JP2017031380A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定のコロイダル特性を有するカーボンブラックを配合して発熱性を低減しながら、機械的特性を維持・向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供する。【解決手段】ブタジエンゴムを10〜70質量%含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが90m2/g以下、圧縮DBP吸収量(24M4)が95〜120mL/100gのカーボンブラックを20質量部以上60質量部未満配合すると共に、前記カーボンブラックの凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)およびその半値幅ΔDst(nm)の比ΔDst/Dstが0.65以上であり、前記N2SA、(24M4)およびDstが次式;(24M4)/Dst<0.0093×N2SA−0.06を満たすようにする。【選択図】図2

Description

本発明は、特定のコロイダル特性を有するカーボンブラックを配合することにより発熱性を低減しながら機械的特性を維持・向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物に関する。
空気入りタイヤに求められる性能として、操縦安定性が優れることに加えて、転がり抵抗がより小さく、かつ耐摩耗性が高いことが挙げられる。タイヤにしたときの転がり抵抗を小さくするため空気入りタイヤを構成するゴム組成物の発熱性を抑制することが行われている。ゴム組成物の発熱性の指標としては一般に動的粘弾性測定による60℃のtanδが用いられ、ゴム組成物のtanδ(60℃)が小さいほど発熱性が小さくなる。
ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくする方法として、例えばカーボンブラックの配合量を少なくしたり、カーボンブラックの粒径を大きくしたりすること、またカーボンブラックの代わりにシリカを配合することが挙げられる。しかし、このような方法では、引張り破断強度、引張り破断伸び、ゴム硬度などの機械的特性が低下し、タイヤにしたとき操縦安定性、耐摩耗性、耐久性が低下するという問題がある。
また最近、転がり抵抗を更に小さくしながら耐摩耗性を改良するため、シリカだけでなくカーボンブラックの性能を向上させることが望まれている。
例えば特許文献1は、主に比表面積(BET比表面積、CTAB比表面積、沃素吸着指数IA)、DBP構造値、ストークス直径dst等を調整したカーボンブラックを配合することにより、ゴム組成物を低発熱化することを提案している。しかし、このゴム組成物では、機械的強度や耐摩耗性を確保する作用が必ずしも十分ではなく、更なる改良が求められていた。
特表2004−519552号公報
本発明の目的は、特定のコロイダル特性を有するカーボンブラックを配合することにより発熱性を低減しながら機械的特性を維持・向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ブタジエンゴムを10〜70質量%含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが90m2/g以下、圧縮DBP吸収量(24M4)が95〜120mL/100gのカーボンブラックを20質量部以上60質量部未満配合すると共に、前記カーボンブラックの凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)およびその半値幅ΔDst(nm)の比ΔDst/Dstが0.65以上であり、前記N2SA、(24M4)およびDstが下記の式(1)を満たすことを特徴とする。
(24M4)/Dst<0.0093×N2SA−0.06 (1)
(但し、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、(24M4)は圧縮DBP吸収量(mL/100g)である。)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ブタジエンゴムを10〜70質量%含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが90m2/g以下、圧縮DBP吸収量(24M4)が95〜120mL/100g、カーボンブラック凝集体のストークス径の質量分布曲線における比ΔDst/Dstが0.65以上、かつ前記式(1)の関係を満たすカーボンブラックを20質量部以上60質量部未満配合するようにしたので、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくしながら、耐屈曲疲労性または高温での破断伸び、ゴム硬度などの機械的特性を維持・向上することができる。
前記カーボンブラックのDstは、160nm以上であることが好ましい。またカーボンブラックのN2SAが、50m2/g以上であることが好ましい。
また、ブタジエンゴムは、ジエン系ゴム100質量部に対して30〜70質量%含まれることが好ましく、これによりゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくしながら、特に耐屈曲疲労性やゴム硬度を維持・向上することができるため、タイヤサイド用ゴム組成物として好適に用いることができる。或いは、ブタジエンゴムは、ジエン系ゴム100質量部に対して10〜40質量%含まれることが好ましく、これによりゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくしながら、特に高温での破断伸びやゴム硬度を維持・向上することができるため、アンダートレッド用ゴム組成物として好適に用いることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物を、適用部位に対応してブタジエンゴムの配合量を調整して、タイヤサイドまたはアンダートレッドに使用した空気入りタイヤは、転がり抵抗を小さくし燃費性能を改良しながら、従来レベル以上に操縦安定性、耐久性を維持・向上することができる。
ASTMグレードのカーボンブラックについて、N2SAに対する(24M 4)/Dstの関係を示すグラフである。 本発明のタイヤ用ゴム組成物で使用するカーボンブラックについて、N2S Aに対する(24M4)/Dstの関係を示すグラフの一例である。 本明細書の実施例および比較例で使用したカーボンブラックのN2SAに対 する(24M4)/Dstの関係を示すグラフである。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、ゴム成分はジエン系ゴムであり、ブタジエンゴムを必ず含む。ブタジエンゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物に通常用いられるゴムを使用することができる。ブタジエンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中10〜70質量%である。ブタジエンゴムの含有量が10〜70質量%から外れると、本発明の所望の効果が充分に得られない。
本発明のゴム組成物は、ブタジエンゴム以外の他のジエン系ゴムを含有してもよい。他のジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン‐ブタジエンゴム、アクリロニトリル‐ブタジエンゴム等が挙げられる。なかでも天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン‐ブタジエンゴムが好ましい。これらジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
ブタジエンゴムの含有量は、上述の範囲内で、例えばジエン系ゴム100質量%中30〜70質量%、好ましくは40〜60質量%にすることもできる。ブタジエンゴムの配合量をこのような範囲に設定すると、特に得られるゴム組成物の耐屈曲疲労性が良好になるので、タイヤサイド用ゴム組成物として好適に用いることができる。ブタジエンゴムの配合量が30〜70質量%の範囲から外れると、タイヤサイド用ゴム組成物として充分な耐屈曲疲労性が得られない。
或いは、ブタジエンゴムの含有量は、上述の範囲内で、例えばジエン系ゴム100質量%中10〜40質量%、好ましくは20〜30質量%にすることもできる。ブタジエンゴムの配合量をこのような範囲に設定すると、特に得られるゴム組成物の高温での破断伸びが良好になるので、アンダートレッド用ゴム組成物として好適に用いることができる。ブタジエンゴムの配合量が10〜40質量%の範囲から外れると、アンダートレッド用ゴム組成物として充分な破断伸びが得られない。
本発明のタイヤ用ゴム組成物では、特定の窒素吸着比表面積N2SA及び圧縮DBP吸収量(24M4)を有し、かつ凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstおよびその半値幅ΔDstの比ΔDst/Dst並びにDst/(24M4)とN2SAとの関係を限定した新規のカーボンブラックを配合することにより、粒子径が大きいカーボンブラックを用いてゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくしながら、ゴム硬度、耐屈曲疲労性、破断伸びなどの機械的特性を悪化させることがない。カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し20質量部以上60質量部未満、好ましくは35質量部以上55質量部以下にする。カーボンブラックの配合量が20質量部未満であると、ゴム組成物のゴム硬度が悪化する。またカーボンブラックの配合量が60質量部以上であると、tanδ(60℃)が大きくなると共に、引張り破断伸びが低下する。また耐摩耗性が悪化する。
本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積N2SAが90m2/g以下、好ましくは50〜90m2/g、より好ましくは55〜85m2/gである。N2SAが90m2/gを超えると、tanδ(60℃)が大きくなる。本明細書においてカーボンブラックのN2SAは、JIS K6217−7に準拠して、測定するものとする。
また、カーボンブラックの圧縮DBP吸収量(24M4)は、95〜120mL/100gであり、好ましくは100〜115mL/100gである。圧縮DBP吸収量が95mL/100g未満であるとtanδ(60℃)が大きくなると共に、耐摩耗性が低下する。またゴム組成物の成形加工性が低下しカーボンブラックの分散性が悪化するのでカーボンブラックの補強性能が十分に得られない。圧縮DBP吸収量が120mL/100gを超えると、引張り破断強度および引張り破断伸びが悪化する。また粘度の上昇により加工性が悪化する。圧縮DBP吸収量は、JIS K6217−4に準拠し附属書Aに記載された圧縮試料を用いて測定するものとする。
本発明で使用するカーボンブラックは、上述した窒素吸着比表面積N2SAおよび圧縮DBP吸収量(24M4)を有すると共に、凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstおよびその半値幅ΔDstに関し以下の関係を有する。
本発明において、カーボンブラックの凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)に対する前記質量分布曲線の半値幅ΔDst(nm)の比ΔDst/Dstが0.65以上、好ましくは0.70以上である。比ΔDst/Dstを0.65以上にすることにより、発熱を小さくすることができる。本明細書において、凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstは、カーボンブラックを遠心沈降させ、光学的に得た凝集体のストークス径の質量分布曲線における最大頻度のモード径をいう。また半値幅ΔDstは凝集体質量分布曲線において、その頻度が最大点の半分の高さのときの分布の幅をいう。本発明において、DstおよびΔDstはJIS K6217−6ディスク遠心光沈降法による凝集体分布の求め方に準拠して、測定するものとする。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、窒素吸着比表面積N2SA、圧縮DBP吸収量(24M4)およびDstが下記の式(1)を満たす。
(24M4)/Dst<0.0093×N2SA−0.06 (1)
(ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、(24M4)は圧縮DBP吸収量(mL/100g)である。)
カーボンブラックが上述した特定された範囲内のN2SA、圧縮DBP吸収量および比ΔDst/Dstを有し、かつ(24M4)/DstおよびN2SAが前記式(1)を満たすことにより、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくしながら、引張り破断強度、引張り破断伸び、ゴム硬度、耐摩耗性などの機械的特性を維持・向上することができる。
図1は、ASTM規格番号を有する代表的なカーボンブラックであるASTMグレードについて、その(24M4)/DstとN2SAの関係を示すグラフである。図1において、横軸はN2SA(m2/g)、縦軸は(24M4)/Dst(mL/100g/nm)である。図1に示す通り、従来の規格化されたカーボンブラックブラックの(24M4)/DstはN2SAに対し概ね1次直線(図1の破線)で表され、その傾きは約0.0093、切片は0.0133である。
これに対し、本発明で使用するカーボンブラックでは、N2SAに対し、アグリゲート特性の比(24M4)/Dstの上限が、前記式(1)により制限されている。この境界線(前記式(1)の不等号を等号にした一次直線)を図2に実線で記載した。また本願明細書の実施例で使用するカーボンブラックを○印でプロットした。なお図2の破線はASTMグレードのカーボンブラックブラックから求められた1次直線である。アグリゲート特性の比(24M4)/DstおよびN2SAがこの関係を満たすことにより、引張り破断強度および引張り破断伸びを優れたものにすることができる。
本発明において、前記式(1)で特定されるカーボンブラックは、上述した範囲のN2SA、圧縮DBP吸収量(24M4)および比ΔDst/Dstを有するとき、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくしながら、引張り破断強度、引張り破断伸び、ゴム硬度、耐摩耗性などの機械的特性を維持・向上することができる。
本発明で使用するカーボンブラックのDstは、特に制限されるものではないが、好ましくは160nm以上、好ましくは170nm以上であるとよい。Dstが160nm未満であると、発熱が悪化する虞がある。
上述した特性を有するカーボンブラックは、例えば、カーボンブラック製造炉における原料油導入条件、全空気の供給量、燃料油及び原料油の導入量、反応時間(最終原料油導入位置から反応停止までの燃焼ガスの滞留時間)などの製造条件を調整して製造することができる。
本発明において、カーボンブラックとしては、上述した特性を有するカーボンブラックと、その他のカーボンブラックを共に使用することができる。このとき、特定のコロイダル特性を有するカーボンブラックが占める割合が50質量%を超えるものとし、カーボンブラックの合計をジエン系ゴム100質量部に対し、20質量部以上60質量部未満にする。このようにその他のカーボンブラックを共に配合することにより、ゴム組成物のtanδと機械的特性とのバランスを調整することができる。
タイヤ用ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、各種無機充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のタイヤ用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤサイドまたはアンダートレッドを構成するゴムに好適に使用することができる。このとき、タイヤサイドまたはアンダートレッドの各部位に対応してジエン系ゴムに占めるブタジエンゴムの含有量を調整することが好ましい。即ち、タイヤサイドを構成するゴムに使用する場合はブタジエンゴムの含有量がジエン系ゴム100質量%中30〜70質量%であるとよく、アンダートレッドを構成するゴムに使用する場合はブタジエンゴムの含有量がジエン系ゴム100質量%中10〜40質量%であるとよい。このようにタイヤサイドまたはアンダートレッドに本発明のゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、走行時の発熱性が小さくなるので、転がり抵抗を小さくし燃費性能を改良することができる。同時に、ゴム組成物の機械的特性の改良により、操縦安定性、耐久性を従来レベル以上に維持・向上することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
11種類のカーボンブラック(CB−1〜CB−11)を使用して38種類のゴム組成物(実施例1−1〜1−9および2−1〜2−9、標準例1〜2、比較例1−1〜1−9および2−1〜2−9)を調製した。このうち3種類のカーボンブラック(CB−1〜CB−3)は市販グレード、8種類のカーボンブラック(CB−4〜CB−11)は試作品であり、それぞれのコロイダル特性を表1に示した。また図3において、各カーボンブラックCB−1〜CB−11の(24M4)/DstとN2SAの関係をプロットすると共に、それぞれのカーボンブラックを参照する番号を付した。なお図3において実線は式(1)を等号にしたときの直線、破線はカーボンブラックのASTMグレードに相当する1次直線である。
Figure 2017031380
表1において、各略号はそれぞれ下記のコロイダル特性を表わす。
・N2SA:JIS K6217−7に基づいて測定された窒素吸着比表面積
・24M4:JIS K6217−4(圧縮試料)に基づいて測定された圧縮DBP吸収量
・Dst:JIS K6217−6に基づいて測定されたディスク遠心光沈降法による凝集体のストークス径の質量分布曲線の最大値であるモード径
・△Dst:JIS K6217−6に基づいて測定されたディスク遠心光沈降法による凝集体のストークス径の質量分布曲線において、その質量頻度が最大点の半分の高さのときの分布の幅(半値幅)
・△Dst/Dst:比△Dst/Dstの値
・式(1)の左辺 (24M4)/Dstの計算値
・式(1)の右辺 0.0093×N2SA−0.06の計算値
・式(1)の成否:左辺<右辺が成立するときが○、成立しないときを×で表す。
また表1において、カーボンブラックCB1〜CB3は、それぞれ以下の市販グレードを表わす。
・CB1:新日化カーボン社製ニテロン#200IS、N339
・CB2:東海カーボン社製シースト300、N326
・CB3:新日化カーボン社製ニテロン#10N、N550
カーボンブラックCB4〜CB11の製造
円筒反応炉を使用して、表3に示すように全空気供給量、燃料油導入量、原料油導入量、反応時間を変えて、カーボンブラックCB4〜CB11を製造した。
Figure 2017031380
タイヤ用ゴム組成物の調製及び評価
上述した11種類のカーボンブラック(CB1〜CB11)を用いて、表7の配合剤を共通に添加した、表3〜6に示す配合からなる38種類のゴム組成物(実施例1−1〜1−9および2−1〜2−9、標準例1〜2、比較例1−1〜1−9および2−1〜2−9)を調製するに当たり、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く成分を秤量し、55Lのニーダーで15分間混練した後、そのマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを55Lのニーダーに供し、硫黄及び加硫促進剤を加え、混合しタイヤ用ゴム組成物を得た。なお、表7に記載の配合剤の量は、表3〜6に記載のゴム成分(NRおよびBR)100質量部に対する質量部で記載した。
得られた38種類のゴム組成物を、それぞれ所定形状の金型中で、160℃、20分間加硫して試験片を作製し、実施例1−1〜1−9、標準例1、および比較例1−1〜1−9の19種類のゴム組成物については、下記に示す方法により耐疲労屈曲性、20℃における貯蔵弾性率E′(20℃)、および60℃におけるtanδの評価を行い、実施例2−1〜2−9、標準例2、および比較例2−1〜2−9の19種類のゴム組成物については、耐疲労屈曲性に替えて、下記に示す方法により100℃における破断伸びの評価を行った。
耐屈曲疲労性
得られた試験片をJIS K6260に準拠しデマチャ屈曲試験により、室温で毎分300回の屈曲を加え、亀裂長さが20mmに達するまでの屈曲回数を求めた。得られた結果は、標準例1の値を100とする指数として、表3〜4に示した。この指数値が大きいほど耐屈曲疲労性に優れ、空気入りタイヤのサイドに使用したときに耐クラック性に優れることを意味する。
100℃における破断伸び
得られた試験片からJIS K6251に準拠してJIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を切り出し、この試験片の引張り破断伸びを、JIS K6251に準拠し温度23℃、引張り速度500mm/分の条件で測定した。得られた結果は、標準例2の値を100とする指数として、表5〜6に示した。この指数値が大きいほど引張り破断伸びが大きく、空気入りタイヤのアンダートレッドに使用したときにキャップトレッド部のブロック剛性に優れることを意味する。
20℃における貯蔵弾性率
得られた試験片をJIS K6394に準拠して、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件で、温度20℃における貯蔵弾性率E′(20℃)を測定した。得られたE′(20℃)の結果は、表3〜4では標準例1の値を100とする指数とし、表5〜6では標準例2の値を100とする指数として、表3〜6の「E′(20℃)」の欄に示した。この指数値が大きいほど貯蔵弾性率が大きく、ゴム硬度に優れることを意味する。
60℃のtanδ
得られた試験片をJIS K6394に準拠して、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件で、温度60℃における損失正接tanδを測定した。得られたtanδの結果は、表3〜4では標準例1の値を100とする指数とし、表5〜6では標準例2の値を100とする指数として、表3〜6の「tanδ(60℃)」の欄に示した。この指数値が小さいほど発熱性が小さく、タイヤにしたときの転がり抵抗が小さく燃費性能が優れることを意味する。
Figure 2017031380
Figure 2017031380
Figure 2017031380
Figure 2017031380
表3〜6において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、PT.NUSIRA社製SIR20
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製NIPOL BR 1220
・CB1〜CB11:上述した表1に示したカーボンブラック
Figure 2017031380
表7において使用した原材料の種類を下記に示す。
・ステアリン酸:NOF CORPORATION社製ステアリン酸YR
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラー CZ‐G
・硫黄:細井化学工業社製油処理イオウ
表3〜4から明らかなように実施例1−1〜1−9のタイヤ用ゴム組成物は、耐屈曲疲労性、貯蔵弾性率E′(20℃)、およびtanδ(60℃)が従来レベル以上に維持・向上することが確認された。尚、実施例1−5のタイヤ用ゴム組成物は、ブタジエンゴムの配合量がタイヤサイド用ゴム組成物として好適な範囲よりも少ないため、耐屈曲疲労性は従来レベルを維持するに留まり、タイヤサイド用ゴム組成物としては必ずしも充分な性能を有するとは言えない。
表3から明らかなように、比較例1−1のゴム組成物は、カーボンブラックCB−2の圧縮DBP吸収量(24M4)が95mL/100g未満、かつ式(1)を満たさないため、E′(20℃)が劣る。比較例1−2のゴム組成物は、カーボンブラックCB−3の圧縮DBP吸収量(24M4)が95mL/100g未満、かつ式(1)を満たさないため、E′(20℃)が劣る。比較例1−3のゴム組成物は、カーボンブラックCB−4が式(1)を満たさないため、E′(20℃)が劣る。比較例1−4のゴム組成物は、カーボンブラックCB−9の圧縮DBP吸収量(24M4)が95mL/100g未満、かつ式(1)を満たさないため、E′(20℃)が劣る。比較例1−5のゴム組成物は、カーボンブラックCB−10の窒素吸着比表面積N2SAが90m2/gを超え、かつ式(1)を満たさないため、耐屈曲疲労性、tanδ(60℃)が劣る。比較例1−6のゴム組成物は、カーボンブラックCB−11の窒素吸着比表面積N2SAが90m2/gを超えるので、耐屈曲疲労性、発熱性が劣る。
表4から明らかなように、比較例1−7のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に占めるブタジエンゴムの割合が70質量%よりも多いため、E′(20℃)が劣る。比較例1−8のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対するカーボンブラックCB−8の配合量が20質量部よりも少ないため、E′(20℃)が劣る。比較例1−9のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対するカーボンブラックCB−8の配合量が60質量部よりも多いため、耐屈曲疲労性およびtanδ(60℃)が劣る。
表5〜6から明らかなように実施例2−1〜2−9のタイヤ用ゴム組成物は、破断伸び(100℃)、貯蔵弾性率E′(20℃)、およびtanδ(60℃)が従来レベル以上に維持・向上することが確認された。尚、実施例2−7のタイヤ用ゴム組成物は、ブタジエンゴムの配合量がアンダートレッド用ゴム組成物として好適な範囲よりも多いため、破断伸び(100℃)は従来レベルを維持するに留まり、アンダートレッド用ゴム組成物としては必ずしも充分な性能を有するとは言えない。
表5から明らかなように、比較例2−1のゴム組成物は、カーボンブラックCB−2の圧縮DBP吸収量(24M4)が95mL/100g未満、かつ式(1)を満たさないため、E′(20℃)が劣る。比較例2−2のゴム組成物は、カーボンブラックCB−3の圧縮DBP吸収量(24M4)が95mL/100g未満、かつ式(1)を満たさないため、E′(20℃)が劣る。比較例2−3のゴム組成物は、カーボンブラックCB−4が式(1)を満たさないため、E′(20℃)が劣る。比較例2−4のゴム組成物は、カーボンブラックCB−9の圧縮DBP吸収量(24M4)が95mL/100g未満、かつ式(1)を満たさないため、E′(20℃)が劣る。比較例2−5のゴム組成物は、カーボンブラックCB−10の窒素吸着比表面積N2SAが90m2/gを超え、かつ式(1)を満たさないため、破断伸び(100℃)、tanδ(60℃)が劣る。比較例2−6のゴム組成物は、カーボンブラックCB−11の窒素吸着比表面積N2SAが90m2/gを超えるので、破断伸び(100℃)、tanδ(60℃)が劣る。
表6から明らかなように、比較例2−7のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に占めるブタジエンゴムの割合が10質量%よりも多いため、tanδ(60℃)が劣る。比較例2−8のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対するカーボンブラックCB−8の配合量が20質量部よりも少ないため、E′(20℃)が劣る。比較例2−9のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対するカーボンブラックCB−8の配合量が60質量部よりも多いため、耐屈曲疲労性およびtanδ(60℃)が劣る。

Claims (7)

  1. ブタジエンゴムを10〜70質量%含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが90m2/g以下、圧縮DBP吸収量(24M4)が95〜120mL/100gのカーボンブラックを20質量部以上60質量部未満配合すると共に、前記カーボンブラックの凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)およびその半値幅ΔDst(nm)の比ΔDst/Dstが0.65以上であり、前記N2SA、(24M4)およびDstが下記の式(1)を満たすことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
    (24M4)/Dst<0.0093×N2SA−0.06 (1)
    (但し、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、(24M4)は圧縮DBP吸収量(mL/100g)である。)
  2. 前記Dstが、160nm以上であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記N2SAが、50m2/g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. ブタジエンゴムがジエン系ゴム100質量部に対して30〜70質量%含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤサイド用ゴム組成物。
  5. ブタジエンゴムがジエン系ゴム100質量部に対して10〜40質量%含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアンダートレッド用ゴム組成物。
  6. 請求項4に記載のゴム組成物をタイヤサイドに使用した空気入りタイヤ。
  7. 請求項5に記載のゴム組成物をアンダートレッドに使用した空気入りタイヤ。
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