JP2017037722A - 電気部品用ソケット - Google Patents
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Abstract
【課題】1つの電気部品用ソケットに複数種類の厚さの電気部品を収容できる電気部品用ソケットを提供する。【解決手段】ICパッケージ3,6が収容されるフローティングプレート55を有するソケット本体20と、ソケット本体20に対して回動自在に設けられ、フローティングプレート55上を開閉するカバー部材30とを有し、カバー部材30は、ソケット本体20に回動自在に設けられた枠体31と、これに支持され、カバー部材30の閉時に収容されたICパッケージ3,6を押圧する押圧部材32とを有し、カバー部材30の閉時における、フローティングプレート55に対する押圧部材32の高さ位置を調整する調整機構70を有しており、調整機構70は、カバー部材30の基端側と先端側とを結ぶ方向にスライド移動するスライド部材71を有し、これをスライド移動させることで、押圧部材32の高さ位置を調整するように構成されているICソケット10。【選択図】図1
Description
この発明は、配線基板上に配設され、半導体装置(以下「ICパッケージ」という)等の電気部品の試験等を行うため、この電気部品を収容する電気部品用ソケットに関するものである。
従来、この種の「電気部品用ソケット」としては、「電気部品」であるICパッケージを着脱自在に収容するICソケットがある(特許文献1参照)。
そのICパッケージとしては、例えば方形状のパッケージ本体を有し、このパッケージ本体に端子が設けられている。
一方、そのICソケットは、ソケット本体にICパッケージが収容されるようになっていると共に、このソケット本体にカバー部材が開閉自在に設けられ、このカバー部材を閉じた状態で、ICパッケージが押圧されると共に、このICパッケージの端子がコンタクトピンに接触されるようになっている。
また、このカバー部材は、ソケット本体に回動自在に取り付けられた枠体と、この枠体の内側に支持され、ICパッケージを押圧する押圧部材とを有している。
しかしながら、従来のものにあっては、カバー部材を閉じたときの収容部と押圧部材との間の高さ関係は、収容することが予め定められた特定のICパッケージに合わせて予め定められているため、1つのICソケットに対して、厚さの異なる他のICパッケージを収容することはできないようになっていた。そのため、厚さの異なる複数種類のICパッケージの試験を行うためには、厚さを調整する調整部品を別途用意して取り付けるか、ICソケット自体を変更する必要があり、取扱いが煩雑になったり、コストが高くなったりする問題が生じていた。
そこで、この発明は、1つの電気部品用ソケットに複数種類の厚さの電気部品を収容することができる電気部品用ソケットを提供することを課題としている。
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、配線基板上に配設され、電気部品が収容される電気部品用ソケットであって、前記配線基板上に配設され、前記電気部品が収容される収容部を有するソケット本体と、該ソケット本体の一端側に回動自在に基端側が取り付けられ、前記収容部上に収容された前記電気部品を閉じた状態で押圧するカバー部材とを有し、該カバー部材は、前記ソケット本体に回動自在に設けられた枠体と、該枠体に支持され、前記カバー部材の閉時に前記収容部に収容された前記電気部品を押圧する押圧部材とを有し、前記カバー部材の閉時における、前記収容部に対する前記押圧部材の高さ位置を調整する調整機構を有しており、該調整機構は、前記カバー部材の前記基端側と先端側とを結ぶ方向にスライド移動するスライド部材を有していて、該スライド部材をスライド移動させることで、前記押圧部材の高さ位置を調整するように構成されている電気部品用ソケットとしたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加えて、前記調整機構は、前記スライド部材が少なくとも第1位置と第2位置に保持される構成となっており、前記第1位置と前記第2位置で前記収容部に対する前記押圧部材の高さ位置が変更されることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明に加えて、前記押圧部材を前記枠体に支持する軸を有し、前記調整機構は、前記軸に回動自在に設けられて前記押圧部材の両側を押圧する一対のカム部材と、前記スライド部材と、一端部が前記カム部材に連結されて他端部が前記スライド部材に連結された一対のリンク部材とを有しており、該スライド部材をスライド移動させたときに前記リンク部材を介して前記カム部材が回動するようになっており、前記スライド部材が前記第1位置と前記第2位置のいずれにあるかで、前記カム部材により前記収容部に対する前記押圧部材の高さ位置を変更可能に構成していることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明に加えて、前記調整機構には、前記第1位置及び前記第2位置に保持された前記スライド部材の動きを規制する状態保持機構を有していることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、カバー部材の閉時における、ソケット本体の収容部に対するカバー部材の押圧部材の高さ位置を調整する調整機構を有していることで、1つの電気部品用ソケットに複数種類の厚さの異なる電気部品を収容することができ、それぞれの厚さの電気部品に対して適切な接圧で保持することができる。これにより、厚さの異なる複数種類の電気部品を収容する場合に、電気部品用ソケットを変更したり、特別な調整部品を取り付けたりする必要がなくなるため、電気部品用ソケットの取扱いが容易になり、コストも抑えることができる。また、スライド部材をカバー部材の基端側と先端側とを結ぶ方向にスライド移動させることで押圧部材の高さ位置を調整できるため、操作が簡単で、かつ、調整機構の一部が押圧部材の上を移動しないので、押圧部材の上に何らかの装置が載っている場合等でも、当該装置が邪魔にならずに高さ位置の調整を行うことができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、スライド部材が押圧部材の高さ位置を変更できる第1位置と第2位置に保持される構成となっているため、押圧部材を確実に所定の高さ位置に変更することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、調整機構が、軸に設けられた一対のカム部材と、スライド移動することでリンク部材を介してカム部材を回動させるスライド部材とを有しており、カム部材によって、押圧部材の高さ位置を変更するようになっているため、簡単な構造で、押圧部材を確実に所定の高さ位置に変更することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、調整機構に、第1位置及び第2位置に保持されたスライド部材の動きを規制する状態保持機構を有しているため、第1位置又は第2位置に保持されたスライド部材が意図せずに動いてしまうことを防止でき、これにより、押圧部材の高さ位置が勝手に変位してしまうことを防止することができる。
以下、この発明の実施の形態について説明する。
図1〜図12には、この発明の実施の形態を示す。
まず構成を説明すると、この実施の形態の「電気部品用ソケット」としてのICソケット10は、図1等に示すように、配線基板1上に配設されるようになっている。また、「電気部品」としての第1のICパッケージ3(図11参照)又は第2のICパッケージ6(図12参照)が収容されて、配線基板1の電極(図示省略)と第1のICパッケージ3の球状の端子(半田ボール)5又は第2のICパッケージ6の球状の端子(半田ボール)8とを電気的に接続させるように構成されている。そして、例えば第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6のバーンイン試験等に用いられるものである。
この実施の形態の第1のICパッケージ3は、平面視で方形状となっており、図11に示すように、所定の厚さH1を有するパッケージ本体4を有し、このパッケージ本体4の下面に球状の端子5がマトリックス状に複数突出して形成されている。
また、第2のICパッケージ6は、図12に示すように、パッケージ本体7の厚さH2が第1のICパッケージ3のパッケージ本体4の厚さH1より薄く形成されたものであり、パッケージ本体7の下面には球状の端子8が設けられている。
一方、ICソケット10は、図6〜図8に示すように、配線基板1上に固定され、図1,図3,図4,図6〜図8等に示すように、第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6を収容するソケット本体20と、当該ソケット本体20に回動自在に設けられ、後述するフローティングプレート55上を開閉し、第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6を押圧するカバー部材30と、このカバー部材30の閉時にロックするロック機構40とを有している。
より詳しくは、ソケット本体20は、図6等に示すように、配線基板1上に固定されて枠状に形成された枠部材21と、当該枠部材21の内側に設けられたコンタクトピン配設ユニット50とを有している。このコンタクトピン配設ユニット50は、図9に示すように、上側プレート51と下側プレート53と、当該上側プレート51に対して上方に付勢された状態で第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6を収容する「収容部」としてのフローティングプレート55とを有している。
また、図9に示すように、上側プレート51に設けられた複数の上側貫通孔52と下側プレート53に設けられた複数の下側貫通孔54とフローティングプレート55に設けられた複数の貫通孔57に、コンタクトピン60が挿通されて保持されており、これにより複数のコンタクトピン60がマトリックス状に配置されている。このコンタクトピン60は、第1のICパッケージ3の球状の端子5又は第2のICパッケージ6の球状の端子8の下面に接触すると共に、配線基板1の電極に電気的に接続されるようになっている。
各コンタクトピン60は、図9に示すように、第1のICパッケージ3の球状の端子5又は第2のICパッケージ6の端子8に接触する導電性金属材料からなる上側接触部材61と、配線基板1の電極に接触する導電性金属材料からなる下側接触部材62とが伸縮自在に組み合わされ、コイルスプリング63が上側接触部材61と下側接触部材62の間に配設されて、双方を伸長させる方向に付勢している。
そして、これらで構成されるコンタクトピン60が、上側貫通孔52及び下側貫通孔54内に、その上下方向に沿って挿入されている。また、上側接触部材61が、主に上側貫通孔52内で上下動するようになっており、下側接触部材62が、主に下側貫通孔54内で上下動するようになっている。
また、フローティングプレート55には、スプリング(図示省略)等により上方に付勢され、コンタクトピン60が挿通される貫通孔57(図9参照)が多数形成されると共に、図3,図4,図6に示すように、第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6の各角隅部をガイドするガイド部56が形成されている。
また、カバー部材30は、図3〜図6に示すように、枠体31と押圧部材32とを有している。このうち、枠体31は、ソケット本体20に対して回動自在に設けられた略方形状の部材であり、当該枠体31の基端側(図6における右端部)で、ソケット本体20の枠部材21の一端側に対して、略水平方向に沿って設けられた回動軸34を介して回動自在に取り付けられている。
また、押圧部材32は、図2,図6に示すように、枠体31内に支持された部材であり、枠体31の中央部(図6における中央部)で、回動軸34と略水平方向に沿って設けられている軸35に、所定量回動自在に支持されている。さらに、軸35に対して押圧部材32が所定量上下動可能となるように、軸35を挿通する押圧部材32側の挿通孔(図示省略)が上下方向を長手方向とする長孔に形成されている。
また、この押圧部材32は、図6,図7に示すように、フローティングプレート55に収容された第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6をカバー部材30の閉時に押圧するように下方に突出した、平面視で略方形状を呈する押圧部33を有している。
また、押圧部材32は、図6,図7に示すように、この押圧部33の上部に一体に設けられたフィン状のヒートシンク部36を有している。そして、第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6の熱を、当接した押圧部33を介して、ヒートシンク部36から放出するようになっている。ここでは、ヒートシンク部36は、押圧部33より縦横の幅が大きな形状に形成されている。
また、このカバー部材30は、図2〜図8に示すように、当該カバー部材30を閉じたときにおけるフローティングプレート55に対する押圧部材32の高さ位置を調整する調整機構70を有している。この実施の形態の調整機構70は、図2に示すように、軸35に回動自在にされた状態で押圧部材32の両側に設けられた一対のカム部材77と、カバー部材30の基端側と先端側(図6における左端部)とを結ぶ方向にスライド移動するスライド部材71と、一端部75がカム部材77に連結されて他端部76がスライド部材71に連結された一対のリンク部材74とを有している。
このうち、スライド部材71は、図1〜図8に示すように、カバー部材30の枠体31の両側の側面から突出するように設けられた一対の操作部72と、この2つの操作部72を繋ぐシャフト73とを有している。また、シャフト73が枠体31の両側の側面に設けられた長孔37に挿通されており、この長孔37内を摺動するようになっている。これにより、スライド部材71が、長孔37に沿ってスライド移動するようになっている。この実施の形態の長孔37は、その長手方向が、カバー部材30を閉じてロックしたときの略水平方向となるように形成されている。
また、この調整機構70は、スライド部材71が、図6,図8(a)に示す右側位置となる第1位置と、図7,図8(b)に示す左側位置となる第2位置に保持されるようになっており、第1位置ではカム部材77が図6,図8(a)のように右回りに回動した状態で保持され、第2位置ではカム部材77が図7,図8(b)のように左回りに回動した状態で保持されるようになっている。
また、カム部材77は、図6,図7に示すように、軸35に回動自在に設けられており、略円弧状に形成された当接面78が上方から押圧部材32の押圧部33に当接するようになっている。また、ここでは、略90°回動可能に構成されている。また、当接面78と軸35を挟んで略反対側の位置には、リンク部材74が取り付けられるリンク軸79が設けられている。
ここで、カム部材77は、図6に示す第1位置における軸35から押圧部33に当接する当接面78までの長さL1より、図7に示す第2位置における軸35から押圧部33に当接する当接面78までの長さL2の方が長くなるように偏心したカム形状に構成されている。また、このカム部材77は、図6〜図8に示すように、押圧部材32の押圧部33に対して上方から当接するようになっている。
また、リンク部材74は、所定の湾曲形状を呈した板状部材であり、一端部75がカム部材77のリンク軸79に回動可能に取り付けられている。また、リンク部材74の他端部76がスライド部材71のシャフト73に対して回動可能に取り付けられている。
このような構成により、スライド部材71を第1位置から第2位置(図6の矢印C方向)にスライド移動させることで、他端部76でシャフト73に取り付けられたリンク部材74が第2位置方向(矢印C方向)へ引っ張られるようになっている。これにより、リンク部材74の一端部75がリンク軸79に取り付けられたカム部材77が、図6の状態から図7の状態に左回りに回動するようになっている。その結果、カム部材77の突出量が増加するように変化させることができる。
具体的には、第1位置より第2位置の方が、図8に示す長さL分(長さL2―長さL1の分)だけ軸35に対してカム部材77を下方に突出させるように変化させることができる。このため、押圧部材32の高さ位置を、図8に示す長さL分だけ下方に変位させることができるようになっている。なお、この実施の形態では、「長さL(図8参照)=第1のICパッケージ3のパッケージ本体4の厚さH1(図11参照)−第2のICパッケージ6のパッケージ本体7の厚さH2(図12参照)」となるように構成されている。
また、一対のカム部材77を回動させる一対のリンク部材74が、スライド部材71の一本のシャフト73に連結されているため、当該スライド部材71の操作部72を操作してスライド部材71をスライド移動させると、一対のリンク部材74を介して一対のカム部材77を同時に回動させることができ、2つのカム部材77の動きをずれなく合わせることができるようになっている。
また、図4,図6〜図8,図10に示すように、調整機構70には、第1位置及び第2位置に保持されたスライド部材71の動きを規制する状態保持機構80を有している。この状態保持機構80は、第1位置又は第2位置に位置しているスライド部材71のシャフト73に上方から当接する保持部材81と、当該保持部材81を下方に付勢する付勢手段(図示省略)とを有している。
また、保持部材81の下面側には、スライド部材71の動きを第1位置に保持する第1テーパ面82と、スライド部材71の動きを第2位置に保持する第2テーパ面83とを有しており、このテーパ面82,83がスライド部材71のシャフト73に当接するようになっている。
これにより、スライド部材71が図6に示すように第1位置に位置しているときには、図10(a)に示すように、付勢手段の付勢力で保持部材81が下方に付勢されており、保持部材81の第1テーパ面82でスライド部材71のシャフト73を図10(a)の右下方向に押圧して保持するようになっている。
また、スライド部材71が図7に示すように第2位置に位置しているときには、図10(c)に示すように、付勢手段の付勢力で保持部材81が下方に付勢されており、保持部材81の第2テーパ面83でスライド部材71のシャフト73を図10(c)の左下方向に押圧して保持するようになっている。
また、スライド部材71を第1位置から第2位置にスライド移動させる際には、操作者の手動等でスライド部材71の操作部72を操作して、第1位置から第2位置の方向に所定以上の力を掛ける。すると、シャフト73が第1テーパ面82を図10(a)の左方向に摺動していき、これに伴い、付勢手段の下方への付勢力に抗して保持部材81が上方に押し上げられるようになっている。そして、スライド部材71のシャフト73が、図10(b)に示すように保持部材81の第1テーパ面82と第2テーパ面83との境界部を超えてさらに左方向に摺動すると、シャフト73が第2テーパ面83を摺動して図10(c)に示すように第2位置に保持される状態となるように構成されている。なお、スライド部材71を第2位置から第1位置にスライド移動させる場合については、前記した第1位置から第2位置へのスライド移動の動きの逆向きとなるものであるため、説明を省略する。
また、ロック機構40は、図3〜図6に示すように、枠体31の他端部(図6における左端部)に係止されるラッチ部材41と、回動されることによりカム機構(図示省略)を介してラッチ部材41を下方に移動させるロックレバー42とを有している。また、このロック機構40は、ロックレバー42の端部が係止されるベース部材44と当該ロックレバー42との間の2箇所にレバー用スプリング43を有しており、その長手方向の一方(ここでは図1の矢印F方向)にロックレバー42を付勢している。さらに、このロックレバー42は、レバー用スプリング43の付勢力に抗してベース部材44に対して矢印F方向と逆方向に引っ張ると、所定量スライド移動させることができるようになっている。
そして、図5,図6に示す状態からロックレバー42を図5の矢印E方向に回動させて略水平状態に倒すことにより、ラッチ部材41を下方に移動させて、図1,図8(a),図8(b)に示すように、押圧部材32で、第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6を押圧する。これと共に、ロックレバー42をレバー用スプリング43の付勢力に抗して矢印F方向と逆方向に引っ張り、その後、レバー用スプリング43の付勢力でロックレバー42を矢印F方向にスライド移動させることで、ロックレバー42がカバー部材30に設けられた凹形状の係合部38に係合し、前記した押圧状態で、ロック状態となるように構成されている。
次に、このような構成のICソケット10の作用について説明する。
まず、図3,図4に示すように、ICソケット10のカバー部材30を開いた状態では、フローティングプレート55がスプリングで上方に付勢されて、図9(a)のようなコンタクトピン60の上側接触部材61の先端がフローティングプレート55の貫通孔57の中にある状態となっている。次に、自動機等で第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6をフローティングプレート55上に収容する。この収容時には、第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6は、フローティングプレート55のガイド部56にガイドされるようになっている。
その後、図5に示すように、カバー部材30を閉じて行き、枠体31の他端部(図6における左端部)にラッチ部材41を係止する。ここで、フローティングプレート55に収容したICパッケージが、パッケージ本体4の厚さH1が厚い第1のICパッケージ3であるときには、状態保持機構80の保持部材81の第1テーパ面82で調整機構70のスライド部材71のシャフト73を規制して、当該スライド部材71を第1位置(図6に示すような右側位置)に位置させ(スライド部材71が第2位置(図7に示すような左側位置)にあるときには図7の矢印D方向にスライド移動させる)、リンク部材74を介してカム部材77が図6に示すような位置となるようにし、カム部材77の下方への突出量が、その偏心形状によって、第2位置と比べて図8の長さL分だけ小さく押圧部材32の高さ位置が高い状態となるようにする。
また、フローティングプレート55に収容したICパッケージが、パッケージ本体7の厚さH2が薄い第2のICパッケージ6であるときには、状態保持機構80の保持部材81の第2テーパ面83で調整機構70のスライド部材71のシャフト73を規制して、当該スライド部材71を第2位置(図7に示すような左側位置)に位置させ(スライド部材71が第1位置(図6に示すような右側位置)にあるときには図6の矢印C方向にスライド移動させる)、リンク部材74を介してカム部材77が図7に示すような位置となるようにし、カム部材77の下方への突出量が、その偏心形状によって、第1位置と比べて図8の長さL分だけ大きく押圧部材32の高さ位置が低い状態となるようにする。
その後、ロックレバー42を図5,図6(若しくは図7)に示すような開状態から、図1,図2,図8(a)(若しくは図8(b))に示すような閉状態に移動させて、ラッチ部材41を下方に移動させ、押圧部材32で、第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6を押圧すると共に、ロックレバー42を係合部38に係合することで、前記した押圧状態でロック状態となる。
ここで、調整機構70によって押圧部材32の高さ位置を調整しているため、ICパッケージ3,6と押圧部材32の間に隙間がなく、ICパッケージ3,6とも同様の接圧で押圧することができるようになっている。
これにより、押圧部材32にて、第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6が下方に押圧されることで、図9(b)に示すように、フローティングプレート55がスプリングの付勢力に抗して下方に押し下げられると共に上側接触部材61がコイルスプリング63の付勢力に抗して押し下げられて、適切な接圧を持って第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6が保持されることとなる。
また、ロック機構40でカバー部材30をロックする前の状態で、厚さが異なるICパッケージ3,6に設定が変更できるため、負荷の軽い状態で変更作業を行うことができる。なお、上記した調整機構70による高さ調整は、ICパッケージ3,6を収容する前の段階で、収容するICパッケージ3,6に合わせて予め行っておいても良い。
この状態で、第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6に電流を流してバーンイン試験等を行う。
そして、バーンイン試験等の実施後は、図1に示す位置から図5に示す位置までロックレバー42を動かして、ロック機構40を開状態にし、図5に示す位置から図3に示す位置までカバー部材30を動かして、カバー部材30を開状態にした後、フローティングプレート55から、自動機等で第1のICパッケージ3又は第2のICパッケージ6を取り出す。
このように、この実施の形態のICソケット10は、カバー部材30の閉時における、ソケット本体20のフローティングプレート55に対するカバー部材30の押圧部材32の高さ位置を調整する調整機構70を有していることで、1つのICソケット10に複数種類の厚さのICパッケージ3,6を収容することができ、それぞれの厚さのICパッケージ3,6に対して適切な接圧で保持することができる。これにより、厚さの異なる複数種類のICパッケージ3,6を収容する場合に、ICソケット10を変更したり、特別な調整部品を取り付けたりする必要がなくなるため、ICソケット10の取扱いが容易になり、コストも抑えることができる。
また、スライド部材71をカバー部材30の基端側と先端側とを結ぶ方向にスライド移動させることで押圧部材32の高さ位置を調整できるため、操作が簡単で、かつ、調整機構70の一部が押圧部材32の上を移動しないので、押圧部材32の上に何らかの装置が載っている場合等でも、当該装置が邪魔にならずに高さ位置の調整を行うことができる。
また、この実施の形態のICソケット10は、スライド部材71が押圧部材32の高さ位置を変更できる第1位置と第2位置に保持される構成となっているため、押圧部材32を確実に所定の高さ位置に変更することができる。
また、この実施の形態のICソケット10は、調整機構70が、軸35に設けられた一対のカム部材77と、スライド移動することでリンク部材74を介してカム部材77を回動させるスライド部材71とを有しており、カム部材77によって、押圧部材32の高さ位置を変更するようになっているため、簡単な構造で、押圧部材32を確実に所定の高さ位置に変更することができる。
また、この実施の形態のICソケット10は、調整機構70に、第1位置及び第2位置に保持されたスライド部材71の動きを規制する状態保持機構80を有しているため、第1位置又は第2位置に保持されたスライド部材71が意図せずに動いてしまうことを防止でき、これにより、押圧部材32の高さ位置が勝手に変位してしまうことを防止することができる。
なお、前記した実施の形態では、「電気部品用ソケット」としてICソケット10に、この発明を適用したが、これに限らず、他の装置にも適用できることは勿論である。
また、前記した実施の形態では、調整機構70が、軸35に設けられたカム部材77とスライド部材71とこれらを連結するリンク部材74とを有するものであったが、これに限るものではなく、スライド部材をスライド移動させることで他の構成を作動させて収容部に対する押圧部材の高さ位置を調整できるものであっても良い。例えば、スライド部材をスライド移動させると、当該スライド部材に連結した部分に設けられた傾斜面上を他の軸部材が摺動するようになっており、その摺動によって軸部材が上下移動することで、当該軸部材に取り付けられた押圧部材が上下動するようになっている場合が考えられる。
また、前記した実施の形態では、調整機構70が第1位置と第2位置の2箇所に保持されるパターンとなっており、その結果、2種類の厚さの電気部品に対応可能となっていたが、これに限るものではなく、調整機構が3箇所以上に保持されるパターンとなっていて、3種類以上の厚さの電気部品に対応可能となっていても良い。
また、調整機構は、カバー部材に設けられている構成に限るものでなく、ソケット本体等の他の部材に設けられていても良い。
また、前記した実施の形態では、ICパッケージとして、パッケージ本体4の下面に球状の端子5が設けられた所謂BGAと呼ばれるものを用い、これを収容するICソケット10について説明したが、これに限るものではなく、所謂LGAと呼ばれるICパッケージ等、他のICパッケージを収容するICソケットに本発明を適用しても良い。
また、前記した実施の形態では、電気部品としてICパッケージ3,6を用いて説明したが、これに限るものではなく、他の電気部品に対して本発明を適用しても良い。
また、前記した実施の形態では、調整機構70を第1位置及び第2位置に保持するようにスライド部材71の動きを規制する状態保持機構80として、下方に付勢されてテーパ面82,83を有する保持部材81を用いた構成について説明したが、これに限るものではなく、スライド部材71の動きを規制できるものであれば、適宜の構成からなるもので良い。例えば、図13に示す状態保持機構180のように、調整機構170におけるスライド部材171のシャフト173が所定の付勢手段(図示省略)によって下方に付勢されると共に、摺動する長孔137の第1位置と第2位置の箇所に、下方に凹形状に形成された保持凹部181,182が設けられている場合が挙げられる。この場合に、第1位置と第2位置の間においてシャフト173を動かす際には、矢印Gのように、第1位置の保持凹部181に保持されたシャフト173を付勢手段の付勢力に抗して少し上方に持ち上げた後に横方向に移動させ、その後、シャフト173を第2位置の保持凹部182で付勢手段の付勢力によって下方に移動させて保持することで、第1位置と第2位置ではシャフト173が下方に落ち込んでいることとなり、容易にシャフト173が移動しないようにすることができるものである。
1 配線基板
3 第1のICパッケージ(電気部品)
6 第2のICパッケージ(電気部品)
10 ICソケット(電気部品用ソケット)
20 ソケット本体
30 カバー部材
31 枠体
32 押圧部材
35 軸
55 フローティングプレート(収容部)
70,170 調整機構
71,171 スライド部材
74 リンク部材
77 カム部材
80,180 状態保持機構
3 第1のICパッケージ(電気部品)
6 第2のICパッケージ(電気部品)
10 ICソケット(電気部品用ソケット)
20 ソケット本体
30 カバー部材
31 枠体
32 押圧部材
35 軸
55 フローティングプレート(収容部)
70,170 調整機構
71,171 スライド部材
74 リンク部材
77 カム部材
80,180 状態保持機構
Claims (4)
- 配線基板上に配設され、電気部品が収容される電気部品用ソケットであって、
前記配線基板上に配設され、前記電気部品が収容される収容部を有するソケット本体と、
該ソケット本体の一端側に回動自在に基端側が取り付けられ、前記収容部上に収容された前記電気部品を閉じた状態で押圧するカバー部材とを有し、
該カバー部材は、前記ソケット本体に回動自在に設けられた枠体と、該枠体に支持され、前記カバー部材の閉時に前記収容部に収容された前記電気部品を押圧する押圧部材とを有し、
前記カバー部材の閉時における、前記収容部に対する前記押圧部材の高さ位置を調整する調整機構を有しており、
該調整機構は、前記カバー部材の前記基端側と先端側とを結ぶ方向にスライド移動するスライド部材を有していて、該スライド部材をスライド移動させることで、前記押圧部材の高さ位置を調整するように構成されていることを特徴とする電気部品用ソケット。 - 前記調整機構は、前記スライド部材が少なくとも第1位置と第2位置に保持される構成となっており、前記第1位置と前記第2位置で前記収容部に対する前記押圧部材の高さ位置が変更されることを特徴とする請求項1に記載の電気部品用ソケット。
- 前記押圧部材を前記枠体に支持する軸を有し、
前記調整機構は、前記軸に回動自在に設けられて前記押圧部材の両側を押圧する一対のカム部材と、前記スライド部材と、一端部が前記カム部材に連結されて他端部が前記スライド部材に連結された一対のリンク部材とを有しており、
該スライド部材をスライド移動させたときに前記リンク部材を介して前記カム部材が回動するようになっており、
前記スライド部材が前記第1位置と前記第2位置のいずれにあるかで、前記カム部材により前記収容部に対する前記押圧部材の高さ位置を変更可能に構成していることを特徴とする請求項2に記載の電気部品用ソケット。 - 前記調整機構には、前記第1位置及び前記第2位置に保持された前記スライド部材の動きを規制する状態保持機構を有していることを特徴とする請求項2又は3に記載の電気部品用ソケット。
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---|---|---|---|
JP2015156634A JP2017037722A (ja) | 2015-08-07 | 2015-08-07 | 電気部品用ソケット |
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JP2015156634A JP2017037722A (ja) | 2015-08-07 | 2015-08-07 | 電気部品用ソケット |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2017037722A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101926387B1 (ko) | 2018-10-10 | 2018-12-10 | 황동원 | 반도체 소자 테스트용 소켓장치 |
US12009614B2 (en) | 2018-11-07 | 2024-06-11 | Enplas Corporation | Frame for contact unit and socket |
WO2024122952A1 (ko) * | 2022-12-05 | 2024-06-13 | 황동원 | 반도체 소자 테스트용 소켓장치 |
-
2015
- 2015-08-07 JP JP2015156634A patent/JP2017037722A/ja active Pending
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JP2021534423A (ja) * | 2018-10-10 | 2021-12-09 | ファン ドン ウォン | 半導体素子テスト用ソケット装置 |
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