JP2017032732A - 偏光フィルム - Google Patents
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[1]PVAを含むマトリックスにヨウ素系色素が吸着している偏光フィルムであって、単体光線透過率をX%とし単体b値をYとした際に0.5X+Y≦23.7の関係を満たし、カリウム原子の含有量がヨウ素原子の含有量の6.5質量倍以下である、偏光フィルム;
[2]PVAを含むマトリックスにヨウ素系色素が吸着している偏光フィルムであって、単体光線透過率をX%とし単体b値をYとした際に0.5X+Y≦23.7の関係を満たし、温度80℃の条件下に24時間放置した際の単体光線透過率(X’%)と放置前の単体光線透過率(X%)との差が0.4%以下である、偏光フィルム;
[3]カリウム原子の含有量がヨウ素原子の含有量の6.5質量倍以下である、上記[2]の偏光フィルム;
[4]PVAのけん化度が97〜99.5モル%である、上記[1]〜[3]のいずれか1つの偏光フィルム;
[5]Xが43以上である、上記[1]〜[4]のいずれか1つの偏光フィルム;
[6]偏光度が99.5%以上である、上記[1]〜[5]のいずれか1つの偏光フィルム;
[7]上記[1]〜[6]のいずれか1つの偏光フィルムの片面または両面に保護フィルムが貼り合わされた偏光板;
に関する。
本発明の偏光フィルムは、PVAを含むマトリックスにヨウ素系色素が吸着している偏光フィルムであって、単体光線透過率をX%とし単体b値をYとした際に0.5X+Y≦23.7の関係を満たす。そして、本発明の1つの態様では、当該偏光フィルムにおけるカリウム原子の含有量が、当該偏光フィルムにおけるヨウ素原子の含有量の6.5質量倍以下である(以下、当該偏光フィルムを「偏光フィルムA」と称する場合がある)。また本発明の別の態様では、温度80℃の条件下に24時間放置した際の単体光線透過率(X’%)と放置前の単体光線透過率(X%)との差が0.4%以下である(以下、当該偏光フィルムを「偏光フィルムB」と称する場合がある)。
なお、偏光フィルムの製造条件などにもよるが、PVAフィルムに含まれる可塑剤は偏光フィルムを製造する際に溶出するなどするため、その全量が偏光フィルムに残存するとは限らない。
なお、以下の実施例および比較例において採用された、PVAフィルムの膨潤度および軟化点、ならびに、偏光フィルムの単体光線透過率(X%)、単体b値(Y)、偏光度、ヨウ素原子の含有量に対するカリウム原子の含有量の割合および耐久性の各測定または評価方法を以下に示す。
測定対象となるPVAフィルムから幅方向に10cm、長さ方向に20cmの長方形のサンプルを切り出し、このサンプルをさらに幅が2〜3mm、長さが20cmの短冊状にカットした。その後、これらの短冊状のサンプル全てを30℃の1,000gの蒸留水中にそのまま浸漬した。30分間浸漬後に短冊状のサンプルを取り出し、遠心分離機(KOKUSAN XEM−KL−5886)を用いて3,000rpmで5分間遠心脱水し、脱水後の質量「N」(短冊状のサンプル全ての合計)を測定した。続いて、その短冊状のサンプルを105℃の乾燥機で16時間乾燥した後、質量「M」(短冊状のサンプル全ての合計)を測定し、式:膨潤度(%)=100×N/Mにより膨潤度を算出した。なお同様の測定を3回行い、その平均値を採用した。
測定対象となるPVAフィルムの軟化点を、第一理化株式会社製自動軟化点測定装置「EX−820」を使用して測定した。具体的には、PVAフィルムから3cm角のサイズの正方形のサンプルを切り出し、このサンプルを中央に直径1cmの円形の穴のあいた厚み1mmで3cm角のステンレス板と中央に1cm×2cmの長方形の穴のあいた厚み1mmで3cm角のステンレス板との間に挟み、円形の穴のあいたステンレス板の方を上面にして架台に設置して、円形の穴の中央に位置するフィルム上にJIS B 1501:2009に定める鋼球(呼び:3/8(直径9.525mm)、等級:G60、質量:3.5g±0.05g)を載せた。続いて25℃の蒸留水を750mL入れ、毎分5℃で昇温し、フィルムが架台から25mmの位置まで降下したときの温度をPVAフィルムの軟化点とした。
以下の実施例または比較例で得られた偏光フィルムの幅方向の中央部から、偏光フィルムの長さ方向に4cmの長方形のサンプルを採取し、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製「V7100」)を用いて、このサンプルを当該分光光度計に設置して単体光線透過率(X%)、単体b値(Y)および偏光度を求めた。なお、単体b値(Y)の測定においては、JIS Z 8722(物体色の測定方法)に準拠し、C光源、2°視野の可視光領域の視感度補正を行った。
以下の実施例または比較例で得られた偏光フィルムから約0.005gのサンプルを切り出して精評し、それを20gの純水に溶解させた。得られた溶液をICP発光分析装置(島津製作所製「ICPE−9000」)で分析し、偏光フィルムに含まれるヨウ素原子の含有量およびカリウム原子の含有量を求め、これらの値から偏光フィルムにおけるヨウ素原子の含有量に対するカリウム原子の含有量の割合(質量倍)を算出した。
以下の実施例または比較例で得られた偏光フィルムの幅方向の中央部から、偏光フィルムの長さ方向に4cmの長方形のサンプルを採取し、額縁状のステンレス製金枠2枚で挟んだ。これを温度80℃、湿度5%RH以下の環境下に24時間放置(暴露処理)した。当該暴露処理後のサンプルの単体光線透過率を上記した単体光線透過率(X%)の測定と同様にして求め、暴露処理前後での単体光線透過率の差をΔ透過率と定義し、偏光フィルムの耐久性評価指標とした。
PVA(酢酸ビニルの単独重合体のけん化物、重合度2,400、けん化度99.9モル%)100質量部に対して、可塑剤としてグリセリンを10質量部、および、界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを0.1質量部含む長尺で単層のPVAフィルム(厚み30μm、長さ1.5m、幅30cm、膨潤度200%、軟化点67.9℃)に対して、膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程、固定処理工程および乾燥工程を行うことにより偏光フィルムを製造した。
すなわち、上記のPVAフィルムを、温度30℃の水中に1分間浸漬している間に元の長さの2倍に長さ方向(MD)に一軸延伸(1段目延伸)した後、使用量としてヨウ素を0.02質量%およびヨウ化カリウムを0.6質量%の濃度で水に混合してなる温度30℃の染色浴に2分間浸漬している間に元の長さの3倍まで長さ方向(MD)に一軸延伸(2段目延伸)し、次いでホウ酸を2.5質量%の濃度で含有する温度32℃の架橋浴に2分間浸漬している間に元の長さの3.6倍まで長さ方向(MD)に一軸延伸(3段目延伸)し、さらにホウ酸を2.8質量%およびヨウ化カリウムを5質量%の濃度で含有する温度56.6℃のホウ酸/ヨウ化カリウム水溶液中に浸漬している間に元の長さの6.3倍まで長さ方向(MD)に一軸延伸(4段目延伸)し、その後、ホウ酸を1.5質量%およびヨウ化カリウムを5質量%の濃度で含有する温度22℃のヨウ化カリウム水溶液(洗浄浴)中に5秒間浸漬することによりフィルムを洗浄し、続いて60℃の乾燥機で240秒間乾燥することにより、厚み12μmの偏光フィルムを製造した。
得られた偏光フィルムを用いて上記した方法により、単体光線透過率(X%)、単体b値(Y)、偏光度、ヨウ素原子の含有量に対するカリウム原子の含有量の割合および耐久性を測定ないし評価した。その結果を表1に示した。
4段目延伸後のフィルムの洗浄において使用したヨウ化カリウム水溶液(洗浄浴)におけるヨウ化カリウムの濃度を2.4質量%に変更したこと以外は、比較例1と同様にしてPVAフィルムおよび偏光フィルムを製造し、得られた偏光フィルムを用いて上記した方法により、単体光線透過率(X%)、単体b値(Y)、偏光度、ヨウ素原子の含有量に対するカリウム原子の含有量の割合および耐久性を測定ないし評価した。その結果を表1に示した。
PVAとして酢酸ビニルの単独重合体のけん化物(重合度2,400、けん化度98.9モル%)のPVAを含むこと以外は比較例1および2で用いたのと同様のPVAフィルム(ただし、膨潤度は200%であり、軟化点は62.9℃であった)を用い、また、4段目延伸の温度を56℃とし、延伸倍率を6.6倍としたこと以外は、比較例2と同様にして偏光フィルムを製造し、得られた偏光フィルムを用いて上記した方法により、単体光線透過率(X%)、単体b値(Y)、偏光度、ヨウ素原子の含有量に対するカリウム原子の含有量の割合および耐久性を測定ないし評価した。その結果を表1に示した。
Claims (7)
- ポリビニルアルコールを含むマトリックスにヨウ素系色素が吸着している偏光フィルムであって、単体光線透過率をX%とし単体b値をYとした際に0.5X+Y≦23.7の関係を満たし、カリウム原子の含有量がヨウ素原子の含有量の6.5質量倍以下である、偏光フィルム。
- ポリビニルアルコールを含むマトリックスにヨウ素系色素が吸着している偏光フィルムであって、単体光線透過率をX%とし単体b値をYとした際に0.5X+Y≦23.7の関係を満たし、温度80℃の条件下に24時間放置した際の単体光線透過率(X’%)と放置前の単体光線透過率(X%)との差が0.4%以下である、偏光フィルム。
- カリウム原子の含有量がヨウ素原子の含有量の6.5質量倍以下である、請求項2に記載の偏光フィルム。
- ポリビニルアルコールのけん化度が97〜99.5モル%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光フィルム。
- Xが43以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光フィルム。
- 偏光度が99.5%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光フィルム。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光フィルムの片面または両面に保護フィルムが貼り合わされた偏光板。
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