JP2021165809A - 偏光膜および偏光フィルム - Google Patents

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    • C08J2329/02Homopolymers or copolymers of unsaturated alcohols
    • C08J2329/04Polyvinyl alcohol; Partially hydrolysed homopolymers or copolymers of esters of unsaturated alcohols with saturated carboxylic acids

Abstract

【課題】ヨウ素の含有量が多い偏光膜において、高温環境下において、偏光膜の着色による単体透過率の低下の抑制効果に優れる偏光膜を提供すること。【解決手段】ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素が吸着配向して形成される偏光膜であって、ヨウ素の含有量が10重量%超であり、かつ、ヨウ化物由来のカチオン元素の含有量が3.5重量%以上である偏光膜。【選択図】なし

Description

本発明は、偏光膜および偏光フィルムに関する。
従来、液晶表示装置や有機EL表示装置等の各種画像表示装置に用いる偏光膜としては、高透過率と高偏光度を兼ね備えていることから、染色処理された(ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を含有する)ポリビニルアルコール系フィルムが用いられている。当該偏光膜は、ポリビニルアルコール系フィルムに、浴中にて、例えば、膨潤、染色、架橋、延伸等の各処理を施した後に、洗浄処理を施してから、乾燥することにより製造される。また前記偏光膜は、通常、その片面または両面にトリアセチルセルロース等の保護フィルムが接着剤を用いて貼合された偏光フィルム(偏光板)として用いられている。
一方、偏光膜の薄型化に伴い、ヨウ素の含有量が多い偏光膜が求められている(特許文献1)。さらには、このような薄型の偏光膜においても、高温環境下(105℃×30時間)での単体透過率の変化量が抑制できるものが知られている(特許文献2)。
国際公開第2018/186244号 国際公開第2019/103002号
しかし、特許文献1および2で具体的に開示された薄型の偏光膜では、高温環境下における単体透過率の低下の抑制は十分ではなく、当該性能の改善の余地があった。
一方、本発明者らは、ヨウ素系偏光膜中に含まれるヨウ素が高温環境下でポリエン化を促進させることを見出した。よって、高温環境下における、偏光膜の着色による単体透過率の低下を抑制するためには、偏光膜中のヨウ素の含有量を減少させることは有効である。一方で、良好な偏光度を有するヨウ素の含有量が多い偏光膜を得ることが困難であった。
以上のような事情に鑑み、本発明は、ヨウ素の含有量が多い偏光膜において、高温環境下において、偏光膜の着色による単体透過率の低下の抑制効果に優れる偏光膜を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記の偏光膜を用いた偏光フィルムを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素が吸着配向して形成される偏光膜であって、ヨウ素の含有量が10重量%超であり、かつ、ヨウ化物由来のカチオン元素の含有量が3.5重量%以上である偏光膜に関する。
また、本発明は、前記偏光膜の少なくとも一方の面に透明保護フィルムまたは光学機能フィルムが貼り合わされている偏光フィルムに関する。
本発明の偏光膜における効果の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。ただし、本発明は、この作用メカニズムに限定して解釈されない。
本発明の偏光膜は、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素が吸着配向して形成される偏光膜であって、ヨウ素の含有量が10重量%超であり、かつ、ヨウ化物由来のカチオン元素の含有量が3.5重量%以上である。本発明の偏光膜は、多量に含まれるヨウ化物が、偏光膜中に存在するヨウ素錯体と相互作用することで、高温環境下における偏光膜の着色による単体透過率の低下(ポリエン化)を抑制できると推定される。なお、本発明では、偏光膜中のヨウ化物の含有量を測る指標として、ヨウ化物由来のカチオン元素を定量する。
<偏光膜>
本発明の偏光膜は、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素が吸着配向して形成される偏光膜であって、ヨウ素の含有量が10重量%超であり、かつ、ヨウ化物由来のカチオン元素の含有量が3.5重量%以上である。
前記偏光膜は、偏光膜の初期の偏光度を良好にする観点から、前記ヨウ素の含有量が10重量%超である。前記偏光膜は、初期の偏光度を99.98以上に制御する観点から、前記ヨウ素の含有量が、12重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましく、そして、ポリエン化を抑制する観点から、前記ヨウ素の含有量が、30重量%以下であることが好ましく、25重量%以下であることがより好ましい。
前記偏光膜は、ヨウ化物由来のカチオン元素の含有量が3.5重量%以上である。前記偏光膜は、高温環境下における偏光膜の着色による単体透過率の低下の抑制効果を向上させる観点から、前記ヨウ化物由来のカチオン元素の含有量が、3.8重量%以上であることが好ましく、4.0重量%以上であることがより好ましく、そして、偏光膜の色相の観点から、前記ヨウ化物由来のカチオン元素の含有量が、15重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましい。前記ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。
前記偏光膜は、初期の偏光度を99.98以上に制御する観点から、厚みが0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、そして、偏光膜の薄型化の観点から、厚みが10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。
<偏光膜の製造方法>
前記偏光膜の製造方法は、ポリビニルアルコール系フィルム(PVA系フィルム)に、任意の膨潤工程、洗浄工程および乾燥工程と、少なくとも、染色工程、架橋工程および延伸工程を施して得られる。前記偏光膜中に含まれる前記ヨウ素およびヨウ化物由来のカチオン元素の含有量は、膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程および洗浄工程における各処理浴のいずれかに含まれる前記ヨウ素ならびにヨウ化カリウム等のヨウ化物等の濃度、上記の各処理浴による処理温度および処理時間によって制御できる。とくに、染色工程、架橋工程、および延伸工程を施した後に、洗浄工程を施す場合、洗浄工程は、染色工程、架橋工程、および延伸工程等での処理条件を考慮したうえで、ヨウ素やヨウ化物等の成分をポリビニルアルコール系フィルムから溶出、あるいはポリビニルアルコール系フィルムに吸着させることができる観点から、ヨウ素の含有量やヨウ化物由来のカチオン元素の含有量を所望の範囲に調整し易い。また、各工程は、任意の適切な順序で行えばよく、必要に応じ、1つの工程を複数回行ってもよい。
前記各処理浴の少なくとも一つの処理浴に含まれるヨウ化物の濃度は、各処理の処理回数、処理時間、処理温度等の影響を受けるため一概に決定できないが、偏光膜中のヨウ化物由来のカチオン元素の含有量を3.5重量%以上に制御する観点から、通常、10重量%以上であることが好ましく、12重量%以上であることがより好ましく、15重量%以上であることがさらに好ましく、そして、偏光膜の色相の観点から、50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、30重量%以下であることがさらに好ましい。
前記ポリビニルアルコール系フィルムは、可視光領域において透光性を有し、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を分散吸着するものを特に制限なく使用できる。前記ポリビニルアルコール系フィルムの材料としては、ポリビニルアルコールまたはその誘導体が挙げられる。前記ポリビニルアルコールの誘導体としては、例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール;エチレン、プロピレン等のオレフィン;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸、およびそのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したもの等が挙げられる。前記ポリビニルアルコールは、平均重合度が100〜10,000程度であることが好ましく、1,000〜10,000程度であることがより好ましく、1,500〜4,500程度であることがさらに好ましい。また、前記ポリビニルアルコールは、ケン化度が80〜100モル%程度であることが好ましく、95モル%〜99.95モル程度であることがより好ましい。なお、前記平均重合度および前記ケン化度は、JIS K 6726に準じて求めることができる。
前記ポリビニルアルコール系フィルムには、可塑剤や界面活性剤等の添加剤を含有していてもよい。前記可塑剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の、ポリオールおよびその縮合物等が挙げられる。前記添加剤の使用量は、特に制限はないが、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム中、20重量%以下程度が好適である。
前記ポリビニルアルコール系フィルムは、長尺状の熱可塑性樹脂基材の片側に、ポリビニルアルコール系樹脂(PVA系樹脂)を含むポリビニルアルコール系樹脂層(PVA系樹脂層)を形成した積層体を用いてもよい。前記積層体を作製する方法としては、任意の適切な方法が採用され、例えば、前記熱可塑性樹脂基材の表面に、前記PVA系樹脂を含む塗布液を塗布し、乾燥することに方法が挙げられる。前記熱可塑性樹脂基材の厚みは、20〜300μm程度であることが好ましく、50〜200μm程度であることがより好ましい。前記PVA系樹脂層の厚みは、3〜40μm程度であることが好ましく、3〜20μm程度であることがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂基材の構成材料としては、任意の適切な熱可塑性樹脂が採用され得る。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系樹脂、非晶質(非晶性)のポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましく、さらに、熱可塑性樹脂基材は延伸性に極めて優れるとともに、延伸時の結晶化が抑制され得る観点から、非晶質(非晶性)ポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましく用いられる。非晶質(非晶性)のポリエチレンテレフタレート系樹脂としては、ジカルボン酸としてイソフタル酸および/またはシクロヘキサンジカルボン酸を含む共重合体や、グリコールとしてシクロヘキサンジメタノールやジエチレングリコールを含む共重合体が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂基材は、PVA系樹脂層を形成する前に、表面処理(例えば、コロナ処理等)を施してもよいし、熱可塑性樹脂基材上に易接着層を形成してもよい。このような処理を行うことにより、熱可塑性樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性を向上させることができる。また、前記熱可塑性樹脂基材は、PVA系樹脂層を形成する前に、延伸されていてもよい。
前記塗布液は、PVA系樹脂を溶媒に溶解させた溶液である。前記溶媒としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、各種グリコール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類が挙げられ、水が好ましい。これらは単独で、または、二種以上組み合わせて用いることができる。前記塗布液のPVA系樹脂の濃度は、熱可塑性樹脂基材に密着した均一な塗布膜を形成することができる観点から、溶媒100重量部に対して、3〜20重量部程度であることが好ましい。
前記塗布液には、延伸によるポリビニルアルコール分子の配向性を向上させる観点から、ハロゲン化物が配合されていてもよい。前記ハロゲン化物としては、任意の適切なハロゲン化物が採用でき、例えば、ヨウ化物および塩化ナトリウム等が挙げられる。前記ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウム等が挙げられ、ヨウ化カリウムが好ましい。前記塗布液中の前記ハロゲン化物の濃度は、PVA系樹脂100重量部に対して、5〜20重量部程度であることが好ましく、10〜15重量部程度であることがより好ましい。
また、前記塗布液には、添加剤を配合してもよい。前記添加剤としては、例えば、エチレングリコールやグリセリン等の可塑剤;非イオン界面活性剤等の界面活性剤等が挙げられる。
前記塗布液の塗布方法としては、任意の適切な方法を採用することができ、例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ナイフコート法(コンマコート法)等が挙げられる。
前記延伸工程において、PVA系フィルムは、代表的には、3〜7倍程度に一軸延伸される。延伸方向は、フィルムの長手方向(MD方向)であってもよく、フィルムの幅方向(TD方向)であってもよい。延伸方向は、透明保護フィルムまたは光学機能フィルムとロールtoロールで積層する観点から、TD方向であることが好ましい。延伸方法は、乾式延伸であってもよく、湿式延伸であってもよく、これらを組み合せてもよい。また、架橋工程、膨潤工程、染色工程等を行う際にPVA系フィルムを延伸してもよい。延伸工程は、一段階で行ってもよいし、多段階で行ってもよい。多段階で行う場合、延伸倍率は、各段階の延伸倍率の積である。なお、延伸方向は、得られる偏光膜の吸収軸方向に対応し得る。
前記膨潤工程は、必要に応じ、染色工程の前に行われる。膨潤工程は、例えば、PVA系フィルムを膨潤浴に浸漬することにより行われる。前記膨潤浴としては、通常、蒸留水、純水等の水が用いられる。前記膨潤浴は、水以外の任意の適切な他の成分を含んでいてもよい。前記他の成分としては、例えば、アルコール等の溶媒、界面活性剤等の添加剤、ヨウ化物等が挙げられる。前記膨潤浴の温度は、例えば、20〜45℃程度である。また、浸漬時間は、例えば、10〜300秒程度である。
前記染色工程は、PVA系フィルムを二色性物質で染色する工程である。吸着方法としては、例えば、二色性物質を含む染色液にPVA系フィルムを浸漬させる方法、PVA系フィルムに当該染色液を塗工する方法、当該染色液をPVA系フィルムに噴霧する方法等が挙げられ、二色性物質が良好に吸着し得る観点から、染色液にPVA系フィルムを浸漬させる方法が好ましい。
前記二色性物質としては、例えば、ヨウ素、二色性染料が挙げられ、ヨウ素が好ましい。前記二色性物質として、ヨウ素を用いる場合、染色液としては、ヨウ素水溶液が好ましく用いられる。ヨウ素水溶液のヨウ素の含有量は、水100重量部に対して、0.04〜5.0重量部程度であることが好ましい。また、ヨウ素の水に対する溶解度を高めるため、ヨウ素水溶液にヨウ化物を配合することが好ましく、この場合、前記ヨウ化物の含有量は、水100重量部に対して、0.3〜15重量部程度であることが好ましい。良好な光学特性を有する偏光膜を得る観点から、ヨウ素水溶液におけるヨウ素およびヨウ化物の含有量の比が、1:5〜1:20程度であることが好ましく、1:5〜1:10程度であることがより好ましい。染色液の温度は、例えば、20〜50℃である。浸漬時間は、例えば、5秒〜5分である。
前記架橋工程において、通常、架橋剤としてホウ素化合物が用いられる。前記ホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂等が挙げられ、ホウ酸が好ましい。前記ホウ素化合物は、通常、水溶液の形態で用いられる。ホウ素化合物を含む水溶液において、ホウ素化合物の濃度は、例えば、0.5〜15重量%程度であり、1〜10重量%程度であることが好ましい。また、前記ホウ素化合物を含む水溶液には、ヨウ化物を含んでいてもよい。
前記架橋工程は、例えば、ホウ素化合物を含む水溶液にPVA系フィルムを浸漬する方法、ホウ素化合物を含む水溶液をPVA系フィルムに塗布する方法、ホウ素化合物を含む水溶液をPVA系フィルムに噴霧する方法等が挙げられ、ホウ素化合物を含む水溶液に浸漬する方法が好ましい。
前記架橋工程において、ホウ素化合物を含む水溶液の温度は、例えば、25℃以上であり、30〜85℃程度であることが好ましく、40〜70℃程度であることがさらに好ましい。浸漬時間は、例えば、5〜800秒程度であり、8〜500秒程度であることが好ましい。
前記洗浄工程は、必要に応じ、架橋工程の後に行われる。洗浄工程は、代表的には、PVA系フィルムを洗浄液に浸漬させることにより行われる。洗浄液の代表例としては、純水が挙げられる。洗浄液には、ヨウ化物を含んでいてもよい。洗浄液の温度は、例えば、5〜50℃程度である。浸漬時間は、例えば、1〜300秒程度である。
さらに、前記膨潤工程、前記染色工程、前記架橋工程、前記延伸工程および前記洗浄工程における各処理浴には、亜鉛塩、pH調整剤、pH緩衝剤、その他塩類のような添加剤を含有していてもよい。前記亜鉛塩としては、例えば、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛等のハロゲン化亜鉛;硫酸亜鉛、酢酸亜鉛等の無機亜鉛塩等が挙げられる。前記pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等の強酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強塩基が挙げられる。前記pH緩衝剤としては、例えば、酢酸、シュウ酸、クエン酸等のカルボン酸およびその塩や、リン酸、炭酸のような無機弱酸およびその塩が挙げられる。前記その他塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化バリウム等の塩化物、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムのような硝酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムのような硫酸塩、およびアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩等が挙げられる。
前記乾燥工程は、例えば、自然乾燥、送風乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥等が挙げられ、加熱乾燥が好ましい。加熱乾燥を行う場合、加熱温度は、例えば、30〜100℃である。また、乾燥時間は、例えば、20秒〜10分間である。
<偏光フィルム>
本発明の偏光フィルムは、前記偏光膜の少なくとも一方の面に透明保護フィルムまたは光学機能フィルム等のフィルムが貼り合わされているものである。
前記透明保護フィルムは、特に制限されず、偏光フィルムに用いられている各種の透明保護フィルムを用いることができる。前記透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性等に優れる熱可塑性樹脂が用いられる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、トリアセチルセルロール等のセルロールエステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有する環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、およびこれらの混合物があげられる。また、前記透明保護フィルムは、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂から形成される硬化層を用いることができる。これらの中でも、セルロールエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好適である。
前記透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性等の観点から、1〜500μm程度であることが好ましく、1〜300μm程度あることがより好ましく、5〜100μm程度であることがさらに好ましい。
前記透明保護フィルムには、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、着色剤等の任意の適切な添加剤を含んでいてもよい。とくに、前記透明保護フィルムに紫外線吸収剤を含む場合、偏光フィルムの耐光性を向上できる。
前記光学機能フィルムは、特に限定されず、例えば、反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視野角補償フィルム、直線偏光分離フィルムなどの輝度向上フィルム等の液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学機能フィルムを1層または2層以上用いることができる。前記光学機能フィルムを有する偏光フィルムとしては、例えば、前記偏光膜に更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光フィルムまたは半透過型偏光フィルム、前記偏光膜に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光フィルムまたは円偏光フィルム、前記偏光膜に更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光フィルム、あるいは前記偏光膜に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光フィルムが挙げられる。
前記透明保護フィルムまたは光学機能フィルム等のフィルムを、前記偏光膜の両面に貼り合わせる場合、その両面のフィルムは、同じものであってもよく、異なっていてもよい。
前記フィルムの偏光膜を貼り合わせない面には、ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等の機能層を設けることができる。なお、上記ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等の機能層は、フィルムそのものとして設けることができるほか、別途、フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
前記偏光膜と前記フィルム、あるいは前記偏光膜と前記機能層は、通常、粘着剤層または接着剤層を介して貼り合わされる。
前記粘着剤層を形成する粘着剤としては、偏光フィルムに用いられている各種の粘着剤を適用でき、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルポロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、アクリル系粘着剤が好適である。
前記粘着剤層を形成する方法としては、例えば、前記粘着剤を剥離処理したセパレータ等に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した後に、偏光膜等に転写する方法、または前記粘着剤を偏光膜等に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成する方法等が例示できる。前記粘着剤層の厚さは、特に制限されず、例えば、1〜100μm程度であり、2〜50μm程度であることが好ましい。
前記接着剤層を形成する接着剤としては、偏光フィルムに用いられている各種の接着剤を適用でき、例えば、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリエステル等が挙げられる。これら接着剤は、通常、水溶液からなる接着剤(水系接着剤)として用いられ、0.5〜60重量%の固形分を含有してなる。
前記水系接着剤は、架橋剤を含んでいてもよい。前記架橋剤としては、通常、接着剤を構成するポリマー等の成分と反応性を有する官能基を1分子中に少なくとも2つ有する化合物が用いられ、例えば、アルキレンジアミン類;イソシアネート類;エポキシ類;アルデヒド類;メチロール尿素、メチロールメラミン等のアミノ−ホルムアルデヒド等が挙げられる。接着剤中の架橋剤の配合量は、接着剤を構成するポリマー等の成分100重量部に対して、通常、10〜60重量部程度である。
前記接着剤としては、上記の他、紫外線硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤等の活性エネルギー線硬化型接着剤が挙げられる。前記活性エネルギー線硬化型接着剤としては、例えば、(メタ)アクリレート系接着剤が挙げられる。前記(メタ)アクリレート系接着剤における硬化性成分としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物が挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、炭素数が1〜20の鎖状アルキル(メタ)アクリレート、脂環式アルキル(メタ)アクリレート、多環式アルキル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリレート系接着剤は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N‐メチロール(メタ)アクリルアミド、N‐メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N‐エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等の窒素含有モノマーを含んでいてもよい。(メタ)アクリレート系接着剤は、架橋成分として、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート等の多官能モノマーを含んでいてもよい。また、カチオン重合硬化型接着剤としてエポキシ基やオキセタニル基を有する化合物も使用することができる。エポキシ基を有する化合物は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するものであれば特に限定されず、一般に知られている各種の硬化性エポキシ化合物を用いることができる。
前記接着剤は、必要に応じて適宜の添加剤を含んでいてもよい。前記添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤、エチレンオキシド等の接着促進剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、染料、加工助剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤、可塑剤、レベリング剤、発泡抑制剤、帯電防止剤、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤等が挙げられる。
前記接着剤の塗布は、前記フィルム側(あるいは前記機能層側)、前記偏光膜側のいずれに行ってもよく、両者に行ってもよい。貼り合わせ後には、乾燥工程を施し、塗布乾燥層からなる接着剤層を形成する。前記乾燥工程の後には、必要に応じ、紫外線や電子線を照射することができる。前記接着剤層の厚さは、特に制限されず、水系接着剤等を用いる場合には、30〜5000nm程度であることが好ましく、100〜1000nm程度であることがより好ましく、紫外線硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤等を用いる場合には、0.1〜100μm程度であることが好ましく、0.5〜10μm程度であることがより好ましい。
前記フィルムと前記偏光膜、あるいは前記偏光膜と前記機能層は、表面改質処理層、易接着剤層、ブロック層、屈折率調整層等の介在層を介して積層されていてもよい。
前記表面改質層を形成する表面改質処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理、ケン化処理等が挙げられる。
前記易接着層を形成する易接着剤としては、例えば、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格、ポリカーボネート骨格、ポリウレタン骨格、シリコーン系、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリビニルアルコール骨格等を有する各種樹脂を含む形成材が挙げられる。前記易接着層は、通常、前記フィルムに予め設けておき、当該フィルムの易接着層側と偏光膜とを、前記粘着剤層または前記接着剤層により積層する。
前記ブロック層は、前記フィルム等から溶出されるオリゴマーやイオン等の不純物が偏光膜中に移行(侵入)することを防止するため機能を有する層である。前記ブロック層は、透明性を有し、かつ前記フィルム等から溶出される不純物が防止できる層であればよく、ブロック層を形成する材としては、例えば、ウレタンプレポリマー系形成材、シアノアクリレート系形成材、エポキシ系形成材等が挙げられる。
前記屈折率調整層は、前記フィルムと偏光膜等の屈折率の異なる層間での反射に伴う透過率の低下を抑制するために設けられる層である。前記屈折率調整層を形成する屈折率調整材としては、例えば、シリカ系、アクリル系、アクリル−スチレン系、メラミン系等を有する各種樹脂及び添加剤を含む形成剤が挙げられる。
前記偏光フィルムは、表示パネル輝度の観点から、単体透過率が、30%以上であることが好ましく、35%以上であることがより好ましく、そして、初期の偏光度を99.98以上に制御する観点から、単体透過率が41%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましい。なお、単体透過率は、積分球付き分光光度計(例えば、日本分光株式会社製、製品名:V7100)を用い、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値である。
前記偏光フィルムは、偏光度が99.98%以上であることが好ましく、偏光度が99.99%以上であることがより好ましい。
前記偏光フィルムの一方の面あるいは両方の面には、他の部材を貼り合わせるための接着剤層が付設されてもよい。当該接着剤層としては、粘着剤層が好適である。前記粘着剤層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えば、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系等のポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系重合体を含む粘着剤のように、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性を示し、耐候性や耐熱性等に優れるものが好ましく用いられる。
前記偏光フィルムの片面または両面への粘着剤層の付設は、適宜な方式で行いうる。粘着剤層の付設としては、例えば、粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗布方式等の適宜な展開方式で前記偏光フィルム上に直接付設する方式、あるいは、セパレータ上に粘着剤層を形成して、それを前記偏光フィルム上に移着する方式等が挙げられる。前記粘着剤層の厚さは、使用目的や接着力等に応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。このように、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に粘着剤層が設けられたものを、粘着剤層付き偏光フィルムともいう。
前記粘着剤層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされることが好ましい。これにより、通例の取扱状態で粘着剤層の汚染等が防止できる。前記セパレータとしては、例えば、プラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したもの等が用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
<偏光膜および偏光フィルムの作製>
熱可塑性樹脂基材として、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)を用いた。基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、PVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。得られた積層体を、テンター延伸機を用いて、140℃で積層体の長手方向と直交する方向に4.5倍空中延伸した(延伸処理)。次いで、積層体を液温25℃の染色浴(ヨウ素濃度1.0重量%およびヨウ化カリウム濃度7.0重量%の水溶液)に12秒間浸漬させ、染色した(染色処理)。次いで、液温60℃の架橋浴(ホウ素濃度1.0重量%およびヨウ化カリウム濃度1.0重量%)に21秒間浸漬させた(架橋処理)。次いで、積層体を液温25℃の洗浄浴(ヨウ化カリウム濃度25重量%の水溶液)に10秒間浸漬させた(洗浄処理)。次いで、積層体を60℃のオーブンで21秒間乾燥させ(乾燥処理)、厚み1.2μmのPVA系樹脂層(偏光膜)を有する積層体を得た。次いで、得られたPVA系樹脂層(偏光膜)を有する積層体の偏光膜側に、厚み20μmのアクリル系粘着剤層を介し、直線偏光分離フィルム(3M社製、商品名「DBEF」)を貼り合わせた後、熱可塑性樹脂基材を剥離し、当該剥離面に厚み20μmのアクリル系粘着剤層を塗工して偏光フィルムを作製した。単体透過率は39.7%であった。
[偏光膜中のヨウ素の含有量(重量%)の測定方法]
偏光膜について、蛍光X線分析装置(リガク社製、商品名「ZSX−PRIMUS IV」、測定径:ψ20mm)を用いて、下記式を用いてヨウ素濃度(重量%)を求めた。
ヨウ素濃度(wt%)=14.474×(蛍光X線強度)/(フィルム厚み)(kcps/μm)なお、濃度を算出する際の係数は測定装置によって異なるが、当該係数は適切な検量線を用いて求めることができる。結果を表1に示す。
[偏光膜中のヨウ化物由来のカチオン元素の含有量(重量%)の測定方法]
約50mgの偏光膜をテフロン容器に秤量し、硝酸を加えて密栓後、マイクロ波を照射し、最高220℃で加圧酸分解を行った後、超純水を加えて25mLに定容し、適宜希釈後、ICP−AESによるカチオン元素の定量分析を行った。結果を表1に示す。
[偏光度の測定方法]
偏光フィルムの偏光度は、分光光度計(日本分光製、製品名「V7100」)を用いて測定することができる。偏光度の具体的な測定方法としては、偏光膜の平行透過率(H0)及び直交透過率(H90)を測定し、式:偏光度(%)={(H0−H90)/(H0+H90)}1/2×100より求めることができる。平行透過率(H0)は、同じ偏光膜2枚を互いの吸収軸が平行となるように重ね合わせて作製した平行型積層偏光膜の透過率の値である。また、直交透過率(H90)は、同じ偏光膜2枚を互いの吸収軸が直交するように重ね合わせて作製した直交型積層偏光膜の透過率の値である。なお、これらの透過率は、JlS Z 8701−1982の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値である。結果を表1に示す。
[高温環境下における単体透過率の評価]
上記で得られた偏光フィルムを、偏光膜の吸収軸が長辺と平行になるように5.0×4.5cmのサイズに切断し、偏光フィルムの粘着剤層面に、1.3mm無アルカリガラス板を貼り合わせ、積層体を作製した。得られた積層体を、温度105℃の熱風オーブン内に96時間静置し、投入(加熱)前後の単体透過率(ΔTs)を測定した。単体透過率は、分光光度計(日本分光製、製品名「V7100」)を用いて測定し、以下の基準で評価した。なお、測定波長は、380〜700nm(5nm毎)である。結果を表1に示す。
ΔTs(%)=Ts96−Ts
ここで、Tsは加熱前の積層体の単体透過率であり、Ts96は96時間加熱後の積層体の単体透過率である。前記ΔTs(%)は、5≧ΔTs(%)≧0であることが好ましく、3≧ΔTs(%)≧0であることがより好ましい。
<実施例2>
上記の<偏光膜および偏光フィルムの作製>において、洗浄浴を洗浄浴(ヨウ化カリウム濃度15重量%の水溶液)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを作製した。偏光膜および偏光フィルムの上記の測定および評価による結果を表1に示す。
<実施例3>
上記の<偏光膜および偏光フィルムの作製>において、洗浄浴を洗浄浴(ヨウ化カルシウム濃度25重量%の水溶液)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを作製した。偏光膜および偏光フィルムの上記の測定および評価による結果を表1に示す。
<実施例4>
上記の<偏光膜および偏光フィルムの作製>において、最終的に得られる偏光膜の厚みが4.8μmになるようにPVA系樹脂層を形成して積層体を作製し、染色浴を染色浴(ヨウ素濃度0.5重量%およびヨウ化カリウム濃度3.5重量%の水溶液)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを作製した。偏光膜および偏光フィルムの上記の測定および評価による結果を表1に示す。
<比較例1>
上記の<偏光膜および偏光フィルムの作製>において、洗浄浴を洗浄浴(ヨウ化カリウム濃度4.5重量%の水溶液)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを作製した。偏光膜および偏光フィルムの上記の測定および評価による結果を表1に示す。
<比較例2>
上記の<偏光膜および偏光フィルムの作製>において、洗浄浴を洗浄浴(ヨウ化カリウム濃度10重量%の水溶液)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを作製した。偏光膜および偏光フィルムの上記の測定および評価による結果を表1に示す。
<比較例3>
上記の<偏光膜および偏光フィルムの作製>において、最終的に得られる偏光膜の厚みが4.8μmになるようにPVA系樹脂層を形成して積層体を作製し、染色浴を染色浴(ヨウ素濃度0.5重量%およびヨウ化カリウム濃度3.5重量%の水溶液)に変更し、さらに、洗浄浴を洗浄浴(ヨウ化カリウム濃度4.5重量%の水溶液)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを作製した。偏光膜および偏光フィルムの上記の測定および評価による結果を表1に示す。
Figure 2021165809

Claims (5)

  1. ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素が吸着配向して形成される偏光膜であって、
    ヨウ素の含有量が10重量%超であり、かつ、ヨウ化物由来のカチオン元素の含有量が3.5重量%以上であることを特徴とする偏光膜。
  2. 厚みが10μm以下であることを特徴とする請求項1記載の偏光膜。
  3. 請求項1または2記載の偏光膜の少なくとも一方の面に透明保護フィルムまたは光学機能フィルムが貼り合わされていることを特徴とする偏光フィルム。
  4. 単体透過率が41%以下であることを特徴とする請求項3記載の偏光フィルム。
  5. 偏光度が99.98%以上であることを特徴とする請求項3または4記載の偏光フィルム。
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