JP2017031866A - 内燃機関の失火判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の回転駆動力を作業用の力として取り出すための取出機構を備える内燃機関において、内燃機関の失火の誤判定を抑制することが可能な内燃機関の失火判定装置を提供する。
【解決手段】内燃機関(10)の回転駆動力を作業用の力として取り出すための取出機構(6,7,8)が備えられている内燃機関の失火判定装置であって、内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出部(42)と、回転速度の変動量を算出する変動量算出部(32)と、変動量算出部により算出された変動量の内燃機関の1燃焼サイクルにおける変動幅が閾値よりも大きい場合に、内燃機関に失火が発生したことを判定する判定部(32)と、を備え、判定部は、取出機構から取り出される回転駆動力が変動量に与える影響を算出する影響算出部と、影響算出部により算出された影響に基づいて、閾値を補正する閾値補正部と、を備えることを特徴とする内燃機関の失火判定装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の失火の有無を判定する失火判定装置に関する。
多気筒内燃機関においては、失火の有無を内燃機関の回転速度に基づいて判定する失火判定装置を設けている。例えば特許文献1では、検出された内燃機関の回転速度に対して周波数分析を行い、得られた周波数ごとのゲインを比較することで失火を判定する技術が開示されている。
特許2843871号公報
ところで、作業機を備える商用車や農建機において、内燃機関の出力は駆動輪に伝達されると共に、PTO(Power Take Off)軸によって作業機の駆動のための動力に利用される構成をとられることが多い。この作業機を駆動している期間と、作業機を駆動していない期間とでは、内燃機関の回転速度の変動量が異なる。したがって、作業機を駆動していない期間を想定して、作業機を駆動している期間に失火を判定すると、失火を誤判定するおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、内燃機関の回転駆動力を作業用の力として取り出すための取出機構を備える内燃機関において、内燃機関の失火の誤判定を抑制することが可能な内燃機関の失火判定装置を提供することにある。
本発明は、内燃機関の回転駆動力を作業用の力として取り出すための取出機構が備えられている内燃機関の失火判定装置であって、前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出部と、前記回転速度検出部により検出された前記回転速度の変動量を算出する変動量算出部と、前記変動量算出部により算出された前記変動量の前記内燃機関の1燃焼サイクルにおける変動幅が閾値よりも大きい場合に、前記内燃機関に失火が発生したことを判定する判定部と、を備え、前記判定部は、前記取出部から取り出される前記回転駆動力が前記変動量に与える影響を算出する影響算出部と、前記影響算出部により算出された前記影響に基づいて、前記閾値を補正する閾値補正部と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、失火判定装置は、内燃機関の回転駆動力を作業用の力として取り出すための取出機構が備えられている。この失火判定装置では、回転速度検出部により検出された回転速度の変動量が変動量算出部により算出される。このとき、取出機構を駆動している期間と、取出機構を駆動していない期間とでは、算出される回転速度の変動量が異なる。したがって、取出機構を駆動していない期間を想定して、取出機構を駆動している期間に判定部による失火判定を実施すると、失火が誤判定されるおそれがある。
したがって、判定部には影響算出部が備わっており、取出機構から取り出される回転駆動力が回転速度の変動量に与える影響が算出される。算出された影響に基づいて閾値補正部により閾値が補正されることで、取出機構の駆動により変動した回転速度に対応する閾値に変更することができる。よって、1燃焼サイクルにおける変動量の変動幅が補正された閾値よりも大きい場合に、内燃機関に失火が発生したことを判定することで、取出機構が駆動することで招くおそれがある内燃機関の失火についての誤判定を抑制することが可能となる。
本実施形態にかかる車両の全体構成を示す図。 PTO軸が駆動した場合に与えられる回転速度への影響を示すグラフである。 本実施形態に係る電子制御ユニットにより実行されるPTO学習処理の手順を示すフローチャートである。 本実施形態にかかる電子制御ユニットにより実行される失火判定処理の手順を示すフローチャートである。 本実施形態にかかる失火判定の態様を示すグラフである。
以下、内燃機関の失火判定装置を、図面を参照しつつ説明する。
図1に、内燃機関(以下、エンジンと呼称)10を含む車両100の構成を示す。本実施形態において、車両100は、例えば作業機(図示せず)を装着している農用トラクターを想定している。なお、本実施形態におけるエンジン10とは、ガソリンエンジンを想定しているが、ガソリンエンジンに限らず、例えばディーゼルエンジンへの適用も可能である。
この場合、図1に図示されるように、エンジン10より出力軸が二本突設されている。そのうち第一出力軸(クランク軸)1には順に、流体摩擦接続部(トルクコンバータ)2、クラッチ3、自動変速機4、駆動輪5が接続されている。したがって、これらトルクコンバータ2とクラッチ3と自動変速機4とを介して、クランク軸1は車両の駆動輪5に接続可能とされている。
ここで、自動変速機4は、例えば遊星歯車機構を備える周知の多段式変速機構、CVT等で構成されている。クラッチ3は、前進クラッチやフォワードクラッチと呼ばれるものであり、通常走行において、自動変速機4のパーキング(P)レンジ、後進(R)レンジ、ニュートラル(N)レンジ以外の前進レンジ(ドライブ(D)レンジ、1速レンジ、2速レンジ等)が選択された状態で接続される。そして、クラッチ3が接続された状態では、エンジン10のトルクTrqがクランク軸1を介して駆動輪5に伝達される状態となる。
エンジン10より突設されている第二出力軸6には、PTOクラッチ7を介してPTO軸8が接続されている。このため、PTOクラッチ7が切断状態であれば、第二出力軸6とPTO軸8とは接続されない。一方で、PTOクラッチ7が接続状態であれば、第二出力軸6とPTO軸8とが接続され、エンジン10のトルクTrqを取り出すことができる。よって、取り出されたエンジン10のトルクTrqがPTO軸8を介して車両100に装着されている作業機に伝達される状態となる。したがって、第二出力軸6と、PTOクラッチ7と、PTO軸8とは、取出機構に該当する。
電子制御ユニット32は、いわゆるエンジンECU(ECUはElectronic Control Unitの略である)であって、各種センサの出力に基づいて取得した情報に応じて、エンジン10のインジェクタ及び点火回路ユニットを含む各部の動作を制御するようになっている。なお、情報とは、アクセルポジションセンサ43により検出されるアクセルペダルの操作量(踏み込み量)やクランク角センサ(回転速度検出部及びクランク角検出部に該当)42により検出されたエンジン10のクランク角などが該当する。本実施形態において、電子制御ユニット32は、変動量算出部、判定部、影響算出部、閾値補正部、及びトルク算出部に該当する。
このようなPTO軸8を備える車両100においては、図2に記載されるようにPTO軸8の駆動状態によって回転速度の変動量が大きく変化する。具体的には、PTOクラッチ7が接続状態となり、PTO軸8と第二出力軸6とが接続されている(PTO軸8を駆動している)場合の回転速度の変動量の変動幅は、PTO軸8を駆動していない場合の回転速度の変動量の変動幅に比べ、小さくなっている。なお、変動量の変動幅とは、微分処理された回転速度の変動量において、燃料の燃焼が1度生じることで変動する回転速度の変動量のうち、ゼロから最小値までの差の大きさ(つまり、絶対値)に該当する。したがって、PTO軸8を駆動していない場合を想定して設定した閾値を用いて失火判定を実施すると、PTO軸8を駆動している期間において、失火した場合に生じる回転速度の変動量の変動幅が閾値よりも小さくなり、気筒に失火が生じているにも関わらず失火していないと誤判定するおそれがある。
本実施形態では、学習開始条件が成立したことに伴って、回転速度の変動量の変化に基づいて補正値Iを算出する(PTO学習)。そして、失火判定に際し、閾値を補正値Iに基づいて補正する。これにより、PTO軸8を駆動することで与えられる回転速度の変動量への影響を考慮した失火判定を実施することができ、ひいては失火の誤判定を抑制する事が可能となる。
なお、判定開始条件とは、回転速度が大きく変化しない状態(定常状態)であることと設定される。回転速度が大きく変化しない状態とは、例えば、ブレーキペダルの操作量が所定操作量よりも小さいこと、シフト位置が変化していないことなどが該当する。
本実施形態では、電子制御ユニット32により後述する図3に記載のPTO学習処理を実行する。図3に示すPTO学習処理は、電子制御ユニット32が電源オンしている期間中に電子制御ユニット32によって所定周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS100にて、学習開始条件が成立したか否かを判定する。学習開始条件が成立していないと判定した場合には(S100:NO)、回転速度が変化することが想定され、PTO学習に不向きであるとして、本制御を終了する。学習開始条件が成立したと判定した場合には(S100:YES)、車両100は定常状態であるとして、ステップS110に進む。
ステップS110では、PTO学習を実行する。このPTO学習では、既述の通り回転速度の変動量の変化に基づいて補正値Iを算出する。具体的には、補正値Iは、(1)式に記載されるように、発生しているトルクTrqを、クランク角θを二階微分することで得られる回転加速度で割ることで求められる。したがって、補正値Iは、回転速度の変動量に対しての慣性モーメントに相当する。なお、トルクTrqは、燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射量と回転速度から算出できる。また、クランク角θは、クランク角センサ42により検出されたクランク角信号に基づいて求められた値である。
Figure 2017031866
…(1)
図4を用いて電子制御ユニット32により実行される失火判定の処理内容を説明する。図4に示す失火判定処理は、電子制御ユニット32が電源オンしている期間中に電子制御ユニット32によって所定周期で繰り返し実行される。
まずステップS200にて、クランク角センサ42により検出されたクランク角信号に基づいてエンジン10の回転速度を算出する。この算出された回転速度には、気筒内で生じた燃料の燃焼以外に回転速度を変化させる要因(以下、ノイズと称する)が含まれている。したがって、回転速度の変化から失火判定を実施する場合には、ノイズはできるだけ排除することが望ましい。このため、ステップS210では、算出された回転速度について、燃料の燃焼が生じるタイミング(例えば180°CA)に対応した通過帯域を有するバンドパスフィルタに通すことでフィルタ処理を施す。そのフィルタ処理後の回転速度(ノイズを排除した回転速度)に対して、1階の微分処理を施すことにより、図2に記載されるような回転速度の変動量を算出する。そして、ステップS220に進む。
ステップS220では、判定開始条件が成立したか否かを判定する。判定開始条件とは、例えば、アクセルポジションセンサ43により検出されたアクセル操作量が所定量よりも大きいなどのインジェクタ(図示せず)が燃料を噴射する条件が成立していることなどが該当する。判定開始条件が成立していないことを判定した場合には(S220:NO)、インジェクタから燃料が噴射されていず、失火判定を実施するために適した状況ではないとして、本制御を終了する。判定開始条件が成立したと判定した場合には(S220:YES)、インジェクタから燃料が噴射されているとして、ステップS230に進む。
ステップS230では、失火判定に用いられる閾値を現在のトルク(実トルク)及び回転速度(実回転速度)の大きさに基づいて補正する。閾値は、予め想定しているトルク(想定トルク)及び回転速度(想定回転速度)の大きさに基づいて設定された失火判定値である。よって、実回転速度又は実トルクが想定回転速度又は想定トルクと異なる場合には、回転速度の変動量の変動幅もまた想定する回転速度の変動量の変動幅と異なるため、正常な失火判定を実施できないおそれがある。したがって、想定回転速度又は想定トルクと実回転速度又は実トルクとが異なる場合に、それらの比に基づいて閾値を補正する。
具体的には、実回転速度が想定回転速度よりも高い場合には、閾値が想定している回転速度の変動量の振幅よりも実際の回転速度の変動量の振幅が小さくなることが考えられるため、閾値が小さくなるように補正する。実回転速度が想定回転速度よりも低い場合には、反対に閾値が想定している回転速度の変動量の振幅よりも実際の回転速度の変動量の振幅が大きくなることが考えられるため、閾値が大きくなるように補正する。または、実トルクが想定トルクよりも大きい場合には、回転トルクが大きくなりそれに伴って閾値が想定している回転速度の変動量の振幅よりも実際の回転速度の変動量の振幅が大きくなることが考えられるため、閾値が大きくなるように補正する。実トルクが想定トルクよりも小さい場合には、回転トルクが小さくなり、閾値が想定している回転速度の変動量の振幅よりも実際の回転速度の変動量の振幅が小さくなることが考えられるため、閾値が小さくなるように補正する。
ステップS240では、図3のステップS110にて算出された補正値Iを用いて、ステップS230で補正された閾値を更に補正する。具体的には、閾値に所定の係数を掛けるとともに補正値Iで割ることで、閾値を回転速度の変動量の変動幅に応じて補正することが可能となる。
補正値Iは、(1)式に示される通り、トルクTrqと回転速度とから算出される。周知の通り、トルクTrqと回転速度とには相関がある。具体的には、トルクTrqに対して、回転加速度であるクランク角θの2階微分値が小さい場合は、慣性モーメントに相当する補正値Iは大きくなる。具体的には、PTO軸8を駆動している場合には、算出される補正値Iが大きくなる。よって、補正値Iに基づいて閾値を補正すると、閾値は小さく補正されることになる。一方で、PTO軸8が駆動していない場合には、トルクTrqに対してクランク角θの2階微分値が大きくなるため、補正値Iは小さくなる。
ステップS250では、ステップS210で算出された回転速度の変動量から、回転速度の変動量の変動幅を算出する。そして、ステップS260で、算出された回転速度の変動量の変動幅がステップS240にて補正された閾値よりも大きいか否かを判定する。算出された回転速度の変動量の変動幅が補正された閾値よりも小さいと判定した場合には(S260:NO)、その回転速度の変動を招いた気筒に失火が生じていないとして本制御を終了する。算出された回転速度の変動量の変動幅が補正された閾値よりも大きいと判定した場合には(S260:YES)、その回転速度の変動を招いた気筒に失火が生じているとして、ステップS270に進み、該気筒を失火と判定して、本制御を終了する。
次に、図5を参照して、本実施形態にかかる失火判定の態様を説明する。
車両100が定常状態である場合に、現在のトルクTrqと回転速度から補正値Iが算出される(PTO学習)。このPTO学習とは別に、クランク角センサ42により検出されたクランク角信号に基づく回転速度がバンドパスフィルタによりフィルタ処理された上で、微分処理が実施される。これにより、図5に記載されるように、気筒内での燃料の燃焼により生じる回転速度の変化を抽出することができる。
そして、判定開始条件が成立したことを条件として、算出した補正値Iに基づいて閾値が補正される。このとき、PTO軸8を駆動していない場合には、補正値Iが小さく算出されるため、図5上図のように閾値は大きい状態で、失火判定が実施される。しかし、PTO軸8を駆動している場合には、補正値Iが大きく算出されるため、図5下図のように閾値は小さく補正された上で失火判定が実施される。このように、PTO軸8が駆動することで回転速度の変動量に影響が生じても、閾値をその変動量に応じて補正することで、個々の気筒毎の失火判定を実施することが可能となる。
上記構成により、本実施形態は、以下の効果を奏する。
・PTO軸8により取り出されるエンジン10の回転駆動力が回転速度の変動量に与える影響が、PTO学習時に算出される。この際、算出された補正値Iに基づいて閾値が補正されることで、PTO軸8の駆動により変動した回転速度に対応する閾値に変更することができる。よって、1燃焼サイクルにおける変動量の変動幅が補正された閾値よりも大きい場合に、エンジン10に失火が発生したことを判定することで、PTO軸8が駆動することで招くおそれがあるエンジン10の失火についての誤判定を抑制することが可能となる。
・トルクをクランク角の二階微分値で割ることで、PTO軸8を駆動していない場合の回転速度の変動量に対しての慣性モーメントが算出される。この慣性モーメントの値が大きいほど、回転速度の変動量が小さくなるため、閾値が小さくなるように補正される。これにより、PTO軸8の駆動状態に応じた閾値の補正が可能となり、ひいては失火の誤判定を抑制する事が可能となる。
・想定トルクよりも実トルクが大きい場合に、閾値が大きく補正される。一方で、想定トルクよりも実トルクが小さい場合には、閾値が小さく補正される。このように閾値をトルクの大きさに応じて補正することで、トルクの大きさが与える回転速度の変動量への影響を考慮することが可能となり、より正確な失火判定を実施することが可能となる。
・想定回転速度よりも実回転速度が高い場合に、閾値が小さく補正される。一方で、想定回転速度よりも実回転速度が低い場合には、閾値が大きく補正される。このように閾値を回転速度の大きさに応じて補正することで、回転速度の大きさが与える回転速度の変動量への影響を考慮することが可能となり、より正確な失火判定を実施することが可能となる。
・クランク角センサ42により検出されたクランク角信号に基づく回転速度を、気筒で燃料の燃焼が生じる周期に対応した通過帯域を有しているバンドパスフィルタでフィルタ処理した上で、微分演算処理することで、燃料の燃焼が生じる周期以外での回転速度を変化させた要因をほとんど除去することが可能となる。このため、実回転速度の変動量は、燃料の燃焼により生じたものに絞ることが可能となり、失火判定をより正確に実施することが可能となる。
上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、クランク角センサ42により検出されたクランク角信号に基づく回転速度についてバンドパスフィルタに通すことでフィルタ処理を施した上で、微分処理していた。このことについて、クランク角信号に基づく回転速度を微分処理した上で、バンドパスフィルタに通すことでフィルタ処理してもよい。また、クランク角センサ42により検出されたクランク角信号に基づく回転速度を微分処理するのみとし、バンドパスフィルタによるフィルタ処理は省略してもよい。
・変動量の変動幅が閾値よりも大きいか否かを判定することで、気筒に失火が生じているか否かを判定していた。このことについて、燃料の燃焼が1度生じることで変動する回転速度の変動量のうちの最小値が閾値よりも小さいか否かで、気筒に失火が生じているか否か判定してもよい。この場合、最小値は負の値となるため、閾値も負の値に設定する必要がある。
・図4のS240のPTO学習補正は、PTO軸8の駆動状態に関わらず実行されることとしていた。このことについて、PTO軸8が駆動していることについて判定可能な構成であるならば、PTO軸8が駆動していると判定した場合に、補正値Iに基づいた閾値の補正を実施してもよい。これにより、閾値の補正が限られた状況でのみ行われることとなるので、電子制御ユニット32にかかる負担が軽減される。なお、この場合は、図3のS110のPTO学習を、PTO軸8が駆動していると判定した場合にのみ実行する。
・上記実施形態では、補正値Iに基づいて閾値を補正した上で、失火判定処理を実施していた。このことについて、必ずしも閾値を補正する必要はなく、例えば閾値をPTO軸8が駆動していない場合の基準となる失火判定値として設定し、回転速度の変動量を補正値Iに基づいて補正してもよい。この場合、PTO学習により算出される補正値Iが大きいほど、PTO軸8が駆動することで与えられる回転速度の変動量への影響は大きいとして、回転速度の変動量は大きくなるように補正される。具体的には、回転速度の変動量に所定の係数と補正値Iを掛けることで、補正処理が実施される。この補正により、PTO軸8の駆動状態に応じた変動量の補正が可能となり、ひいてはエンジン10の失火の誤判定を抑制する事が可能となる。
また、本別例において設定される閾値について、想定回転速度又は想定トルクが実回転速度又は実トルクと異なると、回転速度の変動量の変動幅もまた想定している回転速度の変動量の変動幅と異なるため、正常な失火判定を実施できないおそれがある。したがって、想定回転速度又は想定トルクと実回転速度又は実トルクとが異なる場合に、それらの比に基づいて回転速度の変動量を補正する。
具体的には、実回転速度が想定回転速度よりも高い場合には、閾値が想定している回転速度の変動量の振幅よりも実際の回転速度の変動量の振幅が小さくなることが考えられるため、回転速度の変動量が大きくなるように補正する。実回転速度が想定回転速度よりも低い場合には、反対に閾値が想定している回転速度の変動量の振幅よりも実際の回転速度の変動量の振幅が大きくなることが考えられるため、回転速度の変動量が小さくなるように補正する。または、実トルクが想定トルクよりも大きい場合には、回転トルクが大きくなり、それに伴って閾値が想定している回転速度の変動量の振幅よりも実際の回転速度の変動量の振幅が大きくなることが考えられるため、回転速度の変動量が小さくなるように補正する。実トルクが想定トルクよりも小さい場合には、回転トルクが小さくなり、閾値が想定している回転速度の変動量の振幅よりも実際の回転速度の変動量の振幅が小さくなることが考えられるため、回転速度の変動量が大きくなるように補正する。このように回転速度の変動量を閾値が想定する回転速度又はトルクに合うように補正することで、要求トルク又は回転速度の大きさが与える回転速度の変動量への影響を考慮した失火判定を実施することが可能となり、より正確な失火判定を実施することが可能となる。
6…第二出力軸、7…PTOクラッチ、8…PTO軸、10…エンジン、32…電子制御ユニット、42…クランク角センサ。

Claims (9)

  1. 内燃機関(10)の回転駆動力を作業用の力として取り出すための取出機構(6,7,8)が備えられている内燃機関の失火判定装置であって、
    前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出部(42)と、
    前記回転速度検出部により検出された前記回転速度の変動量を算出する変動量算出部(32)と、
    前記変動量算出部により算出された前記変動量の前記内燃機関の1燃焼サイクルにおける変動幅が閾値よりも大きい場合に、前記内燃機関に失火が発生したことを判定する判定部(32)と、
    を備え、
    前記判定部は、
    前記取出機構から取り出される前記回転駆動力が前記変動量に与える影響を算出する影響算出部と、
    前記影響算出部により算出された前記影響に基づいて、前記閾値を補正する閾値補正部と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の失火判定装置。
  2. 前記失火判定装置は、
    前記内燃機関で生成されたトルクを算出するトルク算出部(32)と、
    前記内燃機関のクランク軸の回転角度をクランク角として検出するクランク角検出部(42)と、
    を備え、
    前記影響算出部は、前記トルク算出部により算出された前記トルクを、前記クランク角検出部により検出された前記クランク角の二階微分値で割って前記影響を算出し、
    前記閾値補正部は、前記影響算出部により算出された前記影響が大きいほど、前記閾値を小さくするように補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の失火判定装置。
  3. 前記失火判定装置は、前記内燃機関で生成されたトルクを算出するトルク算出部を備え、
    前記閾値は、前記トルクの大きさに応じて設定され、
    前記閾値補正部は、前記トルク算出部により算出された前記トルクが所定トルクよりも大きい場合に前記閾値を大きくするように補正し、前記トルク算出部により算出された前記トルクが前記所定トルクよりも小さい場合に前記閾値を小さくするように補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の失火判定装置。
  4. 前記閾値は、前記回転速度の大きさに応じて設定され、
    前記閾値補正部は、前記回転速度検出部により検出された前記回転速度が所定回転速度よりも高い場合に前記閾値を小さくするように補正し、前記回転速度検出部により検出された前記回転速度が所定回転速度よりも低い場合に前記閾値を大きくするように補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関の失火判定装置。
  5. 内燃機関(10)の回転駆動力を作業用の力として取り出すための取出機構(6,7,8)が備えられている内燃機関の失火判定装置であって、
    前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出部(42)と、
    前記回転速度検出部により検出された前記回転速度の変動量を算出する変動量算出部(32)と、
    前記変動量算出部により算出された前記変動量の前記内燃機関の1燃焼サイクルにおける変動幅が閾値よりも大きい場合に、前記内燃機関に失火が発生したことを判定する判定部(32)と、
    を備え、
    前記判定部は、
    前記取出機構から取り出される前記回転駆動力が前記変動量に与える影響を算出する影響算出部と、
    前記影響算出部により算出された前記影響に基づいて、前記変動量を補正する変動量補正部と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の失火判定装置。
  6. 前記失火判定装置は、
    前記内燃機関で生成されたトルクを算出するトルク算出部(32)と、
    前記内燃機関のクランク軸の回転角度をクランク角として検出するクランク角検出部(42)と、
    を備え、
    前記影響算出部は、前記トルク算出部により算出された前記トルクを、前記クランク角検出部により検出された前記クランク角の二階微分値で割って前記影響を算出し、
    前記変動量補正部は、前記影響算出部により算出された前記影響が大きいほど、前記変動量を大きくするように補正することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の失火判定装置。
  7. 前記失火判定装置は、前記内燃機関で生成されたトルクを算出するトルク算出部(32)を備え、
    前記変動量補正部は、前記トルク算出部により算出された前記トルクが所定トルクよりも大きい場合に前記変動量算出部により算出された前記変動量を小さくするように補正し、前記トルク算出部により算出された前記トルクが前記所定トルクよりも小さい場合に前記変動量算出部により算出された前記変動量を大きくするように補正することを特徴とする請求項5又は6に記載の内燃機関の失火判定装置。
  8. 前記変動量補正部は、前記回転速度検出部により検出された前記回転速度が所定回転速度よりも高い場合に、前記変動量算出部により算出された前記変動量を大きくするように補正し、前記回転速度検出部により検出された前記回転速度が前記所定回転速度よりも低い場合に、前記変動量算出部により算出された前記変動量を小さくするように補正することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の内燃機関の失火判定装置。
  9. 前記回転速度検出部による前記回転速度の検出周期について、気筒で燃料の燃焼が生じる周期に対応した通過帯域を有するバンドパスフィルタを備え、
    前記変動量算出部は、前記回転速度検出部により検出された前記回転速度に対して、前記バンドパスフィルタによるフィルタ処理と微分演算処理とを実行することで、前記変動量を算出することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の内燃機関の失火判定装置。
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