JP2017036697A - 内燃機関のegr制御システム、内燃機関、及び内燃機関のegr制御方法 - Google Patents

内燃機関のegr制御システム、内燃機関、及び内燃機関のegr制御方法 Download PDF

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裕章 今原
佐藤 淳一
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健二 波多野
Kenji Hatano
健二 波多野
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Abstract

【課題】内燃機関の気筒内酸素濃度に基づいて、EGRバルブの開度を制御する内燃機関のEGRシステムで、内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、EGRバルブの開度の基本制御量の振動を抑制して、EGRハンチングの発生を抑制することができる内燃機関のEGR制御システム、内燃機関、及び内燃機関のEGR制御方法を提供する。
【解決手段】EGRバルブ16の開度をフィードフォワード制御とフィードバック制御とを併用して制御するEGR制御において、エンジン10の運転状態が定常状態であるときに、フィードフォワード制御におけるEGRバルブ16の開度の基本制御量Caの算出に関しては、NOx補正係数NCfによる補正なしで算出し、フィードバック制御におけるEGRバルブ16の開度の補正制御量Cbの算出に関しては、NOx補正係数NCfによる補正をして算出して、EGRバルブ16を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、EGR通路にEGRバルブを有して構成されるEGRシステムを備えた内燃機関で、この内燃機関の気筒内酸素濃度に基づいて、EGRバルブの開度を制御する内燃機関のEGR制御システム、内燃機関、及び内燃機関のEGR制御方法に関する。
一般的に、車両に搭載されるディーゼルエンジン等の内燃機関には、排気ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を一定濃度以下に制御するために、EGRシステムが備えられる。このEGRシステムは、図1に示すように、内燃機関10の排気通路13と吸気通路12を接続するEGR通路14と、このEGR通路14に設けられるEGRクーラー15、EGRバルブ16等により構成されるシステム1である。このEGRシステム1により、排気通路13を通過する排気ガスGの一部(EGRガス)Geを、EGR通路14を経由して吸気通路12に還流させて、新気Aと共に気筒11c内に供給することで、気筒11c内での燃焼温度を低下させ、排気ガスGに含まれる窒素酸化物の濃度を制御している。一般的に、気筒11c内での燃焼温度が低下するにつれて、排気ガスGに含まれる窒素酸化物の濃度が低減することが知られている。
また、これに関連して、内燃機関の負荷にかかわらず低圧EGRの流量を一定となるようにフィードフォワード制御するとともに、排気中の酸素濃度が一定となるように、高圧EGRの流量をその目標値にフィードバック制御する内燃機関の排気還流制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、発明者らは、図3に示すようなEGR制御システム40Xで、EGR制御を行うことを考えてきたが、EGRバルブ16の開度が目標開度付近で振動する現象であるEGRハンチングの発生という問題に直面した。
この図3に示すEGR制御システム40Xでは、NOx制御では、エンジン回転数及び燃料噴射量等のエンジン運転状態に基づいて算出される第1NOx目標値Nt1に、実際の排気ガスG中のNOx濃度がなるように、気筒内酸素濃度に基づいて、EGRバルブ16の開度を制御している。
すなわち、EGRバルブ16の開度を制御する目標開度の制御量Cは、気筒内酸素濃度目標値Dtを基に第4制御部44のフィードフォワード制御で算出される基本制御量(プリ制御量)Caに、気筒内酸素濃度目標値Dtと、各種センサからの入力を基に算出される気筒内酸素濃度の計算値Dcとの差(誤差)ΔD(=Dt−Dc)を基に第5制御部45のフィードバック制御(PID制御)45で算出される補正制御量Cbを加算してバルブ制御量Cが算出される(C=Ca+Cb)。
より詳細に説明すると、吸気流量センサ21、吸気圧力センサ22、吸気温度センサ23、排気ラムダセンサ24などの吸気及び排気のセンサ群Sg1からの検出値を基に、第1制御部41で、NOx濃度算出値Ncが算出される。それと共に、NOx濃度検出値Ndを基本としてNOx濃度算出値Ncによる算出値を補正する値を用いて、制御用の算出値を補正するとの考えに基づいて、NOx補正部46で、NOx濃度センサ20の検出値であるNOx濃度検出値Ndが入力され、このNOx濃度検出値NdとNOx濃度算出値NcとからNOx補正係数(補正比率)NCf=Nd/Ncが算出される。
一方、エンジン回転数及び燃料噴射量に基づいてマップデータを参照する等して、第1NOx目標値Nt1が算出され、この第1NOx目標値Nt1に対して、第2制御部42Xで、スモークリミットを考慮して第2NOx目標値Nt2が算出され、更に、内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、NOx補正係数NCfを乗じて、第3NOx目標値Nt3(=Nt2×NCf=Nt2×Nd/Nc)が算出される。また、内燃機関の運転状態が過渡状態であるときには、NOx補正係数NCfによる補正を行わず、補正比率を1として、第3NOx目標値Nt3が算出される(Nt3=Nt2×1=Nt2)。
この第3NOx目標値Nt3に対して、第3制御部43Xで、気筒内酸素濃度目標値Dtが算出され、第4制御部44でフィードフォワード制御(プリ制御)の目標値である基本制御量(プリ制御量)Caが算出される。それと共に、第5制御部45で、気筒内酸素濃度目標値Dtと第1制御部41で算出された気筒内酸素濃度算出値Dcとを入力して、フィードバック制御(PID制御)の目標値である補正制御量Cbが算出される。加算部47で、この基本制御量Caと補正制御量Cbとが加算されてバルブ制御量Cが算出される。このバルブ制御量CでEGRバルブ16の開度が調整制御される。
そして、このEGR制御においては、このNOx補正係数NCfによる第2NOx目標値Nt2に対する補正を、内燃機関の運転状態が定常状態の時にのみ行っている。すなわち、内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、NOx補正係数NCfによる補正を行って、第3NOx目標値Nt3を算出している(Nt3=Nt2×NCf)。なお、内燃機関の運転状態が過渡状態であるときには、NOx補正係数NCfによる補正を行わず、NOx補正係数NCfを1として、第3NOx目標値Nt3を算出している(Nt3=Nt2×1=Nt2)。
そのため、内燃機関の運転状態が定常状態であるときには、NOx補正係数NCfにより補正された気筒内酸素濃度目標値Dtに基づいて、EGRバルブ16の開度の基本制御量Ca及び補正制御量Cbを算出しており、NOx補正係数NCfによる補正の影響が第3NOx目標値Nt3を介して基本制御量Caと補正制御量Cbの両方に及んでいる。
しかしながら、このEGR制御システム40Xでは、内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、EGRバルブ16の開度が振動する目標開度に追従して振動が持続する現象であるEGRハンチングが発生するという問題がある。
特開2012−237290号公報
この問題に対して、本発明者らは、実験等を繰り返すことにより、上記のEGRハンチングの発生の原因が基本制御量Caの振動にあることを見出した。そして、基本制御量Caの振動が、基本制御量Caに対するNOx補正係数NCfによる補正の影響で生じていることを突き止め、さらに、この基本制御量Caに対する補正を止めることでハンチングが収まることを実験的に確認した。
つまり、EGR制御においては、EGR弁の弁開度の制御による影響が吸気量に及び、プリ制御値Caを算出するための吸気量に関する各種センサの出力に影響が出る。この場合に、このNOx濃度検出値Ndを検出するNOx濃度センサ20が、EGR通路14が分岐した場所より下流側に配置されており、EGR弁、吸気に関する各種センサ、NOx濃度センサのそれぞれの位置関係で、EGR制御の面で、基本制御量Caの算出に関して、EGRバルブ16の開度の変化に対して、NOx濃度センサ20の検出値Ndの変化には応答遅れ(位相遅れ)が生じ、そのため、NOx補正係数NCfの算出にも遅れ(位相差)が生じる。この応答遅れの影響により、エンジン10の運転状態が定常状態へ到達したときに、基本制御量CaをNOx補正係数NCfで補正すると、本来モデル計算上は一定値である基本制御量Caが過去の運転状態の影響を引きずって動作し、EGRバルブが基本制御量の動きに追従する結果として実NOxが動き、新たにNOx補正係数NCfの振動を誘発するため、ハンチングが生じると考えられる。
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、EGR通路にEGRバルブを有して構成されるEGRシステムを備えた内燃機関で、この内燃機関の気筒内酸素濃度に基づいて、EGRバルブの開度を制御する内燃機関のEGRシステムに関し、特に、内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、EGRバルブの開度の基本制御量の振動を抑制して、EGRハンチングの発生を抑制することができる内燃機関のEGR制御システム、内燃機関、及び内燃機関のEGR制御方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関のEGR制御システムは、EGR通路にEGRバルブを有して構成されるEGRシステムを備えた内燃機関で、EGRのNOx濃度目標値に対応する気筒内酸素濃度目標値に基づいて、前記EGRバルブの開度をフィードフォワード制御とフィードバック制御とを併用して制御する内燃機関のEGR制御システムにおいて、排気通路にNOx濃度検出装置を設けるとともに、前記EGRシステムを制御する制御装置が、吸気及び排気に関係するセンサの検出値から算出されるNOx濃度算出値と前記NOx濃度検出装置の検出値とからNOx補正係数を算出し、前記内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、前記フィードフォワード制御における前記EGRバルブの開度の基本制御量の算出に関しては、前記NOx補正係数による補正なしで算出し、前記フィードバック制御における前記EGRバルブの開度の補正制御量の算出に関しては、前記NOx補正係数による補正をして算出して、前記EGRバルブを制御するように構成される。
この構成によれば、内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、NOx補正係数による補正の影響がフィードフォワード制御(プリ制御)におけるEGRバルブの開度の基本制御量に対しては及ばなくなるので、EGRバルブの開度の基本制御量の振動を抑制して、EGRハンチングの発生を抑制することができる。その一方で、NOx補正係数による補正の影響がフィードバック制御(PID制御)におけるEGRバルブの開度の補正制御量には及ぶので、気筒内酸素濃度に基づくEGRバルブの開度の制御精度を維持することができる。
また、より具体的には、上記の内燃機関のEGR制御システムにおいて、前記制御装置が、前記内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、気筒内酸素濃度目標値を前記NOx補正係数で補正することなく算出した後、前記気筒内酸素濃度目標値に対してフィードフォワード制御で前記EGRバルブの開度の前記基本制御量を算出する一方で、前記気筒内酸素濃度目標値を前記NOx補正係数で補正し、この補正後の気筒内酸素濃度目標値と前記吸気及び排気に関係するセンサの前記検出値から算出される気筒内酸素濃度算出値に対してフィードバック制御で前記EGRバルブの補正制御量を算出して、前記基本制御量に前記補正制御量を加算して制御量とし、この制御量になるように前記EGRバルブの開度を制御するように構成される。
また、上記の内燃機関のEGR制御システムを搭載した内燃機関は、上記の内燃機関のEGR制御システムと同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の目的を達成するための本発明の内燃機関のEGR制御方法は、EGR通路にEGRバルブを有して構成されるEGRシステムを備えた内燃機関で、EGRのNOx濃度目標値に対応する気筒内酸素濃度目標値に基づいて、前記EGRバルブの開度をフィードフォワード制御とフィードバック制御とを併用して制御する内燃機関のEGR制御方法において、吸気及び排気に関係するセンサの検出値から算出されるNOx濃度算出値と排気通路に設けたNOx濃度検出装置の検出値とからNOx補正係数を算出するとともに、前記フィードフォワード制御における前記EGRバルブの開度の基本制御量の算出に関しては、前記NOx補正係数による補正なしで算出し、前記フィードバック制御における前記EGRバルブの開度の補正制御量の算出に関しては、前記NOx補正係数による補正をして算出して、前記EGRバルブを制御することを特徴とする方法である。
また、より具体的には、上記の内燃機関のEGR制御方法において、前記内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、気筒内酸素濃度目標値を前記NOx補正係数で補正することなく算出した後、前記気筒内酸素濃度目標値に対してフィードフォワード制御で前記EGRバルブの開度の前記基本制御量を算出する一方で、前記気筒内酸素濃度目標値を前記NOx補正係数で補正し、この補正後の気筒内酸素濃度目標値と前記吸気及び排気に関係するセンサの前記検出値から算出される気筒内酸素濃度算出値に対してフィードバック制御で前記EGRバルブの補正制御量を算出して、前記基本制御量に前記補正制御量を加算して制御量とし、この制御量になるように前記EGRバルブの開度を制御する。
これらの方法によれば、上記の内燃機関のEGR制御システムと同様の作用効果を奏することができる。
本発明の内燃機関のEGR制御システム、内燃機関、及び内燃機関のEGR制御方法によれば、内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、NOx補正係数による補正の影響がフィードフォワード制御(プリ制御)におけるEGRバルブの開度の基本制御量に対しては及ばなくなるので、EGRバルブの開度の基本制御量の振動を抑制して、EGRハンチングの発生を抑制することができる。その一方で、NOx補正係数による補正の影響がフィードバック制御(PID制御)におけるEGRバルブの開度の補正制御量には及ぶので、気筒内酸素濃度に基づくEGRバルブの開度の制御精度を維持することができる。
本発明に係る実施の形態の内燃機関におけるEGRシステムの構成を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の内燃機関のEGR制御システムの構成を模式的に示す図である。 先行技術における内燃機関のEGR制御システムの構成を模式的に示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態の内燃機関のEGR制御システム、内燃機関、及び内燃機関のEGR制御方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明に係る実施の形態の内燃機関は、本発明に係る実施の形態の内燃機関のEGR制御システム40を備えて構成され、後述する内燃機関のEGR制御システム40が奏する作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
図1に示すように、本発明に係る実施の形態の内燃機関(以下エンジン)10は、EGRシステム1を備えて構成され、エンジン本体11と吸気通路12と排気通路13とEGR通路14を備えている。このEGR通路14は、排気通路13と吸気通路12とを接続して設けられ、上流側より順に、エンジン冷却水を冷却媒体とするEGRクーラー15、EGRバルブ16が設けられている。
そして、大気から導入される新気Aが、必要に応じて、EGR通路14から吸気マニホールド11aに流入するEGRガスGeを伴って、気筒(シリンダ)11c内の燃焼室に送られ、燃焼室にて燃料噴射装置(図示しない)より噴射された燃料と混合圧縮されて、燃料が燃焼することで、エンジン10に動力を発生させる。そして、エンジン10で燃焼により発生した排気ガスGが、排気マニホールド11bから排気通路13に流出するが、その一部はEGR通路14にEGRガスGeとして流れ、残りの排気ガスGa(=G−Ge)は、排気浄化処理装置(図示しない)により浄化処理された後、マフラー(図示しない)を経由して大気へ放出される。
また、吸気通路12には、吸気流量を検出する吸気流量センサ(MAFセンサ)21、吸気圧力を検出する吸気圧力センサ22及び吸気温度を検出する吸気温度センサ23が設けられるとともに、排気通路13には、排気の空気過剰率を検出する排気ラムダセンサ24が設けられる。これらの吸気及び排気に関係するセンサ21〜24はセンサ群Sg1を形成し、これらのセンサ21〜24の信号は、予め設定された制御時間毎に、後述する制御装置30に送信される。
また、本発明の内燃機関のEGRシステム1を制御するEGR制御システム40のための制御装置30が備えられる。この制御装置30は、センサ群Sg1のセンサ21〜24より送信された信号に基づいて、予め設定された制御時間毎に、センサ21〜24の検出値を算出するとともに、必要な検出値のデータ(通常は、最新の検出値のデータ)を記憶する。この制御装置30は、通常は、エンジン10の運転状態全般を制御するエンジンコントロールユニット(ECU)に組み込まれるが、独立して設けてもよい。
また、EGR通路14の分岐点より下流側の排気通路13に、NOx濃度センサ(NOx濃度検出装置)20が設けられる。このNOx濃度センサ20の信号も、センサ21〜24の信号と同様に、予め設定された制御時間毎に、制御装置30に送信され、制御装置30は、センサ20より送信された信号に基づいて、センサ20の検出値を算出するとともに、必要検出値のデータ(通常は、最新の検出値のデータ)を記憶する。
次に、図2に示す、本発明に係る実施の形態の内燃機関のEGR制御システム40について説明する。図2に示すように、エンジン回転数及び燃料噴射量等のエンジン運転状態に基づいて算出される第1NOx目標値Nt1に、実際の排気ガスG中のNOx濃度がなるように、以下で述べる気筒内酸素濃度Dc、Dt、Dt0に基づいて、EGRバルブ16の開度を制御している。
すなわち、EGRバルブ16の開度を制御する目標開度の制御量Cは、気筒内酸素濃度目標値Dt0を基に第4制御部44のフィードフォワード制御で算出される基本制御量(プリ制御量)Caに、気筒内酸素濃度目標値Dtと、各種センサからの入力を基に算出される気筒内酸素濃度算出値Dcとの差(誤差)ΔD(=Dt−Dc)を基に第5制御部45のフィードバック制御(PID制御)で算出される補正制御量Cbを加算してバルブ制御量Cが算出される(C=Ca+Cb)。
つまり、EGR通路14にEGRバルブ16を有して構成されるEGRシステム1を備えたエンジン10で、EGRのNOx濃度目標値Nt1に対応する気筒内酸素濃度目標値Dt、Dt0に基づいて、EGRバルブ16の開度をフィードフォワード制御とフィードバック制御とを併用して制御する内燃機関のEGR制御システム40である。
より詳細に説明すると、第1制御部41では、吸気流量センサ21、吸気圧力センサ22、吸気温度センサ23、排気ラムダセンサ24などのセンサ群Sg1からの検出値を基に、シリンダ内酸素濃度算出値DcとNOx濃度算出値Ncを算出する。
このシリンダ内酸素濃度算出値Dcの算出に際しても内部EGRガスを考慮することが好ましい。つまり、気筒内で発生するNOx量に関係するのは、気筒内の全排気ガス量に対する気筒内酸素濃度算出値Dcであるので、気筒内の全排気ガス量に対する気筒内酸素濃度算出値Dcを、吸気量と酸素濃度、外部EGRガスの排気ガス量と酸素濃度とだけで算出せずに、内部EGRガスの排気ガス量と酸素濃度と考慮に入れて、気筒内酸素濃度算出値Dcを算出することが好ましい。
そして、この気筒内酸素濃度算出値Dcと吸気温度の推定値などから気筒内で発生するNOx量及び気筒内から排出される排気ガスのNOx濃度を算出し、NOx濃度算出値Ncとする。
それと共に、NOx濃度センサ20で検出されるNOx濃度検出値Ndを基本としてNOx濃度算出値Ncによる算出値を補正する値を用いて、制御用の算出値を補正するとの考えに基づいて、NOx補正部46で、NOx濃度センサ20の検出値であるNOx濃度検出値Ndが入力され、このNOx濃度検出値NdとNOx濃度算出値NcとからNOx補正係数(補正比率)NCf=Nd/Ncを算出する。
一方、第2制御部42では、エンジン回転数及び燃料噴射量に基づいてマップデータを参照する等して、第1NOx目標値Nt1が算出され、この第1NOx目標値Nt1が入力される第2制御部42では、この第1NOx目標値Nt1ではスモークが発生することが、予め設定してある計算式やマップデータ等から予測される場合には、スモークが発生しないようなNOx濃度を第2NOx目標値Nt2とする。所謂スモークリミットを行う。なお、スモークが発生する可能性が無い場合は、そのまま、第1NOx目標値Nt1を第2NOx目標値Nt2とする。これにより第2NOx目標値Nt2を算出する。
更に、内燃機関の運転状態が定常状態であるときには、NOx補正係数NCfを乗じて、第3NOx目標値Nt3(=Nt2×NCf=Nt2×Nd/Nc)を算出する。一方、過渡状態であるときには、NOx補正係数NCfによる補正を行わず、補正比率を1として、第3NOx目標値Nt3を算出する(Nt3=Nt2×1=Nt2)。
そして、第3制御部43では、この第2NOx目標値Nt2に対して、気筒内酸素濃度目標値Dt0を算出する。第4制御部44で、この算出された気筒内酸素濃度目標値Dt0に対して、フィードフォワード制御(プリ制御)の目標値である基本制御量(プリ制御量)Caを算出する。この基本制御量Caの算出に際しても、内部EGRガスを考慮することが好ましい。
なお、この第4制御部44では、EGRバルブ16の前後に設けた差圧センサ(図示しない)で検出したEGRバルブ16の前後圧力、EGRバルブ16の下流のEGR通路14に設けた温度センサ(図示しない)で検出したEGRガスGeの温度等を用いて、より正確なEGRガスGeの流量とEGRバルブ16の開度の関係を求めておくことが好ましい。
つまり、気筒内で発生するNOx量に関係する気筒内の全排気ガス量に対する気筒内酸素濃度目標値Dt0を、気筒内の排気ガス量と酸素濃度が、空気量と酸素濃度と、内部EGRガスの排気ガス量と酸素濃度と、外部EGRガスの排気ガス量と酸素濃度とで決まることを利用して、気筒内の酸素濃度の目標値である気筒内酸素濃度目標値Dt0から、外部EGRのガス量Geを算出して、このEGRガス量Geを供給できるEGRバルブ16の開度をプリ制御量Caとする。
また、それと並行して、第5制御部45で、第3制御部43で第3NOx目標値Nt3に対して算出された気筒内酸素濃度目標値Dtと第1制御部41で算出された気筒内酸素濃度算出値Dcとを入力して、フィードバック制御(PID制御)の目標値である補正制御量Cbを算出する。そして、加算部47で、この基本制御量Caと補正制御量Cbとを加算してバルブ制御量Cを算出する。このバルブ制御量CでEGRバルブ16の開度を調整制御する。
ここで、図2の本発明に係る実施の形態のEGR制御システムと図3の先行技術のEGR制御システム40Xとを比べると、図3の先行技術では、内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、第2制御部42Xで、NOx補正係数NCfによる補正を行って、第3NOx目標値Nt3を算出する(Nt3=Nt2×Ncf)。そして、第3制御部43Xで、この算出した第3NOx目標値Nt3に基づいて、気筒内酸素濃度の目標値Dtを算出し、この算出した気筒内酸素濃度の目標値Dtに基づいて、第4制御部44でEGRバルブ16の開度の基本制御量Ca及び補正制御量Cbを算出して、制御量C(=Ca+Cb)を算出し、この算出した制御量C分、EGRバルブ16の開度を調整して制御している。
すなわち、エンジン10の運転状態が定常状態であるときには、NOx補正係数NCfにより補正された気筒内酸素濃度の目標値Dtに基づいて、EGRバルブ16の開度の基本制御量Ca及び補正制御量Cbを算出しているため、NOx補正係数NCfによる補正の影響が基本制御量Caと補正制御量Cbの両方に及んでいた。そのため、内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、EGRハンチング(EGRバルブ16の開度が振動する目標開度に追従して振動が持続する現象)が発生するという問題があった。
これに対して、図2に示す、本発明に係る実施の形態の内燃機関のEGR制御システム40及びEGR制御方法では、EGRシステム1を制御する制御装置30が、センサ群Sg1の検出値から算出されるNOx濃度算出値NcとNOx濃度センサ20のNOx濃度検出値NdとからNOx補正係数NCfを算出し、エンジン10の運転状態が定常状態であるときに、フィードフォワード制御におけるEGRバルブ16の開度の基本制御量Caの算出に関しては、NOx補正係数NCfによる補正なしで算出し、フィードバック制御におけるEGRバルブ16の開度の補正制御量Cbの算出に関しては、NOx補正係数NCfによる補正をして算出して、EGRバルブ16を制御する。
また、より具体的には、制御装置30が、エンジン10の運転状態が定常状態であるときに、気筒内酸素濃度目標値DtoをNOx補正係数NCfで補正することなく算出した後、気筒内酸素濃度目標値Dt0に対してフィードフォワード制御でEGRバルブ16の開度の基本制御量Caを算出する一方で、気筒内酸素濃度目標値Dt0をNOx補正係数NCfで補正し、この補正後の気筒内酸素濃度目標値Dtとセンサ群Sg1の検出値から算出される気筒内酸素濃度算出値Dcに対してフィードバック制御でEGRバルブ16の補正制御量Cbを算出して、基本制御量Caに補正制御量Cbを加算して制御量Cとし、この制御量になるようにEGRバルブ16の開度を制御する。
また、本発明に係る実施の形態のエンジン10は、上記の本発明に係る実施の形態の内燃機関のEGR制御システム40を備えて構成される。
そして、上記の構成の内燃機関のEGR制御システム40、エンジン(内燃機関)10、及び内燃機関のEGR制御方法によれば、エンジン10の運転状態が定常状態であるときに、NOx補正係数NCfによる補正の影響がフィードフォワード制御(プリ制御)におけるEGRバルブ16の開度の基本制御量Caに対しては及ばなくなるので、EGRバルブ16の開度の基本制御量Caの振動を抑制して、EGRにおけるハンチングの発生を抑制することができる。その一方で、NOx補正係数NCfによる補正の影響がフィードバック制御(PID制御)におけるEGRバルブ16の開度の補正制御量Cbには及ぶので、気筒内酸素濃度Dt0、Dtに基づくEGRバルブ16の開度の制御精度を維持することができる。
1 内燃機関のEGRシステム
10 エンジン(内燃機関)
11 エンジン本体
11a 吸気マニホールド
11b 排気マニホールド
11c 気筒
12 吸気通路
13 排気通路
14 EGR通路
15 EGRクーラー
16 EGRバルブ
20 NOx濃度センサ(NOx濃度検出装置)
21 吸気流量センサ(MAFセンサ)
22 吸気圧力センサ
23 吸気温度センサ
24 排気ラムダセンサ
30 制御装置
40、40X 内燃機関のEGR制御システム
41 第1制御部
42 第2制御部
43 第3制御部
44 第4制御部
45 第5制御部
46 NOx補正部
47 加算部
C EGRバルブの開度の制御量
Ca EGRバルブの開度の基本制御量
Cb EGRバルブの開度の補正制御量
Dt、Dt0 気筒内酸素濃度目標値
Dc 気筒内酸素濃度算出値
NCf NOx補正係数
A 新気
G、Ga 排気ガス
Ge EGRガス

Claims (5)

  1. EGR通路にEGRバルブを有して構成されるEGRシステムを備えた内燃機関で、EGRのNOx濃度目標値に対応する気筒内酸素濃度目標値に基づいて、前記EGRバルブの開度をフィードフォワード制御とフィードバック制御とを併用して制御する内燃機関のEGR制御システムにおいて、
    排気通路にNOx濃度検出装置を設けるとともに、
    前記EGRシステムを制御する制御装置が、
    吸気及び排気に関係するセンサの検出値から算出されるNOx濃度算出値と前記NOx濃度検出装置の検出値とからNOx補正係数を算出し、
    前記内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、
    前記フィードフォワード制御における前記EGRバルブの開度の基本制御量の算出に関しては、前記NOx補正係数による補正なしで算出し、
    前記フィードバック制御における前記EGRバルブの開度の補正制御量の算出に関しては、前記NOx補正係数による補正をして算出して、
    前記EGRバルブを制御するように構成される内燃機関のEGR制御システム。
  2. 前記制御装置が、
    前記内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、
    気筒内酸素濃度目標値を前記NOx補正係数で補正することなく算出した後、
    前記気筒内酸素濃度目標値に対してフィードフォワード制御で前記EGRバルブの開度の前記基本制御量を算出する一方で、
    前記気筒内酸素濃度目標値を前記NOx補正係数で補正し、この補正後の気筒内酸素濃度目標値と前記吸気及び排気に関係するセンサの前記検出値から算出される気筒内酸素濃度算出値に対してフィードバック制御で前記EGRバルブの補正制御量を算出して、
    前記基本制御量に前記補正制御量を加算して制御量とし、
    この制御量になるように前記EGRバルブの開度を制御するように構成される請求項1に記載の内燃機関のEGR制御システム。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関のEGR制御システムを備えて構成される内燃機関。
  4. EGR通路にEGRバルブを有して構成されるEGRシステムを備えた内燃機関で、EGRのNOx濃度目標値に対応する気筒内酸素濃度目標値に基づいて、前記EGRバルブの開度をフィードフォワード制御とフィードバック制御とを併用して制御する内燃機関のEGR制御方法において、
    吸気及び排気に関係するセンサの検出値から算出されるNOx濃度算出値と排気通路に設けたNOx濃度検出装置の検出値とからNOx補正係数を算出するとともに、
    前記フィードフォワード制御における前記EGRバルブの開度の基本制御量の算出に関しては、前記NOx補正係数による補正なしで算出し、
    前記フィードバック制御における前記EGRバルブの開度の補正制御量の算出に関しては、前記NOx補正係数による補正をして算出して、
    前記EGRバルブを制御することを特徴とする内燃機関のEGR制御方法。
  5. 前記内燃機関の運転状態が定常状態であるときに、
    気筒内酸素濃度目標値を前記NOx補正係数で補正することなく算出した後、
    前記気筒内酸素濃度目標値に対してフィードフォワード制御で前記EGRバルブの開度の前記基本制御量を算出する一方で、
    前記気筒内酸素濃度目標値を前記NOx補正係数で補正し、この補正後の気筒内酸素濃度目標値と前記吸気及び排気に関係するセンサの前記検出値から算出される気筒内酸素濃度算出値に対してフィードバック制御で前記EGRバルブの補正制御量を算出して、
    前記基本制御量に前記補正制御量を加算して制御量とし、
    この制御量になるように前記EGRバルブの開度を制御するように構成される請求項4に記載の内燃機関のEGR制御方法。
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CN108979814A (zh) * 2017-05-30 2018-12-11 通用汽车环球科技运作有限责任公司 发动机废气中的氮氧化物浓度的确定
CN109838315A (zh) * 2017-11-29 2019-06-04 长城汽车股份有限公司 开度调节方法、开度调节装置及车辆

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