JP2017031830A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩素を含有しない冷媒を用い、潤滑油に極圧添加剤を添加しなくてもベーン及び環状ピストンの異常摩耗が進行しないロータリ圧縮機を得ること。
【解決手段】圧縮機筐体と、冷媒を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を潤滑する潤滑油と、前記圧縮部を駆動するモータと、を備えるロータリ圧縮機において、前記冷媒は組成に塩素を含有せず、前記圧縮部のベーンは少なくとも環状ピストンと当接する摺動面にSP3比率が50%以上のダイヤモンド状炭素皮膜層が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、空気調和機や冷凍機などに用いられるロータリ圧縮機に関する。
近年、組成に塩素を含有しないR32等のHFC冷媒、HFO冷媒或いはCO冷媒等を用いた空気調和機を低外気温の運転環境で暖房機として使用する要求が増している。空気調和機を低外気温で運転する場合、ロータリ圧縮機の圧縮比が高い、或いは吸入圧力が低い運転条件となり、そのため、ロータリ圧縮機は、冷媒吐出温度が高い運転条件で運転される。
特許文献1の段落0015、0016に記載されているように、塩素を含有しない冷媒を用いる場合、塩素がロータリ圧縮機の摺動部の鉄と反応して極圧被膜を形成することができないため、潤滑油に極圧添加剤を添加し、ロータリ圧縮機の摺動部の摩耗の進行及び焼付きを防止している。
特許第4848576号公報
しかしながら、特許文献1の段落0004〜0006に記載されているように、潤滑油に極圧添加剤が添加されていると、空気や水分の混入によって潤滑油が劣化し、潤滑性の低下、スラッジの析出、腐食性物質の発生によりロータリ圧縮機の部材が劣化するなどの問題がある。
ロータリ圧縮機において、最も摺動条件の厳しい摺動部は、ベーンと環状ピストンの摺動部である。従来から広く利用されているベーン材(SKH、SUS+窒化)、環状ピストン材(モニクロ鋳鉄)では、上述のような高温領域で使用される場合、潤滑油に極圧添加剤が添加されていないと、ベーン及び環状ピストンの摩耗が進行し、ロータリ圧縮機が破損して停止に至るという問題がある。
本発明は、塩素を含有しない冷媒(HFC冷媒、HFO冷媒、HC冷媒、CO冷媒等)を用いるロータリ圧縮機であって、潤滑油に極圧添加剤を添加しなくてもベーン及び環状ピストンの摩耗が進行しないロータリ圧縮機を得ることを目的とする。
本発明は、上部に冷媒の吐出部が設けられ下部側面に冷媒の吸入部が設けられ密閉された縦置きの圧縮機筐体と、環状のシリンダと、軸受部及び吐出弁部を有し前記シリンダの端部を閉塞する端板と、前記軸受部に支持された回転軸の偏心部に嵌合され前記シリンダのシリンダ内壁に沿って該シリンダ内を公転し前記シリンダ内壁との間にシリンダ室を形成する環状ピストンと、前記シリンダに設けられたベーン溝から前記シリンダ室内に突出して前記環状ピストンに当接し前記シリンダ室を吸入室と圧縮室とに区画するベーンと、を備え、前記吸入部を通して冷媒を吸入し前記圧縮機筐体内を通して前記吐出部から冷媒を吐出し前記圧縮機筐体の下部に配置される圧縮部と、前記圧縮機筐体の下部に貯留され前記圧縮部を潤滑する潤滑油と、前記圧縮機筐体の上部に配置され前記回転軸を介して前記圧縮部を駆動するモータと、を備えるロータリ圧縮機において、前記冷媒は組成に塩素を含有せず、前記ベーンは少なくとも前記環状ピストンと当接する摺動面にSP3比率が50%以上のダイヤモンド状炭素皮膜層が形成されていることを特徴とする。
本発明のロータリ圧縮機は、塩素を含有しない冷媒を用い、潤滑油に極圧添加剤を添加しなくてもベーン及び環状ピストンの摩耗が進行しない。
図1は、本発明に係るロータリ圧縮機の実施例を示す縦断面図である。 図2は、実施例の第1の圧縮部及び第2の圧縮部の上から見た横断面図である。 図3は、実施例の第1、第2環状ピストンと第1、第2ベーンとの摺動部を示す部分横断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態(実施例)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明に係るロータリ圧縮機の実施例を示す縦断面図であり、図2は、実施例の第1の圧縮部及び第2の圧縮部の上から見た横断面図である。
図1に示すように、ロータリ圧縮機1は、密閉された縦置き円筒状の圧縮機筐体10の下部に配置された圧縮部12と、圧縮機筐体10の上部に配置され、回転軸15を介して圧縮部12を駆動するモータ11と、を備えている。
モータ11のステータ111は、円筒状に形成され、圧縮機筐体10の内周面に焼きばめされて固定されている。モータ11のロータ112は、円筒状のステータ111の内部に配置され、モータ11と圧縮部12とを機械的に接続する回転軸15に焼きばめされて固定されている。
圧縮部12は、第1の圧縮部12Sと第2の圧縮部12Tとを備えており、第2の圧縮部12Tは、第1の圧縮部12Sの上側に配置されている。図2に示すように、第1の圧縮部12Sは、環状の第1シリンダ121Sを備えている。第1シリンダ121Sは、環状の外周から張り出した第1側方張出部122Sを備え、第1側方張出部122Sには、第1吸入孔135Sと第1ベーン溝128Sが放射状に設けられている。また、第2の圧縮部12Tは、環状の第2シリンダ121Tを備えている。第2シリンダ121Tは、環状の外周から張り出した第2側方張出部122Tを備え、第2側方張出部122Tには、第2吸入孔135Tと第2ベーン溝128Tが放射状に設けられている。
図2に示すように、第1シリンダ121Sには、モータ11の回転軸15と同心に、円形の第1シリンダ内壁123Sが形成されている。第1シリンダ内壁123S内には、第1シリンダ121Sの内径よりも小さい外径の第1環状ピストン125Sが配置され、第1シリンダ内壁123Sと第1環状ピストン125Sとの間に、冷媒を吸入し圧縮して吐出する第1シリンダ室130Sが形成される。第2シリンダ121Tには、モータ11の回転軸15と同心に、円形の第2シリンダ内壁123Tが形成されている。第2シリンダ内壁123T内には、第2シリンダ121Tの内径よりも小さい外径の第2環状ピストン125Tが配置され、第2シリンダ内壁123Tと第2環状ピストン125Tとの間に、冷媒を吸入し圧縮して吐出する第2シリンダ室130Tが形成される。
第1シリンダ121Sには、第1シリンダ内壁123Sから径方向に、シリンダ高さ全域に亘る第1ベーン溝128Sが形成され、第1ベーン溝128S内に、平板状の第1ベーン127Sが、摺動自在に嵌合されている。第2シリンダ121Tには、第2シリンダ内壁123Tから径方向に、シリンダ高さ全域に亘る第2ベーン溝128Tが形成され、第2ベーン溝128T内に、平板状の第2ベーン127Tが、摺動自在に嵌合されている。
図2に示すように、第1ベーン溝128Sの径方向外側には、第1側方張出部122Sの外周部から第1ベーン溝128Sに連通するように第1スプリング穴124Sが形成されている。第1スプリング穴124Sには、第1ベーン127Sの背面を押圧する図示しない第1ベーンスプリングが挿入されている。第2ベーン溝128Tの径方向外側には、第2側方張出部122Tの外周部から第2ベーン溝128Tに連通するように第2スプリング穴124Tが形成されている。第2スプリング穴124Tには、第2ベーン127Tの背面を押圧する図示しない第2ベーンスプリングが挿入されている。
ロータリ圧縮機1の起動時は、この第1ベーンスプリングの反発力により、第1ベーン127Sが、第1ベーン溝128S内から第1シリンダ室130S内に突出し、その先端が、第1環状ピストン125Sの外周面に当接し、第1ベーン127Sにより、第1シリンダ室130Sが、第1吸入室131Sと、第1圧縮室133Sとに区画される。また、同様に、第2ベーンスプリングの反発力により、第2ベーン127Tが、第2ベーン溝128T内から第2シリンダ室130T内に突出し、その先端が、第2環状ピストン125Tの外周面に当接し、第2ベーン127Tにより、第2シリンダ室130Tが、第2吸入室131Tと、第2圧縮室133Tとに区画される(第1ベーン127S及び第2ベーン127Tの詳細については後述する)。
また、第1シリンダ121Sには、第1ベーン溝128Sの径方向外側と圧縮機筐体10内とを開口部R(図1参照)で連通して圧縮機筐体10内の圧縮された冷媒を導入し、第1ベーン127Sに冷媒の圧力により背圧をかける第1圧力導入路129Sが形成されている。なお、圧縮機筐体10内の圧縮された冷媒は、第1スプリング穴124Sからも導入される。また、第2シリンダ121Tには、第2ベーン溝128Tの径方向外側と圧縮機筐体10内とを開口部R(図1参照)で連通して圧縮機筐体10内の圧縮された冷媒を導入し、第2ベーン127Tに冷媒の圧力により背圧をかける第2圧力導入路129Tが形成されている。なお、圧縮機筐体10内の圧縮された冷媒は、第2スプリング穴124Tからも導入される。
第1シリンダ121Sの第1側方張出部122Sには、第1吸入室131Sに外部から冷媒を吸入するために、第1吸入室131Sと外部とを連通させる第1吸入孔135Sが設けられている。第2シリンダ121Tの第2側方張出部122Tには、第2吸入室131Tに外部から冷媒を吸入するために、第2吸入室131Tと外部とを連通させる第2吸入孔135Tが設けられている。第1吸入孔135S及び第2吸入孔135Tの断面は円形である。
また、図1に示すように、第1シリンダ121Sと第2シリンダ121Tの間には、中間仕切板140が配置され、第1シリンダ121Sの第1シリンダ室130S(図2参照)と第2シリンダ121Tの第2シリンダ室130T(図2参照)とを仕切っている。中間仕切板140は、第1シリンダ121Sの上端部と第2シリンダ121Tの下端部を閉塞している。
第1シリンダ121Sの下端部には、下端板160Sが配置され、第1シリンダ121Sの第1シリンダ室130Sを閉塞している。また、第2シリンダ121Tの上端部には、上端板160Tが配置され、第2シリンダ121Tの第2シリンダ室130Tを閉塞している。下端板160Sは、第1シリンダ121Sの下端部を閉塞し、上端板160Tは、第2シリンダ121Tの上端部を閉塞している。
下端板160Sには、副軸受部161Sが形成され、副軸受部161Sに、回転軸15の副軸部151が回転自在に支持されている。上端板160Tには、主軸受部161Tが形成され、主軸受部161Tに、回転軸15の主軸部153が回転自在に支持されている。
回転軸15は、互いに180°位相をずらして偏心させた第1偏心部152Sと第2偏心部152Tとを備え、第1偏心部152Sは、第1の圧縮部12Sの第1環状ピストン125Sに回転自在に嵌合し、第2偏心部152Tは、第2の圧縮部12Tの第2環状ピストン125Tに回転自在に嵌合している。
回転軸15が回転すると、第1環状ピストン125Sが、第1シリンダ内壁123Sに沿って第1シリンダ121S内を図2の時計回りに公転し、これに追随して第1ベーン127Sが往復運動する。この第1環状ピストン125S及び第1ベーン127Sの運動により、第1吸入室131S及び第1圧縮室133Sの容積が連続的に変化し、圧縮部12は、連続的に冷媒を吸入し圧縮して吐出する。また、回転軸15が回転すると、第2環状ピストン125Tが、第2シリンダ内壁123Tに沿って第2シリンダ121T内を図2の時計回りに公転し、これに追随して第2ベーン127Tが往復運動する。この第2環状ピストン125T及び第2ベーン127Tの運動により、第2吸入室131T及び第2圧縮室133Tの容積が連続的に変化し、圧縮部12は、連続的に冷媒を吸入し圧縮して吐出する。
図1に示すように、下端板160Sの下側には、下端板カバー170Sが配置され、下端板160Sとの間に下マフラー室180Sを形成している。そして、第1の圧縮部12Sは、下マフラー室180Sに開口している。すなわち、下端板160Sの第1ベーン127S近傍には、第1シリンダ121Sの第1圧縮室133Sと下マフラー室180Sとを連通する第1吐出孔190S(図2参照)が設けられ、第1吐出孔190Sには、圧縮された冷媒の逆流を防止するリード弁型の第1吐出弁200Sが配置されている。
下マフラー室180Sは、環状に形成された1つの室であり、第1の圧縮部12Sの吐出側を、下端板160S、第1シリンダ121S、中間仕切板140、第2シリンダ121T及び上端板160Tを貫通する冷媒通路136(図2参照)を通して上マフラー室180T内に連通させる連通路の一部である。下マフラー室180Sは、吐出冷媒の圧力脈動を低減させる。また、第1吐出弁200Sに重ねて、第1吐出弁200Sの撓み開弁量を制限するための第1吐出弁押え201Sが、第1吐出弁200Sとともにリベットにより固定されている。第1吐出孔190S、第1吐出弁200S及び第1吐出弁押え201Sは、下端板160Sの第1吐出弁部を構成している。
図1に示すように、上端板160Tの上側には、上端板カバー170Tが配置され、上端板160Tとの間に上マフラー室180Tを形成している。上端板160Tの第2ベーン127T近傍には、第2シリンダ121Tの第2圧縮室133Tと上マフラー室180Tとを連通する第2吐出孔190T(図2参照)が設けられ、第2吐出孔190Tには、圧縮された冷媒の逆流を防止するリード弁型の第2吐出弁200Tが配置されている。また、第2吐出弁200Tに重ねて、第2吐出弁200Tの撓み開弁量を制限するための第2吐出弁押え201Tが、第2吐出弁200Tとともにリベットにより固定されている。上マフラー室180Tは、吐出冷媒の圧力脈動を低減させる。第2吐出孔190T、第2吐出弁200T及び第2吐出弁押え201Tは、上端板160Tの第2吐出弁部を構成している。
下端板カバー170S、下端板160S、第1シリンダ121S及び中間仕切板140は、下側から挿通されて第2シリンダ121Tに設けられたメネジにネジ込まれた複数の通しボルト175により第2シリンダ121Tに締結される。上端板カバー170T及び上端板160Tは、上側から挿通されて第2シリンダ121Tに設けられた前記メネジにネジ込まれた通しボルト(図示せず)により第2シリンダ121Tに締結される。複数の通しボルト175等により一体に締結された下端板カバー170S、下端板160S、第1シリンダ121S、中間仕切板140、第2シリンダ121T、上端板160T及び上端板カバー170Tは、圧縮部12を構成している。圧縮部12のうち、上端板160Tの外周部が、圧縮機筐体10にスポット溶接により固着され、圧縮部12を圧縮機筐体10に固定している。
円筒状の圧縮機筐体10の外周壁には、軸方向に離間して下部から順に、第1貫通孔101及び第2貫通孔102が、夫々第1吸入管104及び第2吸入管105を通すために設けられている。また、圧縮機筐体10の外側部には、独立した円筒状の密閉容器からなるアキュムレータ25が、アキュムホルダー252及びアキュムバンド253により保持されている。
アキュムレータ25の天部中心には、冷媒回路の蒸発器に接続するシステム接続管255が接続され、アキュムレータ25の底部に設けられた底部貫通孔257には、一端がアキュムレータ25の内部上方まで延設され、他端が、夫々第1吸入管104及び第2吸入管105の他端に接続される第1低圧連絡管31S及び第2低圧連絡管31Tが固着されている。
冷媒回路の低圧冷媒をアキュムレータ25を介して第1の圧縮部12Sに導く第1低圧連絡管31Sは、吸入部としての第1吸入管104を介して第1シリンダ121Sの第1吸入孔135S(図2参照)に接続されている。また、冷媒回路の低圧冷媒をアキュムレータ25を介して第2の圧縮部12Tに導く第2低圧連絡管31Tは、吸入部としての第2吸入管105を介して第2シリンダ121Tの第2吸入孔135T(図2参照)に接続されている。すなわち、第1吸入孔135S及び第2吸入孔135Tは、冷媒回路の蒸発器に並列に接続されている。
圧縮機筐体10の天部には、冷媒回路と接続し高圧冷媒を冷媒回路の凝縮器側に吐出する吐出部としての吐出管107が接続されている。すなわち、第1吐出孔190S及び第2吐出孔190Tは、冷媒回路の凝縮器に接続されている。
圧縮機筐体10内には、およそ第2シリンダ121Tの高さまで潤滑油が封入されている。また、潤滑油は、回転軸15の下部に挿入される図示しないポンプ羽根により、回転軸15の下端部に取付けられた給油パイプ16から吸上げられ、圧縮部12を循環し、摺動部品(第1環状ピストン125S及び第2環状ピストン125T)の潤滑を行なうとともに、圧縮部12の微小隙間のシールをする。
次に、図3を参照して、実施例のロータリ圧縮機の特徴的な構成について説明する。図3は、実施例の第1、第2環状ピストンと第1、第2ベーンとの摺動部を示す部分横断面図である。
実施例のロータリ圧縮機1は、冷媒として、組成に塩素を含有しないR32冷媒を用いる。また、潤滑油に極圧添加剤を添加しない。R32冷媒は、従来一般に使われていたR410A冷媒よりも高温になりやすいため、極圧添加剤が添加されている潤滑油を用いると、水分混入などによって潤滑油が劣化し易い。また、ロータリ圧縮機1内のモータ11の絶縁に使われている樹脂材料が劣化し易い。そのため、水分管理を厳密に行う必要があった。極圧添加剤を添加しなければ、従来と同様の水分管理を行えばよい。
ロータリ圧縮機1の部材の中で、摩耗や焼付きが問題となるのは、図3に示す第1、第2ベーン127S、127Tと第1、第2環状ピストン125S、125Tとの摺動面127SS,127TSである。図3に示すように、実施例の第1、第2ベーン127S、127Tは、母材を高速度工具鋼(SKH)或いはステンレス鋼(SUS)などの鋼材とし、第1、第2環状ピストン125S、125Tとの摺動面127SS,127TSに、ダイヤモンド状炭素皮膜層(DLC皮膜層)127SD、127TDを形成する。DLC皮膜層127SD、127TDは、物理蒸着法(PVD法:吹き付け法)により形成することができる。DLC皮膜層127SD、127TDより、潤滑油に極圧添加剤を添加しなくても、摺動面127SS,127TSの摩耗や焼付きを防止することができる。
DLC皮膜層127SD、127TDは、ダイヤモンド結合(SP3:高硬度物質)とグラファイト結合(SP2:低硬度、低摩擦物質)が不規則に混在するアモルファス構造の皮膜層である。SP3とSP2の比率によって、DLC皮膜層127SD、127TDの特性は大きく異なる。
例えば、DLC皮膜層127SD、127TDの熱伝導率は、0.2〜30W/m/K程度と幅広い。ダイヤモンドの熱伝導率は1000〜2000W/m/K程度と高いため、DLC皮膜層の中でta−Cに分類されるDLC皮膜層(SP3比率が50%以上)とすれば、熱伝導率の高いDLC皮膜層127SD、127TDを形成することができる。
摺動面127SS,127TSにSP3比率50%以上のDLC皮膜層127SD、127TDを形成することにより、摺動面127SS,127TSで発生する熱を第1、第2ベーン127S、127Tの全体に伝え易くなり、第1、第2ベーン127S、127Tから第1、第2ベーン溝128S,128Tを通して第1、第2シリンダ121S,121Tに放熱することができるので、摺動面127SS,127TSが高温になるのを抑制することができ、摩耗の進行や焼付きを防止するのに効果的である。本発明は、単シリンダ式ロータリ圧縮機及び2段圧縮式ロータリ圧縮機に適用することができる。
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
1 ロータリ圧縮機
10 圧縮機筐体
11 モータ
12 圧縮部
15 回転軸
16 給油パイプ
25 アキュムレータ
31S 第1低圧連絡管
31T 第2低圧連絡管
101 第1貫通孔
102 第2貫通孔
104 第1吸入管(吸入部)
105 第2吸入管(吸入部)
107 吐出管(吐出部)
111 ステータ
112 ロータ
12S 第1の圧縮部(圧縮部)
12T 第2の圧縮部(圧縮部)
121S 第1シリンダ(シリンダ)
121T 第2シリンダ(シリンダ)
122S 第1側方張出部
122T 第2側方張出部
123S 第1シリンダ内壁(シリンダ内壁)
123T 第2シリンダ内壁(シリンダ内壁)
124S 第1スプリング穴
124T 第2スプリング穴
125S 第1環状ピストン(環状ピストン)
125T 第2環状ピストン(環状ピストン)
127S 第1ベーン(ベーン)
127T 第2ベーン(ベーン)
128S 第1ベーン溝(ベーン溝)
128T 第2ベーン溝(ベーン溝)
129S 第1圧力導入路
129T 第2圧力導入路
130S 第1シリンダ室(シリンダ室)
130T 第2シリンダ室(シリンダ室)
131S 第1吸入室(吸入室)
131T 第2吸入室(吸入室)
133S 第1圧縮室(圧縮室)
133T 第2圧縮室(圧縮室)
135S 第1吸入孔(吸入孔)
135T 第2吸入孔(吸入孔)
136 冷媒通路
140 中間仕切板
151 副軸部
152S 第1偏心部(偏心部)
152T 第2偏心部(偏心部)
153 主軸部
160S 下端板(端板)
160T 上端板(端板)
161S 副軸受部(軸受部)
161T 主軸受部(軸受部)
170S 下端板カバー
170T 上端板カバー
175 通しボルト
180S 下マフラー室
180T 上マフラー室
190S 第1吐出孔(吐出弁部)
190T 第2吐出孔(吐出弁部)
200S 第1吐出弁(吐出弁部)
200T 第2吐出弁(吐出弁部)
201S 第1吐出弁押え(吐出弁部)
201T 第2吐出弁押え(吐出弁部)
252 アキュムホルダー
253 アキュムバンド
255 システム接続管
257 底部貫通孔

Claims (1)

  1. 上部に冷媒の吐出部が設けられ下部側面に冷媒の吸入部が設けられ密閉された縦置きの圧縮機筐体と、
    環状のシリンダと、軸受部及び吐出弁部を有し前記シリンダの端部を閉塞する端板と、前記軸受部に支持された回転軸の偏心部に嵌合され前記シリンダのシリンダ内壁に沿って該シリンダ内を公転し前記シリンダ内壁との間にシリンダ室を形成する環状ピストンと、前記シリンダに設けられたベーン溝から前記シリンダ室内に突出して前記環状ピストンに当接し前記シリンダ室を吸入室と圧縮室とに区画するベーンと、を備え、前記吸入部を通して冷媒を吸入し前記圧縮機筐体内を通して前記吐出部から冷媒を吐出し前記圧縮機筐体の下部に配置される圧縮部と、
    前記圧縮機筐体の下部に貯留され前記圧縮部を潤滑する潤滑油と、
    前記圧縮機筐体の上部に配置され前記回転軸を介して前記圧縮部を駆動するモータと、
    を備えるロータリ圧縮機において、
    前記冷媒は組成に塩素を含有せず、前記ベーンは少なくとも前記環状ピストンと当接する摺動面にSP3比率が50%以上のダイヤモンド状炭素皮膜層が形成されていることを特徴とするロータリ圧縮機。
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