JP2017036250A - エステル化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、エステル化合物の製造方法に関する。
農園芸用病害防除剤および工業用材料保護材の有効成分として優れた活性を示すアゾリルメチルシクロペンタノール化合物が知られている。アゾリルメチルシクロペンタノール化合物は人畜に対する毒性が低く、広範な植物病害に対する高い防除効果と種々の農園芸植物に対する高い生長効果を有している。このような優れた活性を示すアゾリルメチルシクロペンタノール化合物を効率よく製造するために、アゾリルメチルシクロペンタノール化合物の製造方法の改良が試みられている(特許文献1参照)。またアゾリルメチルシクロペンタノール化合物の製造方法の一つの工程であるイミデート化合物をエステル化させる工程において、エステル化にかかる反応時間が長いという問題がある。そのためイミデート化合物をエステル化させる工程の改良が試みられている(特許文献2参照)。
特許文献2に記載の技術では、イミデート化合物のエステル化における反応時間を短縮するために、反応系に亜硝酸化合物を添加している。しかしながら、亜硝酸化合物を反応系に添加すると、毒性のある亜硝酸ガスが発生するといった問題がある。とりわけ、反応系のスケールアップを行うと、亜硝酸ガスを除去することに手間と時間がかかるといった問題が生じる。
そこで、本発明は上述の課題に鑑み、毒性のガスを発生させることなく、イミデート化合物のエステル化にかかる反応時間を短縮することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、下記式(II)で表されるエステル化合物の製造方法であって、
(式(II)中、R1は、水素原子または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を表しており、該アルキル基における水素原子は、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよい。R2は、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を表している。Arは、水素原子が置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基または5〜10員の芳香族複素環基を表している。)
溶媒中、酸触媒および無機塩の存在下で、下記式(I)で表される化合物を反応させることにより、上記エステル化合物を生成する工程を含み、
溶媒中、酸触媒および無機塩の存在下で、下記式(I)で表される化合物を反応させることにより、上記エステル化合物を生成する工程を含み、
(式(I)におけるR1、R2およびArは、上記式(II)におけるR1、R2およびArと同一である。)
上記無機塩は、硫酸塩、リン酸二水素塩、無機塩化物または硝酸塩である構成を有している。
上記無機塩は、硫酸塩、リン酸二水素塩、無機塩化物または硝酸塩である構成を有している。
また、本発明に係るエステル化合物の製造方法において、上記無機塩は、硫酸塩またはリン酸二水素塩であることが好ましい。
また、本発明に係るエステル化合物の製造方法において、上記硫酸塩は、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムおよび硫酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明に係るエステル化合物の製造方法において、上記無機塩は、硫酸ナトリウムまたは硫酸アンモニウムであることがより好ましい。
また、本発明に係るエステル化合物の製造方法において、上記無機塩の含有量は、上記式(I)の化合物に対して0.2倍モル以上であることが好ましい。
また、本発明に係るエステル化合物の製造方法において、上記溶媒が水、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランもしくはトルエン単独か、少なくとも水、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたはトルエンを含む溶媒であることが好ましい。
また、本発明に係るエステル化合物の製造方法において、上記酸触媒は硫酸、塩酸、硝酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸からなる群より選択される少なくとも一種の酸を含むことが好ましい。
また、本発明に係るエステル化合物の製造方法において、上記Arは、下記式(a)〜(d)のいずれか1つで表されることが好ましい。
(上記式(a)〜(d)中におけるY1は、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のハロアルコキシ基を表す。mは0、1または2であるY2はハロゲン原子を表す。*はメチレン基との結合を表す。)
本発明に係るエステル化合物の製造方法によれば、毒性のあるガスを発生させることなく、エステル化合物を短時間で製造できる。
本発明に係るエステル化合物の製造方法の一実施形態について以下に詳細に説明する。
本実施形態におけるエステル化合物の製造方法は、溶媒中、酸触媒および無機塩の存在下で、イミデート化合物のエステル化反応によりエステル化合物を得る工程を含んでいる。
(1)イミデート化合物およびエステル化合物
本実施形態における出発原料として用いられるイミデート化合物は、下記式(I)で表される化合物である。また、目的化合物であるエステル化合物は、下記式(II)で表さられる化合物である。
(1)イミデート化合物およびエステル化合物
本実施形態における出発原料として用いられるイミデート化合物は、下記式(I)で表される化合物である。また、目的化合物であるエステル化合物は、下記式(II)で表さられる化合物である。
式(I)および式(II)において、R1は、水素原子または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を表している。
炭素数1〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1−エチルプロピル基および、1,1−ジメチルエチル基を挙げることができる。なかでも炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
R1で示されるアルキル基における水素原子は、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよい。炭素数1〜4のアルコキシ基の具体例として、メトキシ基、エトキシ基、およびn−プロポキシ基等を挙げることができる。置換される水素原子の数に制限はなく、1以上であり得る。
式(I)および式(II)において、R2は、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を表している。具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基およびn−ヘキシル基が挙げられる。なかでも炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基およびエチル基である。
式(I)および式(II)において、Arは、水素原子が置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、または水素原子が置換されてもよい5〜10員の芳香族複素環基を示している。
炭素数6〜10の芳香族炭化水素基の具体例として、フェニル基、ナフチル基、インデン基およびアズレン基等を挙げることができる。
また、5〜10員の芳香族複素環基を構成する芳香族複素環の具体例として、チオフェン、ピリジン、チアゾール、フラン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、フラサン、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、ベンゾフラン、クマリンおよびイソキノリン等を挙げることができる。
Arにおける芳香族炭化水素基および芳香族複素環基が有し得る置換基としては、ハロゲン原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、および炭素数1〜4のハロアルコキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子等が挙げられる。
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基およびn−ブチル基等が挙げられる。
炭素数1〜4のハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基およびプロモメチル基等が挙げられる。
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基およびn−プロポキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜4のハロアルコキシ基としては、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基および2,2,2−トリフルオロエトキシ基等が挙げられる。
また置換基としてのフェニル基における水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
Arの芳香族炭化水素基および芳香族複素環基における置換基の数および位置は特に限定されない。また、置換基が複数である場合、それぞれは同じであってもよく、互いに異なるものであってもよい。
Arの一例として、以下の式(a)〜(d)を挙げることができるがこれに限定されるものではない。以下の式(a)〜(d)以外のArの具体例としては、ナフタレンおよびアズレン等の多環芳香族炭化水素、またはキノリン、ベンゾチオフェンなどの多環芳香族複素環を挙げることができる。
(式(a)〜(d)中、Y1は、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のハロアルコキシ基を表す。mは0、1または2である。Y2は、ハロゲン原子を表す。*はメチレン基との結合を表す。)
Arのより具体的な例として、下記式(e)〜(l)で示される芳香族炭化水素基および芳香族複素環基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Arのより具体的な例として、下記式(e)〜(l)で示される芳香族炭化水素基および芳香族複素環基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(式(e)〜(l)中、*は、メチレン基との結合を表す。式(e)中、Y3は、塩素原子、フッ素原子、メチル基、フェニル基またはトリフルオロメトキシ基を表す。)
なお、本明細書等において同一の記号により示される置換基は全て同一のものである。
例えば、R1で示される置換基は、いずれの式においても上述したR1を意味する。
(2)エステル化反応
エステル化反応は、溶媒中、酸触媒および無機塩の存在下で、上記式(I)で示されるイミデート化合物に生じる反応である。本実施形態において、無機塩としては、硫酸塩、リン酸二水素塩、無機塩化物または硝酸塩が用いられる。これにより、イミデート化合物から上記式(II)で示されるエステル化合物が生成される。
なお、本明細書等において同一の記号により示される置換基は全て同一のものである。
例えば、R1で示される置換基は、いずれの式においても上述したR1を意味する。
(2)エステル化反応
エステル化反応は、溶媒中、酸触媒および無機塩の存在下で、上記式(I)で示されるイミデート化合物に生じる反応である。本実施形態において、無機塩としては、硫酸塩、リン酸二水素塩、無機塩化物または硝酸塩が用いられる。これにより、イミデート化合物から上記式(II)で示されるエステル化合物が生成される。
無機塩を形成するカチオン成分としては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、およびアンモニウムイオン等を挙げることができる。アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオンおよびカリウムイオン等を挙げることができる。アルカリ土類金属イオンとしては、マグネシウムイオンおよびカルシウムイオン等を挙げることができる。
硫酸塩の具体例としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウムおよび硫酸カルシウム等を挙げることができる。中でも、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムおよび硫酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、硫酸ナトリウムまたは硫酸アンモニウムであることがより好ましく、硫酸ナトリウムが特に好ましい。
リン酸二水素塩としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素アンモニウムおよびリン酸二水素カルシウム等を挙げることができる。中でも、リン酸二水素ナトリウムであることが好ましい。
無機塩化物としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムの塩化物を挙げることができ、より具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび塩化カルシウム等を挙げることができる。中でも、塩化ナトリウムであることが好ましい。
硝酸塩としては、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムおよび硝酸カルシウム等を挙げることができる。中でも、硝酸ナトリウムであることが好ましい。
上述の無機塩の中でも、硫酸塩またはリン酸二水素ナトリウムを用いることが好ましい。硫酸塩またはリン酸二水素ナトリウムを用いた場合には、反応時間が短縮されるとともに、他の無機塩よりを用いた場合よりも副生成物の生成を抑えることができる。
なお、無機塩は、一種の化合物を単独で用いることの他に、二種以上の化合物を組み合わせて用いてもよい。
反応系に添加される無機塩の量は、イミデート化合物に対して、0.1倍モル以上であることが好ましく、0.2倍モル以上であることがより好ましく、0.4倍モル以上であることがさらに好ましく、0.7倍モル以上であることが特に好ましい。なお、上限に関しては、特に制限はないが、一定量を超えると添加量が多くても出発原料であるイミデート化合物の消費推移に差がみられないため、2.0倍モル以下であることが好ましく、1.5倍モル以下であることがより好ましく、1.2倍モル以下であることが特に好ましい。すなわち、本実施形態における製造方法によれば、無機塩の量がイミデート化合物に対して1倍モル未満であっても、エステル化の時間短縮を実現することができる。
酸触媒の種類は特に限定されないが、硫酸、塩酸、硝酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸の少なくとも1種を用いることが好ましい。より好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸および硫酸であり、さらに好ましくは硫酸である。
酸触媒の量は特に限定されないが、イミデート化合物に対して、0.1倍モル〜100倍モルであることが好ましく、0.3倍モル〜20倍モルであることがより好ましく、0.5倍モル〜10倍モルであることが特に好ましい。
溶媒としては、水;トルエンおよびベンゼン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランおよびシクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類;ならびにメタノール、エタノールおよびイソプロパノール等のアルコール類が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。より好ましくは水、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたはトルエンを単独で用いるか、少なくともこれらのうちの1種を含む溶媒である。さらに好ましくは、トルエン単独か、少なくともトルエンを含む溶媒である。
反応温度は0℃〜100℃であることが好ましく、0℃〜80℃であることがより好ましく、0℃〜60℃であることが特に好ましい。なお、本エステル化反応においては、副生成物としてアミド化合物が生じ得る。この副生成物の生成を抑制するためには、反応温度は50℃以下とすることがさらに好適であり、45℃以下とすることが特に好適である。また、反応時間は、数時間〜数日であり、好適には1時間〜24時間である。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
本発明の実施例として、イミデート化合物のエステル化反応において用いられる無機塩の種類および添加量等の条件を変更し、イミデート化合物の消費推移および反応生成物の生成比率を、HPLCを用いて分析した。HPLCの測定条件を以下に記載する。
溶離液 :アセトニトリル/水=60/40
流量 :1.0ml/min
検出波長 :λ=220nm
カラム :Inertsil ODS−3 φ4.6×150mm+GLカート
カラム温度:40℃
<実施例1:無機塩の種類の評価>
4−(4−クロロベンジル)−1−メチル−6−オキサビシクロ[3.2.0]へプタン−5−カルボキシミド酸メチルエステル(化合物(1))1.00g(純度87%)をトルエン0.9mlに溶解した。ここに、2M硫酸(1.6ml,化合物(1)に対して1.1倍モル)および無機塩を添加して40℃で撹拌し反応させた。本反応により、主生成物であるエステル化合物(化合物(2))の他に、副生成物としてアミド化合物(化合物(3))が生成された。
流量 :1.0ml/min
検出波長 :λ=220nm
カラム :Inertsil ODS−3 φ4.6×150mm+GLカート
カラム温度:40℃
<実施例1:無機塩の種類の評価>
4−(4−クロロベンジル)−1−メチル−6−オキサビシクロ[3.2.0]へプタン−5−カルボキシミド酸メチルエステル(化合物(1))1.00g(純度87%)をトルエン0.9mlに溶解した。ここに、2M硫酸(1.6ml,化合物(1)に対して1.1倍モル)および無機塩を添加して40℃で撹拌し反応させた。本反応により、主生成物であるエステル化合物(化合物(2))の他に、副生成物としてアミド化合物(化合物(3))が生成された。
なお本実施例の反応例1〜4では、無機塩として硫酸ナトリウム(0.50g)(反応例1)、リン酸二水素ナトリウム(0.55g)(反応例2)、塩化ナトリウム(0.21g)(反応例3)または硝酸ナトリウム(0.31g)(反応例4)を用いて反応を行った。また比較反応例1では、無機塩を添加せずに反応を行った。さらに比較反応例2では、無機塩としてリン酸水素二ナトリウム(0.50g)を用いて反応を行った。反応開始から所定の時間経過後にHPLCにより各化合物の存在量を確認し、化合物(1)の消費推移、ならびに化合物(2)および(3)の生成比率を確認した。結果を、表1および図1に示す。なお、用いた無機塩の量はいずれも、化合物(1)に対して1.2倍モルの量である。
図1で示される化合物(1)の消費推移より、反応例1〜4では、無機塩を添加していない比較反応例1および無機塩としてリン酸水素二ナトリウムを添加した比較反応例2と比較し、化合物(1)の消費速度が速いことが示された。中でも、リン酸二水素ナトリウム、硫酸ナトリウムおよび塩化ナトリウムを用いた場合に、消費速度がより速いことが示された。
また、表1で示されるように、無機塩として硫酸ナトリウムを用いた反応例1およびリン酸二水素ナトリウムを用いた反応例2においては、副生成物である化合物(3)の生成が抑えられていた。
<実施例2:硫酸塩の種類の評価>
化合物(1)1.00g(純度87%)をトルエン0.8mlに溶解した。ここに、2M硫酸(2.0ml,化合物(1)に対して1.5倍モル)および硫酸塩を添加して35℃で撹拌し反応させた。本反応により主生成物である化合物(2)の他に、副生成物である化合物(3)が得られた。
化合物(1)1.00g(純度87%)をトルエン0.8mlに溶解した。ここに、2M硫酸(2.0ml,化合物(1)に対して1.5倍モル)および硫酸塩を添加して35℃で撹拌し反応させた。本反応により主生成物である化合物(2)の他に、副生成物である化合物(3)が得られた。
なお本実施例の反応例5〜7では、硫酸塩として硫酸ナトリウム(0.51g)(反応例5)、硫酸マグネシウム(0.43g)(反応例6)または硫酸アンモニウム(0.43g)(反応例7)を用いて反応を行った。また比較反応例3では硫酸塩を添加せずに反応を行った。反応開始から所定の時間経過後にHPLCにより各化合物の存在量を確認し、化合物(1)の消費推移、ならびに化合物(2)および(3)の生成比率を確認した。結果を、表2および図2に示す。なお、用いた硫酸塩の量はいずれも、化合物(1)に対して1.2倍モルの量である。
図2で示される化合物(1)の消費推移より、反応例5〜7では、硫酸塩を添加していない比較反応例3と比較し化合物(1)の消費速度が速いことが示された。中でも、硫酸ナトリウムおよび硫酸アンモニウムを用いた場合に、消費速度がより速いことが示された。
<実施例3:硫酸塩の添加量の評価>
化合物(1)1.00g(純度87%)をトルエン0.9mlに溶解した。ここに、2M硫酸(1.6ml,化合物(1)に対して1.1倍モル)および硫酸ナトリウムを添加して40℃で撹拌し反応させた。本反応により主生成物化合物(2)の他に、副生成物である化合物(3)が生成された。
化合物(1)1.00g(純度87%)をトルエン0.9mlに溶解した。ここに、2M硫酸(1.6ml,化合物(1)に対して1.1倍モル)および硫酸ナトリウムを添加して40℃で撹拌し反応させた。本反応により主生成物化合物(2)の他に、副生成物である化合物(3)が生成された。
なお本実施例の反応例8〜12では、硫酸ナトリウムの添加量を化合物(1)に対して0.1倍モル(反応例8)、0.4倍モル(反応例9)、0.7倍モル(反応例10)、1.2倍モル(反応例11)または1.5倍モル(反応例12)として反応を行った。また比較反応例4では硫酸ナトリウムを添加せずに反応を行った。反応開始から所定の時間経過後にHPLCにより各化合物の存在量を確認し、化合物(1)の消費推移、ならびに化合物(2)および(3)の生成比率を確認した。結果を、表3および図3に示す。
図3で示される化合物(1)の消費推移より、反応例8〜12では、硫酸ナトリウムを添加していない比較反応例4と比較し化合物(1)の消費速度が速いことが示された。中でも、硫酸ナトリウムを化合物(1)に対して0.4倍モル以上用いた場合に、消費速度がより速いことが示された。また、硫酸ナトリウムの量が化合物(1)に対して0.7倍モル以上である場合には、化合物(1)の消費推移は互いにほぼ同様であった。すなわち、硫酸ナトリウムの量を0.7倍モルまで削減しても、高い反応効率を得られることが明らかになった。
本発明は、イミデート化合物のエステル化に利用することができる。
Claims (8)
- 下記式(II)で表されるエステル化合物の製造方法であって、
溶媒中、酸触媒および無機塩の存在下で、下記式(I)で表される化合物を反応させることにより、上記エステル化合物を生成する工程を含み、
上記無機塩は、硫酸塩、リン酸二水素塩、無機塩化物または硝酸塩であることを特徴とするエステル化合物の製造方法。 - 上記無機塩は、硫酸塩またはリン酸二水素塩であることを特徴とする請求項1に記載のエステル化合物の製造方法。
- 上記硫酸塩が硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムおよび硫酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のエステル化合物の製造方法。
- 上記無機塩が硫酸ナトリウムまたは硫酸アンモニウムであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のエステル化合物の製造方法。
- 上記無機塩の含有量は、上記式(I)の化合物に対して0.2倍モル以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のエステル化合物の製造方法。
- 上記溶媒が水、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランもしくはトルエン単独か、または少なくとも水、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたはトルエンを含む溶媒であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のエステル化合物の製造方法。
- 上記酸触媒が硫酸、塩酸、硝酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸からなる群より選択される少なくとも一種の酸を含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のエステル化合物の製造方法。
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