JP2017033816A - 固体酸化物形電気化学セル、固体酸化物形燃料電池、及び高温水蒸気電気分解装置 - Google Patents

固体酸化物形電気化学セル、固体酸化物形燃料電池、及び高温水蒸気電気分解装置 Download PDF

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Abstract

【課題】固体電解質層における組成ずれを抑制した高性能な固体酸化物形電気化学セル並びに前記固体酸化物形電気化学セルを有する固体酸化物形燃料電池及び高温水蒸気電気分解装置の提供。
【解決手段】固体電解質層2と燃料極3と空気極4とを有し、固体電解質層2はLa及びGaを含み、かつCa及びSrの少なくとも一つを含むペロブスカイト型酸化物aを含有し、固体電解質層2の切断面において、固体電解質層2と燃料極3との界面を示す線分上の任意の3点からそれぞれ前記線分に直交する方向に所定の距離の点をエネルギー分散型X線分析により点分析し、各分析点において検出された全元素の合計物質量に対するCa及びSrの合計物質量の割合を元素濃度とすると、各分析点の前記元素濃度の標準偏差が2.0以下である固体酸化物形電気化学セル1。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体酸化物形電気化学セル、固体酸化物形燃料電池、及び高温水蒸気電気分解装置に関し、さらに詳しくは、固体電解質層から燃料極への元素拡散による固体電解質層における組成ずれを抑制することにより高い性能を有する固体酸化物形電気化学セル、並びに前記固体酸化物形電気化学セルを備えた固体酸化物形燃料電池及び高温水蒸気電気分解装置に関する。
水素と酸素とを用いて発電することのできる固体酸化物形燃料電池、又は水を分解して水素と酸素とを発生させる高温水蒸気電気分解装置を構成する部材として、固体酸化物形電気化学セルが用いられる。固体酸化物形電気化学セルは、酸素極と固体電解質層と燃料極とを有する。固体電解質層は、高性能を目論んでペロブスカイト型酸化物からなることがある。燃料極は、通常、触媒機能及び電子伝導性等を得るためにNiを含有する。
固体酸化物形電気化学セルを作製する際には、固体電解質層の焼成前駆体と、燃料極の焼成前駆体とを、積層した後に焼成する方法が用いられることがある。焼成の過程において、燃料極の焼成前駆体に含有されるNi等が、固体電解質層の焼成前駆体へと拡散する。Ni等が固体電解質層へと深く拡散及び進入した場合、固体電解質層の燃料極から空気極までの電子伝導パスが形成され、空気極と燃料極との間における電気的な内部短絡が起こり、固体酸化物形電気化学セルの起電力低下や性能低下等を引き起こすことがある。
従来、燃料極におけるNiが固体電解質層側へと拡散することを抑制する技術が知られている。例えば、特許文献1には、「前記燃料極は、Ni及びNiOの少なくとも一方を含み、前記固体電解質層は、La及びGaを少なくとも含むペロブスカイト型複合酸化物とMgOとを含み、前記固体電解質層において前記MgOは粒子状のMgO粒子となって前記一側面側に偏在することを特徴とする固体酸化物形燃料電池」(特許文献1の請求項1参照)が開示されている。特許文献1に開示された発明によると、固体電解質層の燃料極側に偏在するMgOとNiとが反応することにより、Niが固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物と反応することを抑制することができる(特許文献1の0009欄等)。
また、特許文献2には、「電解質層と燃料極層との間に設置される固体酸化物形燃料電池セル用中間層であって、前記固体酸化物形燃料電池セル用中間層は、ランタンをドープしたセリアに酸化チタンを添加してなる固体酸化物形燃料電池セル用中間層前駆体を焼結することによって形成されたものである、固体酸化物形燃料電池セル用中間層」(特許文献2の請求項1参照)が開示されている。特許文献2に開示された発明によると、ランタンをドープしたセリアに酸化チタンを添加することで、焼結性の向上をはかり、緻密な中間層を形成し、Niが固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物と反応することを抑制することができる(特許文献2の0004欄及び0026欄等)。
特開2012−156007号公報 特開2014−63591号公報
このように、これまで、燃料極中のNiが固体電解質層へ拡散することを抑制する技術は盛んに開発されてきた。しかしながら、固体電解質層から燃料極への元素拡散を抑制する技術は知られていない。
固体酸化物形電気化学セルを作製するために、固体電解質層の焼成前駆体と燃料極の焼成前駆体とを積層した後に焼成する過程において、固体電解質層に含まれる元素が燃料極の焼成前駆体へと拡散することで、固体電解質層を形成するペロブスカイト型酸化物aの組成がずれる。ペロブスカイト型酸化物aが組成ずれを起こすことにより、固体電解質層における酸化物イオンの伝導率が低下し、固体酸化物形電気化学セルの性能低下を引き起こすことがある。すなわち、所望の性能を有する固体電解質層を形成するために所定の組成比で材料を配合したにもかかわらず、焼成の過程において固体電解質層に含まれる元素が燃料極の焼成前駆体へと拡散すると、想定した組成比を有するペロブスカイト型酸化物aが得られなかったり別の酸化物が形成されたりすることで性能低下を引き起こすことがある。したがって、固体電解質層から燃料極への元素拡散を抑制することは、高性能な固体酸化物形電気化学セルを得るために必要不可欠な技術である。
本発明の課題は、固体電解質層から燃料極への元素拡散による固体電解質層の組成ずれを抑制することにより、高性能な固体酸化物形電気化学セルを提供することである。
本発明の別の課題は、固体電解質層から燃料極への元素拡散による固体電解質層の組成ずれを抑制することにより、発電能力に優れた固体酸化物形燃料電池を提供することである。
本発明のまた別の課題は、固体電解質層から燃料極への元素拡散による固体電解質層の組成ずれを抑制することにより、水の分解能力に優れた高温水蒸気電気分解装置を提供することである。
前記課題を解決するための手段は、
(1)固体電解質層と、前記固体電解質層の一方の側に形成されてなる燃料極と、前記固体電解質層の他方の側に形成されてなる空気極とを有する固体酸化物形電気化学セルであって、
前記固体電解質層は、La及びGaを含有し、かつCa及びSrの少なくとも一つを含有するペロブスカイト型酸化物aを含有し、
前記固体電解質層の切断面において、前記固体電解質層と前記燃料極との界面を示す線分上の任意の3点からそれぞれ前記線分に直交する方向に5μm、10μm、及び15μmの距離の点をエネルギー分散型X線分析により点分析し、各分析点において検出された全元素の合計物質量に対するCa及びSrの合計物質量の割合を元素濃度とすると、各分析点の前記元素濃度の標準偏差が2.0以下であることを特徴とする固体酸化物形電気化学セルである。
前記(1)の固体酸化物形電気化学セルの好ましい態様は、以下の通りである。
(2)前記(1)に記載の固体酸化物形電気化学セルにおいて、前記固体電解質層の厚さは、20μm以上100μm以下である。
(3)前記(1)又は前記(2)に記載の固体酸化物形電気化学セルにおいて、前記燃料極は、希土類元素のうちの少なくとも一つ、アルカリ土類金属元素のうちの少なくとも一つ、及びTiを含有するペロブスカイト型酸化物bとNiとを有し、
前記ペロブスカイト型酸化物aは、アルカリ土類金属元素のうちの少なくともCa又はSrを含有し、
前記ペロブスカイト型酸化物aに含まれるアルカリ土類金属元素の種類と前記ペロブスカイト型酸化物bに含まれるアルカリ土類金属元素の種類とが同じである。
(4)前記(3)に記載の固体酸化物形電気化学セルにおいて、前記燃料極に含まれる、アルカリ土類金属元素の原子数Naと希土類元素の原子数Nrとの比(Na:Nr)が、6:4〜9.5:0.5の範囲にある。
(5)前記(3)又は前記(4)に記載の固体酸化物形電気化学セルにおいて、前記ペロブスカイト型酸化物bはLaを含有する。
(6)前記(1)〜前記(5)のいずれか一つに記載の固体酸化物形電気化学セルにおいて、前記ペロブスカイト型酸化物aは、(La1−αα)(Ga1−βMgβ)O3−δ(元素AはSr及びCaの少なくとも一方、0.05≦α≦0.2、0.05≦β≦0.3)である。
前記別の課題を解決するための手段は、
(7)前記(1)〜前記(6)のいずれか一つに記載の固体酸化物形電気化学セルを有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池である。
前記別の課題を解決するための手段は、
(8)前記(1)〜前記(6)のいずれか一つに記載の固体酸化物形電気化学セルを有することを特徴とする高温水蒸気分解装置である。
(1)La及びGaを含有し、かつCa及びSrの少なくとも一つを含有するペロブスカイト型酸化物aは、酸化物イオンの伝導性を有する固体電解質材料である。一方で、固体電解質層及び燃料極を形成する材料の成形体を積層して焼成する際に、前記固体電解質層におけるCa及びSrは燃料極へと拡散し易い。Ca及びSrが拡散すると、固体電解質層を形成するペロブスカイト型酸化物aの想定していた組成比からずれてしまい、固体電解質層における酸化物イオンの伝導率が低下し、固体酸化物形燃料電池セルの性能が低下する。しかしながら、この発明によると、固体電解質層と燃料極との界面から固体電解質層に向かって所定の距離において点分析をし、各分析点におけるCa及びSrの元素濃度の標準偏差が2.0以下であるので、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの組成ずれが抑制されており、その結果固体電解質層における酸化物イオン伝導率の低下が抑制され、高性能な固体酸化物形電気化学セルを提供することができる。
(2)固体電解質層の厚さが20μm未満の場合、固体電解質層内で短絡し易くなり、固体酸化物形電気化学セルの性能が低下するおそれがある。また、固体電解質層の厚さが100μmを超える場合、固体電解質層の抵抗が大きくなることにより固体酸化物形電気化学セルの性能が低下するおそれがある。よって、固体電解質層の厚さが20μm以上100μm以下であると、短絡を抑制しつつ高性能な固体酸化物形電気化学セルを提供することができる。
(3)前記(3)に記載の固体酸化物形電気化学セルは、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aに含まれるアルカリ土類金属元素の種類と燃料極に含まれるアルカリ土類金属元素の種類とが同じであるので、固体電解質層における元素組成と燃料極における元素組成とが比較的類似している。隣接する層における元素組成が類似すると、層間での元素の拡散が抑制され、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの組成ずれがより一層抑制される。
(4)燃料極に含有されるアルカリ土類金属元素と希土類元素との原子数比(Na:Nr)は、ペロブスカイト型酸化物bにおけるアルカリ土類金属元素と希土類元素との原子数の比にほぼ対応する。ペロブスカイト型酸化物bは、ペロブスカイト型酸化物の中でも特に電気伝導率が高く、アルカリ土類金属元素を多く含有することにより、より一層電気伝導率が高くなる。よって、前記(4)に記載の手段によると、燃料極における電気伝導性が優れることにより、高性能な固体酸化物形電気化学セルを提供することができる。
(5)ペロブスカイト型酸化物bがLaを含む場合、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aがLaを含むので、固体電解質層における元素組成と燃料極における元素組成とがより一層類似する。よって、前記(5)に記載の手段によると、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの組成ずれがより一層抑制される。
(6)前記(6)に記載の一般式で示されるペロブスカイト型酸化物aは、La及びGaを含有するペロブスカイト型酸化物の中でも、特に酸化物イオン伝導率が高い。よって、前記(6)に記載の手段によると、固体電解質層における酸化物イオンの伝導性に優れ、高性能な固体酸化物形電気化学セルを提供することができる。
(7)前記(7)に記載の手段によると、固体電解質層から燃料極への元素拡散による固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの組成ずれが抑制され、発電能力に優れた固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
(8)前記(8)に記載の手段によると、固体電解質層から燃料極への元素拡散による固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの組成ずれが抑制され、水の分解能力に優れた高温水蒸気電気分解装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る固体酸化物形電気化学セルの一例を示す円筒型の固体酸化物形電気化学セルの横断面図である。 図2は、本発明に係る固体酸化物形電気化学セルを備えた固体酸化物形燃料電池スタックの一例を示す斜視図である。 図3は、図2のA−A´断面概略図であり、固体酸化物形電気化学セルの軸線長手方向における略中央部において、固体酸化物形電気化学セルの軸線長手方向とは垂直方向に切断した際の固体酸化物形燃料電池スタックの断面概略図である。 図4は、図2に示す固体酸化物形燃料電池スタックのB−B´断面において、固体酸化物形電気化学セルを取り出して観察した際の断面図である。 図5は、図3に示す絶縁性多孔体の一例を示す斜視図である。 図6は、図2に示す固体酸化物形燃料電池スタックのB−B´断面図である。
固体酸化物形電気化学セル(以下、「単セル」と称することがある。)は、固体電解質層と、固体電解質層の一方の側に形成されてなる燃料極と、固体電解質層の他方の側に形成されてなる空気極と、を有する。
固体電解質層は、燃料極と空気極との間に設けられる。固体電解質層は、ペロブスカイト型の結晶構造を有し、La及びGaを含有し、かつCa及びSrの少なくとも一つを含有するペロブスカイト型酸化物aを含有する。ペロブスカイト型酸化物aは、酸化物イオン伝導性を有する固体電解質材料である。ペロブスカイト型酸化物aは、通常、Aサイトに配置されるLaの一部がCa及び/又はSrで置換される。より具体的には、ペロブスカイト型酸化物aは、Laの一部がCaのみで置換されていてもよいし、Srのみで置換されていてもよいし、CaとSrとの両方によって置換されていてもよい。ペロブスカイト型酸化物aに含まれるCa及び/又はSrによる置換率は特に制限されないが、例えば、ペロブスカイト型の結晶構造におけるAサイトの原子数(例えば、Laの原子数とSrの原子数との合計)を1としたときに、0.05以上0.2以下の原子数のLaがSrに置換されているのが好ましい。また、ペロブスカイト型酸化物aの好適例として、以下の一般式(I)で示されるペロブスカイト型酸化物を挙げることができる。
(La1−αα)(Ga1−βMgβ)O3−δ(元素AはCa及びSrの少なくとも一方、0.05≦α≦0.2、0.05≦β≦0.3)・・・一般式(I)
一般式(I)で示されるペロブスカイト型酸化物aは、ペロブスカイト型酸化物aの中でも、特に酸化物イオンの伝導率が高いので、固体電解質層が一般式(I)で示されるペロブスカイト型酸化物aを含有すると、固体電解質層における酸化物イオンの伝導率が高く、高性能な固体酸化物形電気化学セルを提供することができる。
固体電解質層は、その切断面において、固体電解質層と燃料極との界面を示す線分上の任意の3点からそれぞれ前記線分に直交する方向に5μm、10μm、及び15μmの距離の点をエネルギー分散型X線分析により点分析し、各分析点において検出された全元素の合計物質量に対するCa及びSrの合計物質量の割合を元素濃度とすると、各分析点の前記元素濃度の標準偏差が2.0以下である。
ペロブスカイト型酸化物aは、酸化物イオンの伝導性を有する固体電解質材料である。一方で、固体電解質層及び燃料極を形成する材料の成形体を積層して焼成する際に、前記固体電解質層におけるCa及びSrは燃料極へと拡散し易い。Ca及びSrが拡散すると、固体電解質層を形成するペロブスカイト型酸化物aの想定していた組成比からずれてしまい、固体電解質層における酸化物イオンの伝導率が低下し、固体酸化物形燃料電池セルの性能が低下することがある。しかしながら、この発明によると、固体電解質層と燃料極との界面から固体電解質層の方向に向かって所定の距離において点分析をしたときの、各分析点におけるCa及びSrの元素濃度の標準偏差が2.0以下であるので、ペロブスカイト型酸化物aの組成ずれが抑制されており、その結果固体電解質層における酸化物イオン伝導率の低下が抑制され、高性能な固体酸化物形電気化学セルを提供することができる。
前記点分析は、具体的には次のようにして行う。まず、単セルをエポキシ樹脂に埋め込み、固化した後、燃料極と固体電解質層と空気極との配列方向に切断して切断面を鏡面状に研磨する。その後、観察面にカーボン蒸着を施し、走査型顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)等に付属されているエネルギー分散型X線分析装置(EDS)にて所定の位置において点分析を行う。点分析は、スポット径1μm、加速電圧15kVで行う。
固体電解質層の厚さは、20μm以上100μm以下であるのが好ましい。固体電解質層の厚さが20μm未満の場合、固体電解質層内で短絡し易くなり、固体酸化物形電気化学セルの性能が低下するおそれがある。また、固体電解質層の厚さが大きくなるほど内部抵抗が大きくなり、100μmを超える場合、固体電解質層の抵抗が大きくなることにより固体酸化物形電気化学セルの性能が低下するおそれがある。よって、固体電解質層の厚さが20μm以上100μm以下であると、短絡を抑制しつつ高性能な固体酸化物形電気化学セルを提供することができる。
固体電解質層の厚さは、単セルを燃料極と固体電解質層と空気極とが配列されている方向に切断したときの切断面を研磨して研磨面を形成し、この研磨面において、固体電解質層と燃料極との界面と固体電解質層と空気極との界面との距離を電子顕微鏡等により複数箇所において測定し、得られた測定値の算術平均を算出することにより求めることができる。
燃料極は、固体電解質層の空気極が形成されている面とは反対側の面に設けられる。燃料極は、酸化還元反応についての触媒機能、電子伝導性、ガス透過性、及び高温条件下における安定性等を有する材料によって形成されていればよい。燃料極は、希土類元素のうちの少なくとも一つ、アルカリ土類金属元素のうちの少なくとも一つ、及びTiを含有するペロブスカイト型酸化物bとNiとを有するのが好ましい。前記ペロブスカイト型酸化物bは、ぺロブスカイト型の結晶構造を有する酸化物であり、電子伝導性を有する。希土類元素としては、Y、La、Nd等を挙げることができる。アルカリ土類金属元素としては、Ca、Sr、Ba等を挙げることができる。燃料極がNiを含有すると、高い反応活性と電子伝導性とを有する燃料極を備えた高性能な固体酸化物形電気化学セルを提供することができる。燃料極は、Niを金属として含有してもよいし、2種以上の合金として含有してもよいし、Niの酸化物又は複合酸化物として含有してもよい。また、燃料極は、Niとペロブスカイト型酸化物bとの混合物であるサーメットにより形成されてもよい。サーメットには、必要に応じてNi以外の金属を含有させてもよい。
燃料極におけるペロブスカイト型酸化物bは、アルカリ土類金属元素のうちの少なくとも一つを含有するのが好ましい。固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aは、アルカリ土類金属元素のうちの少なくともCa又はSrを含有する。ペロブスカイト型酸化物bとぺロブスカイト型酸化物aとに含有されるアルカリ土類金属元素の種類の一部が同じであるのが好ましく、すべての種類が同じであることがより好ましい。ペロブスカイト型酸化物bとペロブスカイト型酸化物aとに含有されるアルカリ土類金属元素の種類が同じであると、固体電解質層における元素組成と燃料極における元素組成とが比較的類似する。隣接する層における元素組成が類似すると、層間での元素の拡散が抑制され、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの組成ずれがより一層抑制され、高性能な固体酸化物形電気化学セルを提供することができる。
ペロブスカイト型酸化物bは、Laを含むことが好ましい。ペロブスカイト型酸化物bがLaを含む場合、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aがLaを含むので、固体電解質層における元素組成と燃料極における元素組成とがより一層類似する。よって、ペロブスカイト型酸化物bがLaを含むと、層間での元素の拡散が抑制され、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの組成ずれがより一層抑制される。
燃料極に含まれる、アルカリ土類金属元素の原子数Naと希土類元素の原子数Nrとの比(Na:Nr)が、6:4〜9.5:0.5の範囲にあるのが好ましい。燃料極に含有されるアルカリ土類金属元素と希土類元素との原子数比(Na:Nr)は、ペロブスカイト型酸化物bにおけるアルカリ土類金属元素と希土類元素との原子数の比にほぼ対応する。ペロブスカイト型酸化物bは、ペロブスカイト型酸化物の中でも特に電気伝導性に優れ、アルカリ土類金属元素を多く含有することにより、電気伝導性により一層優れる。よって、前記比(Na:Nr)が、6:4〜9.5:0.5の範囲にあると、燃料極における電気伝導性が優れることにより、高性能な固体酸化物形電気化学セルを提供することができる。
固体電解質層がペロブスカイト型酸化物aを有すること及び燃料極がペロブスカイト型酸化物bを有することは、燃料極と固体電解質層と空気極との配列方向に切断したときの切断面において、X線回折装置(XRD)にて分析し、固体電解質層及び燃料極に含まれる物質の同定を行うことにより確認することができる。また、ペロブスカイト型酸化物a及びbに含有される元素の種類、質量及び原子数比は、前記切断面における各領域の中央付近において、走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)等に付属されているエネルギー分散型X線分析装置(EDS)を用いて元素分析を行うことにより、求めることができる。
空気極は、固体電解質層の燃料極が形成されている面とは反対側の面に設けられる。空気極は、触媒機能、電子伝導性、酸化物イオン伝導性、ガス透過性、及び高温条件下における安定性等を有する材料によって形成されていればよい。空気極を形成する材料として、例えば、La1−xSrCoFe1−y3−δ(0<x<0.5、0<y<0.4)、La1−xSrMnO3−δ(0<x<0.3)、La1−xSrCoO3−δ(0<x<0.5)、Sm1−xSrCoO3−δ(0<x<0.6)、Ba1−xLaCoO3−δ(0<x<0.8)(以下、「BLC」と称されることがある。)等を挙げることができる。また、空気極には必要に応じてその他の材料が含有されてもよい。
次に、図面を用いて、本発明に係る単セルの一例について説明する。
図1に示すように、この実施形態の単セル1は筒状である。単セル1は、筒状体の軸線長手方向に垂直な平面で切断したときの断面形状が円形である。単セル1の断面形状において、半径方向における最も内側には、円筒形状の燃料極3が設けられる。燃料極3の前記半径方向における外側には、それぞれ同心円状に、円筒形状の固体電解質層2、及び円筒形状の空気極4がこの順に設けられる。単セル1において、燃料極3の外側面と固体電解質層2の内側面とが面接合し、固体電解質層2の外側面と空気極4の内側面とが面接合する。燃料極3は、単セル1におけるその他の層よりも、半径方向において肉厚の形状に形成され、単セル1を機械的に支持する支持体としての機能を有する。
なお、筒型の単セルの断面形状は、円形に制限されず、楕円形、多角形等であってもよい。また、本発明における単セルの形状は筒型には制限されず、平板型であってもよい。平板型の単セルは、板状の固体電解質層の一方の面に燃料極が設けられ、燃料極が設けられている面の反対側の面に空気極が設けられる。
次に、本発明に係る単セルの製造方法の一例について説明する。
(1)燃料極成形体の作製
酸化ニッケルの粉末と、希土類元素、アルカリ土類金属元素、及びTiを含有するペロブスカイト型酸化物bの粉末又は焼成により前記ペロブスカイト型酸化物bが形成されるように配合された各種酸化物の粉末の混合物との混合粉末に、バインダー及び造孔材の粉末を加え、十分に混合した後に、水を添加することにより粘土状の混合物を得る。この粘土状の混合物を押出成形機に投入し、所定の形状に形成することにより、燃料極成形体が得られる。
このとき、ペロブスカイト型酸化物bを形成する材料において、Tiの原子数Ntに対する、燃料極に含まれる希土類元素及びアルカリ土類金属元素の合計原子数Nraの比(Nra/Nt)が、0.9より大きく1.1より小さいことが好ましい。前記比(Nra/Nt)が、0.9より大きく1.1より小さいと、形成された固体電解質層の断面において、固体電解質層と燃料極との界面から所定の距離において点分析をしたときの、各分析点におけるCa及びSrの元素濃度の標準偏差が2.0以下となるように容易に調製することができる。
(2)固体電解質層形成用スラリーの作製
ペロブスカイト型酸化物aの粉末又は焼成によりペロブスカイト型酸化物aが形成されるように配合された各種酸化物の粉末の混合物に、ポリビニルブチラール等に代表されるバインダー、分散剤、可塑剤、及び溶媒を混合し、固体電解質層形成用スラリーが得られる。
(3)電解質層成形体の作製
次に、前記燃料極成形体の表面を必要に応じてマスキングした後に、固体電解質層形成用スラリーに燃料極成形体を浸漬させ、ゆっくりと引き上げることにより、燃料極成形体の表面に固体電解質層前駆体の被膜が形成された電解質層成形体が得られる。
(4)同時焼成体の作製
その後、電解質層成形体を、約1350℃の条件下で、固体電解質層前駆体被膜及び燃料極成形体を同時焼成する。焼成後に、固体電解質層及び燃料極からなる同時焼成体が得られる。
電解質層成形体を同時焼成する際に、固体電解質層に含有されるCa及びSr等の元素が燃料極に向かって拡散する。しかしながら、この発明の単セルは、固体電解質層の断面において、固体電解質層と燃料極との界面から所定の距離において点分析をしたときの、各分析点におけるCa及びSrの元素濃度の標準偏差が2.0以下であるので、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの組成ずれが抑制される。
(5)空気極形成用スラリーの作製
BLC等の空気極を形成する材料に、必要に応じてGDC等の他の粉末を混合し、バインダー、分散剤、可塑剤、及び溶媒を混合し、空気極形成用スラリーを作製する。
(6)空気極成形体の作製
前記同時焼成体の表面を必要に応じてマスキングした後に、この同時焼成体を前記空気極形成用スラリーに浸漬させ、その後ゆっくりと引き上げることにより、同時焼成体における固体電解質層の表面に空気極前駆体の被膜が形成された空気極成形体が得られる。
(7)空気極の作製
その後、空気極成形体を、約1000℃の条件下で、空気極前駆体の被膜を焼き付けることにより、空気極が形成される。これにより、空気極、固体電解質層、及び燃料極を有する単セルが得られる。
なお、ペロブスカイト型酸化物aの粉末が、前記一般式(I)に示されるペロブスカイト型酸化物である場合、又は焼成により一般式(I)に示されるペロブスカイト型酸化物aが形成されるように配合された各種酸化物の粉末の混合物である場合には、酸化物イオン伝導率が高くなるので、高性能な固体酸化物形電気化学セルを提供することができる。また、ペロブスカイト型酸化物bの粉末が、ペロブスカイト型酸化物aの粉末に含有されるアルカリ土類金属元素と同じ種類のアルカリ土類金属元素を含む場合には、形成される燃料極と固体電解質層との元素組成比が比較的類似し、さらにペロブスカイト型酸化物bの粉末がLaを含む場合には、元素組成がより類似しているので、燃料極及び固体電解質層相互の元素の拡散が抑制され、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの組成ずれをより一層抑制することができる。
次に、この発明の固体酸化物形燃料電池の一例について説明する。
図2に示すように、この実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック31(以下、単に「燃料電池スタック」と称することがある。)は、直方体形状のブロックであり、この燃料電池スタック31では、多数の円筒形状の単セル1が軸方向に平行となるように配置される。例えば、図2では、単セル1が水平方向に3本、垂直方向に8本配置されている。図3に示すように、水平方向に並んだ3本の単セル1と絶縁性多孔体34と導電性集積用材料からなる導電性集積用材料層35の一部とによって、リアクターセル層状部43が形成される。また、単セル1の軸線方向の両側には、ガスのリークを防止するガスシール層33が形成される。
図3に示されるように、前記リアクターセル層状部43は、図の上下方向に平行に複数形成される。図3のリアクターセル層状部43における単セル1は、その周囲に配置された導電性集積用材料層35により電気的に接続されるとともに一体化される。また、導電性集積用材料層35は、絶縁性多孔体層34を間に挟みながら、上下方向に複数配置される。
図2及び図3に示されるように、単セル1は、細径及び長尺の円筒型の部材であり、中心部において燃料ガスが流される燃料ガス導通孔39が形成される。単セル1の断面形状における大きさは、特に制限されず、例えば、0.5mm以上2.0mm以下の外径を有する円形であればよい。
単セル1の一端部、例えば図4に示される単セル1の右側では、燃料極3が露出するまで固体電解質層2の一部が帯状に除去されている。この固体電解質層2が除去された部分には、燃料極3の露出部分を覆うように、金属シール層41が形成される。この金属シール層41は、ガスの流通を阻止するとともに燃料極3の集電用端子となる緻密な金属層であり、導電性シール材料によって帯状に形成される。
図5に示されるように、絶縁性多孔体34は、空気の流通が可能な板状の多孔質のセラミック部材である。この絶縁性多孔体34の上面には、単セル1が嵌め込まれる多数の配列溝25が平行に形成され、その下面には、他の絶縁性多孔体34の配列溝25に嵌り込んで位置決めする位置決め用凸部27が形成される。また、各配列溝25には、絶縁性多孔体の上下面を貫いて電気を導通するために、図6で示される電気接続パス42が設けられる連通孔32が形成される。なお、燃料電池スタック31の最上層の絶縁性多孔体34には配列溝25はなく、最下層の絶縁性多孔体34には位置決め用凸部27はない。
図2における矢印FGで示されるように、燃料電池スタック31を用いて固体酸化物形燃料電池の発電を行う際には、燃料ガス導通孔39の内部を、水素を含む燃料ガスが導通する。燃料ガス導通孔39において、燃料ガスは燃料極3と接触し、燃料ガス中の水素が固体電解質層から運ばれてくる酸化物イオンと反応し、水が発生する。また、図2における矢印AGで示されるように、燃料電池スタック31による発電時には、絶縁性多孔体34の外部から、単セル1の積層方向とは垂直な方向に、酸素を含む空気ガスが供給される。空気ガスは、絶縁性多孔体34、及び導電性集積用材料層35を透過して空気極4と接触する。空気極4において、酸素ガスに含まれる酸素分子から酸化物イオンが発生する。
図6に示されるように、燃料電池スタック31は、同図上側が負極であり、下側が正極となるように、リアクターセル層状部43が上下方向に組み付けられる。具体的に、単セル1は、絶縁性多孔体34の配列溝25の中に収容されるとともに、その周囲には導電性集積用材料層35が形成され、更に、導電性集積用材料層35は、絶縁性材料層40により図6における左右方向に分離されている。図6の左方向には、第1導電性集積用材料層35aが形成され、図6の右方向には、第2導電性集積用材料層35bが形成される。
図6に示されるように、導電性集積用材料層35は、金属シール層41の周囲に配置されて、金属シール層41と他の絶縁性多孔体34の電気接続パス42とを電気的に接続している。図6の左側に配置された第1導電性集積用材料層35aは、空気極4の周囲に配置され、図6の単セル1の下方向において空気極4と他の絶縁性多孔体34における電気接続パス42とを電気的に接続している。図6における矢印で示されるように、それぞれの単セル1において燃料極3から空気極4へと電子が伝達され、さらに電気接続パス42を通って隣り合う単セル1へと電子が流れることになる。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池として、前述の燃料電池スタック31を用いることができる。より具体的には、燃料電池スタック31の正極側と負極側には集電部材が設けられ、集電部材に接続された導線等を通して、外部へと電力が取り出される。また、複数の燃料電池スタック31を所定方向に配列することにより電気的に接続した固体酸化物形燃料電池モジュールを、本発明に係る固体酸化物形燃料電池として用いることもできる。
前述したように、本発明の単セルは、固体電解質層の断面において、固体電解質層と燃料極との界面を示す線分から所定の距離において点分析をしたときの、各分析点におけるCa及びSrの元素濃度の標準偏差が2.0以下であり、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの組成ずれが抑制される。したがって、本発明における単セルを有する燃料電池スタックは発電性能が高い。
次に、燃料電池スタック31の製造方法の一例について説明する。
(1)絶縁性多孔体34の作製
例えば、酸化マグネシウム粉末と、セルロース系バインダーと、造孔材とを混ぜ、水を加えて混合して粘土状体を得る。この粘土状体を押出成形機に投入し、絶縁性多孔体34において配列溝や位置決め凸部27となる部分が形成されるようにシートを成形する。このシートを約1500℃の温度で焼成を行った後に、所定の寸法に切断し、連通孔を開けることによって、燃料電池スタック31を作製するのに適した形状の絶縁性多孔体34が形成される。
(2)導電性集積用材料層成形用ペーストの作製
例えば、LSCF粉末、α−テルピネオール、及びアミン系分散剤を混合することにより導電性集積用材料層成形用ペーストが得られる。
(3)絶縁性材料層成形用ペーストの作製
例えば、酸化マグネシウム、α−テルピネオール、及びアミン系分散剤を混合することにより絶縁性材料層成形用ペーストが得られる。
(4)燃料電池スタック31の組立
絶縁性多孔体34における所定の位置に、絶縁性材料層成形用ペーストを塗布する。次に、絶縁性材料層成形用ペーストの表面における所定の位置に、導電性材料層成形用ペーストを塗布する。さらに、絶縁性多孔体34の配列溝25に、単セル1を配置する。具体的には、単セル1には所定の位置に金属シール層41を設けておき、この金属シール層41の位置と絶縁性多孔体34における連通孔32の位置とが対応するように、単セル1を配置すればよい。単セル1が埋め込まれた絶縁性多孔体34同士を、多数積層することにより積層体が得られる。この積層体を、大気中において約1000℃で2時間焼成することにより、スタック体が得られる。
(5)ガスシール層33の形成
例えば、軟化点が700℃であり、平均粒子径が4μmのBa、Mg、Zn、Si、及びAlを含むガラス粉末に、ポリビニルブチラール、アミン系分散剤、及び可塑剤を適量添加し、エタノールとトルエンを溶媒としてスラリーが得られる。得られたスラリーを用いて、ドクターブレード法により厚さ約300μmのガラスシートを成形する。このガラスシートに、打ち抜き加工を行い、単セルが貫挿される多数の貫通孔が形成される。
また、前記ガラス粉末と、所定量、例えばガラスに対して10体積%の前記マグネシア粉末とに、エチルセルロース、アミン系分散剤を適量添加し、ブチルカルビトールを溶媒としてペーストを作製する。このペーストを、前記ガラスシートの一方の平面に塗布し、ペースト層が形成される。このペースト層を備えたガラスシートを、ペースト層をスタック体側に向けながら、貫通孔に単セルを通して、スタック体の端面に接合させる。その後、このスタック体をガラスの軟化点よりも高い温度で約2時間程度加熱し、ペースト層を軟化させて、ガラスシートをスタック体に強固に接合させることにより、スタック体の端面にガスシール層が接合された燃料電池スタック31が得られる。
次に、この発明の高温水蒸気分解装置の一例について説明する。
本発明の固体酸化物形燃料電池において、電池の発電時とは逆方向に電流を通電可能な外部電源を、燃料電池の正極及び燃料電池の負極に接続することによって、高温水蒸気電気分解装置が得られ、それぞれ陽極及び陰極として機能する。高温水蒸気電気分解装置では、約900℃前後の高温条件下において、水蒸気を吹き込みながら外部電源によって燃料極及び空気極に通電することにより、水分子が分解される。具体的には、燃料極において水分子由来の水素ガスが取り出され、空気極において水分子由来の酸素ガスが取り出される。
本発明に係る高温水蒸気電気分解装置は、固体電解質層の断面において、固体電解質層と燃料極との界面を示す線分から所定の距離において点分析をしたときの、各分析点におけるCa及びSrの元素濃度の標準偏差が2.0以下であり、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの組成ずれが抑制された単セルを有する。したがって、本発明における単セルを有する高温水蒸気電気分解装置は、水蒸気の分解能に優れる。
(実施例1)
<試験体の作製>
酸化ニッケルと表1に示す種々の組成を有するペロブスカイト型酸化物b (SrLaαTiO3−δ(以下、「SLT」と称することがある。)との混合粉末を、製造後の燃料極が還元された状態においてNi:SLT=50:50(体積%)の比率となるように、酸化ニッケルとSLTとを秤量し、混合することにより作製した。この秤量した混合粉末と、セルロース系バインダーとを十分に混合した後、水を添加して粘土体を得た。粘土体を、押出成形機に投入して、外径2.5mmの円筒状の燃料極成形体を作製した。
一方、固体電解質層を形成するために、ペロブスカイト型酸化物a La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2TiO3−δ(以下、「LSGM」と称することがある。)の粉末と、ポリビニルブチラールと、アミン系分散剤と、可塑剤とを、メチルエチルケトン及びエタノールを溶媒として混合し、固体電解質層形成用スラリーを作製した。
前記燃料極成形体を所定の長さに切断し、固体電解質層を形成しない位置にマスキングを行った後、固体電解質層形成用スラリーに浸漬し、ゆっくりと引き上げることにより、燃料極成形体の表面に固体電解質層前駆体の被膜を形成した。その後、1350℃にて、燃料極成形体及び固体電解質層前駆体の被膜を同時焼成することにより、燃料極及び固体電解質層からなる同時焼成体を得た。
<固体電解質層におけるSr濃度の標準偏差>
同時焼成体を所定の長さに切断し、エポキシ樹脂に埋め込み、固化した後、同時焼成体の断面が観察できるように切断して、鏡面状に研磨した。その後、カーボン蒸着を観察面に行った後、エネルギー分散型X線分析を搭載した走査型電子顕微鏡(SEM−EDSと称されることがある。)にて、画像取得及び点分析を行った。点分析は、スポット径1μm、加速電圧15kVにて行った。また、点分析は、燃料極と固体電解質層との界面を示す線分上の任意の3点からそれぞれ前記線分に直交する方向であって固体電解質層に向かう方向に5μm、10μm、15μmの距離の合計9点について、行った。各分析点において検出された全元素の合計物質量に対するSrの物質量の割合をSr濃度として求め、各分析点の「Sr濃度の標準偏差」を算出した。結果を表1に示す。
<固体電解質層の厚さ>
固体電解質層の厚さは、前記研磨面において、固体電解質層と燃料極との界面と、固体電解質層の表面との距離を、電子顕微鏡により複数箇所において測定し、得られた測定値の算術平均を算出することにより求めた。結果を表1に示す。
<ペロブスカイト型酸化物a及びbの同定>
前記研磨面において、固体電解質層及び燃料極それぞれについてX線回折装置(XRD)にて分析したところ、ペロブスカイト型酸化物a及びbが同定された。
<固体電解質層中のAサイトを占めるSrの割合>
前記観察面において、燃料極と固体電解質層との界面を示す線分上の3点からそれぞれ前記線分に直交する方向であって固体電解質層に向かう方向に10μmの位置で、SEM−EDSにより点分析を行った。各分析点において検出されたAサイトに配置される全元素(La及びSr)の合計原子数に対するSrの原子数の割合を求め、3点の平均値を算出し、これを「Aサイトを占めるSrの割合」とした。
<燃料極に含まれる元素>
前記研磨面において、燃料極の厚さ方向の中央付近をSEM−EDSにて点分析したところ、いずれの試験体もSrとLaとを含み、Srの原子数NaとLaの原子数Nrとの比(Na:Nr)が、6:4〜9.5:0.5の範囲内にあった。
Figure 2017033816
表1に示すように、固体電解質層における「Sr濃度の標準偏差」が2.0以下である実施例1〜12の試験体は、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの「Aサイトを占めるSrの割合」が9〜11at%の範囲にある。固体電解質層を形成するためのペロブスカイト型酸化物aの粉末は、LaとSrとの原子数比が0.9:0.1であることから、表1における「Aサイトを占めるSrの割合」が10at%に近いほど固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの組成ずれが抑制されていると言える。よって、実施例1〜12の試験体は、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの組成ずれが抑制されていることが分かる。
実施例1〜12の試験体は、燃料極を形成するためのペロブスカイト型酸化物bの粉末において、Tiの原子数に対するSr及びLaの合計原子数の比を示すαの値が0.9より大きく1.1より小さい。αの値が1に近いほどAサイトの欠損が少ないことを示し、実施例1〜12の試験体は、燃料極におけるAサイトの欠損が少ないので、固体電解質層から燃料極へのSrの拡散が抑制され、固体電解質層における「Sr濃度の標準偏差」が2.0以下になっていると推測される。
一方、固体電解質層における「Sr濃度の標準偏差」が2.0を超える比較例1〜3の試験体は、固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物aの「Aサイトを占めるSrの割合」が4〜6at%であり、固体電解質層を形成するためのペロブスカイト型酸化物aの粉末におけるSr濃度に比べて固体電解質層中のSr濃度が減少している。したがって、固体電解質層から燃料極にSrが拡散することによりペロブスカイト型酸化物aの組成ずれが生じていることが分かる。
また、燃料極を形成するためのペロブスカイト型酸化物bの粉末におけるαの値が0.90以下又は1.10であり、Aサイトの欠損が実施例1〜12に比べて大きいので、固体電解質層から燃料極へSrが拡散され、固体電解質層における「Sr濃度の標準偏差」が2.0を超えていると推測される。
固体電解質層におけるペロブスカイト型酸化物a中のSr濃度は、Aサイトを占める割合が10at%のときに最大であり、それより減少すると酸素イオンの伝導率が低下することが知られている(例えば、J. Am. Chem. Soc, 1994, 116, 3801-3803)。したがって、固体電解質層における「Sr濃度の標準偏差」が2.0を超えて、ペロブスカイト型酸化物aの組成ずれが生じると、酸素イオンの伝導率が低下して高性能な固体酸化物形電気化学セルを提供することができない。一方、固体電解質層における「Sr濃度の標準偏差」が2.0以下であり、ペロブスカイト型酸化物aの組成ずれが抑制されていると、高い酸素イオンの伝導率が得られ、高性能な固体酸化物形電気化学セルを提供することができる。
1 単セル
2 固体電解質層
3 燃料極
4 空気極
25 配列溝
27 位置決め用凸部
31 固体酸化物形燃料電池スタック
32 連通孔
33 ガスシール層
34 絶縁性多孔体
35 導電性集積用材料層
35a 第1導電性集積用材料層
35b 第2導電性集積用材料層
39 燃料ガス導通孔
40 絶縁性材料層
41 金属シール層
42 電気接続パス
43 リアクターセル層状部

Claims (8)

  1. 固体電解質層と、前記固体電解質層の一方の側に形成されてなる燃料極と、前記固体電解質層の他方の側に形成されてなる空気極とを有する固体酸化物形電気化学セルであって、
    前記固体電解質層は、La及びGaを含有し、かつCa及びSrの少なくとも一つを含有するペロブスカイト型酸化物aを含有し、
    前記固体電解質層の切断面において、前記固体電解質層と前記燃料極との界面を示す線分上の任意の3点からそれぞれ前記線分に直交する方向に5μm、10μm、及び15μmの距離の点をエネルギー分散型X線分析により点分析し、各分析点において検出された全元素の合計物質量に対するCa及びSrの合計物質量の割合を元素濃度とすると、各分析点の前記元素濃度の標準偏差が2.0以下であることを特徴とする固体酸化物形電気化学セル。
  2. 前記固体電解質層の厚さは、20μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形電気化学セル。
  3. 前記燃料極は、希土類元素のうちの少なくとも一つ、アルカリ土類金属元素のうちの少なくとも一つ、及びTiを含有するペロブスカイト型酸化物bとNiとを有し、
    前記ペロブスカイト型酸化物aは、アルカリ土類金属元素のうちの少なくともCa又はSrを含有し、
    前記ペロブスカイト型酸化物aに含まれるアルカリ土類金属元素の種類と前記ペロブスカイト型酸化物bに含まれるアルカリ土類金属元素の種類とが同じであることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形電気化学セル。
  4. 前記燃料極に含まれる、アルカリ土類金属元素の原子数Naと希土類元素の原子数Nrとの比(Na:Nr)が、6:4〜9.5:0.5の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の固体酸化物形電気化学セル。
  5. 前記ペロブスカイト型酸化物bは、Laを含有することを特徴とする請求項3又は4に記載の固体酸化物形電気化学セル。
  6. 前記ペロブスカイト型酸化物aは、(La1−αα)(Ga1−βMgβ)O3−δ(元素AはSr及びCaの少なくとも一方、0.05≦α≦0.2、0.05≦β≦0.3)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セル。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セルを有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の固体酸化物形電気化学セルを有することを特徴とする高温水蒸気分解装置。
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