JP2017031247A - 硫黄系酸化防止剤を含有する硬化性樹脂組成物およびエポキシ樹脂組成物とその硬化物 - Google Patents
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Abstract
Description
光半導体、特にLED(Light Emitting Diode)の中でもSMD(Surface Mount Device)は機材に装着する際に、ハンダリフロー工程として二百数十度といった高温に数十秒曝される。
シリコーン樹脂組成物を熱硬化して得られるシリコーン樹脂は耐熱透明性に優れるものの、ガスバリア性に劣り、外部の腐食性ガスから光半導体に用いられている部材(銀メッキ、金ワイヤーなど)の腐食を防ぎきれない問題があった(特許文献1)。
一方、エポキシ樹脂組成物はガスバリア性に優れるものの、耐熱透明性に劣るために、光半導体装置に用いた場合、その信頼性に劣る問題があった。
そこで、フェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤を用いて耐熱透明性の改善を行っているが未だ満足できるものは得られていない(特許文献2)。
すなわち本発明は、下記(1)〜(9)に関する。
(1)下記(A)、(B)成分を含有する硬化性樹脂組成物。
(A)分子内に二つ以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸化合物および/または分子内に一つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物
(B)下記式(1)で表される、硫黄系酸化防止剤
(2)(A)分子中に二つ以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸化合物が、下記式(2)で表される、(1)に記載の硬化性樹脂組成物。
(3)(A)分子中に二つ以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸化合物が、下記(a)の残基及び下記(b)の残基を有し、下記(a)及び(b)の各残基はエステル構造で結合されている末端にカルボキシル基を有する化合物である、(1)又は(2)のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
(a)分子内に二つ以上の水酸基を有する多価アルコール化合物の反応残基
(b)分子内に一つ以上のカルボン酸無水物化合物を有する化合物の反応残基
(4)(A)分子内に一つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物が、下記式(3)〜(5)より選択される一種以上である、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
(6)(1)〜(5)の硬化性樹脂組成物に、さらに(C)エポキシ樹脂を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
(7)(C)エポキシ樹脂がシリコーン変性エポキシ樹脂である(6)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(8)シリコーン変性エポキシ樹脂が下記式(6)で表される(7)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(9)(6)〜(8)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
(A)分子内に二つ以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸化合物および/または分子内に一つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物
(B)下記式(1)で表される、硫黄系酸化防止剤
(I) 炭素数6〜20の分岐構造を有する鎖状アルキレン鎖であり、該鎖状アルキレン鎖が炭素数3〜12の直鎖の主鎖と、2〜4個の側鎖を有し、かつその側鎖の少なくとも1つが炭素数2〜10である架橋基
(II)シクロ環上にメチル基を有してもよい、トリシクロデカンジメタノール又はペンタシクロペンタデカンジメタノール、から選ばれる少なくとも1種の架橋多環ジオールから、2つの水酸基を取り除いた2価の架橋基
(III)イソシアヌル環、トリアジン環から選ばれる1種以上のヘテロ環を有する2〜3価の架橋基
(IV)両末端カルビノール変性シリコーンオイルから水酸基を除いた2価の架橋基
ここで、(IV)においては、ケイ素原子から伸びる側鎖が、メチル基又はフェニル基であることが好ましい。複数のケイ素原子から伸びる側鎖のメチル基ないしフェニル基は、同一であっても異なっていても良いが、両末端のケイ素原子から伸びる側鎖はメチル基であることが好ましい。
(a)分子内に二つ以上の水酸基を有する多価アルコール化合物
(b)分子内に一つ以上のカルボン酸無水物化合物を有する化合物
そして、このようにして得られる化合物は、下記(a)の残基及び下記(b)の残基を有し、下記(a)及び(b)の各残基はエステル構造で結合されている末端にカルボキシル基を有する化合物となる。
(a)分子内に二つ以上の水酸基を有する多価アルコール化合物の反応残基
(b)分子内に一つ以上のカルボン酸無水物化合物を有する化合物の反応残基
(a);分子内に二つ以上の水酸基を含有する多価アルコール化合物としては、分子内に2つ以上のアルコール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2,4−ジエチルペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1.3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、トリシクロデカンジメタノール、ノルボルネンジオール、2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン等のジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2−ヒドロキシメチル−1,4−ブタンジオール等のトリオール類、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン等のテトラオール類、ジペンタエリスリトールなどのヘキサオール等、末端アルコールポリエステル、末端アルコールポリカーボネート、末端アルコールポリエーテル、シロキサン構造を有する多価アルコール等が挙げられる。
特に好ましいアルコール類としては炭素数が5以上のアルコールであり、特に1,6-ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、2,4−ジエチルペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、トリシクロデカンジメタノール、ノルボルネンジオール、2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン等の化合物が挙げられ、中でも2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2,4−ジエチルペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ノルボルネンジオール、2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン等の化合物等の分岐鎖状構造や環状構造を有するアルコール類がより好ましい。高い耐硫化性を付与する観点から、2,4−ジエチルペンタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の化合物が特に好ましい。中でも、特に分岐鎖状構造においては、分岐鎖を2つ以上有することが好ましく、特に分岐鎖が異なる炭素原子から伸びていることが好ましい。ここで、当該分岐鎖状構造や環状構造を有するアルコール類は炭素数が5〜25であることが好ましく、5〜20であることが特に好ましい。
得られる硬化性樹脂組成物を液状で使用し、硬化物に高いガスバリア性を付与するため、前述したシロキサン構造を有する多価アルコールと、炭素数が5〜25の分岐鎖状構造や環状構造を有するアルコール類および/又はイソシアヌル環骨格を有する多価アルコール化合物を混合して用いることが好ましい。
シロキサン構造を有する多価アルコールと炭素数が5〜25の分岐鎖状構造や環状構造を有するアルコール類および/又はイソシアヌル環骨格を有する多価アルコール化合物を混合して用いる場合、その使用量は質量比として全アルコール化合物中(シロキサン構造を有する多価アルコール)/(炭素数が5〜25の分岐鎖状構造や環状構造を有するアルコール類および/又はイソシアヌル環骨格を有する多価アルコール化合物)は0.2〜20が好ましく、硬化物の耐熱透明性、硬化性樹脂組成物の適度な粘度の観点から0.3〜15が好ましく、0.4〜10が特に好ましい。
W1/(W1+W2)=0.05〜0.70
ただし、W1は多価カルボン酸化合物の配合質量部、W2はカルボン酸無水物基を有する化合物の配合質量部を示す。W1/(W1+W2)の範囲として、より好ましくは、0.05〜0.60、さらに好ましくは0.10〜0.55、特に好ましくは0.15〜0.4である。0.05を下回ると、硬化時にカルボン酸無水物基を有する化合物の揮発が多くなる傾向が強く、好ましくない。0.70を越えると高い粘度となり、取り扱いが難しくなる。酸無水物を含有させない(少量残存する場合は除く)場合、その形状は固形もしくは固形に近い状態、もしくは結晶となるため、問題はない。
分子内に二つ以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸化合物と、分子内に一つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物を併用する場合、多価カルボン酸化合物の製造時に過剰の分子内に一つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物の中で製造し、分子内に二つ以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸化合物と、分子内に一つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物の混合物を作るという手法も操作の簡便性の面から好ましい。
また、R7は炭素数8〜25のアルキル基がより好ましい。
式(23)中、R7の炭素数1〜30のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ステアリル基、ミリスチル基等が挙げられ、中でも式(1)で表される硫黄系酸化防止剤との相乗効果により耐熱透明性向上の観点からデシル基であることが好ましい。
また、R7は炭素数8〜25のアルキル基がより好ましい。
硫黄系酸化防止剤とリン系化合物を混合して用いる場合、その使用量は質量比として(リン系化合物)/(硫黄系酸化防止剤)は0.5〜10が好ましく、1〜8が特に好ましい。
また、上記式(23)ないし上記式(24)を上記の比率で用いることでより優れた硬化物に高い耐熱透過性を付与することができる。
前記脂肪族系エポキシ樹脂としては、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールのグリシジルエーテル類が挙げられる。
前記複素環式エポキシ樹脂としては、例えばイソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂が挙げられる。
前記グリシジルエステル系エポキシ樹脂としては、例えばヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸エステル類からなるエポキシ樹脂が挙げられる。
前記グリシジルアミン系エポキシ樹脂としては、例えばアニリン、トルイジン等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
前記ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としては、例えばブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
Yにおける有機基とは、C、H、N、O原子からなる化合物を表し、エポキシ基含有の有機基の具体例としては、2,3−エポキシシクロヘキシルエチル基、3―グリシドキシプロピル基が挙げられ、硬化物の耐熱透明性の観点から2,3−エポキシシクロヘキシルエチル基が好ましい。ここで、有機基における炭素数は1〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましい。また、炭素数1〜5のアルキレン基を介在して2,3−エポキシシクロヘキシルエチル基、3―グリシドキシプロピル基が付加している基であることが好ましい。
Yにおける炭素数1〜6の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基が挙げられるが、硬化物の耐熱透明性の観点から、メチル基、フェニル基が好ましく、製造容易性の観点からメチル基が特に好ましい。
pは化合物の製造容易性から2が好ましい。
環状ハイドロジェンシロキサン化合物の具体例としては、トリメチルトリシクロシロキサン、トリフェニルトリシクロシロキサン、テトラメチルテトラシクロシロキサン、テトラフェニルテトラシクロシロキサン、ペンタメチルペンタシクロシロキサン、ペンタフェニルペンタシクロシロキサン等が挙げられ、製造の容易性からテトラメチルテトラシロキサンが好ましい。
分子内にエポキシ基を有するオレフィン化合物としては、4−ビニル−1,2−エポキシシクロヘキサン、3−グリシドキシ−1,2−プロペン等が挙げられ、硬化物の耐熱透明性の観点から4−ビニル−1,2−エポキシシクロヘキサンが好ましい。
溶液として用いる場合、触媒を0.05〜50質量%に調整して反応液に添加する。
ポリエチレン等に固定化された触媒を用いる場合は、そのまま反応液に添加する。
触媒の添加量は、触媒に用いられている金属量として、反応基質の0.1〜1000ppmの範囲で添加する。得られる分子内に2つ以上のエポキシ基を有する環状シロキサン化合物(A)の透明性、その硬化物の透明性の観点から、1〜100ppmが好ましく、2〜20ppmが特に好ましい。添加量が0.1ppmを下回ると付加反応が遅くなる懸念があり、1000ppmより大きいとシリコーン変性エポキシ樹脂の着色がひどくなる懸念がある。
反応および/または精製に用いた溶媒は減圧蒸留等によって除去することができる。
前記式(6)で表される環状シリコーン変性エポキシ樹脂のエポキシ当量の25℃における粘度は1500〜10000mPa・sが好ましく、2000〜8000mPa・sがさらに好ましく、3000〜7000mPa・sが特に好ましい。
エポキシ樹脂硬化促進剤(D)としては分子内に二つ以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸化合物(A)と、エポキシ樹脂(C)の硬化反応を促進する能力のあるものは何れも使用可能であるが、使用できる硬化促進剤(D)の例としては、アンモニウム塩系硬化促進剤、ホスホニウム塩系硬化促進剤、金属石鹸系硬化促進剤、イミダゾ−ル系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、ホスフィン系硬化促進剤、ホスファイト系硬化促進剤、ルイス酸系硬化促進剤等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物においてエポキシ樹脂硬化促進剤(D)の配合比率は、エポキシ樹脂組成物100質量部に対して0.001〜15質量部の硬化促進剤を使用することが好ましい。
金属石鹸系硬化促進剤としては、例えばオクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸マンガン、オクチル酸カルシウム、オクチル酸ナトリウム、オクチル酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、12−ヒドロキシリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸バリウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸リチウム、モンタン酸ナトリウム、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ベヘン酸リチウム、ベヘン酸ナトリウム、ベヘン酸銀、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸リチウム、ウンデシレン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、リシノール酸バリウム、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛等が挙げられる。これら触媒は1種又は2種以上を混合して用いても良い。
透明性、耐硫化性に優れる硬化物を得るために、特にステアリン酸亜鉛、モンタン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛等の炭素数10〜30のカルボン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛等の水酸基を有する炭素数10〜30のモノカルボン酸化合物からなる亜鉛塩が好ましく使用できる。これらの中でも特に、ポットライフ、耐硫化性に優れる観点から、ステアリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の炭素数10〜20のモノカルボン酸化合物からなる亜鉛塩、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛等の水酸基を有する炭素数15〜20のモノカルボン酸化合物からなる亜鉛塩が好ましく使用でき、さらに好ましくはステアリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛が使用でき、特に好ましくはステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛が使用できる。
使用できるカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤;イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤;Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニウムジルコニウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−プロピオネート等のジルコニウム、或いはアルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
これらカップリング剤は1種又は2種以上を混合して用いても良い。
カップリング剤は、本発明の硬化性樹脂組成物またはエポキシ樹脂組成物において通常0.05〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部が必要に応じて含有される。
前記アミン化合物としては、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、テトラキス(2,2,6,6−トトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ウンデカンオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−メタアクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、N,N’,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリルオキシカルボニル)エチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5・1・11・2〕ヘネイコサン−21−オン、β−アラニン,N,−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ドデシルエステル/テトラデシルエステル、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5,1,11,2〕ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキサ−3,20−ジアザジシクロ−〔5,1,11,2〕−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステル、プロパンジオイックアシッド,〔(4−メトキシフェニル)−メチレン〕−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エステル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールの高級脂肪酸エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)等のヒンダートアミン系、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系化合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコールの反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系化合物、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕フェノール等のトリアジン系化合物等が挙げられるが、特に好ましくは、ヒンダートアミン系化合物である。
市販されているアミン系化合物としては特に限定されず、例えば、チバスペシャリティケミカルズ製として、TINUVIN765、TINUVIN770DF、TINUVIN144、TINUVIN123、TINUVIN622LD、TINUVIN152、CHIMASSORB944、ADEKA製として、LA−52、LA−57、LA−62、LA−63P、LA−77Y、LA−81、LA−82、LA−87などが挙げられる。
注入方法としては、ディスペンサー等が挙げられる。
加熱は、熱風循環式、赤外線、高周波等の方法が使用できる。加熱条件は例えば80〜230℃で1分〜24時間程度が好ましい。加熱硬化の際に発生する内部応力を低減する目的で、例えば80〜120℃、30分〜5時間予備硬化させた後に、120〜180℃、30分〜10時間の条件で後硬化させることができる。
○GPC:GPCは下記条件にて測定した。
GPCの各種条件
メーカー:ウォーターズ
カラム:SHODEX GPC LF−G(ガードカラム)、KF−603、KF−602.5、KF−602、KF−601(2本)
流速:0.4ml/min.
カラム温度:40℃
使用溶剤:THF(テトラヒドロフラン)
検出器:RI(示差屈折検出器)
○官能基当量:以下の方法により測定した。
多価カルボン酸組成物を約0.15g秤量し、メタノール(試薬特級)40mlで溶解したのち、20〜28℃で10分間撹拌し、測定サンプルとした。測定サンプルを、京都電子工業製滴定装置AT−610を使用し、0.1Nの水酸化ナトリウム溶液を用いて滴定し、酸価として得られた値を官能基当量として算出した。
○粘度:東機産業株式会社製E型粘度計(TV−20)を用い、25℃で測定した。
○エポキシ当量:JIS K7236に記載の方法で測定した。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらトリシクロデカンジメタノール15g、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH)70g、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物(三菱ガス化学(株)製 H−TMAn)15gを加え、40℃で3時間反応後、70℃で1時間加熱撹拌を行った。GPCによりトリシクロデカンジメタノールの1面積%以下を確認し、多価カルボン酸樹脂とカルボン酸無水物化合物の混合物(A−1)が100g得られた。得られた混合物は無色の液状であり、GPCによる純度は多価カルボン酸樹脂(下記式A−1)を42面積%、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物が11面積%、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物が47面積%であった。また、官能基当量は171g/eq.であった。
ガラス製200ml四つ口フラスコに、4−ビニル−1,2−エポキシシクロヘキサン32.3部、FibrecatR4003(白金含有量3.4〜4.5%)を0.023部、トルエン50部を仕込み、ジムロートコンデンサ、撹拌装置、温度計を設置し、オイルバスにフラスコを浸した。オイルバスを加熱し、内温を80℃に保ち、そこに1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン12部を1時間かけて滴下し、そのまま10時間反応させた。反応液の1H−NMR測定をしたところ、ハイドロジェンシロキサン由来のプロトンピークが消失していた。
反応液に、活性炭(味の素ファインテクノ社製)を加え、室温(20〜30℃)で3時間撹拌した後に、活性炭とFibrecatR4003をろ過により除去し、得られたろ液に窒素ガスを吹き込みながら、60℃で減圧濃縮し、トルエンと過剰の4−ビニル−1,2−エポキシシクロヘキサンを除去することで、分子内に4つのエポキシ基を有する環状シロキサン化合物(C−1)36.7gを得た。得られた化合物のエポキシ当量は184.3g/eq、粘度は5601mPa・s、外観は無色透明液体であった。
合成例1で得られたA−1、硫黄系酸化防止剤として前記式(1−1)に記載のBASF社製Irganox1035、合成例2で得られたC−1、硬化促進剤としてサンアプロ社製U−CAT5003、リン系酸化防止剤としてADEKA社製アデカスタブ135Aを下記表1に記載の量比でポリエチレン製容器に秤量し、薬さじでよく混合した後、真空撹拌脱泡装置にて2分間撹拌し、本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。
合成例1で得られたA−1、酸化防止剤として、下記式(25)に記載のADEKA社製AO−60、合成例2で得られたC−1、硬化促進剤としてサンアプロ社製U−CAT5003、リン系酸化防止剤としてADEKA社製アデカスタブ135Aを下記表1に記載の量比でポリエチレン製容器に秤量し、薬さじでよく混合した後、真空撹拌脱泡装置にて2分間撹拌し、比較例のエポキシ樹脂組成物を得た。
粘度
東機産業株式会社製E型粘度計(TV−20)を用い、25℃で測定した。
硬化物透過率
実施例1、比較例1で得られたエポキシ樹脂組成物を真空脱泡5分間実施後、30mm×20mm×高さ0.8mmになるように耐熱テープでダムを作成したガラス基板上に静かに注型した。その注型物を、120℃×1時間の予備硬化の後150℃×3時間で硬化させ、厚さ0.8mmの透過率用試験片を得た。得られた試験片を、ガラス基板から取り出し、下記条件にて400nmの光線透過率を測定した。
<分光光計測定条件>
メーカー:株式会社日立ハイテクノロジーズ
機種:U−3300
スリット幅:2.0nm
スキャン速度:120nm/分
耐熱試験後透過率
(2)硬化物透過率で透過率を測定したサンプルを、180℃オーブンに72時間放置(大気中)した後の試験片を(2)と同じ条件にて400nmの光線透過率を測定した。
ガラス転移温度(Tg)
実施例1、比較例1で得られたエポキシ樹脂組成物を真空脱泡5分間実施後、30mm×20mm×高さ0.8mmになるように耐熱テープでダムを作成したガラス基板上に静かに注型した。その注型物を、120℃×1時間の予備硬化の後150℃×3時間で硬化させ、厚さ0.8mmの透過率用試験片を得た。
得られた硬化物を幅5mm長さ25mmに成形し、下記条件にてDMA(Dynamic Mechanical Analysis)を測定し、Tg(ガラス転移温度)を読み取った。
<DMA測定条件>
メーカー:セイコーインスツル株式会社
機種:粘弾性スペクトロメータ EXSTAR DMS6100
測定温度:−50℃〜150℃
昇温速度:2℃/min
周波数:10Hz
測定モード:引張振動
DMA法により測定したガラス転移温度(Tg):
DMAを測定した際の、貯蔵弾性率(E´)と損失弾性率(E´´)の商で表される損失係数(tanδ=E´´/E´)の極大点の温度を読み取った。
Claims (9)
- (A)分子中に二つ以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸化合物が、下記(a)の残基及び下記(b)の残基を有し、下記(a)及び(b)の各残基はエステル構造で結合されている末端にカルボキシル基を有する化合物である、請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
(a)分子内に二つ以上の水酸基を有する多価アルコール化合物の反応残基
(b)分子内に一つ以上のカルボン酸無水物化合物を有する化合物の反応残基
- 式(1)中の、R1はターシャリーブチル基、R2がエチレン基、R3がエチレン基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜5の硬化性樹脂組成物に、さらに(C)エポキシ樹脂を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- (C)エポキシ樹脂がシリコーン変性エポキシ樹脂である請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項6〜8のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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- 2015-07-29 JP JP2015149666A patent/JP6501359B2/ja active Active
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