JP2017036212A - 防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法 - Google Patents

防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 攪拌、落下や振動等による外的衝撃があっても、作業時の粉塵の発生を有効に抑制することができる、防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法を提供する。
【解決手段】 防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法は、水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを均一に混合するにあたり、(1)水硬性組成物と細骨材に対して、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを噴霧・霧化しながらあるいは分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを含浸した織布を加えて、水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを同時に混合しながら均一化するか、(2)水硬性組成物と細骨材とを混合し、次いで前記水硬性組成物と細骨材との混合物に、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを噴霧・霧化しながらあるいは分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを含浸した織布を加えて、混合して均一化する。
【選択図】図2

Description

本発明は、防塵水硬性組成物プレミクス製品及びその製造方法に関し、特に、取り扱い時に粉塵が多量に発生することを抑制し、作業現場における粉塵発生環境を著しく改善することができる、防塵水硬性組成物プレミクス製品及びその製造方法に関する。
粉状のセメント系組成物は、現場での混練時、散布時に落下による衝撃や風等の影響で粉塵がかなり発生して飛散する。
かかる粉状のセメント系組成物の飛散による発塵は、周囲に煙の如く立ち込め作業環境を悪化させると共に周辺住民に被害を及ぼしている。
特に、袋詰めされたプレミクス製品を袋からミキサ等に投入するときには、粉塵が多量に発生して、近傍の作業環境化が悪化するとともに、作業員等の健康被害が発生している。
そこで、セメント系材料の発塵を抑制するために、以下のものが提案されている。
特許第4338419号公報(特許文献1)には、アルコール系化合物と凝結遅延剤と水とを混合して水溶液を調製し、前記水溶液をセメント系固化材に添加してなる地盤改良用発塵抑制型固化材であって、前記凝結遅延剤がクエン酸又はグルコースであって、前記水溶液が、前記セメント系固化材に対して、前記アルコール系化合物1〜4質量%と、クエン酸又はグルコース0.1〜0.5質量%と、水0.5〜1.5質量%とを混合して調製されることを特徴とする地盤改良用発塵抑制型固化材が開示されている。
また、特許第4706582号公報(特許文献2)には、水硬性材料と水と金属アルミニウム粉末とを添加混合した地盤改良材を対象土に混合して得られた気泡混合軽量土を対象となる地盤に築造することにより地盤改良を行う工法において、前記地盤改良材が脂肪族多価アルコールを含み、前記金属アルミニウム粉末を前記脂肪族多価アルコールに添加混合する前に、前記脂肪族多価アルコール100重量部に対して、水を50重量部以下の割合で添加し、前記金属アルミニウム粉末を前記脂肪族多価アルコールに添加混合した後に、前記金属アルミニウム粉末と前記脂肪族多価アルコールを含む添加物と前記水硬性材料と水とを混合することを特徴とする地盤改良工法が開示されている。
更に、特許第2980752号公報(特許文献3)には、10μm以下の微粒子を含有するセメント材料を製造するに際し、その攪拌・混合工程中および/または粉砕工程中に、低炭素数の飽和アルキレンオキシドからつくられる分子量が1000以下で、低粘性液体のポリアルキレングリコールを前記セメント材料に対して噴霧することを特徴とするセメント材料の製造方法が開示されている。
しかし、これらのセメント材料は、水硬性組成物プレミクス製品ではなく、また発塵性を十分に抑制するものではなく、より有効に発塵を防止することができる、防塵水硬性組成物プレミクス製品が期待されている。
特に、特許文献3には、セメントにポリアルキレングリコールを配合されたセメント材料であり、かかる材料を用いてモルタルやコンクリートを製造するには、予めセメントにポリアルキレングリコールを配合したセメント材料を調製し、現場で必要に応じて、これに骨材や水を添加して撹拌混合することでモルタルやコンクリートを調製してするものである。
特許第4338419号公報 特許第4706582号公報 特許第2980752号公報
従って、本発明の目的は、上記問題を解決し、攪拌、落下や振動等による外的衝撃があっても、特に袋入りのセメントプレミクス製品を現場で使用する際に袋からミキサ等に投入する際の作業時の粉塵の発生を有効に抑制することができる、水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとがプレミクスされた防塵水硬性組成物製品及びそのプレミクス製品の製造方法を提供することにある。
更に、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールの配合量が少なくても、攪拌等の外的衝撃に対して作業時における粉塵の発生を有効に防止することができ、近傍の作業環境の悪化を防止することができる、プレミクスされた防塵水硬性組成物製品及びそのプレミクス製品の製造方法を提供することにある。
本発明は、水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを混合する際の順序を特定することで、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールが少ない量であっても、得られた水硬性組成物プレミクス製品を取り扱う際やプレミクス製品の使用時における粉塵の発生を極めて有効に抑制することを見出し、到達したものである。
本発明の防塵水硬性組成物プレミクス製品は、水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを含む水硬性組成物プレミクス製品であって、水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを同時に混合して均一化した混合物であることを特徴とする、防塵水硬性組成物プレミクス製品である。
本発明の他の防塵水硬性プレミクス製品は、水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを含む水硬性組成物プレミクス製品であって、水硬性組成物と細骨材との混合物に、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを混合して均一化した混合物であることを特徴とする、防塵水硬性組成物プレミクス製品である。
好適には、上記本発明の防塵水硬性組成物プレミクス製品は、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールが、ジエチレングリコール及び/又はトリエチレングリコールであることを特徴とする。
更に好適には、上記本発明の防塵水硬性組成物プレミクス製品は、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールが、水硬性組成物中の水硬性粉体100質量部に対して、1.25〜5質量部で含有されることを特徴とする。
また、本発明の防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法は、水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを同時に混合しながら均一化することを特徴とする、防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法である。
本発明の他の防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法は、水硬性組成物と細骨材とを混合し、次いで分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを、前記水硬性組成物と細骨材との混合物に配合して均一化することを特徴とする、防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法である。
好適には、上記本発明の防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法において、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールは、ジエチレングリコール及び/又はトリエチレングリコールであることを特徴とする。
更に、好適には、上記本発明の防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法において、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールは、水硬性組成物中の水硬性粉体100質量部に対して、1.25〜30質量部の割合で配合されることを特徴とする。
本発明の防塵水硬性組成物プレミクス製品は、セメント及び骨材等を予め袋等にプレミクスした製品であり、袋詰めの開封時や、混練、攪拌、落下や振動等による外的衝撃があっても、多量の粉塵が飛散することなく、有効に発塵を防止することができるため、作業時や工場での作業環境を著しく改善することが可能となる。
また、本発明においては、プレミクス製品中に含まれる分子量が1000以下のポリアルキレングリコールの量が少なくても、有効に発塵を防止することができるため、経済的な方法で、水硬性組成物からの粉塵発生を防止することが可能となる。
従って、セメント等の水硬性組成物プレミクス製品を現場で使用する場合に、袋からミキサ等に投入する際にも粉塵が発生せず、近傍の作業環境を良好に保持することができる。
特に、上記効果に加えて、小規模な施工に有効に適用することができ、施工現場では水と混合するだけで使用することができ、極めて簡便に施行が行える。
図1は、各水硬性組成物プレミクス製品粉体中に含有されるジエチレングリコール量と発塵量との関係を示す線図である。 図2は、各水硬性組成物プレミクス製品粉体中に含有されるジエチレングリコール量と、50μm未満の粒子の含有量との関係を示す線図である。
本発明を以下の好適例により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の防塵水硬性組成物プレミクス製品は、水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを含む水硬性組成物プレミクス製品であって、水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを同時に混合して均一化した混合物であることを特徴とする、防塵水硬性組成物プレミクス製品である。
また、本発明の他の防塵水硬性プレミクス製品は、水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを含む水硬性組成物プレミクス製品であって、水硬性組成物と細骨材との混合物に、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを混合して均一化した混合物であることを特徴とする、防塵水硬性組成物プレミクス製品である。
本発明の防塵水硬性組成物プレミクス製品に用いる水硬性組成物は、水硬性粉体を含む。
ここで、水硬性粉体とは、水によって硬化する粉体を意味し、好ましくは普通ポルトランドセメント、ジェットセメント、アルミナセメント、超速硬セメント、珪酸カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムフルオロアルミネート、カルシウムサルフォアルミネート、カルシウムアルミノフェライト、リン酸カルシウム、スラグ、半水又は無水石膏及び自硬性を有する生石灰の粉体からなる群より選ばれた少なくとも一種類の粉体が使用される。
また、本発明に用いる水硬性組成物は、上記水硬性粉体のほかに、非水硬性粉体を含有してなることもできる。
当該非水硬性粉体は、単体では水と接触しても硬化することがない粉体を意味するが、アルカリ性若しくは酸性状態、あるいは高圧蒸気雰囲気においてその成分が溶出し、他の既溶出成分と反応して水和物硬化体を形成する粉体も含む意である。
非水硬性粉体としては、水酸化カルシウム粉末、二水石膏粉末、炭酸カルシウム粉末、スラグ粉末、フライアッシュ粉末、珪石粉末、粘土粉末、シリカヒューム粉末及びマグネシアセメントからなる群より選ばれた少なくとも一種類の粉体を好適に用いることができる。
これらの非水硬性粉体は、ポゾラン反応もしくはマイクロフィラー効果により、強度を増進する機能を有する。
分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等が例示でき、単独でまたは組み合わせて用いることができる。
特に、常温で低粘度の液体の点から、ジエチレングリコールやトリエチレングリコールを用いることが望ましい。
また、本発明の防塵水硬性組成物プレミクス製品に用いる分子量が1000以下のポリアルキレングリコールは、適当な粘性を有するため、飛散・浮遊しやすい10μ以下の粒子を容易に補足することが可能である。
添加配合量としては、粉塵の発生をより有効に抑制するため、好ましくは、水硬性プレミクス製品中の水硬性粉体に対して、1.25〜30質量%、より好ましくは、1.25〜10質量%、更により好ましくは1.25〜5質量%である。
かかる範囲であると、得られる水硬性組成物プレミクス製品の水和・硬化反応を阻害せず、また生体に与える毒性がほとんどない。
また、細骨材としては、特に限定されるものではなく、川砂、山砂、陸砂、砕砂、海砂、珪砂3〜8号等の比較的粒径の細かい細骨材、またパーライトなどの軽量骨材、または珪石粉、石灰石粉等の微粉末等の公知の細骨材を使用できる。
その他、本発明の防塵水硬性組成物プレミクス製品には、その他の混和剤、例えば減水剤、消泡剤、乾燥収縮低減剤、防錆剤、発泡剤などの混和材や、材料分離抵抗性を向上させるための増粘剤、炭素繊維や鋼繊維などの補強剤を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
減水剤としては、例えば、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等の液状または粉末状のいずれの公知の減水剤も使用できる。
本発明の防塵水硬性組成物プレミクス製品は、上記水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを同時に混合することにより、または上記水硬性組成物と細骨材とを混合し、該混合物に分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを混合することにより得られるものである。
このようにして得られる水硬性組成物プレミクス製品は、発塵を極めて効果的に抑制することが可能となる。
水硬性組成物と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを混合したものに、細骨材を混合することで得られる水硬性組成物プレミクス製品では、有効な防塵効果が得ることができない。
混合手段としては、特に限定されず、任意のミキサ等を用いることができる。
分子量が1000以下のポリアルキレングリコールの添加・分散方法は、特に限定されないが、例えば噴霧、気化による霧化などが例示できる。
具体的には、上記水硬性組成物と細骨材をミキサ等の攪拌・混合装置または粉砕装置に投入し、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを噴霧しながら、該ミキサを回転しながら攪拌混合を実施するか、上記水硬性組成物と細骨材をミキサ等の攪拌・混合装置または粉砕装置に投入して、該ミキサを回転、攪拌混合した後、該混合物に分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを噴霧しながら、再度攪拌混合を実施する。
好ましくは水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを同時に混合して均一化して、例えば、上記水硬性組成物と細骨材をミキサ等の攪拌・混合装置または粉砕装置に投入し、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを噴霧しながら、該ミキサを回転しながら攪拌混合を実施することにより、防塵水硬性組成物プレミクス製品を製造することが、防塵効果の点から、より望ましい。
これは、混合により粉塵が発生する初期段階からポリアルキレングリコールと接触させることで、より効率的に防塵効果が発揮されるものと考えられ、製造工程的にも、混合をすべて同時に行ったほうが混合にかかる総時間を短縮することができ、効率的である。
霧状のポリアルキレングリコールは装置内に浮遊し、装置内に飛散する微細粒子、特に発塵の主たる要因となる粒子径10μm以下の微細粒子に付着して水硬性組成物材料中に落下し、最終的に製品化された際に発塵の原因となる粉体の微粒子がポリアルキレングリコールに捕捉され、他の粒子に付着しあるいは微粒子どうしが結合・凝集して比較的大きな粒子となることにより、得られた製品は防塵性となる。
また、ポリアルキレングリコールの添加・分散方法は、大きな滴(しずく)を粉体に滴下する方法よりも、なるべく液滴径が微細な噴霧・霧化によることが好ましい。これは、噴霧による添加方法の場合は、噴霧液滴径が微細であるため、水硬性組成物材料が局所的な凝集、所謂ダマが生じることがなく、発塵の原因たる主に10μ以下の粒子を有効に捕捉・凝集させることができ、全体として均一な粉末製品を容易に得ることができる。
噴霧は、分子量が100以下のポリアルキレングリコールの粒径がμmオーダーの霧状となるよう噴霧することのできる、公知の噴霧器を利用して行うことが望ましい。
例えば、市販のドライフォグ・ノズルと称される、粉体粒子と同等以下の液滴径の噴霧が可能となる専用のスプレーノズルを有効に使用できる。
具体的には、当該ミキサを回転あるいは混合動作させながら連続的にドライフォグを噴霧供給する方法が好適に用いられる。
このように行なうことにより、ダマが全く無い、均一な水硬性組成物プレミクス製品粉体を得ることができる。
また、ポリアルキレングリコールを噴霧するほかに、攪拌・混合装置又は粉砕装置内にポリアルキレングリコールを含浸した織布あるいは他の繊維状物を加えて、混練・攪拌等をすることで、ポリアルキレングリコールを配合する方法がある。
ここで、ポリアルキレングリコールの織布等繊維状物への含浸量としては、被処理物となる水硬性組成物中の水硬性粉体、例えばセメントの質量に対して、上記範囲、好ましくは1.25〜5質量%とすることができる。これにより、織布等繊維状物からポリアルキレングリコールが滴り落ちることを防止することができる。
次いで、攪拌・混合、あるいは粉砕の操作がそれぞれ終了した後、ポリアルキレングリコールを含浸した織布等繊維状物を各装置から取り除くことにより、最終的に低発塵性で均一な混合粉体が製造され、水硬性組成物プレミクス製品粉体を得ることができる。
なお、ポリアルキレングリコールを水硬性組成物に均一に添加・分散する手段として織布あるいは他の繊維状物を使用したのは、該繊維状物は繊維間に微細な隙間を多数有するため嵩に対する表面積が大きく、したがってこれにポリアルキレングリコールを含浸させ、発塵するセメント等の水硬性粉体とともに攪拌・混合することで、該水硬性粉体微細粒子がその隙間に捕捉されるからである。すなわち、捕捉された発塵性の微粒粉体にポリアルキレングリコールが付着するため、一旦捕捉された微粒粉体がもし繊維状物の繊維間の隙間から脱落しても、製品として使用される際飛散・浮遊することがないのである。
更に、本発明の防塵水硬性組成物プレミクス製品は、10μm以下の微粉が細骨材の表面にも吸着されるため、セメント等の水硬性粉体にポリアルキレングリコールを噴霧した混合物に、細骨材を混合するよりも、同一のポリアルキレングリコール量でより高い防塵効果を得ることができる。
本発明を以下の実施例、比較例及び試験例により説明する。
(使用材料)
・セメント:普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製)400g
・細骨材 :砂(珪砂6号 静岡県産)800g
・ジエチレングリコール(DEG):試薬、関東化学株式会社製
(実施例1−(1)〜1(4))
上記セメント400gと上記珪砂6号800gとジエチレングリコールとを同時に配合して、遊星ミル(回転数70回転/分、容量4L、近藤科学器械製作所製)にて表1に示すように6分間攪拌混合して、各水硬性組成物プレミクス製品を製造した。
但し、ジエチレングリコールは、ジエチレングリコールを浸み込ませたガーゼの枚数を変化させて、セメントに対して添加配合されるジエチレングリコール量が、それぞれ1.25、2.50、5.00、7.50質量%となるようにして配合した。なお、ガーゼ1枚あたりに浸み込ませたジエチレングリコールの量は、ガーゼからジエチレングリコールが滴り落ちない量である5g/1枚とした。
(実施例2−(1)〜2−(4))
攪拌混合時間を3分とする以外は、実施例1と同様にして、各水硬性組成物プレミクス製品を製造した。
(実施例3−(1)〜3−(4))
上記セメント400gと上記珪砂6号800gとを、遊星ミル(回転数70回転/分、容量4L、近藤科学器械製作所製)にて表1に示すように3分間攪拌混合した。
次いでジエチレングリコールを、実施例1と同様に、ジエチレングリコールを浸み込ませたガーゼの枚数を変化させて、セメントに対して添加配合されるジエチレングリコール量が、それぞれ1.25、2.50、5.00、7.50質量%となるように、該遊星ミル中の得られたセメントと砂との混合物に添加して、更に3分間攪拌混合して、水硬性組成物プレミクス製品を得た。
(比較例1)
上記セメント400gと上記珪砂6号800gとを、遊星ミル(回転数70回転/分、容量4L、近藤科学器械製作所製)にて表1に示すように3分間攪拌混合して、水硬性組成物プレミクス製品を得た。
(比較例2−(1)〜2−(4))
上記セメント400gとジエチレングリコールとを、遊星ミル(回転数70回転/分、容量4L、近藤科学器械製作所製)にて表1に示すように3分間攪拌混合した。
但し、ジエチレングリコールは、実施例1と同様に、ジエチレングリコールを浸み込ませたガーゼの枚数を変化させ、セメントに対して添加配合されるジエチレングリコール量が、それぞれ1.25、2.50、5.00、7.50質量%となるようにして配合した。
次いで、上記珪砂を、該遊星ミル中の得られたセメントとジエチレングリコールとの混合物に添加して、更に3分間攪拌混合して、水硬性組成物プレミクス製品を得た。
Figure 2017036212
(試験例1)
上記実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた水硬性組成物プレミクス製品の粉塵発生試験を、以下の測定機器及び条件で行った。
測定機器:粉塵計LD−5D、柴田科学株式会社製
測定条件:幅250mm×奥行250mm×高さ1000mmの筒中で、各水硬性組成物プレミクス製品粉体を高さ1000mmの高さから落下させ、500mm高さにおける粉塵量を、前記粉塵計にて測定した。
その結果を以下の表2及び図1に示す。
Figure 2017036212
上記表2及び図1の結果より、ジエチレングリコールの配合量が対セメント質量比で5.00質量%以下の場合には、比較例2〜5の水硬性プレミクス製品と比較して、実施例1〜3の水硬性組成物プレミクス製品粉体は発塵量が少ないことがわかり、粉塵の発生を有効に抑制することができることが理解できる。
(試験例2)
上記実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた水硬性組成物プレミクス製品の粉体中、50μmより小さい粉体の量を、以下の測定装置及び条件で行った。
測定装置:電磁式ふるい振とう器 AS−200basic、株式会社レッチェ製
測定条件:各水硬性組成物プレミクス製品粉体を、当該測定装置を用いて振幅1mm、篩時間10分間としてふるって、50μmより小さい大きさの粉体の量を測定した。
その結果を以下の表3及び図2に示す。
Figure 2017036212
上記表3及び図2の結果より、比較例1や2の水硬性プレミクス製品と比較して、実施例1〜3の水硬性組成物プレミクス製品、特に実施例1〜2の粉体中に含まれる50μmよりも小さい粉体の量は少なくなり、従って実施例の水硬性プレミクス製品からは発塵量が少なくなり、細かい粉塵の発生を有効に抑制することができることが理解できる。
本発明により得られた防塵水硬性組成物プレミクス製品は、建築・土木分野におけるセメント等の水硬性材料を使用する作業現場や工場において、特に、左官材や機械基礎に使用するグラウト剤として使用することができ、主として袋入りの水硬性組成物製品の水硬性組成物の粉塵発生を防止することができるため、環境改善に有用に適用することが可能である。

Claims (4)

  1. 水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを均一に混合するにあたり、水硬性組成物と細骨材に対して、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを噴霧・霧化しながらあるいは分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを含浸した織布を加えて、水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを同時に混合しながら均一化することを特徴とする、防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法。
  2. 水硬性組成物と細骨材と分子量が1000以下のポリアルキレングリコールとを均一に混合するにあたり、水硬性組成物と細骨材とを混合し、次いで前記水硬性組成物と細骨材との混合物に、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを噴霧・霧化しながらあるいは分子量が1000以下のポリアルキレングリコールを含浸した織布を加えて、混合して均一化することを特徴とする、防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法において、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールは、ジエチレングリコール及び/又はトリエチレングリコールであることを特徴とする、防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれかの項記載の防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法において、分子量が1000以下のポリアルキレングリコールは、水硬性組成物中の水硬性粉体100質量部に対して、1.25〜30質量部の割合で配合されることを特徴とする、防塵水硬性組成物プレミクス製品の製造方法。
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