JP2017036226A - 生薬末含有錠剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、生薬末を含有していながらも、包装時や輸送時等において破損しない十分な硬度と共に、服用後には適度な速さで崩壊する崩壊性を備える錠剤を提供することである。【解決手段】生薬末と共に、二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩と、糖アルコールとを配合して錠剤を製造することによって、包装時や輸送時等に耐え得る十分な硬度を備えさせつつ、服用後には適度な速さで崩壊する崩壊性を備えさせ得る。【選択図】なし

Description

本発明は、生薬末を含有する錠剤に関する。より具体的には、本発明は、生薬末を含有していながらも、包装時や輸送時等において破損しない十分な硬度と共に、服用後には適度な速さで崩壊する崩壊性を備える錠剤に関する。
生薬には、その種類に応じて、様々な生理機能や薬理効果が報告されており、近年では、食品や医薬品等において広く利用されている。従来、生薬は、錠剤、顆粒剤、煎剤、カプセル剤等に製剤化されているが、これらの中でも、錠剤は、服用容易性、生薬の苦味のマスキング等の利点があり、消費者にとって最も受け入れられ易い製剤形態といえる。
従来、生薬を含有する錠剤には、生薬の有効成分を抽出した生薬エキス又はエキス末を配合する場合と、生薬そのものを粉末化した生薬末を配合する場合がある。生薬エキス又はエキス末を含む錠剤は、有効成分が濃縮されており服用量を減じることができ、更には錠剤製造時の圧縮成形性が良いという利点もあるが、その反面、生薬エキス又はエキス末は、その抽出過程において水難溶性や水不溶性の有効成分が抽出されないため、有効成分の一部が欠損しており、生薬本来の生理機能や薬理効果を十分に発揮できないことがあるという欠点がある。これに対して、生薬末を含有する錠剤は、生薬そのものを使用するため、生薬本来の生理機能や薬理効果を十分に発揮でき、薬効の点では、生薬末を含有する錠剤が有効な製剤形態であるといえる。
しかしながら、通常の生薬末には、繊維質や精油成分等が多く含まれているため、他の有効成分と同様の製剤化技術で圧縮成形して錠剤を製造しても、包装時や輸送時等に耐え得る硬度を備えることができないという特有の問題点がある。
従来、生薬末を含む錠剤において、前述する問題点を克服する製剤化技術についていくつか報告されている。例えば、特許文献1には、安中散末と共に、5重量%超の軽質無水ケイ酸と結晶セルロースを配合することにより、圧縮成形性が向上し、錠剤に十分な硬度を備えさせ得ることが報告されている。また、特許文献2には、生薬末に対して、5〜100重量%の軽質無水ケイ酸を配合して圧縮成形して造粒物を製造した後に、これを打錠することによって、包装時や輸送時に耐えうる硬度を備えさせ得ることが報告されている。更に、特許文献3には、生薬末及び平均粒子径0.05μm以下の軽質無水ケイ酸を含む造粒物と、平均粒子径0.5μm以上且つ比表面積100m2/g以上の粉末を混合して圧縮成形することによって、包装時や輸送時に耐え得る硬度を備えさせ得ることが報告されている。
一方、生薬を含有する錠剤には、包装時や輸送時に耐え得る硬度のみならず、生体内で生薬が有する生理機能や薬理効果を十分に発揮させるために、服用後には適切な時間で崩壊して吸収される必要がある。実際、第十六改正日本薬局方でも、錠剤については、崩壊試験法において30分以内に十分な崩壊が認められることを定めている。しかしながら、特許文献1〜3では、生薬を含有する錠剤に対して適切な崩壊時間を備えさせる製剤技術については十分な検討がなされていない。
特開平11−228429号公報 特開2002−97130号公報 特開2006−28171号公報
本発明の目的は、生薬末を含有していながらも、包装時や輸送時等において破損しない十分な硬度と共に、服用後には適度な速さで崩壊する崩壊性を備える錠剤を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、生薬末と共に、二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩と糖アルコールとを配合して錠剤を製造することによって、包装時や輸送時等に耐え得る十分な硬度を備えさせつつ、服用後には適度な速さで崩壊する崩壊性を備えさせ得ることを見出した。更に、本発明者は、生薬末、二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩、及び糖アルコールに加えて、カルメロースカルシウムを配合して錠剤を製造することによって、十分な硬度と適度な崩壊性を備えると共に、吸湿しても錠剤の形状を安定に保持でき、更には吸湿後に崩壊が遅延するのを抑制できることをも見出した。本発明は、これらの知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (A)生薬末、(B)二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩、並びに(C)糖アルコールを含有することを特徴とする、錠剤。
項2. 更に、(D)カルメロースカルシウムを含有する、項1に記載の錠剤。
項3. 前記(A)成分が、樹皮由来の生薬末である、項1又は2に記載の錠剤。
項4. 前記(B)成分が、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、及び含水ニ酸化ケイ素よりなる群から選択される少なくとも1種である、項1〜3のいずれかに記載の錠剤。
項5. 前記(C)成分が、ソルビトール、エリスリトール、及びマルチトールよりなる群から選択される少なくとも1種である、項1〜4のいずれかに記載の錠剤。
項6. 前記(A)成分を10〜85重量%含む、項1〜5のいずれかに記載の錠剤。
項7. 前記(B)成分を5〜70重量%含む、項1〜5のいずれかに記載の錠剤。
項8. 前記(C)成分を5〜80重量%含む、項1〜5のいずれかに記載の錠剤。
本発明の錠剤は、生薬末を含んでいながら、包装時や輸送時等に耐え得る十分な硬度を備えつつ、服用後には適度な速さで崩壊する崩壊性を備えている。更に、本発明の錠剤の好適な一態様では、吸湿しても、クラックの発生を抑制して錠剤の形状を安定に保持し、崩壊が遅延するのを抑制することも可能になっている。
本発明の錠剤は、生薬末(以下、(A)成分と表記することもある)、二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩(以下、(B)成分と表記することもある)、並びに糖アルコール(以下、(C)成分と表記することもある)を含有することを特徴とする。以下、本発明の錠剤について詳述する。
(A)生薬末
本発明の錠剤は、有効成分として生薬末を含有する。生薬末とは、生薬を粉砕等によって粉末化した粉末成分である。
本発明で使用される生薬末の種類については、特に制限されず、錠剤に付与すべき生理機能や薬理効果等に応じて適宜選択すればよいが、例えば、ケイヒ末、コウボク末、トチュウ末、ボクソク末、アカメガシワ末、オウバク末、コンズランゴ末、マオウ末、ウコン末、オウゴン末、オウレン末、オンジ末、カンゾウ末、シャクヤク末、ベニバナ末、サンシン末、マシニン末、ヨクイニン末、ボレイ末、カッコン末、トウキ末、チンピ末、ジオウ末、ウイキョウ末、エイジツ末、エンゴサク末、カノコソウ末、ダイオウ末、タイソウ末、ゲンチアナ末、ゲンノショウコ末、コウジン末、コウブシ末、ゴオウ末、ゴミシ末、サイコ末、センブリ末、ソウジュツ末、アロエ末、サンキライ末、サンシシ末、ボタンピ末、サンショウ末、セネガ末、サンヤク末、ジキタリス末、サイシン末、トコン末、トラガント末、シュクシャ末、ショウキョウ末、センキュウ末、センナ末、キキョウ末、クジン末、ソヨウ末、タクシャ末、チクセツニンジン末、チョウジ末、チョレイ末、トウガラシ末、トウニン末、ニガキ末、ニンジン末、ビャクジュツ末、リョウキョウ末、ブクリョウ末、ボウイ末、リュウタン末、アマチャ末、アヘン末、ナンテンジツ末、キョウニン末、シャゼンシ末、バイモ末、サイシン末、ソウハクヒ末、ハンゲ末、ダイサン末、コウカ末、サフラン末、モクツウ末、レンニク末等が挙げられる。これらの生薬末は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの生薬末の中でも、樹皮由来の生薬末(原料成分として樹皮を含む生薬)は、繊維質が多く含まれており、樹皮由来の生薬末を含む錠剤は、従来技術では十分な硬度と適度な崩壊性を兼ね備えさせることが、とりわけ困難であることが分かっている。これに対して、本発明によれば、樹皮由来の生薬末を使用しても、包装時や輸送時等に耐え得る十分な硬度を備えさせつつ、服用後には適度な速さで崩壊する崩壊性を備えさせることが可能になる。このような本発明の効果を鑑みれば、本発明で使用する生薬末として、樹皮由来の生薬末が好適であるといえる。樹皮由来の生薬末としては、具体的には、ケイヒ末、コウボク末、トチュウ末、ボクソク末、アカメガシワ末、オウバク末、コンズランゴ末等が挙げられる。樹皮由来の生薬末の中でも、更に好ましくはケイヒ末が挙げられる。
本発明の錠剤における(A)成分の含有量については、特に制限されないが、例えば、10〜85重量%、好ましくは20〜75重量%、更に好ましくは35〜65重量%が挙げられる。このように、生薬末を高含有量で含んでいても、本発明の錠剤では、十分な硬度と適度な崩壊性を兼ね備えることができる。
(B)二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩
本発明の錠剤は、二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩を含有する。二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩は、後述する糖アルコールとの相互作用によって、生薬末を含む錠剤において、十分な硬度と適度な崩壊性を兼ね備えさせる役割を果たす。
本発明で使用される二酸化ケイ酸の種類については、特に制限されないが、例えば、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等が挙げられる。また、ケイ酸塩の種類についても、特に制限されないが、例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム等が挙げられる。本発明の錠剤では、これらの二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩の中から、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩の中でも、十分な硬度と適度な崩壊性をより一層好適に兼ね備えさせるという観点から、好ましくは、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、含水ニ酸化ケイ素が挙げられる。
本発明の錠剤における(B)成分の含有量については、特に制限されないが、例えば、5〜70重量%が挙げられる。十分な硬度と適度な崩壊性をより一層好適に兼ね備えさせるという観点から、本発明の錠剤における(B)成分の含有量として、好ましくは10〜60重量%、更に好ましくは10〜40重量%が挙げられる。
また、本発明の錠剤において、(A)成分に対する(B)成分の比率としては、特に制限されないが、例えば、(A)成分100重量部当たり、(B)成分が6〜700重量部が挙げられる。特に、十分な硬度と適度な崩壊性をより一層好適に兼ね備えさせるという観点から、(A)成分100重量部当たり、(B)成分が好ましくは15〜300重量部、更に好ましくは15〜110重量部が挙げられる。
(C)糖アルコール
本発明の錠剤は、糖アルコールを含有する。本発明の錠剤において、糖アルコールは、前記二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩と共に、生薬末を含む錠剤において十分な硬度と適度な崩壊性を兼ね備えさせる役割を果たす。
本発明で使用される糖アルコールの種類については、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、ラクチトール、キシリトール、ガラクチトール等が挙げられる。これらの糖アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの糖アルコールの中でも、十分な硬度と適度な崩壊性をより一層好適に兼ね備えさせるという観点から、好ましくはソルビトール、エリスリトール、マルチトール、更に好ましくはソルビトール、マルチトールが挙げられる。
本発明の錠剤における(C)成分の含有量については、特に制限されないが、例えば、5〜80重量%が挙げられる。十分な硬度と適度な崩壊性をより一層好適に兼ね備えさせるという観点から、本発明の錠剤における(C)成分の含有量として、好ましくは5〜60重量%、更に好ましくは5〜40重量%が挙げられる。
また、本発明の錠剤において、(A)成分に対する(C)成分の比率としては、特に制限されないが、例えば、(A)成分100重量部当たり、(C)成分が6〜800重量部が挙げられる。特に、十分な硬度と適度な崩壊性をより一層好適に兼ね備えさせるという観点から、(A)成分100重量部当たり、(C)成分が好ましくは7〜300重量部、更に好ましくは8〜110重量部が挙げられる。
(D)カルメロースカルシウム
本発明の錠剤は、前記(A)〜(C)成分に加えて、カルメロースカルシウム(以下、(D)成分と表記することもある)を含んでいてもよい。カルメロースカルシウムが含まれている場合には、錠剤が吸湿しても、クラック等の発生を抑制して錠剤の形態を安定に保持できる。また、通常の錠剤では、一旦吸湿すると、服用後の崩壊が遅延する傾向を示すが、本発明の錠剤では、更にカルメロースカルシウムを含んでいると、一旦吸湿しても、服用後の崩壊の遅延が抑制され、その崩壊性を維持することが可能になる。更に、本発明の錠剤において、カルメロースカルシウムは結合剤としての役割も果たす。
本発明の錠剤における(D)成分の含有量については、特に制限されないが、例えば、1〜60重量%が挙げられる。十分な硬度と適度な崩壊性をより一層好適に兼ね備えさせるという観点から、本発明の錠剤における(D)成分の含有量として、好ましくは2〜30重量%、更に好ましくは5〜15重量%が挙げられる。
また、本発明の錠剤において、(A)成分に対する(D)成分の比率としては、特に制限されないが、例えば、(A)成分100重量部当たり、(D)成分が1〜600重量部が挙げられる。特に、十分な硬度と適度な崩壊性をより一層好適に兼ね備えさせるという観点から、(A)成分100重量部当たり、(D)成分が好ましくは2〜150重量部、更に好ましくは8〜45重量部が挙げられる。
他の成分
本発明の錠剤は、前記成分の他に、その用途に応じて、他の栄養成分や薬理成分を含有していてもよい。このような栄養成分や薬理成分としては、食品や医薬品に使用可能なものであれば特に制限されないが、例えば、制酸剤、健胃剤、消化剤、整腸剤、鎮痙剤、粘膜修復剤、抗炎症剤、収れん剤、鎮吐剤、鎮咳剤、去痰剤、消炎酵素剤、鎮静催眠剤、抗ヒスタミン剤、カフェイン類、強心利尿剤、抗菌剤、血管収縮剤、血管拡張剤、局所麻酔剤、生薬エキス末、ビタミン類、メントール類等が挙げられる。これらの栄養成分や薬理成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの成分の含有量については、使用する成分の種類等に応じて適宜設定される。
更に、本発明の錠剤は、前記成分の他に、必要に応じて、錠剤への製剤化に必要とされる他の添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、食品や医薬品に使用可能なものであれば特に制限されないが、例えば、水、賦形剤(前記(B)成分以外)、結合剤(前記(D)成分以外)、滑沢剤、崩壊剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、矯味剤、増粘剤、色素、pH調整剤、緩衝剤、キレート剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの添加剤の含有量については、使用する添加剤の種類等に応じて適宜設定される。
製剤物性
本発明の錠剤は、包装時や輸送時等において破損しない適度な硬度を備えることが可能になっている。本発明の錠剤の硬度については、包装時や輸送時等において破損しない程度であればよいが、具体的には、80N以上、好ましくは90〜350Nが挙げられる。本発明において、錠剤の硬度は、ロードセル式錠剤硬度計によって測定される値を指す。
また、本発明の錠剤は、服用後には適度な速さで崩壊する崩壊性を備えている。本発明の錠剤の崩壊性については、服用後に適度な速さで崩壊する程度であればよいが、具体的には、以下に示す崩壊試験法において、崩壊時間が5〜25分、好ましくは8〜20分を満たすものが挙げられる。本発明において、錠剤の崩壊時間は、第十六改正日本薬局方に規定されている崩壊試験法に従って測定される値を指す。
製剤形態
本発明の錠剤は、必要に応じて、糖衣基剤、水溶性フィルムコーティング基剤等でコーティングがなされていてもよい。また、本発明の錠剤は、胃溶性錠剤(通常錠剤)又は腸溶性錠剤として好適に使用できる。
また、本発明の錠剤の1錠当たりの重量については、1回当たりの服用量、(A)成分の含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.15〜0.45gが挙げられる。
製造方法
本発明の錠剤は、公知の製造方法に従って得ることができる。具体的には、原料成分の混合物を打錠成型に供することによって製造できる。また、打錠成型に供する原料成分の混合物は、全て又は一部の原料成分が造粒された造粒物であってもよい。
打錠成型は、単発打錠機、ロータリー式打錠機、高速回転式打錠機等の装置を用いて行うことができる。また、打錠成型する際の打錠圧については、錠剤を成形可能である限り、特に制限されないが、通常250〜4000kg/cm2程度に設定すればよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の試験例及び製造例において使用した主な成分の入手元は以下の通りである。
ケイヒ末:日本粉末薬品社製
ケイ酸アルミニウム:商品名「合成ケイ酸アルミニウム(軽質)」協和化学工業社製
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:商品名「ノイシリンUFL−2」富士化学工業社製
軽質無水ケイ酸:商品名「アドソリダー101」富士シリシア化学社製
含水ニ酸化ケイ素:商品名「カープレックス#80」DSLジャパン社製
ソルビトール:商品名「ネオソルブP60W」ロケットジャパン社製
エリスリトール:商品名「エリスリトール微粉」三菱化学フーズ社製
マルチトール:商品名「アマルティーMR−50」三菱商事フードテック社製
カルメロースカルシウム:商品名「E.C.G−505」ニチリン化学工業社製
試験例1
1.錠剤の製造
表1に示す組成の錠剤を製造した。具体的には、ステアリン酸マグネシウム以外の原料成分を所定量混合した後に、高速攪拌造粒機(VG−05、パウレック)を用いて造粒し、水分含量5%程度まで乾燥させ、乾燥、整粒し、ステアリン酸マグネシウムを加え混合した。更に、ロータリー打錠機(VERGO、菊水製作所)を用いて、打錠圧を1600kg/cm2に設定して打錠成型に供することにより、1錠当たり300mg(φ9.5mm)の錠剤を製造した。
2.硬度の評価
得られた各錠剤について、ロードセル式錠剤硬度計(PC−30、岡田精工)によって10錠の硬度を測定し、平均値を算出した。
本試験における錠剤の硬度が80N以上であれば、錠剤として十分な硬度を有しているといえる。硬度が80N未満の場合には、包装時や輸送時等において破損する恐れがある。本試験では、硬度が80N以上の場合には○、硬度が80N未満の場合には×として分類した。
3.崩壊性の評価
得られた各錠剤について、崩壊試験機(NT−20H型、富山産業)を用いて、第十六改正日本薬局方に規定されている崩壊試験法に準じて崩壊時間を測定した。
本試験における錠剤の崩壊時間が5〜20分程度である場合には、胃溶性錠剤又は腸溶性錠剤として相応しい崩壊性を備えているといえる。特に、本試験における錠剤の崩壊時間が8〜20分程度である場合には、胃溶性錠剤又は腸溶性錠剤としてより一層相応しい崩壊性を備えているといえる。崩壊時間が5分に満たない場合には、口腔内で崩壊する恐れがあり、また崩壊時間が20分を超える場合には生薬の生理機能や薬理効果を十分に発揮できない恐れがある。本試験では、崩壊時間が5〜20分の場合には○、硬度が5分未満又は20分超の場合には×として分類した。
4.吸湿処理後の外観形状の確認と崩壊性の評価
得られた各錠剤について、30℃、80%RH、48時間の条件で吸湿処理を行った。吸湿処理後の錠剤の外観を観察し、以下の判定基準に従って評価した。また、吸湿処理後の錠剤を前記と同条件で崩壊性の測定を行い、以下の判定基準に従って評価した。
<吸湿処理後の錠剤の外観の評価>
○:外観の変化が認められない。
×:クラックの発生が認められる。
<吸湿処理後の錠剤の崩壊性の評価>
○:吸湿処理後の錠剤の崩壊時間が5〜20分である。
×:吸湿処理後の錠剤の崩壊時間が20分超である。
5.結果
得られた結果を表1に示す。糖アルコールを配合せずに、生薬末と二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩とを配合して製造した錠剤では、十分な硬度を備えることができなかったり、硬度が90Nになっても崩壊性が不十分になったりしていた(比較例1及び2)。これに対して、生薬末と、二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩と、糖アルコールとを配合した錠剤では、包装時や輸送時等において十分に耐え得る硬度を備えつつ、胃溶性錠剤又は腸溶性錠剤として相応しい崩壊性を備えていた(実施例1〜9)。また、生薬末と二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩と、糖アルコールに加えて、カルメロースカルシウムを配合した錠剤では、更に吸湿処理後の外観変化がなく、しかも吸湿処理後の崩壊時間の遅延も抑制できていた(実施例9)。

製造例
表2に示す組成の錠剤(1錠当たり300mg)を前記試験例1と同様の方法で製造した。得られた錠剤を前記試験例1と同様の方法で硬度、崩壊性、吸湿処理後の外観形状の確認と崩壊性について評価したところ、いずれも、包装時や輸送時等において十分に耐え得る硬度を有し、胃溶性錠剤又は腸溶性錠剤として相応しい崩壊性を備えており、且つ吸湿処理後の崩壊時間の遅延も抑制できていた。

Claims (8)

  1. (A)生薬末、(B)二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩、並びに(C)糖アルコールを含有することを特徴とする、錠剤。
  2. 更に、(D)カルメロースカルシウムを含有する、請求項1に記載の錠剤。
  3. 前記(A)成分が、樹皮由来の生薬末である、請求項1又は2に記載の錠剤。
  4. 前記(B)成分が、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、及び含水ニ酸化ケイ素よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の錠剤。
  5. 前記(C)成分が、ソルビトール、エリスリトール、及びマルチトールよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の錠剤。
  6. 前記(A)成分を10〜85重量%含む、請求項1〜5のいずれかに記載の錠剤。
  7. 前記(B)成分を5〜70重量%含む、請求項1〜5のいずれかに記載の錠剤。
  8. 前記(C)成分を5〜80重量%含む、請求項1〜5のいずれかに記載の錠剤。
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