JP2017036240A - 新規化合物 - Google Patents

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Daisuke Kamimura
大輔 上村
嘉徳 川添
Yoshinori Kawazoe
嘉徳 川添
小林 里美
Satomi Kobayashi
里美 小林
幸和 大村
Yukikazu Omura
幸和 大村
犬塚 俊康
Toshiyasu Inuzuka
俊康 犬塚
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Abstract

【課題】細胞毒性を示す新規化合物を提供すること。【解決手段】沖縄県南風原村にて採取されたマメスナギンチャクから単離した次の化学式(1)で表される新規化合物。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、新規な化合物に関する。
新規生物活性物質の発見は、生命科学や医学の分野におけるブレークスルーにつながることがある。例えば、腔腸動物イワスナギンチャク毒パリトキシンはナトリウムポンプに作用し、クロイソカイメンなど由来のオカダ酸はタンパク質脱リン酸化酵素に作用することから、生理機能解明のツールとして利用されている。クロイソカイメン由来の抗癌活性を示すハリコンドリンBの発見は、抗癌剤エリブリンの創製へとつながった。
このように、生物活性物質の探索研究は基礎生命科学研究のみならず、臨床応用へも発展する可能性がある。中でも、海洋生物は、酸素濃度や塩濃度、温度や圧力、日照などの生息条件が陸上と全く異なることから、陸上生物には見られない特異な構造や機能を持つ二次代謝産物を生産しており、有用生物活性物質の探索源として今なお注目されている。本発明者らも、近年、渦鞭毛藻Amphidinium sp.由来のカルシウムイオンチャネル阻害活性物質Amdigenol類(非特許文献1,2)やシアノバクテリアLeptolyngbya sp.由来の脂肪細胞分化阻害活性物質Yoshinone A(非特許文献3)などの新規生物活性物質の単離・構造解析・生物活性評価について報告している。
Inuzuka,T.,Yamamoto,Y.,Yamada,K.,Uemura D. Tetrahedron Letters 2012,53,239−242 Inuzuka,T.,Yamada,K.,Uemura,D. Tetrahedron Letters 2014,55,6319−6323 Inuzuka,T.,Yamamoto,K.,Iwasaki,A.,Ohno, O.,Suenaga,K.,Kawazoe,Y.,Uemura,D. Tetrahedron Letters 2014,55,6711−6714
本発明は細胞毒性を示し、抗癌剤としての利用が期待される新規化合物の提供を目的とする。
本発明者らは、沖縄県南風原村で採集したマメスナギンチャクから分離した下記化学式(1)で表される化合物が、HeLa細胞に対して細胞毒性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記化学式(1)
Figure 2017036240
で表される化合物に関するものである。
本発明によれば、細胞毒性を示す化学式(1)で表される化合物を提供することができる。
本発明に係る化学式(1)で表される化合物の分画・精製過程を示す図である。 本発明に係る化学式(1)で表される化合物の分画・精製過程を示す図である。 本発明に係る化学式(1)で表される化合物のH−NMRのチャートを示す図である。 本発明に係る化学式(1)で表される化合物の13C−NMRのチャートを示す図である。 本発明に係る化学式(1)で表される化合物のX線構造解析の結果を示す図である。 本発明に係る化学式(1)で表される化合物の(S)−MTPAエステル体と(R)−MTPAエステル体のH−NMRの化学シフト値の差を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳述する。
本発明に係る化学式(1)で表される化合物は、マメスナギンチャクから抽出し、精製することにより得ることができる。より詳細には、本発明に係る化学式(1)で表される化合物は沖縄県南風原村にて採取したマメスナギンチャク(Zoanthus sp.)から抽出し、精製することにより得た。
例えば、マメスナギンチャクを採取した後に冷凍保存し、含水メタノールにて粉砕・抽出し、粗抽出物を得、粗抽出物を酢酸エチル層と水層とに分配し、さらに、有機層としての酢酸エチル層をODSシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより画分することができる。
本発明に係る化学式(1)で表される化合物は新規な化合物であり、本発明者により細胞毒性を示すことを見出されたものである。
本発明に係る化学式(1)で表される化合物は、特にHeLa細胞に対して細胞毒性を示すことから、抗癌剤としての使用が期待されるものである。
以下、実施例を挙げて、本発明の具体的態様を示すものであるが、本発明の技術的範囲は実施例の記載により何ら限定されるものではない。
本発明に係る化学式(1)で表される化合物の単離・精製・構造決定
沖縄県南風原村で採取したマメスナギンチャク500g(湿重量)を冷凍保存し、小石を取り除いてから含水メタノール中にてブレンダーで粉砕した。抽出液を吸引濾過し、エバポレーターを用いて濾液を濃縮した。粗抽出物を酢酸エチル(200ml×3)と水(200ml)とで分配した。得られた酢酸エチル層を減圧濃縮し、濃縮物を90%メタノール−水(200ml)に溶解し、ヘキサン(200ml×3)で脱脂した。得られた90%メタノール層を減圧濃縮し、濃縮物をODSカラムクロマトグラフィー[Cosmosil(登録商標) 75C18−OPN(φ20×300mm)、メタノール/水(20/80→40/60→60/40→80/20→メタノール)]により5画分(Fr.1〜5)に分離した。
(図1参照)
得られた各溶出画分の内、メタノール溶出画分(Fr.3)25.7mgを分取薄層クロマトグラフィー(Silica gel 60 F254(0.5×200×200mm)、メタノール/クロロホルム(15/85))により4画分(Fr.3−1〜4)に分離した。この内の第3画分(Fr.3−3)を逆相高速液体クロマトグラフィー[Develosil(登録商標)ODS HG−5(φ10×250mm)、アセトニトリル/水(20/80)→(グラジェント10分)→(50/50)→(グラジェント20分)→(70/30)→(グラジェント10分)→(100/0)、検出UV215nm、流速4.5mL/分]により5画分(Fr.3−3−1〜3−3−5)に分離した。この内の第4画分(Fr.3−3−4)にHeLa細胞増殖阻害活性が認められた。得られたFr.3−3−4を逆相高速液体クロマトグラフィー[Develosil ODS HG−5(φ10×250mm)、アセトニトリル/水(20/80)→(グラジェント10分)→(50/50)→(グラジェント20分)→(70/30)→(グラジェント10分)→(100/0)、検出UV215nm、流速4.5mL/分)]により7画分(Fr.3−3−4−1〜3−3−4−7)に分離した。この内の第6画分(Fr.3−3−4−6)にHeLa細胞増殖阻害活性が認められた。得られたFr.3−3−4−6を減圧濃縮・乾固して式(1)で表される化合物(0.3mg)を不定形白色粉末として得た。
(図2参照)
図1および図2に示した操作により得られた不定形白色粉末である本発明に係る式(1)で表される化合物について、高分解能ESI−MSにより分子イオンピーク[m/z469.3283(M+Na)、Δ−1.1mmu]が観測され、分子式がC2846であることが判明した。
さらに、H−NMR、13C−NMRおよびHMBCを測定し、得られたスペクトルを解析することにより、不定形白色粉末であって、C2846の分子式を有する化合物の平面構造を決定した。
図1および図2に示した操作により得られた不定形白色粉末である本発明の化学式(1)で表される化合物についてのH−NMR、および13C−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
本発明の化学式(1)で表される化合物のH−NMR(800MHz,CDCl)のスペクトルデータは以下のとおりである。
Figure 2017036240
表中、sは一重線を表し、dは二重線を表し、mは多重線を表す。
本発明の化学式(1)で表される化合物の13C−NMR(200MHz,CDCl)のスペクトルデータは以下のとおりである。
Figure 2017036240
表中、sは一重線を表し、dは二重線を表し、tは三重線を表し、qは四重線を表す。
また、メタノールを用いて化学式(1)で表される化合物を結晶化して、X線結晶構造解析を行い、図5の結果を得て相対立体配置を決定した。
さらに、化学式(1)で表される化合物における不斉炭素の絶対立体配置を決定することを目的として、化学式(1)で表される化合物の3位の水酸基の(S)−MTPAエステル体と(R)−MTPAエステル体を合成した。
化学式(1)で表される化合物の3位の水酸基の(S)−MTPAエステル体と(R)−MTPAエステル体のH−NMR(800MHz,CDCl)の代表的なスペクトルデータは以下のとおりである。
Figure 2017036240
表中、sは一重線を表し、dは二重線を表し、mは多重線を表す。
化学式(1)で表される化合物の3位の水酸基の(S)−MTPAエステル体と(R)−MTPAエステル体の3位の周辺についてH−NMRの化学シフトの差を測定したところ図6のとおりであった。このことから、化学式(1)で表される化合物の3位の絶対立体配置はSであることが改良モッシャー法により明らかとなった。なお、MTPAとは、α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸を意味する。
以上のことから、化学式(1)で表される化合物における不斉炭素の絶対立体配置は、以下の化学式
Figure 2017036240
に示すように、3S,8S,10R,13R,14R,17S,20R,24Rであることが判明した。
試験例(化学式(1)で表される化合物の癌細胞増殖阻害活性試験(HeLa))
ヒト子宮頸がん由来細胞株(HeLa)は、10%ウシ胎児血清含有のDMEM培地にて炭酸ガス培養器(5%CO、37℃)で培養した。HeLa細胞を96穴プレートに播種し(1×10cells/well)、16時間培養後にDMSOに溶解した本発明に係る化学式(1)で表される化合物を所定の濃度(0μMから10μMおきに100μMまでの11段階)になるように細胞に添加し、さらに48時間培養を続けた。細胞数の測定にはcell counting kit(同仁化学)を用い、取扱説明書に従って行った。その結果、IC50=7.75μMの濃度で癌細胞の増殖を阻害した。
本発明の式(1)で表される化合物は、HeLa細胞に対して細胞毒性を示すことから、抗癌剤として有用である。

Claims (1)

  1. 次の化学式(1)で表される化合物。
    Figure 2017036240
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI742793B (zh) * 2020-08-07 2021-10-11 長庚學校財團法人長庚科技大學 9,11-開環類固醇(9,11-secosteroids)類化合物及其用於製備抑制發炎之醫藥組合物的用途

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TWI742793B (zh) * 2020-08-07 2021-10-11 長庚學校財團法人長庚科技大學 9,11-開環類固醇(9,11-secosteroids)類化合物及其用於製備抑制發炎之醫藥組合物的用途

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