JP2017036993A - 接続治具及び半導体装置の通電試験方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、半導体装置がパワーMOSFET、IGBT等のパワー系の半導体装置(該パワー系の半導体装置を一部に含むモジュールとしての半導体装置も含む)である場合には、例えば耐久性サイクル試験のような大電流を流す試験を行うことがある。酸化した状態の金属電極810aを用いて、かかる耐久性サイクル試験のような大電流を流す試験を行うと、ジュール熱の発生により金属電極810aの温度上昇を惹き起こし、その温度上昇が更に金属電極810aの酸化を加速させ、最終的には金属電極810の表面が変質して適切な試験ができなくなってしまうという問題が生じていた。
別の従来の接続治具900によれば、例えば作業者の指が金属電極910に接触したとしても、金属電極910の表面にメッキ処理が施されて成るメッキ部914によって酸化が抑制されるため、上記酸化問題を解決することができる。
この状態で大電流を流す試験を行うと、金属電極910及び端子210の接触部分を中心に温度が異常に上昇し、接続治具900をケーシングしているケース(図示せず。)の樹脂が溶解する、試験回路を構成しているケーブルの被覆が焼け焦げる、半導体装置内部のワイヤーボンディングが溶解して半導体装置を損傷する等の不具合が生じて、試験の遂行が不能となるばかりか、半導体装置(出荷が予定されている製品でもある)を破壊してしまう可能性もあることが判明した。
1.実施形態1に係る接続治具100の構成
実施形態1に係る接続治具100は、図1に示すように、端子210を有する半導体装置200に試験電流を流すための金属電極110と、金属電極110を端子210に向けて押し付ける押付手段120とを備え、さらに金属板130を備える。なお、符号300は力学上の壁を示している。接続治具100は、ケース140(図示せず。)によってケーシングされた状態で用いてもよいし、ケーシングをしない状態で用いてもよい。
金属電極110は、例えば試験機400(図示せず。)に接続されるなどして、半導体装置200の電気的特性を試験する際には試験回路の一部を構成する。金属電極110には大電流が流されることがあるため、金属電極110は、抵抗率が小さい金属材料からなることが好ましい。金属電極110の材料として、例えば銅、銀等を採用することができる。
また、金属電極110は、後述するように、押付手段120によって押付力F1が加えられ(図2(b)参照。))、かつ、金属板130を介してかかる押付力F1を端子210に伝えるものであるため、ある程度の剛性を有していることが好ましい。
実施形態1におけるメッキ部114は、金属電極110のうち、少なくとも金属板130に対向する面にメッキ処理が施され形成された部分をいい、メッキ部114は金属電極110の一部を構成している。
メッキ部114は、硬質クロムメッキ処理、無電解ニッケルメッキ処理、金メッキ処理等によって形成することができる。硬質クロムメッキ処理は、例えば、銅を素地として電気メッキ法で硬質クロムメッキを施すことによって行う。
参考までに、メッキ部114の硬度は、素地や処理の仕方によるが、硬質クロムメッキによるものの場合にはおおよそ400Hv〜2000Hvの範囲内にあり、無電解ニッケルメッキによるものの場合にはおおよそ160Hv〜600Hvの範囲内にあり、硬質金メッキによるものの場合にはおおよそ200Hv〜300Hvの範囲内にある。
金属板130は、金属電極110を端子210に向けて押し付ける際、金属電極110と端子210との間に配置されるものであり、端子210より硬度が低く、かつ、メッキ部114より硬度が低い金属材料からなる。
金属板130は、無垢の銅からなる板であることが好ましい。この他に金属板130として、例えば、無垢の金等を採用することができる。
なお、金属板130の硬度は、おおよそ10Hv〜150Hvの範囲内にあり、さらには、20Hv〜70Hvの範囲内にあることが好ましい。
押付手段120としては、金属電極110を半導体装置200の端子210に向けて押し付ける機能があればどのような手段でも採用することができる。例えば、ねじ、板バネ、ロボットハンドなど進退機構を有するヘッド等、金属電極110に対し押付力F1を加えることができるものであればいずれの手段でもよい。
半導体装置200としては、後工程の電気的特性試験の際に試験電流が流されるものであればいずれの半導体装置も実施形態1に適用できるが、主に大電流を流す試験を行う可能性が高いパワーMOSFET、IGBT等のパワー系の半導体装置は特に好適である。また、実施形態1における半導体装置200の中には、パワー系の半導体装置を一部に含むモジュール(電源モジュール等)としての半導体装置もこれに含まれる。
端子210は、電気的特性試験の際だけでなく、半導体装置200が電子機器のシステムに組み込まれて通常に動作する際にも電流が流される端子そのものであってもよい(例えば、半導体装置200の電源入力用の端子、各種出力用の端子等)。
半導体装置200の端子210の仕様は、基本的に個々の半導体装置の仕様に依る。例えば、実施形態1においては、半導体装置のリード端子は、厚さがおおよそ0.25mm〜0.7mmの範囲内にあり、表面の硬度はおおよそ1000Hv以上の範囲内にあるものを用いている。
実施形態1に係る接続治具100においては、図2(a)に示すように、金属電極110及び金属板130が接触する面に垂直な方向を厚さ方向とし、金属電極110の厚さをt1とし、金属板130の厚さをt2としたときに、t1>t2の関係にある。
実施形態1に係る接続治具100を用いた半導体装置の通電試験のハードウェア構成は、少なくとも接続治具100、試験機400及び試験対象となる半導体装置200から構成される(図3参照。)。
一例として、図3に示すいわゆるバイアスバーによる通電試験の構成を以下に説明する。
試験機の電源の出力端子412は、リード線等の配線手段によって、金属電極110と電気的に接続されている。金属電極110は、金属板130を挟んで壁300に対向するように配置されている。
そして、半導体装置200の端子210rが金属電極110と壁300との間に配置され、押付手段120が金属電極110を端子210に向けて所定の力で押し付けることができる(図3(c)参照。)。かかる構成により、試験機400の電源の出力端子412と半導体装置200の電源が入力される端子210rとが電気的に接続される。
同様な構成で、試験機400の電源の出力端子414についても半導体装置200の別の電源(−側)が入力される端子210sとの間で電気的に接続することができる。
次に、実施形態1に係る半導体装置の通電試験方法を、図4及び図5を用いながら説明する。
金属電極110、メッキ部114、金属板130及び押付手段120の詳細は、上記「1.実施形態1に係る接続治具100の構成」に譲る。
なお、後述する実施形態3(図7及び図8参照。)又は実施形態4(図9及び図10参照。)で示すとおり、端子210を挟み込むように、端子の両側に複数の金属板130及び複数の金属電極110を配置することもできる。
耐久性サイクル試験は、主にパワーMOSFET、IGBT等のパワー系の半導体装置の電気的特性を評価・試験するものであり、半導体装置の温度をモニタしながら、出力端子のデータをロギングしつつ、半導体装置の入力端子に所定の制御を行い、特定のモニタ因子(定電流、定温度等)に対する信頼性についての評価・試験を行うものである。
耐久性サイクル試験の仕様は、電子機器のシステムの要求される仕様によって変わるものであり一定のものはないが、例えば、試験対象となる半導体装置に対し、おおよそ100A〜140Aの範囲内にある所定の電流を10秒〜40秒の範囲内にある所定の時間だけ通電し、その後同様の所定の時間だけ電流を遮断するという動作を繰り返し行いながら、半導体装置の温度が管理範囲(例えば70〜90℃)内にあることをモニタリングしつつ、短い場合は1日程度、長い場合は1週間〜数週間程度の期間に渡って実行するといった仕様などがある。
耐久性サイクル試験における例を挙げると、例えば1日程度の連続試験を行う場合には所定の厚さの金属板を用い、1週間程度の連続試験を行う場合には、前記1日程度の連続試験に用いる金属板の所定の厚さよりも厚い別の金属板を用いる、という使い分けを行うことが好ましい。
金属板130として比較的薄いものを用いた場合には、使用開始当初は温度上昇の抑制をある程度期待することができるものの、熱容量が比較的小さいこともあり、累積通電時間が長くなると金属板130自体の発熱等による酸化が加速してしまい、結果的に接触抵抗が大きくなってしまい、温度上昇の抑制に寄与できなくなってしまうからである。
実施形態1に係る接続治具100によれば、端子210より硬度が低く、かつ、メッキ部114より硬度が低い金属材料からなり、金属電極110を端子210に押し付ける際、金属電極110と端子210との間に配置する金属板130を備えるため、金属電極110が端子210に押し付けられた際には、金属板130がメッキ部114の形状及び端子210の形状にそれぞれ従って変形して、金属電極110のメッキ部114と端子210との間のギャップ又は空隙G(図22参照。)を埋めることができ(図1(b)、図2(b)、図3(c)等参照。)、金属電極110と端子210との間の接触面積を十分確保することができる。このようにして、通電試験に、メッキ処理を施した結果表面の硬度が高くなった金属電極を用いる場合であっても、従来よりも、金属電極と半導体装置の端子との間の接触抵抗を低減し、試験電流による接続治具の温度上昇を抑制することができる。
実施形態2に係る接続治具100aは、基本的には実施形態1に係る接続治具100と同様の構成を有するが、金属電極の構成、及び、接続の対象となる半導体装置の端子の構成が実施形態1に係る接続治具100とは異なる。すなわち、実施形態2に係る接続治具100aは、図6の100aで示すように、半導体装置200は、第1端子と第2端子とを備え、金属電極110aは、第1端子と第2端子との間を電気的に導通させる構成とするものである。なお、実施形態2における「第1端子」及び「第2端子」には、半導体装置200のいずれの端子にも適用することができ、例えば、図6における端子210t又は端子210uのうち、一方を第1端子、他方を第2端子として適用することができる。
なお、実施形態2においては2つの端子間をショートするための構成について説明をしているが、3つ以上の端子間をショートする構成のものであってもよい。
また、図6においては、金属板130aは端子210tと端子210uとの間を一体的な板によって導通する構成になっているが、端子210t用の金属板130aと端子210u用の金属板130aをそれぞれ独立して準備してもよい。
実施形態3に係る接続治具100bは、基本的には実施形態1に係る接続治具100と同様の構成を有するが、端子210を両側から挟み込むようにして金属板130b及び金属電極110bを配置するものである点が、実施形態1に係る接続治具100とは異なる。すなわち、実施形態3に係る接続治具100bは、端子210を両側から挟み込むようにして、外側から、金属電極110b及び金属板130bがそれぞれ配置されており、端子210r(又は端子210s)は半導体装置200の電源の入力端子であり、複数の金属電極110bは、それぞれ、通電試験を行う試験機400(図示せず。)の同一の電源の出力端子412(又は414)と電気的に接続されている構成となっている(図7及び図8、特に図8(b)参照。)。
金属板130bの形状としては、平板状のものの他、コの字型等折り返された板も採用することができる(図7(a)参照。)。この場合、コの字型に折り返された板の複数の面のうち、金属電極110bと端子210rの間に配置される面を実施形態1におけるそれぞれ別個の金属板130bとして用いる。このような、コの字型の金属板130bは対向する2つの金属電極110bによって形成されたソケット状の空間に落とし込まれて使用されてもよい(図7(a)及び図8(b)参照。)。
また、実施形態3に係る接続治具100bによれば、図8(b)に示すように、試験機と端子210s(又は端子210r)との間には、R1及びR2の2つの電流経路を確保することができ、実施形態1に比べて電流経路のインピーダンスを全体として低減することができる。したがって、実施形態3に係る接続治具100bは、大電流を流す試験により好適な接続治具として提供することができる。
実施形態4に係る接続治具100cは、基本的には実施形態2に係る接続治具100aと同様の構成を有するが、端子210t(,210u又は210v)を両側から挟み込むようにして金属板130c及び金属電極110cを配置するものである点が、実施形態2に係る接続治具100aとは異なる。
すなわち、実施形態4に係る接続治具100cは、第1端子及び第2端子を両側から挟み込むようにして、外側から、金属電極110c及び金属板130cがそれぞれ配置されており、半導体装置200は第1端子と第2端子とを備え、複数の金属電極110cは、第1端子と第2端子との間を電気的に導通させる構成となっている(図9及び、図10参照。)。
なお、実施形態4における「第1端子」及び「第2端子」には、半導体装置200のいずれの端子にも適用することができ、例えば、図9及び図10における端子210t、端子210u及び端子210vの3つの端子のうち、選択したいずれか1つの端子を第1端子、残った2つの端子のうち1つの端子を第2端子として適用することができる。
なお、図9及び図10において、金属電極110cは3つの端子間をショートする構成の例を示しているが、2つの端子間をショートする構成のものであっても、4つ以上の端子間をショートする構成のものであってもよい。
また、実施形態4に係る接続治具100bによれば、実施形態3と同様に2つの電流経路を確保することができ、実施形態2に比べて電流経路のインピーダンスを全体として低減することができる。したがって、実施形態4に係る接続治具100cは、大電流を流す試験により好適な接続治具として提供することができる。
実験例1は、本発明に係る接続治具(バイアスバー用)及び半導体装置の通電試験方法を半導体装置のサイクル試験に適用したときに、従来よりも接続治具の温度上昇を抑制することができること示す実験例である。
実施形態3に係る接続治具100bと同様の両側から挟み込むタイプのバイアスバー用の接続治具を作製し、メッキ部114が硬質クロムメッキ処理によって形成されたものを試料1(実施例)とし、無電解ニッケルメッキ処理によって形成されたものを試料3(実施例)とし、硬質金メッキ処理によって形成されたものを試料5(実施例)とした。また、金属電極110bにメッキ部を有しないものを試料7(比較例)とし、さらに、金属板130bを配置しないものを試料2(比較例)、試料4(比較例)、試料6(比較例)及び試料8(比較例)とした(図14参照。)。
半導体装置200として、パワーMOSFET(新電元工業製 SB30)を用いた。半導体装置200の端子210は、半導体装置本体からいわゆるDIP型の形状で折り曲げられたものであり、メッキ部114が、タフピッチ鋼を素地として、ニッケルによる下地メッキ、更にニッケルによる仕上げメッキの処理を施したものを用いた。
(1)構成
図11に示すように、試験機400の試験制御信号端子420と半導体装置200の制御用端子220との間を接続し、試験機400の電源の出力端子412(+側)と金属電極110b(+側)との間をリード線によって接続し、電源の出力端子414(−側)と金属電極110b(−側)との間も同様に接続した。また、ショートが必要な端子は溶接にて直接接続した。さらに、熱電対TC1を、接続治具100bの金属電極110b(メッキ部114)の表面であって金属板130bと接触する面の近傍の位置に、メッキ部114に接触するように配置した。熱電対TC1から引き出された2本のリード線を、温度モニタ500のセンサ入力端子510,512にそれぞれ接続した。
半導体装置200の端子210r,210sを接続治具100bに配置し、押付手段120bであるねじ(六角穴付きボルト M2.5)を締結することによって金属電極110bを端子210に向けて押し付けた。
なお、試験機400及び温度モニタ500は少なくとも実験例1〜実験例3に必要な所定の制御、ロギング及びモニタを行うことができるものであり、内作のものを用いた。
上記のように実験環境を構成した上で、試験機400を用いて、半導体装置200の電源の入力端子210r(+側)及び210s(−側)に対し、It=126Aの電流を30秒間通電し、その後30秒間遮断するという動作を繰り返し実行させた。その間、熱電対TC1及び温度モニタ500を用いて、金属電極110bの温度を観測し、グラフにプロットした。
3.実験結果
図12及び図13からも明らかなように、金属板130bを配置した場合(試料1、試料3及び試料5)では、金属板を配置しない場合(試料2、試料4及び試料6)よりも金属電極の温度が低くなっている。全体を俯瞰すると、図14の表で示すように、3種のメッキ種類のいずれの場合においても、本発明の接続治具100bによれば、従来よりも接続治具の温度上昇を抑制することができることが確認された。
実験例2は、基本的には実験例1と同様の実験内容であるが、接続治具の態様がショートバー型である点が異なる。
実施形態4に係る接続治具100cと同様の両側から挟み込むタイプのショートバー用の接続治具を作製し、実験例1と同様に、メッキ部114が硬質クロムメッキ処理によって形成されたものを試料9(実施例)とし、無電解ニッケルメッキ処理によって形成されたものを試料11(実施例)とし、硬質金メッキ処理によって形成されたものを試料13(実施例)とした。また、金属電極110cにメッキ部を有しないものを試料15(比較例)とし、さらに、金属板130cを配置しないものを試料10(比較例)、試料12(比較例)、試料14(比較例)及び試料16(比較例)とした(図18参照。)。
ショートバー用の金属板130bとしては、無垢の銅からなる平板の板(厚さt2=0.3mm)を用いた(図15参照。)。
(1)構成
半導体装置の端子210tと端子210u(及び210v)とをショートするように、金属電極110cを押し当てる点、当該金属電極110c(メッキ部114)にも熱電対TC2を配置する点が異なるが、その他は、基本的には実験例1と同様の構成とした(図15参照)。
(2)通電試験
実験例1と同様に通電を行い、熱電対TC2及び温度モニタ500を用いて、金属電極110cの温度を観測し、グラフにプロットした。
3.実験結果
図16及び図17からも明らかなように、金属板130cを配置した場合(試料9、試料11及び試料13)では、金属板を配置しない場合(試料10、試料12及び試料14)よりも金属電極の温度が低くなっている。全体を俯瞰すると、図18の表で示すように、3種のメッキ種類のいずれの場合においても、本発明の接続治具100cによれば、従来よりも接続治具の温度上昇を抑制することができることが確認された。
半導体装置(特に端子)の仕様、通電試験に用いられる接続治具(特に金属電極、及び、その一部を構成するメッキ部)の仕様は、電子機器のシステムの仕様によっても変わり得るものである。実験例1及び実験例2の結果から、本発明の接続治具を用いることで、たとえメッキ部の仕様(メッキ処理の種類)等が中途で変わったとしても、安定して、接触面積を確保して通電試験を遂行することができ温度上昇を抑制することができることが判明した。
実験例3は、金属板130の厚さの最適化について示す実験例である。
1.試料の準備
(1)バイアスバー用の金属板の厚さの実験向けとしては、実験例1と同様の両側から挟み込むタイプのバイアスバー用の接続治具を作製し、メッキ部114が硬質クロムメッキ処理によって形成されたものであって、金属板130bの厚さt2を変化させたものをそれぞれ試料17〜試料20とした(図19の表の上半分を参照)。
(2)ショートバー用の金属板の厚さの実験向けとしては、実験例2と同様の両側から挟み込むタイプのショートバー用の接続治具を作製し、メッキ部114が硬質クロムメッキ処理によって形成されたものであって、金属板130cの厚さt2を変化させたものをそれぞれ試料21〜試料24とした(図19表の下半分を参照)。
2.実験方法
基本的に実験例1及び実験例2の同様の実験構成、通電と温度モニタの方法で行った。また温度は、通電/遮断の動作を30サイクル行ったときの金属電極の到達温度を測定するものとした。
3.実験結果
図19の表からも分るように、金属板130の厚さt2は、実験例3の条件下では、所定の厚さ(0.3mm)に設定することが好ましいことが確認された。
参考までに、金属板130の厚さが大きい場合(実験例3の条件下では0.4mm以上の場合)には、端子210に力を伝えづらいことが考えられ、その結果、金属板130と端子210とのギャップを埋めきれず、温度上昇を然程抑制できない。
Claims (13)
- 端子を有する半導体装置に試験電流を流すための金属電極と、前記金属電極を前記端子に向けて押し付ける押付手段とを備えた接続治具であって、
前記金属電極は表面にメッキ処理が施されて成るメッキ部を有し、
前記端子より硬度が低く、かつ、前記メッキ部より硬度が低い金属材料からなり、前記金属電極を前記端子に向けて押し付ける際、前記金属電極と前記端子との間に配置する金属板をさらに備えることを特徴とする接続治具。 - 請求項1に記載の接続治具において、
前記メッキ部を構成する材料は金属板を構成する材料よりも耐酸化性が高いことを特徴とする接続治具。 - 請求項1又は2に記載の接続治具において、
前記メッキ部は硬質クロムメッキ処理、無電解ニッケルメッキ処理、又は硬質金メッキ処理によって形成されて成ることを特徴とする接続治具。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の接続治具において、
前記金属板は、無垢の銅からなる板であることを特徴とする接続治具。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の接続治具において、
前記半導体装置は、パワー系半導体装置又は該パワー系半導体装置を一部に含むモジュールとしての半導体装置であり、
前記端子は、溶接により外部接続される端子であることを特徴とする接続治具。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の接続治具において、
前記金属電極及び前記金属板が接触する面に垂直な方向を厚さ方向とし、前記金属電極の厚さをt1とし、前記金属板の厚さをt2としたときに、t1>t2の関係にあることを特徴とする接続治具。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の接続治具において、
前記金属電極を前記端子に向けて押し付けて前記金属電極、前記金属板及び前記端子を互いに接触させたときの前記金属電極及び前記金属板の接触面積をA1とし、前記金属板及び前記端子の接触面積をA2としたときに、A1>A2の関係にあることを特徴とする接続治具。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の接続治具において、
前記端子は、前記半導体装置の電源の入力端子であり、
前記金属電極は、通電試験機の電源の出力端子と電気的に接続するためのものであることを特徴とする接続治具。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の接続治具において、
前記半導体装置は、第1端子と第2端子とを備え、
前記金属電極は、前記第1端子と前記第2端子との間を電気的に導通させるものであることを特徴とする接続治具。 - 半導体装置の端子に試験電流を流して前記半導体装置の電気的特性を試験する半導体装置の通電試験方法であって、
表面にメッキ処理が施されて成るメッキ部を有する金属電極と、前記端子より硬度が低く、かつ、前記メッキ部より硬度が低い金属材料からなる金属板と、前記金属電極を前記端子に押し付ける押付手段と、を準備する準備ステップと、
試験対象となる半導体装置を準備し、該試験対象となる半導体装置の端子と前記金属電極の間に前記金属板を配置する配置ステップと、
前記押付手段によって前記金属電極を前記端子に向けて押し付ける押付ステップと、
前記金属電極を用い試験電流を流して前記半導体装置の電気的特性を試験する試験ステップとを、この順序で含むことを特徴とする半導体装置の通電試験方法。 - 請求項10に記載の半導体装置の通電試験方法において、
前記準備ステップでは、前記金属電極及び前記金属板が接触する面に垂直な方向を厚さ方向とし、前記金属電極の厚さをt1とし、前記金属板の厚さをt2としたときに、t1>t2の関係にある前記金属電極及び前記金属板を準備することを特徴とする半導体装置の通電試験方法。 - 請求項10又は11に記載の半導体装置の通電試験方法において、
前記準備ステップでは、前記金属電極として、前記メッキ部が硬質クロムメッキ処理、無電解ニッケルメッキ処理又は硬質金メッキ処理によって形成された金属電極を準備し、かつ、前記金属板として、無垢の銅からなる板を準備することを特徴とする半導体装置の通電試験方法。 - 請求項10〜12のいずれかに記載の半導体装置の通電試験方法において、
前記通電試験は、試験対象となる半導体装置を入れ替えながら繰り返し行われる試験であり、
前記金属板の交換頻度は、前記金属電極の交換頻度よりも高いことを特徴とする半導体装置の通電試験方法。
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