中間層が、前記流体をその内部に流通可能な構造を有していてもよい。
上記課題を解決するための別の本願発明は、デバイス層製造用の積層体であって、第1基材を少なくとも有する支持基材と、前記支持基材に積層され、少なくとも絶縁層および導電層を含むデバイス層と、前記支持基材と前記デバイス層との間に配置された剥離層と、前記剥離層の少なくとも一部と接触する位置に配置された中間層と、を備えることを特徴とする。
上記の発明にあっては、前記中間層が、前記流体と反応性を有していてもよい。
また、上記の発明にあっては、前記中間層が、前記流体をその内部に流通可能な構造を有していてもよい。
上記課題を解決するためのさらに別の本願発明は、デバイス層形成用の準備体であって、第1基材を少なくとも有する支持基材と、前記支持基材の面上に配置され剥離層と、前記剥離層の少なくとも一部と接触する位置に配置された中間層と、を備えることを特徴とする。
上記の発明にあっては、前記中間層が、前記流体と反応性を有していてもよい。
また、上記の発明にあっては、前記中間層が、前記流体をその内部に流通可能な構造を有していてもよい。
本発明によれば、デバイス層を支持基材から効率良く分離してデバイス層を得ることができる。
図1は、本発明の実施の形態によるデバイス層を用いて構成されるパッケージ基板を示す断面図。 図2は、本発明の実施の形態による積層体を製造するための積層体製造装置を示す図。 図3は、本発明の実施の形態による積層体を示す断面図。 図4は、本発明の実施の形態による積層体を示す断面図。 図5は、本発明の実施の形態による積層体の分離工程を示す図。 図6Aは、デバイス層を形成するための一工程を示す図。 図6Bは、デバイス層を形成するための一工程を示す図。 図6Cは、デバイス層を形成するための一工程を示す図。 図6Dは、デバイス層を形成するための一工程を示す図。 図6Eは、デバイス層を形成するための一工程を示す図。 図6Fは、デバイス層を形成するための一工程を示す図。 本発明の実施の形態による積層体のデバイス層を支持基材から分離させるための分離装置を示す図。 本発明の実施の形態による積層体のデバイス層を支持基材から分離させるための分離装置を示す図。 図9は、本発明の実施の形態の第1の変形例による積層体を示す断面図。 本発明の実施の形態の第2の変形例による積層体を示す斜視図。 図11は、本発明の実施の形態の第2の変形例による積層体の分離工程を示す図。 図12は、溶解性の評価方法を説明するための図。
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また本明細書において、「基板」、「基材」、「シート」や「フィルム」など用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「基板」や「基材」は、シートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
<パッケージ基板>
まず図1を参照して、本実施の形態によるデバイス層20を用いて構成されるデバイスについて説明する。本実施の形態においては、デバイスが、半導体チップが搭載されるパッケージ基板38である例について説明する。なおパッケージ基板とは、集積回路を有する半導体チップと、パソコン用のマザーボードなどの配線基板との間に介在される基板のことであり、インターポーザとも称されるものである。半導体チップと配線基板との間にパッケージ基板を介在させることにより、半導体チップの端子のピッチと配線基板の電極のピッチとが異なる場合であっても、半導体チップの端子を配線基板の電極に電気的に適切に接続することができる。パッケージ基板のその他の機能や、パッケージ基板の詳細な構成については、例えば特開2013−222944号公報に開示されているので、説明や開示を省略する。ここでは、パッケージ基板38のうち本実施の形態による後述する分離工程や分離装置50に密接に関連する部分について、説明する。
図1に示すように、パッケージ基板38は、順に積層された第1層31、第2層32および第3層33を有するデバイス層20を備えている。デバイス層20の第1層31、第2層32および第3層33はそれぞれ、第1面21xおよび第2面21yを含む絶縁層21と、導電層23と、を含んでいる。第2面21yは、後述する剥離層14側に位置する面であり、第1面21xは、第2面21yの反対側に位置する面である。また絶縁層21には、第1面21xから第2面21yに至る複数の貫通孔22が形成されている。そして導電層23は、絶縁層21の貫通孔22の内部に位置する第1部分24と、絶縁層21の第1面21x上または第2面21y上に位置する第2部分25と、を含んでいる。このような絶縁層21および導電層23を備えた層31,32,33を有するデバイス層20を備えるパッケージ基板38を介して半導体チップ35をマザーボードなどの配線基板に搭載することにより、半導体チップ35に取り付けられた端子36のピッチが、配線基板の電極のピッチに比べて小さい場合であっても、半導体チップ35を配線基板の電極に電気的に適切に接続することができる。図1に示すように、デバイス層20の複数の層31,32,33のうち半導体チップ35から最も遠い第1層31の導電層23には、パッケージ基板38を配線基板に実装するための端子28が取り付けられていてもよい。
絶縁層21を構成する絶縁性材料としては、例えば、ポリイミド、ガラス含浸エポキシ樹脂などの樹脂を用いることができる。また導電層23を構成する導電性材料としては、銅、銀、金、ニッケル、チタン、鉄などの金属またはそれらを含む合金を用いることができる。
なお図1においては、半導体チップ35の端子36やパッケージ基板38の端子28が、半球状の電極、いわゆるバンプである例が示されているが、これに限られることはない。半導体チップ35とパッケージ基板38との間の電気的な接続、およびパッケージ基板38と配線基板との間の電気的な接続を実現することができる限りにおいて、様々な形状や構成の端子36および端子28が採用され得る。
また図1においては、デバイス層20が3つの層31,32,33を含む例が示されているが、デバイス層20に含まれる層の数が特に限られることはない。例えば、図示はしないが、デバイス層20は、4以上の層を含んでいてもよい。また、デバイス層20に取り付けられる端子28の数が特に限られることもない。例えばデバイス層20には、200個以上の端子28が取り付けられていてもよい。
<デバイス層の製造方法>
次に、デバイス層20を製造する方法について説明する。ここでは、支持基材12上にデバイス層20を形成して積層体11を作製し、次に積層体11のデバイス層20を支持基材12から分離させることによって、デバイス層20を得る例について説明する。
(積層体の製造方法)
はじめに、デバイス層20を含む積層体11を製造する方法について説明する。図2は、積層体11を製造するための積層体製造装置40を示す図である。図2に示すように、積層体製造装置40は、支持基材12上に剥離層14を形成する剥離層形成部42と、離層14上に保護層16を形成する保護層形成部43と、保護層16上にデバイス層20を形成するデバイス層形成部44と、を備えている。
積層体11の製造工程においては、はじめに図2に示すように、可撓性を有する長尺状の支持基材12が巻き取られた巻回体12mを準備する。次に、巻回体12mから支持基材12を巻き出して、支持基材12の長尺方向に沿って支持基材12を搬送する。その後、支持基材12を搬送しながら、第1中間層形成部41を用いて支持基板12上に第1中間層17を形成する第1中間層形成工程を実施する。次に、支持基材12を搬送しながら、剥離層形成部42を用いて第1中間層17上に剥離層14を形成する剥離層形成工程を実施する。次に、支持基材12を搬送しながら、第2中間層形成部45を用いて剥離層14上に第2中間層18を形成する第2中間層形成工程を実施する。次に、支持基材12を搬送しながら、保護層形成部43を用いて第2中間層18上に保護層16を形成する保護層形成工程を実施する。次に、支持基材12を搬送しながら、デバイス層形成部44を用いて保護層16上にデバイス層20を形成するデバイス層形成工程を実施する。このようにして、支持基材12と、支持基材12に積層されたデバイス層20と、支持基材12とデバイス層20との間に配置された剥離層14と、前記剥離層14が前記支持基材12と前記デバイス層20との間に配置された状態で露出しないように保護をするための保護層16と、前記剥離層14の少なくとも一部と接触する位置にもうけられた中間層17、18を備える積層体11を製造することができる。図2に示すように、長尺状の積層体11を巻き取って積層体11の巻回体10を作製してもよい。
図2においては、支持基材12や積層体11が搬送される搬送方向が符号D1で表されている。搬送方向D1は、長尺状の支持基材12や積層体11が延びる方向に平行である。以下の説明において、長尺状の支持基材12や積層体11が延びる方向のことを「長尺方向」とも称する。なお「長尺状」とは、支持基材12や積層体11が搬送される方向における支持基材12や積層体11の寸法が、支持基材12や積層体11が搬送される方向に直交する方向における支持基材12や積層体11の寸法の少なくとも5倍以上になっていることを意味している。
また「可撓性」とは、室温例えば25℃の環境下で支持基材12を直径30cmのロール状の形態に巻き取った場合に、支持基材12に折れ目が生じない程度の柔軟性を意味している。「折れ目」とは、支持基材12を巻き取る方向に交差する方向において支持基材12に現れる変形であって、変形を元に戻すように支持基材12を逆向きに巻き取ったとしても元には戻らない程度の変形を意味している。
図3は、積層体11の長尺方向すなわち搬送方向D1に直交する、積層体11の幅方向D2に沿って積層体11を切断した場合を示す断面図である。
本実施の形態において、支持基材12は、ガラス、金属またはシリコンを含む第1基材12aを有している。第1基材12aを構成するガラスとしては、例えば、酸化珪素、無アルカリガラス、ソーダガラスなどを挙げることができる。なお無アルカリガラスとは、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ成分を含まないガラスのことである。またソーダガラスとは、酸化珪素、炭酸ナトリウムおよび炭酸カルシウムを混合することによって得られるガラスのことである。第1基材12aを構成する金属としては、例えば、クロムやニッケルなどが添加された鉄合金を挙げることができる。クロムが添加された鉄合金としては、例えばステンレス鋼を挙げることができる。ニッケルが添加された鉄合金としては、例えばインバー材を挙げることができる。好ましくは、第1基材12aを構成するガラスまたは金属として、剥離層14を溶解させる際に用いられる後述する溶解用液体に溶解しない、若しくは溶解し難いガラスまたは金属が用いられる。
支持基材12は、上述の可撓性を有する程度に薄く構成される。一方、支持基材12を搬送しながら支持基材12上に剥離層14やデバイス層20を形成する場合、焼成工程の際の熱などが支持基材12に加えられる。支持基材12の剛性が低い場合、搬送のための張力が支持基材12に加えられているときに、さらに熱が支持基材12に加えられると、伸びや湾曲などの変形が支持基材12に生じてしまうと考えられる。従って支持基材12は、そのような変形が生じてしまうことを抑制できる程度に厚く構成されることが好ましい。支持基材12の第1基材12aがガラスを含む場合、第1基材12aの厚みは例えば30μm以上150μm以下の範囲内になっている。また、第1基材12aが金属を含む場合、第1基材12aの厚みは例えば30μm以上100μm以下の範囲内になっている。また、第1基材12aがシリコンを含む場合、第1基材12aの厚みは例えば30μm以上1000μm以下の範囲内になっている。
剥離層14は、金属または金属酸化物を含んでいる。剥離層14を構成する金属または金属酸化物としては、支持基材12に密着し易いものが用いられる。また後述するように、デバイス層20の形成工程においては、デバイス層20の絶縁層21を焼成する焼成工程など、剥離層14が高温に曝される工程が実施されることがある。このため好ましくは、剥離層14を構成する金属または金属酸化物としては、焼成工程の温度などに、例えば300℃程度に耐え得る耐熱性を有するものが用いられる。
また後述するように、剥離層14は、デバイス層20を支持基材12から分離させる分離工程の際に、溶解用液体によって溶解される。本明細書において、「溶解用液体」とは、デバイス層20を支持基材12から分離させる分離工程の際に剥離層14に接触させて剥離層14を溶解するための液体のことである。ここで、分離工程の際にデバイス層20の導電層23を損傷させないためには、溶解用液体として、導電層23を溶解しないものが用いられることが好ましい。従って、剥離層14を構成する金属または金属酸化物としては、導電層23を溶解しないよう選択された溶解用液体に溶解し得るものが採用される。例えば、デバイス層20の導電層23が銅を含む場合、剥離層14を構成する材料として、アルミニウム、銀、ニッケル、チタンなどの金属や、酸化インジウム錫、酸化インジウム亜鉛などの金属酸化物を用いることができる。この場合、支持基材12上に剥離層14を形成する方法としては、蒸着法、スパッタリング法などの物理的気相成長法、化学的気相成長法などの真空成膜法を用いることができる。
その他にも、印刷法によって支持基材12上に剥離層14を形成してもよい。この場合、複数の導電性粒子によって構成された線状の導電性ワイヤを互いに絡み合わせて網の目状とすることによって、剥離層14を構成することができる。例えば、導電性粒子として銀粒子を用いた銀ナノワイヤなどを印刷法によって支持基材12上に設けることにより、剥離層14を形成することができる。
図3に示すように、本実施の形態においては、剥離層14が露出しないように保護するための保護層16が設けられている。このような保護層16により剥離層14が露出することを防止することにより、デバイス層を形成する段階、つまり後述する分離工程が行われる前の段階において、デバイス層を形成する際に用いられる種々の溶液などによって剥離層14が溶解したり支持基材12から剥離したりしてしまうことを防止することができる。また、当該保護層16を設けることにより剥離層14を構成する材料の選択の自由度を飛躍的に向上することができる。つまり、分離工程が行われる前段階において、剥離層14は保護層により保護されているので、例えば大気中の水分により溶解するような溶解性の高い材料をも選択可能となる。
このような機能を発揮するための保護層16を構成する材質としては、分離工程において用いられる溶解用液体に溶解性を有さず、かつ大気中の水分にも溶解性を有さない、化学的に安定な材料が用いられる。例えば、保護層16を構成する材料として、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、チタンなどの金属や、酸化インジウム錫、酸化インジウム亜鉛などの金属酸化物を用いることができる。
保護層16の形成方法については特に限定されることはなく、例えば、蒸着法、スパッタリング法などの物理的気相成長法、化学的気相成長法などの真空成膜法を用いることができる。また、保護層16を構成する材料によっては、各種印刷法を用いてもよい。
積層体11の支持基材12、剥離層14、保護層16およびデバイス層20それぞれの厚みについては特に限定されることはなく、適宜設計可能であるが、積層体11を巻き取って巻回体10を作製することができる程度の可撓性を積層体11が有するように設定されることが好ましい。例えば支持基材12の厚みは、5μm以上100μm以下の範囲内になっており、剥離層14の厚みは、5nm以上50nm以下の範囲内になっており、保護層16の厚みは、0.001μm以上2μm以下の範囲内になっており、デバイス層20の厚みは、1μm以上300μm以下の範囲内になっている。
また、図3に示すように、積層体11は、支持基材12と剥離層14との間に配置された第1中間層17を備えていていることに特徴を有している。図11に示す例において、第1中間層17は、剥離層14の支持基材12側の第1面14aに接するように設けられている。第1中間層17の一対の側部17eは、保護層16によって覆われていてもよい。
第1中間層17の構成は、第1中間層17に求められる機能に応じて様々に選択され得る。
例えば第1中間層17は、分離工程よりも前に剥離層14が支持基材12から剥離したり剥離層14が消失したりしてしまうことを抑制するよう構成されていてもよい。この場合、第1中間層17を構成する材料として、カルシウムなどの、水との反応性を有有し、かつ水との反応によって生成された反応生成物が水に対する溶解性を有さないものが用いられる。この場合、周囲環境の水蒸気が保護層16を透過して剥離層14の近傍に到達したとしても、第1中間層17が水蒸気と反応する。このため、剥離層14に接触する水蒸気の量を低減することができ、これによって、剥離層14が水蒸気に溶解することを抑制することができる。従って、分離工程よりも前に剥離層14が溶解し、これによって分離工程よりも前に剥離層14が支持基材12から剥離したり剥離層14が消失したりしてしまうことを抑制することができる。この場合、第1中間層17の厚みは、例えば5nm〜50nmの範囲内になっている。
また第1中間層17は、分離工程の際に剥離層14の溶解を促進するよう構成されていてもよい。この場合、第1中間層17を構成する材料として、多数の孔が形成された多孔性のポーラス材料を用いることができる。例えば、1nm〜100nmの範囲内の寸法を有する多数の孔が形成された、いわゆるメソポーラス材料を用いることができる。この場合、分離工程の際、水蒸気は、第1中間層17を透過して剥離層14の第1面14aに到達することができる。このため、分離工程の際に剥離層14の溶解を、剥離層14の先端部14d側や側部14e側からだけでなく、剥離層14の第1面14a側から進行させることができる。これによって、剥離層14の溶解速度を高めることができ、このことにより、分離工程に要する時間を短縮することができる。
また図3に示すように、積層体11は、保護層16と剥離層14との間に配置された第2中間層18をさらに備えていてもよい。図3に示す例において、第2中間層18は、剥離層14の保護層16側の第2面14bに接するように設けられている。第2中間層18の一対の側部18eは、保護層16によって覆われていてもよい。
第1中間層17の場合と同様に、第2中間層18の構成も、第2中間層18に求められる機能に応じて様々に選択され得る。
例えば第2中間層18は、分離工程よりも前に剥離層14が保護層16から剥離したり剥離層14が消失したりしてしまうことを抑制するよう構成されていてもよい。この場合、第2中間層18を構成する材料として、第1中間層17の場合と同様に、カルシウムなどの、水との反応性を有し、かつ水との反応によって生成された反応生成物が水に対する溶解性を有さないものが用いられる。第2中間層18の厚みは、例えば5nm〜50nmの範囲内になっている。
また第2中間層18は、分離工程の際に剥離層14の溶解を促進するよう構成されていてもよい。この場合、第2中間層18を構成する材料として、第1中間層17の場合と同様に、多数の孔が形成された多孔性のポーラス材料、例えばメソポーラス材料を用いることができる。
なお図3においては、積層体11が第1中間層17および第2中間層18の両方を備える例を示したが、これに限られることはない。図示はしないが、積層体11は、第1中間層17または第2中間層18のいずれか一方のみを備えていてもよい。またこれらの中間層17、18は、必ずしも支持基板12や剥離層14の全面に形成されている必要はなく、剥離層14の少なくとも一部と接触する位置に設けられていれば、当該部分において上記の作用効果を発揮することができる。
以下、本実施の形態による積層体11のデバイス層20を支持基材12から分離させる分離工程の一例について説明する。はじめに、可撓性を有する長尺状の積層体11が巻き取られた巻回体10を準備する。次に、巻回体10から積層体11を巻き出して、積層体11の長尺方向に沿って積層体11を搬送する。その後、搬送方向における積層体11の剥離層14の先端部14dを覆う保護層16を除去して、剥離層14の先端部14dを露出させる。例えば、保護層16を構成する材料に応じて選択されたエッチング液を用いて、保護層16のうち剥離層14の先端部14dを覆う部分を溶解させる。この際、図4に示すように、保護層16のうち剥離層14の側部14eを覆う部分を除去して、剥離層14の側部14eを露出させてもよい。保護層16のうち剥離層14の側部14eを覆う部分を除去するための具体的な方法が特に限られることはない。例えば、ロータリーダイカッターなど、保護層16のうち剥離層14の側部14eを覆う部分を、積層体11を搬送しながら切断して除去することができる切断機構が用いられてもよい。また、エッチング用の流体を用いて保護層16を除去してもよい。
その後、溶解用流体として水または水蒸気、若しくは水および水蒸気の両方を用いて、剥離層14を溶解させる。これによって、図5に示すように、デバイス層20を支持基材12から分離させる。なお、支持基材12に対する保護層16の密着力が小さい場合や、支持基材12に対する保護層16の接触面積が小さい場合、剥離層14の側部14eが保護層16によって覆われ、かつ保護層16が支持基材12に接触していたとしても、剥離層14を溶解させることによって、デバイス層20が支持基材12から分離され得る。従って、保護層16のうち剥離層14の側部14eを覆う部分を除去する工程は、実施されない場合もある。
本実施の形態においては、剥離層14を構成する材料として、塩化ナトリウムなどの無機化合物が用いられ、溶解用流体として、水または水蒸気が用いられる。このため、水素などのガスを発生させることなく、若しくは水素などのガスの発生を抑制しながら、剥離層14を溶解させることができる。このため、より安全な環境下で分離工程を実施することができる。また、塩化ナトリウムなどの無機化合物の塩は、潮解などによって水または水蒸気に迅速に溶解することができる。このため、分離工程に要する時間を短縮することができる。また、ポーラス材料で構成された上述の第1中間層17や第2中間層18が設けられている場合、剥離層14の溶解を、剥離層14の第1面14a側や第2面14b側から進行させることができる。これによって、分離工程に要する時間をさらに短縮することができる。
次に図6A〜図6Fを参照して、剥離層14上にデバイス層20を形成するデバイス層形成工程について詳細に説明する。なお図6A〜図6Fにおいては、支持基材12が省略されている。
はじめに図6Aに示すように、剥離層14上に絶縁層21を形成する絶縁層形成工程を実施する。例えば、はじめに、絶縁層21を構成する絶縁性材料を含む塗布液を剥離層14上に塗布する。次に、剥離層14上に塗布された塗布液を加熱する焼成工程を実施することにより、塗布液を硬化させ、剥離層14上に絶縁層21を形成する。絶縁層21の厚みは、例えば5μm〜30μmの範囲内になっている。
なお、塗布液を硬化させるための方法が、上述の焼成に限られることはない。例えば、剥離層14上に塗布された塗布液に光または電子線を照射することにより、塗布液を硬化させてもよい。光が照射される場合、塗布液に含まれる絶縁性材料としては、感光性を有するものが採用される。
次に図6Bに示すように、絶縁層21に複数の貫通孔22を形成する貫通孔形成工程を実施する。貫通孔22を形成する方法は特には限られないが、例えば、絶縁層21にレーザー光を照射して貫通孔22を形成することができる。貫通孔22の直径は、例えば60μm〜100μmの範囲内になっている。また、隣接する2つの貫通孔22の間の間隔、すなわち貫通孔22の配列ピッチは、例えば150μm〜200μmの範囲内になっている。
次に図6Cに示すように、絶縁層21のうち後に導電層23が設けられない部分がレジスト層27によって覆われるようレジスト層27を形成するレジスト層形成工程を実施する。例えば、はじめに、ネガ型の感光性を有するレジスト層27を剥離層14の全域にわたって剥離層14上に形成する。次に、絶縁層21のうち後に導電層23が設けられない部分に位置するレジスト層27に光を照射する。その後、レジスト層27を現像することにより、図6Cに示すレジスト層27を得ることができる。なおレジスト層27として、ポジ型の感光性を有するものが用いられてもよい。
次に、導電層23を構成するための導電性材料を含むめっき液を絶縁層21上に供給するめっき処理工程を実施する。これによって、図6Dに示すように、貫通孔22の内部に位置する第1部分24と、絶縁層21の第1面21x上に位置する第2部分25と、を含む導電層23を形成することができる。なお第1部分24は、絶縁層21の第1面21x側と第2面21y側との間における電気的な導通を確保するよう、少なくとも貫通孔22の壁面に設けられていればよい。
なお図示はしないが、レジスト層形成工程やめっき処理工程の前に、めっき液からの導電層23の析出を促進するためのシード層を絶縁層21上に形成するシード層形成工程を実施してもよい。
次に図6Eに示すように、アルカリ性溶液などの除去液を供給することによって、レジスト層27を除去する。このようにして、絶縁層21および導電層23を含む第1層31を形成することができる。その後、第1層31の形成工程の場合と同様にして、第1層31上に第2層32を形成し、第2層32上に第3層33を形成する。このようにして、図6Fに示すように、第1層31、第2層32および第3層33を含むデバイス層20を剥離層14上に形成することができる。
(分離工程)
次に、積層体11のデバイス層20を支持基材12から分離させる分離工程について説明する。図7は、長尺状の積層体11のデバイス層20を支持基材12から分離するための分離装置50を示す図である。図7に示すように、分離装置50は、積層体11を搬送しながら、保護層16の少なくとも一部を破壊し剥離層14を露出させる保護層破壊部58と、露出した剥離層14に向けて溶解用液体53を吐出する吐出部52と、溶解用液体53が剥離層14の先端部14dに接触する位置において支持基材12に接する第1ローラー54と、溶解用液体53が剥離層14の先端部14dに接触する位置においてデバイス層20に接する第2ローラー55と、を備えている。また分離装置50は、支持基材12を巻き取る第1巻取部56、および、支持基材12から分離されたデバイス層20を巻き取る第2巻取部57をさらに備えていてもよい。
分離工程においては、はじめに、可撓性を有する長尺状の積層体11が巻き取られた巻回体10を準備する。次に、巻回体10から積層体11を巻き出して、積層体11の長尺方向に沿って積層体11を搬送する。その後、積層体11を搬送しながら、長尺方向における積層体11の剥離層14の先端部14dを保護している保護層16を保護層破壊部58によって破壊し、剥離層14の先端部14dを露出させる。その後、露出した剥離層14の先端部14dに溶解用液体53を接触させることにより、剥離層14を溶解させて、デバイス層20を支持基材12から分離させる。以下の説明において、剥離層14の先端部14dに溶解用液体53が接触する位置のことを、溶解位置とも称する。
溶解用液体53としては、剥離層14を溶解することができるものが用いられる。例えば、剥離層14がアルミニウムを含む場合、溶解用液体53として関東化学社製のエッチング液 KSMF-200を用いることができる。また、剥離層14が銀を含む場合、溶解用液体53として関東化学社製のエッチング液 SEA-4を用いることができる。好ましくは、剥離層14および溶解用液体53の組み合わせは、分離工程の際にデバイス層20に与えられるダメージが無く、または小さく、かつ容易に剥離層14が溶解し得るよう選択される。
図7に示すように、分離装置50は、溶解位置よりも下流側において支持基材12が搬送される第1搬送方向D3と、溶解位置よりも下流側においてデバイス層20が搬送される第2搬送方向D4とが互いに異なるよう、構成されている。例えば、支持基材12の先端部が第1巻取部56に固定され、一方、デバイス層20の先端部が、第1巻取部56とは異なる第2巻取部57に固定されている。このため、第1巻取部56および第2巻取部57を用いて支持基材12およびデバイス層20をそれぞれ巻き取りながら、溶解位置において剥離層14の先端部14dに溶解用液体53を接触させることにより、搬送方向D1に沿って連続的に剥離層14を溶解させ、これによってデバイス層20を支持基材12から連続的に分離することができる。なお図示はしないが、支持基材12の先端部およびデバイス層20の先端部を第1巻取部56および第2巻取部57に固定する作業を容易化するため、積層体11は、積層体11の先端部に、一定範囲にわたって剥離層14が存在しないよう構成されていてもよい。
好ましくは図8に示すように、分離工程において、溶解用液体53は、積層体11の剥離層14の先端部14dよりも上方から、剥離層14の先端部14dへ供給される。この場合、図8に示すように、剥離層14の先端部14dに供給された溶解用液体53を、支持基材12とデバイス層20との間に安定に保持することができる。すなわち、剥離層14の先端部14dに接触する溶解用液体53の液だまりを形成することができる。これによって、溶解用液体53を効率的に剥離層14の先端部14dに接触させることができる。このことにより、デバイス層20を支持基材12からより効率良く分離することができる。
なお「剥離層14の先端部14d」とは、デバイス層20を支持基材12から分離するために溶解されるべき剥離層14の先端部を意味している。従って、例えば図7に示すように、分離工程の際に剥離層14が完全には溶解できず、デバイス層20上に剥離層14の一部が残っている場合であっても、「剥離層14の先端部14d」は、デバイス層20上に部分的に残っている剥離層14よりも上流側に位置し、かつデバイス層20と支持基材12との間に位置する剥離層14の先端部になる。
その後、支持基材12から分離されたデバイス層20に、図1に示す上述の端子28などのその他の構成要素を取り付ける。また、長尺状のデバイス層20を適切な寸法に分断する。このようにして、図1に示す上述のパッケージ基板38などのデバイスを製造することができる。
本実施の形態によれば、上述のように、搬送されている積層体11の剥離層14の先端部14dに溶解用液体53を接触させることにより、剥離層14を溶解させる。このため、溶解位置を起点としてデバイス層20を支持基材12から連続的に分離することができる。従って、長尺状のデバイス層20を効率良く得ることができる。
また本実施の形態によれば、デバイス層20を形成するデバイス形成工程の間、デバイス層20の絶縁層21や導電層23は、支持基材12および剥離層14によって支持されている。ここで支持基材12は、ガラスや金属などの、絶縁層21よりも高い耐熱性を有する材料を含んでいる。このため、支持基材12を搬送しながら実施される焼成工程などにおいてデバイス層20やデバイス層20の中間製品が加熱される場合であっても、伸びや湾曲などの変形がデバイス層20やデバイス層20の中間製品に生じてしまうことを抑制することができる。従って、高い寸法精度を有するデバイス層20を得ることができる。このように、デバイス形成工程における剛性が支持基材12によって確保されるので、例えばデバイス層20がパッケージ基板38を構成するためのものである場合、いわゆるコアレスタイプのパッケージ基板38を作製することが可能になる。ここでコアレスタイプとは、パッケージ基板の機械的な強度を確保するために用いられてきたガラスエポキシ層などの芯材を用いないタイプのパッケージ基板のことである。コアレスタイプによれば、芯材を用いないことにより、パッケージ基板全体の厚みを低減することができる。
また本実施の形態によれば、溶解用液体53は、分離工程の際、搬送されている積層体11の剥離層14の先端部14dにさらされる。従って、溶解用液体53がデバイス層20に接触しないように、またはほとんど接触しないように、分離工程を実施することが可能である。このため、デバイス層20の構造や材料が、溶解用液体53や後述する溶解用気体などの溶解用流体のタイプに応じて制限されてしまうことを抑制することができる。例えば、剥離層14の第2面14b上に隙間なくデバイス層20を形成することや、剥離層14の第2面14bの全域にわたってデバイス層20を形成することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
図9に示すように、支持基材12は、ガラス、金属またはシリコンを含む第1基材12aに加えて、第1基材12aに積層され、樹脂を含む第2基材12bをさらに有していてもよい。これによって、第1基材12aがガラスなどの脆い材料を含み、このため積層体製造工程の際に第1基材12aに割れなどの破断が生じた場合であっても、第1基材12aが分解してしまうことを抑制することができる。これによって、積層体製造工程の際にデバイス層20やその中間製品をより安定に支持することができる。第2基材12bを構成する樹脂としては、例えばポリイミドなどを用いることができる。
なお図9においては、第2基材12bが、第1基材12aの第2面12y側に設けられる例が示されているが、これに限られることはない。図示はしないが、第2基材12bは、第1基材12aの第1面12x側に設けられていてもよい。また、第2基材12bが第1基材12aの第1面12x側および第2面12y側の両方に設けられていてもよい。なお第1面12xとは、第1基材12aの面のうち剥離層14側に位置する面である。また第2面12yとは、第1面12xの反対側に位置する面である。
また図9においては中間層の記載は省略してある。
(第2の変形例)
上記においては、積層体11が長尺状の場合を例に挙げて説明したが、本願の実施形態は当該長尺状の場合に限定されることはなく、図10に示すように、積層体が枚葉状、あるいはシート状であってもよい。ここで積層体が枚葉状あるいはシート状である場合におけるその大きさについては特に限定されることはなく、所定の規格に準拠した大きさであってもよく、当該規格外の大きさであってもよい。また、その形状についても特に限定されることはなく、矩形状であってもよく、その他の形状であってもよい。また、その材質についても特に限定されることはなく、可撓性は必ずしも必要ではなく、ガラス板や各種樹脂板などを用いてもよい。なお、図10においては、中間層の記載は省略されている。
また、積層体11が枚葉状あるいはシート状である場合における分離工程は、図11に示すように、溶解用気体53が封入された溶解室90内に枚葉状あるいはシート状の積層体11を載置することで行われてもよい。
(第3の変形例)
上述の本実施の形態においては、分離工程の際に溶解用液体53を用いて剥離層14を溶解させる例を示した。しかしながら、剥離層14の先端部14dに接触することができる限りにおいて、剥離層14を溶解させるための溶解用流体の形態が液体に限られることはない。例えば、剥離層14を溶解させるための溶解用流体として、二フッ化キセノン(XeF2)ガスなどの溶解用気体を用いてもよい。本明細書において、「溶解用流体」および「溶解用気体」とは、デバイス層20を支持基材12から分離させる分離工程の際に剥離層14に接触させて剥離層14を溶解するための流体および気体のことである。
分離工程の際、剥離層14の第1面14a側には支持基材12が存在し、剥離層14の第2面14b側にはデバイス層20が存在している。従って溶解用流体は、剥離層14の第1面14aおよび第2面14bには接触せず、剥離層14の先端部14dまたは側部14eに接触する。このため、剥離層14の厚みが小さい場合、剥離層14に対する溶解用流体の接触面積も小さくなる。従って、溶解用流体として溶解用液体53が用いられる場合、剥離層14の溶解速度が、剥離層14の化学反応の速度ではなく、溶解用液体53や溶解用液体53に溶解した剥離層14の構成物質の移動速度によって律速される可能性がある。この場合、剥離層14を薄くすること、例えば剥離層14の厚みを100nm以下にすることは困難である。
一方、気体は一般に液体よりも速く移動することができる。このため、溶解用流体として溶解用気体を用いる場合、剥離層14の溶解速度が溶解用流体の移動速度によって律速される可能性を低くすることができる。従って、剥離層14を薄くすること、例えば剥離層14の厚みを100nm以下にすることが容易になる。これによって、分離工程に要する時間を短縮することができる。
その他にも、積層体11の耐熱性が確保され得る限りにおいて、剥離層14を溶解させるための溶解用流体として、プラズマが用いられてもよい。例えば後述するように、剥離層14が水に対する溶解性を有する場合、溶解用流体としてプラズマ状態の水が用いられてもよい。
(第5の変形例)
上述の本実施の形態においては、溶解用流体を用いた剥離層14の溶解が、剥離層14の化学反応を伴う例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、溶解用流体を用いた剥離層14の溶解が主に、剥離層14が化学的に安定な状態を維持しながら生じてもよい。例えば、溶解用流体として、水や有機溶剤などの溶媒を用い、剥離層14を構成する材料として、溶媒に対する溶解性を有するものを用いてもよい。この場合、剥離層14を溶解させてデバイス層20を支持基材12から分離する分離工程の際に、水素などのガスが発生しない。若しくは水素などのガスの発生を抑制することができる。このため、より安全な環境下で分離工程を実施することができる。
有機溶剤としては、メタノールやエタノールなどのアルコール、アセトン、ヘキサンなどを用いることができる。溶解用流体として有機溶剤が用いられる場合、剥離層14を構成する材料としては、例えば、アルコールに対する溶解性を有するカルシウムなどを用いることができる。剥離層14の厚みは、例えば5nm〜50nmの範囲内になっている。
なおカルシウムは、水に対する溶解性も有している。従って、溶解用流体として水が用いられる場合に、剥離層14を構成する材料としてカルシウムを用いてもよい。
溶解用流体として水が用いられる場合、剥離層14を構成する材料としては、水に対する溶解性を有する無機化合物を用いることができる。特に、潮解によって水や水蒸気に溶解する無機化合物の塩またはホウ素を含む化合物が好ましい。なお塩とは、酸に含まれている水素イオンの全部または一部が金属イオンなどの陽イオンで置換された無機化合物のことである。水に対する溶解性を有する無機化合物の塩の例としては、塩酸の塩、ヨウ化水素酸の塩、フッ化水素酸の塩、臭化水素酸の塩、硫酸の塩、炭酸の塩、硝酸の塩などを挙げることができる。塩酸の塩の例としては、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムなどを挙げることができる。ヨウ化水素酸の塩の例としては、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化カルシウムなどを挙げることができる。フッ化水素酸の塩の例としては、フッ化銀、フッ化ナトリウムなどを挙げることができる。臭化水素酸の塩の例としては、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウムなどを挙げることができ、ホウ素を含む化合物としては、3酸化2ホウ素、4ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、4ホウ酸カリウムが挙げられる。特に、ホウ素を含む化合物によって剥離層14が構成される場合、ハロゲンイオン等の、デバイス層20を腐食させ得るイオンが剥離層14の溶解時に発生しないため、デバイス層20に対する信頼性を確保する上でも好ましい。また、ホウ素を含む化合物によって剥離層14が構成される場合、水に溶解した剥離層14を含む水溶液が毒性を有さないので、廃液処理が容易であり、また環境負荷や人体への危険性も低い。剥離層14の厚みは、例えば5nm〜50nmの範囲内になっている。好ましくは、剥離層14を構成する材料として、十分な耐熱性を有するものが用いられる。例えば、300℃以上の融点を有する材料が用いられ、より好ましくは、500℃以上の融点を有する材料が用いられる。
なお、剥離層14を構成する材料の融点が高すぎると、剥離層14の形成方法が制約され、積層体11の製造効率が低下してしまうと考えられる。この観点からは、剥離層14を構成する材料として、好ましくは、1500℃以下の融点を有する材料が用いられ、より好ましくは、1000℃以下の融点を有する材料が用いられる。これによって、例えば、抵抗加熱法を利用した真空蒸着法を用いて剥離層14を形成することが可能になる。
以下、本明細書における「溶解性」の定義の一例について説明する。具体的には、ある物質がある溶媒に対する溶解性を有するかどうかを判定する方法について、図12を参照して説明する。はじめに、ガラスなどの支持部材61と、支持部材61上に設けられ、溶解性の判定対象である物質からなる試験層62と、を有するサンプル60を準備する。試験層62の寸法は、長さ70mm、幅10mm、厚み700μmとする。次に、所定の時間にわたってサンプル60を、容器64に収容された液体状の溶媒63に部分的に浸漬させる。時間は、例えば24時間とする。溶媒63の温度は、溶媒の沸点よりも10℃低い温度に設定する。例えば、溶媒63が水である場合、溶媒63の温度を90℃に設定する。また、溶媒63がメタノールである場合、溶媒63の温度を54.7℃に設定する。また、溶媒63がエタノールである場合、溶媒63の温度を68.4℃に設定する。溶媒63の温度を一定に維持する方法は特には限られないが、例えば図12に示すように、ホットプレート65を用いて溶媒63を加熱する。図12において、符号L1は、試験層62のうち液体状の溶媒63に浸漬されている部分の長さを表し、符号L2は、試験層62のうち溶媒63の液面から上方に露出している部分の長さを表している。L1:L2は例えば1:1にする。容器64としては、例えば容量が110mlのものを用いる。
上述のように溶媒63の温度が溶媒の沸点の近くに設定されているので、試験層62のうち溶媒63の液面から上方に露出している部分の周囲には、溶媒63の蒸気が、大気圧に近い蒸気圧で存在する。従って、試験層62の溶解は、試験層62のうち液体状の溶媒63に浸漬されている部分だけでなく、試験層62のうち溶媒63の液面から上方に露出している部分においても生じ得る。
サンプル60を液体状の溶媒63に部分的に浸漬させてから24時間経過した後、試験層62の面積を測定する。そして、試験層62の面積が、サンプル60を溶媒63に浸漬させる前の試験層62の面積の70%以下になっている場合、試験層62を構成する物質が溶媒63に対する溶解性を有すると判断する。一方、試験層62の面積が、サンプル60を溶媒63に浸漬させる前の試験層62の面積の70%よりも大きくなっている場合、試験層62を構成する物質が溶媒63に対する溶解性を有さないと判断する。なお本明細書において、「剥離層14がアルコールに対する溶解性を有する」とは、剥離層14がメタノールまたはエタノールの少なくともいずれかに対する溶解性を有することを意味している。
なお上述の溶解性の判定方法は、上述の本実施の形態におけるエッチング液など、化学反応によって剥離層14を溶解させるタイプの溶解用流体においても採用され得る。例えば本明細書において、「酸に対する溶解性」とは、溶媒63として0.2重量%の塩酸および2重量%の塩化鉄(塩化第一鉄または塩化第二鉄)を含む酸性溶液を用いた場合に、試験層62の面積が当初の70%以下になることを意味している。溶解用流体として酸性の液体や気体が用いられる場合、剥離層14を構成する材料として、酸に対する溶解性を有する金属が用いられ得る。
その他にも、「溶解性」は、ある物質が一定の量の溶媒に溶ける限界量、いわゆる溶解度に基づいて定義されてもよい。例えば、「水に対する溶解性」とは、分離工程で用いられる水に対する物質の溶解度が、少なくとも1g/100g−H2O以上であること、より好ましくは10g/100g−H2O以上であることを意味していてもよい。若しくは、「水に対する溶解性」とは、20℃の水に対する物質の溶解度が少なくとも1g/100g−H2O以上であること、より好ましくは10g/100g−H2O以上であることを意味していてもよい。剥離層14の溶解度を1g/100g−H2O以上に設定することにより、分離工程の際に剥離層14を迅速に溶解させることができ、これによって、分離工程に要する時間を短縮することができる。
(その他の変形例)
また上述の本実施の形態および各変形例において、デバイス層形成工程の後、分離工程の前に、デバイス層20のうち支持基材12に対向する側とは反対の側に、何らかの支持用部材を取り付けてもよい。この場合、分離工程の際にデバイス層20に加えられる力に起因してデバイス層20が変形してしまうことを、支持用部材の剛性に基づいて抑制することができる。このような支持用部材は、デバイス層20を支持基材12から分離した後、デバイス層20から剥離されてもよい。
また上述の本実施の形態においては、支持基材12から分離された後のデバイス層20が第2巻取部57によって巻き取られる例を示したが、これに限られることはない。例えば、支持基材12から分離された後のデバイス層20を巻き取ることなく、デバイス層20を適切な寸法に分断して、パッケージ基板38などのデバイスを得てもよい。
また上述の本実施の形態においては、積層体製造装置40によって製造された積層体11を巻き取って巻回体10を作製し、その後、分離装置50において巻回体10から積層体11を巻き出す例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、積層体製造装置40によって製造した積層体11を巻き取ることなく、分離装置50において積層体11のデバイス層20を支持基材12から分離する分離工程を実施してもよい。すなわち、積層体形成工程と分離工程とを、1つの製造ラインで連続的に実施してもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
<デバイス層製造用の積層体およびデバイス層製造用の準備体>
また、上記<積層体の製造方法>によって製造された長尺状の積層体、もしくは枚葉状あるいはシート状の積層体が、本発明の実施形態にかかるデバイス層製造用の積層体であり、上記<積層体の製造方法>において、デバイス層が形成される前段階、つまり支持基材の面上に剥離層が配置された段階のものが、本発明の実施形態にかかるデバイス層製造用の準備体である。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
後述する実施例A1〜A4においては、保護層16によって剥離層14を適切に保護できるかどうかを評価した。後述する実施例B1〜B4においては、剥離層14が水に適切に溶解するかどうかを評価した。後述する実施例C1、C2においては、第1基材12aに対する剥離層14の密着性を評価した。
(実施例A1)
はじめに、第1基材12aと、第1基材12aに積層された剥離層14と、剥離層14の第2面14bおよび側部14eを覆う保護層16と、を含む評価用積層体を準備した。この評価用積層体は、図8に示す層構成を有する積層体11からデバイス層20を取り除いたものに相当する。第1基材12aとしては、ガラスを用いた。剥離層14としては、厚み20nmのカルシウムからなる層を用いた。保護層16としては、厚み200nmのアルミニウムを含むものを用いた。
次に、評価用積層体の周囲環境を、24時間にわたって、水蒸気を含む環境とした。周囲環境の相対湿度は40%とした。また、周囲環境の温度は25℃とした。その後、評価用積層体の第1基材12aを介して剥離層14を観察し、剥離層14の表面に溶解の痕跡があるかどうかを確認した。結果、溶解の痕跡は存在していなかった。
(実施例A2)
はじめに、第1基材12aと、第1基材12aに積層された剥離層14と、剥離層14の第2面14bおよび側部14eを覆う保護層16と、第1基材12aと剥離層14との間に配置された第1中間層17と、剥離層14と保護層16との間に配置された第2中間層18と、を含む評価用積層体を準備した。この評価用積層体は、図11に示す層構成を有する積層体11からデバイス層20を取り除いたものに相当する。第1基材12aとしては、ガラスを用いた。剥離層14としては、厚み10nmの塩化ナトリウムからなる層を用いた。保護層16としては、厚み200nmのアルミニウムを含むものを用いた。第1中間層17としては、厚み10nmのカルシウムからなる層を用いた。第2中間層18としては、厚み20nmのカルシウムからなる層を用いた。
次に、実施例A1の場合と同様にして、評価用積層体の周囲環境を、24時間にわたって、水蒸気を含む環境とした。その後、評価用積層体の第1基材12aを介して剥離層14を観察し、剥離層14の表面に溶解の痕跡があるかどうかを確認した。結果、溶解の痕跡は存在していなかった。
(実施例A3)
剥離層14として、厚み10nmの塩化ナトリウムからなる層を用いたこと以外は、実施例A1の場合と同様にして、剥離層14が溶解するかどうかを評価した。結果、剥離層14の表面に、溶解の痕跡が部分的に存在していた。
(実施例A4)
剥離層14として、厚み20nmの塩化ナトリウムからなる層を用い、第2中間層18として、厚み10nmのカルシウムからなる層を用いたこと以外は、実施例A2の場合と同様にして、剥離層14が溶解するかどうかを評価した。結果、剥離層14の表面に、溶解の痕跡が部分的に存在していた。
実施例A1から分かるように、剥離層14を構成する材料としてカルシウムが用いられる場合、第1中間層17および第2中間層18が設けられていない場合であっても、剥離層14に溶解が生じていなかった。一方、実施例A3から分かるように、剥離層14を構成する材料として塩化ナトリウムが用いられ、かつ第1中間層17および第2中間層18が設けられていない場合、剥離層14に溶解が生じていた。また実施例A4から分かるように、第1中間層17および第2中間層18が設けられていても、剥離層14の厚みが大きい場合、剥離層14に溶解が生じていた。従って、剥離層14を構成する材料として塩化ナトリウムが用いられる場合、第1中間層17や第2中間層18を設け、かつ剥離層14の厚みを小さくすること、例えば20nm未満、より好ましくは10nm以下にすることが好ましいと言える。
(実施例B1)
はじめに、実施例A1と同一の層構成を有し、かつ保護層16のうち剥離層14の一対の側部14eを覆う部分を除去した評価用積層体からなるサンプルを準備した。サンプルにおける剥離層14の寸法は、長さ70mm、幅10mmとした。次に、図10に示す溶解性の評価方法の場合と同様にして、水からなる溶媒63にサンプルを部分的に浸漬させた。溶媒63の温度は85℃とした。上述のL1:L2は1:1とした。
サンプルを水からなる溶媒63に部分的に浸漬させた後、剥離層14が溶解されるかどうかを観察した。結果、剥離層14の溶解は、目視で確認できる程度には生じなかった。
(実施例B2)
はじめに、実施例A2と同一の層構成を有し、かつ保護層16のうち剥離層14の一対の側部14e、第1中間層17の一対の側部17eおよび第2中間層18の一対の側部18eを覆う部分を除去した評価用積層体からなるサンプルを準備した。サンプルにおける剥離層14の寸法は、長さ70mm、幅10mmとした。次に、図10に示す溶解性の評価方法の場合と同様にして、水からなる溶媒63にサンプルを部分的に浸漬させた。溶媒63の温度は23℃とした。上述のL1:L2は1:1とした。
サンプルを水からなる溶媒63に部分的に浸漬させた後、長さ方向に沿って剥離層14の溶解が下方から上方へ進行する様子を観察した。結果、10秒間の間に、長さ方向に沿って30mmにわたって剥離層14の溶解が生じていた。
(実施例B3)
溶媒63の温度を60℃としたこと以外は、実施例B2の場合と同様にして、剥離層14に生じる溶解を観察した。結果、2秒間の間に、長さ方向に沿って30mmにわたって剥離層14の溶解が生じていた。
(実施例B4)
溶媒63の温度を85℃としたこと以外は、実施例B2の場合と同様にして、剥離層14に生じる溶解を観察した。結果、2秒間の間に、長さ方向に沿って30mmにわたって剥離層14の溶解が生じていた。
実施例B1から分かるように、カルシウムによって剥離層14が構成されている場合、水を用いて剥離層14を短時間で溶解させることはできなかった。従って、短時間で剥離層14を溶解させることが求められる場合、カルシウムではなく、塩化ナトリウムなどの無機化合物を用いて剥離層14を構成することが好ましいと言える。
実施例B2から分かるように、塩化ナトリウムによって剥離層14が構成されている場合、23℃の水で迅速に剥離層14を溶解させることができた。また、実施例B3、B4から分かるように、水の温度を高めることにより、より短時間で剥離層14を溶解させることができた。
(実施例C1)
はじめに、実施例A2と同一の層構成を有する評価用積層体を準備した。次に、評価用積層体の周囲環境を、24時間にわたって、水蒸気を含む環境とした。その後、1N/10mmの粘着力を有する、幅1cm、長さ10cmの粘着テープを、評価用積層体の保護層16に貼り付けた。次に、粘着テープを評価用積層体から剥がした。この際、保護層16は、評価用積層体側に留まっていた。すなわち保護層16は剥がれなかった。
(実施例C2)
評価用積層体として、実施例A3と同一の層構成を有する評価用積層体を用いたこと以外は、実施例C1の場合と同様にして、評価用積層体の保護層16に貼り付けた粘着テープを剥がした。結果、粘着テープとともに保護層16および剥離層14が第1基材12aから剥がれた。
実施例C1、C2から分かるように、第1基材12aと剥離層14との間にカルシウムからなる第1中間層17を配置することにより、塩化ナトリウムなどの水に対する溶解性を示す無機化合物によって剥離層14が構成されている場合であっても、第1基材12aに対する剥離層14の密着性を十分に確保することができた。従って、第1基材12aに対する剥離層14の密着性が必要となる場合、水に対する溶解性を有する剥離層14と第1基材12aとの間に、カルシウムなどの、水との反応性を有し、かつ水との反応生成物が水に対する溶解性を有さない物質からなる第1中間層17を配置することが好ましいと言える。なお、カルシウムと水との反応生成物である水酸化カルシウムの、20℃の水に対する溶解度は、1g/100g−H2O未満である。
10 巻回体
11 積層体
12 支持基材
12a 第1基材
12b 第2基材
12e 側部
14 剥離層
14d 先端部
14e 側部
16 保護層
17 第1中間層
18 第2中間層
20 デバイス層
20e 側部
21 絶縁層
22 貫通孔
23 導電層
31〜33 第1層〜第3層
35 半導体チップ
38 パッケージ基板
40 積層体製造装置
50 分離装置
52 吐出部
53 溶解用液体
60 サンプル
61 支持部材
62 試験層
63 溶媒
64 容器
65 ホットプレート

Claims (9)

  1. 第1基材を少なくとも有する支持基材と、前記支持基材に積層され、少なくとも絶縁層および導電層を含むデバイス層と、前記支持基材と前記デバイス層との間に配置された剥離層と、前記剥離層の少なくとも一部と接触する位置に配置された中間層と、を備える積層体を準備する、準備工程と、
    前記剥離層に流体を接触させることにより、前記剥離層を溶解させて、前記デバイス層を前記支持基材から分離する分離工程と、を備える、ことを特徴とするデバイス層製造方法。
  2. 前記中間層が、前記流体と反応性を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス層製造方法。
  3. 前記中間層が、前記流体をその内部に流通可能な構造を有していることを特徴とする請求項1に記載のデバイス層製造方法。
  4. 第1基材を少なくとも有する支持基材と、前記支持基材に積層され、少なくとも絶縁層および導電層を含むデバイス層と、前記支持基材と前記デバイス層との間に配置された剥離層と、前記剥離層の少なくとも一部と接触する位置に配置された中間層と、を備えることを特徴とするデバイス層製造用の積層体。
  5. 前記中間層が、前記流体と反応性を有することを特徴とする請求項4に記載のデバイス層用の積層体。
  6. 前記中間層が、前記流体をその内部に流通可能な構造を有していることを特徴とする請求項4に記載のデバイス層用の積層体。
  7. 第1基材を少なくとも有する支持基材と、前記支持基材の面上に配置され剥離層と、前記剥離層の少なくとも一部と接触する位置に配置された中間層と、を備えることを特徴とするデバイス層形成用の準備体。
  8. 前記中間層が、前記流体と反応性を有することを特徴とする請求項7に記載のデバイス層用の準備体。
  9. 前記中間層が、前記流体をその内部に流通可能な構造を有していることを特徴とする請求項7に記載のデバイス層用の準備体。
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