JP2017037239A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電荷像現像用トナーの製造方法において、所謂バッチ式の方法で第1の樹脂粒子分散液を製造し、得られた第1の樹脂粒子をコア粒子として有する静電荷像現像用トナーを製造する場合と比較して、処理時間が短くなり、トナーの転写効率の低下が抑制される静電荷像現像用トナーの製造方法の提供。【解決手段】第1の樹脂、塩基性物質および界面活性剤を溶融混合する溶融混合工程と、溶融混合物を水系媒体に分散させ、第1の樹脂粒子分散液を製造する分散工程とを有し、溶融混合工程と分散工程とを1つの装置を用いて連続して行う、第1分散液製造工程と、第1の樹脂粒子分散液に、第2の樹脂粒子分散液を添加して第2の樹脂を含むシェル層を形成するシェル層形成工程と、合一工程とを含むことを特徴とする製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
電子写真法等の、静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電工程および露光工程により像保持体上に静電荷像(静電潜像)を形成し(静電荷像形成工程)、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある。)を含む静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある。)で静電荷像を現像し(現像工程)、転写工程、定着工程を経て可視化される。ここで用いる現像剤は、トナーおよびキャリアからなる二成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる一成分現像剤とに大別される。
近年、トナーの形状および表面構造等の制御を意図的に行う手段として、乳化重合凝集法等の湿式製法によるトナーの製造方法が提案されている。乳化重合凝集法は、一般に、乳化重合等により作製される樹脂分散液、着色剤が溶媒に分散した着色剤分散液、離型剤が溶媒に分散した離型剤分散液等を作製した後、これらを混合し、トナー粒径に相当する凝集粒子を形成し、加熱することによって合一(融合)させてトナーとする製造方法である。樹脂分散液、着色剤分散液、離型剤分散液等の作製には、通常、界面活性剤が用いられる。
特許文献1には、(1)樹脂粒子分散液中の樹脂粒子を凝集させて、凝集粒子の分散液を得る工程、(2)樹脂微粒子分散液を添加して、樹脂微粒子付着凝集粒子の分散液を得る工程、および(3)分散液中の樹脂微粒子付着凝集粒子を合一させる工程、を有するトナーの製造方法であって、前記樹脂粒子分散液が、1つの反応容器内で、非晶質ポリエステルおよび結晶性ポリエステルを含む樹脂を水系媒体中に分散する工程を有する方法により得られ、前記樹脂微粒子分散液が、非晶質ポリエステルを80質量%以上含有する樹脂を有機溶剤と混合した後、水系媒体を添加して分散する工程を有する方法により得られる、電子写真用トナーの製造方法が記載されている。
特許文献2には、バインダー樹脂、および着色剤を含有するトナー材料混合物を、混練機に投入し、該混練機内で加熱加圧しながら溶融混練する工程、混練された該トナー材料混合物に、乳化剤を添加し、該混練機内で加熱加圧しながら混練して、該トナー材料混合物を乳化することにより微粒化せしめ、トナー材料混合物の微粒子を形成する工程、および、該微粒子を凝集し、洗浄して、トナー粒子を形成する工程を具備することを特徴とする現像剤の製造方法が記載されている。
特許文献3には、有機溶媒の非存在下で樹脂を溶融混合することと;必要に応じて界面活性剤を前記樹脂に添加することと;前記樹脂に塩基性剤および水を添加して樹脂粒子のエマルジョンを形成することと;を含む方法が記載されている。
特開2011−081241号公報 特開2010−122687号公報 特開2009−191271号公報
本発明の目的は、第1の樹脂を含む第1の樹脂粒子が水系媒体に分散されてなる第1の樹脂粒子分散液を製造する工程と、前記第1の樹脂粒子分散液に、第2の樹脂を含む第2の樹脂粒子が水系媒体に分散されてなる第2の樹脂粒子分散液を添加することにより、前記第1の樹脂粒子の表面に、前記第2の樹脂を含むシェル層を形成するシェル層形成工程と、前記シェル層が形成された第1の樹脂粒子を合一させる合一工程とを含む静電荷像現像用トナーの製造方法において、所謂バッチ式の方法で第1の樹脂粒子分散液を製造し、得られた第1の樹脂粒子をコア粒子として有する静電荷像現像用トナーを製造する場合と比較して、第1分散液製造工程にかかる処理時間が短くなり、なお且つ、製造される静電荷像現像用トナーの転写効率の低下が抑制される製造方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、第1の樹脂、塩基性物質および界面活性剤を溶融混合して第1の溶融混合物を形成する溶融混合工程と、前記第1の溶融混合物を水系媒体に分散させることにより、前記第1の樹脂、前記塩基性物質および前記界面活性剤を含む第1の樹脂粒子が前記水系媒体に分散されてなる第1の樹脂粒子分散液を製造する分散工程とを有し、前記溶融混合工程と前記分散工程とを1つの装置を用いて連続して行う、第1分散液製造工程と、前記第1の樹脂粒子分散液に、第2の樹脂を含む第2の樹脂粒子が水系媒体に分散されてなる第2の樹脂粒子分散液を添加することにより、前記第1の樹脂粒子の表面に、前記第2の樹脂を含むシェル層を形成するシェル層形成工程と、前記シェル層が形成された第1の樹脂粒子を合一させる合一工程と、を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項2に係る発明は、前記シェル層が更に離型剤を含む、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項3に係る発明は、前記第2の樹脂粒子分散液が、前記第2の樹脂、塩基性物質および界面活性剤を溶融混合して第2の溶融混合物を形成する工程と、前記第2の溶融混合物を水系媒体に分散させる工程とを1つの装置を用いて連続して行うことにより製造される、前記第2の樹脂、前記塩基性物質および前記界面活性剤を含む第2の樹脂粒子が前記水系媒体に分散されてなる分散液である、請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項4に係る発明は、前記第1の樹脂粒子の体積平均粒径が0.05μm以上8μm以下であり、且つ、前記第2の樹脂粒子の体積平均粒径が0.05μm以上3μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項5に係る発明は、前記1つの装置が多軸押出機である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項6に係る発明は、前記第1の樹脂および前記第2の樹脂の少なくとも一方が、1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の酸価を有するポリエステル樹脂である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項1に係る発明によれば、溶融混合工程が行われた混合槽において分散工程を行う所謂バッチ式の方法で第1の樹脂粒子分散液を製造し、得られた第1の樹脂粒子をコア粒子として有する静電荷像現像用トナーを製造する場合と比較して、静電荷像現像用トナーの製造にかかる処理時間が短くなり、なお且つ、製造される静電荷像現像用トナーの転写効率の低下が抑制される静電荷像現像用トナーの製造方法が提供される。
請求項2に係る発明によれば、シェル層が離型剤を含有していない場合と比較して、製造された静電荷像現像用トナーの定着性が向上する静電荷像現像用トナーの製造方法が提供される。
請求項3に係る発明によれば、溶融混合工程が行われた混合槽において分散工程を行うバッチ式の方法で第2の樹脂粒子分散液を製造し、得られた第2の樹脂粒子をシェル層として有する静電荷像現像用トナーを製造する場合と比較して、静電荷像現像用トナーの製造にかかる処理時間が短くなり、なお且つ、製造される静電荷像現像用トナーの転写効率の低下が抑制される静電荷像現像用トナーの製造方法が提供される。
請求項4に係る発明によれば、第1の樹脂粒子の体積平均粒径が8μmを超えているか、または、第2の樹脂粒子の体積平均粒径が3μmを超えている場合と比較して、転写効率の低下が抑制される静電荷像現像用トナーの製造方法が提供される。
請求項5に係る発明によれば、一軸押出機を使用する場合と比較して転写効率の低下が抑制される静電荷像現像用トナーの製造方法が提供される。
請求項6に係る発明によれば、1mgKOH/g未満の酸価を有するポリエステル樹脂と比較して転写効率の低下が抑制される静電荷像現像用トナーの製造方法が提供される。
本発明の実施形態に係る多軸押出機の一例を示す概略構成図である。
本発明の実施形態について説明する。以下に説明する本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
本実施形態に係るトナーの製造方法は、第1の樹脂、塩基性物質および界面活性剤を少なくとも溶融混合して第1の溶融混合物を形成する溶融混合工程と、第1の溶融混合物を水系媒体に分散させることにより、第1の樹脂、塩基性物質および界面活性剤を少なくとも含む第1の樹脂粒子が水系媒体に分散されてなる第1の樹脂粒子分散液を製造する分散工程とを有し、溶融混合工程と分散工程とを1つの装置を用いて連続して行う、第1分散液製造工程と、第1の樹脂粒子分散液に、第2の樹脂を少なくとも含む第2の樹脂粒子が水系媒体に分散されてなる第2の樹脂粒子分散液を添加することにより、第1の樹脂粒子の表面に、第2の樹脂を少なくとも含むシェル層を形成するシェル層形成工程と、シェル層が形成された第1の樹脂粒子を合一させる合一工程と、を含む。
[第1分散液製造工程]
第1分散液製造工程は、第1の樹脂、塩基性物質および界面活性剤を少なくとも溶融混合して第1の溶融混合物を形成する溶融混合工程と、第1の溶融混合物に水系媒体を添加し、機械的なせん断力を付与して、第1の溶融混合物を水系媒体に分散させることにより、第1の樹脂、塩基性物質および界面活性剤を少なくとも含む第1の樹脂粒子が水系媒体に分散されてなる第1の樹脂粒子分散液を製造する分散工程とを有し、なお且つ、溶融混合工程と分散工程とを1つの装置を用いて連続して行うものである。第1分散液製造工程で得られる第1の樹脂粒子は、最終生成物であるコアシェル型トナー粒子のコア粒子となる。
第1分散液製造工程においては、溶融混合工程と分散工程とを1つの装置を用いて連続して行う。ここで「連続して」行うとは、溶融混合工程により形成された溶融混合物が、順次移送されて、分散工程に供されることをいう。第1分散液製造工程において、溶融混合工程と分散工程とを連続して行う1つの装置(以下「連続式混練機」ともいう)としては、例えば、その内部にある混合槽が、トナー原材料を溶融混合して第1の溶融混合物を形成する溶融混合工程を行う領域(以下「溶融混合領域」ともいう)と、第1の溶融混合物に水系媒体を添加し、機械的なせん断力を付与して、第1の溶融混合物を水系媒体に分散させる分散工程を行う領域(以下「分散領域」ともいう)とを有し、当該溶融混合領域と当該分散領域とが隣接していることにより、溶融混合工程と分散工程とが連続して行われる装置等が挙げられる。「バッチ式の方法」とは、材料を連続的に供給することなく、予め定められた量の材料を取り出して、取り出した量の材料を処理する方法であって、処理が完了するまで未処理の材料を供給しない方法のことをいう。
第1分散液製造工程において用いられる連続式混練機としては、例えば、原材料を混合する混合槽の内部にスクリューまたはブレード等の撹拌手段が設けられ、その回転等によって原材料を混合する構造と、得られた混合物を混合槽の投入口側から排出口側へ順次移送する構造とを備えるもの等が挙げられる。連続式混練機として、より具体的には、1本のスクリューの回転により混合および移送を行う一軸押出機、並びに、混合および移送を行うスクリューを2本以上有する二軸押出機等の多軸押出機等が挙げられる。
本実施形態の製造方法は、第1分散液製造工程において、溶融混合工程と分散工程とを1つの装置を用いて連続して行うことにより、溶融混合工程が行われた混合槽において分散工程を行うバッチ式の方法で第1の樹脂粒子分散液を製造する場合と比較して、トナーの製造にかかる処理時間が短くなり、なお且つ、第1の樹脂粒子をコア粒子として有する静電荷像現像用トナーの転写効率の低下が抑制される。
第1分散液製造工程において使用する連続式混練機としては、多軸押出機が好ましい。第1分散液製造工程において多軸押出機を使用することにより、一軸押出機を使用する場合と比較して材料の組成がより均一になりやすく、その結果帯電量の分布が狭くなり、転写効率の低下が抑制されるためである。
第1分散液製造工程における溶融混合工程においては、第1の樹脂、塩基性物質および界面活性剤を少なくとも含むトナー原材料を、連続式混練機内で加熱および加圧しながら混合することによって、上記トナー原材料が相溶化され、第1の溶融混合物が形成される。
第1分散液製造工程の溶融混合工程に供されるトナー原材料には、第1の樹脂、塩基性物質および界面活性剤が少なくとも含まれ、更に添加剤が含まれていてもよい。溶融混合工程に供されるトナー原材料に含まれる添加剤としては、例えば、顔料等の着色剤、離型剤、帯電制御剤およびフィラー等が挙げられる。
上記トナー原材料は有機溶媒を含有していてもよいが、有機溶媒を含有しないことが好ましい。トナー原材料が有機溶媒を含有しないことにより、有機溶媒を用いた場合と比較して、トナーの製造工程において有機溶媒の処理が不要となり、また、製造されるトナーの帯電量の分布が狭くなりやすいためである。
溶融混合工程においては、連続式混練機にトナー原材料を直接投入してもよいし、トナー原材料を公知の混合装置で混合した後、得られた混合物を連続式混練機に投入してもよい。
分散工程においては、溶融混合工程により形成されて分散領域に順次移送される第1の溶融混合物に、水系媒体を添加し、連続式混練機の混合槽内部に設けられているスクリュー等の撹拌手段を用いて第1の溶融混合物と水系媒体との混合物にせん断力を付与することにより、第1の溶融混合物を水系媒体に粒子状に分散されてなる、水中油型エマルジョンである第1の樹脂粒子分散液を形成する。
第1分散液製造工程の分散工程における第1の溶融混合物への水系媒体の添加は、水中油型エマルジョンを形成する量の水系媒体を一度に添加してもよく、また、段階的または連続的に添加してもよい。
ここで、「水系媒体を段階的または連続的に添加する」とは、特に制限されるものではないが、例えば、水系媒体の添加の開始から完了まで10分以上時間をかけて添加すること、または、溶融混合物への水系媒体の添加速度が、500mL/分を超えないこと等をいう。「水系媒体を段階的に添加する」とは、水系媒体の添加の開始から完了までに水系媒体を添加していない期間が存在することをいい、「水系媒体を連続的に添加する」とは、水系媒体の添加の開始から完了までに水系媒体を添加していない期間が存在しないことをいう。段階的に添加する場合、例えば、分散工程に用いる水系媒体の全量を、3段階以上に分けて添加すればよい。連続的に添加する場合、例えば、500mL/分以下の添加速度で水系媒体を添加すればよい。
第1分散液製造工程の分散工程において、連続式混練機内で、水系媒体を段階的または連続的に添加しながら、第1の溶融混合物と水系媒体との混合物にせん断力を付与して分散することが好ましい。換言すれば、第1の溶融混合物と水系媒体との混合物のせん断による分散が、連続式混練機において、水系媒体の段階的または連続的な添加が完了する前には少なくとも開始され、且つ、当該分散が水系媒体の添加の完了より後に完了することが好ましい。水系媒体を段階的または連続的に添加しながら第1の溶融混合物と水系媒体との混合物を分散させることにより、より組成差が少なくなるためである。
分散工程において添加する水系媒体としては、例えば、水、水に溶解する有機溶媒、または、それらの混合物が挙げられる。水に溶解する有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびブタノール等の炭素数1以上5以下のアルキルアルコール;アセトンおよびメチルエチルケトン等のジ(炭素数1以上3以下)アルキルケトン;テトラヒドロフラン等の環状エーテル等が挙げられる。水系媒体としては、環境負荷および得られるトナーの定着性の観点から、水を主成分とすることが好ましく、例えば、水の含有量が80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
第1分散液製造工程に用いる装置における混合槽の内部温度は、50℃以上100℃以下の範囲、または、第1の樹脂のガラス転移温度Tgに対して5℃以上40℃以下の範囲とすることが好ましい。混合槽の内部温度が上記範囲にあることにより、樹脂と他の材料が混合しやすくなるためである。また、分散工程において混合槽に添加される水系媒体は、50℃以上85℃以下であることが好ましい。
連続式混練機の例として、図1に示す二軸押出機を参照しながら、本実施形態の第1分散液製造工程をより具体的に説明する。
図1に示す二軸押出機10は、シリンダー12、スクリュー(図示せず)、原料投入口14、塩基水溶液投入口16および排出口24を備える。シリンダー12の内部が混合槽であり、シリンダー12には加熱のためのヒーター(図示せず)が備えられている。図1に示す二軸押出機10では、シリンダー12の内部は10区画の分室(バレル)に分けられているが、分室(バレル)の数はこれに限定されない。各バレルごとに温度条件を設定し、また、各バレルに対応した凹凸や溝の形状を有するスクリューを用いること等により、各バレルごとに、目的とする処理、例えば、供給、圧縮、混合(混練)および計量等が行われる。図1に示す二軸押出機10においては、シリンダー12の3バレル目に界面活性剤投入口18が、5バレル目、7バレル目および9バレル目に水系媒体投入口20、21および22が、それぞれ設けられている。
第1分散液製造工程に使用する第1の樹脂、並びに、着色剤および離型剤等の添加剤は、原料投入口14からシリンダー12の1バレル目にある樹脂供給バレル42に供給される。第1の樹脂は樹脂供給機30から原料投入口14に供給される。第1分散液製造工程に使用する塩基性物質は、水溶液として塩基水溶液タンク32に貯蔵され、ポンプ28により、塩基水溶液投入口16からシリンダー12の樹脂供給バレル42に供給される。第1分散液製造工程に使用する界面活性剤は、水溶液として温度調節装置36を備える界面活性剤水溶液タンク34に貯蔵され、ポンプ28により、界面活性剤投入口18からシリンダー12の内部に供給される。第1分散液製造工程に使用する水系媒体は、ヒーター40を備える純水タンク38に貯蔵され、ポンプ28により、水系媒体供給ライン26を経て、水系媒体投入口20、21および22からシリンダー12の内部に供給される。
シリンダー12の樹脂供給バレル42に供給された第1の樹脂、塩基性物質および添加剤等を含むトナー原材料は、スクリューの回転によって圧縮されながら混合され、溶融混合領域44に移送される。
溶融混合領域44に移送されたトナー原材料はシリンダー12により加熱されて溶融し、各原材料が相溶化する。次いで、シリンダー12の3バレル目にある界面活性剤投入口18から界面活性剤を投入し、第1の樹脂等と溶融混合することによって、第1の溶融混合物が形成される。形成された第1の溶融混合物は、スクリューの回転によって、溶融混合領域44から分散領域46に移送される。
分散領域46においては、シリンダー12に水系媒体を投入し、第1の溶融混合物と水系媒体との混合液に、スクリューの回転によって機械的なせん断力を付与することにより、第1の溶融混合物を水系媒体に分散させる分散工程を行う。分散工程に用いられる水系媒体は、水系媒体投入口20、21および22の3ヶ所から、段階的にシリンダー12の内部に投入される。水系媒体投入口20、21および22からの水系媒体の投入量は、ポンプ28によって調整される。このようにして、溶融混合工程と分散工程とを1つの装置を用いて連続して行い、第1の樹脂粒子が水系媒体に分散されてなる第1の樹脂粒子分散液が作製される。第1の樹脂粒子分散液は、排出口24から排出され、次工程である凝集工程、またはシェル層形成工程に送られる。
第1の樹脂粒子分散液における第1の樹脂粒子は、特に限定されないが、その体積平均粒径が8μm以下であることが好ましく、0.05μm以上8μm以下であることがより好ましい。第1の樹脂粒子の体積平均粒径が8μmを超える場合、組成の不均一性が問題となることがある。第1の樹脂粒子の体積平均粒径の調整は、例えば、第1分散液製造工程で使用する界面活性剤の種類および使用量、凝集剤の種類および使用量等によって調整すればよい。
[凝集工程]
本実施形態の製造方法において、第1分散液製造工程で得られた第1の樹脂粒子分散液に凝集剤を添加することによって、第1の樹脂粒子分散液中の第1の樹脂粒子を凝集し、凝集粒子を形成する凝集工程を行ってもよい。凝集工程を行う場合、第1分散液製造工程の後、シェル層形成工程の前に行われる。第1の樹脂粒子を凝集して凝集粒子を形成することにより、得られるトナー粒子の粒度分布が狭くなり、帯電量がより狭くなる。
凝集工程で用いる凝集剤としては、例えば、第1分散液製造工程に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、2価以上の無機金属塩および金属錯体等が挙げられる。界面活性剤の使用量を低減し、且つ、帯電特性が向上するため、無機金属塩または金属錯体の使用が好ましい。
凝集工程において凝集剤として用いられる無機金属塩または金属錯体としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩における金属原子の価数が大きい化合物が好ましく、価数が等しい場合は無機金属塩重合体が好ましい。
凝集工程により形成される凝集粒子の粒径は、特に限定されないが、その体積平均粒径が2μm以上10μm以下であることが好ましい。凝集粒子の体積平均粒径が2μm未満であると転写効率が低下する場合がある。
[シェル層形成工程]
シェル層形成工程においては、第1の樹脂粒子分散液に、第2の樹脂を少なくとも含む第2の樹脂粒子が水系媒体に分散されてなる第2の樹脂粒子分散液を添加することにより、第1の樹脂粒子(凝集工程を行った場合の第1の凝集粒子を含む。以下、実施例の記載を除いて、「第1の樹脂粒子」との記載は第1の凝集粒子を含むものとする。)の表面に第2の樹脂粒子を付着させ、第2の樹脂を少なくとも含むシェル層を形成する。次いで、当該樹脂粒子の分散液のpHを調整すること、例えば、pHを6以上9以下に調整することにより、当該樹脂粒子の成長を停止させることにより、第1の樹脂粒子の表面にシェル層が形成されたコアシェル構造を有する粒子(コアシェル粒子)が調製される。
シェル層形成工程において用いられる第2の樹脂粒子分散液は、例えば、第1分散液製造工程に準じる方法で製造されたものであってもよい。即ち、第2の樹脂粒子分散液は、第2の樹脂、塩基性物質および界面活性剤を少なくとも溶融混合して第2の溶融混合物を形成する溶融混合工程と、第2の溶融混合物に水系媒体を添加し、機械的なせん断力を付与して、第1の溶融混合物を水系媒体に分散させる分散工程とを、1つの装置を用いて連続して行うことにより製造される、第2の樹脂、塩基性物質および界面活性剤を含む第2の樹脂粒子が水系媒体に分散されてなる分散液であってもよい。第2の樹脂粒子分散液を上記の製造方法で製造することは、溶融混合工程が行われた混合槽において分散工程を行うバッチ式の方法で第2の樹脂粒子分散液を製造し、得られた第2の樹脂粒子をシェル層として有する静電荷像現像用トナーを製造する場合と比較して、静電荷像現像用トナーの製造にかかる処理時間が短くなり、なお且つ、製造される静電荷像現像用トナーの粒度分布が狭くなりやすくなり、結果として転写効率の低下が抑制されるため、好ましい。
第2の樹脂粒子分散液が第1分散液製造工程に準じる方法で製造される場合の、溶融混合工程と分散工程とを行う装置;使用する塩基性物質、界面活性剤および水系媒体等のトナー原材料;各工程の条件等は、それらの好ましいものも含めて、いずれも第1分散液製造工程について記載したものであればよい。
シェル層形成工程により形成されるシェル層は、第2の樹脂とともに1種類以上の添加剤を含んでいてもよい。シェル層に含まれる添加剤としては、例えば、離型剤、顔料等の着色剤等が挙げられる。
シェル層形成工程において、シェル層にこれらの添加剤を含有させるには、例えば、第2の樹脂粒子分散液に分散されている第2の樹脂粒子として、第2の樹脂と添加剤とを含む粒子を用いるか、または、シェル層形成工程において、第2の樹脂粒子分散液とともに、添加剤の粒子が水系媒体に分散してなる分散液を添加して、第2の樹脂粒子と添加剤の粒子とを第1の樹脂粒子の表面に、付着させればよい。
シェル層形成工程で形成されるシェル層は、第2の樹脂とともに離型剤を含有することが好ましい。シェル層が離型剤を含有するトナーを用いて調製される現像剤は、シェル層が離型剤を含有していない場合と比較して、製造されたトナーの定着性が向上するためである。上記の通り、第2の樹脂粒子として第2の樹脂と離型剤とを含む粒子を用いることによって、または、第1の樹脂粒子分散液に、第2の樹脂粒子分散液と、離型剤が水系媒体に分散してなる離型剤分散液とを添加することによって、第2の樹脂および離型剤を含むシェル層が形成される。
シェル層形成工程に用いる離型剤分散液は、離型剤および界面活性剤を水系媒体に添加して離型剤を分散させることによって製造される。離型剤分散液は、例えば、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基等の高分子電解質とともに分散し、離型剤の融解温度以上に加熱するとともに、せん断力を付与するホモジナイザや圧力吐出型分散機を用いて粒子化することにより調製すればよい。
シェル層形成工程で形成されるシェル層は、着色剤を含有していないことが好ましい。シェル層が着色剤を含有していないトナーを用いて調製される現像剤は、シェル層が着色剤を含有する場合と比較して、転写効率が向上するためである。
第2の樹脂粒子分散液における第2の樹脂粒子は、その体積平均粒径が0.05μm以上3μm以下であることがより好ましい。第2の樹脂粒子の体積平均粒径が上記範囲にあると、表面の制御がより容易になるためである。第2の樹脂粒子の体積平均粒径が0.05μm未満であるか、または、3μmを超えると、コア粒子の被覆が不完全になる場合がある。第2の樹脂粒子の体積平均粒径の調整は、第2の樹脂粒子分散液の製造方法に応じて公知の方法で行えばよく、例えば、第1分散液製造工程に準じて製造する場合は、使用する界面活性剤の種類および使用量、凝集剤の種類および使用量等によって調整すればよい。
本実施形態の製造方法において、第1の樹脂粒子の体積平均粒径を0.05μm以上8μm以下に調整し、なお且つ、第2の樹脂粒子の体積平均粒径を0.05μm以上3μm以下に調整することが更に好ましく、また、第1の樹脂粒子の体積平均粒径を0.1μm以上5μm以下に調整し、なお且つ、第2の樹脂粒子の体積平均粒径を0.1μm以上1μm以下に調整することが特に好ましい。第1の樹脂粒子の体積平均粒径が上記の範囲にあり、なお且つ、第2の樹脂粒子の体積平均粒径が上記の範囲内にあると、粒度分布が狭いトナーが製造され、結果として転写効率の低下が抑制されるためである。
[合一工程]
シェル層形成工程により得られた、シェル層が形成された第1の樹脂粒子(シェル層付着樹脂粒子)を合一(融合)させる、合一工程を行う。シェル層付着樹脂粒子の合一は、シェル層形成工程により得られたシェル層付着樹脂粒子を含有する分散液を、当該粒子中に含まれる第1の樹脂および第2の樹脂のガラス転移温度Tgまたは融点(軟化点)Tm以上の温度に加熱することにより、行われる。シェル層付着樹脂粒子が合一されたことの確認は、例えば、光学顕微鏡を用いて、加熱されたシェル層付着樹脂粒子が略球形となったことを目視で確認することによって行う。
[洗浄工程]
洗浄工程においては、合一工程で得られたトナー粒子の分散液から固形物であるトナー粒子を濾過し、イオン交換水等の洗浄水を用いて界面活性剤や不純物等の付着物を除去する。濾過方法(固液分離方法)には特に制限はないが、生産性等の点から、吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。洗浄工程で得られた湿潤トナーは、ウェットケーキまたは含水スラリー等であり、その含水量は10質量%以上50質量%以下である。
[乾燥工程]
乾燥工程において、洗浄工程により得られた湿潤トナーを乾燥し、最終生成物であるトナー粒子を得る。その乾燥方法には特に制限はないが、生産性等の点から、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
[トナー原材料]
以下、本実施形態の製造方法で製造されるトナー粒子を構成する各種原材料について説明する。
トナー粒子の結着樹脂として用いられる第1の樹脂および第2の樹脂は、特に制限されず、第1の樹脂および第2の樹脂の種類はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体;さらにアクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルフォン酸ナトリウム等のエチレン系不飽和酸単量体;さらにアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン類単量体等の単量体の単独重合体、それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体、またはそれらの混合物、さらには、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、または、それらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。
第1の樹脂および第2の樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂またはそれらの混合物のいずれでもよいが、帯電量の維持の容易さ、粒子の変形しにくさの点から非晶性ポリエステル樹脂が好ましい。第1の樹脂および第2の樹脂は、同じものであっても、異なるものであってもよい。
また、第1の樹脂および第2の樹脂としては、1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の酸価を有するポリエステル樹脂が好ましく、5mgKOH/g以上40mgKOH/g以下の酸価を有するポリエステル樹脂がより好ましい。かかる範囲の酸価を有するポリエステル樹脂は、1mgKOH/g未満の酸価を有するポリエステル樹脂と比較して凝集がより制御しやすくなるためである。また、第1の樹脂および第2の樹脂の酸価が1mgKOH/g未満であるか、または、50mgKOH/gを超えると、粒度分布の制御が困難となり、結果として転写効率が低下する場合がある。ポリエステル樹脂の酸価の測定は、例えば、JIS K2501の規定に従って行えばよい。
第1の樹脂および第2の樹脂のガラス転移温度Tgは、定着性の観点から、40℃以上80℃以下であることが好ましく、45℃以上70℃以下であることがより好ましい。また、第1の樹脂および第2の樹脂の融解温度Tmは、定着性の観点から、50℃以上80℃以下であることが好ましく、55℃以上70℃以下であることがより好ましい。
第1の樹脂および第2の樹脂は、樹脂の種類にもよるが、その重量平均分子量Mwが5,000以上150,000以下であればよく、樹脂がポリエステル樹脂である場合は、重量平均分子量が10,000以上80,000以下であることが好ましい。上記範囲にあるポリエステル樹脂は凝集時の粒度分布を制御しやすいためである。
塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアおよびアミン化合物等が挙げられる。アミン化合物としては、例えば、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン,イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン等が挙げられる。
塩基性物質の使用量は、樹脂の種類および使用量、並びに、樹脂がポリエステル樹脂である場合はその酸価に応じて調整すればよく、例えば、第1の樹脂粒子分散液または第2の樹脂粒子分散液において、そのpHが3以上8以下となる量を使用すればよい。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤および非イオン系界面活性剤が用いられ、特に制限されるものではない。界面活性剤は、1種単独で併用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネート等のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム;ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩類;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼントリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;等が挙げられる。
非イオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;等が挙げられる。
界面活性剤の使用量は、第1の樹脂粒子分散液または第2の樹脂粒子分散液のそれぞれにおいて、第1の樹脂または第2の樹脂の各樹脂に対して1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。界面活性剤の使用量が各樹脂に対して1質量%未満であると所望の粒子径が得られない場合があり、各樹脂に対して20質量%を超えるとトナーの帯電量が低下する場合がある。
本実施形態の製造方法に用いる離型剤としては、特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプシュワックス等の鉱物系または石油系ワックス;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス;等が挙げられる。
離型剤の使用量は、乾燥トナーの総量に対して2質量%以上30質量%以下が好ましい。離型剤の含有量が2質量%未満であると、熱や圧力により定着画像が対向する用紙や画像に移行する、いわゆるドキュメントオフセットが生じてしまうことがある。また、離型剤の含有量が30質量%を超えると、定着するときに溶融するトナーの弾性が低下してホットオフセットが発生してしまうことがある。
着色剤は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック等の所望の色を有する着色剤であり、無機系の染料および顔料ならびに有機系の染料および顔料のうち少なくとも1つを用いればよい。着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカライトグリーンオキサレート、等の種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系等の各種染料等が挙げられる。これらの着色剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤の使用量は、例えば、乾燥トナーの総量に対して1質量%以上20質量%以下の範囲とすればよい。
本実施形態の製造方法により製造されるトナーに含まれるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて選択すればよく、例えば、無機粒子、帯電制御剤等の公知の各種添加剤等が挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子および酸化セリウム粒子、並びに、これらの粒子の表面を、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、および、シリコーンオイル等の表面処理剤で処理した粒子等の、公知の無機粒子が挙げられ、これらの無機粒子を単独または二種以上を組み合わせて使用すればよい。これら無機粒子の含有量は、例えば、乾燥トナーの総量に対して0.5質量%以上20質量%以下である。
帯電制御剤としては、例えば、クロム系アゾ染料、鉄系アゾ染料、アルミニウムアゾ染料、サリチル酸金属錯体等が挙げられる。
<静電荷像現像用トナーの物性>
本実施形態に係る製造方法によって製造されたトナーの粒径は、特に限定されないが、その体積平均粒径(D50v)が2μm以上10μm以下であることが好ましい。トナーの体積平均粒径D50vが2μm未満であると転写効率が低下する場合があり、10μmを超えると形状制御が困難となり、結果として転写効率が低下する場合がある。
トナーの体積平均粒径は、コールターマルチサイザII型(ベックマン−コールター社製)を用いて測定される。具体的には、コールターマルチサイザII型によって測定された粒度分布について、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小径側から体積の累積分布を描き、累積50%となる粒径をD50vとする。トナーの体積平均粒径の測定は、トナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波を30秒間照射してトナーを分散させた後に行われる。
本実施形態に係る製造方法によって製造されたトナーは、0.95以上1.0以下の円形度(形状係数)を有することが好ましく、0.97以上1.0以下の円形度を有することがより好ましい。トナーの円形度が0.95未満であると、転写効率が低下することがある。トナーの円形度は、トナー粒子について、投影像の周囲長および面積を計測し、投影像の面積を有する円の周囲長と投影像の周囲長とから、下記式:
円形度 = 粒子投影像の面積を有する円の周囲長/粒子投影像の周囲長を用いて算出される。トナーの円形度は、例えば、フロー式粒子像分析装置(シスメックス株式会社製、FPIA−3000)を用いて測定される。
<静電荷像現像用現像剤>
本実施形態の製造方法で製造された静電荷像現像用トナーを用いて、静電荷像現像用現像剤が製造される。静電荷像現像用現像剤は、静電荷像現像用トナーを単独で用いれば一成分系の静電荷像現像用現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いれば二成分系の静電荷像現像用現像剤となる。
キャリアとしては、特に制限はなく、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアが挙げられ、磁性芯材粒子と、磁性芯材粒子の表面を被覆している樹脂被覆層とを有する。キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。該キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物等が挙げられ、その体積平均粒径は、30μm以上200μm以下程度の範囲である。
樹脂被覆キャリアの被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロぺニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマ;等の単独重合体、または2種類以上のモノマ単位を含む共重合体、さらに、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。被覆樹脂の被覆量としては、前記核体粒子100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下程度の範囲が好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下の範囲がより好ましい。
キャリアの製造には、加熱型ニーダ、加熱型ヘンシェルミキサ、UMミキサ等を使用すればよく、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルン等を使用してもよい。
静電荷像現像用現像剤における静電荷像現像用トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて選択すればよい。
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をさらに具体的に説明する。下記の実施例において、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を表し、「部」は「質量部」を表す。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[測定方法]
樹脂粒子の結着樹脂のガラス転移温度Tgは、ASTMのD3418−8に準拠した示差走査熱量測定により行い、示差走査熱量計(株式会社島津製作所製、DSC−50)を用いて、1回目の昇温過程で得られたDSC曲線の吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度をもって、ガラス転移温度とした。
下記原料の重量平均分子量Mwは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(東ソー株式会社製、HLC−8120GPC、SC−8020)を用いて測定された。なおカラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー株式会社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、RI(Refractive Index)検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー株式会社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
分散液中の樹脂粒子の体積平均粒径D50vは、レーザー回折式粒度分布測定機(LA−700、株式会社堀場製作所製)を用いて測定し、トナー粒子の体積平均粒径D50vは、コールターマルチサイザII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)を用いて測定した。トナー粒子の形状係数(円形度)は、フロー式粒子像分析装置(シスメックス株式会社製、FPIA−3000)を用いて測定し、5,000個のトナー粒子について平均値を算出した。
(実施例1)
<非晶性ポリエステル樹脂Aの作製>
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、および精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、下記の材料を投入した。
・テレフタル酸 :30モル部
・フマル酸 :75モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 : 5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:95モル部
次いで、1時間かけてフラスコ内の温度を220℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間かけて230℃まで温度を上げ、該温度で3時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却し、非晶性ポリエステル樹脂Aを作製した。この非晶性ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量Mwは32,000、酸価は15mgKOH/g、ガラス転移温度Tgは60℃であった。
<非晶性ポリエステル樹脂Bの作製>
上記の非晶性ポリエステル樹脂Aの作製において、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物を32モル部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物を73部、チタンテトラエトキシドを1.5部それぞれ用いたこと、および、脱水縮合反応を230℃まで温度を上げた後6時間継続したこと以外は上記の非晶性ポリエステル樹脂Aの作製方法と同様にして、非晶性ポリエステル樹脂Bを作製した。非晶性ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量Mwは50,000、酸価は17mgKOH/g、ガラス転移温度Tgは60℃であった。
<第1の樹脂粒子分散液の製造>
図1に示す二軸押出機10(商品名:TEM26SS、東芝機械株式会社製)に、第1の樹脂としての非晶性ポリエステル樹脂Aを200部、マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド122)10部および離型剤(日本精鑞株式会社製、商品名:FNP0090、パラフィンワックス、融解温度:90℃)10部を原料投入口14から、水酸化カリウム20%水溶液0.4部を塩基水溶液投入口16から、それぞれ投入し、溶融混合した。二軸押出機10において、シリンダー12の内部温度を90℃に、スクリュー回転数を200rpmにそれぞれ設定した。二軸押出機10の3バレル目にある界面活性剤投入口18から、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液(花王株式会社製、ネオペレックスG−15)200部を投入して溶融混合し、第1の溶融混合物を作製した。
次いで、二軸押出機10の5バレル目にある水系媒体投入口20から90℃に調整したイオン交換水100部、7バレル目にある水系媒体投入口21から90℃に調整したイオン交換水100部、9バレル目にある水系媒体投入口22から90℃に調整したイオン交換水90部をそれぞれ添加し、第1の溶融混合物の乳化および分散を行い、第1の樹脂粒子分散液(分散液a1)を作製した。この分散液a1に含まれる第1の樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.20μmであった。
<第2の樹脂粒子分散液の製造>
図1に示す二軸押出機10(商品名:TEM26SS、東芝機械株式会社製)に、第2の樹脂としての非晶性ポリエステル樹脂Bを200部、マゼンタ顔料5部および離型剤5部を原料投入口14から、水酸化カリウム20%水溶液0.4部を塩基水溶液投入口16から、それぞれ投入し、溶融混合した。二軸押出機10において、シリンダー12の内部温度を90℃に、スクリュー回転数を200rpmにそれぞれ設定した。二軸押出機10の3バレル目にある界面活性剤投入口18から、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液200部を投入して溶融混合し、第2の溶融混合物を作製した。
次いで、二軸押出機10の5バレル目にある水系媒体投入口20から90℃に調整したイオン交換水100部、7バレル目にある水系媒体投入口21から90℃に調整したイオン交換水100部、9バレル目にある水系媒体投入口22から90℃に調整したイオン交換水100部をそれぞれ添加し、第2の溶融混合物の乳化および分散を行い、第2の樹脂粒子分散液(分散液b1)を得た。この分散液b1に含まれる第2の樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.18μmであった。
<離型剤分散液の調製>
離型剤(日本精鑞株式会社製、商品名:FNP0090、パラフィンワックス、融解温度:90℃)270部、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:ネオゲンRK、有効成分量:60%)13.5部(有効成分として、離型剤に対して3.0%)、および、イオン交換水721.6部を混合した。圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)を用いて、混合液(内液)の温度120℃の条件下、離型剤を溶解した。その後、分散圧力5MPaで120分間、続いて、分散圧力40MPaで360分間の分散処理を行い、冷却して、離型剤分散液を得た。この離型剤分散液中の粒子の体積平均粒径D50vは230nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度を20.0%に調整し、離型剤分散液(分散液c1)を得た。
<凝集剤水溶液の作製>
硫酸アルミニウム粉末(浅田化学工業株式会社製、17%硫酸アルミニウム)35部およびイオン交換水1,965部を2Lの容器に投入し、30℃にて、沈殿物が消失するまで攪拌混合し、硫酸アルミニウム水溶液を得た。
<トナーの作製>
分散液a1を710部、イオン交換水を200部、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬株式会社製、ネオゲンRK)を7.0部の各成分を、温度計、pH計および撹拌機を具備した3Lの反応容器に入れた。得られた混合液を、温度25℃にて、ホモジナイザー(IKAジャパン株式会社製:ウルトラタラクスT50)を用いて5000rpmで分散し、調製した硫酸アルミニウム水溶液を125部添加しながら、6分間の分散処理を行った。
反応容器に攪拌機およびマントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を調整しながら、スラリーの温度を、40℃に達するまでは0.2℃/分の昇温速度で、40℃を超えてからは0.05℃/分の昇温速度で上昇させた。スラリーの温度を上昇させながら、10分ごとに樹脂粒子の粒径を測定し、体積平均粒径D50vが5.0μmとなったところで温度の上昇を停止して、その温度を保持した。次いで、710部の分散液b1を5分間かけてスラリーに投入した。スラリーを30分間保持した後、4%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、スラリーの温度を1℃/分の昇温速度で90℃まで上昇させ、90℃で保持した。
光学顕微鏡を用いてスラリー内の粒子の形状および表面性を15分ごとに観察したところ、90℃での保持開始から1.0時間目で粒子の合一が確認されたので、冷却水を用いて反応容器を30℃まで5分間かけて冷却した。冷却後のスラリーを、目開き15μmのナイロンメッシュに通過させ粗大粉を除去した。メッシュを通過したトナースラリーをアスピレータを用いて減圧ろ過した。ろ紙上に残ったトナーを、機械を使用せずに出来るだけ細かく砕いた後、トナーの10倍量のイオン交換水(温度30℃)に投入した。30分間攪拌混合した後、再度アスピレータで減圧ろ過し、ろ液の伝導度を導電率計を用いて測定した。ろ液の伝導度が10μS/cm以下となるまで、解砕、攪拌混合および減圧ろ過の操作を繰り返し、トナーを洗浄した。洗浄したトナーを湿式乾式整粒機(コーミル)で細かく砕いてから、35℃のオーブン中で36時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル株式会社製、RY50)1.0部を加え、ヘンシェルミキサーを用いて周速30mで3分間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分して、トナーA1を作製した。トナーA1の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.96であった。なお、トナーA1のSEM画像を観察したところ、トナーA1は滑らかな表面を持ち、離型剤の突き出しや表面層の剥がれ等の不具合は発見されなかった。
<キャリアの作製>
トルエン14部、シクロヘキシルメタアクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(共重合質量比99:1、重量平均分子量Mw8万)2.0部、カーボンブラック(商品名VXC72、キャボット社製)0.12部およびガラスビーズ(直径1mm)14部を、関西ペイント株式会社製サンドミルを用いて1200rpm/30minの条件で攪拌し、樹脂被覆層形成用溶液を調製した。次いで、得られた樹脂被覆層形成用溶液およびフェライト粒子(Mn−Mg−Sr系、平均粒径40μm)100部を真空脱気型ニーダーに投入した後、減圧してトルエンの留去および乾燥を行うことにより、樹脂被覆キャリアを作製した。
<現像剤の作製>
得られた樹脂被覆キャリア500部に、40部の前記トナーA1を加え、V型ブレンダーで20分間混合した。得られた混合物から目開き212μmの振動ふるいによって凝集体を除去して、現像剤A1を得た。
[評価試験]
<転写効率の評価>
転写効率を評価するために、画像形成装置(富士ゼロックス株式会社製、Docu Centre Color 400)を、感光体から中間転写体にトナーが移行した後、感光体がクリーニングされる前の状態で停止するように改造した転写効率評価用装置を用意し、その現像器に現像剤A1を入れ、そのトナーカートリッジにトナーA1を入れた。この転写効率評価用装置を用いて、下記の方法で画像の転写効率を評価した。
温度10℃および湿度20%RHの環境下で、感光体上のトナー載り量が5g/mになるように現像電位を調整した。次に、感光体上に現像されたトナーが中間転写体(中間転写ベルト)へ移行した後に転写効率評価用装置を止めた。これにより、中間転写体に転写されなかったトナーを、クリーニングされる前の状態で感光体上に残した。感光体にテープ(1cm×5cm)を貼り付けることによって感光体上に残されたトナーを採取し、その重量を測定した。感光体上に現像されたトナー載り量(設定値である5g/m)と、転写後の感光体上のトナー載り量の測定値との差から、中間転写体に転写されたトナー量を算出し、次式に基づいて転写効率を求めた。
転写効率=中間転写体に転写されたトナー量/感光体上に現像されたトナー載り量×100
転写効率の測定は、画像面積が用紙全体の5%を占める画像を、50,000枚のA4用紙に連続で出力した直後に行った。
下記の評価基準に基づいて転写効率を評価した。
◎ : 転写効率98%以上
○ : 転写効率95%以上98%未満
△ : 転写効率90%以上95%未満
× : 90%未満
前記現像剤A1の転写効率は97%であり、転写効率の評価は○あった。
<定着性(剥離性)の評価>
定着性を評価するために、画像形成装置(富士ゼロックス株式会社製、700 Digital Color Press)を、用紙の端部まで未定着像を出力するように改造した定着性評価用装置を用意し、その現像器に現像剤A1を入れ、そのトナーカートリッジにトナーA1を入れた。エンボス紙(富士ゼロックス株式会社製、レザック66白、坪量151g/m)に対して、2次色の200%濃度で先端余白のない全面ベタ画像を形成し、定着温度を180℃に、プロセススピードを220mm/秒に設定し、100枚連続出力した。得られた画像の1枚目および100枚目を目視により観察し、下記の評価基準に基づいて、用紙への現像剤の定着性(定着部材と用紙との剥離性)を評価した。なお、定着性の評価に関する試験および測定はいずれも、温度25℃および湿度60RH%の環境下で行った。
[定着性評価基準]
A : 定着不良(剥離不良)は発生しない。用紙先端の状態も良好。
B : 定着不良(剥離不良)は発生しない。用紙先端がわずかにカールしている。
C : 定着不良(剥離不良)により、用紙先端部の画像に荒れが見られる。
D : 用紙が定着部材から剥離せず、用紙が定着部材に巻き付く。
前記現像剤A1の定着性の評価はBであった。
(実施例2)
実施例1における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を50部としたこと以外は、実施例1と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a2)を作製した。この分散液a2に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは2.0μmであった。分散液a1に代えて分散液a2を用いること以外は、実施例1と同様にしてトナーA2および現像剤A2を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA2の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.95であった。現像剤A2の転写効率は96%であり、その評価は○であった。また、現像剤A2の定着性の評価はBであった。
(実施例3)
実施例1における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を100部としたこと以外は、実施例1と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a3)を作製した。この分散液a3に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.50μmであった。また、実施例1における第2の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を100部としたこと以外は、実施例1と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b2)を作製した。この分散液b2に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.50μmであった。
分散液a1に代えて分散液a3を用いること、および、分散液b1に代えて分散液b2を用いること以外は、実施例1と同様にしてトナーA3および現像剤A3を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA3の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.93であった。現像剤A3の転写効率は97%であり、その評価は○であった。また、現像剤A3の定着性の評価はBであった。
(実施例4)
実施例1における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を20部としたこと以外は、実施例1と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a4)を作製した。この分散液a4に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは6.0μmであった。分散液a1に代えて分散液a4を用いること以外は、実施例1と同様にしてトナーA4および現像剤A4を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA4の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.97であった。現像剤A4の転写効率は96%であり、その評価は○であった。また、現像剤A4の定着性の評価はBであった。
(実施例5)
実施例1における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、二軸押出機に投入するマゼンタ顔料の投入量を15部としたこと以外は、実施例1と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a5)を作製した。この分散液a5に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.20μmであった。また、実施例1における第2の樹脂粒子分散液の製造工程において、マゼンタ顔料を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b3)を作製した。この分散液b3に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.18μmであった。
分散液a1に代えて分散液a5を用いること、および、分散液b1に代えて分散液b3を用いること以外は、実施例1と同様にしてトナーA5および現像剤A5を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA5の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.96であった。現像剤A5の転写効率は98%であり、その評価は◎であった。また、現像剤A5の定着性の評価はBであった。
(実施例6)
実施例5における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を50部としたこと以外は、実施例5と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a6)を作製した。この分散液a6に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは2.0μmであった。分散液a5に代えて分散液a6を用いること以外は、実施例5と同様にしてトナーA6および現像剤A6を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA6の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.95であった。現像剤A6の転写効率は98%であり、その評価は◎であった。また、現像剤A6の定着性の評価はBであった。
(実施例7)
実施例5における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を100部としたこと以外は、実施例5と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a7)を作製した。この分散液a7に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.50μmであった。また、実施例5における第2の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を100部としたこと以外は、実施例5と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b4)を作製した。この分散液b4に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.50μmであった。
分散液a5に代えて分散液a7を用いること、および、分散液b3に代えて分散液b4を用いること以外は、実施例5と同様にしてトナーA7および現像剤A7を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA7の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.93であった。現像剤A7の転写効率は98%であり、その評価は◎であった。また、現像剤A7の定着性の評価はBであった。
(実施例8)
実施例5における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を20部としたこと以外は、実施例5と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a8)を作製した。この分散液a8に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは6.0μmであった。分散液a5に代えて分散液a8を用いること以外は、実施例5と同様にしてトナーA8および現像剤A8を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA8の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.97であった。現像剤A8の転写効率は99%であり、その評価は◎であった。また、現像剤A8の定着性の評価はBであった。
(実施例9)
実施例1における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、二軸押出機に投入する離型剤の投入量を2部としたこと以外は、実施例1と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a9)を作製した。この分散液a9に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.20μmであった。また、実施例1における第2の樹脂粒子分散液の製造工程において、二軸押出機に投入する離型剤の投入量を8部としたこと以外は実施例1と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b5)を作製した。この分散液b5に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.18μmであった。
分散液a1に代えて分散液a9を用いること、および、分散液b1に代えて分散液b5を用いること以外は、実施例1と同様にしてトナーA9および現像剤A9を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA9の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.96であった。現像剤A9の転写効率は96%であり、その評価は○であった。また、現像剤A9の定着性の評価はAであった。
(実施例10)
実施例9における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を50部としたこと以外は、実施例9と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a10)を作製した。この分散液a10に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは2.0μmであった。分散液a9に代えて分散液a10を用いること以外は、実施例9と同様にしてトナーA10および現像剤A10を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA10の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.95であった。現像剤A10の転写効率は95%であり、その評価は○であった。また、現像剤A10の定着性の評価はAであった。
(実施例11)
実施例9における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を100部としたこと以外は、実施例9と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a11)を作製した。この分散液a11に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.50μmであった。また、実施例9における第2の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を100部としたこと以外は、実施例9と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b6)を作製した。この分散液b6に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.50μmであった。
分散液a9に代えて分散液a11を用いること、および、分散液b5に代えて分散液b6を用いること以外は、実施例9と同様にしてトナーA11および現像剤A11を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA11の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.93であった。現像剤A11の転写効率は93%であり、その評価は○であった。また、現像剤A11の定着性の評価はAであった。
(実施例12)
実施例9における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を20部としたこと以外は、実施例9と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a12)を作製した。この分散液a12に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは6.0μmであった。分散液a9に代えて分散液a12を用いること以外は、実施例9と同様にしてトナーA12および現像剤A12を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA12の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.97であった。現像剤A12の転写効率は97%であり、その評価は○であった。また、現像剤A12の定着性の評価はAであった。
(実施例13)
実施例9における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、二軸押出機に投入するマゼンタ顔料の投入量を15部としたこと以外は、実施例9と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a13)を作製した。この分散液a13に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.20μmであった。また、実施例9における第2の樹脂粒子分散液の製造工程において、マゼンタ顔料を使用しなかったこと以外は、実施例9と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b7)を作製した。この分散液b7に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.18μmであった。
分散液a9に代えて分散液a13を用いること、および、分散液b5に代えて分散液b7を用いること以外は、実施例9と同様にしてトナーA13および現像剤A13を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA13の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.96であった。現像剤A13の転写効率は98%であり、その評価は◎であった。また、現像剤A13の定着性の評価はAであった。
(実施例14)
実施例13における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を50部としたこと以外は、実施例13と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a14)を作製した。この分散液a14に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは2.0μmであった。分散液a13に代えて分散液a14を用いること以外は、実施例13と同様にしてトナーA14および現像剤A14を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA14の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.95であった。現像剤A14の転写効率は98%であり、その評価は◎であった。また、現像剤A14の定着性の評価はAであった。
(実施例15)
実施例13における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を100部としたこと以外は、実施例13と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a15)を作製した。この分散液a15に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.50μmであった。また、実施例13における第2の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を100部としたこと以外は、実施例13と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b8)を作製した。この分散液b8に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.50μmであった。
分散液a13に代えて分散液a15を用いること、および、分散液b7に代えて分散液b8を用いること以外は、実施例13と同様にしてトナーA15および現像剤A15を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA15の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.93であった。現像剤A15の転写効率は99%であり、その評価は◎であった。また、現像剤A15の定着性の評価はAであった。
(実施例16)
実施例13における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を20部としたこと以外は、実施例13と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a16)を作製した。この分散液a16に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは6.0μmであった。分散液a13に代えて分散液a16を用いること以外は、実施例13と同様にしてトナーA16および現像剤A16を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA16の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.97であった。現像剤A16の転写効率は97%であり、その評価は○であった。また、現像剤A16の定着性の評価はAであった。
(実施例17)
分散液a1に代えて、実施例9と同様にして作製した分散液a9を用いること、並びに、実施例1のトナーの作製工程において、樹脂粒子の体積平均粒径D50vが5.0μmとなったところで温度の上昇を停止して、その温度を保持した後に、710部の分散液b1、および、162部の離型剤分散液c1(離型剤8部に相当)を5分間かけてスラリーに投入したこと以外は、実施例1と同様にしてトナーA17および現像剤A17を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA17の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.96であった。現像剤A17の転写効率は95%であり、その評価は○であった。また、現像剤A17の定着性の評価はAであった。
(実施例18)
分散液a9に代えて、実施例10と同様にして作製した分散液a10を用いること以外は、実施例17と同様にしてトナーA18および現像剤A18を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA18の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.95であった。現像剤A18の転写効率は96%であり、その評価は○であった。また、現像剤A18の定着性の評価はAであった。
(実施例19)
分散液a9に代えて、実施例11と同様にして作製した分散液a11を用いること、および、分散液b1に代えて、実施例3と同様にして作製した分散液b2を用いること以外は、実施例17と同様にしてトナーA19および現像剤A19を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA19の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.93であった。現像剤A19の転写効率は96%であり、その評価は○であった。また、現像剤A19の定着性の評価はAであった。
(実施例20)
分散液a9に代えて、実施例12と同様にして作製した分散液a12を用いること以外は、実施例17と同様にしてトナーA20および現像剤A20を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA20の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.97であった。現像剤A20の転写効率は95%であり、その評価は○であった。また、現像剤A20の定着性の評価はAであった。
(実施例21)
実施例1における第2の樹脂粒子分散液の製造工程において、マゼンタ顔料および離型剤を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b9)を作製した。この分散液b9に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.18μmであった。分散液a9に代えて、実施例13と同様にして作製した分散液a13を用いること、および、分散液b1に代えて分散液b9を用いること以外は、実施例17と同様にしてトナーA21および現像剤A21を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA21の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.96であった。現像剤A21の転写効率は95%であり、その評価は○であった。また、現像剤A21の定着性の評価はAであった。
(実施例22)
分散液a13に代えて、実施例14と同様にして作製した分散液a14を用いること以外は、実施例21と同様にしてトナーA22および現像剤A22を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA22の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.95であった。現像剤A22の転写効率は95%であり、その評価は○であった。また、現像剤A22の定着性の評価はAであった。
(実施例23)
実施例1における第2の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を100部としたこと、および、マゼンタ顔料および離型剤を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b10)を作製した。この分散液b10に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.50μmであった。分散液a13に代えて、実施例15と同様にして作製した分散液a15を用いること、および、分散液b9に代えて分散液b10を用いること以外は、実施例21と同様にしてトナーA23および現像剤A23を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA23の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.93であった。現像剤A23の転写効率は93%であり、その評価は△であった。また、現像剤A23の定着性の評価はAであった。
(実施例24)
分散液a13に代えて、実施例16と同様にして作製した分散液a16を用いること以外は、実施例21と同様にしてトナーA24および現像剤A24を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA24の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.97であった。現像剤A24の転写効率は93%であり、その評価は△であった。また、現像剤A24の定着性の評価はAであった。
(実施例25)
第2の樹脂として非晶性ポリエステル樹脂Bを200部、マゼンタ顔料5部、水酸化カリウム20%水溶液0.4部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液100部を、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、商品名:ゴーリンホモジナイザー)に投入し、分散した。溶融混合が完了した後、溶融混合が行われた混合槽において引き続き、得られた溶融混合物にイオン交換水500部を添加し、溶融混合物の乳化および分散を行い、所謂バッチ式の方法で、第2の樹脂粒子分散液(分散液b11)を作製した。この分散液b11に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.16μmであった。
分散液b2に代えて分散液b11を用いること以外は、実施例2と同様にしてトナーA25および現像剤A25を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA25の体積平均粒径D50vは7.5μmであり、形状係数は0.96であった。現像剤A25の転写効率は94%であり、その評価は△であった。また、現像剤A25の定着性の評価はBであった。
(実施例26)
実施例1における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を400部としたこと以外は、実施例1と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a17)を作製した。この分散液a17に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.06μmであった。また、実施例1における第2の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を380部としたこと以外は、実施例1と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b12)を作製した。この分散液b12に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.07μmであった。
分散液a1に代えて分散液a17を用いること、および、分散液b1に代えて分散液b12を用いること以外は、実施例1と同様にしてトナーA26および現像剤A26を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA26の体積平均粒径D50vは6.0μmであり、形状係数は0.95であった。現像剤A26の転写効率は94%であり、その評価は△であった。また、現像剤A26の定着性の評価はBであった。
(実施例27)
実施例1における第2の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を25部としたこと以外は、実施例1と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b13)を作製した。この分散液b13に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは2.9μmであった。分散液b12に代えて分散液b13を用いること以外は、実施例26と同様にしてトナーA27および現像剤A27を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA27の体積平均粒径D50vは8.8μmであり、形状係数は0.91であった。現像剤A27の転写効率は92%であり、その評価は△であった。また、現像剤A27の定着性の評価はCであった。
(実施例28)
実施例1における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を11部としたこと以外は、実施例1と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a18)を作製した。この分散液a18に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは7.7μmであった。分散液a17に代えて分散液a18を用いること以外は、実施例26と同様にしてトナーA28および現像剤A28を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA28の体積平均粒径D50vは12.5μmであり、形状係数は0.91であった。現像剤A28の転写効率は91%であり、その評価は△であった。また、現像剤A28の定着性の評価はCであった。
(実施例29)
実施例1における第1の樹脂粒子分散液の製造工程において、界面活性剤として投入するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15%水溶液の投入量を11部としたこと以外は、実施例1と同様にして第1の樹脂粒子分散液(分散液a19)を作製した。この分散液a19に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは8.2μmであった。分散液a1に代えて分散液a19を用いること以外は、実施例1と同様にしてトナーA31および現像剤A31を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA31の体積平均粒径D50vは13μmであり、形状係数は0.90であった。現像剤A31の転写効率は91%であり、その評価は△であった。また、現像剤A31の定着性の評価はCであった。
(実施例30)
実施例1における非晶性ポリエステル樹脂Bの作製において、テレフタル酸を25部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物を10モル部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物を190部それぞれ用いたこと、および、脱水縮合反応を230℃まで温度を上げた後3.5時間継続したこと以外は非晶性ポリエステル樹脂Bの作製方法と同様にして、非晶性ポリエステル樹脂Cを作製した。非晶性ポリエステル樹脂Cの重量平均分子量Mwは30,000、酸価は1.6mgKOH/g、ガラス転移温度Tgは60℃であった。
第2の樹脂として非晶性ポリエステル樹脂Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b14)を作製した。この分散液b14に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.15μmであった。分散液b1に代えて分散液b14を用いること以外は、実施例1と同様にしてトナーA39および現像剤A39を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA39の体積平均粒径D50vは6.5μmであり、形状係数は0.96であった。現像剤A39の転写効率は94%であり、その評価は△であった。また、現像剤A39の定着性の評価はBであった。
(実施例31)
実施例1における非晶性ポリエステル樹脂Bの作製において、テレフタル酸を35部、フマル酸を70部、トリメリット酸を10部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物を5モル部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物を95部それぞれ用いたこと、および、脱水縮合反応を230℃まで温度を上げた後3時間継続したこと以外は、非晶性ポリエステル樹脂Bの作製方法と同様にして非晶性ポリエステル樹脂Dを作製した。非晶性ポリエステル樹脂Dの重量平均分子量Mwは40,000、酸価は46mgKOH/g、ガラス転移温度Tgは62℃であった。
第2の樹脂として非晶性ポリエステル樹脂Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b15)を作製した。この分散液b15に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.10μmであった。分散液b1に代えて分散液b15を用いること以外は、実施例1と同様にしてトナーA40および現像剤A40を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA40の体積平均粒径D50vは6.2μmであり、形状係数は0.94であった。現像剤A40の転写効率は92%であり、その評価は△であった。また、現像剤A40の定着性の評価はBであった。
(実施例32)
実施例1における非晶性ポリエステル樹脂Bの作製において、テレフタル酸を25部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物を15モル部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物を210部それぞれ用いたこと、および、脱水縮合反応を230℃まで温度を上げた後4時間継続したこと以外は非晶性ポリエステル樹脂Bの作製方法と同様にして、非晶性ポリエステル樹脂Eを作製した。非晶性ポリエステル樹脂Eの重量平均分子量Mwは35,000、酸価は0.5mgKOH/g、ガラス転移温度Tgは57℃であった。
第2の樹脂として非晶性ポリエステル樹脂Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b16)を作製した。この分散液b16に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.2μmであった。分散液b1に代えて分散液b16を用いること以外は、実施例1と同様にしてトナーA41および現像剤A41を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA41の体積平均粒径D50vは6.8μmであり、形状係数は0.95であった。現像剤A41の転写効率は94%であり、その評価は△であった。また、現像剤A41の定着性の評価はCであった。
(実施例33)
実施例1における非晶性ポリエステル樹脂Bの作製において、テレフタル酸を35部、フマル酸を70部、トリメリット酸を12部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物を5モル部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物を95部それぞれ用いたこと、および、脱水縮合反応を230℃まで温度を上げた後3時間継続したこと以外は非晶性ポリエステル樹脂Bの作製方法と同様にして、非晶性ポリエステル樹脂Fを作製した。非晶性ポリエステル樹脂Fの重量平均分子量Mwは41,000、酸価は53mgKOH/g、ガラス転移温度Tgは62℃であった。
第2の樹脂として非晶性ポリエステル樹脂Fを用いたこと以外は、実施例1と同様にして第2の樹脂粒子分散液(分散液b17)を作製した。この分散液b17に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径D50vは0.1μmであった。分散液b1に代えて分散液b17を用いること以外は、実施例1と同様にしてトナーA42および現像剤A42を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーA42の体積平均粒径D50vは7.0μmであり、形状係数は0.94であった。現像剤A42の転写効率は92%であり、その評価は△であった。また、現像剤A42の定着性の評価はCであった。
(比較例1)
実施例1のトナーの作製工程に代えて、下記のようにしてトナーB1を作製した。分散液a1を1420部、イオン交換水を200部、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬株式会社製、ネオゲンRK)を7.0部の各成分を、温度計、pH計および撹拌機を具備した3Lの反応容器に入れた。得られた混合液を、温度25℃にて、ホモジナイザー(IKAジャパン株式会社製:ウルトラタラクスT50)を用いて5000rpmで分散し、調製した硫酸アルミニウム水溶液を250部添加しながら、6分間の分散処理を行った。
反応容器に攪拌機およびマントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を調整しながら、スラリーの温度を、40℃に達するまでは0.2℃/分の昇温速度で、40℃を超えてからは0.05℃/分の昇温速度で上昇させた。スラリーの温度を上昇させながら、10分ごとに樹脂粒子の粒径を測定し、体積平均粒径D50vが8.0μmとなったところで温度の上昇を停止して、その温度を保持した。その後、4%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、スラリーの温度を1℃/分の昇温速度で90℃まで上昇させ、90℃で保持した。それ以降は、実施例1と同様にして、トナーB1を作製した。
トナーA1に代えてトナーB1を用いること以外は実施例1と同様にして現像剤B1を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーB1の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.96であった。現像剤B1の転写効率は85%であり、その評価は×であった。また、現像剤B1の定着性の評価はBであった。
(比較例2)
分散液a1に代えて、実施例2と同様にして作製した分散液a2を用いること以外は、比較例1と同様にしてトナーB2および現像剤B2を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーB2の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.95であった。現像剤B2の転写効率は85%であり、その評価は×であった。また、現像剤B2の定着性の評価はBであった。
(比較例3)
分散液a1に代えて、実施例3と同様にして作製した分散液a3を用いること以外は、比較例1と同様にしてトナーB3および現像剤B3を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーB3の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.93であった。現像剤B3の転写効率は91%であり、その評価は△であった。また、現像剤B3の定着性の評価はBであった。
(比較例4)
分散液a1に代えて、実施例4と同様にして作製した分散液a4を用いること以外は、比較例1と同様にしてトナーB4および現像剤B4を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーB4の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.97であった。現像剤B4の転写効率は86%であり、その評価は×であった。また、現像剤B4の定着性の評価はBであった。
(比較例5)
比較例1のトナーの作製工程において、温度計、pH計および撹拌機を具備した3Lの反応容器に、実施例5と同様にして作製した分散液a5を1420部、イオン交換水を200部、および、アニオン性界面活性剤を7部の各成分に加えて、127部の離型剤分散液c1(離型剤8部に相当)を入れること以外は比較例1と同様にして、トナーB5および現像剤B5を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーB5の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.96であった。現像剤B5の転写効率は85%であり、その評価は×であった。また、現像剤B5の定着性の評価はAであった。
(比較例6)
分散液a5に代えて、実施例6と同様にして作製した分散液a6を用いること以外は、比較例5と同様にしてトナーB6および現像剤B6を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーB6の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.95であった。現像剤B6の転写効率は86%であり、その評価は×であった。また、現像剤B6の定着性の評価はAであった。
(比較例7)
分散液a5に代えて、実施例7と同様にして作製した分散液a7を用いること以外は、比較例5と同様にしてトナーB7および現像剤B7を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーB7の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.93であった。現像剤B7の転写効率は91%であり、その評価は△であった。また、現像剤B7の定着性の評価はAであった。
(比較例8)
分散液a5に代えて、実施例8と同様にして作製した分散液a8を用いること以外は、比較例5と同様にしてトナーB8および現像剤B8を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、トナーB8の体積平均粒径D50vは8.0μmであり、形状係数は0.97であった。現像剤B8の転写効率は86%であり、その評価は×であった。また、現像剤B8の定着性の評価はAであった。
第1の樹脂粒子分散液である分散液a1〜a19の原料、製造方法および性状を表1に、第2の樹脂粒子分散液である分散液b1〜b17の原料、製造方法および性状を表2に、それぞれ示す。実施例1〜33および比較例1〜8について、トナーの作製に使用した分散液、トナー性状および現像剤の評価(転写効率および定着性)を表3および表4に示す。
Figure 2017037239
Figure 2017037239
Figure 2017037239
Figure 2017037239
実施例1〜33の結果が示すように、第1の樹脂、塩基性物質および界面活性剤を溶融混合して第1の溶融混合物を形成する溶融混合工程と、第1の溶融混合物を水系媒体に分散させる分散工程とを1つの装置を用いて連続して行い、第1の樹脂粒子が水系媒体に分散されてなる第1の樹脂粒子分散液を製造することにより、所謂バッチ式の方法で第1の樹脂粒子分散液を製造する場合と比較して、静電荷像現像用トナーの製造にかかる処理時間が短くなり、なお且つ、第1の樹脂粒子をコア粒子として有する静電荷像現像用トナーの転写効率の低下が抑制された。
10 二軸押出機、12 シリンダー、14 原料投入口、16 塩基水溶液投入口、18 界面活性剤投入口、20,21,22 水系媒体投入口、24 排出口、26 供給ライン、28 ポンプ、30 樹脂供給機、32 塩基水溶液タンク、34 界面活性剤水溶液タンク、36 温度調節装置、38 純水タンク、40 ヒーター、42 樹脂供給バレル、44 溶融混合領域、46 分散領域。

Claims (6)

  1. 第1の樹脂、塩基性物質および界面活性剤を溶融混合して第1の溶融混合物を形成する溶融混合工程と、前記第1の溶融混合物を水系媒体に分散させることにより、前記第1の樹脂、前記塩基性物質および前記界面活性剤を含む第1の樹脂粒子が前記水系媒体に分散されてなる第1の樹脂粒子分散液を製造する分散工程とを有し、前記溶融混合工程と前記分散工程とを1つの装置を用いて連続して行う、第1分散液製造工程と、
    前記第1の樹脂粒子分散液に、第2の樹脂を含む第2の樹脂粒子が水系媒体に分散されてなる第2の樹脂粒子分散液を添加することにより、前記第1の樹脂粒子の表面に、前記第2の樹脂を含むシェル層を形成するシェル層形成工程と、
    前記シェル層が形成された第1の樹脂粒子を合一させる合一工程と、
    を含むことを特徴とする、静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 前記シェル層が更に離型剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 前記第2の樹脂粒子分散液が、前記第2の樹脂、塩基性物質および界面活性剤を溶融混合して第2の溶融混合物を形成する工程と、前記第2の溶融混合物を水系媒体に分散させる工程とを1つの装置を用いて連続して行うことにより製造される、前記第2の樹脂、前記塩基性物質および前記界面活性剤を含む第2の樹脂粒子が前記水系媒体に分散されてなる分散液であることを特徴とする、請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 前記第1の樹脂粒子の体積平均粒径が0.05μm以上8μm以下であり、且つ、前記第2の樹脂粒子の体積平均粒径が0.05μm以上3μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 前記1つの装置が多軸押出機であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 前記第1の樹脂および前記第2の樹脂の少なくとも一方が、1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の酸価を有するポリエステル樹脂であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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