JP2017032748A - 個体撮像素子のカラーフィルター用着色感放射線組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料濃度が高くても顔料分散性に優れ、パターンの矩形性に優れ、エッジラフネス、未露光部残渣の少ない良好で高画質な画素パターンを容易に形成することができる固体撮像素子のカラーフィルター用着色感放射線組成物を提供する。
【解決手段】本発明の固体撮像素子のカラーフィルター用着色感放射線組成物は、(A)顔料、(B)顔料分散剤、(C)光重合性モノマー、(D)アルカリ可溶性ポリマー、(E)光重合開始剤、(F)溶剤を含有する着色感放射線組成物であって、(B)顔料分散剤が一般式(1)で表されるポリアリルアミン誘導体であることを特徴とする。
【化1】
Figure 2017032748

【選択図】なし

Description

本発明は固体撮像素子のカラーフィルターに用いられる着色感放射線組成物に関する。
近年、デジタルカメラやカメラ付携帯電話(スマートフォン等)の普及が目覚ましく、CCDカメラやCMOSイメージセンサ(CIS)のような固体撮像素子の需要が大きく伸びている。これらの固体撮像素子のキーデバイスとして赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の画素を備えたカラーフィルターが使用され、固体撮像素子を通して3原色に分解する役割を果たしている。
カラーフィルターは一般に着色感放射線組成物を用いて製造され、カラーフィルターを製造するに当たっては、基板上に着色感放射線組成物を塗布して乾燥させたのち、所望のパターン形状にマスクを通して放射線を照射(以下、「露光」という。)し、現像、硬化することにより、各色の画素を得る方法が知られている。
こうした固体撮像素子には近年、更なる高画質化への要求があり、その一つとしてより微細な色分解RGB画素パターンの形成による高解像力化の要求が高まっており、CISでのRGB画素のサイズは近年1μm近傍まで微細化されてきている。着色感放射線組成物の露光には一般にi線(365nm)が用いられているが、光学コントラストが低下する領域であることから、パターンの矩形化やエッジラフネスの抑制、未露光部の残渣抑制が難しくなってきている。
また、RGB画素サイズの微細化によって画素パターン塗布膜の薄膜化が進むために、画素膜中に占める顔料の含有割合がますます高くなる傾向がある。顔料は通常使用されるアルカリ性現像液に不溶であることからパターンの矩形化やエッジラフネスの抑制を難しくし、同時に未露光部の残渣が残りやすい問題も発生している。
カラーフィルター用着色感放射線組成物は、樹脂及びその他の材料と顔料を溶剤に混合して製造されるが、このような顔料を分散させた着色感放射線組成物を作成する際の最大の問題点は、顔料粒子が凝集しやすいことであり、尚且つ顔料が現像液に不溶な成分である事から前記凝集により画素形成性能を阻害するといった点が挙げられる。
溶剤に顔料を分散させた着色感放射線組成物における顔料粒子が凝集しやすい問題を解決するために、種々の高分子分散剤が開発され、利用されてきた。例えば、アクリル系高分子分散剤、ポリカプロラクトン系高分子分散剤、ウレタン系高分子分散剤、脂肪酸エステル系高分子分散剤、ポリエーテル系高分子分散剤、有機酸系高分子分散剤などが挙げられる。
アクリル系高分子分散剤としては、アクリル酸とスチレン、アクリル酸エステルとメタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸エステルなどでのグラフトおよび/またはブロック共重合体が挙げられ、ブロック型の共重合体は特許文献1や特許文献2に例示されている。
ウレタン系高分子分散剤としては、ポリイソシアネート化合物にカプロラクトンポリエステル、第3級アミノ基を有する化合物を反応させて得られるもの(特許文献3)や、イソシアネート基を有する化合物にアミノ基を有する化合物を反応させて得られるもの(特許文献4)などが挙げられる。
ポリエステル系高分子分散剤としては、側鎖にラクトン化合物の開環により精製するユニットを必須成分として含有するポリエステルを用いることで得られる化合物(特許文献5)、ポリアルキレンポリアミンの反応点を特定の比率で脂肪酸によりキャッピングした後、親油性高分子鎖としてポリカルボニルアルキレンオキシ鎖及び親水性高分子鎖としてポリアルキレンオキシ鎖を特定の比率で導入することで得られる化合物(特許文献6)等が知られている。
特開2002−31713号公報 特開2006−30674号公報 特開平02−612号公報 特開平04−210220号公報 特開平08−38875号公報 特開平11−197485号公報
近年における固体撮像素子の更なる高画質化を目的として、CISカラーフィルターのRGB塗布膜の薄膜化による塗布膜中に占める顔料濃度の高濃度化を実現するために、着色感放射線組成物中の顔料濃度を高める必要がある。しかしながら、特許文献1〜6に記載されている分散剤を用いた着色感放射線組成物は、顔料濃度を高めると顔料分散性が悪くなるとともに、形成される画素パターンのエッジラフネスや残渣の改良においては不十分であった。
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その課題は顔料が高濃度化しても着色感放射線組成物中の顔料粒子の分散安定性が良好で、形成された画素パターンが矩形でエッジラフネスが少なく、未露光部の残渣が少ない新規着色感放射線組成物を提供する事にある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の構造のポリアリルアミン縮合物を分散剤として用いて顔料を分散させた着色感放射線組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(1)(A)顔料、(B)顔料分散剤、(C)光重合性モノマー、(D)アルカリ可溶性ポリマー、(E)光重合開始剤、(F)溶剤を含有する着色感放射線組成物であって、(B)顔料分散剤が一般式(1)で表されるポリアリルアミン誘導体であることを特徴とする固体撮像素子のカラーフィルター用着色感放射線組成物、
Figure 2017032748
(一般式(1)中、X、Yは、それぞれ独立に水素、重合開始剤残基または連鎖移動剤残基または連鎖移動触媒残基のいずれかを表し、Rは遊離のアミノ基または下記一般式(2)もしくは(3)で示される基を表し、nは2から1,000の整数を表す。但しn個のR中、少なくとも1個は一般式(3)で示される基である。)
Figure 2017032748
(一般式(2)、(3)中、Rは遊離のカルボン酸を有するポリエステル、遊離のカルボン酸を有するポリアミドまたは遊離のカルボン酸を有するポリエステルアミドのいずれかからカルボキシル基を除いた基を表す。但し、Rが前記ポリエステルからカルボキシル基を除いた基であるとき、一般式(1)におけるn個のR中、Rが一般式(3)で示される基である割合は60%から95%であり、かつ一般式(1)で示される前記ポリアリルアミン誘導体の酸価は2.5から50mgKOH/gであり、かつ前記ポリエステルの分子量は300から20,000である。)
(2)前記ポリエステルが一般式(4)で表される上記(1)の固体撮像素子のカラーフィルター用着色感放射線組成物、
Figure 2017032748
(一般式(4)中、Rは炭素原子数2から20の直鎖状または分岐のアルキレン基を表し、aは2から100の整数を表す。)
(3)前記ポリエステルが一般式(5)で表される上記(1)の固体撮像素子のカラーフィルター用着色感放射線組成物、
Figure 2017032748
(一般式(5)中、Rは、炭素数2から20の直鎖状もしくは分岐のアルキレン基、CまたはCH=CHを表し、Rは炭素原子数2から20の直鎖状もしくは分岐のアルキレン基を表しまたはポリアルキレングリコールから2つの水酸基を除いた基を表し、bは2から100の整数を表す。但し、前記直鎖状または分岐のアルキレン基の鎖中にエーテル結合を有していてもよい。)
本発明の着色感放射線組成物は、顔料濃度を高濃度化しても顔料分散性が良好であり、パターンが矩形でエッジラフネスが少なく、未露光部の残渣が少ない、高画質の画素を形成できる。したがって、本発明の着色感放射線組成物は固体撮像素子のカラーフィルターの製造に極めて好適に使用することが出来る。
以下、本発明の着色感放射線性組成物について詳細に説明する。
本発明の着色感放射線組成物は、(A)顔料、(B)顔料分散剤、(C)光重合性モノマー、(D)アルカリ可溶性ポリマー、(E)光重合開始剤、(F)溶剤を含有する。これらの各成分について以下に説明する。
(A)顔料
本発明の着色感放射線性組成物に用いられる顔料は、色調が特に限定されるものではなく、得られるカラーフィルタの用途に応じて適宜選定される。カラーフィルタの画素には高精細な発色と耐熱性、耐候性が求められることから、顔料としては有機顔料が好ましい。
前記有機顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Socie
ty of Dyers and Colourists社発行)においてピグメント
に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)名
が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー211;
C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ68、C.I.ピグメントオレンジ70、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ72、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントオレンジ74;
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272;
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38;C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー80;C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58;C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7。
本発明において、上記有機顔料は、再沈殿法、溶剤洗浄法、再結晶法、昇華法、真空加熱法や、これらの組み合わせにより精製して使用することもできる。
これらの顔料は、所望により、その粒子表面を樹脂で改質して使用してもよい。顔料の粒子表面を改質する樹脂としては、例えば特開2001−108817号公報に記載のビヒクル樹脂や、市販の各種の顔料分散用の樹脂を挙げることができる。前記顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の着色感放射線性組成物は、顔料の含有量が、着色感放射線性組成物の全固形分中、30重量%以上となる場合であっても、エッジラフネスが少なく未露光部の残渣が少ない優れた画素を形成することができる。また、本発明において、顔料の含有量の上限は、現像性を確保する観点から、着色感放射線性組成物の全固形分中、好ましくは70重量%以下、特に好ましくは60重量%以下である。ここで、固形分とは、後述する溶剤以外の成分である。
(B)顔料分散剤
本発明の着色感放射線組成物において用いる(B)分散剤は、一般式(1)で示される構造を有するポリアリルアミン誘導体である。
Figure 2017032748
(一般式(1)中、X、Yは、それぞれ独立に水素、重合開始剤残基または連鎖移動剤残基または連鎖移動触媒残基のいずれかを表し、Rは遊離のアミノ基または下記一般式(2)もしくは(3)で示される基を表し、nは2から1,000の整数を表す。但しn個のR中、少なくとも1個は一般式(3)で示される基である。)
Figure 2017032748
(一般式(2)、(3)中、Rは遊離のカルボン酸を有するポリエステル、遊離のカルボン酸を有するポリアミドまたは遊離のカルボン酸を有するポリエステルアミドのいずれかからカルボキシル基を除いた基を表す。但し、Rが前記ポリエステルからカルボキシル基を除いた基であるとき、一般式(1)におけるn個のR中、Rが一般式(3)で示される基である割合は60%から95%であり、かつ一般式(1)で示される前記ポリアリルアミン誘導体の酸価は2.5から50mgKOH/gであり、かつ前記ポリエステルの分子量は300から20,000である。)
一般式(1)で示されるポリアリルアミン誘導体は、例えば重合度2〜1,000のポリアリルアミンと、遊離のカルボキシル基を有する一般式(4)、一般式(5)で示されるポリエステルや、ポリアミド、あるいはエステルとアミドの共縮合物とを反応させることにより得られ、特開平09−169821号公報などに記載された公知の方法で調製することができる。
Figure 2017032748
Figure 2017032748
本発明の着色感放射性組成物中の分散剤含有量は、(A)顔料100質量部に対して0.5〜100質量部、好ましくは1〜70質量部、さらに好ましくは10〜50質量部である。重量平均分散剤の分子量は100〜100,000、好ましくは1,000〜50,000、さらに好ましくは3,000〜20,000である。本発明において分散剤として用いるポリアリルアミン誘導体は、アミン価が1〜80であるものが好ましく、より好ましくはアミン価3〜40、さらに好ましくはアミン価13〜22のものである。分散剤として用いる前記ポリアリルアミン誘導体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、本発明において、分散剤として前記ポリアリルアミン誘導体と共に、従来公知の他の分散剤を併用することができる。
(C)光重合性モノマー
光重合性モノマーとしては、一分子中に反応基である重合性不飽和結合を1個持つ単官能モノマー、2個以上を有する多官能性モノマーが挙げられ、各々の硬化性が異なる。本発明において用いる光重合性モノマーは2個以上の重合性不飽和結合を有する多官能性モノマーが好ましい。
多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそのジカルボン酸変性物;ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂等のオリゴ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリ−1,3−ブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトン等の両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類や、トリス〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕ホスフェート等を挙げることができる。
これらの多官能性モノマーのうち、3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそのジカルボン酸変性物、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が好ましく、特に、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、着色層の強度およびエッジラフネスに優れ、かつ未露光部の基板上に残渣、膜残り等を発生し難い点で好ましい。光重合性モノマーは単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、混合使用する場合、1種又は2種以上の単官能性モノマーと、1種又は2種以上の多官能性モノマーとを混合して使用したり、異なる2種以上の多官能性モノマーを混合して使用することができる。
本発明の着色感放射線組成物における光重合性モノマーの使用量は、以下に述べる(C)アルカリ可溶性ポリマー100重量部に対して、通常、5〜400重量部が好ましく、より好ましくは10〜200重量部である。光重合性モノマーの使用量が5重量部未満では、着色層の強度や表面平滑性が低下する傾向があり、一方400重量部を超えると、例えば、アルカリ現像性が低下したり、未露光部の基板上に残渣、膜残り等が発生しやすくなる傾向がある。
(D)アルカリ可溶性ポリマー
本発明の着色感放射線性組成物に含有される(C)アルカリ可溶性ポリマーは、着色層を形成する際の現像処理工程において用いられるアルカリ現像液に対して可溶性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、通常、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性官能基を有する重合体である。アルカリ可溶性ポリマーは、アルカリ現像液に対する現像剤、被膜形成剤、着色感放射線性組成物の粘度調製剤として作用する。また、カラーフィルター部材としての強度、軟化温度等が適当であるものが好ましい。具体的には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリロイル基を有する感光性モノマー及びオリゴマーが挙げられる。さらには、ポリ(メタ)アクリル酸エステルまたはその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニルまたはその部分鹸化物、ポリビニルフェノール、フェノールノボラック、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリビニルピロリドン、スチレンと無水マレイン酸の共重合体またはそのハーフエステル、さらに(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等の共重合可能なモノマーから選ばれる共重合体等が挙げられる。
本発明において、アルカリ可溶性ポリマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。本発明の着色感放射線組成物におけるアルカリ可溶性ポリマーの含有量は、(A)顔料100質量部に対して、通常、10〜500質量部が好ましく、より好ましくは20〜300質量部である。この場合、アルカリ可溶性ポリマーの含有量が少なすぎると、例えば、アルカリ現像性が低下したり、未露光部の基板上に残渣や膜残りが発生するおそれがあり、一方多すぎると、相対的に顔料濃度が低下するため、薄膜として目的とする色濃度を達成することが困難となる。
(E)光重合開始剤
光重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、カルボニル化合物、オキシムエステル化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物、アルキルアミノ化合物、等が挙げられる。
有機ハロゲン化化合物としては、s−トリアジン系化合物、オキサチアゾール系化合物が挙げられる。トリアジン系化合物としては、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等が挙げられる。オキサチアゾール系化合物としては、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキサチアゾールなどが挙げられる。
カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
オキシムエステル化合物としては、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等が挙げられる。
ホスフィン系化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
本発明に用いられる(E)光重合開始剤としては、露光感度の観点から、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、オキシム系化合物、ホスフィン系化合物が好ましく、より好ましくは、トリアジン系化合物、オキシム系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アシルホスフィン系化合物である。これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明の着色感放射線組成物中の顔料濃度が高い場合、光重合開始剤の添加量は相対的に少なくなり、感度低下を起こしやすい。また、露光をi線ステッパーで行う場合に、トリアジン系化合物を用いると露光時にハロゲン含有化合物を発生して機器の腐食の原因となる虞がある。これらを考慮すれば、感度と諸性能を満足させる光重合開始剤としては、オキシム系化合物が好ましく、オキシム系化合物の中でも、365nmに吸収を有するものが最も好ましい。
(E)光重合開始剤の含有量は、本発明の着色感放射線組成物の全固形分中0.1質量%〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.3質量%〜30質量%、特に好ましくは0.5質量%〜15質量%である。光重合開始剤を上記範囲で用いると、画素パターン形成時の光重合性、露光感度に優れる。
(F)溶剤
本発明の着色感放射線性組成物は、前記(A)〜(E)成分を必須成分とし、必要に応じて前記添加剤成分を含有するが、通常、溶剤を配合して液状組成物として調製される。溶剤としては、感放射線性組成物を構成する(A)〜(E)成分や添加剤成分を分散または溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
このような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;
プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のジアセテート類;乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ギ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミドまたはラクタム類等を挙げることができる。
これらの溶剤のうち、溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ギ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等が好ましい。溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記溶剤と共に、高沸点溶剤を併用することもできる。高沸点溶剤としては例えば、ジ−n−ヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、カプロン酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの高沸点溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶剤の含有量は、特に限定されるものではないが、得られる着色感放射線組成物の塗布性、保存安定性等の観点から、当該組成物中の溶剤を除いた各成分の合計濃度が、5〜50質量%となる量が好ましく、特に10〜40質量%となる量が好ましい。
本発明の着色感放射線性組成物は、上記(A)〜(F)成分の他に、必要に応じて他の添加剤をさらに含有することもできる。
他の添加剤
他の添加剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;ピロガロール、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン等の熱重合禁止剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸等の残渣改善剤;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の現像性改善剤等を挙げることができる。
本発明の着色感放射線組成物は、(A)顔料、(B)顔料分散剤、(F)溶剤、及び必要に応じて分散助剤を用いて(A)顔料を分散させた顔料分散液を調整し、次いでこの顔料分散液に、(C)光重合性モノマー、(D)アルカリ可溶性ポリマー、(E)光重合開始剤、及び必要に応じて界面活性剤等の添加剤、(F)溶剤等を更に添加、混合する等により得ることができる。
[固体撮像素子のカラーフィルター製造方法]
次に、本発明の着色感放射線組成物により固体撮像素子のカラーフィルターを製造する方法について説明する。
カラーフィルターは、通常、少なくとも下記(1)〜(4)の工程を経て製造される。
(1)基板上に本発明の着色感放射線組成物の塗膜を形成する工程。
(2)前記塗膜の少なくとも一部に露光する工程。
(3)露光後の塗膜を現像する工程。
(4)現像後の塗膜をポストベークする工程
以下、これらの工程について順次説明する。
上記(1)の工程において用いうる基板としては、例えばCCDやCMOSにおける光電変換素子基板、シリコン基板等が挙げられる。また、これらの基板上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けても良い。
基板上への本発明の着色感放射線組成物の塗布方法としては、回転塗布、スリット塗布、インクジェット法等の各種の塗布方法を適用する事ができる。
基板上に塗布された着色感放射線組成物層の乾燥(プリベーク)は、ホットプレート、オーブン等で60℃〜140℃の温度で10秒〜300秒で行う事ができる。
着色感放射線組成物塗布層の乾燥後の膜厚としては、色濃度確保の観点と、塗布ムラ等の不具合を低減する観点から、0.2μm以上、1.2μm未満が好ましく、0.4μm以上、1.0μmがより好ましく、0.5μm以上、0.8μm以下が特に好ましい。
(2)の露光工程は、前記着色感放射線組成物の塗膜を形成する工程において形成された着色感放射線組成物の塗布層を、所定のマスクパターンを介して放射線照射しパターン状に露光し、塗布膜の光照射された部分のみを硬化させる。ここで用いられる放射線としては、特にg線、h線、i線等の放射線が好ましく用いられる。照射量は30mJ/cm〜500mJ/cmが好ましい。
露光工程に次いで、(3)現像工程(アルカリ現像処理)を行うことにより、露光後の未硬化部を現像液に溶出させ、光硬化した部分を残存させる。この現像工程により、所望の着色された画素からなるパターン状皮膜を形成することができる。現像方式はディップ方式、スプレー方式、シャワー方式、パドル方式等、いずれでも良く、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせてもよい。また、現像液の吐出前に、被現像面を予め水などで湿しておいて、現像ムラを防ぐこともできる。
現像液としては、アルカリ剤を濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように、純水で希釈したアルカリ水溶液が好ましく使用される。アルカリ剤としては、例えばアンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどが用いられるが、下地の回路などにダメージ等の影響を与えない、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどの有機アルカリ剤が好ましい。現像温度としては18℃〜30℃であり、現像時間は20秒〜90秒である。このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後、純水で洗浄(リンス)する。
その後、(4)現像後の塗膜をポストベークすることにより、着色感放射線組成物層の硬化物からなる画素パターンが所定の配列で形成された基板を得ることができる。
上記(1)〜(4)の工程を各色ごとに繰り返すことにより、所望の画素パターンのカラーフィルターが形成された基板を得ることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものでは無い。
実施例1
顔料、顔料分散剤を含む顔料分液を調製した後、顔料分散液に光重合性モノマー、アルカリ可溶性ポリマー、光重合開始剤を添加混合して着色感放射線組成物を調製した。
顔料分散液の調製
顔料分散剤としてポリアリルアミン誘導体(分散剤A)3.6重量部を、溶剤のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート83.8重量部に溶解させ、これに、顔料として平均一次粒子径が約0.03μmに微細化されたC.I.ピグメントブルー15:6の10.0重量部、同じく平均一次粒子径が約0.03μmに微細化されたC.I.ピグメントバイオレット23の1.4重量部、更に分散助剤として顔料誘導体であるソルスパース12000(アビシア(株)製)の0.6重量部を加えてタービン羽根を付けた撹拌機で30分間の予備分散を行った。次いで0.3mm径のジルコニアビーズを装填したビーズミルにて、レーザー散乱型粒度分布測定器(マイクロトラックSPA)での平均粒子径がおよそ90nmに到達するまで湿式分散処理を施した。ビーズと分離して得た分散処理液を5μmポアサイズのPTFEメンブレンカプセルカートリッジフィルターでろ過処理を行ったものを着色放射線組成物用の顔料分散液とした。尚、分散剤Aとしては、ポリアリルアミンとカルボキシル基を有するポリエステルとの反応によって得られ、遊離のアミノ基、塩基およびアミド基を有するポリアリルアミン誘導体(重量分子量10,000、アミン価17mgKOH/g)を用いた。
着色感放射線組成物の調製
次にこの顔料分散液100質量部(固形換算)に対し、光重合性モノマーとしてポリエステルアクリレート2質量部、アルカリ可溶性ポリマーとしてBMM/MAA共重合体(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、酸価:50mgKOH/g、重量平均分子量:10,000)40質量部(固形換算)、光重合開始剤として1,2−オクタジオン、1−[4−(フェニルチオ)−、2−(ベンゾイルオキシム)(商品名イルガキュアOXE01、BASF社製)0.3重量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名イルガキュア819、BASF社製)0.15重量部、レベリング剤としてフッ素系界面活性剤(商品名R−41、DIC社製)及び溶剤としてプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートを固形分濃度が17.5重量%となるように混合して、着色感放射線組成物(S−1)を調整した。
着色感放射線組成物(S−1)について、下記の手順に従って、評価を行った。評価結果を表1に示す。
パターン形状、残渣の評価
着色感放射線組成物(S−1)をTEOS酸化膜の付いたSiウェハー上に、スピンコーターを用いて塗付したのち、100℃のホットプレートで60秒間プレベークを行い、膜厚0.9umの塗膜を形成した。次いで、この基板を室温に冷却したのち、基板上の塗膜にi線ステッパー露光装置NSR2205−i11E(ニコン株式会社製)を使用してi線(365nm)の光を、1.4μm四方のアイランドマスクパターンを介して、塗膜に100〜250mJ/cmの範囲での露光量を照射した。その後、基板上の塗膜に約0.2%のTMAH(トリメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液で60秒間パドル現像を行った。次いで、220℃で180秒間ポストベークを行って、基板上に青色のアイランド状の画素パターンを形成した。次いで、得られた画素パターンを電子顕微鏡(S−7800、日立ハイテクノロジー社製)で20,000倍の倍率で観察し、パターンの直線性(エッジラフネス)及び未露光部の残渣を評価した。結果を表1に示す。
比較例1〜3
実施例1とは異なる高分子分散剤を用いて調製した顔料分散液を用いた以外は実施例1と同様にして着色感放射線組成物(S−2)〜(S−4)を調製した。この着色感放射線組成物(S−2)〜(S−4)を用い、実施例1と同様にして画素パターンを形成し、パターンの直線性(エッジラフネス)及び未露光部の残渣を評価した。結果を表1にあわせて示す。
尚、比較例1〜3において持ちいた分散剤は、以下のものである。
比較例1:ポリイソシアネート化合物にカプロラクトンポリエステル、第3級アミノ基を有する化合物を反応させて得られるウレタン系高分子分散剤。
比較例2:ポリアルキレンポリアミンの反応点を特定の比率で脂肪酸によりキャッピングした後、親油性高分子鎖としてポリカルボニルアルキレンオキシ鎖及び親水性高分子鎖としてポリアルキレンオキシ鎖を特定の比率で導入することで得られるポリエステル系高分子分散剤。
比較例3:顔料吸着基となるアミノ基またはアミノ基および酸基を有する単量体と顔料吸着基を持たない単量体とからなるアクリル系ブロック共重合体であるアクリル系高分子分散剤。
Figure 2017032748
※1粘度変化率:
着色感放射線組成物の調製直後の粘度(V1)と、25℃で一か月保管後の粘度(V2)を測定し、下記(1)式により粘度変化率を求めた。
V2−V1/V1×100 (1)
※2エッジラフネス:
電子顕微鏡により観察した画素パターンのエッジ形状により、
○ エッジがほぼ直線状。
△ エッジにやや凹凸が認められる。
× エッジの凹凸が顕著。
として評価した。
※3未露光部残渣:
電子顕微鏡により画素パターンを観察して未露光部残渣の有無を目視により、
○ 未露光部残渣がほとんど認められない。
△ 未露光部残渣が一部認められる。
× 大小の未露光部残渣が認められる。
として評価した。
表1から明らかなように、特定のポリアリルアミン分散剤を顔料分散剤として用いた本発明の着色感放射線組成物により形成された画素パターンは、エッジラフネスが少なく、未露光部の残渣も少ない良好なものであった。一方、本発明において用いる特定のポリアリルアミン分散剤とは異なる分散剤を用いた比較例の着色感放射線組成物により形成された画素パターンは、エッジラフネスが悪く、未露光部の残渣が多いものであった。

Claims (3)

  1. (A)顔料、(B)顔料分散剤、(C)光重合性モノマー、(D)アルカリ可溶性ポリマー、(E)光重合開始剤、(F)溶剤を含有する着色感放射線組成物であって、(B)顔料分散剤が一般式(1)で表されるポリアリルアミン誘導体であることを特徴とする固体撮像素子のカラーフィルター用着色感放射線組成物。
    Figure 2017032748
    (一般式(1)中、X、Yは、それぞれ独立に水素、重合開始剤残基または連鎖移動剤残基または連鎖移動触媒残基のいずれかを表し、Rは遊離のアミノ基または下記一般式(2)もしくは(3)で示される基を表し、nは2から1,000の整数を表す。但しn個のR中、少なくとも1個は一般式(3)で示される基である。)
    Figure 2017032748
    (一般式(2)、(3)中、Rは遊離のカルボン酸を有するポリエステル、遊離のカルボン酸を有するポリアミドまたは遊離のカルボン酸を有するポリエステルアミドのいずれかからカルボキシル基を除いた基を表す。但し、Rが前記ポリエステルからカルボキシル基を除いた基であるとき、一般式(1)におけるn個のR中、Rが一般式(3)で示される基である割合は60%から95%であり、かつ一般式(1)で示される前記ポリアリルアミン誘導体の酸価は2.5から50mgKOH/gであり、かつ前記ポリエステルの分子量は300から20,000である。)
  2. 前記ポリエステルが一般式(4)で表される請求項1に記載の固体撮像素子のカラーフィルター用着色感放射線組成物。
    Figure 2017032748
    (一般式(4)中、Rは炭素原子数2から20の直鎖状または分岐のアルキレン基を表し、aは2から100の整数を表す。)
  3. 前記ポリエステルが一般式(5)で表される請求項1に記載の固体撮像素子のカラーフィルター用着色感放射線組成物。
    Figure 2017032748
    (一般式(5)中、Rは、炭素数2から20の直鎖状もしくは分岐のアルキレン基、CまたはCH=CHを表し、Rは炭素原子数2から20の直鎖状もしくは分岐のアルキレン基を表しまたはポリアルキレングリコールから2つの水酸基を除いた基を表し、bは2から100の整数を表す。但し、前記直鎖状または分岐のアルキレン基の鎖中にエーテル結合を有していてもよい。)
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