JP2017032470A - 多変量解析結果表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】主成分数、サンプル数が多い場合であっても、異なる主成分間や異なるサンプル間のスコアの的確な比較を簡便に行えるようにする。
【解決手段】統計量規格化部17はデータに対する主成分分析によって主成分毎、サンプル毎に算出されたスコア値を主成分毎に正規化する。統計量ヒートマップ作成部18は、サンプルを横軸、主成分を縦軸としたヒートマップにおいて、各セルに対応する正規化後のスコア値に基づいてセルの表示色とその濃淡を決定し、さらに主成分毎の決定係数R2に応じてセルの高さを変更する。ヒートマップ表示制御部19はこうして作成されたスコア値を表すヒートマップを表示部3の画面上に表示する。このヒートマップによれば、一つの主成分におけるサンプル間のスコア値の比較や、一つのサンプルにおける主成分間のスコア値の比較が容易になり、一つのグラフで主成分分析の結果の全体的な把握が簡便に行える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば質量分析装置で得られたマススペクトルデータ、ガスクロマトグラフ装置(GC)や液体クロマトグラフ装置(LC)で得られたクロマトグラムデータ、分光測定装置で得られた吸光スペクトルデータ、DNAマイクロアレイ解析で得られたデータ等、各種のデータを多変量解析した結果を表示する多変量解析結果表示装置に関する。
近年、大量のデータから有用な情報を抽出するための統計手法、即ちデータマイニングの手法として、主成分分析(PCA=Principal Component Analysis)、独立成分分析(ICA=Independent Component Analysis)、部分最小二乗法(PLS=Partial Least Squares)など様々な手法による多変量解析が広く利用されている。機器分析の分野においても、測定や分析によって得られた大量のデータを解析するために多変量解析は頻用されている。
例えば、多数のサンプルに対してそれぞれ所定の質量電荷比m/z範囲に亘る質量分析を行うと、多数のマススペクトルデータが得られる。こうした多数のマススペクトルデータを利用してその多数のサンプルを複数のグループに分けたり、サンプル間の差異に影響を与える物質を調べたり、或いは、全体的な分布の傾向を把握したりする際には、通常、主成分分析が利用される。
主成分分析を行うためには、まず各マススペクトルについてピーク検出を行い、そのピーク検出結果に基づいて例えば図5に示すようなピークマトリクスを作成する。
図5に示すピークマトリクスは、縦方向にサンプル、横方向にピーク位置(質量電荷比m/z)をとり、信号強度値を各要素の値としたものである。したがって、このピークマトリクスにおける1行の各要素は、一つのサンプルについての各質量電荷比における信号強度値を示しており、1列の各要素は或る質量電荷比における全てのサンプルの信号強度値を示している。
こうして作成されたピークマトリクスに対し主成分分析を実行し、サンプル毎の各主成分のスコアや主成分毎のローディングを算出する。そして、その結果からスコアプロットやローディングプロットなどのグラフを作成し、これを表示部の画面上に表示する。スコアプロットは、互いに異なる二つの主成分を軸としたグラフに各サンプルのスコアをプロットしたものであり、ローディングプロットは同様に二つの主成分を軸としたグラフに各ピークの寄与度合いを示すローディングをプロットしたものである。なお、こうした演算や表示を行うために、例えばUmetrics社製の「SIMCA」(非特許文献1参照)などのソフトウエアを利用することができる。
非特許文献2には、漢方薬である葛根湯について4種類のサンプルを質量分析することで得られたデータに対し主成分分析を実施した例が開示されている。この例では、主成分分析の結果として作成されたスコアプロットから4種類のサンプルが分別可能であることが示されている。また、その分別に寄与しているマススペクトル上のピークの質量電荷比m/zをローディングプロットから確認できることが示されている。
こうした主成分分析において主成分をいくつまで確認するのが適切であるのか、つまりは第n主成分のnをいくつにするのが適切であるのかは、データ全体の変動に影響を与えているサンプルを探索したいのか、不純物を探索したいのか、或いは、サンプルを複数のグループに分けたいのか、といった解析の目的によって異なるが、場合によっては、10以上の主成分数(つまりはn>10)の結果について確認を要することもある。
このように確認すべき主成分の数が多い場合、解析結果を網羅的に確認したり評価したりするためには、第1主成分PC1(以下「第n主成分」を「PCn」と記す)と第2主成分PC2とを二軸とするスコアプロット、第1主成分PC1と第3主成分PC3とを二軸とするスコアプロット、…と、様々な主成分の組み合わせのスコアプロットを作成し、それを分析者が互いに見比べて判断を下す必要がある。しかしながら、軸が異なるスコアプロット毎に表示されるサンプルの相対位置は変化するから、複数のスコアプロットに跨って複数のサンプル同士を比較する作業はかなり煩雑である。また、任意の二つの主成分の組み合わせの数はn2になるから、nが10以上である場合、作成すべきスコアプロットは膨大な数となる。こうした膨大な数のスコアプロットに跨って複数のサンプルの比較を行うことは実質的に不可能である。
一方、主成分分析等の多変量解析によって得られる別の重要な指標として、その成分によってデータ中の変動をどの程度の割合説明できるのかを示す決定係数R2がある。例えば、第1主成分PC1のR2が80%、第2主成分PC2のR2が10%、第3主成分PC3のR2が5%、…であるとすると、データ全体の変動の殆どは第1主成分PC1のみで以て説明可能であるといえる。したがって、この決定係数R2はいくつまで主成分を確認すればよいのかを判断するうえで有用である。例えば非特許文献1に記載されているように、従来、各主成分に対する決定係数はスコアプロットとは別の棒グラフ等として表示されるのが一般的である。しかしながら、そうした表示では、分析者がスコアプロットを用いて複数のサンプルの比較を行う際に、決定係数を考慮するのは面倒である。
「多変量解析ソフトウェア SIMCA」、[online]、インフォコム株式会社、[平成27年4月20日検索]、インターネット<URL: http://infocom-science.jp/product/detail/simca.html> 「生薬の産地判別 LCMS-IT-TOFによる生薬の差異解析」、[online]、株式会社島津製作所、[平成27年4月20日検索]、インターネット<URL: http://www.an.shimadzu.co.jp/apl/food/crude_drugs.htm>
また、質量分析装置で得られたマススペクトルデータのみならず、例えば、ガスクロマトグラフ装置や液体クロマトグラフ装置で得られたクロマトグラムデータ、分光測定装置で得られた吸光スペクトルデータなどに基づいて、サンプル群間で存在量に有意な差があるマーカー候補のピークを探索したり、或いは、DNAマイクロアレイ解析で得られたデータに基づいて、サンプル群間で発現量に有意な差がある遺伝子を探索したりする際にも同様の問題がある。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その主たる目的は、例えば複数のサンプルについてそれぞれ得られた分析データに対する主成分分析などの多変量解析を実行して得られた結果を分析者が確認したり評価したりする際に、複数のサンプルの的確な比較を簡便に行い、そのデータに基づく知見や情報を得ることができる多変量解析結果表示装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、複数のサンプルについての数値データを多変量解析することで得られた結果を表示する多変量解析結果表示装置であって、
a)多変量解析の過程で求まる成分毎に、複数のサンプルについてそれぞれ求まった統計量を規格化する統計量規格化部と、
b)2次元表示領域上で直交する二軸のうちの第1の軸に沿ってサンプルを、第2の軸に沿って前記成分を配置し、一つのサンプルの一つの成分における規格化後の統計量を、そのサンプル及び成分に対応するセルの色、濃淡、又は色及び濃淡、のいずれかで表現するとともに、各セルの第1の軸方向のサイズを、多変量解析の過程で前記成分毎に求まる、その成分の信頼性を示す指標値に応じて変更した行列型のヒートマップを作成するヒートマップ作成部と、
を備えることを特徴としている。
ここで数値データの内容や種類は特に問わないが、典型的には、様々な分析機器で収集された分析データ、測定データとすることができる。具体的には、質量分析装置で得られたマススペクトルデータ、GCやLCで得られたクロマトグラムデータ、分光測定装置で得られた吸光スペクトルデータ、DNAマイクロアレイ解析で得られたデータなどとすることができる。
本発明に係る多変量解析結果表示装置において、多変量解析としては主成分分析、独立成分分析、部分最小二乗法による回帰分析、因子分析などを用いることができる。このうち、主成分分析及び独立成分分析はいわゆる「教師なし」の解析手法であり、部分最小二乗法はいわゆる「教師あり」の解析手法である。また、多変量解析の過程で求まる指標値としては、決定係数R2や予測残差平方和(PRESS値)などを用いればよい。
本発明に係る多変量解析結果表示装置において、多変量解析として主成分分析が用いられる場合、複数のサンプルのデータに対する主成分分析が実行される過程で、複数の主成分が抽出され、主成分毎に各サンプルのスコアが統計量として算出される。そこで、統計量規格化部は、主成分毎に、複数のサンプルについてそれぞれ求まったスコアを規格化することで、異なる主成分におけるスコアの比較を容易にする。規格化のアルゴリズムは特に限定されず、例えば、主成分毎に、スコアの絶対値の最大値を+1又は−1に定め、それ以外のスコアの範囲を−1〜+1の範囲に収める正規化を行えばよい。
ヒートマップ作成部は、2次元表示領域上で直交する二軸(通常、縦軸と横軸)のうちの例えば横軸に沿ってサンプルを、縦軸に沿って主成分を配置する。つまり、行列型のヒートマップの枠を作成する。その枠には、[サンプル数]×[主成分数]の数のセルが配置され、各セルには規格後のスコアが対応する。そこで、各セルに対応する規格後のスコアの値を、色、濃淡、又は色及び濃淡、のいずれかで表現し、さらに、サンプルが配置される方向の軸に沿った各セルのサイズを、主成分分析によって主成分毎に求まる、例えば決定係数R2の値に応じて変更する。一般的に行列型のヒートマップではセルのサイズは全て同一であるが、ここでは、モザイクプロットで行われているように、セルのサイズ(ここでは一方の軸のみの長さ)で個々のセルに割り当てられている値(規格化後のスコア値)とは別の値を表現している。このようにして、カラースケールやグレイスケールなどに従った行列型のヒートマップが完成するから、これを表示モニタの画面上に表示して分析者に提示する。
このようにして表示されるヒートマップには、解析対象である全てのサンプルの全ての主成分における規格化後のスコアが色や濃淡などで表示される。また、その主成分に対する決定係数が大きいほどセルの例えば縦方向のサイズは大きく表示される。そのため、分析者は一つのサンプルに対する多数の主成分におけるスコアの比較を視覚的に簡便に行うことができる。また、或る一つの主成分における複数のサンプル間でのスコアの比較も視覚的に簡便に行うことができる。また、主成分の数が多い場合やサンプルの数が多い場合でも、殆どの場合、全ての情報を一つのヒートマップに載せることができるので、サンプル間や主成分間でのスコアの比較が容易になる。
また、本発明に係る多変量解析結果表示装置において、好ましくは、
上記ヒートマップ作成部により作成されたヒートマップが表示された画面上で任意のサンプル及び/又は成分を分析者が指示するための指示部をさらに備え、
上記ヒートマップ作成部は、上記指示部によりサンプル及び/又は成分が指示されたとき、指示されたサンプル及び/又は成分のみに対応するヒートマップを再作成する構成とするとよい。
この構成によれば、多数のサンプル、多数の主成分について作成されたヒートマップから、分析者が着目するサンプルや主成分に絞った見易い、具体的には、色や濃淡の相違が明瞭で、且つ決定係数などに応じたセルのサイズの相違も視認し易いヒートマップを作成し表示することができる。
なお、本発明に係る多変量解析結果表示装置では、規格後のスコアの値を濃淡にのみ対応付け、色を別の情報を示すのに利用してもよい。例えば、同じグループに属するサンプルが複数あり、且つ複数のグループが存在する場合に、サンプルのグループ分けを示すために色を使用してもよい。これにより、同じグループに属するサンプルがヒートマップ上で一目で分かるようになり、例えばサンプルの差異解析などの効率が向上する。
本発明に係る多変量解析結果表示装置によれば、多数のサンプルについての全成分(多変量解析が主成分分析である場合には成分とは主成分)における統計量を一つのヒートマップで表現することができるため、成分数が多い場合であっても複数のサンプル間の異なる成分における統計量の比較が簡便に行える。
また、ヒートマップ上で成分毎の決定係数等の指標値の大小も把握できるため、分析者は例えば、数値データの分散等を説明するのに適当な主成分であるか否かを視覚的に簡単に判断することができる。さらにまた、従来であれば、例えばサンプルの差異解析の際に用いた多変量解析結果として複数のスコアプロットを保存しておく必要があったが、本発明に係る多変量解析結果表示装置によれば、一つのヒートマップを保存しておきさえすればよいので、データの管理が容易であるという効果もある。
本発明に係る多変量解析結果表示装置の一実施例を用いた質量分析データ解析装置の概略ブロック構成図。 本実施例の質量分析データ解析装置における特徴的な処理のフローチャート。 本実施例の質量分析データ解析装置において統計量ヒートマップを作成する際のヒートマップ枠の一例を示す図。 本実施例の質量分析データ解析装置における主成分分析結果の表示例を示す図。 複数のサンプルについてのマススペクトルから作成されたピークマトリクスの一例を示す図。
以下、本発明に係る多変量解析結果表示装置を用いた質量分析システムの一実施例について、添付図面を参照して説明する。
図1は本実施例の質量分析システムの概略構成図である。
本実施例の質量分析システムは、質量分析装置4と、データ処理部1と、入力部2と、表示部3と、を備える。
質量分析装置4は与えられたサンプルに含まれる化合物をイオン化して質量分析を実行するものであり、そのイオン化手法や質量分離手法などは特に問わない。
データ処理部1は、質量分析装置4で収集されたデータを解析処理してその結果を表示部3に表示するものであり、機能ブロックとして、マススペクトルデータ記憶部11、ピークマトリクス作成部12、主成分分析実行部13、主成分分析結果一時記憶部14、目的サンプル・成分選択部15、ヒートマップ枠作成部16、統計量規格化部17、統計量ヒートマップ作成部18、及び、ヒートマップ表示制御部19、を含む。入力部2は、分析者がパラメータを設定したり何らかの指示を行ったりするためのものであり、表示部3は入力されたパラメータや解析結果等が表示されるモニタである。
なお、データ処理部1は例えばパーソナルコンピュータをハードウエア資源とし、該コンピュータにインストールされた専用のデータ処理ソフトウエアを該コンピュータ上で実行することにより、上記各機能ブロックが具現化される構成とすることができる。
この質量分析システムでは、例えば多数のサンプルについて質量分析装置4でそれぞれ質量分析を実行することにより得られた所定の質量電荷比範囲に亘るマススペクトルデータがデータ処理部1に入力され、マススペクトルデータ記憶部11に格納される。データ処理部1では、こうしてマススペクトルデータ記憶部11に格納された多数のサンプルのマススペクトルデータを用いた多変量解析が実施されるが、その際に、特徴的な表示処理が行われる。
次に、図2に示すフローチャートを参照して、本実施例の質量分析システムのデータ処理部で実施される主成分分析処理とその結果の表示処理について説明する。
多数のサンプル由来のマススペクトルデータに対する主成分分析処理の手順は従来と同じである。即ち、分析者が入力部2により解析対象であるサンプルを選択し解析の実行を指示すると、ピークマトリクス作成部12はマススペクトルデータ記憶部11から選択されたサンプルのマススペクトルデータをそれぞれ読み込む。なお、ここでいうマススペクトルデータはセントロイド処理されていないプロファイルデータである。
ピークマトリクス作成部12は、読み込まれたマススペクトルデータ毎に、各マススペクトルに現れるピークを所定のピーク検出アルゴリズムに従って検出し、ピーク位置(質量電荷比値)と信号強度(ピーク値)とを求める。そして、マススペクトル毎に、ピーク位置Mpとピーク強度Ipとの組(Mp,Ip)(ただし、p=1,2,…)を多数集めたピークリストを作成する。さらにピークマトリクス作成部12はピークリストを用いて図5に例示したようなピークマトリクスを作成する。
主成分分析実行部13はピークマトリクスに対し一般的な主成分分析を実施し、主成分を抽出するとともに主成分毎にスコア及びローディングを算出する。また、主成分毎に決定係数R2も算出する。そうして算出された主成分分析結果は主成分分析結果一時記憶部14に一旦格納される。一般的な主成分分析では、主成分分析結果は上述したようなスコアプロットやローディングプロットとして表示される。それに対し本実施例の質量分析システムでは、特徴的な表示として、スコア値のヒートマップ表示ができるようになっている。
スコア値のヒートマップ表示を行う際には、分析者はヒートマップ表示したいサンプルと主成分とを入力部2から指定する(ステップS1)。主成分分析した全てのサンプル、及び、主成分分析の過程で抽出された全ての主成分(例えば第n主成分まで主成分が抽出された場合には、1〜nの全ての第n主成分)を指定することも可能である。また、特に分析者が指定しない場合には、主成分分析した全てのサンプル、及び、主成分分析の過程で抽出された全ての主成分がデフォルトで指定されるようにしておいてもよい。
目的サンプル・成分選択部15は、指定されたサンプル及び主成分のスコア値を主成分分析結果一時記憶部14から読み出す(ステップS2)。また、ヒートマップ枠作成部16は、指定された主成分を縦軸に、指定されたサンプルを横軸にとった2次元的なヒートマップの枠を作成する(ステップS3)。図3は、指定されたサンプルが3個、指定された主成分数が5(n=1〜5)である場合のヒートマップ枠の例である。標準的には、主成分はnの順に上から並べればよく、サンプルはサンプル名称の順にソートして左から並べればよい。なお、図3に示すように、ヒートマップにおいて、一つのサンプル、一つの主成分に対応する矩形状の枠をセルと呼ぶこととする。
統計量規格化部17は、異なる主成分における統計量であるスコア値の比較が容易に行えるように、主成分毎にスコア値を規格化する(ステップS4)。規格化の手法は特に問わないが、典型的な一手法として、各主成分において、絶対値が最も大きいスコア値を基準とした正規化を行うようにするとよい。即ち、或る一つの主成分において、絶対値が最も大きいスコア値の極性が正であればそのスコアを+1、絶対値が最も大きいスコア値の極性が負であればそのスコアを−1と定める。そして、その主成分における他のスコア値は、基準に定めたスコア値の絶対値で除することで、値を−1〜+1の範囲に収める。これによると、主成分毎にスコア値が大きく相違していても、正規格化後のスコア値は基準が揃うので、主成分間のスコア値の比較が容易になる。
ステップS2で得られた全てのスコア値が規格化されたならば、統計量ヒートマップ作成部18は、規格化後のスコア値に基づいて、ヒートマップ上の各セルの表示色とその濃淡の度合を決定する(ステップS5)。例えば、正規化後のスコア値の極性が正であれば表示色を赤、正規化後のスコア値の極性が負であれば表示色を青に定め、正規化後のスコア値の絶対値が0から1に近づくに伴い表示色が濃くなるようにするとよい。また、正規化後のスコア値−1〜+1の範囲を所定のカラースケールに対応付けるようにしてもよい。また、カラー表示ではなくグレイスケールで正規化後のスコア値を表すようにしてもよい。ヒートマップ上の各セルにはそれぞれ正規化後のスコア値が対応しているから、全てのセルに表示色とその濃淡又はグレイの濃淡による情報が与えられる。
統計量ヒートマップ作成部18はさらに、ヒートマップのセルの高さHを、主成分分析結果一時記憶部14から読み出した各主成分に対応する決定係数R2の値に応じたものに変更する(ステップS6)。通常、決定係数R2は0〜1の範囲の値(%表示では0〜100)を採るから、その値に比例したセル高さHとすればよい。なお、ここでは、セル幅Lは一定である。こうして、ヒートマップ枠中の各セルはそのセルに対応したスコア値に応じた表示色及び/又は濃淡の表示となり、各セルの高さHはそのセルに対応する主成分における決定係数R2つまりは寄与度を示すものとなるから、ヒートマップ表示制御部19は作成されたスコア値のヒートマップを表示部3の画面上に表示する(ステップS7)。
上記一連の手順で分析者が指定したサンプル及び主成分に対応するスコア値のヒートマップが表示されるが、場合によっては、表示されたヒートマップの中で比較のために不要なサンプルや主成分が存在していることもある。そこで、例えばヒートマップ上で任意のサンプルや主成分を指定して削除等の指示を行うと、その指示に応じたサンプル及び主成分の指定をやり直してヒートマップを作成し直すようにするとよい。また、サンプルや主成分の選択はそのままで、相互の比較が一層容易になるように、ヒートマップ上でサンプルの順序や主成分の順序を適宜入れ替え可能としてもよい。
図4は具体的なヒートマップ表示の一例である。これは、四つのサンプル、四つの主成分についてのヒートマップ表示である。この例では、第1主成分PC1の決定係数R2が他の主成分PC2〜PC4の決定係数R2に比べて格段に大きいことが一目で分かる。このことから、第1主成分PC1のみでデータの変動の多くについて説明できていることが分かる。また、第1主成分PC1の中でsample Bとsample Cのスコア値が他のサンプル(sample A, sample D)のスコア値よりも大きいことが分かる。このことから、sample Bとsample Cとがデータ全体の性質(変動状況)を表すのに大きく寄与していることが分かる。
また、第3主成分PC3では、いずれのサンプルに対応するセルも表示色が比較的濃い。これは、第3主成分PC3においては、他のサンプルに比べて顕著な変動を示すサンプルが存在しないことを意味している。さらにまた、第4主成分PC4では、他の主成分P1〜P3では顕著な変動を生じていないsample Aが、他のサンプルに比べて顕著な変動を示していることが分かる。このことから、このsample Aはデータに含まれる不純物の可能性があると推定することができる。
以上のように、こうしたヒートマップ表示によれば、主成分数が多い場合でも、またサンプル数が多い場合でも、異なる主成分間や異なるサンプル間のスコア値を適正に比較評価することができる。また、その際に、決定係数R2の大きさも考慮しながら、比較評価を行うことができる。
なお、上記実施例では、スコア値の規格化の手法として、上述したように最大の絶対値を−1及び+1とする正規化を行ったが、ヒートマップ表示結果を把握し易い手法であれば任意の規格化を行うものとすることができる。
また、上記説明では、各主成分における変動を表す統計量として決定係数R2を用いていたが、これに限るものでなく、例えば、クロスバリデーションに基づいて計算された予測残差平方和PRESS(Prediction Residual Error Sum of Squares)などを用いてもよい。
また、上記実施例では多変量解析として主成分分析を用いていたが、主成分分析のみならず、独立成分分析、部分最小二乗法による回帰分析、因子分析などの多変量解析にも本発明を適用できることは明らかである。
また、上記実施例は質量分析装置で得られたマススペクトルデータの解析に本発明を使用したものであるが、それ以外の様々な分析データや測定データに対して多変量解析を行った結果について、本発明を適用できることは明らかである。例えば、質量分析装置と同様の分析装置の分野で言えば、LC装置やGC装置で得られたクロマトグラムデータ、分光測定装置で得られた吸光スペクトルデータなど本発明を使用できることは明らかである。さらにまた、DNAマイクロアレイ解析で得られたデータ(画像を数値化したデータ)の解析にも本発明を使用することができる。
さらにまた、そうした、いわゆる機器分析によって得られたデータに基づく多変量解析結果だけでなく、それ以外の様々な手法で収集されたデータに基づく多変量解析結果を表示するために本発明を利用可能であることも当然である。
即ち、上記実施例は本発明の一例にすぎず、上記に記載された以外の点で、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、追加等を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
1…データ処理部
11…マススペクトルデータ記憶部
12…ピークマトリクス作成部
13…主成分分析実行部
14…主成分分析結果一時記憶部
15…目的サンプル・成分選択部
16…ヒートマップ枠作成部
17…統計量規格化部
18…統計量ヒートマップ作成部
19…ヒートマップ表示制御部
2…入力部
3…表示部
4…質量分析装置

Claims (7)

  1. 複数のサンプルについてのデータを多変量解析することで得られた結果を表示する多変量解析結果表示装置であって、
    a)多変量解析の過程で求まる成分毎に、複数のサンプルについてそれぞれ求まった統計量を規格化する統計量規格化部と、
    b)2次元表示領域上で直交する二軸のうちの第1の軸に沿ってサンプルを、第2の軸に沿って前記成分を配置し、一つのサンプルの一つの成分における規格化後の統計量を、そのサンプル及び成分に対応するセルの色、濃淡、又は色及び濃淡、のいずれかで表現するとともに、各セルの第1の軸方向のサイズを、多変量解析の過程で前記成分毎に求まる、その成分の信頼性を示す指標値に応じて変更した行列型のヒートマップを作成するヒートマップ作成部と、
    を備えることを特徴とする多変量解析結果表示装置。
  2. 請求項1に記載の多変量解析結果表示装置であって、
    前記多変量解析は主成分分析であることを特徴とする多変量解析結果表示装置。
  3. 請求項1に記載の多変量解析結果表示装置であって、
    前記多変量解析は独立成分分析であることを特徴とする多変量解析結果表示装置。
  4. 請求項1に記載の多変量解析結果表示装置であって、
    前記多変量解析は部分最小二乗法による回帰分析であることを特徴とする多変量解析結果表示装置。
  5. 請求項1に記載の多変量解析結果表示装置であって、
    前記多変量解析は因子分析であることを特徴とする多変量解析結果表示装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の多変量解析結果表示装置であって、
    前記指標値は決定係数であることを特徴とする多変量解析結果表示装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の多変量解析結果表示装置であって、
    前記ヒートマップ作成部により作成されたヒートマップが表示された画面上で任意のサンプル及び/又は成分を分析者が指示するための指示部をさらに備え、
    前記ヒートマップ作成部は、前記指示部によりサンプル及び/又は成分が指示されたとき、指示されたサンプル及び/又は成分のみに対応するヒートマップを再作成することを特徴とする多変量解析結果表示装置。
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