JP5703355B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池に関する。
従来より、「ガス流路が内部に形成されるとともに、酸化マグネシウム(MgO)と第1酸化物セラミックスとを含んで構成された支持基板」と、「前記支持基板に設けられるとともに、ニッケル(Ni)と第2酸化物セラミックスとを含んで構成された燃料極と、固体電解質と、空気極とがこの順に積層されてなる発電素子部」と、を備えた固体酸化物形燃料電池が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特許4883733号公報
一般に、上述した燃料電池の各構成部材は、焼成によって形成される。支持基板と燃料極とを含む積層体が共焼成されると、支持基板と燃料極との境界部分に、支持基板及び燃料極より密度が高い層(支持基板及び燃料極より気孔率が小さい層。以下、「高密度層」と呼ぶ)が形成されることが判明した。
この高密度層は、酸化マグネシウム(MgO)と酸化ニッケル(NiO)との固溶体である(Mg,Ni)Oと、前記第1酸化物セラミックスと、前記第2酸化物セラミックスと、を含む。この高密度層は、上記共焼成時、支持基板中のMgOが燃料極側に、燃料極中のNiOが支持基板側に相互に拡散することによって形成される、と推測される。
このような高密度層が形成されると、燃料電池の稼働時、「支持基板のガス流路内」から「支持基板の内部の気孔」を介して「支持基板と燃料極との境界部分」に到達した燃料ガスが、この高密度層を通過して支持基板側から燃料極側に移行することになる。燃料ガスが「気孔率が小さい高密度層」を通過し難いことに起因して、燃料ガスが燃料極の内部に十分に拡散し得なくなる。この結果、燃料電池の発電性能の低下などの問題が発生し得る。
係る問題に対処するためには、上記高密度層の形成を抑制すればよい。以上より、上記高密度層の形成を抑制することが望まれてきたところである。
以上より、本発明は、支持基板と燃料極との境界部分における高密度層の形成を抑制できる燃料電池を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池は、上述と同じ支持基板と、上述と同じ発電素子部と、を備える前記支持基板は、平板状であっても、円筒状であってもよい。支持基板内のMgOのモル濃度は燃料極内のMgOのモル濃度より大きく、燃料極内のNi(又は、NiO)のモル濃度は支持基板内のNi(又は、NiO)のモル濃度より大きい。
本発明に係る燃料電池の特徴は、前記支持基板と前記燃料極との境界部分に、カルシウム(Ca)を含む複合酸化物が介在することにある。前記複合酸化物としては、CaTiO、CaZrO、CaAl、CaTi、CaTi10等が挙げられる。「前記支持基板と前記燃料極との境界部分に前記複合酸化物が介在する」とは、「前記境界部分に前記複合酸化物の粒子が離散的に分布する」態様も含む。前記境界部分に、前記複合酸化物を含む中間層が介在することが好適である。前記中間層は、前記複合酸化物の粒子が連続的に分布することによって構成される。
上述した高密度層の形成を抑制するためには、上述した「支持基板中のMgO、及び、燃料極中のNiOの相互拡散」を抑制すればよい。そのためには、支持基板と燃料極との境界部分に、前記相互拡散を抑制する作用を発揮し得る材料を介在させればよい。本発明者は、前記相互拡散を抑制する作用を発揮し得る適切な材料を選択するため、種々の実験を行った。その結果、「カルシウム(Ca)を含む複合酸化物」を支持基板と燃料極との境界部分に介在すると、前記相互拡散が抑制されて上述した高密度層が形成され難くなることが判明した。
前記「カルシウム(Ca)を含む複合酸化物」を含む中間層の厚さは5〜150μmであることが好適であり、前記中間層の気孔率は15〜55%であることが好適である。この点については後に詳述する。
本発明に係る燃料電池を示す斜視図である。 図1に示す燃料電池の2−2線に対応する断面図である。 図1に示す支持基板の凹部に埋設された燃料極及びインターコネクタの状態を示した平面図である。 図1に示す燃料電池の作動状態を説明するための図である。 図1に示す燃料電池の作動状態における電流の流れを説明するための図である。 図1に示す支持基板を示す斜視図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第1段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第2段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第3段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第4段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第5段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第6段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第7段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第8段階における図2に対応する断面図である。 図1に示す燃料電池の製造過程における第9段階における図2に対応する断面図である。 支持基板と燃料極集電部との境界部分に中間層が介在した構成を説明するための模式図である。 試験を説明するための第1の図である。 試験を説明するための第2の図である。 本発明に係る燃料電池の第1変形例の図2に対応する断面図である。 本発明に係る燃料電池の第2変形例の図2に対応する断面図である。 本発明に係る燃料電池の第3変形例の図2に対応する断面図である。 本発明に係る燃料電池の第4変形例の図2に対応する断面図である。 本発明に係る燃料電池の第4変形例の図3に対応する断面図である。
(構成)
図1は、本発明の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池(SOFC)の構造体を示す。このSOFCは、長手方向(x軸方向)を有する平板状の支持基板10の上下面(互いに平行な両側の主面(平面))のそれぞれに、電気的に直列に接続された複数(本例では、4つ)の同形の発電素子部Aが長手方向において所定の間隔をおいて配置された、所謂「横縞型」と呼ばれる構成を有する。
このSOFCの全体を上方からみた形状は、例えば、長手方向の辺の長さが50〜500mmで長手方向に直交する幅方向(y軸方向)の長さが10〜100mmの長方形である。このSOFCの全体の厚さは、1〜5mmである。このSOFCの全体は、厚さ方向の中心を通り且つ支持基板10の主面に平行な面に対して上下対称の形状を有する。以下、図1に加えて、このSOFCの図1に示す2−2線に対応する部分断面図である図2を参照しながら、このSOFCの詳細について説明する。図2は、代表的な1組の隣り合う発電素子部A,Aのそれぞれの構成(の一部)、並びに、発電素子部A,A間の構成を示す部分断面図である。その他の組の隣り合う発電素子部A,A間の構成も、図2に示す構成と同様である。
支持基板10は、電子伝導性を有さない多孔質の材料からなる平板状の焼成体である。後述する図6に示すように、支持基板10の内部には、長手方向に延びる複数(本例では、6本)の燃料ガス流路11(貫通孔)が幅方向において所定の間隔をおいて形成されている。本例では、支持基板10の上下面における複数の発電素子部Aに対応する位置に、凹部12がそれぞれ形成されている。各凹部12は、支持基板10の材料からなる底壁と、全周に亘って支持基板10の材料からなる周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みである。各凹部12の長さ(x軸方向の寸法)は5〜50mmであり、幅(y軸方向の寸法)は2〜95mmであり、深さ(z軸方向の寸法)は0.03〜1.5mmである。
支持基板10は、MgO(酸化マグネシウム)と、第1酸化物セラミックスと、を含んで構成される。なお、支持基板10が第1酸化物セラミックスを含んでいるのは、MgO単独の熱膨張係数(約14ppm/K)が、通常の電極材料の熱膨張係数(10〜13ppm/K)と比べて大きいことに起因して、支持基板10の等価熱膨張係数を通常の電極材料の熱膨張係数に近づけるため、である。従って、第1酸化物セラミックスとしては、熱膨張係数が通常の電極材料の熱膨張係数(10〜13ppm/K)と比べて小さいものが好適である。具体的には、「第1酸化物セラミックス」としては、Y(イットリア)、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)等が好適である。支持基板10は、「遷移金属酸化物又は遷移金属」を含んでいてもよい。「遷移金属酸化物又は遷移金属」としては、NiO(酸化ニッケル)又はNi(ニッケル)が好適である。遷移金属は、燃料ガスの改質反応を促す触媒(炭化水素系のガスの改質触媒)として機能し得る。
このように、支持基板10が「遷移金属酸化物又は遷移金属」を含むことによって、改質前の残存ガス成分を含んだガスが多孔質の支持基板10の内部の多数の気孔を介して燃料ガス流路11から燃料極に供給される過程において、上記触媒作用によって改質前の残存ガス成分の改質を促すことができる。加えて、支持基板10が絶縁性の酸化物セラミックスを含むことによって、支持基板10の絶縁性を確保することができる。この結果、隣り合う燃料極間における絶縁性が確保され得る。
支持基板10の厚さは、1〜5mmである。以下、この構造体の形状が上下対称となっていることを考慮し、説明の簡便化のため、支持基板10の上面側の構成についてのみ説明していく。支持基板10の下面側の構成についても同様である。
図2及び図3に示すように、支持基板10の上面(上側の主面)に形成された各凹部12には、燃料極集電部21の全体が埋設(充填)されている。従って、各燃料極集電部21は直方体状を呈している。なお、後述するように、支持基板10と各燃料極集電部21との境界部分(即ち、各凹部12の底壁及び側壁に対応する部分)には、多孔質の焼成体である中間層15が介装されている。
各燃料極集電部21の上面(外側面)には、凹部21aが形成されている。各凹部21aは、燃料極集電部21の材料からなる底壁と、周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みである。周方向に閉じた側壁のうち、長手方向に沿う2つの側壁は支持基板10の材料からなり、幅方向に沿う2つの側壁は燃料極集電部21の材料からなる。
各凹部21aには、燃料極活性部22の全体が埋設(充填)されている。従って、各燃料極活性部22は直方体状を呈している。燃料極集電部21と燃料極活性部22とにより燃料極20が構成される。燃料極20(燃料極集電部21+燃料極活性部22)は、電子伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。各燃料極活性部22の幅方向に沿う2つの側面と底面とは、凹部21a内で燃料極集電部21と接触している。
各燃料極集電部21の上面(外側面)における凹部21aを除いた部分には、凹部21bが形成されている。各凹部21bは、燃料極集電部21の材料からなる底壁と、周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みである。周方向に閉じた側壁のうち、長手方向に沿う2つの側壁は支持基板10の材料からなり、幅方向に沿う2つの側壁は燃料極集電部21の材料からなる。
各凹部21bには、インターコネクタ30が埋設(充填)されている。従って、各インターコネクタ30は直方体状を呈している。インターコネクタ30は、電子伝導性を有する緻密な材料からなる焼成体である。各インターコネクタ30の幅方向に沿う2つの側面と底面とは、凹部21b内で燃料極集電部21と接触している。
燃料極20(燃料極集電部21及び燃料極活性部22)の上面(外側面)と、インターコネクタ30の上面(外側面)と、支持基板10の主面とにより、1つの平面(凹部12が形成されていない場合の支持基板10の主面と同じ平面)が構成されている。即ち、燃料極20の上面とインターコネクタ30の上面と支持基板10の主面との間で、段差が形成されていない。
燃料極集電部21は、NiO(酸化ニッケル)と、第2酸化物セラミックスと、を含んで構成される。なお、燃料極集電部21が第2酸化物セラミックスを含んでいるのは、NiO単独の熱膨張係数(約14ppm/K)が、通常の電極材料の熱膨張係数(10〜13ppm/K)と比べて大きいことに起因して、燃料極集電部21の等価熱膨張係数を通常の電極材料の熱膨張係数に近づけるため、である。従って、第2酸化物セラミックスとしては、熱膨張係数が通常の電極材料の熱膨張係数(10〜13ppm/K)と比べて小さいものが好適である。具体的には、「第2酸化物セラミックス」としては、Y(イットリア)、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)等が好適である。燃料極集電部21の厚さ(即ち、凹部12の深さ)は、50〜500μmである。燃料極集電部21の気孔率は、還元処理後において20〜55%である。なお、他の気孔率の値も、還元処理後の値である。
なお、気孔率の測定は,樹脂埋めしたサンプル(還元処理後)の断面を研磨し、同断面についてのSEM(走査型電子顕微鏡)による画像(2次電子像)を解析することによって行われた。SEMの加速電圧は5kV、SEMの倍率は5000倍、又は7500倍に設定された。気孔率の測定は、サンプルの任意の10箇所の断面について行われ、それらの平均値が気孔率の値として採用された。
燃料極活性部22は、電子伝導性を有する物質と、酸素イオン伝導性を有する物質と、を含んで構成される。「電子伝導性を有する物質」としては、NiO(酸化ニッケル)が好適である。「酸素イオン伝導性を有する物質」としては、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)、GDC(ガドリニウムドープセリア)等が好適である。燃料極活性部22の厚さは、5〜30μmである。燃料極活性部22の気孔率は20〜55%である。
なお、燃料極集電部21内、並びに、燃料極活性部22内のNiOは、後述する還元処理によってNiに変化して、電子伝導性を獲得する。燃料極活性部22における「気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合」は、燃料極集電部21における「気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合」よりも大きい。
インターコネクタ30は、例えば、LaCrO(ランタンクロマイト)から構成され得る。或いは、(Sr,La)TiO(ストロンチウムチタネート)から構成されてもよい。インターコネクタ30の厚さは、10〜100μmである。
燃料極20及びインターコネクタ30がそれぞれの凹部12に埋設された状態の支持基板10における長手方向に延びる外周面において複数のインターコネクタ30が形成されたそれぞれの部分の長手方向中央部を除いた全面は、固体電解質膜40により覆われている。固体電解質膜40は、イオン伝導性を有し且つ電子伝導性を有さない緻密な材料からなる焼成体である。固体電解質膜40は、例えば、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、LSGM(ランタンガレート)から構成されてもよい。固体電解質膜40の厚さは、3〜50μmである。
即ち、燃料極20がそれぞれの凹部12に埋設された状態の支持基板10における長手方向に延びる外周面の全面は、インターコネクタ30と固体電解質膜40とからなる緻密層により覆われている。この緻密層は、緻密層の内側の空間を流れる燃料ガスと緻密層の外側の空間を流れる空気との混合を防止するガスシール機能を発揮する。なお、本願において「緻密」とは、「ガスが通過しない程度に高密度であること」を指し、具体的には、「気孔率が10%以下であること」を指す。
なお、図2に示すように、本例では、固体電解質膜40が、燃料極20の上面、インターコネクタ30の上面における長手方向の両側端部、及び支持基板10の主面を覆っている。ここで、上述したように、燃料極20の上面とインターコネクタ30の上面と支持基板10の主面との間で段差が形成されていない。従って、固体電解質膜40が平坦化されている。この結果、固体電解質膜40に段差が形成される場合に比して、応力集中に起因する固体電解質膜40でのクラックの発生が抑制され得、固体電解質膜40が有するガスシール機能の低下が抑制され得る。
固体電解質膜40における各燃料極活性部22と接している箇所の上面には、反応防止膜50を介して空気極60が形成されている。反応防止膜50は、緻密な材料からなる焼成体であり、空気極60は、電子伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。反応防止膜50及び空気極60を上方からみた形状は、燃料極活性部22と略同一の長方形である。
反応防止膜50は、例えば、GDC=(Ce,Gd)O(ガドリニウムドープセリア)から構成され得る。反応防止膜50の厚さは、3〜50μmである。空気極60は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSF=(La,Sr)FeO(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O(ランタンニッケルフェライト)、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)等から構成されてもよい。また、空気極60は、LSCFからなる第1層(内側層)とLSCからなる第2層(外側層)との2層によって構成されてもよい。空気極60の厚さは、10〜100μmである。
なお、反応防止膜50が介装されるのは、SOFC作製時又は作動中のSOFC内において固体電解質膜40内のYSZと空気極60内のSrとが反応して固体電解質膜40と空気極60との境界部分に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するためである。
ここで、燃料極20と、固体電解質膜40と、反応防止膜50と、空気極60とが積層されてなる積層体が、「発電素子部A」に対応する(図2を参照)。即ち、支持基板10の上面には、複数(本例では、4つ)の発電素子部Aが、長手方向において所定の間隔をおいて配置されている。
各組の隣り合う発電素子部A,Aについて、一方の(図2では、左側の)発電素子部Aの空気極60と、他方の(図2では、右側の)発電素子部Aのインターコネクタ30とを跨ぐように、空気極60、固体電解質膜40、及び、インターコネクタ30の上面に、空気極集電膜70が形成されている。空気極集電膜70は、電子伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。空気極集電膜70を上方からみた形状は、長方形である。
空気極集電膜70は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)から構成されてもよい。或いは、Ag(銀)、Ag−Pd(銀パラジウム合金)から構成されてもよい。空気極集電膜70の厚さは、50〜500μmである。
このように各空気極集電膜70が形成されることにより、各組の隣り合う発電素子部A,Aについて、一方の(図2では、左側の)発電素子部Aの空気極60と、他方の(図2では、右側の)発電素子部Aの燃料極20(特に、燃料極集電部21)とが、電子伝導性を有する「空気極集電膜70及びインターコネクタ30」を介して電気的に接続される。この結果、支持基板10の上面に配置されている複数(本例では、4つ)の発電素子部Aが電気的に直列に接続される。ここで、電子伝導性を有する「空気極集電膜70及びインターコネクタ30」が、「電気的接続部」に対応する。
なお、インターコネクタ30は、前記「電気的接続部」における「緻密な材料で構成された第1部分」に対応し、気孔率は10%以下である。空気極集電膜70は、前記「電気的接続部」における「多孔質の材料で構成された第2部分」に対応し、気孔率は20〜60%である。
以上、説明した「横縞型」のSOFCに対して、図4に示すように、支持基板10の燃料ガス流路11内に改質後の燃料ガス(水素ガス等)を流すとともに、支持基板10の上下面(特に、各空気極集電膜70)を「酸素を含むガス」(空気等)に曝す(或いは、支持基板10の上下面に沿って酸素を含むガスを流す)ことにより、固体電解質膜40の両側面間に生じる酸素分圧差によって起電力が発生する。更に、この構造体を外部の負荷に接続すると、下記(1)、(2)式に示す化学反応が起こり、電流が流れる(発電状態)。
(1/2)・O+2e→O2− (於:空気極60) …(1)
+O2−→HO+2e (於:燃料極20) …(2)
発電状態においては、図5に示すように、各組の隣り合う発電素子部A,Aについて、電流が、矢印で示すように流れる。この結果、図4に示すように、このSOFC全体から(具体的には、図4において最も手前側の発電素子部Aのインターコネクタ30と最も奥側の発電素子部Aの空気極60とを介して)電力が取り出される。
(製造方法)
次に、図1に示した「横縞型」のSOFCの製造方法の一例について図6〜図15を参照しながら簡単に説明する。図6〜図15において、各部材の符号の末尾の「g」は、その部材が「焼成前」であることを表す。
先ず、図6に示す形状を有する支持基板の成形体10gが作製される。この支持基板の成形体10gは、例えば、支持基板10の材料(例えば、MgOとY)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、押し出し成形、切削等の手法を利用して作製され得る。以下、図6に示す7−7線に対応する部分断面を表す図7〜図15を参照しながら説明を続ける。
図7に示すように、支持基板の成形体10gが作製されると、次に、図8に示すように、支持基板の成形体10gの上下面に形成された各凹部12の底面及び側面に、中間層の成形膜15gがそれぞれ形成される。この中間層の成形膜15gの形成については後述する。
次に、図9に示すように、支持基板の成形体10gの上下面に形成された「中間層の成形膜15gが形成された各凹部12」に、燃料極集電部の成形体21gがそれぞれ埋設・形成される。次いで、図10に示すように、各燃料極集電部の成形体21gの外側面に形成された各凹部に、燃料極活性部の成形体22gがそれぞれ埋設・形成される。各燃料極集電部の成形体21g、及び各燃料極活性部22gは、例えば、燃料極20の材料(例えば、NiとY)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して埋設・形成される。
続いて、図11に示すように、各燃料極集電部の成形体21gの外側面における「燃料極活性部の成形体22gが埋設された部分を除いた部分」に形成された各凹部に、インターコネクタの成形体30gがそれぞれ埋設・形成される。各インターコネクタの成形体30gは、例えば、インターコネクタ30の材料(例えば、LaCrO)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して埋設・形成される。
次に、図12に示すように、複数の燃料極の成形体(21g+22g)及び複数のインターコネクタの成形体30gがそれぞれ埋設・形成された状態の支持基板の成形体10gにおける長手方向に延びる外周面において複数のインターコネクタの成形体30gが形成されたそれぞれの部分の長手方向中央部を除いた全面に、固体電解質膜の成形膜40gが形成される。固体電解質膜の成形膜40gは、例えば、固体電解質膜40の材料(例えば、YSZ)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法、ディッピング法等を利用して形成される。
次に、図13に示すように、固体電解質膜の成形体40gにおける各燃料極の成形体22gと接している箇所の外側面に、反応防止膜の成形膜50gが形成される。各反応防止膜の成形膜50gは、例えば、反応防止膜50の材料(例えば、GDC)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
そして、このように種々の成形膜が形成された状態の支持基板の成形体10gが、空気中にて1500℃で3時間焼成される。これにより、図1に示したSOFCにおいて空気極60及び空気極集電膜70が形成されていない状態の構造体が得られる。
次に、図14に示すように、各反応防止膜50の外側面に、空気極の成形膜60gが形成される。各空気極の成形膜60gは、例えば、空気極60の材料(例えば、LSCF)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
次に、図15に示すように、各組の隣り合う発電素子部について、一方の発電素子部の空気極の成形膜60gと、他方の発電素子部のインターコネクタ30とを跨ぐように、空気極の成形膜60g、固体電解質膜40、及び、インターコネクタ30の外側面に、空気極集電膜の成形膜70gが形成される。各空気極集電膜の成形膜70gは、例えば、空気極集電膜70の材料(例えば、LSCF)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
そして、このように成形膜60g、70gが形成された状態の支持基板10が、空気中にて1050℃で3時間焼成される。これにより、図1に示したSOFCが得られる。なお、この時点では、酸素含有雰囲気での焼成により、燃料極20(集電部21+活性部22)中のNi成分が、NiOとなっている。従って、燃料極20(集電部21+活性部22)の電子伝導性を獲得するため、その後、支持基板10側から還元性の燃料ガスが流され、NiOが800〜1000℃で1〜10時間に亘って還元処理される。なお、この還元処理は発電時に行われてもよい。以上、図1に示したSOFCの製造方法の一例について説明した。
(中間層の介在)
上記実施形態では、図16に示すように、支持基板10と各燃料極20(集電部21)との境界部分(即ち、各凹部12の底壁及び側壁に対応する部分)に、多孔質の中間層15が介在している。この中間層15は、支持基板10と各燃料極集電部21との境界部分の全域(即ち、各凹部12の底壁及び側壁に対応する部分の全域)に亘って設けられていても、前記境界部分の一部のみに設けられていてもよい。中間層15の厚さ、及び気孔率については後述する。また、支持基板10と中間層15との境界の定義、並びに、中間層15と燃料極集電部21との境界の定義については後述する。
この中間層15は、「カルシウム(Ca)を含む複合酸化物」を含んで構成される。具体的には、「カルシウム(Ca)を含む複合酸化物」とは、CaTiO、又は、CaZrOである。CaTiO、又は、CaZrOの何れか一方のみが含まれていても、両方が含まれていても良い。また、CaAl、CaTi、CaTi10の何れか1つ、又は2つ以上が含まれていても良い。
この中間層15は、以下のように形成される。先ず、中間層15の材料(CaTiO、又は、CaZrO)の粉末にバインダー等が添加されてスラリーが作製される。このスラリーを用いて、上述した図8に示すように、中間層の成形膜15gが、スクリーン印刷等の公知の手法を用いて、支持基板の成形体10gの各凹部12の底面及び側面に、それぞれ形成される。その後、上述のように、中間層の成形膜15gが、支持基板の成形体10g、及び燃料極集電層の成形体21gと、共焼成される(図13→図14を参照)。この結果、支持基板10と燃料極集電部21との境界部分に介在する、多孔質の中間層15(焼成層)が得られる。
上述のように、支持基板10と燃料極集電部21との境界部分に、「カルシウム(Ca)を含む複合酸化物」を含む中間層15が介在することによって、上述した「支持基板中のMgO、及び、燃料極中のNiOの相互拡散」が抑制される(発明の概要の欄を参照)。従って、上述した高密度層が、支持基板10と燃料極集電部21との境界部分に形成され難くなる。従って、燃料ガスが、前記境界部分を通過して支持基板10側から燃料極集電部21側に移行する際、上記高密度層が形成される場合と比べて、燃料ガスが前記境界部分を通過し易くなり、燃料ガスが燃料極集電部21の内部に十分に拡散し易くなる。この結果、燃料電池の発電性能の低下などの問題が発生し難くなる。
(中間層の好ましい厚さの範囲)
上記実施形態に係るSOFCでは、支持基板、中間層、及び燃料極集電部の積層体が、通常の1400〜1500℃程度の温度で共焼成される場合には、上述した高密度層が殆ど形成されず、且つ、中間層の圧力損失(以下、「圧損」と呼ぶ)が過大となることが殆どない。しかしながら、前記積層体が通常より高い温度で共焼成されると、上述した高密度層が形成される場合や、中間層の圧損が過大となる場合があった。本発明者は、係る問題の発生が、中間層15の厚さ、及び気孔率と強い相関があることを見出した。以下、このことを確認した試験について説明する。
(試験A)
この試験Aでは、図17に示す「支持基板、中間層、及び燃料極集電部からなる短円柱状の積層体」が、サンプルとして使用された。このサンプルは、以下のように作製された。先ず、プレス成形によって、円盤状の支持基板の成形体(MgO+Y)が作製された。この支持基板の成形体の上面に、スクリーン印刷によって、円盤状の中間層の成形体(CaTiO、又は、CaZrO)、及び、円盤状の燃料極集電部の成形体(NiO+Y)が順に形成されて、「支持基板、中間層、及び燃料極集電部からなる短円柱状の積層体(焼成前)」が得られた。この積層体(焼成前)が、通常より高い1700℃で3時間に亘って共焼成されて、このサンプル(積層共焼成体)が作製された。
この試験Aでは、中間層の材質、中間層の厚さ、及び、中間層の気孔率の組み合わせが異なる複数のサンプルが作製された。具体的には、表1に示すように、10種類の水準(組み合わせ)が準備された。中間層15の境界は、以下のように定義された。先ず、サンプルの断面におけるEDS(エネルギー分散型X線分析)を用いたNiとMgについての元素定量分析(ライン分析)を、燃料極集電部側から支持基板側に向けて積層方向に関して連続的に行う。前記断面について、Niの濃度(X線のカウント数)が急激に減少する位置を「中間層と燃料極集電部との界面」と定義し、Mgの濃度(X線のカウント数)が急激に増加する位置を「中間層と支持基板との界面」と定義する。上記ライン分析に関し、SEM(走査型電子顕微鏡)の倍率は500倍とする。中間層の厚さとしては、前記断面の任意の10箇所でそれぞれ測定された「両界面間の距離」の平均値を採用する。表1から理解できるように、試験Aでは、中間層の気孔率が略一定(24〜35%)に維持された状態で、中間層の厚さが大きく異ならされている。
Figure 0005703355
中間層の厚さの調整は、中間層の成形体をスクリーン印刷する際の印刷回数を調整することによってなされた。中間層の気孔率の調整は、中間層の成形体用のスラリー内に含まれる中間層の材料(CaTiO、又は、CaZrO)の粉末の粒径、及び、造孔材の量を調整することによってなされた。
各サンプルについて、中間層の圧損が測定された。圧損の測定は、以下のようになされた。先ず、サンプル(積層共焼成体)から円柱状の試験片(直径15mm、厚さ1mm)が切り出された。このとき、支持基板側のみを平面研削することによって、試験片の厚さが1mmとされた。次に、この試験片に対して上述の還元処理が行われた。この還元処理は、800℃で、水素(H)雰囲気で行われた。この還元処理後の試験片に対して、図18に示すように、常温下、試験片の軸方向に沿ってガスを流すことによって、圧損が測定された。ガスは、ヘリウム(He)とされ、試験片内を通過するガスの流量は、100mL/secとされた。
また、上記各試験片について、縦断面(円柱の軸線を含む面に沿って切断して得られる断面)の観察・画像解析等を行うことによって、周知の手法の一つを用いて、中間層の厚さ、及び気孔率が測定され、加えて、高密度層の形成の有無が確認された。これらの結果は、表1に示すとおりである。なお、圧損が50kPaを超えると、「圧損が過大」と判定した(後述する表2についても同様)。
表1から理解できるように、中間層の厚さが5μm未満であると、高密度層が形成されることによって、圧損が過大となり易い(水準1、8を参照)。これは、中間層が薄すぎると、中間層内に含まれるCaTiO、又は、CaZrOの量が少ないことによって、上述した「支持基板中のMgO、及び、燃料極中のNiOの相互拡散」が十分に抑制され得ないことに基づく、と考えられる。
一方、中間層の厚さが150μmより大きいと、高密度層は形成されないが、中間層の圧損が過大となり易い(水準7、14を参照)。これは、単純に、中間層の厚さが大き過ぎて、燃料ガスが中間層を通過する際の抵抗が過大となることに基づく、と考えられる。以上、試験Aより、中間層の厚さは、5〜150μmであることが好ましいといえる。
(試験B)
試験Aでは、中間層の気孔率が略一定(24〜35%)に維持された状態で、中間層の厚さが大きく異ならされているが(表1を参照)、表2に示すように、試験Bでは、中間層の厚さが略一定(35〜50μm)に維持された状態で、中間層の気孔率が大きく異ならされている。その他の試験条件、測定条件等は、試験Aと全く同じである。
Figure 0005703355
表2から理解できるように、中間層の気孔率が15%未満であると、高密度層が形成されないが、圧損が過大となり易い(水準1、8を参照)。これは、単純に、中間層の気孔率が小さ過ぎて、燃料ガスが中間層を通過する際の抵抗が過大となることに基づく、と考えられる。
一方、中間層の気孔率が55%より大きいと、中間層の剛性が低いことに起因して、サンプルの一部である中間層としての形状が維持できなかった(水準7、14を参照)。以上、試験Bより、中間層の気孔率は、15〜55%であることが好ましいといえる。
なお、本発明者は、上記「支持基板、中間層、及び燃料極集電部からなる短円柱状の積層体(焼成前)」の共焼成が通常の1400〜1500℃で行われる場合、中間層の厚さが5〜150μmの範囲外であっても、中間層の気孔率が15%未満であっても、上述した高密度層が殆ど形成されず、且つ、中間層の圧損が過大となることが殆どないこと、を別途確認している。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、支持基板10と燃料極集電部21との境界部分に、「Caを含む複合酸化物」を含む中間層15」(前記複合酸化物の粒子が連続的に分布することによって構成される膜)が介在しているが、前記境界部分に前記複合酸化物の粒子が離散的に分布していてもよい。この態様は、「支持基板10と燃料極集電部21との境界部分に中間層材料の粉末をまぶす」、或いは、「中間層材料を含むスラリーを準備し、マイクロピペット等でそのスラリーを離散的に配置する」などの手法によって作製され得る。
また、上記実施形態では、図6等に示すように、支持基板10に形成された凹部12の平面形状(支持基板10の主面に垂直の方向からみた場合の形状)が、長方形になっているが、例えば、正方形、円形、楕円形、長穴形状等であってもよい。また、支持基板10は平板状を呈しているが、円筒状であってもよい。
また、上記実施形態においては、各凹部12にはインターコネクタ30の全体が埋設されているが、インターコネクタ30の一部のみが各凹部12に埋設され、インターコネクタ30の残りの部分が凹部12の外に突出(即ち、支持基板10の主面から突出)していてもよい。
また、上記実施形態において、凹部12における底壁と側壁とのなす角度θが90°になっているが、図19に示すように、角度θが90〜135°となっていてもよい。また、上記実施形態においては、図20に示すように、凹部12における底壁と側壁とが交差する部分が半径Rの円弧状になっていて、凹部12の深さに対する半径Rの割合が0.01〜1となっていてもよい。
また、上記実施形態においては、平板状の支持基板10の上下面のそれぞれに複数の凹部12が形成され且つ複数の発電素子部Aが設けられているが、図21に示すように、支持基板10の片側面のみに複数の凹部12が形成され且つ複数の発電素子部Aが設けられていてもよい。また、上記実施形態においては、支持基板10の一つの主面上に、電気的に直列に接続された複数の発電素子部Aが配置された所謂「横縞型」と呼ばれる構成が採用されているが、支持基板10の一つの主面上に一つの発電素子部Aが配置される構成(所謂「縦縞型」)が採用されてもよい。
また、上記実施形態においては、燃料極20が燃料極集電部21と燃料極活性部22との2層で構成されているが、燃料極20が燃料極活性部22に相当する1層(Ni+酸化物セラミックス)で構成されてもよい。また、上記実施形態においては、支持基板10の主面に複数の凹部12が形成され、各凹部12に燃料極20がそれぞれ埋設されているが、図22に示すように、支持基板10の主面上に燃料極20がそれぞれ積層されていてもよい。この場合、図22に示すように、中間層15は、支持基板10の主面上における、支持基板10と燃料極20との境界部分に形成される。
加えて、上記実施形態においては、図3に示すように、燃料極集電部21の外側面に形成された凹部21bが、燃料極集電部21の材料からなる底壁と、周方向に閉じた側壁(支持基板10の材料からなる長手方向に沿う2つの側壁と、燃料極集電部21の材料からなる幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みとなっている。この結果、凹部21bに埋設されたインターコネクタ30の幅方向に沿う2つの側面と底面とが凹部21b内で燃料極集電部21と接触している。
これに対し、図23に示すように、燃料極集電部21の外側面に形成された凹部21bが、燃料極集電部21の材料からなる底壁と、全周に亘って燃料極集電部21の材料からなる周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と、幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みであってもよい。これによれば、凹部21bに埋設されたインターコネクタ30の4つの側面の全てと底面とが凹部21b内で燃料極集電部21と接触する。従って、燃料極集電部21とインターコネクタ30との界面の面積をより一層大きくできる。従って、燃料極集電部21とインターコネクタ30との間における電子伝導性をより一層高めることができ、この結果、燃料電池の発電出力をより一層高めることができる。
10…支持基板、11…燃料ガス流路、12…凹部、15…中間層、20…燃料極、21…燃料極集電部、21a、21b…凹部、22…燃料極活性部、30…インターコネクタ、40…固体電解質膜、50…反応防止膜、60…空気極、70…空気極集電膜、A…発電素子部

Claims (1)

  1. ガス流路が内部に形成されるとともに、酸化マグネシウム(MgO)と第1酸化物セラミックスとを含んで構成された支持基板と、
    前記支持基板に設けられるとともに、ニッケル(Ni)と第2酸化物セラミックスとを含んで構成された燃料極集電部と、前記燃料極集電部より酸素イオン伝導性を有する物質の含有体積割合が大きい燃料極活性部と、固体電解質と、空気極とがこの順に積層されてなる発電素子部と、
    を備えた燃料電池であって、
    前記支持基板と前記燃料極集電部との境界部分に、CaTiO及びCaZrOの何れか一方又は両方のみからなる中間層が介在し、
    前記中間層の厚さは、5〜150μmであり、
    前記中間層の気孔率は、15〜55%である、燃料電池。
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