JP2017032544A - 接触検知装置、近接/接触検知装置、ドアハンドル装置およびその制御方法、および電子キーシステム - Google Patents

接触検知装置、近接/接触検知装置、ドアハンドル装置およびその制御方法、および電子キーシステム Download PDF

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Abstract

【課題】静電方式の錠機構を有する車両のドアハンドルに付着する水滴等による誤動作を防止する接触検知装置、ドアハンドル装置およびその制御方法、および電子キーシステムを提供する。【解決手段】ドアハンドル装置1は、ドアに降りかかる水滴9を誘導するガイド溝19と、ガイド溝19に配置されるとともにドアへの接触を検知する接触検知電極132とを有する接触検知部120と、ドアの開錠および施錠を行う施錠部160と、接触検知電極132による検知結果に基いて、ドアへの接触が水滴9によるものであることを判定した場合に、ドアを施錠したままにするように施錠部160に指示する制御部200とを備える。【選択図】図1

Description

本実施形態は、接触検知装置、近接/接触検知装置、ドアハンドル装置およびその制御方法、および電子キーシステムに関する。
家やマンションの錠(ロック)、車両のドアロックなどは、カードやスマートフォン等の鍵(キー)との無線通信によって、閉開が可能である。鍵を持っている人は、ドアノブ、ドアハンドルに触れることなく、すなわち、鍵を身につけていれば、鍵を取り出さなくても、錠を開閉することが可能である。
また、静電容量型のロックセンサ電極およびアンロックセンサ電極を用いるスマートキーシステムやスマートエントリーシステムと呼ばれる車両用ドアハンドル装置も開示されている。
特開2014−122853号公報 特開2012−154118号公報 特開2012−154119号公報 特開2012−26205号公報 特開2002−295094号公報 特開平05−156851号公報 特開2003−221947号公報
しかしながら、家の錠や車両のドアロックにおいては、簡単に開錠できてしまうことが、却って好ましくない場合がある。
例えば、静電容量型のロックセンサ電極およびアンロックセンサ電極を用いるスマートキーシステムやスマートエントリーシステムと呼ばれる車両用ドアハンドル装置では、ロックセンサ電極と人体との間に発生する浮遊容量の変化を検出するので、水滴の付着と人間の接触とを判別することが困難である。このような車両用ドアハンドル装置では、錠の開閉の是非を判断する部分(浮遊容量の変化を検出する部分)に、人体と同程度の比誘電率(εs=80)を有する水滴が付着していると、人間が接触している状態であるものと判別し、ドアロックを解除してしまう。このような水滴の発生源としては、例えば、降雨時の雨滴や、洗車時の水流などが挙げられる。
このように、スマートフォンやカードキーなどの普及で接触/非接触の開錠/施錠が可能となっているが、特に屋外での使用時では、雨による誤動作対策が困難である。
また、誤動作対策のために仕組みを複雑にすると、ドアハンドルなどの限られたスペースに収まり切れない上に、製造コストもかさむという問題もある。
本実施形態は、静電方式の錠機構を有する車両等のドアハンドルに付着する水滴等による誤動作を防止する接触検知装置、ドアハンドル装置およびその制御方法、および電子キーシステムを提供する。
本実施形態は、静電方式の錠機構を有する車両等のドアハンドルに付着する水滴等による誤動作を防止するとともに、製造コストを低減することができる近接/接触検知装置、ドアハンドル装置およびその制御方法、および電子キーシステムを提供する。
本実施の形態の一態様によれば、ドアに降りかかる水滴を誘導するガイド溝に配置されるとともに前記ドアへの接触を検知する接触検知電極による検知結果と、基準容量設定メモリに記憶されたキャリブレーション用の基準容量値とを比較する比較部と、前記比較部から出力された比較結果に基いて、前記接触検知電極に何かが接触しているか否かを決定する検知結果決定部と、前記検知結果と、しきい値設定メモリに記憶されたしきい値とから前記接触検知電極に接触しているのは、前記水滴なのか、それとも人間の身体の少なくとも一部なのかを判断する判断部とを備える接触検知装置が提供される。
本実施の形態の一態様によれば、面積および検知感度のいずれか一方若しくは両方が互いに異なる値になるようにそれぞれ形成された第1電極と第2電極とから構成されるとともにドアへの近接または接触を検知する近接/接触検知電極と、前記近接/接触検知電極による検知結果と、基準容量設定メモリに記憶されたキャリブレーション用の基準容量値とを比較する比較部と、前記比較部から出力された比較結果に基いて、前記近接/接触検知電極に何かが近接/接触しているか否かを決定する検知結果決定部と、前記検知結果を所定のパターンに識別する近接/接触パターン識別部と、前記所定のパターンに識別された前記検知結果と、しきい値設定メモリに記憶されたしきい値とから前記近接/接触検知電極に接触しているのは、水滴なのか、それとも人間の身体の少なくとも一部なのかを判断する判断部とを備える近接/接触検知装置が提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、ドアに降りかかる水滴を誘導するガイド溝と、前記ガイド溝に配置されるとともに前記ドアへの接触を検知する接触検知電極とを有する接触検知部と、前記ドアの開錠および施錠を行う施錠部と、前記接触検知電極による検知結果に基いて、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであることを判定した場合に、前記ドアを施錠したままにするように前記施錠部に指示する制御部とを備えるドアハンドル装置が提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、面積および検知感度のいずれか一方若しくは両方が互いに異なる値になるようにそれぞれ形成された第1電極と第2電極とから構成されるとともにドアへの近接または接触を検知する近接/接触検知電極を備え、前記近接/接触検知電極による検知結果を所定のパターンに識別する近接/接触検知部と、前記ドアの開錠および施錠を行う施錠部と、前記所定のパターンに識別された前記検知結果に基いて、前記ドアへの接触が水滴によるものであることを判定した場合に、前記ドアを施錠したままにするように前記施錠部に指示する制御部とを備えるドアハンドル装置が提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、ドアに降りかかる水滴を誘導するガイド溝と、前記ガイド溝に配置されるとともに前記ドアへの接触を検知する接触検知電極とを有する接触検知部と、前記ドアの開錠および施錠を行う施錠部と、前記接触検知電極による検知結果に基いて、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであることを判定した場合に、前記ドアを施錠したままにするように前記施錠部に指示する制御部とを備えるドアハンドル装置の制御方法であって、前記接触検知電極によって、前記ドアへの接触を検知するステップと、前記制御部が、前記接触検知電極による検知結果に基いて、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであるか否かを判定するステップと、前記制御部が、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであると判定した場合、前記ドアの開錠を行うように前記施錠部に指示するステップとを有するドアハンドル装置の制御方法が提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、面積および検知感度のいずれか一方若しくは両方が互いに異なる値になるようにそれぞれ形成された第1電極と第2電極とから構成されるとともにドアへの近接または接触を検知する近接/接触検知電極を備える近接/接触検知部と、前記ドアの開錠および施錠を行う施錠部と、前記所定のパターンに識別された前記検知結果に基いて、前記ドアへの接触が水滴によるものであることを判定した場合に、前記ドアを施錠したままにするように前記施錠部に指示する制御部とを備えるドアハンドル装置の制御方法であって、前記近接/接触検知電極によって、前記ドアへの近接または接触を検知するステップと、前記近接/接触検知部が、前記近接/接触検知電極による検知結果を所定のパターンに識別するステップと、前記制御部が、前記所定のパターンに識別された前記検知結果に基いて、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであるか否かを判定するステップと、前記制御部が、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであると判定した場合、前記ドアの開錠を行うように前記施錠部に指示するステップとを有するドアハンドル装置の制御方法が提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、ドアに降りかかる水滴を誘導するガイド溝と、前記ガイド溝に配置されるとともに前記ドアへの接触を検知する接触検知電極とを有する接触検知部と、前記ドアの開錠および施錠を行う施錠部と、人間が携帯する電子キーとの間で信号の送受信を行う信号送受信部と、前記信号送受信部が送受信する信号に基いて前記電子キーや前記電子キーの操作を認識するキー認識部とを有する非接触検知部と、前記電子キーや前記電子キーの操作を認識し、前記接触検知電極による検知結果に基いて、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであることを判定した場合に、前記ドアを施錠したままにするように前記施錠部に指示する制御部とを備える電子キーシステムが提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、面積および検知感度のいずれか一方若しくは両方が互いに異なる値になるようにそれぞれ形成された第1電極と第2電極とから構成されるとともにドアへの近接または接触を検知する近接/接触検知電極を備え、前記近接/接触検知電極による検知結果を所定のパターンに識別する近接/接触検知部と、前記ドアの開錠および施錠を行う施錠部と、人間が携帯する電子キーとの間で信号の送受信を行う信号送受信部と、前記信号送受信部が送受信する信号に基いて前記電子キーや前記電子キーの操作を認識するキー認識部とを有する非接触検知部と、前記電子キーや前記電子キーの操作を認識し、前記所定のパターンに識別された前記検知結果に基いて、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであることを判定した場合に、前記ドアを施錠したままにするように前記施錠部に指示する制御部とを備える電子キーシステムが提供される。
本実施形態によれば、静電方式の錠機構を有する車両等のドアハンドルに付着する水滴等による誤動作を防止する接触検知装置、ドアハンドル装置およびその制御方法、および電子キーシステムを提供することができる。
本実施形態によれば、静電方式の錠機構を有する車両等のドアハンドルに付着する水滴等による誤動作を防止するするとともに、製造コストを低減することができる近接/接触検知装置、ドアハンドル装置およびその制御方法、および電子キーシステムを提供することができる。
第1の実施の形態に係るドアハンドル装置の構成例を示す概略ブロック構成図。 (a)比較例におけるドアハンドル例の模式的概略外観図、(b)図2(a)に例示したドアハンドルを人の手が握っている様子を例示する概略図、(c)図2(a)に例示したドアハンドルに水滴が付着する様子を例示する概略図。 図1に例示した第1の実施の形態に係るドアハンドル装置の接触検知部において用いられる接触検知電極の検知機構を模式的に例示する概略図であって、(a)水量(水位)を検知する機構の例、(b)人体(手)を検知する機構の例。 第1の実施の形態に係るドアハンドル装置の接触検知部において用いられるガイド溝および該ガイド溝に配置される接触検知電極の形状を模式的に例示する概略図であって、(a)比較例におけるガイド溝および接触検知電極の形状の例、(b)第1の実施の形態に係るガイド溝および接触検知電極の形状の例、(c)図4(b)に例示したガイド溝および接触検知電極をドアハンドルの裏面に形成した例。 第1の実施の形態に係るドアハンドル装置の接触検知部において用いられる接触検知電極が検知する検知容量の例を模式的に例示する概略図であって、(a)人の手がドアハンドルを握ることで接触検知電極全体に手が接触している場合の例、(b)降雨時に雨滴が接触検知電極に部分的に付着している場合の検知容量の例。 第1の実施の形態に係るドアハンドル装置の接触検知部において用いられるガイド溝および接触検知電極の検知電極配置エリア例を模式的に例示する概略図であって、(a)第1の実施の形態で用いるドアハンドルのサイズを模式的に例示する概略図、(b)図6(a)に例示したドアハンドルの左側部を子供の手で握った場合の例、(c)図6(a)に例示したドアハンドルの右側部を子供の手で握った場合の例、(d)図6(a)に例示したドアハンドルを大人の手で握った場合の例。 図6に例示した検知電極配置エリアに形成されたガイド溝および接触検知電極の例を模式的に例示する概略図。 図7に例示したガイド溝および接触検知電極が形成された検知電極配置エリアを有するドアハンドルを模式的に例示する概略図であって、(a)ドアハンドルの検知電極配置エリアを人の手が握っている様子の例、(b)ドアハンドルの検知電極配置エリアに雨滴が部分的に付着している様子の例。 第1の実施の形態に係る接触検知電極に接触しているものを判別する際に用いる検知容量の判別部を模式的に例示する概略図であって、(a)人の手がドアハンドルを握ることで接触検知電極全体に手が接触している場合の例、(b)降雨時に雨滴が接触検知電極に部分的に付着している場合の例。 第1の実施の形態に係る接触検知部の接触検知用LSIの構成例を例示する概略ブロック図。 第1の実施の形態に係る接触検知部の応用回路構成の構成例を例示する概略ブロック図。 第1の実施の形態に係るドアハンドル装置においてドアハンドルへの接触を判別して施錠/開錠するための処理手順を例示する概略フローチャート。 第1の実施の形態に係る接触検知用LSIの平均化部において行われる平均化方式の一例を模式的に例示する概略図。 比較例における、自動ロック解除機能を有するドアハンドル例の模式的概略外観図。 第2の実施の形態に係るドアハンドル装置の構成例を示す概略ブロック構成図。 第2の実施の形態に係るドアハンドル装置に用いられる近接/接触検知電極を敷設した実装基板を例示する模式的概略図であって、(a)第1電極の例、(b)第2電極の例、(c)第1電極および第2電極を実装基板に敷設した例。 第2の実施の形態における近接/接触検知電極(第1電極および第2電極)の配置箇所、面積、感度を例示する説明図。 第2の実施の形態における近接/接触検知電極の検知機構を模式的に例示する概略図であって、(a)水量(水位)を検知する機構の例、(b)人体(手)の近接または接触を検知する機構の例、(c)人体(手)の近接を検知する機構の例。 第2の実施の形態における近接/接触検知電極を敷設した実装基板をドアハンドルに配置した例を示す模式的概略図。 第2の実施の形態に係る電子キーシステムを備えた車両を操作する様子を例示した模式的概略図。 第2の実施の形態における近接/接触検知電極による検知結果(検知容量)の例(パターン1)を模式的に例示する概略図であって、(a)第1電極による検知結果の例、(b)第2電極による検知結果の例。 第2の実施の形態における近接/接触検知電極による検知結果(検知容量)の例(パターン2)を模式的に例示する概略図であって、(a)第1電極による検知結果の例、(b)第2電極による検知結果の例。 第2の実施の形態における近接/接触検知電極による検知結果(検知容量)の例(パターン3)を模式的に例示する概略図であって、(a)第1電極による検知結果の例、(b)第2電極による検知結果の例。 第2の実施の形態における近接/接触検知電極による検知結果(検知容量)の例(パターン2B)を模式的に例示する概略図であって、(a)第1電極による検知結果の例、(b)第2電極による検知結果の例。 第2の実施の形態に係る近接/接触検知部の近接/接触検知用ICの構成例を例示する概略ブロック図。 第2の実施の形態に係る近接/接触検知部の応用回路構成の構成例を例示する概略ブロック図。 第2の実施の形態における近接/接触検知電極による検知結果の場合分けの例を示す説明図。 第2の実施の形態に係るドアハンドル装置においてドアハンドルへの近接または接触を判別して施錠/開錠するための処理手順を例示する概略フローチャート。 図28に例示した処理手順における近接/接触パターンの識別処理の詳細な処理手順を例示する概略フローチャート。 第2の実施の形態に係る近接/接触検知用ICの平均化部において行われる平均化方式の一例を模式的に例示する概略図。
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[第1の実施の形態]
(ドアハンドル装置のブロック構成)
図1は、第1の実施の形態に係るドアハンドル装置1の構成例を示す概略ブロック構成図である。
第1の実施の形態に係るドアハンドル装置1は、概して、ドアハンドル4に降りかかる水滴9を誘導するガイド溝19(図4参照)と、ガイド溝19に配置されるとともにドアハンドル4への接触を検知する接触検知電極132(図4参照)とを有する接触検知部120と、ドアハンドル4の開錠および施錠を行う施錠部160と、接触検知電極132による検知結果に基いて、ドアハンドル4への接触が水滴9によるものであることを判定した場合に、ドアハンドル4を施錠したままにするように施錠部160に指示する制御部200とを備える。
また、制御部200は、接触検知電極132による検知結果に基いて、ドアハンドル4への接触が人間の身体の少なくとも一部(例えば手8(図8参照))によるものであることを判定した場合に、ドアハンドル4の開錠を行うように施錠部160に指示する。
図1に例示するように、第1の実施の形態に係るドアハンドル装置1は、開閉機構部100と、その他検知部300と、その他機能部400と、以上の各部を制御する制御部(マイコン)200とを備える。開閉機構部100は、接触検知部120と、非接触検知部140と、施錠部(ロック部)160とを備える。その他検知部300は、SOS信号検知部302と、強制信号検知部304と、テスト信号検知部306と、エンジン始動検知部308と、走行速度検知部310と、その他検知部312とを備える。尚、エンジン始動検知部308および走行速度検知部310は、第1の実施の形態に係るドアハンドル装置1を車両などの移動手段に適用する際に用いられるオプション機能である。
接触検知部120は、例えば、静電容量を検知する静電容量センサーなどのスイッチ操作向け検知電極から構成される接触検知電極132と、接触検知電極132(2〜6ch)を制御する静電スイッチコントロールIC126とを備える。静電スイッチコントロールIC126は、接触検知用LSI20を備える。接触検知電極132は、ドアハンドル4への接触が人(例えば手8)によるものか、それとも雨滴9(水若しくは水滴:以下、雨滴と同様の意味で用いる)によるものかを検知する。より具体的には、接触検知電極132は、雨などによる水滴9がドアハンドル4に接触しているのか、それとも人間がドアの開閉操作を行う際に人間の身体の少なくとも一部(例えば手や指など)がドアハンドル4に接触しているのかを検知する。
制御部200は、接触検知電極132による検知結果に基いて、接触部分への接触が人間の身体の少なくとも一部によるものであることを判定した場合に、ドアの開錠を行うように施錠部160に指示する。
非接触検知部140は、例えば、カードキーやスマートフォンなどから構成される電子キー3との信号の送受信を行う信号送受信部(信号送受信装置)142と、信号送受信部142が送受信する信号に基いてキーやキーの操作を認識するキー認識部144とを備える。
施錠部160は、ドアなどの施錠/開錠する施錠部(施錠装置)162と、接触検知部120、非接触検知部140、その他検知部300などが検知した検知信号(データ)に基いて、施錠部162に対して施錠(ロック)/開錠(ロック解除)を制御する施錠制御部164とを備える。
その他機能部400には、例えば、エアコン機能、カーナビ機能、オーディオ/ビデオ機能、照明機能などの各種機能が含まれ、接触検知部120、非接触検知部140、その他検知部300などが検知した検知信号(データ)に基いて、各種機能を制御することができる。
(ドアハンドルの比較例)
比較例におけるドアハンドル4例の模式的概略外観は、図2(a)に示すように表わされ、図2(b)は、図2(a)に例示したドアハンドル4を人の手8が握っている様子を概略的に例示し、図2(c)は、図2(a)に例示したドアハンドル4に水滴9が付着する様子を例示する。
図2(a)に示すドアハンドル4の検知電極配置エリアEAには、静電容量を検知する静電容量センサーなどのスイッチ操作向け検知電極から構成される接触検知電極(図示せず)が配置されている(ドアハンドル4内に埋め込まれている)。しかしながら、水滴9は、人体の比誘電率と同程度の比誘電率(εs=80)を有するので、図2(b)に例示するように、人の手8がドアハンドル4を握ることで接触検知電極(図示せず)に手8が接触しているのか、それとも図2(c)に例示するように、降雨等によって接触検知電極(図示せず)に水滴9が付着しているのかを区別することができない。そのため、降雨等による水滴9がドアハンドル4に付着しているだけであっても、ドアのロックを解除する動作を行ってしまう。
(接触検知電極)
図1に例示した第1の実施の形態に係るドアハンドル装置1の接触検知部120において用いられる接触検知電極132の検知機構は、図3に例示するように表され、図3(a)は、ある容器50に存在する水量(水位)9Aを検知する機構の例であり、図3(b)は、人の手8を検知する機構の例である。
図3(a)に例示するように、第1の実施の形態において用いられる接触検知電極132が、ある容器50の外側若しくは内側に敷設されるか、または容器50材の中に内蔵されている。接触検知電極132は、水9から所定の距離(すなわち、接触検知電極132によって水9の存在を検出するのに最低限必要な距離(例えば1〜2mm程度))を置いて敷設または内蔵される。接触検知電極132としては、例えば、静電容量方式の検出電極を用いることができ、接触検知電極132への水9の接触の有無(すなわち、水9の存在の有無)を静電容量の変化として検出するための電極である。容器50は接地である。また、キャリブレーション用に基準となる基準容量Cが備えられており、接触検知電極132に接続する接触検知用LSI20は、接触検知電極132が検知した静電容量と、基準容量Cとを比較して、容器50内の水9の水量(水位)を検出する。
図3(a)に例示した容器50を、第1の実施の形態において用いられるドアハンドル4に置き換え、図3(a)に例示した容器50内の水9を、第1の実施の形態において用いられるドアハンドル4に付着した水滴9に置き換えることで、接触検知用LSI20は、接触検知電極132(すなわちドアハンドル4)に、水滴9が付着しているか否かを判断する。より具体的には、接触検知電極132が検知する静電容量は、電極のサイズ(面積)に対する水滴9の付着量(面積)の変動に応じて変化するため、接触検知電極132により検知される静電容量値の変化を監視することで、接触検知用LSI20は、接触検知電極132(すなわちドアハンドル4)に、水滴9が付着しているか否かを判断する。
また、図3(b)に例示された浮遊容量C1の変化を検出することで、接触検知電極132に人の手8が接触しているか否かを検出する。このような接触検知電極132を第1の実施の形態において用いられるドアハンドル4の外側若しくは内側に敷設するか、またはドアハンドル4の外壁に内蔵することで、接触検知用LSI20は、接触検知電極132(すなわちドアハンドル4)に、人の手8が接触しているか否かを判断する。
尚、接触検知電極132としては、静電容量方式の接触検出電極が用いられるが、静電容量方式の代わりに感圧抵抗膜方式の検出電極を採用することもできる。
(ガイド溝の構造例1)
図4は、第1の実施の形態に係るドアハンドル装置1の接触検知部120において用いられるガイド溝19および該ガイド溝19に配置される接触検知電極132の形状を模式的に例示している。図4(a)は、比較例におけるガイド溝19および接触検知電極132の形状の例であり、図4(b)は、第1の実施の形態に係るガイド溝19および接触検知電極132の形状の例であり、図4(c)は、図4(b)に例示したガイド溝19および接触検知電極132をドアハンドル4の裏面側に形成した例である。
図4(c)に例示するように、ドアハンドル4の裏面側と表面側のいずれか一方若しくは両方に、水滴9を接触検知電極132に誘導するためのガイド溝19を設け、接触検知電極132は水滴9の付着を高精度に検知することができように誘導する。接触検知電極132は、ガイド溝19の外側若しくは内側に敷設されるか、またはガイド溝19の壁内に内蔵される。
また、図4(b)に例示するように、ガイド溝19は、ガイド溝19の下方部分(図4(b)の紙面に向かって下方部分)でその傾斜を和らげ、水滴9が接触検知電極132上に滞留(停滞)しやすくする停滞部(図4(b)のゾーンa)を有する。ただし、図4(a)に例示するように、ガイド溝19の停滞部aが角張るように形成されると、水滴9の滞留ではなく、水滴9の「残留」となる。したがって、ガイド溝19の停滞部(ゾーンa)は、図4(a)に例示するように角張らせずに、図4(b)に例示するように丸みをもたせる。より具体的には、図4(b)に例示するように、ガイド溝19の停滞部(ゾーンa)の水滴9が滞留する丸み(軌跡P1〜P2)が形成する円の中心をCEとし、水滴9が良好に滞留させる軌跡P1〜P2の中心角をΔθとすると、その曲率半径がRである。
尚、図4(a)に例示するようにガイド溝19の停滞部aを角張るように形成しても水滴9が接触検知電極132上に良好に滞留(停滞)する場合は、ガイド溝19の停滞部aを角張るように形成しても良い。
また、ガイド溝19の上端部に、水滴9を集めてガイド溝19に誘導する誘導溝(図示せず)を形成しても良い。このような誘導溝をガイド溝19の上端部に形成することで、水滴9を効率よくガイド溝19に誘導することができる。
図4(c)に例示するようにガイド溝19および接触検知電極132をドアハンドル4に形成することにより、図5に例示するような、接触検知電極132による検知結果(検知容量)が得られる。図5(a)は、人の手8がドアハンドル4を握ることで接触検知電極132全体に手8が接触している場合の検知結果(検知容量)の例であり、図5(b)は、降雨時に接触検知電極132に水滴9が部分的に付着している場合の検知結果(検知容量)の例である。
図5(a)の例では、時刻T11〜T12にわたって接触検知電極132全体を覆うように手8が接触しているので、時刻T11〜T12の検知容量(検知強度)は、常に検知最大値Int_MAX程度に安定する。
図5(b)の例では、接触検知電極132に水滴9が部分的に付着しているので、時刻T11〜T12の検知容量は不安定となる。特に、検知結果ゾーン51では、ガイド溝19を形成したことによる効果によって、時刻T11〜T12にわたって比較的安定した検知結果が得られているが、検知結果ゾーン52では、接触検知電極132全体が水没しない限り、接触検知電極132には水滴9が掛からない領域が生じるため、得られる検知結果は常に不安定となる。
このように、接触検知用LSI20は、検知結果ゾーン52における検知容量値から、接触検知電極132(すなわちドアハンドル4)に接触しているのは人の手8なのか水滴9なのかを判別することができる。
(ガイド溝の構造例2)
図6は、第1の実施の形態に係るドアハンドル装置1の接触検知部において用いられるガイド溝19および接触検知電極132を配置する検知電極配置エリアEAの例を模式的に例示する。図6(a)は、第1の実施の形態で用いるドアハンドル4のサイズを模式的に例示する概略図であり、図6(b)は、図6(a)に例示したドアハンドル4の左側部を子供の手8で握った場合の例であり、図6(c)は、図6(a)に例示したドアハンドル4の右側部を子供の手8で握った場合の例であり、図6(d)は、図6(a)に例示したドアハンドル4を大人の手8で握った場合の例である。
図6に例示するように、ドアハンドル4の持ち手部分の長手方向の長さをL1(例えば9cm)とし、ドアハンドル4の持ち手部分の高さ方向の長さをH1とし、大人の手8で握った場合に大人の手8によって覆われるドアハンドル4の持ち手部分の長手方向の長さをL2とし、子供の手8で握った場合に子供の手8によって接触される(覆われる)ドアハンドル4の持ち手部分の長手方向の長さをL3とすると、図6(d)の例では、手8の大きい大人は、ドアハンドル4の持ち手のほとんどの部分を握る(触れる)ことになるので、握る位置が左右いずれかに多少ずれたとしても、接触検知電極132の形状や配置場所に影響されにくい。その一方で、手8の小さい子供の場合、握る位置が左右いずれかに偏ると、図6(b)および図6(c)に例示するように、接触検知電極132全体を握れない場合が生じる。そこで、図6(b)および図6(c)に例示される長さL4のオーバーラップ部分を利用して、第1の実施の形態に係る検知電極配置エリアEAのサイズをL4×H1とし、この検知電極配置エリアEAに1以上のガイド溝19を形成し、各ガイド溝19に接触検知電極132をそれぞれ配置する(図7参照)。
ここで、オーバーラップ部分の長さL4は、次式(1)
L4=2×L3−L1 (1)
によって算出され、例えば、L1を約9cm、L2を約8cm、L3を約6cmとすると、オーバーラップ部分の長さL4は約3cmである。
このように、ドアハンドル4の持ち手部分のどこを握ってもオーバーラップする部分(必ず触れる部分)が含まれるように検知電極配置エリアEAを形成することで、比較的小さな手の子供がドアハンドル4の持ち手部分のどこを握っても、接触検知を良好に行うことができる。
図7は、図6に例示した検知電極配置エリアEAに形成された2本のガイド溝19および各ガイド溝19に配置された接触検知電極132の例を模式的に例示する。また、図8は、図7に例示した検知電極配置エリアEAを有するドアハンドル4を模式的に例示する概略図であって、図8(a)は、ドアハンドル4の検知電極配置エリアEAを人の手が握っている様子の例であり、図8(b)は、ドアハンドル4の検知電極配置エリアEAに水滴9が部分的に付着している様子の例である。
また、図9は、第1の実施の形態に係る接触検知電極132に接触しているものを判別する際に用いる検知容量の判別部Bを模式的に例示しており、図9(a)は、人の手8がドアハンドル4を握ることで接触検知電極132全体に手8が接触している場合の例であり、図9(b)は、降雨時に水滴9が接触検知電極132に部分的に付着している場合の例である。
図9(a)の例では、時刻T11〜T12にわたって接触検知電極132全体を覆うように手8が接触しているので、時刻T11〜T12の検知容量は、常に検知最大値Int_MAX程度に安定する。
その一方で、図9(b)の例では、接触検知電極132に水滴9が部分的に付着しているので、時刻T11〜T12の検知容量は不安定となる。特に、検知結果ゾーンBでは、接触検知電極132全体が水没しない限り、接触検知電極132には水滴9が掛からない領域が生じるため、得られる検知結果は常に不安定となる。
このように、接触検知用LSI20は、検知結果ゾーンBにおける検知容量から、接触検知電極132(すなわちドアハンドル4)に接触しているのは人の手8なのか水滴9なのかを判別することができる。すなわち、接触検知用LSI20は、検知結果ゾーンBの検知容量を確認することで、検知容量が安定していれば手8が接触検知電極132に触れているものと判別し、逆に検知容量が不安定であれば降雨の水滴9が接触検知電極132に触れているものと判別することができる。
(接触検知用LSI(接触検知装置)のブロック構成)
図10は、第1の実施の形態に係る接触検知部120の接触検知用LSI20(接触検知装置)の構成例を例示する概略ブロック図である。
接触検知用LSI20は、ドアに降りかかる水滴を誘導するガイド溝19に配置されるとともにドアハンドル4への接触を検知する接触検知電極132による検知結果(検知容量)をアナログデータからディジタルデータに変換するアナログ/ディジタル(A/D)変換部21と、A/D変換部21から出力される検知容量値と、基準容量設定メモリ26に記憶されたキャリブレーション用の基準容量(ダミー容量)値とを比較する比較部22と、比較部22から出力された比較結果に基いて、接触検知電極132に何かが接触しているか否かを決定する検知結果決定部23と、平均化方式設定メモリ27に記憶された平均化方式(平均化フィルタ)の各種設定値に基いて、検知結果に対して平均化処理を実行する平均化部24と、平均化部24によって平均化等が施された検知結果としきい値設定メモリ28に記憶された所定のしきい値とから接触検知電極132(すなわちドアハンドル4)に接触しているのは人の手8なのか水滴9なのかを判断する判断部25とを備える。しきい値設定メモリ28には、図9に例示した検知結果ゾーンBの判断しきい値が設定されて記憶される。
基準容量値は、ドアハンドル4に実際に配置する配線や回路等によりシステム毎に異なるので、基準容量の値や基準容量設定メモリ26への記憶方法は、システム構築(設計)時に、検討して決定する。例えば、予め基準容量値の特定が可能であれば基準容量設定メモリ26を読み出し専用メモリ(ROM)で構成することができるし、予め基準容量値を特定することが不可能であれば動作開始時に基準容量Cの値を毎回記憶するので、基準容量設定メモリ26をランダムアクセスメモリ(RAM)で構成する。
(接触検知部の応用回路構成)
図11は、第1の実施の形態に係る接触検知部120の応用回路構成の構成例を例示する概略ブロック図である。
接触検知部120の応用回路構成は、図11に例示するように、静電スイッチコントロールIC126と、静電スイッチコントロールIC126に接続された接触検知電極132(図11の例では2つの接触検知電極132)とを備え、静電スイッチコントロールIC126は、電子キーシステムの電子機器などのホスト装置129に接続される。
静電スイッチコントロールIC126は、接触検知電極132のスイッチ操作向け静電容量センサーのコントローラである。
静電スイッチコントロールIC126は、静電容量を検出するAFE(Analog Front End)、検出容量をディジタル検出値に変換するA/Dコンバータ、検出値を処理するMPU(Micro Processing Unit)、PWM(Pulse Width Modulation)対応LED(Light Emitting Diode)コントローラ、I2C(Inter-Integrated Circuit)バスプロトコルに対応した2線シリアルバスホストインターフェース、パワーオンリセット、クロック発振回路、内部用LDO(Low Drop-Out regulator)などを内蔵可能である。
静電スイッチコントロールIC126では、図11に例示するように、1つの静電容量センサーを1つの独立スイッチ(すなわち、独立した接触検知電極132))として用いることができる。各独立した検知センサーでは、ON、OFF、長押しなどを認識することができる。
(ドアハンドル装置の制御方法)
図12は、第1の実施の形態に係るドアハンドル装置1においてドアハンドル4への接触を判別して施錠/開錠するための処理手順を例示する。
電子キー3を携帯した(身につけた)人間(運転者など)が、車両側から発信されている信号を受信できる範囲(作動範囲)内に入ると、電子キー3と車両内の非接触検知部140とが信号の送受信を行う。
ステップS101において、制御部200は、エンジン始動検知部308からの検知信号に基いて、車両のエンジンが始動しているか否かを判定する。車両のエンジンが始動している場合、次にステップS102において、制御部200は、走行速度検知部310からの検知信号に基いて、車両が停止しているか否かを判定する。車両が停止していなければ、すなわち、車両1が走行中であれば、ステップS111において、制御部200は、施錠部162を施錠したままにするように、施錠制御部164に対して指示を送る。
一方で、ステップS101において車両1のエンジンが始動していない(すなわち、エンジンが停止している)と判定した場合、若しくは、車両1のエンジンが始動しているが、車両1が停止しているとステップS102において判定した場合には、ステップS103に進む。
ステップS103において、制御部200は、電子キー3からロックを解除する信号(開錠信号)が非接触検知部140に送られてきたか否かを判定し、開錠信号が送られていれば、ステップS110において、施錠部162を開錠するように、施錠制御部164に対して指示を送る。
ステップS103において、電子キー3からロックを解除する信号(開錠信号)が送られていなければ、次に、ステップS104以降の接触検知部120の接触検知用LSI20の処理に進む。
ステップS104において、接触検知用LSI20は、キャリブレーション用基準容量(ダミー容量)値を設定する。より具体的には、接触検知電極132による検知最大値Int_MAX(Fullの状態)として予め基準容量設定メモリ26に記憶されている値を用いるか、または今回の処理用に検知最大値Int_MAX(Fullの状態)として基準容量(ダミー容量)Cを設定して基準容量設定メモリ26に記憶する。
次に、ステップS105において、比較部22は、接触検知電極132が検知した検知容量値と、基準容量設定メモリ26に記憶されたキャリブレーション用の基準容量(ダミー容量)値とを比較する。
次に、ステップS106において、検知結果決定部23は、比較部22から出力された比較結果に基いて、接触検知電極132(特に図4(b)における停滞部(ゾーンa))に何かが接触しているか否かを決定する。
ステップS107において、接触検知電極132の停滞部(ゾーンa)の検知強度が不安定であれば(Fullの状態でなければ)、判断部25は、接触検知電極132に何も接触していないと判断し、ステップS111に進む。そして、ステップS111において、制御部200は、施錠部162を施錠したままにするように、施錠制御部164に対して指示を送る。
逆に、ステップS107において、接触検知電極132の停滞部(ゾーンa)の検知強度が安定した(Fullの状態)値で検知されれば、検知結果決定部23は、接触検知電極132に何かが接触していると判断し、ステップS108に進む。
次に、ステップS108において、平均化部24は、平均化方式設定メモリ27に記憶された各種平均化方式の設定値に基いて、検知結果に対して平均化などの処理を実行する。
次に、ステップS109において、判断部25は、平均化部24によって平均化等が施された検知結果としきい値設定メモリ28に記憶されたしきい値とから接触検知電極132(すなわちドアハンドル4)に接触しているのは、人の手8なのか、それとも水滴9なのかを判断する。例えば、検知結果ゾーンBについて、設定しきい値と比較して、検知容量が安定していれば(図9(a)参照)、判断部25は、接触検知電極132に人の手8が接触していると判断し、ステップS110に進む。そして、ステップS110において、制御部200は、施錠部162を開錠するように、施錠制御部164に対して指示を送る。
逆に、検知結果ゾーンBについて、設定しきい値と比較して、検知容量が不安定であれば(図9(b)参照)、判断部25は、接触検知電極132に触れているのは水滴9であると判断し、ステップS110に進む。そして、ステップS111において、制御部200は、施錠部162を施錠したままにするように、施錠制御部164に対して指示を送る。尚、積雪時は、降雨時に比べると、検知容量のバラつき(不安定さ)が少ない。
[平均化方式決定メモリ]
ステップS108において、平均化部24が用いる平均化方式設定メモリ27に記憶される平均化方式(平均化フィルタ)の各種設定値は、例えば以下の項目を含み、サンプリングデータを平均することでノイズの除去等を行う。
・平均化する母数の設定
・有効データ数の設定(単純、中央からの数、先頭からの数、末尾からの数、等)
・並べ替えの方法(なし、昇順、降順、等)
図13は、第1の実施の形態に係る接触検知用LSI20の平均化部24において行われる平均化方式の一例を模式的に例示する。図14には、サンプリング期間SPの間にサンプルS1〜サンプルSnのn個のサンプル数を有する例が示されており、サンプリング間隔は、例えば数ミリ秒である。
尚、平均化フィルタの代わりに、メディアンフィルタなどを用いることもできる。
このように平均化部24によって平均化等が施された検知結果を基に、判断部25は、図13に例示するように、しきい値Int_THを設定してしきい値設定メモリ28に記憶する。そして、判断部25は、このしきい値Int_THと検知結果ゾーンBにおける検知容量とに基いて、接触検知電極132(すなわちドアハンドル4)に接触しているのは人の手8なのか水滴9なのかを判別する。
本実施形態によれば、静電方式の錠機構を有する車両等のドアハンドルに付着する水滴等による誤動作を防止する接触検知装置、ドアハンドル装置およびその制御方法、および電子キーシステムを提供することができる。
[第2の実施の形態]
(比較例)
図14は、比較例における、自動ロック解除機能を有するドアハンドルの例を模式的に示す。
図14に例示するように、静電容量型の接触検知電極(Pad電極)128と、静電容量検知用IC211と制御回路212とを備える実装基板(PCB:Printed Circuit Board)210と、アンテナ220とがドアハンドル4に実装されており、静電タッチスイッチにより、手8がドアハンドル4に触れただけでドアロックが解除する自動ロック解除機能を有する。接触検知電極128は、人が触れたことを検知するための電極であり、人がドアハンドル4を握ったことを検知するために、ドアハンドル4の裏面側に内蔵されるものや、握りを確実に検知するためにドアハンドル4の表面と裏面の双方に内蔵されるものがある。アンテナ220は、カードキーやスマートフォンなどの電子キーとの間で、識別信号、認証信号、開錠/施錠信号などの信号を送受信する。
一般に、ドアハンドル4は、車外などの屋外に設置されるので、風雨に晒されやすい。人の手8がドアハンドル4に触れたことを静電容量方式で検知する場合、人体の誘電率と水の誘電率が近いことから、その判別が困難である。降雨時や洗車時の水滴などがドアハンドル4に付着すると、手8がドアハンドル4に触れているものとシステム側が誤認識する可能性があり、その結果、ドアロックが解除される誤作動が生じたり、気圧調整機構に誤動作が生じたりする場合もある。
また、誤動作対策のために自動ロック解除機能の仕組みを複雑にすると、ドアハンドル4の限られたスペースに収まり切れない上に、製造コストもかさむことになる。
(ドアハンドル装置のブロック構成)
図15は、第2の実施の形態に係るドアハンドル装置1Bの構成例を示す概略ブロック構成図である。
第2の実施の形態に係るドアハンドル装置1Bでは、ドアハンドル4に装備されるドアロック解除機能を変更して場合(パターン)分けによる検知判断の正確さを向上させて今まで判別することが難しかった人と雨(水滴)との区別を行うとともに、ドアハンドル装置などの製造コストダウンを図る。
第2の実施の形態に係るドアハンドル装置1Bは、概して、面積および検知感度のいずれか一方若しくは両方が互いに異なる値になるようにそれぞれ形成された第1電極131と第2電極133とから構成されるとともにドアハンドル4への近接または接触を検知する近接/接触検知電極130を備え、近接/接触検知電極130による検知結果を所定のパターンに識別する近接/接触検知部120Bと、ドアの開錠および施錠を行う施錠部160と、所定のパターンに識別された検知結果に基いて、ドアハンドル4への接触が水滴によるものであることを判定した場合に、ドアを施錠したままにするように施錠部160に指示する制御部200とを備える。
また、制御部200は、所定のパターンに識別された検知結果に基いて、ドアハンドル4への接触が人間80の身体の少なくとも一部によるものであることを判定した場合に、ドアの開錠を行うように施錠部160に指示する。
図15に例示するように、第2の実施の形態に係るドアハンドル装置1Bは、開閉機構部100と、その他検知部300と、その他機能部400と、以上の各部を制御する制御部(マイコン)200とを備える。開閉機構部100は、近接/接触検知部120Bと、非接触検知部140と、施錠部(ロック部)160とを備える。その他検知部300は、SOS信号検知部302と、強制信号検知部304と、テスト信号検知部306と、エンジン始動検知部308と、走行速度検知部310と、その他検知部312とを備える。尚、エンジン始動検知部308および走行速度検知部310は、第2の実施の形態に係るドアハンドル装置1Bを車両などの移動手段に適用する際に用いられるオプション機能である。
近接/接触検知部120Bは、例えば、静電容量を検知する静電容量センサーなどのスイッチ操作向け近接/接触検知電極から構成される近接/接触検知電極130と、近接/接触検知電極130を制御する静電スイッチコントロールIC126と、静電スイッチコントロールIC126を制御する制御回路212とを備える。静電スイッチコントロールIC126は、近接/接触検知用IC180を備える。近接/接触検知電極130は、後述するように、第1電極131と第2電極133とを備える。近接/接触検知電極130は、ドアハンドル4への近接/接触が人間80(例えば手8)によるものか、それとも雨滴(水若しくは水滴:以下、雨滴と同様の意味で用いる)によるものかを検知する。より具体的には、近接/接触検知電極130は、雨などによる水滴がドアハンドル4に近接/接触しているのか、それとも人間80がドアの開閉操作を行う際に人間80の身体の少なくとも一部(例えば手や指など)がドアハンドル4に近接/接触しているのかを検知する。
制御部200は、近接/接触検知電極130による検知結果に基いて、近接/接触が人間80の身体の少なくとも一部によるものであることを判定した場合に、ドアの開錠を行うように施錠部160に指示する。
非接触検知部140は、例えば、カードキーやスマートフォンなどから構成される電子キー3との信号の送受信をアンテナ220(図19、図20)を介して行う信号送受信部(信号送受信装置)142と、信号送受信部142が送受信する信号に基いてキーやキーの操作を認識するキー認識部144とを備える。
施錠部160は、ドアなどの施錠/開錠する施錠部(施錠装置)162と、近接/接触検知部120B、非接触検知部140、その他検知部300などが検知した検知信号(データ)に基いて、施錠部162に対して施錠(ロック)/開錠(ロック解除)を制御する施錠制御部164とを備える。
その他機能部400には、例えば、エアコン機能、カーナビ機能、オーディオ/ビデオ機能、照明機能などの各種機能が含まれ、近接/接触検知部120B、非接触検知部140、その他検知部300などが検知した検知信号(データ)に基いて、各種機能を制御することができる。
(実装基板)
図16は、第2の実施の形態に係るドアハンドル装置1Bに用いられる近接/接触検知電極130を敷設したPCB210を模式的に例示しており、図16は(a)第1電極131の例であり、図16(b)は、第2電極133の例であり、図16(c)は、第1電極131および第2電極133を実装基板210に敷設した例である。
第2の実施の形態に係るドアハンドル装置1Bでは、静電容量型の近接/接触検知電極130を用いる。近接/接触検知電極130は、第1電極131および第2電極133の2つの異なる電極から構成される。
第1電極131は、PCB210の外周に敷設される電極であり、第2電極133は、PCB210の外周からできるだけ遠い外周以外の箇所(例えば、PCB210上の中央付近)に敷設される。第1電極131および第2電極133の2つの電極は、面積および検知感度のいずれか一方若しくは両方が互いに異なる値になるように形成され、それぞれ近接/接触検知用IC180に接続されて、PCB210に敷設される。
図17は、近接/接触検知電極130(第1電極131および第2電極133)の配置箇所、面積、感度の具体例を示す。図17に示す例では、第1電極131は、PCB210の外周に敷設され、第2電極133に比べて検知感度が高く、第2電極133に比べて面積が広い。それに対して、第2電極133は、PCB210の中央部分に敷設され、第2電極133に比べて検知感度が低く、第2電極133に比べて面積が狭い。このように第1電極131および第2電極133を形成することで、第1電極131が人間80の手8の「接近」を検知可能な距離を、例えば0〜30cmに調整し、第2電極133が人間80の手8の「接近」を検知可能な距離を、第1電極131の距離よりも短い、例えば、約0cm〜約10cmに調整する。尚、距離0cmの場合は、「接近」を検知するのではなく「接触」を検知することになる。
このように、第1電極131および第2電極133の各電極の面積および感度を互いに異なる値にすることで、対象物の検知結果を特徴づけ、場合分けを行うことで、手8や水滴を識別する。
また、「接触」検知だけでなく「近接」検知が可能になるため、手8が近接/接触検知電極130に直接触れる必要がないので、配置する近接/接触検知電極130の位置的な制約が軽減される(配置する電極の位置的な自由度が増す)。
(近接/接触検知電極)
第2の実施の形態に係るドアハンドル装置1Bの近接/接触検知部120Bにおいて用いられる近接/接触検知電極130(第1電極131および第2電極133)の検知機構は、図18に例示するように表され、図18(a)は、ある容器50に存在する水量(水位)9Aを検知する機構の例であり、図18(b)は、人間80の手8を検知する機構の例であり、図18(c)は、手8の近接を検知する機構の例である。
図18(a)に例示するように、第2の実施の形態において用いられる近接/接触検知電極130が、ある容器50の外側若しくは内側に敷設されるか、または容器50材の中に内蔵されている。近接/接触検知電極130は、水9Aから所定の距離(すなわち、近接/接触検知電極130によって水9Aの存在を検出するのに最低限必要な距離(例えば約1mm〜2mm程度))を置いて敷設または内蔵される。近接/接触検知電極130としては、例えば、静電容量方式の検出電極を用いることができ、近接/接触検知電極130への水9Aの存在の有無を静電容量の変化として検出するための電極である。容器50は接地である。また、キャリブレーション用に基準となる基準容量Cが備えられており、近接/接触検知電極130に接続する近接/接触検知用IC180は、近接/接触検知電極130が検知した静電容量と、基準容量Cとを比較して、容器50内の水9Aの水量(水位)を検出する。
図18(a)に例示した容器50を、第2の実施の形態において用いられるドアハンドル4に置き換え、図18(a)に例示した容器50内の水9Aを、第2の実施の形態において用いられるドアハンドル4に付着した水滴に置き換えることで、近接/接触検知用IC180は、近接/接触検知電極130(すなわちドアハンドル4)に、水滴が付着しているか否かを判断する。より具体的には、近接/接触検知電極130が検知する静電容量は、電極のサイズ(面積)に対する水滴の付着量(面積)の変動に応じて変化するため、近接/接触検知電極130により検知される静電容量値の変化を監視することで、近接/接触検知用IC180は、近接/接触検知電極130(すなわちドアハンドル4)に、水滴が付着しているか否かを判断する。
また、図18(b)に例示された浮遊容量C1の変化を検出することで、近接/接触検知電極130に人間80の手8が接触しているか否かを検出する。
また、図18(c)に例示された近接/接触検知電極130と人間80(手8)との間に発生する静電容量C_AIRの変化を検出することで、近接/接触検知電極130に人間80の手8が近接→接触しているか否かを検出する。尚、第1電極131が人間80の手8の「接近」を検知可能な距離L1は、例えば、約0cm〜約30cmに調整され、第2電極133が人間80の手8の「接近」を検知可能な距離L1は、第1電極131の距離よりも短い、例えば、約0cm〜約10cmに調整される。
図19は、第2の実施の形態における近接/接触検知電極130(第1電極131および第2電極133)を敷設した実装基板210を、アンテナ220に隣接させてドアハンドル4に配置した例を模式的に示す。
アンテナ220は、図15に例示した信号送受信部142内に備えられ、運転者などの人間80が携帯する電子キー3(図15、図20)との無線通信に用いられる。アンテナ220は、例えば、電子キー3を身につけた人間80が車両(ドアハンドル4)に接近してきたことを検知するための識別信号や、電子キー3の正当性を認証するための認証信号や、ドアロックを開錠/施錠するための開錠/施錠信号などを、電子キー3との間で送受信する。
図19に例示するように、PCB210に近接/接触検知電極130を埋め込む(敷設する)ことで、PCB210と近接/接触検知電極130との間の配線や端子などを削減できるとともに、近接/接触検知電極130をドアハンドル4に埋め込む/固定するなどの場所の確保や作業工数を削減できる。
図20は、第2の実施の形態に係る電子キーシステムを備えた車両を操作する様子を模式的に例示する。電子キー3を携帯した(身につけた)人間80(運転者など)が、車両側から発信されている信号を受信できる作動範囲L2(オーナー80の存在を認識できる範囲)内に入ると、電子キー3と車両内の非接触検知部140とがアンテナ220を介して信号の送受信を行う。作動範囲L2は、例えば、半径約1mm〜3m程度に設定される。
(場合(パターン)分けによる検知判断)
(パターン1)
図21は、第2の実施の形態における近接/接触検知電極130(第1電極131および第2電極133)による検知結果(検知容量)の例(パターン1)を模式的に例示しており、図21(a)は、第1電極131による検知結果の例、図21(b)は、第2電極133による検知結果の例である。
パターン1は、雨が降っていない状況で人間80がドアハンドル4に近接し、その後ドアハンドル4に接触する(開錠の意思がある)パターンであり、以下のように特徴づけることができる。
(1)電子キー3を携帯した(身につけた)人間80が作動範囲L2内に入ってから、第1電極131が人間80(手8)の近接を検知可能な範囲L1に入る(図21における時刻T11)までの間は、第1電極13も第2電極133も何も検知しない。
(2)時刻T11において、人間80(手8)が第1電極131の検知範囲L1内(例えば約30cm以内)に入ると、第2電極133に比べて感度が高く面積の大きい第1電極131が人間80(手8)の近接を検知し始める。
(3)その後、時刻T12において、人間80(手8)が第2電極133の検知範囲L1内(例えば約10cm以内)に入ると、第1電極131に比べて感度が低く面積も小さい第2電極133も人間80(手8)の近接を検知し始める。
(4)その後、時刻T13において、手8がドアハンドル4(すなわち第1電極131および第2電極133)に接触すると、第1電極131および第2電極133のそれぞれの検知容量値は、判断用しきい値TH1を超えて安定する状態になる。
(5)第2電極133の近接検知開始タイミング(時刻T12)は、第1電極131の近接検知開始タイミング(時刻T11)よりも遅いが、第2電極133の接触検知開始タイミング(時刻T13)は、第1電極131の接触検知開始タイミング(時刻T13)と同じであるため、第2電極133の検知軌跡の角度(θ2)は、第1電極131の検知軌跡の角度(θ1)よりも急峻になる(θ1<θ2)。
(パターン2)
図22は、第2の実施の形態における近接/接触検知電極130(第1電極131および第2電極133)による検知結果(検知容量)の例(パターン2)を模式的に例示しており、図22(a)は、第1電極131による検知結果の例、図22(b)は、第2電極133による検知結果の例である。
パターン2は、比較的強い雨が降いる状況(人による開錠の意思がない)パターンであり、以下のように特徴づけることができる。
(1)電子キー3を携帯した(身につけた)人間80が作動範囲L2内に入った直後から、第1電極131および第2電極133の双方が、ともに近接/接触検知をし始める。
(2)第1電極131の検知結果も、第2電極133の検知結果も、特に傾向は見られず、不安定な検知結果となる。ただし、雨が強いと、第1電極131と第2電極133の双方に同じように水滴が降りかかるので、第1電極131の検知結果と第2電極133の検知結果は、不安定ながらも、互いに相似した軌跡が見られる。
(パターン3)
図23は、第2の実施の形態における近接/接触検知電極130(第1電極131および第2電極133)による検知結果(検知容量)の例(パターン3)を模式的に例示しており、図23(a)は、第1電極131による検知結果の例、図23(b)は、第2電極133による検知結果の例である。
パターン3は、比較的弱い雨が降いる状況(人による開錠の意思がない)パターンであり、以下のように特徴づけることができる。
(1)電子キー3を携帯した(身につけた)人間80が作動範囲L2内に入った直後から、第1電極131および第2電極133の双方が、ともに近接/接触検知をし始める。
(2)第1電極131の検知結果も、第2電極133の検知結果も、特に傾向は見られず、不安定な検知結果となる。ただし、雨が弱いと第1電極131には水滴が降りかかりやすいが、第2電極133には水滴がほとんど降りかからないので、第2電極133ではほとんど検知されないという傾向がある。また、第1電極131の検知結果と第2電極133の検知結果には、互いに相似した軌跡が見られない。
(パターン2B)
図24は、第2の実施の形態における近接/接触検知電極130(第1電極131および第2電極133)による検知結果(検知容量)の例(パターン2B)を模式的に例示しており、図24(a)は、第1電極131による検知結果の例、図24(b)は、第2電極133による検知結果の例である。
パターン2Bは、人間80が近接している(近くにいる)が、水が接触している(例えば洗車をしていて、開錠の意思がない)パターンであり、以下のように特徴づけることができる。
(1)電子キー3を携帯した(身につけた)人間80が作動範囲L2内に入ってから、洗車が始まる(時刻T11)までの間は第1電極13も第2電極133も何も検知しない。
(2)その後、時刻T11において洗車が始まると、第1電極131および第2電極133の双方が、ともに検知をし始める。
(3)第1電極131の検知結果も、第2電極133の検知結果も、特に傾向は見られず、不安定な検知結果となる。ただし、洗車のように水量が多いと、第1電極131と第2電極133の双方に同じように水滴が降りかかるので、第1電極131の検知結果と第2電極133の検知結果は、不安定ながらも、互いに相似した軌跡が見られる。
(近接/接触検知用ICのブロック構成)
図25は、第2の実施の形態に係る近接/接触検知部120Bの近接/接触検知用IC180の構成例を例示する概略ブロック図である。
近接/接触検知用IC180は、ドアハンドル4への近接または接触を検知する近接/接触検知電極130(第1電極131および第2電極133)による検知結果(検知容量)をアナログデータからディジタルデータに変換するアナログ/ディジタル(A/D)変換部21と、A/D変換部21から出力される検知容量値と、基準容量設定メモリ26に記憶されたキャリブレーション用の基準容量(ダミー容量)値とを比較する比較部22と、比較部22から出力された比較結果に基いて、近接/接触検知電極130に何かが近接/接触しているか否かを決定する検知結果決定部23と、平均化方式設定メモリ27に記憶された平均化方式(平均化フィルタ)の各種設定値に基いて、検知結果に対して平均化処理を実行する平均化部24と、平均化部24によって平均化等が施されている間に、図21〜図24に例示したような所定のパターン1,パターン2,パターン2B,パターン3を識別する近接/接触パターン識別部29と、平均化部24によって平均化等が施された検知結果と、近接/接触パターン識別部29により識別されたパターンと、しきい値設定メモリ28に記憶された所定のしきい値とから近接/接触検知電極130(すなわちドアハンドル4)に接触しているのは人間80の手8なのか水滴なのかを判断(図27)する判断部25とを備える。しきい値設定メモリ28には、図21〜図24に例示したような判断しきい値TH1が設定されて記憶されている。
基準容量値は、ドアハンドル4に実際に配置する配線や回路等によりシステム毎に異なるので、基準容量の値や基準容量設定メモリ26への記憶方法は、システム構築(設計)時に、検討して決定する。例えば、予め基準容量値の特定が可能であれば基準容量設定メモリ26を読み出し専用メモリ(ROM)で構成することができるし、予め基準容量値を特定することが不可能であれば動作開始時に基準容量Cの値を毎回記憶するので、基準容量設定メモリ26をランダムアクセスメモリ(RAM)で構成する。
(近接/接触検知部の応用回路(近接/接触検知装置)構成)
図26は、第2の実施の形態に係る近接/接触検知部120Bの応用回路構成(PCB210(近接/接触検知装置))の構成例を例示する概略ブロック図である。
近接/接触検知部120Bの応用回路構成は、図26に例示するように、静電スイッチコントロールIC126と、静電スイッチコントロールIC126に接続された近接/接触検知電極130(第1電極131および第2電極133)と、静電スイッチコントロールIC126を制御する制御回路212とを備え、静電スイッチコントロールIC126は、近接/接触検知用IC180を備える。静電スイッチコントロールIC126は、電子キーシステムの電子機器などのホスト装置129に接続される。
静電スイッチコントロールIC126は、近接/接触検知電極130のスイッチ操作向け静電容量センサーのコントローラである。
静電スイッチコントロールIC126は、静電容量を検出するAFE(Analog Front End)、検出容量をディジタル検出値に変換するA/Dコンバータ、検出値を処理するMPU(Micro Processing Unit)、PWM(Pulse Width Modulation)対応LED(Light Emitting Diode)コントローラ、I2C(Inter-Integrated Circuit)バスプロトコルに対応した2線シリアルバスホストインターフェース、パワーオンリセット、クロック発振回路、内部用LDO(Low Drop-Out regulator)などを内蔵可能である。
静電スイッチコントロールIC126では、図24に例示するように、1つの静電容量センサーを1つの独立スイッチ(すなわち、独立した近接/接触検知電極130))として用いることができる。各独立した検知センサーでは、ON、OFF、長押しなどを認識することができる。
尚、近接/接触検知電極130(第1電極131および第2電極133)の検知感度(図17参照)を調整は、AFEの分解能を調整することで調整可能である。
(ドアハンドル装置の制御方法)
図27は、第2の実施の形態における近接/接触検知電極130(第1電極131および第2電極133)による検知結果のパターン分けの例を示す。また、図28は、第2の実施の形態に係るドアハンドル装置1Bにおいてドアハンドル4への近接または接触を判別して施錠/開錠するための処理手順を例示する。
ステップS100において、電子キー3を携帯した(身につけた)人間(運転者など)が、車両側から発信されている信号を受信できる範囲(作動範囲)内に入ると、電子キー3と車両内の非接触検知部140とがアンテナ220を介して信号の送受信を始め、システムが開始される(ステップS200)。
ステップS201において、制御部200は、エンジン始動検知部308からの検知信号に基いて、車両のエンジンが始動しているか否かを判定する。車両のエンジンが始動している場合、次にステップS202において、制御部200は、走行速度検知部310からの検知信号に基いて、車両が停止しているか否かを判定する。車両が停止していなければ、すなわち、車両1が走行中であれば、ステップS210において、制御部200は、施錠部162を施錠したままにするように、施錠制御部164に対して指示を送る。
一方で、ステップS201において車両1のエンジンが始動していない(すなわち、エンジンが停止している)と判定した場合、若しくは、車両1のエンジンが始動しているが、車両1が停止しているとステップS202において判定した場合には、ステップS203に進む。
ステップS203において、制御部200は、電子キー3からロックを解除する信号(開錠信号)がアンテナ220を介して非接触検知部140に送られてきたか否かを判定し、開錠信号が送られていれば、ステップS211において、施錠部162を開錠するように、施錠制御部164に対して指示を送る。
ステップS203において、電子キー3からロックを解除する信号(開錠信号)が送られていなければ、次に、ステップS204以降の接触検知部120Bの近接/接触検知用IC180の処理に進む。
ステップS204において、近接/接触検知用IC180は、キャリブレーション用基準容量(ダミー容量)値を設定する。より具体的には、近接/接触検知電極130による検知最大値Int_MAX(Fullの状態)として予め基準容量設定メモリ26に記憶されている値を用いるか、または今回の処理用に検知最大値Int_MAX(Fullの状態)として基準容量(ダミー容量)Cを設定して基準容量設定メモリ26に記憶する。
次に、ステップS205において、比較部22は、近接/接触検知電極130が検知した検知容量値と、基準容量設定メモリ26に記憶されたキャリブレーション用の基準容量(ダミー容量)値とを比較する。
次に、ステップS206において、検知結果決定部23は、比較部22から出力された比較結果に基いて、近接/接触検知電極130(第1電極131および第2電極133)に何かが近接/接触しているか否かを決定する。近接/接触検知電極130(第1電極131および第2電極133)に何も近接/接触していなければ、ステップS207以降の処理をスキップして、ステップS210に進んでも良い。
次に、ステップS207において、平均化部24は、平均化方式設定メモリ27に記憶された各種平均化方式の設定値に基いて、検知結果に対して平均化などの処理を実行する。
次に、ステップS208において、近接/接触パターン識別部29は、平均化部24によって平均化等が施されている間に、図21〜図24に例示したようなパターン1,2,2’,3を識別する。
次に、ステップS209において、判断部25は、平均化部24によって平均化等が施された検知結果と、近接/接触パターン識別部29により識別されたパターンと、しきい値設定メモリ28に記憶された所定のしきい値とから近接/接触検知電極130(すなわちドアハンドル4)に接触しているのは人間80の手8なのか水滴なのかを判断する。近接/接触検知電極130に近接/接触しているのは人間80の手8であって、人間80に開錠の意思があると判断できれば、ステップS211に進んでドアロックを解除する。逆に、近接/接触検知電極130に接触しているのは水滴であれば、ステップS210に進んで施錠部162を施錠したままにする。
ここで、図29を参照すると、図28に例示した処理手順におけるステップS208〜ステップS209の詳細な処理手順が示される。
ステップS301において、近接/接触パターン識別部29は、天気は雨なのか否かを判定する。より具体的には、電子キー3を携帯した人間80が作動範囲L2内に入った直後から、第1電極131と第2電極133の少なくとも一方が近接/接触検知を始めたか否かを判定する。
ステップS301の判定の結果、天気が雨でなければ、次に、ステップS302において、洗車中か否かを判定する。より具体的には、(a)第2電極133の近接検知開始タイミング(時刻T12)は、第1電極131の近接検知開始タイミング(時刻T11)よりも遅いか否か、(b)第2電極133の検知軌跡の角度(θ2)は、第1電極131の検知軌跡の角度(θ1)よりも急峻(θ1<θ2)であるか否か、などを判定する。
ステップS302の判定の結果、洗車中でなければ、次に、ステップS307において、人間80を認識するか否かを判定する。より具体的には、第1電極131および第2電極133のそれぞれの検知容量値が、判断用しきい値TH1を超えて安定する状態になったか否かを判定する。
ステップS307の判定の結果、人間80を認識することができれば、雨が降っていない状況で人間80がドアハンドル4に近接し、その後ドアハンドル4に接触する(開錠の意思がある)パターン1に該当するものと判定できるので、ステップS308に進んで、パターン1に分類される(パターン1で確定)。
その一方で、ステップS302の判定の結果、洗車中である場合には、ステップS304に進んで、パターン2Bに分類される(暫定)。そして、その後、ステップS307に進み、人間80を認識するか否かを判定し、判定の結果、人間80を認識することができれば、洗車が終わって人間80が車両に乗り込む(開錠の意思あり)と判定できるので、ステップS308に進み、パターン2Bからパターン1に移行したものと分類される(パターン1→パターン2Bで確定)。逆にステップS307で人間80を認識することができなければ、ステップS309に進み、人間80が存在するか否か(電子キー3が作動範囲L2内に存在するか否か)を判定する。ステップS309の判定の結果、人間80が存在しなければ、洗車が終わって人間80が去った(開錠の意思なし)と判定し、ステップS310に進んで処理を終了する(パターン2Bのまま確定)。
ステップS309の判定の結果、人間80が存在すれば、ステップS301に戻り、処理を繰り返す。
一方で、ステップS301の判定の結果、天気が雨であれば、次に、ステップS303に進み、第1電極131と第2電極133のそれぞれの検知強度から、雨の強さを判定する。
ステップS303の結果、第1電極131の検知結果と第2電極133の検知結果が、不安定ながらも、互いに相似した(ほぼ一致した)軌跡が見られる場合には、比較的強い雨であると判定され、ステップS305において、パターン2に分類される(暫定)。
ステップS305において暫定的にパターン2に分類された場合、その後、ステップS307に進み、人間80を認識するか否かを判定する。ステップS307の判定の結果、人間80を認識することができれば、比較的強い雨の日に人間80が車両に乗り込む(開錠の意思あり)と判定できるので、ステップS308に進み、パターン2からパターン1に移行したものと分類される(パターン2→パターン1で確定)。もし、ステップS307で人間80を認識することができなければ、ステップS309に進み、人間80が存在するか否かを判定する。ステップS309の判定の結果、人間80が存在しなければ、強い雨が降っているだけで開錠の意思なしと判定し、ステップS310に進んで処理を終了する(パターン2のまま確定)。
ステップS303の結果、第1電極131の検知結果と第2電極133の検知結果が、不安定であり、且つ不一致である場合には、比較的弱い雨であると判定され、ステップS306において、パターン3に分類される(暫定)。
ステップS306において暫定的にパターン3に分類された場合も、同様に、ステップS307に進み、人間80を認識するか否かを判定する。ステップS307の判定の結果、人間80を認識することができれば、比較的弱い雨の日に人間80が車両に乗り込む(開錠の意思あり)と判定できるので、ステップS308に進み、パターン3からパターン1に移行したものと分類される(パターン3→1で確定)。もし、ステップS307で人間80を認識することができなければ、ステップS309に進み、人間80が存在するか否かを判定する。ステップS309の判定の結果、人間80が存在しなければ、弱い雨が降っているだけで開錠の意思なしと判定し、ステップS310に進んで処理を終了する(パターン3のまま確定)。
ステップS309の判定の結果、人間80が存在すれば、ステップS301に戻り、処理を繰り返す。
図28に戻って、ステップS209において、確定したパターンを確認する。確定したパターンが、パターン1、パターン2→パターン1、パターン3→パターン1、パターン2B→パターン1のいずれかであれば、ステップS210において、制御部200は、施錠部162を開錠するように、施錠制御部164に対して指示を送る。
確定したパターンが、パターン2、パターン3、パターン2Bのいずれかであれば、ステップS210において、制御部200は、施錠部162を施錠したままにするように、施錠制御部164に対して指示を送る。
[平均化方式決定メモリ]
ステップS108において、平均化部24が用いる平均化方式設定メモリ27に記憶される平均化方式(平均化フィルタ)の各種設定値は、例えば以下の項目を含み、サンプリングデータを平均することでノイズの除去等を行う。
・平均化する母数の設定
・有効データ数の設定(単純、中央からの数、先頭からの数、末尾からの数、等)
・並べ替えの方法(なし、大きい順、小さい順、等)
図30は、第2の実施の形態に係る近接/接触検知用IC180の平均化部24において行われる平均化方式の一例を模式的に例示する。図30には、サンプリング期間SPの間にサンプルS1〜サンプルSnのn個のサンプル数を有する例が示されており、サンプリング間隔は、例えば数ミリ秒である。
尚、平均化フィルタの代わりに、メディアンフィルタ、ガウシアンフィルタなどを用いることもできる。
ここで、人間80の認識に関して、人間80がドアハンドル4に触れるまでの時間を考える。
第1電極131側が手8の近接を検知してからドアハンドル4に完全に接触するまでの時間を0.5秒、距離を30cm、サンプリング時間を5ミリ秒/回とすると、100回/30cmとなる。
同様に、第2電極133側が手8を検知する距離を10cmに調整すると、33回/10cmとなる。
そうすると、100回のサンプリング期間中に、図29に例示したステップS301、S302、S303、S307、S309の各判定処理が実行されることになる。
このように平均化部24によって平均化等が施された検知結果を基に、判断部25は、図30に例示するように、しきい値TH1を設定してしきい値設定メモリ28に記憶する。そして、判断部25は、このしきい値TH1に基いて、近接/接触検知電極130(すなわちドアハンドル4)に接触しているのは人間80の手8なのか水滴なのかを判別する。
以上説明したように、本実施形態によれば、静電方式の錠機構を有する車両等のドアハンドルに付着する水滴等による誤動作を防止するするとともに、製造コストを低減することができる近接/接触検知装置、ドアハンドル装置およびその制御方法、および電子キーシステムを提供することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、第1〜第2の実施の形態について記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、第1〜第2の実施の形態では主に車両のドアハンドル4について説明したが、建物などの車両以外のドアなどにも適用することができる。車両以外のドアなどにも適用する場合、図12、に例示したフローチャートのステップS101およびS102をスキップしてステップS103から開始すれば良い。同様に、図28に例示したフローチャートのステップS100、S200、S201、およびS202をスキップしてステップS203から開始すれば良い。
このように、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
本実施の形態に係る接触検知装置、近接/接触検知装置、ドアハンドル装置およびその制御方法、および電子キーシステムは、建物や車両などのドアに適用可能である。
1、1B…ドアハンドル装置
3…電子キー
4…ドアハンドル
8…手
9…雨滴(水、水滴)
20…接触検知用LSI
21…アナログ/ディジタル(A/D)変換部
22…比較部
23…検知結果決定部
24…平均化部
25…判断部
26…基準容量設定メモリ
27…平均化方式設定メモリ
28…しきい値設定メモリ
29…近接/接触パターン識別部
50…容器
51、52、B…検知結果ゾーン
80…人間
100…開閉機構部
120…接触検知部(接触検知装置)
120B…近接/接触検知部(近接/接触検知装置)
126…静電スイッチコントロールIC
128…接触検知電極(Pad電極)
129…ホスト装置
130…近接/接触検知電極
131…第1電極
132…接触検知電極
133…第2電極
140…非接触検知部
142…信号送受信部(信号送受信装置)
144…キー認識部
160…施錠部(ロック部)
162…施錠部(施錠装置)
164…施錠制御部
180…近接/接触検知用IC
200…制御部(マイコン)
210…実装基板(PCB)
211…静電容量検知用IC
212…制御回路
220…アンテナ
300…その他検知部
302…SOS信号検知部
304…強制信号検知部
306…テスト信号検知部
308…エンジン始動検知部
310…走行速度検知部
312…その他検知部
400…その他機能部
CE…円の中心
EA…検知電極配置エリア
Int_MAX…検知最大値
Int_TH…しきい値
L1、L2、L3、L4…長さ
H1…高さ
P1、P2…軌跡
R…曲率半径
S1、S2、S3、S4、S5、Sn、S−TH…サンプル

Claims (25)

  1. ドアに降りかかる水滴を誘導するガイド溝に配置されるとともに前記ドアへの接触を検知する接触検知電極による検知結果と、基準容量設定メモリに記憶されたキャリブレーション用の基準容量値とを比較する比較部と、
    前記比較部から出力された比較結果に基いて、前記接触検知電極に何かが接触しているか否かを決定する検知結果決定部と、
    前記検知結果と、しきい値設定メモリに記憶されたしきい値とから前記接触検知電極に接触しているのは、前記水滴なのか、それとも人間の身体の少なくとも一部なのかを判断する判断部と
    を備えることを特徴とする接触検知装置。
  2. 前記検知結果に対して平均化処理を実行する平均化部をさらに備え、
    前記判断部は、前記平均化部によって平均化が施された検知結果と前記しきい値とから前記接触検知電極に接触しているのは、前記水滴なのか、それとも前記人間の身体の少なくとも一部なのかを判断することを特徴とする請求項1に記載の接触検知装置。
  3. 面積および検知感度のいずれか一方若しくは両方が互いに異なる値になるようにそれぞれ形成された第1電極と第2電極とから構成されるとともにドアへの近接または接触を検知する近接/接触検知電極と、
    前記近接/接触検知電極による検知結果と、基準容量設定メモリに記憶されたキャリブレーション用の基準容量値とを比較する比較部と、
    前記比較部から出力された比較結果に基いて、前記近接/接触検知電極に何かが近接または接触しているか否かを決定する検知結果決定部と、
    前記検知結果を所定のパターンに識別する近接/接触パターン識別部と、
    前記所定のパターンに識別された前記検知結果と、しきい値設定メモリに記憶されたしきい値とから前記近接/接触検知電極に接触しているのは、水滴なのか、それとも人間の身体の少なくとも一部なのかを判断する判断部と
    を備えることを特徴とする近接/接触検知装置。
  4. 前記検知結果に対して平均化処理を実行する平均化部をさらに備え、
    前記近接/接触パターン識別部は、前記平均化部によって平均化が施される間に前記検知結果を前記所定のパターンに識別することを特徴とする請求項3に記載の近接/接触検知装置。
  5. 前記第1電極は、前記近接/接触検知部が実装される実装基板上の外周に配置され、前記第2電極は、前記外周以外の前記実装基板上に配置されることを特徴とする請求項3に記載の近接/接触検知装置。
  6. 前記第2電極は、前記実装基板上の中央部に配置されることを特徴とする請求項5記載の近接/接触検知装置。
  7. 前記第1電極の検知感度は、前記第2電極の検知感度より高いことを特徴とする請求項3に記載の近接/接触検知装置。
  8. 前記第1電極の面積は、前記第2電極の面積より広いことを特徴とする請求項3または7に記載の近接/接触検知装置。
  9. 前記近接/接触検知電極は、静電容量方式の近接/接触検出電極を備えることを特徴とする請求項3に記載の近接/接触検知装置。
  10. ドアに降りかかる水滴を誘導するガイド溝と、前記ガイド溝に配置されるとともに前記ドアへの接触を検知する接触検知電極とを有する接触検知部と、
    前記ドアの開錠および施錠を行う施錠部と、
    前記接触検知電極による検知結果に基いて、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであることを判定した場合に、前記ドアを施錠したままにするように前記施錠部に指示する制御部と
    を備えることを特徴とするドアハンドル装置。
  11. 前記制御部は、前記接触検知電極による検知結果に基いて、前記ドアへの接触が人間の身体の少なくとも一部によるものであることを判定した場合に、前記ドアの開錠を行うように前記施錠部に指示することを特徴とする請求項10に記載のドアハンドル装置。
  12. 前記ガイド溝は、誘導された前記水滴を前記接触検知電極の少なくとも一部上に停滞させるための停滞部を備えることを特徴とする請求項10に記載のドアハンドル装置。
  13. 前記停滞部は、丸みを帯びた形状を有することを特徴とする請求項12に記載のドアハンドル装置。
  14. 前記停滞部は、前記ガイド溝の下方部分でその傾斜を和らげる形状を有することを特徴とする請求項12に記載のドアハンドル装置。
  15. 前記ガイド溝は、前記水滴を集めて前記ガイド溝に誘導するための誘導溝を前記ガイド溝の上端部に備えることを特徴とする請求項10に記載のドアハンドル装置。
  16. 前記ガイド溝および前記ガイド溝に配置される接触検知電極が形成される検知電極配置エリアは、前記ドアの持ち手部分のどこを握っても必ず触れる部分を備えることを特徴とする請求項10に記載のドアハンドル装置。
  17. 前記検知電極配置エリアは、前記ドアの前記ハンドル部分の裏面に配置されることを特徴とする請求項16に記載のドアハンドル装置。
  18. 前記検知電極配置エリアは、前記ドアの前記ハンドル部分の表面に配置されることを特徴とする請求項16または17に記載のドアハンドル装置。
  19. 前記接触検知電極は、静電容量方式の接触検出電極を備えることを特徴とする請求項10に記載のドアハンドル装置。
  20. 面積および検知感度のいずれか一方若しくは両方が互いに異なる値になるようにそれぞれ形成された第1電極と第2電極とから構成されるとともにドアへの近接または接触を検知する近接/接触検知電極を備え、前記近接/接触検知電極による検知結果を所定のパターンに識別する近接/接触検知部と、
    前記ドアの開錠および施錠を行う施錠部と、
    前記所定のパターンに識別された前記検知結果に基いて、前記ドアへの接触が水滴によるものであることを判定した場合に、前記ドアを施錠したままにするように前記施錠部に指示する制御部と
    を備えることを特徴とするドアハンドル装置。
  21. 前記制御部は、前記所定のパターンに識別された前記検知結果に基いて、前記ドアへの接触が人間の身体の少なくとも一部によるものであることを判定した場合に、前記ドアの開錠を行うように前記施錠部に指示することを特徴とする請求項20に記載のドアハンドル装置。
  22. ドアに降りかかる水滴を誘導するガイド溝と、前記ガイド溝に配置されるとともに前記ドアへの接触を検知する接触検知電極とを有する接触検知部と、前記ドアの開錠および施錠を行う施錠部と、前記接触検知電極による検知結果に基いて、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであることを判定した場合に、前記ドアを施錠したままにするように前記施錠部に指示する制御部とを備えるドアハンドル装置の制御方法であって、
    前記接触検知電極によって、前記ドアへの接触を検知するステップと、
    前記制御部が、前記接触検知電極による検知結果に基いて、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであるか否かを判定するステップと、
    前記制御部が、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであると判定した場合、前記ドアの開錠を行うように前記施錠部に指示するステップと
    を有することを特徴とするドアハンドル装置の制御方法。
  23. 面積および検知感度のいずれか一方若しくは両方が互いに異なる値になるようにそれぞれ形成された第1電極と第2電極とから構成されるとともにドアへの近接または接触を検知する近接/接触検知電極を備える近接/接触検知部と、前記ドアの開錠および施錠を行う施錠部と、前記所定のパターンに識別された前記検知結果に基いて、前記ドアへの接触が水滴によるものであることを判定した場合に、前記ドアを施錠したままにするように前記施錠部に指示する制御部とを備えるドアハンドル装置の制御方法であって、
    前記近接/接触検知電極によって、前記ドアへの近接または接触を検知するステップと、
    前記近接/接触検知部が、前記近接/接触検知電極による検知結果を所定のパターンに識別するステップと、
    前記制御部が、前記所定のパターンに識別された前記検知結果に基いて、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであるか否かを判定するステップと、
    前記制御部が、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであると判定した場合、前記ドアの開錠を行うように前記施錠部に指示するステップと
    を有することを特徴とするドアハンドル装置の制御方法。
  24. ドアに降りかかる水滴を誘導するガイド溝と、前記ガイド溝に配置されるとともに前記ドアへの接触を検知する接触検知電極とを有する接触検知部と、
    前記ドアの開錠および施錠を行う施錠部と、
    人間が携帯する電子キーとの間で信号の送受信を行う信号送受信部と、前記信号送受信部が送受信する信号に基いて前記電子キーや前記電子キーの操作を認識するキー認識部とを有する非接触検知部と、
    前記電子キーや前記電子キーの操作を認識し、前記接触検知電極による検知結果に基いて、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであることを判定した場合に、前記ドアを施錠したままにするように前記施錠部に指示する制御部と
    を備えることを特徴とする電子キーシステム。
  25. 面積および検知感度のいずれか一方若しくは両方が互いに異なる値になるようにそれぞれ形成された第1電極と第2電極とから構成されるとともにドアへの近接または接触を検知する近接/接触検知電極を備え、前記近接/接触検知電極による検知結果を所定のパターンに識別する近接/接触検知部と、
    前記ドアの開錠および施錠を行う施錠部と、
    人間が携帯する電子キーとの間で信号の送受信を行う信号送受信部と、前記信号送受信部が送受信する信号に基いて前記電子キーや前記電子キーの操作を認識するキー認識部とを有する非接触検知部と、
    前記電子キーや前記電子キーの操作を認識し、前記所定のパターンに識別された前記検知結果に基いて、前記ドアへの接触が前記水滴によるものであることを判定した場合に、前記ドアを施錠したままにするように前記施錠部に指示する制御部と
    を備えることを特徴とする電子キーシステム。

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