JP2009162802A - 赤色カラーフィルタ用感放射線性組成物、カラーフィルタおよびカラー液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)着色剤、(B)分散剤、(C)アルカリ可溶性樹脂、(D)多官能性単量体、並びに(E)光重合開始剤を含有する着色層形成用感放射線性組成物であって、(A)着色剤としてC.I.ピグメントオレンジ38を含有し、(B)分散剤としてカチオン性櫛型グラフトポリマーを含有することを特徴とする赤色カラーフィルタ用感放射線性組成物。
【選択図】なし
Description
しかしながら、特許文献3で開示されている感放射線性組成物では、感放射線性組成物に含まれる顔料の濃度が高くなった場合に、製品歩留まりが低下するという問題があった。かかる問題は、近年、カラー液晶表示素子の高色純度化に伴い着色感放射線性組成物に含まれる顔料の濃度がますます高くなる傾向にあることから、塗膜のアルカリ現像液に対する溶解性(以下、「現像溶解性」ということがある。)が著しく低下することに起因する。すなわち、塗膜の現像溶解性が著しく低下すると、シャワー現像法による現像時に、いったん剥離除去された未露光部の塗膜が現像槽中で完全に溶解し切らず浮遊し、カラーフィルタ上に異物として再付着してしまい、このことが製品歩留まりを低下させる大きな要因となっていた。
以上のような背景から、高い光透過率等を有し、しかも高い製品歩留まりで赤色カラーフィルタを形成することができる感放射線性組成物の開発が強く求められている。
本発明の他の課題は、前記感放射線性組成物から形成された画素を有するカラーフィルタ、および当該カラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子を提供することにある。
(A)着色剤、(B)分散剤、(C)アルカリ可溶性樹脂、(D)多官能性単量体、並びに(E)光重合開始剤を含有する着色層形成用感放射線性組成物であって、(A)着色剤としてC.I.ピグメントオレンジ38を含有し、(B)分散剤としてカチオン性櫛型グラフトポリマーを含有することを特徴とする赤色カラーフィルタ用感放射線性組成物、からなる。
本発明でいう「放射線」は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を含むものを意味する。
前記感放射線性組成物を用いて形成された着色層を備えてなるカラーフィルタ、からなる。
本発明は、第三に、
前記カラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子、からなる。
赤色カラーフィルタ用感放射線性組成物
−(A)着色剤−
本発明における着色剤は、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and
Colourists 社発行。以下同様。)におけるC.I.ピグメントオレンジ38を含有するものである。
本発明の感放射線性組成物は、赤色の画素を形成するために用いられるものであり、レッド、イエローまたはC.I.ピグメントオレンジ38以外の他のオレンジの顔料(以下、これらをまとめて「他の顔料」ということがある。)をさらに含有することができる。このようなレッド、イエローまたはオレンジの顔料としては、特に限定されるものでないが、カラーフィルタには高純度で高光透過性の発色と耐熱性が求められることから、有機顔料が好ましい。
本発明において、C.I.ピグメントオレンジ38および他の顔料は、必要に応じて、再結晶法、再沈殿法、溶剤洗浄法、昇華法、真空加熱法や、これらの組み合わせ等により精製して使用することができる。
本発明の感放射線性組成物は、着色剤の含有量が、感放射線性組成物の全固形分中、30重量%以上となる場合であっても、優れた現像溶解性を有する。また、本発明において、着色剤の含有量の上限は、現像性を確保する観点から、感放射線性組成物の全固形分中、好ましくは60重量%以下、特に好ましくは50重量%以下である。ここで、固形分とは、後述する溶媒以外の成分である。
本発明における分散剤は、カチオン性櫛型グラフトポリマーを含有する。ここで、カチオン性櫛型グラフトポリマー(以下、「櫛型分散剤」ということがある。)としては、例えば、特開平9−176511号公報に開示されている、複数の塩基性基(カチオン性の官能基)を有する幹ポリマー1分子に、2分子以上の枝ポリマーがグラフト結合した構造のポリマーを挙げることができる。かかる櫛型分散剤を含有することにより、光透過率が高く、且つ現像溶解性に優れる、感放射線性組成物を得ることができる。
これらの他の分散剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における櫛型分散剤の含有量は、感放射線性組成物の保存安定性および現像溶解性の点から、(A)着色剤100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは3〜50重量部である。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂としては、(A)着色剤に対してバインダーとして作用し、かつカラーフィルタを製造する際の現像工程において用いられる現像液、好ましくはアルカリ現像液に対して可溶性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、(c1)(メタ)アクリル酸と、(c2)N−位置換マレイミドと、(c3)スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ポリスチレンマクロモノマーおよびポリメチルメタクリレートマクロモノマーの群(以下、「不飽和化合物(c3)」ということがある。)の単独または2種以上の混合物を含む、該(c1)成分および(c2)成分以外の重合性不飽和化合物との共重合体(以下、「共重合体(C1)」ということがある。)を含有することが好ましい。
N−フェニルマレイミド、N−o−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−m−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(アクリジニル)マレイミド等を挙げることができる。
これらのN−位置換マレイミド類のうち、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が好ましく、特に、N−フェニルマレイミドが好ましい。共重合体(C1)において、N−位置換マレイミド類は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
マレイン酸、無水マレイン酸、o−ビニルフェノール、m−ビニルフェノール、p−ビニルフェノール、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、アセナチレン、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ] デカン−8−イル(メタ)アクリレート、o−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、m−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−m−ヒドロキシフェニルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/α−メチルスチレン/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/フェニル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/フェニル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/N−フェニルマレイミド/スチレン/アリル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン/アリル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/N−フェニルマレイミド/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/N−フェニルマレイミド/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/N−フェニルマレイミド/スチレン/2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/N−フェニルマレイミド/スチレン/2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート/N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート/N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/スチレン/n−ブチル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/スチレン/2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/スチレン/2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体
等を挙げることができる。
本発明においては、共重合体(C1)における各不飽和化合物の共重合割合を前記範囲とすることにより、光透過率かつ優れた現像性を示す着色層形成用感放射線性組成物を得ることができる。
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体
等を挙げることができる。
また、本発明における共重合体(C1)および他のアルカリ可溶性樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)は、通常、1,000〜45,000、好ましくは3,000〜30,000である。
この場合、Mwが1,000未満であると、得られる被膜の残膜率等が低下したり、パターン形状、耐熱性等が損なわれたり、また電気特性が悪化するおそれがあり、一方45,000を超えると、解像度が低下したり、パターン形状が損なわれたり、またスリットノズル方式による塗布時に乾燥異物が発生し易くなるおそれがある。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
この再沈殿法に使用される良溶媒/沈殿剤の組み合わせとしては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート/n−ヘキサン、メチルエチルケトン/n−ヘキサン、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート/n−ヘプタン、メチルエチルケトン/n−ヘプタン等を挙げることができる。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂の合計含有量は、(A)着色剤100重量部に対して、通常、10〜1,000重量部、好ましくは20〜500重量部である。この場合、アルカリ可溶性樹脂の合計含有量が10重量部未満では、例えば、アルカリ現像性が低下したり、未露光部の基板上あるいは遮光層上に残渣や地汚れが発生するおそれがあり、一方1,000重量部を超えると、相対的に着色剤濃度が低下するため、薄膜として目的とする色濃度を達成することが困難となるおそれがある。
また、アルカリ可溶性樹脂中の共重合体(C1)の含有割合は、好ましくは10〜100重量%、特に好ましくは30〜100重量%である。この場合、共重合体(C1)の使用割合が10重量%未満では、本発明の所期の効果が損なわれるおそれがある。
本発明における多官能性単量体は、2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体である。
このような多官能性単量体としては、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;
ジエチレングリコール以上のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール以上のポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物;
ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂等のオリゴ(メタ)アクリレート類;
両末端に水酸基を有するポリ−1,3−ブタジエン、両末端に水酸基を有するポリイソプレン、両末端に水酸基を有するポリカプロラクトン等の両末端に水酸基を有する重合体のジ(メタ)アクリレート類や、
トリス〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕フォスフェート
等を挙げることができる。
前記単官能性単量体としては、例えば、前記(C)アルカリ可溶性樹脂について例示したカルボキシル基含有不飽和単量体、共重合性不飽和単量体や、N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルフタルイミド、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルイミダゾリジン、N−ビニルインドール、N−ビニルインドリン、N−ビニルベンズイミダゾ−ル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピペリジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルフェノキサジン等のN−ビニル含窒素複素環式化合物;N−(メタ)アクリロイルモルフォリンのほか、市販品として、M−5300、M−5400、M−5600(商品名、東亞合成(株)製)等を挙げることができる。
これらの単官能性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、前記(D)多官能性単量体および場合により使用される単官能性単量体の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。
このような光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。
これらのアセトフェノン系化合物のうち、特に、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1,2−オクタンジオン等が好ましい。
前記アセトフェノン系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらのビイミダゾール系化合物は、溶剤に対する溶解性に優れ、未溶解物、析出物等の異物を生じることがなく、しかも感度が高く、少ないエネルギー量の露光により硬化反応を十分進行させるとともに、未露光部で硬化反応が生じることがないため、露光後の塗膜は、現像液に対して不溶性の硬化部分と、現像液に対して高い溶解性を有する未硬化部分とに明確に区分され、それにより、アンダーカットのない着色層パターンが所定の配列に従って配置された高精細なカラーフィルタを形成することができる。
前記ビイミダゾール系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。
本発明における水素供与体としては、下記で定義するメルカプタン系化合物、アミン系化合物等が好ましい。
前記アミン系化合物は、ベンゼン環あるいは複素環を母核とし、該母核に直接結合したアミノ基を1個以上、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「アミン系水素供与体」という。)からなる。
なお、これらの水素供与体は、メルカプト基とアミノ基とを同時に有することもできる。
メルカプタン系水素供与体は、ベンゼン環あるいは複素環をそれぞれ1個以上有することができ、またベンゼン環と複素環との両者を有することができ、これらの環を2個以上有する場合、縮合環を形成しても形成しなくてもよい。
また、メルカプタン系水素供与体は、メルカプト基を2個以上有する場合、少なくとも1個の遊離メルカプト基が残存する限りでは、残りのメルカプト基の1個以上がアルキル、アラルキルまたはアリール基で置換されていてもよく、さらには少なくとも1個の遊離メルカプト基が残存する限りでは、2個の硫黄原子がアルキレン基等の2価の有機基を介在して結合した構造単位、あるいは2個の硫黄原子がジスルフィドの形で結合した構造単位を有することができる。
さらに、メルカプタン系水素供与体は、メルカプト基以外の箇所で、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、置換フェノキシカルボニル基、ニトリル基等によって置換されていてもよい。
これらのメルカプタン系水素供与体のうち、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾールが好ましく、特に2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
また、アミン系水素供与体は、アミノ基の1個以上がアルキル基または置換アルキル基で置換されてもよく、またアミノ基以外の箇所で、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、置換フェノキシカルボニル基、ニトリル基等によって置換されていてもよい。
これらのアミン系水素供与体のうち、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましく、特に4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
なお、アミン系水素供与体は、ビイミダゾール系化合物以外の光重合開始剤の場合においても、増感剤としての作用を有するものである。
メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体との組み合わせの具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を挙げることができ、さらに好ましい組み合わせは、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンであり、特に好ましい組み合わせは、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンである。
メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体との組み合わせにおけるメルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体との重量比は、通常、1:1〜1:4、好ましくは1:1〜1:3である。
前記トリアジン系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記O−アシルオキシム系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感放射線性組成物は、上記(A)〜(E)成分を含有するものであるが、必要に応じて他の添加剤をさらに含有することもできる。
前記他の添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤等を挙げることができる。
本発明の感放射線性組成物は、前記(A)〜(E)成分、および任意的に加えられる他の添加剤を含有するものであるが、通常、溶媒を配合して液状組成物として調製される。
前記溶媒としては、感放射線性組成物を構成する(A)〜(E)成分や他の添加剤成分を分散または溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
メタノール、エタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−オン)、4−ヒドロキシ−4−メチルヘキサン−2−オン等のケトン類;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピオン酸n−ブチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ヒドロキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、2−オキソ酪酸酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類
等を挙げることができる。
前記溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記高沸点溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
次に、本発明の感放射線性組成物を用いて、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタを形成する方法は、通常、少なくとも下記(1)〜(4)の工程を含んでいる。
(1)基板上に本発明の感放射線性組成物の塗膜を形成する工程。
(2)前記塗膜の少なくとも一部に露光する工程。
(3)露光後の塗膜を現像する工程。
(4)現像後の塗膜をポストベークする工程。
以下、これらの工程について順次説明する。
先ず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するように遮光層を形成して、この基板上に、例えば、赤色の着色剤を含有する本発明の感放射線性組成物を、通常、液状組成物として塗布したのち、プレベークして溶媒を蒸発除去することにより、塗膜を形成する。
この工程で使用される基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホンのほか、環状オレフィンの開環重合体やその水素添加物等を挙げることができる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
液状組成物を基板に塗布する際には、回転塗布法、流延塗布法、ロール塗布法、スリットダイコーターを用いる塗布法等の適宜の塗布法を採用することができるが、回転塗布法、スリットダイコーターを用いる塗布法が好ましい。
プレベークの条件は、通常、70〜110℃で2〜4分程度である。
塗布厚さは、溶媒除去後の膜厚として、通常、1.0〜10μm、好ましくは1.0〜6.0μm、特に好ましくは1.0〜4.0μmである。
その後、形成された塗膜の少なくとも一部に露光する。この場合、塗膜の一部に露光する際には、通常、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。
露光に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
放射線の露光量は、通常、10〜10,000J/m2 である。
その後、現像液、好ましくはアルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去する。
前記アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
前記アルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
現像条件は、常温で10〜300秒程度が好ましい。
その後、現像後の塗膜をポストベークすることにより、感放射線性組成物の硬化物からなる赤色の画素パターンが所定の配列で配置された基板を得ることができる。
ポストベークの条件は、180〜230℃で20〜40分程度が好ましい。
このようにして形成された画素の膜厚は、通常、0.5〜5.0μm、好ましくは1.0〜3.0μmである。
本発明のカラーフィルタは、本発明の感放射線性組成物から形成された赤色の画素を有するものである。
本発明のカラーフィルタは、ノートパソコンを代表とする輝度の高い液晶ディスプレイ用途に対し極めて有用である。
本発明のカラー液晶表示素子は、本発明のカラーフィルタを具備するものである。
本発明のカラー液晶表示素子は、適宜の構造をとることができる。例えば、カラーフィルタを、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板とは別の基板上に形成して、駆動用基板とカラーフィルタを形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることができ、さらに薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の表面上にカラーフィルタを形成した基板と、ITO(錫をドープした酸化インジュウム)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示素子が得られるという利点を有する。
したがって、本発明の感放射線性組成物は、電子工業分野におけるカラー液晶表示装置用カラーフィルタや固体撮像素子の色分解用カラーフィルタを始めとする各種のカラーフィルタの作製に極めて好適に使用することができる。
顔料分散液の調製
調製例1
(A)着色剤としてC.I.ピグメントオレンジ38を15重量部、(B)分散剤としてアジスパーPB822(味の素ファインテクノ株式会社製)を4重量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを81重量部、ビーズミルにより12時間混合・分散して、顔料分散液(M−1)を調製した。
調製例1において、着色剤と分散剤を表1に示すように変更した以外は調製例1と同様にして、顔料分散液(M−2)〜(M−12)を調製した。
ORANGE38:C.I.ピグメントオレンジ38
RED254 :C.I.ピグメントレッド254
PB822 :アジスパーPB822(カチオン性櫛型グラフトポリマー分散剤、味の素ファインテクノ株式会社製)
PB821 :アジスパーPB821(カチオン性櫛型グラフトポリマー分散剤、味の素ファインテクノ株式会社製)
S24000 :ソルスパース24000(カチオン性櫛型グラフトポリマー分散剤、ルーブリゾール(株)社製)
BYK182 :Disperbyk−182(ポリウレタン型分散剤、ビックケミー(BYK)社製)
BYK2050 :Disperbyk−2050(アクリル系ランダム共重合体型分散剤、ビックケミー(BYK)社製)
BYK2001 :Disperbyk−2001(アクリル系ブロック共重合体型分散剤、ビックケミー(BYK)社製)
合成例1
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込み、引き続きメタクリル酸15重量部、N−フェニルマレイミド20重量部、ベンジルメタクリレート55重量部、スチレン10重量部および分子量調節剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(日本油脂(株)製 商品名:ノフマーMSD)3重量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、樹脂溶液(固形分濃度=33.3重量%)を得た。得られた樹脂は、Mw=16,000、Mn=7,000であった。この樹脂溶液を「樹脂溶液(C−1)」とする。
顔料分散液(M−1)100重量部、(C)アルカリ可溶性樹脂として樹脂溶液(C−1)10重量部(固形分換算)、(D)多官能性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート15重量部、(E)光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン4重量部と4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン1重量部、および溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度25%の液状組成物(S−1)を調製した。液状組成物(S−1)において、着色剤の含有量は、全固形分中30.6重量%である。
液状組成物(S−1)について、下記の手順にしたがって、画素パターンを形成して評価を行った。評価結果を表2に示す。
液状組成物(S−1)を、表面にナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2 膜が形成されたソーダガラス基板上に、スピンコーターを用いて回転数を変量して3枚塗布したのち、90℃のホットプレートで4分間プレベークを行って、膜厚の異なる3枚の塗膜を形成した。
次いで、これらの基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nmおよび436nmの各波長を含む放射線を400J/m2 の露光量で露光した。その後、これらの基板に対して23℃の0.04重量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm2 (ノズル径1mm)で吐出することにより、シャワー現像を行ったのち、さらに220℃で30分間ポストベークを行って、基板上に200×200μmの赤色ドットパターンを形成した。
得られた赤色ドットパターンについて、カラーアナライザー(大塚電子(株)製MCPD2000)を用い、C光源、2度視野にて、CIE表色系における色度座標値(x,y)及び刺激値(Y)を測定した。測定結果より、一定の色度座標値xでの色度座標値yおよび刺激値(Y)を求めた。評価結果を表2に示す。Y値が大きいほど光透過率(輝度)が高いことを示す。
液状組成物(S−1)を、表面にナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が形成された直径4インチのソーダガラス基板上に、スピンコートしたのち、80℃のクリーンオーブン内で10分間プレベークを行って基板上に3.0μmの塗膜を形成した。
次いで、この基板を、0.04重量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液1000cc中に浸漬すると共に該現像液をゆるやかに撹拌し、塗膜が完全に溶解するのに要する時間を測定した。その結果、塗膜が完全に溶解するのに要した時間が50秒未満であった場合を○、50秒以上100秒未満であった場合を△、100秒以上であった場合を×とした。評価結果を表2に示す。
実施例1において、顔料分散液を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、液状組成物(S−2)〜(S−12)を調製した。
次いで、液状組成物(S−1)に代えてそれぞれ液状組成物(S−2)〜(S−12)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
Claims (5)
- (A)着色剤、(B)分散剤、(C)アルカリ可溶性樹脂、(D)多官能性単量体、並びに(E)光重合開始剤を含有する着色層形成用感放射線性組成物であって、(A)着色剤としてC.I.ピグメントオレンジ38を含有し、(B)分散剤としてカチオン性櫛型グラフトポリマーを含有することを特徴とする赤色カラーフィルタ用感放射線性組成物。
- カチオン性櫛型グラフトポリマーの酸価が1〜80mgKOH/gである請求項1に記載の感放射線性組成物。
- (A)着色剤の含有量が全固形分中30〜60重量%である請求項1または2に記載の感放射線性組成物。
- 請求項1〜3に記載の感放射線性組成物を用いて形成された着色層を備えてなるカラーフィルタ。
- 請求項4に記載のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子。
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