次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず図1、図2を参照して、電子部品実装装置1の構造を説明する。図1において、基台1aの上面には、基板搬送部2がX方向(基板搬送方向)に配設されている。基板搬送部2は、実装対象の基板3を搬送して、所定位置である実装作業位置に位置決めする。基板搬送部2の両側方にはそれぞれ供給装置保持部4A、4Bが配設されている。
図2に示すように、供給装置保持部4Aには、複数のチップ型電子部品供給装置であるテープフィーダ5が並列に装着された台車13が配置されている。また供給装置保持部4Bには、複数のテープフィーダ5とともに複数(ここでは2基)(図1参照)のラジアルリード型電子部品供給装置であるラジアル部品フィーダ6が並列に装着された台車13が配置されている。すなわち供給装置保持部4A、4Bには、チップ型電子部品16(図3参照)やラジアルリード型電子部品26(図4参照)を供給する複数の電子部品供給装置(テープフィーダ5、ラジアル部品フィーダ6)が装着可能となっている。
テープフィーダ5は、実装対象のチップ型電子部品16を実装ヘッド10Aによる取り出し位置に供給する機能を有している。すなわち台車13には実装対象のチップ型電子部品16を保持した電子部品保持テープ15を巻回収納した供給リール14がセットされている。供給リール14から引き出された電子部品保持テープ15はテープフィーダ5に装填され、テープフィーダ5において電子部品保持テープ15をピッチ送りすることにより、電子部品保持テープ15に保持されたチップ型電子部品16が供給位置に順次供給される。
ラジアル部品フィーダ6は、実装対象のラジアルリード型電子部品26を実装ヘッド10Bによる取り出し位置に供給する機能を有している。すなわち台車13には実装対象のラジアルリード型電子部品を保持した電子部品保持テープ25を収納したテープ収納部27が付随している。テープ収納部27から引き出された電子部品保持テープ25はラジアル部品フィーダ6に装填され、ラジアル部品フィーダ6において電子部品保持テープ25テープ送りすることにより、電子部品保持テープ25に保持されたラジアルリード型電子部品26が供給される。
すなわちラジアルリード型電子部品供給装置であるラジアル部品フィーダ6は、供給装置保持部4Bに装着され、複数のラジアルリード型電子部品26とラジアルリード型電子部品26を保持したテープ本体25a(図4参照)とを備える電子部品保持テープ25が装填されて、ラジアルリード型電子部品26を順次供給位置に供給する。
基台1aのX方向の一端部には、リニアモータ駆動のY軸移動ビーム7がY方向に配設されており、Y軸移動ビーム7には2基のX軸移動ビーム8がY方向に移動自在に結合されている。それぞれのX軸移動ビーム8には、ヘッドユニット9がリニア駆動機構によってX方向に移動自在に装着されている。ヘッドユニット9は、実装ヘッド10A、10Bのいずれか一方またはこれら双方を複数備えた多連型ヘッドである。実装ヘッド10Aの下端部には、チップ型電子部品16を吸着保持する吸着ノズル10aが交換自在に装着されている。実装ヘッド10Bの下端部には、ラジアルリード型電子部品26をチャッキングにより保持するチャックユニット10bが交換自在に装着されている。
Y軸移動ビーム7およびX軸移動ビーム8を駆動することにより、ヘッドユニット9はそれぞれの供給装置保持部4A、4Bと基板搬送部2に保持された基板3との間で水平移動し、実装ヘッド10A、10Bによってチップ型電子部品16やラジアルリード型電子部品26を保持して取り出し、基板搬送部2に位置決めされた基板3に実装する。それぞれのヘッドユニット9には、X軸移動ビーム8の下面側に位置してヘッドユニット9と一体的に移動する基板認識カメラ11が設けられている。基板認識カメラ11はヘッドユニット9と一体的に基板3の上方に移動し、ここで基板認識カメラ11によって基板3を撮像することにより、基板3の位置認識が行われる。
供給装置保持部4A、4Bと基板搬送部2との間には、部品認識カメラ12が配設されている。チップ型電子部品16やラジアルリード型電子部品26を保持したヘッドユニット9が部品認識カメラ12の上方を移動することにより、部品認識カメラ12はこれらのチップ型電子部品16やラジアルリード型電子部品26を撮像する。そしてこの撮像結果を認識処理することにより、ヘッドユニット9に保持された状態におけるチップ型電子部品16やラジアルリード型電子部品26の識別や位置認識が行われる。
供給装置保持部4A、4Bにおいてテープフィーダ5、ラジアル部品フィーダ6の部品取り出し側の前縁部には、各部品供給装置に共通のテープ案内通路4bが、供給装置保持部4A、4Bの全体幅に亘って配設されている。テープ案内通路4bは、電子部品が取り出された後の空のテープ本体15a、25a(図3、図4参照)を導く機能を有する。
次に、図3を参照してテープフィーダ5の構成および機能を説明する。図3に示すように、テープフィーダ5は当該テープフィーダ5の全体形状を構成するフィーダ本体部5aおよびフィーダ本体部5aの下面から下方に凸設された装着部5bを備えた構成となっている。フィーダ本体部5aの下面をフィーダ装着ベース4aに沿わせて、装着部5bをフィーダ装着ベース4aに嵌合させることにより、テープフィーダ5は供給装置保持部4A、4Bに固定装着される。
フィーダ本体部5aの内部には、フィーダ本体部5aのテープ送り方向における上流端部に開口するテープ走行路5cが、実装ヘッド10Aによる部品吸着位置まで連通して設けられている。テープ走行路5cは、供給リール14から引き出されてフィーダ本体部5a内に導入された電子部品保持テープ15のテープ送りをフィーダ本体部5aの上流側から実装ヘッド10Aによる部品吸着位置までガイドする機能を有している。
電子部品保持テープ15は、テープ本体15aにチップ型電子部品16を収納保持する部品ポケット15bおよび電子部品保持テープ15をピッチ送りするための送り孔15dを所定ピッチで設けた構成となっている。テープ本体15aの下面において部品ポケット15bに対応した位置は、下方に突出したエンボス部15cとなっている。テープ本体15aの上面は、部品ポケット15bからチップ型電子部品16が脱落するのを防止するために、部品ポケット15bを覆ってトップテープ15eによって封止されている。
フィーダ本体部5aには、電子部品保持テープ15をピッチ送りするためのテープ送り部17が内蔵されている。テープ送り部17は、スプロケット20、スプロケット20を回転駆動する駆動機構19および駆動機構19を制御するフィーダ制御部18を備えている。スプロケット20の外周に設けられた送りピンを電子部品保持テープ15の送り孔15dに係合させた状態で駆動機構19を駆動することにより、電子部品保持テープ15はテープ走行路5cに沿ってピッチ送りされる。
スプロケット20の手前側は、部品ポケット15b内のチップ型電子部品16を、実装ヘッド10Aの吸着ノズル10aによって吸着して取り出す部品吸着位置となっている。スプロケット20近傍のフィーダ本体部5aの上面側には、押さえ部材21が配設されており、押さえ部材21には吸着ノズル10aによる部品吸着位置に対応して吸着開口部22が設けられている。吸着開口部22の上流端は、トップテープ15eを剥離するためのトップテープ剥離部22aとなっている。
電子部品保持テープ15が押さえ部材21の下方を走行する過程において、トップテープ15eをトップテープ剥離部22aを周回させて上流側に引き出すことによって、部品吸着位置の上流側のテープ剥離位置にてトップテープ15eがテープ本体15aから剥離され、上流側へ折り返される。折り返されたトップテープ15eは、トップテープ送り機構24によってテープ回収部23内へ送り込まれる。これにより、部品ポケット15b内のチップ型電子部品16は吸着開口部22において上方へ露呈され、吸着ノズル10aによる取り出しが可能な状態となる。そしてチップ型電子部品16が取り出された後の空のテープ本体15aは、押さえ部材21の下面側を介して前方に排出される。排出された空のテープ本体15aは、テープフィーダ5の前縁側に配設されたテープ案内通路4bを介して下方に導かれ、短尺寸法のテープ小片に切断された後回収箱に回収される。
次に、図4を参照してラジアルリード型電子部品供給装置であるラジアル部品フィーダ6の構成および機能を説明する。図4に示すように、ラジアル部品フィーダ6は全体形状を構成するフレームであるフィーダ本体部6aに各種の機能部を配設した構成となっており、テープフィーダ5と同様に、フィーダ本体部6aから下方に凸設された装着部(図示省略)を備えた構成となっている。フィーダ本体部6aを下面をフィーダ装着ベース4aに沿わせて、装着部をフィーダ装着ベース4aに嵌合させることにより、ラジアル部品フィーダ6は供給装置保持部4Bに固定装着される。ここで、テープフィーダ5、ラジアル部品フィーダ6は装着互換性を有しており、供給装置保持部4A、4Bの任意の位置にラジアル部品フィーダ6を装着することが可能となっている。
実装対象のラジアルリード型電子部品26は、ラジアル方向に延出したリード26aを有しており、複数のラジアルリード型電子部品26のリード26aをテープ本体25aによって整列状態でテーピングすることによりテーピング部品連とした電子部品保持テープ25の形態で供給される。すなわち、電子部品保持テープ25は、複数のラジアルリード型電子部品26とこれらの複数のラジアルリード型電子部品26を保持したテープ本体25aとを備える形態となっている。そしてテープ本体25aには、以下に説明するテープ送り機構31によるテープ送りに際して使用するための送り孔25bが定ピッチで形成されている。
フィーダ本体部6aには、テープ収納部27(図2、図5参照)に収納された電子部品保持テープ25を、テープ導入部28(図5参照)を介して引き出して、テープ送り方向に搬送するテープ搬送路30が設けられている。A−A断面に示すように、テープ搬送路30は垂直の1対のガイド部材30a、30bの間の隙間部30c(図7(a)参照)にテープ本体25aを保持することにより、ラジアルリード型電子部品26が上面側に直立姿勢となった形態で搬送する構成となっている。テープ搬送路30におけるテープ送りは、テープ搬送路30に設けられたテープ送り機構31(図5、図6参照)を、フィーダ本体部6aに配設されたテープ送り駆動シリンダ32によって駆動することにより行われる。
テープ搬送路30の前縁端部には、実装ヘッド10Bのチャックユニット10bによってラジアルリード型電子部品26を保持して取り出す供給位置36が設定されている。すなわち、ラジアルリード型電子部品26が保持された電子部品保持テープ25はテープ搬送路30によって供給位置36まで搬送される。供給位置36に到達したラジアルリード型電子部品26は、部品検出センサ40によって検出される。
テープ搬送路30において、供給位置36よりも電子部品保持テープ25の搬送方向に対して上流側の位置(ここに示す例では、テープ導入部28からテープ搬送路30へ電子部品保持テープ25が渡される位置)には、部品切れ検出部41が設けられている。部品切れ検出部41は、ラジアル部品フィーダ6に対して供給される電子部品保持テープ25が部品切れ状態となったことを検出する。ここでは、連続して電子部品保持テープ25に保持された複数個のラジアルリード型電子部品26の後端部の通過を検出することにより、部品切れを検出する。
供給位置36には、テープ搬送路30によって搬送されて供給位置36に到達したラジアルリード型電子部品26のリード26aをカットするリードカット機構33が配設されている。リードカット機構33は、フィーダ本体部6aに配設された駆動伝達機構35を介してリードカットシリンダ34によって駆動される。
リードカット機構33は、供給位置36に到達して実装ヘッド10Bによって保持された状態のラジアルリード型電子部品26のリード26aを挟断して、ラジアルリード型電子部品26を電子部品保持テープ25から分離させる。そしてラジアルリード型電子部品26が取り出された後のテープ本体25aは、ラジアル部品フィーダ6の前縁端部に供給位置36よりもテープ案内通路4b側に設けられた姿勢変換部37によって垂直姿勢から水平姿勢に姿勢変換されて排出される。排出されたテープ本体25aはテープ案内通路4bによって下方に導かれ、短尺寸法のテープ小片に切断された後回収箱に回収される。
次に図5を参照して、テープ搬送路30に設けられたテープ送り機構31の構成について説明する。図5(a)において、テープ送り駆動シリンダ32のロッド32aには、連結部材38が結合されている。連結部材38は、テープ搬送路30の下方を反対面側(図5(a)に示す面の裏面側)まで延出しており、連結部材38には図5(b)に示す移動部材39が結合されている。テープ送り駆動シリンダ32を駆動してロッド32aを突没させる(矢印f)ことにより、移動部材39はテープ送り方向(矢印g)および戻り方向(矢印h)に移動する。そしてこの移動部材39の往復動により、テープ送り機構31はテープ収納部27から引き出されてラジアル部品フィーダ6に装填された電子部品保持テープ25を、テープ送り方向に供給位置36に向かってピッチ送りする。
図5(b)に示すように、移動部材39にはいずれもテープ本体25aの送り孔25bに係合する第1送り爪54、第2送り爪58を備えた第1送り部材50、第2送り部材51が、それぞれ軸支部50a、51aを介して回動自在に配設されている。第1送り部材50、第2送り部材51の位置は、第1送り爪54、第2送り爪58が送り孔25bの4ピッチ分を隔てた間隔となっており、第1送り爪54、第2送り爪58はそれぞれ圧縮バネである第1バネ部材55、第2バネ部材59によって送り孔25bに係合する方向に付勢されている。
ここで、第1送り爪54の形状は、テープ送り方向(矢印g)についてはテープ本体25aの表面に直交する方向の第1面54aを有し、戻り方向(矢印h)については、テープ本体25aの表面に対して鈍角をなす第2面54bを有する形状となっている。第2送り爪58についても、第1送り爪54と同様の形状である。第1送り爪54、第2送り爪58がこのような形状を有することにより、移動部材39をテープ送り方向(矢印g)に移動させる際には、送り孔25bに係合した状態の第1送り爪54、第2送り爪58によってテープ本体25aをテープ送り方向(矢印g)に移動させることができる。そして、テープ本体25aが位置固定された状態で移動部材39を戻り方向(矢印h)に移動させる際には、第1送り爪54、第2送り爪58は、第1バネ部材55、第2バネ部材59の付勢力に抗して送り孔25bから離脱し、移動部材39の戻り動作が阻害されない。
テープ搬送路30における固定部30dには、テープ本体25aの送り孔25bに係合する第1固定爪56、第2固定爪60を備えた第1固定部材52、第2固定部材53が、それぞれ軸支部52a、53aを介して回動自在に配設されている。第1固定部材52の位置は、第1送り爪54より送り孔25bの1ピッチ分だけ戻り方向側に位置しており、第1固定爪56は圧縮バネである第3バネ部材57によって送り孔25bに係合する方向に付勢されている。ここで、第1固定爪56の形状は、第1送り部材50における第1送り爪54と同様の形状となっている。
第2固定部材53の位置は、第2送り爪58より送り孔25bの2ピッチ分だけ戻り方向側に位置しており、第2固定爪60は引張りバネである第4バネ部材61によって送り孔25bに係合する方向に付勢されている。ここで、第2固定爪60の形状は、戻り方向(矢印h)についてはテープ本体25aの表面に直交する方向の第1面60aを有し、テープ送り方向(矢印g)については、テープ本体25aの表面に対して鈍角をなす第2面60bを有する形状となっている。第1固定爪56、第2固定爪60がこのような形状を有することにより、第1固定爪56、第2固定爪60がいずれも送り孔25bに係合した状態において、テープ本体25aにテープ送り方向(矢印g)の力が作用しない限り、第1固定爪56、第2固定爪60によってテープ本体25aの移動を規制することができ、テープ本体25aの位置が固定される。
次に図6を参照して、テープ送り機構31によるテープ送り動作について説明する。まず図6(a)は、第1送り部材50の第1送り爪54、第1固定部材52の第1固定爪56、第2送り部材51の第2送り爪58および第2固定部材53の第2固定爪60がいずれも送り孔25bに係合して、テープ本体25aが停止した状態を示している。
次に図6(b)は、図5に示すテープ送り駆動シリンダ32を駆動して移動部材39をテープ送り方向(矢印g)に移動させた状態を示している。この状態では、第1送り部材50、第2送り部材51がいずれも移動部材39とともに移動し(矢印i、j)、これにより、送り孔25bに係合した第1送り爪54、第2送り爪58を介してテープ本体25aにはテープ送り方向への力が作用し、テープ本体25aはテープ送りされる(矢印k)。このとき、第1固定爪56、第2固定爪60は、第3バネ部材57、第4バネ部材61の付勢力に抗して送り孔25bから離脱し、テープ本体25aの移動を阻害しない。
図6(c)は、移動部材39が送り孔25bの1ピッチに相当する所定量だけ移動した状態を示している。すなわちこの状態では、テープ本体25aが1ピッチ分だけテープ送りされることにより、第1固定部材52の第1固定爪56、第2固定部材53の第2固定爪60がそれぞれ1ピッチ分だけ移動した次の送り孔25bに係合し、これによりテープ本体25aの位置が固定された状態となる。
次いで移動部材39を1ピッチに相当する所定量だけ戻す動作が行われる。これにより、図6(d)に示すように、第1送り部材50、第2送り部材51が戻り方向へそれぞれ移動する(矢印l、m)。このとき、テープ本体25aは第1固定部材52、第2固定部材53によって位置が固定されていることから、第1送り部材50、第2送り部材51の戻り方向への移動時には、第1送り爪54、第2送り爪58が第1バネ部材55、第2バネ部材59の付勢力に抗して送り孔25bから離脱し、第1送り部材50、第2送り部材51の移動が阻害されない。そして移動部材39が1ピッチに相当する所定量だけ戻り方向に移動することにより、第1送り爪54、第2送り爪58が送り孔25bに係合し、図6(a)に示す状態に戻る。これにより、テープ送り機構31による1ピッチのテープ送り動作が完了する。
次に図7を参照して、テープ搬送路30に設けられた部品切れ検出部41の構成および機能について説明する。図7(a)は、テープ搬送路30にテープ導入部28(図5参照)から電子部品保持テープ25が渡されるテープ乗移り部におけるテープ搬送路30の平面視を示しており、図7(b)は当該部分の側面視を示している。図7(a)に示すように、テープ搬送路30を構成するガイド部材30a、30bの間は、電子部品保持テープ25のテープ本体25aが通過する隙間部30cとなっている。ガイド部材30bには、垂直な軸支部43が設けられており、軸支部43はテープ搬送路30におけるラジアルリード型電子部品26の有無(ここではリード26aの有無)を検出するための部品検出体42を、軸支部43廻りの回動自在に軸支している。
部品検出体42は所定長さLの細長形状の板部材であり、軸支部43からテープ送り方向の下流側に延出して設けられている。軸支部43の下流側の近傍には、隙間部30cの上方を斜め方向に横切る斜辺部42aが形成されている。ここで所定長さLは、電子部品保持テープ25におけるラジアルリード型電子部品26の部品ピッチPP(図8(a)参照)の少なくとも複数倍(ここに示す例では2倍)の長さを有するように設定されている。そして部品切れ検出部41は、以下に説明するように、電子部品保持テープ25において部品検出体42の所定長さLに相当する範囲におけるラジアルリード型電子部品26の有無を検出するようになっている。
軸支部43には部品検出体42を矢印n方向に付勢する捻りバネ部材(図示省略)が装着されており、この状態では、部品検出体42は隙間部30cの上方を覆う位置、すなわちテープ搬送路30上に重なる第1位置[P1]に位置する。そしてテープ搬送路30に対して上流側から電子部品保持テープ25が受け渡されて、電子部品保持テープ25に保持されたリード26aが斜辺部42aに当接して斜辺部42aが下流側に押し込まれることにより、部品検出体42は捻りバネ部材の付勢力に抗して矢印o方向に回動する。そして隙間部30cにおいて部品検出体42の長さ範囲に対応する位置にリード26aが存在する状態では、部品検出体42はテープ搬送路30から部分的に押し出された状態となる。
すなわち部品検出体42は、テープ搬送路30に沿ってこのテープ搬送路30上に重なって設けられている。そして部品検出体42は、テープ搬送路30上に重なって位置する第1位置[P1]と、ラジアルリード型電子部品26がテープ搬送路30における部品検出体42に対応する位置に存在することでテープ搬送路30から押し出された状態の第2位置[P2]との間で変位する。本実施の形態においては、部品検出体42が第1位置[P1]に位置しているか、第2位置[P2]に位置しているかをテープ搬送路30の下面側に配設されたフォトセンサ45によって検出することにより、部品切れを検出するようにしている。
以下、フォトセンサ45による検出について説明する。図7(b)に示すように、部品検出体42が軸支部43の上流側に延出した部分は、ガイド部材30bの側面に沿って下方に延出して設けられた検出移動部材44と連結されている。検出移動部材44の下端部には、図7(c)に示すように、フォトセンサ45の検出光軸45aを遮光するためのドグ44aが設けられている。
部品検出体42が第1位置[P1]に位置している状態では、図7(d)(1)に示すように、ドグ44aは検出光軸45aを遮光せず、フォトセンサ45は遮光OFFとなる。これに対し、部品検出体42が第2位置[P2]に位置することにより、図7(d)(2)に示すように、ドグ44aは軸支部43廻りに矢印p方向に変位し、検出光軸45aを遮光する。これにより、フォトセンサ45は遮光ON信号を出力する。そしてこのフォトセンサ45から出力される遮光ON信号の有無に基づき、部品切れ検出部41による部品切れ検出が行われる。
この部品切れ検出部41による部品切れ検出の具体例について、図8を参照して説明する。図8(a)は、テープ搬送路30において、電子部品保持テープ25に保持されたラジアルリード型電子部品26が連続して供給されている状態を示している。この状態では、ラジアルリード型電子部品26がテープ搬送路30における部品検出体42に対応する位置に存在することから、部品検出体42はテープ搬送路30上から押し出された状態の第2位置[P2]に位置している。そしてこの状態では、図7(d)(2)に示すように、フォトセンサ45は遮光ON信号を出力し、これによりテープ搬送路30における部品有りが検出される。
図8(b)は、電子部品保持テープ25をテープ搬送路30に沿ってテープ送りすることにより複数個のラジアルリード型電子部品26を連続して供給する過程において、後端部に位置するラジアルリード型電子部品26が部品検出体42の所定長さLに相当する範囲を通過した状態を示している。この状態ではテープ本体25aにおいて後端部のラジアルリード型電子部品26より上流側の部分にはリード26aが存在しない。このため部品検出体42は、図7(a)に示す矢印n方向の付勢力によって、テープ搬送路30の隙間部30cに重なる位置である第1位置[P1]に移動する。
そしてこの状態では、図7(d)(1)に示すように、フォトセンサ45は遮光OFF状態となり、これによりテープ搬送路30において連続して電子部品保持テープ25に保持された複数個のラジアルリード型電子部品26の後端部の通過が検出される。すなわち、部品切れ検出部41は、部品検出体42が第2位置[P2]から第1位置[P1]に戻ったことを検出することにより、電子部品保持テープ25における部品切れを検出する。
なお、上述構成の部品切れ検出部41において、部品検出体42の所定長さLを電子部品保持テープ25におけるラジアルリード型電子部品26の部品ピッチPPの少なくとも複数倍の長さに設定することは、以下のような意義を有する。すなわち、部品サプライヤから供給される電子部品保持テープ25の中には、連続して保持されたラジアルリード型電子部品26が部分的に欠落していわゆる「歯抜け」状態となったものが存在する場合がある。
このような電子部品保持テープ25を対象とする場合において、部品検出体42の長さが上述の所定長さLよりも短く部品ピッチPPの複数倍未満であると、1つのラジアルリード型電子部品26が欠落した部分が部品切れ検出部41を通過する度に、部品検出体42は第1位置[P1]に移動して、図8(b)に示す状態となる可能性がある。その結果、電子部品保持テープ25全体としてはラジアルリード型電子部品26の部品切れは生じていないにもかかわらず、部分的にラジアルリード型電子部品26が欠落していることによって、電子部品保持テープ25における部品切れを誤検出する虞がある。
このように電子部品保持テープ25に部分的なラジアルリード型電子部品26の欠落が存在する場合にあっても、部品検出体42の所定長さLを電子部品保持テープ25におけるラジアルリード型電子部品26の部品ピッチPPの少なくとも複数倍の長さに設定することにより、当該欠落したラジアルリード型電子部品26に隣接するラジアルリード型電子部品26が部品検出体42の長さ範囲内に必ず存在する。そしてこれら長さ範囲内に存在するラジアルリード型電子部品26が検出されることにより、電子部品保持テープ25における部品有りが検出され、前述の誤検出が防止される。
すなわち、本実施の形態における部品切れ検出部41は、テープ搬送路30に沿ってこのテープ搬送路30上に重なって設けられた部品検出体42を含んで構成されている。そして部品検出体42は電子部品保持テープ25におけるラジアルリード型電子部品26の部品ピッチPPの少なくとも複数倍の長さを有し、電子部品保持テープ25において部品検出体42の所定長さLに相当する範囲におけるラジアルリード型電子部品26の有無を検出することにより、部品切れを検出するようにしている。
このように、ラジアル部品フィーダ6においてテープ搬送路30によって搬送される電子部品保持テープ25における部品切れを検出する部品切れ検出部41を上述のような構成とすることにより、部分的なラジアルリード型電子部品26の欠落など、本来は部品切れではないにもかかわらず部品切れとして誤検出する不具合を排除して、ラジアルリード型電子部品の供給において部品切れを正しく検出することができる。
次に図9を参照して、供給位置36にてラジアルリード型電子部品26のリード26aをカットするリードカット機構33の構成について説明する。図9(a)は、供給位置36の近傍におけるリードカット機構33の断面を示している。図9(a)において、フィーダ本体部6aのベース部の上面には、固定フレーム部材71が立設されており、固定フレーム部材71から中央側に延出して設けられたヒンジ部71bには、可動カット部材70が軸支部72を介して軸支されている。
軸支部72の上方において可動カット部材70と固定フレーム部材71の間には、テープ搬送路30が上流側から延出している。テープ搬送路30のガイド部材30a、30bとの間には、ラジアルリード型電子部品26のリード26aをテーピングしたテープ本体25aが垂直姿勢で保持されている。可動カット部材70の頂部70a、固定フレーム部材71の頂部71aはいずれも切断部材保持部となっており、頂部70a、頂部71aには、可動刃76、固定刃77が、それぞれ第1の台座部73、第2の台座部74を介して装着されている。可動刃76、固定刃77は、実装ヘッド10Bによって保持された状態のラジアルリード型電子部品26のリード26aを、それぞれが有する刃面によって挟断する。
可動カット部材70において軸支部72より下方の下部70bには、ローラ部材75が軸支部75aを介して軸支されている。ローラ部材75は、以下に説明するように、リードカットシリンダ34によって駆動伝達機構35を介して水平外側方向(矢印t)へ駆動される。これにより頂部70aは軸支部72廻りに回動し、頂部70aに装着された可動刃76が固定刃77との間にリード26aを挟み込んで挟断する方向(矢印u)へ移動する。
図9(b)、(c)を参照して、駆動伝達機構35の構成および機能を説明する。図9(b)に示すように、リードカットシリンダ34のロッド34aにはテーパ面35bを有する略くさび形状の移動カム部材35aが結合されている。テーパ面35bには、フィーダ本体部6aにおいてリードカット機構33まで延出するアーム部材35dの一方側の端部に装着されたカムフォロア35cが当接している。アーム部材35dは、リードカット機構33に隣接した位置で軸支部35eによって水平面内での回動が自在に軸支されている。アーム部材35dの他方側の端部には、カムフォロア35fがローラ部材75と当接する位置に装着されている(図9(a)も参照)。
図9(c)に示すように、リードカットシリンダ34をロッド34aが突出する方向(矢印q)に駆動することにより、移動カム部材35aがともに移動する。そしてカムフォロア35cがテーパ面35bに倣って移動することにより、アーム部材35dはテーパ面35bによる横方向の変位分に応じて軸支部35e廻りに水平面内で回動する(矢印r)。このアーム部材35dの回動により、他方側の端部に装着されたカムフォロア35fは、水平外側方向(矢印s)へ移動する。これにより、図9(a)に示すように、カムフォロア35fと当接したローラ部材75が水平外側方向(矢印t)へ移動し、前述のリード26aの挟断が行われる。
上記構成において、可動刃76、固定刃77は、ラジアルリード型電子部品26と電子部品保持テープ25とを分離するためにリード26aを切断する一対の切断部材である第1の切断部材と第2の切断部材となっている。そしてリードカットシリンダ34、駆動伝達機構35は、第1の切断部材と第2の切断部材である可動刃76、固定刃77とを相対的に移動させて、第1の切断部材の有する刃面と第2の切断部材の有する刃面とでリード26aを切断する駆動機構となっている。なお、本実施の形態における説明では、可動刃76を第1の切断部材、固定刃77を第2の切断部材として記述するが、第1の切断部材、第2の切断部材には明確な区分は定義されておらず、可動刃76が第2の切断部材、固定刃77が第1の切断部材であってもよい。
次に、図10を参照して、可動刃76、固定刃77の構成および固定方法について説明する。図10において頂部70a、頂部71aには、それぞれ第1の台座部73、第2の台座部74が固着されている。第1の台座部73、第2の台座部74には、それぞれ可動刃76、固定刃77を固定するための嵌合部73a、74a(図11(b))が設けられており、嵌合部73a、74aの底面にはそれぞれ雌ねじ孔73b、74bが設けられている。雌ねじ孔73b、74bには、可動刃76、固定刃77と第1の台座部73、第2の台座部74とを固定する固定部材である固定ねじ部材79が螺合する。
可動刃76、固定刃77は、いずれも対向する2つの平行な辺にそれぞれ第1の刃面76a、77aと第2の刃面76b、77bとを有するいわゆる両刃部材である。そして本実施の形態では、可動刃76の第1の刃面76a、第2の刃面76bのいずれかを、固定刃77の有する刃面(第1の刃面77a、第2の刃面77b)のいずれかに対向して配置可能となっている。ここで、可動刃76の第1の刃面76a、第2の刃面76bと、固定刃77の第1の刃面77a、第2の刃面77bとは刃先のテーパ面が逆となっている(図11(a)参照)。これにより、これらの刃面を相互に近接させてリード26aを挟断することが可能となっている。
可動刃76、固定刃77には、それぞれ固定部材としての固定ねじ部材79が係合する固定孔であるねじ締結孔76c、77cが形成されている。可動刃76、固定刃77を第1の台座部73、第2の台座部74に固定するに際しては、可動刃76、固定刃77をそれぞれ嵌合部73a、74aに嵌合させ、次いでねじ締結孔76c、77cに固定ねじ部材79を係合させて雌ねじ孔73b、74bと螺合締結する。これにより、可動刃76、固定刃77は、テープ搬送路30のガイド部材30a、30bに挟まれたテープ本体25aが保持したリード26aを挟んだ位置に保持される。この状態では、可動刃76の第1の刃面76a、第2の刃面76bのいずれかが、固定刃77の第1の刃面77a、第2の刃面77bのいずれかに対向する。
第2の台座部74において、リード26aを切断する刃面(図10では第1の刃面77a)とは反対側の、外側に位置する刃面(図10では第2の刃面77b)の周囲には、この刃面を側方から覆うカバー部材78が装着されている。すなわち本実施の形態に示すラジアル部品フィーダ6のリードカット機構33は、第1の切断部材である可動刃76および第2の切断部材である固定刃77のうち位置が固定される固定側の切断部材である固定刃77において、少なくともリード26aを切断する刃面とは反対側の外側に位置する刃面を側方から覆うカバー部材78を備えている。これにより、作業者がリードカット機構33にアクセスして作業を行う際に、手指などの身体部位を外側に位置する刃面に接触させることに起因する事故を防止することができる。
なお固定刃77の上面には、微細な溝加工によって位置合わせマーク80が形成されている。位置合わせマーク80は等間隔で形成された長さの異なる複数の目盛線で構成されており、実装ヘッド10Bによってラジアルリード型電子部品26を保持して取り出す際の位置合わせの指標として用いられる。位置合わせマーク80は、第1の刃面77a側、第2の刃面77b側のいずれにも形成されており、いずれの刃面を用いる場合においても同様の指標を用いることが可能となっている。
次に図11を参照して、可動刃76、固定刃77の詳細形状および第1の台座部73、第2の台座部74への位置合わせについて説明する。図11(a)(1)に示すように、固定刃77に設けられたねじ締結孔77cは、固定刃77の有する第1の刃面77a、第2の刃面77bとの中間位置を示す中心線CL1上に設けられている。同様に図11(a)(2)に示すように、可動刃76に設けられたねじ締結孔76cは、可動刃76の有する第1の刃面76a、第2の刃面76bとの中間位置を示す中心線CL2上に設けられている。なお、固定刃77の平面形状は、対向する1対のコーナ部をカットした形状となっており、可動刃76との識別が容易となっている。
可動刃76、固定刃77の側面視に示すように、これらの切断部材はいずれも刃面が形成された上面から下方に延出して設けられた直方体ブロック形状の基部76d、77dを有している。基部76d、77dにおいて、それぞれの刃面と平行な両側面には、第1の当接面76e、第2の当接面76fおよび第1の当接面77e、第2の当接面77fがそれぞれ形成されている。
図11(b)(1)(2)にそれぞれ示すように、第1の台座部73、第2の台座部74の嵌合部73a、74aには、それぞれ可動刃76、固定刃77の位置合わせの基準となる基準面73c、74cが設けられている。第1の台座部73、第2の台座部74に可動刃76、固定刃77をそれぞれ固定する際には、第1の当接面76e(または第2の当接面76f)、第1の当接面77e(または第2の当接面77f)を基準面73c、74cに当接させることにより、それぞれの刃面による切断方向の位置合わせが行われる。なお、嵌合部73aにおける内側面73d、73e、嵌合部74aにおける内側面74d、74eついては、いずれか一方を切断方向と直交する方向の位置合わせ基準面として用いることができる。
上記構成において、可動刃76における第1の当接面76e、第2の当接面76fは、固定孔であるねじ締結孔76cを通り第1の刃面76aと第2の刃面76bとに平行な中心線CL2に対して対称に配置されている。同様に、固定刃77における第1の当接面77e、第2の当接面77fは、固定孔であるねじ締結孔77cを通り第1の刃面77aと第2の刃面77bとに平行な中心線CL1に対して対称に配置されている。
このような構成により、いずれも両刃の切断部材である可動刃76、固定刃77の使用時における使用刃面の切り替えを容易に行うことができる。すなわち、図11(a)に示すように、第1の切断部材である可動刃76については、中心線CL2、すなわち固定孔であるねじ締結孔76cを通り第1の刃面76aと第2の刃面76bとに平行な直線に対して、可動刃76を180度反転させる(矢印v)ことで、第1の刃面76aと第2の刃面76bとのいずれかを第2の切断部材である固定刃77の有する刃面に対向して配置することが可能となっている。
同様に、第2の切断部材である固定刃77については、中心線CL1、すなわち固定孔であるねじ締結孔77cを通り第1の刃面77aと第2の刃面77bとに平行な直線に対して、固定刃77を180度反転させる(矢印w)ことで、第1の刃面77aと第2の刃面77bとのいずれかを第1の切断部材である可動刃76の有する刃面に対向して配置することが可能となっている。
この使用刃面の切り替えにおいて、前述のように第1の台座部73、第2の台座部74に可動刃76、固定刃77をそれぞれ固定する際には、第1の当接面76e(または第2の当接面76f)、第1の当接面77e(または第2の当接面77f)を、基準面73c、74cに当接させるという簡単な作業で、可動刃76、固定刃77のそれぞれの刃面による切断方向の位置合わせを正しく行うことが可能となっている。
上述のように、本実施の形態に示すラジアル部品フィーダ6においては、電子部品保持テープ25からラジアルリード型電子部品26を分離するためにリード26aを切断するリードカット機構33において使用される1対の切断部材である可動刃76、固定刃77として、それぞれ第1の刃面76a、第2の刃面76bおよび第1の刃面77a、第2の刃面77bを有する両刃の切断部材を用いるようにしている。そして同一の切断部材を使用する過程において切断部材を180度反転させて刃面の切り替えを行うようにしている。これにより、切断部材の摩耗の都度新たな切断部材を用意して交換作業を行う従来技術と比較して、切断部材の交換頻度を減少させることができ、切断部材の交換に起因する生産性の低下を抑制することができる。