JP2007269537A - プレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料及び高靭性ポリマーセメントモルタル - Google Patents

プレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料及び高靭性ポリマーセメントモルタル Download PDF

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Abstract

【課題】 汎用ミキサーでのモルタル等のセメント製品の混合製造を可能とし、現場での製造が容易であって、製造方法の差異による性能への影響の無い、粉体と繊維とを予め混合したプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料を用いることで、補修、補強材料に求められる耐乾燥収縮性能が向上し、吹付け性能や左官仕上げ性の良好な高強度・高靱性のモルタルを提供する。
【解決手段】 プレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料は、セメント、細骨材、再乳化形粉末樹脂、粘土鉱物系チクソ性付与材、および高強度有機短繊維を含有しており、セメント100質量部に対し、再乳化形粉末樹脂1〜10質量部、粘土鉱物系チクソ性付与材0.2〜10質量部、および高強度有機短繊維混入率が0.5〜2.0容積%で配合されてなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料及び高靭性ポリマーセメントモルタルに関し、特に、中性化、塩害、アルカリ骨材反応、凍害などにより劣化した種々のコンクリート構造物の補修または鉄筋コンクリート構造物からなる橋脚の耐震補強や道路床版の下面増厚等の補強に用いられる、プレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料及び当該モルタル材料により得られる高靭性ポリマーセメントモルタルに関する。
道路床版の補強工法の一つとして、既設コンクリート構造物床版下面に補強用鉄筋を配置した後、ポリマーセメントモルタル等を吹き付ける下面増厚工法がある。
しかしながら、鉄筋の配置に手間がかかり、鉄筋の質量や鉄筋のかぶり厚さを確保するために吹き付け材料を余分に使用するので、それに伴い道路床版が質量増加となる等の問題がある。
さらに、配置した鉄筋により、モルタルの吹き付け効率が悪く、また鉄筋とモルタルの空隙をなくすためには、高度な吹き付け技術が必要となる。
そこで、補強用鉄筋を配置することなく、既設コンクリート構造物床版下面に高靭性ポリマーセメントモルタルを吹き付ける補強工法が適用されている。
特開2002−193653号公報(特許文献1)では、モルタルにポリビニルアルコール短繊維を混合した引張、曲げ靭性の高い吹き付け材料が提案されている。しかし、必要性能を満足するために、繊維混合率の増加、特殊なミキサーの使用、繊維混合方法の規定等の製造工程が必要であった。
特開2004−315251号公報(特許文献2)では、特定の高い引張強度等を有する有機短繊維を使用し、比較的低い繊維混入率で十分に高い強度及び高い靭性が付与されたセメント複合体を得ている。低い繊維混入率のため、汎用の混合ミキサーでの製造が可能となったが、繊維分散性を図る目的で、繊維を別添加するため、製造方法が煩雑で、製造手順の違いによりモルタルの物性に影響を及ぼす可能性がある。
また、従来のセメント複合体においては、上記短繊維の力学性能が低いため、高い靱性を得るためには、2容積%以上と高い繊維混入率が必要であり、繊維を均一に分散させるために、保湿剤や増粘剤の添加、特殊なミキサーの使用、さらには、繊維を水に溶かしてから練り混ぜるなどの煩雑な製造工程が必要であった。また、高強度且つ高靱性のセメント複合体とするため、モルタルの強度を高くすると、繊維自身の引張強度が限界に達し、ひび割れ面で繊維が破断するため、高い靱性を得ることが困難であった。
そこで、このような問題点を解決した高靭性ポリマーセメントモルタル材料の開発が望まれていた。
特開2002−193653号公報 特開2004−315251号公報
従って、本発明の目的は、上記問題点を解決し、汎用ミキサーでのモルタル等の混合製造を可能とし、現場での製造が容易であって、製造方法の差異による性能への影響の無い、粉体と繊維とを予め混合したプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料を提供することである。
更に本発明の他の目的は、前記本発明のプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料を用いることで、補修、補強材料に求められる耐乾燥収縮性能が向上し、吹付け性能や左官仕上げ性の良好な高強度・高靱性のモルタルを提供することである。
本発明の請求項1記載のプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料は、セメント、細骨材、再乳化形粉末樹脂、粘土鉱物系チクソ性付与材および高強度有機短繊維を含有してなるプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料であって、セメント100質量部に対し、再乳化形粉末樹脂1〜10質量部、粘土鉱物系チクソ性付与材0.2〜10質量部、および高強度有機短繊維の繊維混入率が0.5〜2.0容積%で配合されていることを特徴とする。
請求項2記載のプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料は、請求項1記載のプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料において、該高強度有機短繊維の引張強度が2500〜6000N/mm、弾性係数が45〜300KN/mm、繊維長が3〜20mmであることを特徴とする。
本発明の請求項3記載の高靭性ポリマーセメントモルタルは、プレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料に、水を混合してなることを特徴とする。
更に請求項4記載の高靭性ポリマーセメントモルタルは、請求項3記載の高靭性ポリマーセメントモルタルにおいて、プレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料100質量部に対し、水を12〜30質量部混合してなることを特徴とする。
本発明の高靭性ポリマーセメントモルタル材料によれば、現場での製造が容易であって、製造方法の差異による性能への影響が無く、高い引張強度、曲げ強度等を有し、且つ高い靱性を有しており、特に、ひび割れの生成及び進展を効果的に抑制できる。
具体的には、本発明の繊維補強セメント複合体によれば、例えば、後述する三点曲げ試験において、3.0mm以上のたわみを許容でき、且つ、曲げ応力が10N/mm以上という高強度・高靱性を達成することも可能である。
更に、例えば、本発明の高靭性ポリマーセメントモルタルによれば、補修、補強材料に求められる耐乾燥収縮性能が向上し、吹付け性能や左官仕上げ性の良好な高強度・高靱性のモルタルである。
本発明を以下の好適例により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明のプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料は、セメント、細骨材、再乳化形粉末樹脂、粘土鉱物系チクソ性付与材、および高強度有機短繊維を含有してなるプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料であって、セメント100質量部に対し、再乳化形粉末樹脂1〜10質量部、粘土鉱物系チクソ性付与材0.2〜10質量部、および高強度有機短繊維の繊維混入率が0.5〜2.0容積%で配合されている材料である。
かかる特定の組成で上記成分を配合することで、汎用ミキサでの製造ができるとともに予めすべての材料をプレミクスできるので製造の簡素化が図れることとなり、コンクリートとの付着性も大きく改善し、さらには硬化後も乾燥収縮によるひび割れ発生を抑制することができるとともに、吹付け性能や左官施工性に優れ、高靭性とすることができる。
具体的には、本発明のプレミクスモルタル材料を用いて得られた、幅50mm×高さ20mm×長さ250mmのコンクリート供試体は、材齢28日において、後述する3点曲げ試験で、最大曲げ応力時のたわみ3mm以上を許容し、且つ、最大曲げ応力が10N/mm以上であり、20℃/60%RHでの乾燥収縮率が0.1%未満の性能を有することができるものである。
本発明のプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料に用いるセメントとしては、現場の施工条件等を考慮して選定することができ、特に限定されず、例えば普通、早強、中庸熱及び超早強等の各種ポルトランドセメント、これらの各種ポルトランドセメントにフライアッシュや高炉スラグなどを混合した高炉セメント等の各種混合セメント、速硬セメント等を、単独または2種以上で用いることができる。
特に安価で早期強度を発現することから、早強セメントを用いることが好ましい。
また、該セメントには、高炉スラグ粉末、フライアッシュ、シリカヒューム、石灰石粉末、石英粉末、二水石膏、半水石膏、無水石膏、生石灰系膨張材、カルシウムサルフォアルミネート系膨張材などの公知の混和材を添加することができる。
その配合割合は、特に限定されず、適宜設計することができるが、特にカルシウムサルフォアルミネート系膨張材は、セメント100質量部に対して、2〜10質量部が好ましく、これは、自己収縮を抑制するとともに過剰膨張を防止することが容易となるからである。
また、本発明のプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料に使用する再乳化形粉末樹脂としては、JIS A 6203に規定されたものを使用することができ、例えば、ポリアクリル酸エステル、スチレンブタジエン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル/バーサック酸ビニルエステル、酢酸ビニル/バーサック酸ビニルエステル/アクリル酸エステル等の樹脂が挙げられ、これらの中から適宜、選択して単独、または混合して使用することができ、再乳化樹脂を含有することで接着性能を向上させることができる。
特に、耐水性等の耐久性が要求される部材に用いる場合には、酢酸ビニル/バーサック酸ビニルエステル/アクリル酸エステル等のアクリル系再乳化型粉末樹脂の使用が好ましい。
再乳化形粉末樹脂は、JIS A 6203に規定するポリマーディスパージョンを噴霧乾燥した粉末樹脂で、水を添加すると再度乳化するものをいい、ポリマーディスパージョンとは、上記ポリマーの微粒子が水中に分散し、浮遊している状態のものである。
ポリマーを安定化する方法としては、例えば、アクリル酸を共重合するカルボキシル方式(アニオン化方式)、水溶性ポリマー、例えばポリビニルアルコール等の水溶液中で重合する保護コロイド方式、重合反応性界面活性剤等を共重合する方式、非重合反応性界面活性剤による安定化方式がある。
かかる再乳化形粉末樹脂の製造方法は特に限定されることなく、これらのポリマーディスパージョンを粉末化方法やブロッキング防止法等の公知かつ任意の方法を用いて調製することができる。
再乳化形粉末樹脂の再乳化液としては、最低造膜温度が0℃以上であることが望ましい。
最低造膜温度が0℃以上であることにより、コンクリートとの付着性および早期強度発現性に優れることとなる。
かかる再乳化形粉末樹脂の配合量としては、セメント100質量部に対して、1〜10量部配合されてなり、好適には、3〜7質量部であることが望ましい。
これは、かかる配合比で、再乳化形粉末樹脂を混合することより、ポリマーセメントモルタル材として使用した際に、コンクリートに対して、良好な付着性を有するものとなるからである。
再乳化形粉末樹脂がセメントに対して、1質量部未満では、コンクリートとの付着性能、乾燥収縮抑制性能が十分に発揮できず、また、10質量部を超えると、ポリマーセメントモルタル材の流動性や強度が低下し、コンクリート構造物の断面修復または増厚材としての性能に支障が発生する恐れがあるからである。
本発明のポリマーセメントモルタル材料に使用する細骨材としては、川砂、海砂、山砂、砕砂、3〜8号珪砂、石灰石、及びスラグ細骨材等を使用することができ、微細な粉や粗い骨材を含まない粒度調整した珪砂や石灰石等の細骨材を用いることが好ましい。
その配合割合は、上記セメント100質量部に対して、50〜300質量部、好ましくは70〜150質量部とすることが望ましい。
これは、かかる配合比で細骨材を混合することより、作業性が良く、実用的な強度発現性を有し、実用上問題のない硬化収縮を有する補修材料となるからである。
細骨材がセメントに対して50質量部未満では、乾燥収縮や水和熱によるひび割れが発生するおそれがあり、また、300質量部を超えると、コンクリート構造物をはつり取った箇所への充填性や強度発現性に支障の出るおそれがあるからである。
本発明のポリマーセメントモルタル材料において、混入される有機短繊維としては、高強度且つ高弾性であることが必要であり、具体的には、該繊維の引張強度が2,500〜6,000N/mm程度であり、且つ、該繊維の弾性係数が45〜300kN/mm程度であることが、必要である。
引張強度が2,500N/mm未満ではセメント複合体の強度が十分ではない場合があり、一方6,000N/mmを超えるような繊維は入手困難である。また、該繊維の弾性係数が45kN/mm未満ではセメント複合体の靱性が十分ではない場合があり、一方300kN/mmを超えるような繊維は入手困難である。
また、上記有機短繊維の繊維混入率は0.5〜2.0容積%程度であることが必要である。
該繊維混入率が0.5容積%未満では強度や靱性が十分ではない場合があり、一方2.0容積%を超えると、繊維の分散が不完全となり、繊維混入率に見合う靭性改善効果が得られなくなるので好ましくない。
特に、該繊維混入率は、1.0〜2.0容積%であることが好ましい。
ここで、本発明における繊維混入率(V、fiber volume fraction)は、次式;V=(V/V)×100 (I)
(式中、Vは繊維補強セメント複合体の単位体積(1,000リットル=1m)中に混入された補強繊維の容積(リットル)を示し、Vは繊維補強セメント複合体の単位容積(1,000リットル=1m)を示す。)で表される割合(容積%)である。
本発明において用いられる有機短繊維の原材料としては、例えば、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(PBO繊維)、パラ型アラミド繊維、ポリアリレート繊維等を挙げることができ、これらの一種を、又は二種以上を組み合わせて、使用することができる。
また、上記有機短繊維は、通常、直径50μm以下程度、長さ3〜20mm程度のモノフィラメント繊維であるのが、繊維混入による補強効果、即ち高強度・高靱性付与の観点から、好ましい。
該モノフィラメント繊維の直径は、5〜30μm程度、長さは4〜15mm程度であるのがより好ましい。
本発明のモルタル材料により得られるコンクリートは、上記特定の有機短繊維により補強されていることにより、後述する三点曲げ試験において、3.0mm以上のたわみを許容でき、且つ、曲げ応力が10N/mm以上という高強度・高靱性を達成することも可能である。
このように、有機短繊維を配合することにより、ひび割れ部分における繊維の架橋能力が高いため、あるひび割れ面の繊維が破断する前に、他の箇所でひび割れが発生し、多数のひび割れ部分において繊維の引張り応力がうまく機能することに基づいて、ひび割れ発生後も曲げ耐荷力が低下することなく高い水準で維持することができることとなる。
本発明のポリマーセメントモルタル材料に使用する粘土鉱物系チクソ性付与材としては、
主にベントナイト、カオリンをはじめとする層状粘土鉱物、アタパルジャイト、セピオライトをはじめとする繊維状粘土鉱物などが挙げられる。
粘土鉱物系チクソ性付与材の配合割合は、セメント100質量部に対し、粘土鉱物系チクソ性付与材0.2〜10質量部であり、好ましくは1.0〜5.0質量部である。
この範囲であると、吹付け時のダレを防ぐことができ、左官施工性の向上が図れる。10質量部を超えると、練り上がりが固くなり吹付け時の圧送が困難となる場合がある。
吹付け性能、左官仕上げ性能の向上には、チクソトロピックな練上りとするため、AE減水剤、高性能AE減水剤等は使用せず、粘土鉱物系のチクソ性付与剤の使用が有効である。
このように、予め、再乳化樹脂粉末、粘土鉱物系チクソ性付与材を添加することにより、繊維の分散効率を上げることができ、これにより、繊維分散性を向上させ、プレミクスを可能にする。
更に、再乳化樹脂粉末、粘土鉱物系チクソ性付与材を併用することにより、繊維分散効果が向上するため、セメント量を低減することが可能となり、耐乾燥収縮性能等を向上させることができる。
本発明のポリマーセメントモルタル材においては、上記材料のほかに、凝結遅延剤、硬化促進剤、増粘剤、消泡剤、発泡剤、防錆剤、防凍剤、着色剤、保水剤等の添加剤を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することができる。
本発明のポリマーセメントモルタルは、それぞれの材料を施工時に混合しても、予め一部を混合してもかまわないが、予め粉末成分を混合した材料と水とを混合することが、施工現場での計量手間や計量ミスをなくす点で好ましい。
混合は汎用モルタルミキサーで、繊維プレミクスの粉体に所定量の水を投入するだけで製造が可能となり、これまで同等の高い曲げ靭性能が得られるものである。
更に、本発明のモルタルの練り混ぜ水量は、通常、プレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料100質量部に対し、水を12〜30質量部混合、好ましくは15〜25質量部混合される。
また、本発明のポリマーセメントグラウト材は、適量な水を添加して混練するが、水は、セメント等の硬化に悪影響を及ぼす成分を含有していなければ、水道水や地下水、河川水等の水を用いることができ、例えば、「JIS A 5308 付属書9 レディーミクストコンクリートの練混ぜに用いる水」に適合するものが好ましい。
このようにして得られたポリマーセメントモルタル材料を用いたモルタルやコンクリートは、建築・土木分野での施工に有用であり、例えば、コンクリート建造物等のコンクリートやモルタル部の一部を除去、はつりとった後に、必要に応じて鉄筋の錆びを落とし、必要な厚さの当該モルタルを用いて施工することで、その建造物に十分な表面強度と付着性とを付与することができる。
本発明を次の実施例、比較例及び試験例により詳述する。
(使用材料)
下記に示す各原材料を用いて、実施例及び比較例を行った。
セメント 早強ポルトランドセメント(製造元;住友大阪セメント株式
会社)
再乳化型粉末樹脂 DM2072−P(販売元;ニチゴーモビニール株式会社)
粘土鉱物 ヘクトライト(販売元;林化成株式会社)
有機繊維 ダイニーマ(製造元;東洋紡績株式会社)
水 水道水
(実施例1〜7、比較例1〜7)
上記各原料を用いて、表1または表2に示す配合割合で、各材料を均一に混合してプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料を調製した。
上記有機繊維であるダイニーマは、引張強度が2,600N/mmで、弾性係数が88kN/mmである超高分子量ポリエチレン繊維であり、表1または表2に示す長さに予めカットして、補強用短繊維を調製した。かかる短繊維のモノフィラメント繊維の直径は、12μmであった。
次いで、実施例1〜7及び比較例1〜6で得られたプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料をホバートミキサに投入して、更に水を水/繊維プレミクス材料の質量比が0.2となるように配合し、また比較例7で得られたプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料をホバートミキサに投入して、水を水/セメント質量比が0.45となるように配合して、「JIS A 1171 ポリマーセメントモルタルの試験方法」に準拠して、20℃、85%RH条件下で均一混練してモルタルを調製した。
Figure 2007269537
Figure 2007269537
(試験例)
上記各実施例1〜7及び比較例1〜7で得られた各モルタルについて、以下の試験を行い、その結果を表3及び表4に示す。
1)混練性
得られた各モルタルの混練性を、混練時の繊維の均一分散性にて、以下の評価基準で評価した。
繊維の均一分散性;繊維ダマ無し・・・・○
繊維ダマ有り・・・・×
2)曲げ試験
「JIS A 1171 ポリマーセメントモルタルの試験方法」に準拠し、幅50mm×高さ20mm×長さ250mmの型枠に、得られた各モルタルを打設し、20℃、60%RHで材齢28日まで養生して、供試体を製造した。その後、各供試体を、島津製作所株式会社製オートグラフを使用して三点曲げ試験を実施した。
曲げ試験条件は、載荷速度2.0mm/分、下部支点間距離が200mmで、中央集中載荷することにより、曲げ応力−たわみ関係を調べ、以下の評価基準で評価した。
最大曲げ応力時のたわみ3mm以上で且つ最大曲げ応力10N/mm以上・・・・○
最大曲げ応力時のたわみ3mmまたは最大曲げ応力10N/mm以下・・・・×
3) 乾燥収縮試験
20℃、85%RH条件下で混練後、幅40mm×高さ40mm×長さ160mmの型枠に各モルタルを打設し、翌日脱型して基長後、20℃、60%RHで28日間養生して、各供試体を製造した。得られた各供試体の長さを測定して、前記基長と比較することで乾燥収縮率を測定した。
乾燥収縮率;0.1%未満・・・・○
0.1%以上・・・・×
Figure 2007269537
Figure 2007269537
本発明のプレミクスモルタル材料から得られるモルタル中の繊維は均一に分散しており、また得られた供試体は、作用応力が増加しても急激な繊維の破断は生じず、曲げ応力も低下することがなく、載荷終了間際まで、ひずみ硬化現象が現れることが認められた。
また、乾燥収縮率も1%未満であり、耐ひび割れ性に優れ、更に、三点曲げ試験において、3.0mm以上のたわみを許容するとともに、曲げ応力が10N/mm以上であることが明らかである。
本発明のプレミクス高靱性セメントモルタル材料を用いた高靭性ポリマーセメントモルタルは、例えば、鉄道高架橋、道路橋、トンネル等のプレキャスト部材接合部や柱梁接合物等の過密な配筋が起こり易い部位、構造物等に好適に使用できる。
また、高耐久・長寿命コンクリート構造物用として、永久型枠、カーテンウォール等の二次製品、橋梁床板補修補強材等としても好適に使用できる。

Claims (4)

  1. セメント、細骨材、再乳化形粉末樹脂、粘土鉱物系チクソ性付与材、および高強度有機短繊維を含有してなるプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料であって、セメント100質量部に対し、再乳化形粉末樹脂1〜10質量部、粘土鉱物系チクソ性付与材0.2〜10質量部、および高強度有機短繊維の繊維混入率が0.5〜2.0容積%で配合されていることを特徴とする、プレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料。
  2. 請求項1記載のプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料において、該高強度有機短繊維の引張強度が2500〜6000N/mm、弾性係数が45〜300KN/mm、繊維長が3〜20mmであることを特徴とする、プレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料。
  3. 請求項1または2記載のプレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料に、水を混合してなることを特徴とする、高靭性ポリマーセメントモルタル。
  4. 請求項3記載の高靭性ポリマーセメントモルタルにおいて、プレミクス高靭性ポリマーセメントモルタル材料100質量部に対し、水を12〜30質量部混合してなることを特徴とする、高靭性ポリマーセメントモルタル。
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