JP2013001939A - 摺動部材及び圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動面に潤滑油を確実に供給し、潤滑性能を高めた摺動部材及び圧縮機を提供すること。
【解決手段】クランクシャフト3またはベーン46は、基材上にダイヤモンドライクカーボン皮膜層54を備え、このダイヤモンドライクカーボン皮膜層54と相手方の部材との間にオイルが供給された状態で摺動する構成とし、ダイヤモンドライクカーボン皮膜層54の摺動面54Aに、孔径の異なる第1の空孔61及び第2の空孔62を形成し、孔径の大きな第1の空孔61と孔径の小さな第2の空孔62とが、摺動方向Xに沿って、交互に配列されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、基材上に硬質炭素皮膜層を形成した摺動部材及び圧縮機に関する。
従来、例えば、ロータリ圧縮機の回転軸やベーン等のように、相手方部材(軸受やベーンスロット)との間に潤滑油が供給された状態で摺動する摺動部材が知られている。この種の摺動部材では、摺動面の摩擦抵抗を低減するとともに潤滑油切れによる焼き付きを抑制するために、基材の表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜層(硬質炭素皮膜層)を形成したものが提案されている(特許文献1参照)。
更に、近年、ダイヤモンドライクカーボン皮膜層に凹部(空孔)を複数形成し、この凹部を潤滑油溜まりとすることにより、潤滑油切れによる焼き付きを防止する技術が提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−339564号公報 特開2005−172082号公報
しかしながら、従来の構成では、ダイヤモンドライクカーボン皮膜層上に形成される凹部は、すべて同一の大きさであるため、摺動する際に、すべての凹部から一様に潤滑油が排出されることにより、摺動面上で早期に潤滑油切れが生じやすいという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、摺動面に潤滑油を確実に供給し、潤滑性能を高めた摺動部材及び圧縮機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基材上に硬質炭素皮膜層を備え、この皮膜層と相手方の部材との間に潤滑油が供給された状態で摺動する摺動部材において、前記皮膜層の摺動面には、孔径の異なる複数の有底の空孔が形成され、孔径の大きな空孔と小さな空孔とが、摺動方向に沿って、交互に配列されていることを特徴とする。
この構成において、前記有底の空孔は、略等間隔に形成されていても良い。また、前記有底の空孔は、前記基材の表面に達しない深さに形成されていても良い。前記基材と前記皮膜層との間に複数の中間層を形成し、これら中間層は、前記基材から前記皮膜層へかけて順次硬度を高めるように積層されていても良い。また、硬質炭素皮膜層をダイヤモンドライクカーボン皮膜層としても良い。
また、本発明は、密閉容器内に駆動要素と、該駆動要素の回転軸にて駆動される回転圧縮要素とを備え、前記回転圧縮要素が、前記回転軸を軸支する軸受と、シリンダと、前記回転軸に形成された偏心部と、前記偏心部に嵌合されてシリンダ内で偏心回転するローラと、前記ローラに当接してシリンダ内を高圧室と低圧室とに区画するベーンと、前記シリンダに形成され、前記ベーンを移動自在に収納するベーンスロットとを備えた圧縮機において、前記回転軸または前記ベーンは、基材上に硬質炭素皮膜層を備え、この硬質炭素皮膜層と相手方の軸受またはベーンスロットとの間に潤滑油が供給された状態で摺動する構成とし、前記硬質炭素皮膜層の摺動面には、孔径の異なる複数の有底の空孔が形成され、孔径の大きな空孔と小さな空孔とが、摺動方向に沿って、交互に配列されていることを特徴とする。
本発明によれば、皮膜層の摺動面には、孔径の異なる複数の有底の空孔が形成され、孔径の大きな空孔と小さな空孔とが、摺動方向に沿って、交互に配列されているため、孔径の大きな空孔に溜まった潤滑油から先に排出される。この潤滑油は摺動方向の下流側にある小さな空孔に流入し、この小さな空孔内の潤滑油が遅れて排出されることにより、長期間に亘って、摺動面に潤滑油を確実に供給することができ、潤滑性能を高めることができる。
本実施形態に係るロータリ圧縮機を示す縦断面図である。 シリンダの平面図である。 摺動部材上に形成されたダイヤモンドライクカーボン皮膜層を示す概略断面図である。 ダイヤモンドライクカーボン皮膜層の表面を示す概略図である。 空孔を形成したダイヤモンドライクカーボン皮膜層と、従来のダイヤモンドライクカーボン皮膜層との摩耗量を比較したグラフである。 空孔を形成したダイヤモンドライクカーボン皮膜層と、従来のダイヤモンドライクカーボン皮膜層との摩擦係数を比較したグラフである。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施の形態に係るロータリ圧縮機100の一態様を示す縦断面図である。このロータリ圧縮機100は、冷媒の凝縮器と蒸発器との間に配管接続されて冷凍機ユニットを構成するものであり、図1に示すように、密閉容器1を有し、この密閉容器1の上側に電動要素(駆動要素)2が、下側にこの電動要素2のクランクシャフト3(回転軸)によって駆動されて冷媒を圧縮する回転圧縮要素4が収納されている。
密閉容器1は、筒状のシェル部10と、このシェル部10にアーク溶接などにより固着されたエンドキャップ11とを備え、このエンドキャップ11には電動要素2に電力を供給する際の中継端子をなすターミナル12が設けられると共に、圧縮された冷媒を機外に吐出する吐出管13が設けられている。また、シェル部10の底部近くには、上記冷凍機ユニットのアキュムレータから排出された冷媒を回転圧縮要素4に導く吸込管6が溶接などにより固着されている。
電動要素2は、いわゆるDCブラシレスモータなどの直流モータからなるものであり、回転子(ロータ)31と、シェル部10に固着された固定子(ステータ)32とを備え、回転子31にクランクシャフト3が固定されて、回転子31の回転力が回転圧縮要素4に伝達されるようになっている。このクランクシャフト3は主軸受け7A(支持部材)および副軸受け7Bにより回転自在に支持されている。
図1に示すように、回転圧縮要素4は、円筒形状を有するシリンダ41を有し、このシリンダ41は主軸受け7Aと副軸受け7Bとの間で、図示せぬボルトなどにより主軸受け7Aおよび副軸受け7Bに一体的に固定され、主軸受け7Aが密閉容器1の内側面に溶接により固着されて、この主軸受け7Aにシリンダ41が支持される。また、シリンダ41の上側の開口が主軸受け7Aに、下側の開口が副軸受け7Bにより閉塞されて、このシリンダ41内に圧縮室43が形成される。
圧縮室43には、クランクシャフト3に一体成形された偏心部44に嵌合されて偏心回転するローラ45が内設されている。また、図2に示すように、シリンダ41には、冷媒の吸込口48と吐出口40との間にベーン溝(ベーンスロット)47が設けられ、このベーン溝47にはベーン46が摺動自在に配設されている。このベーン46は図示せぬスプリングなどの付勢部材によって常時ローラ45方向に押圧され、偏心部44およびローラ45の回転に応じてローラ45の外周面に摺接しながらベーン溝47内を往復動し、圧縮室43の内部を低圧室側43Aと高圧室側43Bに圧力的に仕切る役割を果たしている。
具体的には、ローラ45はその外側面の一端がシリンダ41の内側面49と常に所定のクリアランスで接するように設けられ、シリンダ41とローラ45との間の空間である圧縮室43が三日月状に形成される。そして、ベーン46がローラ45の外側面に当接し、このベーン46により三日月状の圧縮室43が低圧室側43Aと高圧室側43Bに仕切られる。本実施形態では、上記した主軸受け7Aに支持されるクランクシャフト3及びシリンダ41のベーン溝47内を往復動するベーン46が摺動部材として機能する。
シリンダ41の吸込口48には吸込管6(図1参照)が挿嵌され、また、上記吐出口40には、図示しない吐出バルブが設けられており、冷媒がこの吐出バルブで規定される吐出圧に達すると吐出口40から密閉容器1内に吐出される。
したがって、密閉型ロータリ圧縮機100にあっては、電動要素2がクランクシャフト3を回転駆動することによってローラ45を圧縮室43内において偏心回転させることにより、アキュムレータを介して機外から供給された冷媒が吸込管6を介して圧縮室43の低圧室側43Aに吸入され、その冷媒を高圧室側43Bに移動させながら圧縮して吐出口40から密閉容器1内に吐出し、吐出管13から機外に吐出することになる。
また、前掲図1に示すように、密閉容器1の底部には、主軸受け7Aの下面(図中A−A’線にて示す)までオイル(潤滑油)8が貯留されており、このオイル8を主軸受け7A、副軸受け7Bおよび回転圧縮要素4とクランクシャフト3との間の摺動部分や回転圧縮要素4のベーン46の摺動部分に給油するオイルピックアップ50(給油装置)がクランクシャフト3の下端部3Aに設けられている。
具体的には、クランクシャフト3は円筒状に形成され、その下端部3Aに円筒状のオイルピックアップ50が圧入して取付けられている。オイルピックアップ50の内部には、図1に示すように、螺旋形のオイル流路を構成するパドル51が一体成形されており、クランクシャフト3の回転により生じる遠心力によりオイルピックアップ50が下端50Aから密閉容器1に貯留されたオイル8を吸込み、パドル51がオイル8を上向きに送給する。そして、このオイル8がオイルピックアップ50に穿たれた給油孔52を経て、クランクシャフト3の周面、特に、主軸受け7A、副軸受け7Bおよび回転圧縮要素4とクランクシャフト3との各摺動部分に供給される。
密閉容器1内の底部にはHFC系の混合冷媒(例えば、R134aとR32とR125との3種混合冷媒)が封入されている。ここで、冷媒は、HFC系の混合冷媒に限るものではなく、HFC系の単独冷媒(例えば、R134a、R32、またはR125)や、自然系冷媒(例えば、COまたはHC)を用いることもできる。
また、密閉容器1に貯留されるオイルは、動粘度が20〜120mm/s程度のものが望ましく、例えば、ポリビニルエーテル、ポリオールエステル、アルキルベンゼン、ポリアルファオレンまたはポリアルキレングリコールのいずれかが用いられている。
上述したような摺動部材としてのクランクシャフト3やベーン46は、潤滑油が存在した状態で、主軸受け7A、副軸受け7Bやシリンダ41のベーン溝47と摺動する。本構成では、摺動時の摩擦抵抗を低減するために、これらクランクシャフト3の摺動面3B及びベーン46の摺動面46Aには、それぞれダイヤモンドライクカーボン皮膜層(硬質炭素皮膜層)が形成されている。
図3は、摺動部材上に形成されたダイヤモンドライクカーボン皮膜層を示す概略断面図であり、図4は、ダイヤモンドライクカーボン皮膜層の表面を示す概略図である。
本実施形態のクランクシャフト3及びベーン46は、基材としてCr(クロム)を含有する鋼、鋳鉄材、球状黒鉛鋳鉄材、共晶黒鉛鋳鉄材、もしくは鉄系焼結材のいずれかが用いられており、図3に示すように、これら基材上にクロム(Cr)層55、クロム(Cr)/炭化タングステン(WC)混合層56、炭化タングステン(WC)/ダイヤモンドライクカーボン(DLC)混合層57を積層した中間層53を備え、この中間層53の上に、純度の高いダイヤモンドライクカーボン皮膜層54が形成されている。
中間層53は、基材とダイヤモンドライクカーボン皮膜層54との密着性を高めるものであり、基材からダイヤモンドライクカーボン皮膜層54へかけて順次硬度を高めるように積層されている。これによれば、ダイヤモンドライクカーボン皮膜層54の剥離を防止することができ、強度の強い皮膜層を形成することができる。この中間層53は、PVD(Physical Vapor Deposition)処理法により形成される。
ダイヤモンドライクカーボン皮膜層54は、自己潤滑性に優れた皮膜層であり、表面の摩擦係数が低く、また耐摩耗性が高い特性を有する。本実施形態では、ダイヤモンドライクカーボン皮膜層54は、PCVD(Plasma-enhanced Chemical Vapor Deposition)処理法により形成される。また、ダイヤモンドライクカーボン皮膜層54及び中間層53の厚みTは、約3〜5μmに形成することが望ましい。
ダイヤモンドライクカーボン皮膜層54の摺動面54Aには、図3に示すように、複数の有底の空孔(以下、有底の空孔を単に空孔という)60が形成されている。これら空孔60は、孔径の大きな第1の空孔61と、この第1の空孔61よりも孔径の小さな第2の空孔62とを含み、これら第1の空孔61及び第2の空孔62内にはオイルが流入してオイル溜まりとして機能する。このため、クランクシャフト3と主軸受け7Aのように、圧縮機100の起動時に、オイルが不足気味で運転される場合であっても、クランクシャフト3の摺動に伴って、第1の空孔61及び第2の空孔62からオイルが徐々に排出されることにより、クランクシャフト3及びベーン46の摺動面54Aと相手方の主軸受け7A、副軸受け7Bまたはベーン溝47との潤滑を行うことができる。
ここで、ダイヤモンドライクカーボン皮膜層54の摺動面54Aに単に孔径の同一の空孔を設けた場合には、これら空孔からオイルが早々に排出してしまうため、オイルピックアップ50によるオイル供給までの間にオイル不足となる事態が想定される。
このため、本構成では、図4に示すように、第1の空孔61と第2の空孔62とは、摺動方向Xに沿って交互に配列されている。この構成によれば、孔径の大きな第1の空孔61に溜まったオイルから先に排出される。このオイルは摺動方向Xの下流側にある孔径の小さな第2の空孔62に流入し、この第2の空孔62内のオイルが遅れて排出されることにより、長期間に亘って、摺動面54Aにオイルを確実に供給することができ、潤滑性能を高めることができる。
また、第1の空孔61及び第2の空孔62は、例えば、プラズマエッチングにより形成されるものであり、本実施形態では、第1の空孔61の孔径A1を約3μm、第2の空孔62の孔径A2を約1μmに設定されている。更に、これら第1の空孔61と第2の空孔62に深さDは、ダイヤモンドライクカーボン皮膜層54及び中間層53の厚みTよりも小さな値に設定され、本実施形態では、約2〜4μmに設定される。これにより、ダイヤモンドライクカーボン皮膜層54(及び中間層53)に形成された空孔60が基材の表面に達することが防止され、この基材表面が酸化等により腐食されることが防止される。
また、本実施形態では、第1の空孔61及び第2の空孔62は、隣接する空孔の中心間の距離Lが略等間隔に形成されている。このため、各空孔間を移動するオイル量を調整しやすくなり、摺動面54Aの潤滑性能を高めることができる。なお、本実施形態では、摺動面54Aの面積に対する空孔面積(気孔率)は5〜15%に設定されている。この気孔率を低くし過ぎると、空孔内に保持されるオイル量が低下して潤滑性能が低下し、気孔率が高過ぎると、摺動面積が低減するため、逆に、摩擦抵抗の上昇や密着性が低下してしまう傾向にある。
次に、本構成による効果について説明する。
図5は、第1の空孔61及び第2の空孔62を形成したダイヤモンドライクカーボン皮膜層54と、従来のダイヤモンドライクカーボン皮膜層との摩耗量を比較したグラフであり、図6は、第1の空孔61及び第2の空孔62を形成したダイヤモンドライクカーボン皮膜層54と、従来のダイヤモンドライクカーボン皮膜層との摩擦係数を比較したグラフである。
この実験は、オイルと冷媒(溶剤)とを1:9で加えて希釈したものを供給した状態で、各試験片に施されたダイヤモンドライクカーボン皮膜層の摩耗量と、摩擦係数とをそれぞれ計測したものである。摩耗量は、同一の条件下で所定時間運転を継続した後に、各試験片の重量を測定することにより行った。また、摩擦係数は、ロードセルを用いて安定状態に入った摩擦係数の平均値を算出することにより行った。
この実験によれば、図5に示すように、摩耗量が約35%低減することが判明した。また、摩擦抵抗は、図6に示すように、約16%低減することが判明した。
このように、本実施形態によれば、密閉容器1内に電動要素2と、電動要素2のクランクシャフト3にて駆動される回転圧縮要素4とを備え、この回転圧縮要素4が、クランクシャフト3を軸支する主軸受け7A及び副軸受け7Bと、シリンダ41と、クランクシャフト3に形成された偏心部44と、偏心部44に嵌合されてシリンダ41内で偏心回転するローラ45と、ローラ45に当接してシリンダ41内を高圧室43Bと低圧室43Aとに区画するベーン46と、シリンダ41に形成され、ベーン46を移動自在に収納するベーン溝47とを備え、クランクシャフト3またはベーン46は、基材上にダイヤモンドライクカーボン皮膜層54を備え、このダイヤモンドライクカーボン皮膜層54と相手方の主軸受け7A及び副軸受け7Bまたはベーン溝47との間にオイルが供給された状態で摺動する構成とし、ダイヤモンドライクカーボン皮膜層54の摺動面54Aには、孔径の異なる第1の空孔61及び第2の空孔62を形成し、孔径の大きな第1の空孔61と孔径の小さな第2の空孔62とが、摺動方向Xに沿って、交互に配列されているため、孔径の大きな第1の空孔61に溜まったオイルから先に排出され、この排出されたオイルは摺動方向Xの下流側にある孔径の小さな第2の空孔62に流入し、この空孔62内のオイルが遅れて排出されることにより、長期間に亘って、摺動面54Aにオイルを確実に供給することができ、潤滑性能を高めることができる。
また、本実施形態によれば、第1の空孔61及び第2の空孔62は、隣接する空孔の中心間の距離Lが略等間隔に形成されているため、各空孔間を移動するオイル量を調整しやすくなり、摺動面54Aの潤滑性能を高めることができる。
また、本実施形態によれば、第1の空孔61及び第2の空孔62の深さDは、ダイヤモンドライクカーボン皮膜層54及び中間層53の厚みTよりも小さな値に設定されるため、ダイヤモンドライクカーボン皮膜層54(及び中間層53)に形成された第1の空孔61及び第2の空孔62が基材の表面に達することが防止され、この基材表面が酸化等により腐食されて密着性が低下することを防止できる。
また、本実施形態によれば、基材とダイヤモンドライクカーボン皮膜層54との間に複数の中間層53を形成し、これら中間層53は、基材からダイヤモンドライクカーボン皮膜層54へかけて順次硬度を高めるように積層されているため、基材とダイヤモンドライクカーボン皮膜層54との密着性を高めることができ、ダイヤモンドライクカーボン皮膜層54の剥離が防止され、強度の強い皮膜層を形成することができる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、実施の形態では、単段式のロータリ圧縮機100にて説明したが、多段式のロータリ圧縮機に適用しても差し支えない。
また、ロータリ圧縮機100を縦型で説明したが、ロータリ圧縮機100は縦型に限られず、横置き型であってもよい。
さらに、本実施形態では、第1の空孔61と第2の空孔62の2種類を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、3種類以上の孔径の異なる空孔を用いても本発明を適用できる。
1 密閉容器
2 電動要素(駆動要素)
3 クランクシャフト(回転軸、摺動部材)
3B 摺動面
4 回転圧縮要素
6 吸込管
8 オイル
41 シリンダ
43 圧縮室
43A 低圧室
43B 高圧室
44 偏心部
45 ローラ
46 ベーン(摺動部材)
46A 摺動面
47 ベーン溝(ベーンスロット)
50 オイルピックアップ
50A 下端
51 パドル
52 給油孔
53 中間層
54 ダイヤモンドライクカーボン皮膜層(硬質炭素皮膜層)
54A 摺動面
60 空孔(有底の空孔)
61 第1の空孔
62 第2の空孔
100 圧縮機
X 摺動方向

Claims (6)

  1. 基材上に硬質炭素皮膜層を備え、この皮膜層と相手方の部材との間に潤滑油が供給された状態で摺動する摺動部材において、
    前記硬質炭素皮膜層の摺動面には、孔径の異なる複数の有底の空孔が形成され、孔径の大きな空孔と小さな空孔とが、摺動方向に沿って、交互に配列されていることを特徴とする摺動部材。
  2. 前記有底の空孔は、略等間隔に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の摺動部材。
  3. 前記有底の空孔は、前記基材の表面に達しない深さに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の摺動部材。
  4. 前記基材と前記硬質炭素皮膜層との間に複数の中間層を形成し、これら中間層は、前記基材から前記硬質炭素皮膜層へかけて順次硬度を高めるように積層されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の摺動部材。
  5. 前記硬質炭素皮膜層をダイヤモンドライクカーボン皮膜層としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の摺動部材。
  6. 密閉容器内に駆動要素と、該駆動要素の回転軸にて駆動される回転圧縮要素とを備え、前記回転圧縮要素が、前記回転軸を軸支する軸受と、シリンダと、前記回転軸に形成された偏心部と、前記偏心部に嵌合されてシリンダ内で偏心回転するローラと、前記ローラに当接してシリンダ内を高圧室と低圧室とに区画するベーンと、前記シリンダに形成され、前記ベーンを移動自在に収納するベーンスロットとを備えた圧縮機において、
    前記回転軸または前記ベーンは、基材上に硬質炭素皮膜層を備え、この硬質炭素皮膜層と相手方の軸受またはベーンスロットとの間に潤滑油が供給された状態で摺動する構成とし、前記硬質炭素皮膜層の摺動面には、孔径の異なる複数の有底の空孔が形成され、孔径の大きな空孔と小さな空孔とが、摺動方向に沿って、交互に配列されていることを特徴とする圧縮機。
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