JP6838632B2 - 固形製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、水なしで服用可能な固形製剤に関する。
水なしで服用できる固形製剤は、特に小児や高齢者など嚥下能力の低い人達にも服用しやすい優れた製剤であり服用シーンを選ばず、水がない状況下でも服用できるというメリットがある(非特許文献1)。
これまでに、口腔内崩壊錠を得るべく種々検討がなされてきた。例えば、デンプン粉末と糊化したデンプン、マンニトールを含む水溶性賦形剤、フマル酸ステアリルナトリウム及び薬効成分を含有する口腔内崩壊錠剤(特許文献1)、成形性の低い糖類及び成形性の高い糖類を含有してなる、口腔内において速やかな崩壊性、溶解性を有する口腔内溶解型圧縮成型物(特許文献2)、等が報告されている。
しかしながら、特許文献1は、デンプン粉末と糊化したデンプンを用いると製造装置への貼り付き等が生じ易く、製造上の取り扱いが困難である。また、特許文献2の方法では、口腔内崩壊錠を製造するためには低圧で打錠した後の加湿・乾燥工程が必須条件のため、製造工程数が多くなり、操作も煩雑である。
また、メタケイ酸アルミン酸塩で糖類をコーティングすることで、携帯に必要な硬度が保たれ、口腔内で速やか崩壊性を示す圧縮成型用組成物が報告されている(特許文献3)。しかしながら医薬有効成分をメタケイ酸アルミン酸塩でコーティングすると相互作用が生じ外観安定性に乏しく、商品性に課題があることが分かった。
また、製剤中に含まれる医薬有効成分は、その物性によって製造性に大きく影響する場合がある。例えば、造粒時や打錠時に機壁や臼杵へ付着を起こすことが知られている医薬有効成分を配合する場合、これらの付着防止に対しては、造粒用添加剤や打錠助剤としてタルク、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤の増量などの工夫がなされる。しかし、付着防止には効果があるものの、崩壊遅延、キャッピングの発生といったさらなる問題を引き起こす。また、経時的にも固化、変色といった変化を生ずることが知られているため、さらなる改善の余地が残されている(特許文献4)。
また、医薬有効成分を含有する粉末を、軽質無水ケイ酸を分散させた結合剤溶液で噴霧造粒することで、刺激性及び製造時の付着を改善した錠剤が報告されている(特許文献5)。しかし、特許文献5で得られる錠剤は、水なしで服用する製剤に必要とされる速やかな崩壊性に課題がある。
特開2004−83579号公報 特公平7−74153号公報 特開2002−308760号公報 特許第2841267号公報 特開2000−239185号公報
第十六改正日本薬局方解説書 株式会社廣川書店 第A−33−34頁
本発明の目的は、適度な硬度及び速やかな崩壊を有し、且つ、製剤の安定性にも優れた水なしで服用可能な固形製剤を提供することである。また、製造時に製造機器などに付着などを起こす製造性の乏しい医薬有効成分を配合した場合であっても、付着を抑制することが可能な製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために種々の検討を行ったところ、医薬有効成分を含有する粉末を、二酸化ケイ素を分散させた溶液で噴霧造粒した造粒物、及び糖アルコールを含有する固形製剤は、適度な硬度と速やかな崩壊を有し、かつ製剤の安定性にも優れることを見出した。さらに、製剤の変色を抑制し、製造時に製造機器などへの付着を起こすことなく製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)(a)医薬有効成分を含有する粉末を、二酸化ケイ素を分散させた溶液で噴霧造粒した造粒物と、(b)糖アルコールを含有することを特徴とする、水なしで服用可能な固形製剤、
(2)水なしで服用可能な固形製剤が、口腔内崩壊錠又はチュアブル錠である、(1)に記載の固形製剤、
(3)二酸化ケイ素が軽質無水ケイ酸である(1)に記載の固形製剤、
(4)二酸化ケイ素の平均粒子径が0.0001〜20μmである(1)又は(3)に記載の固形製剤、
(5)糖アルコールが、マンニトール、エリスリトール及びキシリトールからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である、(1)に記載の固形製剤、
(6)医薬有効成分が、解熱鎮痛成分、抗ヒスタミン薬、中枢神経興奮薬、ビタミン剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である、(1)に記載の固形製剤、
(7)医薬有効成分が、ロキソプロフェン又はその塩、イブプロフェン、カフェイン及びアスコルビン酸から選ばれる少なくとも1種である、(1)又は(6)に記載の固形製剤、
(8)糖アルコールの含有量が、固形製剤全質量に対し、10〜80質量%である(1)又は(5)に記載の固形製剤、
(9)医薬有効成分を含有する粉末を、二酸化ケイ素を分散させた溶液で噴霧造粒することを特徴とする、糖アルコールを含有する水なしで服用可能な固形製剤の製造方法、
である。
本発明により、所望の適度な硬度及び速やかな崩壊を有するものであり、日本薬局方による崩壊試験または口腔内崩壊試験において、崩壊時間が60秒以内、より好ましくは50秒以内、特に好ましくは30秒以内と固形製剤が得られる。さらには流通過程において損傷することのない適度な強度を有し、錠剤硬度は引張強度に換算して0.5MPa以上であり、製剤の変色を抑制した優れた外観安定性が良好な固形製剤が得られる。また、本発明の製造方法によれば、製造時に製造機器などへの付着を抑制することが可能となった。
以下、本発明の水なしで服用可能な固形製剤及びその製造方法について説明する。
本発明の医薬有効成分としては、医薬に供せられる成分であれば特に限定されるものではなく、例えば鎮咳去痰剤、気管支拡張剤、中枢興奮剤、抗ヒスタミン薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、胃腸薬、制酸剤、滋養強壮剤、解熱鎮痛薬、ビタミン剤、制吐剤、殺菌成分、生薬などが挙げられる。例えば、ジヒドロコデイン又はその塩,チペピジン又はその塩,デキストロメトルファン又はその塩、ジメモルファン又はその塩、ノスカピン、メチルエフェドリンまたはその塩、アミノフィリン、ジプロフィリン、テオフィリン、グアイフェネシン、カルボシステイン、アンブロキソール又はその塩、ブロムヘキシン又はその塩、メトキシフェナミン又はその塩、トリメトキノール又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩、カルビノキサミン又はその塩、ロラタジン、フェキソフェナジン又はその塩、メキタジン、プロメタジン又はその塩、フェニレフリン、トラネキサム酸、プソイドエフェドリン又はその塩、ベラドンナ総アルカロイド、スコポラミン又はその塩、ジメンヒドリナート、パパベリン、ジフェンヒドラミン又はその塩、ブロムワレリル尿素 アリルイソプロピルアセチル尿素、水酸化アルミニウムゲル、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、アミノ酢酸、ソファルコン、オメプラゾール、ウルソデスオキシコール酸、ハッカ油、レモン油、メントール、アセトアミノフェン、ロキソプロフェン又はその塩、イブプロフェン、エテンザミド、アスピリン、サリチルアミド、メクリジン又はその塩、カフェイン、アスコルビン酸、リボフラビン、ドンペリドン、塩化セチルピリジニウム、ロートエキス、ダイオウ、ボレイ、ウイキョウ、シュクシャ、リョウキョウ、コウボク、キジツ、ウコン、ケイヒ、ショウキョウ、シャクヤク、カンゾウ、エンゴサク、シャゼンシ等が挙げられる。特に、製造工程において支障をきたす製造機器への付着等の物理化学的特性を有する成分を使用する場合は、本発明を実施する意義が高い。そのような医薬有効成分の例として、ロキソプロフェンまたはその塩、イブプロフェン、アスコルビン酸、カフェイン等が挙げられる。
医薬有効成分の含有量は、固形製剤全質量に対し、好ましくは0.05質量%〜80質量%、より好ましくは0.1質量%〜70質量%である。
本発明において、噴霧造粒する際に造粒溶媒中に分散させる二酸化ケイ素としては、医薬品業界で一般に用いられているものであれば特に限定されるものではない。例えば軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素などが挙げられるが、好ましくは軽質無水ケイ酸である。また二酸化ケイ素の平均粒子径は0.0001〜20μmが好ましい。
本発明で使用する噴霧造粒溶媒は、例えば水、エタノール等のアルコール又はこれらの1種または2種以上の混合溶媒が挙げられる。噴霧造粒溶媒中における二酸化ケイ素の含有量は、造粒する粉体1質量部に対して、0.001質量部〜0.1質量部の範囲が本発明の効果の点から好ましい。噴霧造粒溶媒中には、溶媒以外に、本発明の二酸化ケイ素の他、糖アルコール又は低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを配合してもよいが、それ以外の成分は配合しないことが好ましい。特に、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤を噴霧造粒溶媒中に含めて製造するのは本発明の効果の点から好ましくない。
本発明の糖アルコールは、医薬品として一般的に用いられるものであれば特に限定されるものではないが、好ましくはマンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトールであり、より好ましくはマンニトールである。本発明の糖アルコールは、造粒する前の粉体中に本発明の医薬有効成分とともに配合してもいいし、噴霧造粒すする際の造粒溶媒中に配合してもいいし、造粒後の造粒物に糖アルコールを混合する後末添加でもよい。本発明の糖アルコールの含有量は、本発明の効果の点から、最終製剤全体に対して好ましくは10〜85質量%、より好ましくは25〜80質量%である。
さらに噴霧造粒溶媒中における二酸化ケイ素の含有量は、医薬有効成分1質量部に対し、0.001質量部〜10質量部が好ましく、0.001質量部〜5.0質量部がより好ましく、0.005質量部〜5.0質量部がさらに好ましい。
医薬有効成分がロキソプロフェンの場合は、ロキソプロフェン1質量部に対して、噴霧溶媒中の二酸化ケイ素の含有量は0.01〜0.7質量部が好ましい。同様に、イブプロフェンの場合は、イブプロフェン1質量部に対して0.005〜0.3質量部が好ましく、アスコルビン酸の場合は、アスコルビン酸1質量部に対して0.01〜0.5質量部が好ましく、カフェインの場合は、カフェイン1質量部に対して0.01〜0.5質量部が好ましい。
また、本発明の製造方法は、二酸化ケイ素を分散させた溶液で医薬有効成分を含む粉体を噴霧造粒する工程が必須で、流動層造粒法、撹拌造粒法、真空転動造粒法、真空撹拌造粒法などが利用できるが、本発明の効果の点で流動層造粒法を用いることが望ましい。
また、本発明の固形製剤において、噴霧造粒溶媒中以外に二酸化ケイ素を配合することを妨げるものではない。造粒前の粉体中に配合してもよく、また、造粒後に後末添加してもよい。最終製剤全質量における二酸化ケイ素の含有量は、錠剤物性及び圧縮成形性という観点から、上限値は10質量部となる。
本発明の水なしで服用可能な固形製剤の例としては、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、顆粒剤などが挙げられる。
本発明の口腔内崩壊錠とは、通常の咀嚼条件での口腔内における崩壊時間が極めて速い錠剤を意味する。また、本発明のチュアブル錠とは、噛み砕いて服用する錠剤を意味する。口腔内崩壊錠またはチュアブル錠は服用しやすく、例えば、通常の錠剤を服用しにくい、小児や高齢者、忙しいビジネスパーソンへの投与にも、好適な剤型である。
本発明の口腔内崩壊錠またはチュアブル錠の大きさ、形状は、特に限定されず、また、割線を有する分割錠としてもよい。
口腔内崩壊錠、チュアブル錠を製造する際は、本発明の二酸化ケイ素を分散させた溶液で噴霧造粒することにより得られた造粒物に、適宜後末添加成分を添加し、打錠などの一般的な圧縮成型を行うことにより得られる。打錠装置としては、一般に錠剤の成型に使用される装置が用いられ、例えば、単発式打錠機、回転式打錠機等が用いられる。
また顆粒剤の製造は、特に限定されるものではなく、例えば全てを同時に含有する1顆粒で製造してもいいし、顆粒を群分けした2顆粒または3顆粒以上に群分けして製造してもよい。
本発明の水なしで服用可能な固形製剤には、本発明の効果に支障のない限り、他の公知の賦形剤、崩壊剤、結合剤、崩壊剤、酸味剤、発泡剤、甘味剤、嬌味剤、香料、滑沢剤、着色剤、抗酸化剤、界面活性剤、可塑剤等を配合してもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。なお、錠剤を製造する際には、引張強度が0.5MPa以上となるよう、以下の機器及び条件で製造した。
実施例1、3〜4、比較例1〜4
機器 :卓上簡易錠剤成型機(商品名:HANDTAB;市橋精機)
打錠圧:3〜10kN
実施例2
機器 :小型回転式錠剤機(商品名:VELA5;菊水製作所)
打錠圧:5〜7kN
実施例5〜6
機器 :卓上簡易錠剤成型機(商品名:タブフレックス;岡田精工)
打錠圧:600〜800kgf
(比較例1)
表1の混合末に示す成分を秤量、混合した均一な粉体とし、一方、同じく表1の造粒溶媒に示す成分を溶解・分散させた溶液を調製し、流動層造粒機(商品名:MP-01;パウレック株式会社)にて噴霧造粒により造粒物を製造した。得られた造粒物に表1に示す後末添加成分を秤量、混合した後、打錠し、錠剤径9.5mmの錠剤を得た。
(比較例2)
表1の混合末に示す成分を秤量、混合した均一な粉体とし、一方、同じく表1の造粒溶媒に示す成分を溶解・分散させた溶液を調製し、流動層造粒機(商品名:MP-01;パウレック株式会社)にて噴霧造粒により造粒物を製造した。得られた造粒物に表1に示す後末添加成分を秤量、混合した後、打錠し、錠剤径9.5mmの錠剤を得た。
(比較例3)
表1の混合末に示す成分を秤量、混合した均一な粉体とし、一方、同じく表1の造粒溶媒に示す成分を溶解・分散させた溶液を調製し、乳鉢を用いて噴霧造粒により造粒物を製造した。得られた造粒物に表1に示す後末添加成分を秤量、混合した後、打錠し、錠剤径9.5mmの錠剤を得た。
(実施例1)
表1の混合末に示す成分を秤量、混合した均一な粉体とし、一方、同じく表1の造粒溶媒に示す成分を溶解・分散させた溶液を調製し、流動層造粒機(商品名:MP-01;パウレック株式会社)にて噴霧造粒により造粒物を製造した。得られた造粒物に表1に示す後末添加成分を秤量、混合した後、打錠し、錠剤径9.5mmの錠剤を得た。
(実施例2)
表1の造粒物aの混合末に示す成分を秤量、混合した均一な粉体とし、一方、同じく表1の造粒溶媒に示す成分を溶解・分散させた溶液を調製し、流動層造粒機(商品名:MP-01;パウレック株式会社)にて噴霧造粒により造粒物aを製造した。同様に造粒物bを製造した。造粒物aと造粒物bを混合して均一にした後、これに表1に示す後末添加成分を秤量、混合した後、打錠し、錠剤径9.5mmの錠剤を得た。
(実施例3)
表1の混合末に示す成分を秤量、混合した均一な粉体とし、一方、同じく表1の造粒溶媒に示す成分を溶解・分散させた溶液を調製し、乳鉢を用いて噴霧造粒により造粒物を製造した。得られた造粒物に表1に示す後末添加成分を秤量、混合した後、打錠し、錠剤径9.5mmの錠剤を得た。
実施例1〜3、比較例1〜3の処方を表1に示す。
Figure 0006838632
<評価方法1>実施例1〜3及び比較例1〜3
(1)硬度試験
シュロイニゲル錠剤硬度計(シュロイニゲル社製)を用いて、実施例1〜3及び比較例1〜3の錠剤の硬度を3回ずつ測定した。また得られた結果を下記の[数1]を用い計算し、引張強度を算出し、その平均値を求めた。
Figure 0006838632
F:錠剤硬度(N)
D:錠剤直径(mm)
t:錠剤厚さ(mm)
Figure 0006838632
表2に示すように、実施例1〜3及び比較例1〜3の錠剤は、引張強度がすべて0.5MPa以上であり、適度な強度を有する錠剤であることが分かった。
(2)製造工程中の付着の有無の評価
実施例1〜3及び比較例1〜3の錠剤の、造粒時における造粒機壁への付着、及び打錠時における打錠機の臼、杵および回転盤への付着を下記に示す評価基準により観察した。
<評価基準>
著しい付着あり:++
やや付着あり :+
付着なし :−
(3)崩壊試験(日本薬局方崩壊試験器)
日本薬局方第十六改正に記載されている崩壊試験法に従い、実施例1〜3及び比較例1〜3の錠剤の崩壊時間を3回ずつ測定し、その平均値を求めた。
(2)製造工程中の付着の有無、及び(3)崩壊試験の結果を表3に示す。
Figure 0006838632
表3に示すように、医薬有効成分を含有する粉末を、軽質無水ケイ酸を分散させた溶液で噴霧造粒した造粒物と、マンニトールを含む固形製剤は、造粒工程で機器への付着はなく、崩壊時間も50秒以内の素早い崩壊を示した(実施例1〜3)。
一方、軽質無水ケイ酸を分散させた溶液で噴霧造粒した造粒物を含まず、軽質無水ケイ酸を混合末のみに配合した場合、機器への付着が著しく、崩壊時間も60秒以上となった(比較例1)。また、軽質無水ケイ酸を溶液に分散させ造粒溶媒で噴霧造粒した造粒物を含有する製剤であっても、製剤中に糖アルコールを含有しないと、機器への付着が確認された(比較例2〜3)。また、噴霧造粒溶媒中に結合剤であるヒプロメロースを含めると、崩壊時間の遅延、機器への付着が増すことが分かった(比較例2、3との比較)。
(実施例4)
表4の混合末に示す成分を秤量、混合した均一な粉体とし、一方、同じく表4の造粒溶媒に示す成分を溶解・分散させた溶液を調製し、乳鉢を用いて噴霧造粒により造粒物を製造した。得られた造粒物に表4に示す後末添加成分を秤量、混合した後、打錠し、錠剤径9.5mmの錠剤を得た。
(比較例4)
表4の混合末に示す成分を秤量、混合した均一な粉体とし、一方、同じく表4の造粒溶媒に示す成分を溶解・分散させた溶液を調製し、乳鉢を用いて噴霧造粒により造粒物を製造した。得られた造粒物に表1に示す後末添加成分を秤量、混合した後、打錠し、錠剤径9.5mmの錠剤を得た。
実施例4及び比較例4の処方を表4に示す。
Figure 0006838632
<評価方法2>実施例4及び比較例4
(1)硬度試験及び(3)崩壊試験は、評価方法1と同様に行った。
(4)外観評価
実施例4及び比較例4の錠剤を密栓した状態で保存し、65℃条件下に2週間保存した後の外観を専門パネラー2名で観察し、製造直後品との相対比較で下記の評価基準に従い行った。
<評価基準>
著しい変色:++
やや変色:+
変色なし:−
引張強度、崩壊試験の結果、外観評価の結果を以下表5に示す。
Figure 0006838632
表5に示すように、実施例4及び比較例4の錠剤は、引張強度がすべて0.5MPa以上であり、適度な強度を有する錠剤であることが分かった。実施例4及び比較例4とも崩壊時間は60秒以内であったが、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを噴霧造粒溶媒中に分散させて製造した比較例4の錠剤は、製剤が著しく変色することが分かった。
(実施例5)
表6の混合末に示す成分を秤量、混合した均一な粉体とし、一方、同じく表6の造粒溶媒に示す成分を溶解・分散させた溶液を調製し、流動層造粒機(商品名:MP-01;パウレック株式会社)にて噴霧造粒により造粒物を製造した。得られた造粒物に表1に示す後末添加成分を秤量、混合した後、打錠し、錠剤径8mmの錠剤を得た。
(実施例6)
表6の混合末に示す成分を秤量、混合した均一な粉体とし、一方、同じく表6の造粒溶媒に示す成分を溶解・分散させた溶液を調製し、流動層造粒機(商品名:MP-01;パウレック株式会社)にて噴霧造粒により造粒物を製造した。得られた造粒物に表1に示す後末添加成分を秤量、混合した後、打錠し、錠剤径8mmの錠剤を得た。
実施例5〜6の処方を表6に示す。
Figure 0006838632
<評価方法3>実施例5〜6
(1)硬度試験、及び(2)製造工程中の付着の有無の評価は、評価方法1と同様に行った。
(5)口腔内崩壊試験
健康的な成人パネラー2名が実施例5、6の錠剤を口に含み、口腔内でかまずに、錠剤が口腔内で完全に崩壊するまでの時間を測定し、その平均値を示した。
引張強度、製造工程中の付着の有無、及び口腔内崩壊試験の結果を表7に示す。
Figure 0006838632
表7に示すとおり、粉末中に、医薬有効成分としてアスコルビン酸又は無水カフェインを含有する場合であっても、製造工程中に機器への付着はなく、口腔内崩壊時間は20秒以内の優れた製剤が得られた。
本発明によれば、製造性に優れ、所望の適度な硬度を有し、製剤安定性に優れ、且つ口腔内で速やかに崩壊あるいは溶解する、水なしで服用可能な固形製剤が提供できる。

Claims (6)

  1. (a)ロキソプロフェン又はその塩、イブプロフェン、カフェイン及びアスコルビン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である有効成分を含有する粉末を、二酸化ケイ素を分散させた溶液で噴霧造粒し造粒物を製造する工程を含むことを特徴とする、日本薬局方第十六改正の崩壊試験法による崩壊試験を行ったとき崩壊時間が60秒以内である、糖アルコールを含有する固形製剤の製造方法。
  2. 固形製剤が、口腔内崩壊錠又はチュアブル錠である、請求項1に記載の固形製剤の製造方法。
  3. 二酸化ケイ素が軽質無水ケイ酸である請求項1に記載の固形製剤の製造方法。
  4. 二酸化ケイ素の平均粒子径が0.0001〜20μmである請求項1又は3に記載の固形製剤の製造方法。
  5. 糖アルコールが、マンニトール、エリスリトール及びキシリトールからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である、請求項1に記載の固形製剤の製造方法。
  6. 糖アルコールの含有量が、固形製剤全質量に対し、10〜80質量%である請求項1又は5に記載の固形製剤の製造方法。
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